JPH06157371A - 強誘電性液晶表示素子 - Google Patents

強誘電性液晶表示素子

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JPH06157371A
JPH06157371A JP4320851A JP32085192A JPH06157371A JP H06157371 A JPH06157371 A JP H06157371A JP 4320851 A JP4320851 A JP 4320851A JP 32085192 A JP32085192 A JP 32085192A JP H06157371 A JPH06157371 A JP H06157371A
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ferroelectric liquid
voltage
crystal display
chain
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和彦 玉井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 走査電極と信号電極に選択的に電圧を印加
し、液晶の光軸を切り換える印加・駆動手段と光軸の切
り換えを光学的に識別する手段を備えてなる強誘電性液
晶素子であって、液晶組成物が、一般式(I) 【化1】 で表される化合物を少なくとも一種及び/又は一般式
(II) 【化2】 で表される化合物を少なくとも一種含有し、誘電異方性
が負であることを特徴とする強誘電性液晶表示素子。 【効果】 強誘電性液晶のスメクティック層構造の折れ
曲がりの方向と強誘電性液晶−配向膜界面における強誘
電性液晶分子のプレティルトの方向が同一で配向性がよ
く、高コントラストで低駆動電圧の大容量の強誘電性液
晶表示素子を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電性液晶組成物を
用いた強誘電性液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
最も広く用いられている液晶表示素子は、液晶のネマテ
ィック相を利用したものである。しかし、ツイステッド
ネマッティック(TN)型液晶表示素子は、ライン数の
増加に伴ってコントラストが低下するため、2000×2000
ライン等の大容量表示素子を作ることは困難である。こ
のTN型液晶表示素子を改良するために、スーパーツイ
ステッドネマティック(STN)型液晶表示素子及びダ
ブルスーパーツイステッドネマティック(DSTN)型
液晶表示素子が開発されているが、ライン数の増加とと
もにコントラスト、応答速度が低下するため、現状では
800 ×1024ライン程度の表示容量が限界である。
【0003】また、基板上に薄膜トランジスタ(TF
T)を配列したアクティブマトリックス方式の液晶表示
素子も開発され、1000×1000ライン等の大容量表示が可
能になった。しかし、製造プロセスが長い、歩留りの低
下が生じやすい、製造コストが非常に高くなる等の欠点
を有している。近年、前記ネマティック相を利用した液
晶表示素子に加えてスメクティック相を利用した種々の
表示モードの研究も盛んに行われており、特に、強誘電
性液晶表示素子が有望視されている。このような表示素
子は、例えばエヌ.エー.クラークら(N.A.Clark,et a
l.)、Appl.Phys.Lett. 、36,899(1980)に開示されてい
る。この表示方法は、強誘電性液晶であるキラルスメク
ティックC相、キラルスメクティックI相等を利用する
ものであり、メモリー性を利用する方式であることか
ら、応答速度の向上に伴い表示の大容量化が可能であ
る。さらに、薄膜トランジスタなどのアクティブ素子を
必要としないため製造コストも上がらない。また、上記
の強誘電性液晶素子は、視角が広いという長所も兼ね備
えており、2000×2000ライン等の大容量表示用の液晶素
子として大いに有望視されている。
【0004】強誘電性液晶ディスプレイを実用化するた
めには、解決しなければならない課題が種々ある。なか
でも単純マトリクス駆動において高いコントラストを実
現する手法を見いだすことが非常に重要である。この課
題に対して、配向膜を斜方蒸着する方法、ハイプレ
ティルト配向膜を用いる方法、AC電界印加処理を行
う方法、ナフタレン系化合物を用いる方法、C1−
ユニフォーム配向を用いる方法及び負の誘電異方性を
有する液晶材料を用いる方法、の手法が提案されてい
る。
【0005】の「配向膜を斜方蒸着する方法」は、上
村ら T.Uemura et al.,Proc.SID,175(1987) により提案
された方法であるが、斜方蒸着を必要とするため、量産
化、大面積化が困難である。の「ハイプレティルト配
向膜を用いる方法」は、山本ら N.Yamamoto et al.,Jp
n.J.Appl.Phys.,28,524 (1989) により提案された方法
であるが、ハイプレティルト配向膜を用いて大面積で均
一な配向を作るのは容易ではない。
【0006】の「AC電界印加処理を行う方法」は、
佐藤ら Y.Sato et al.,Jpn.J.Appl.Phys.,28,L483(198
9) 及びリーガーら H.Rieger et al.,Proc.SID,396(199
0) によって提案された方法であり、通常の強誘電性液
晶セルに低周波高電圧のAC電界を印加することにより
セル内のシェブロン層構造を理想に近い疑似ブックシェ
ルフ層構造に強制的に変化させるものである。この手法
は、高コントラストが得やすい、メモリ角が広がり明る
い表示が実現できる等の利点はあるが、反面、応答速度
が低下する、駆動時の特性の経時変化等、実用化には問
題を残している。
【0007】の「ナフタレン系化合物を用いる方法」
は、望月ら A.Mochizuki et al.,Ferroelectrics.,122,
37(1991)により提案された手法であり、特定のナフタレ
ン系化合物を用いることにより、理想に近い疑似ブック
シェルフ層構造を得ることができ、高コントラストが実
現されたことが報告されている。しかし、使用すること
のできる化合物が極めて限られるため、この手法を用い
て実用的な大画面大表示容量の強誘電性液晶ディスプレ
イを実現するには多大の困難が予想される。
【0008】の「C1−ユニフォーム配向を用いる方
法」は、向殿ら〔向殿,『次世代液晶材料:強誘電性液
晶と反強誘電性液晶』(福田敦夫監修),pp114(1992)
〕により提案された方法であり、ハイプレティルト配
向膜を用いたパラレルラビングの液晶セルにおいて得ら
れるC1−ユニフォームという特定の配向状態を利用す
ることにより、高コントラストを得るものである。しか
し、この手法の場合、大面積でC1−ユニフォーム配向
を選択的に形成することは困難である。
【0009】一方、の「負の誘電異方性を有する液晶
材料を用いる方法」は、Surguyら P.W.H.Surguy et a
l.,Ferroelectrics., 122,63(1991))により提案された
手法であるが、この手法は、高コントラストを実現する
ために有望な手法であり、P.W.Ross,Proc.SID,217(199
2) には、この手法を用いた強誘電性液晶ディスプレイ
が開示されている。以下この強誘電性液晶ディスプレイ
について詳細に述べる。
【0010】誘電異方性が負でない通常の強誘電性液晶
組成物の場合、図9(a)に示すようなτ−V特性を示
す。すなわち、電圧が高くなるにつれてτ(メモリさせ
るために必要なパルス幅)が単調に低下する。これに対
して、負の誘電異方性を有する強誘電性液晶組成物の場
合、図9(b)に示すような極小値(τ−Vmin )を示
すτ−V特性が得られる。Surguyらは、このτ−V特性
を用いて駆動する駆動法として、図10に示す駆動法を
報告している。図中、1波形は列波形、2波形は縦波形
及び3波形は結果波形である。この駆動法の原理を図1
1に簡単に示す。この駆動法は、|Vs−Vd|の電圧を
印加したとき強誘電性液晶素子のメモリ状態をスイッチ
ングさせ、この電圧より高い電圧である|Vs+Vd|を
印加したとき及びこの電圧より低い|Vd|を印加した
ときはスイッチングさせないという方法である。
【0011】しかし、この方法の大きな問題点は駆動電
圧が高いことである。Rossら P.W.Ross,Proc.SID,217(1
992)の報告によれば、試作された強誘電性液晶ディスプ
レイの駆動電圧は55Vである。強誘電性液晶ディスプ
レイを駆動するICドライバの価格は高電圧になるほど
上がるため、高い駆動電圧はコストアップの大きな要因
となる。価格を抑えた強誘電性液晶ディスプレイを作製
するためには、それほど高価でない汎用のICドライバ
を用いて駆動することが必要であり、そのためには、少
なくとも駆動電圧を40V以下にすることが必要であ
る。現時点で高い駆動電圧を必要とする理由は、τ−V
特性における電圧値(Vmin)が高いためであり、40V
以下で駆動するためにはVmin を30V前後に示す強誘
電性液晶組成物を開発することが必要である。
【0012】Surguyらによれば、Vmin は以下の式で得
られる。 Vmin =Emin ・d=Ps・d/(√3・ε0 ・Δε・sin2θ) 式中、Emin は電界強度の極小値、dはセル厚、Psは
自発分極、Δεは誘電率異方性、θはティルト角であ
る。この式から分かるように低いVmin の値を得るため
には、大きな負の誘電率異方性と小さな自発分極が必要
である。一方、強誘電性液晶の応答速度は自発分極に関
係するため、自発分極を小さくすると高速応答を得るこ
とが困難となる。従って、液晶材料としては、負の誘電
異方性を有する低粘性材料が必要となる。もちろん、良
好な強誘電性液晶表示素子を得るためには、従来から言
われている以下の4つの条件も満たさなければならな
い。その条件とは、室温付近を中心に広い温度範囲で
スメクティックC相を呈すること、良好な配向性と相
安定性とを得るために、液晶材料がIAC(Isotropic−
Smectic A−Smectic C)またはINAC(Isotropic−Nem
atic−Smectic A−SmecticC)という相系列を呈するこ
と、ネマティック相及びスメクティックC相の螺旋ピ
ッチがセル厚に比べて十分長いこと及び、良好な化学
的安定性、光安定性を有することである。また、必要に
応じてティルト角、屈折率、比抵抗等の最適化を行うこ
ともできる。
【0013】強誘電性液晶表示素子に用いられる強誘電
性液晶化合物として、種々の化合物が知られている。例
えば、ベンゼン環の隣接する位置にフッ素を有するフェ
ニルナフタレン化合物が知られている(特表平4-504571
号公報)本発明は、上記のような条件下でなされたもの
であり、低いVmin 値を示す強誘電性液晶組成物を用い
た強誘電性液晶表示素子を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明によれ
ば、一対の絶縁性基板のそれぞれの上に、電極を形成
し、その上に配向膜を形成して、これら一対の絶縁性基
板が対向するように配置され、その間に強誘電性液晶を
介在させ、前記電極の少なくとも一つが画素を構成する
ための複数の走査電極と複数の信号電極を互いに交差す
る方向に配列し、走査電極と信号電極に選択的に電圧を
印加し、前記強誘電性液晶の光軸を切り換える印加・駆
動手段と光軸の切り換えを光学的に識別する手段を備え
てなる強誘電性液晶表示素子であって、該強誘電性液晶
組成物が、一般式(I)
【0015】
【化3】 (式中、R1 及びR2 は同一又は異なって炭素数1〜1
5を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基もしくは同一又
は異なって炭素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のア
ルコキシ基である。)で表されるフッ素化合物を少なく
とも一種及び/又は一般式(II)
【0016】
【化4】 (式中、R3 及びR4 は同一又は異なって炭素数1〜1
5を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基もしくは同一又
は異なって炭素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のア
ルコキシ基である。)で表されるフッ素化合物を少なく
とも一種含有し、誘電異方性が負であることを特徴とす
る強誘電性液晶表示素子が提供される。
【0017】上記一般式(I)及び一般式(II)は、分
子長軸に垂直な方向に2つのフッ素基を有し、しかもそ
の2つのフッ素基が同一のフェニル環に結合しているた
め、大きな負の誘電異方性が期待できる。また、エステ
ル等の高粘性の置換基を有していないため、低粘性が期
待できる。加えて、R1 、R2 、R3 及びR4 を適切に
選択することにより、安定にスメクティックC相を発現
させることができる。更に、一般式(I)の化合物及び
一般式(II)の化合物を組み合わせることにより、一般
式(I)の化合物又は一般式(II)の化合物を単独で含
有する液晶組成物を使用する場合より、スメクティック
C相の温度範囲、相系列、配向性等を改善することがで
きる。
【0018】R1 、R2 、R3 及びR4 に使用できる同
一又は異なって炭素数1〜15である直鎖又は分枝鎖の
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、1−メチルプロピル、1−メ
チルブチル、1−メチルペンチル、1−メチルヘキシ
ル、1−メチルオクチル、1−メチルノニル、1−メチ
ルデシル、1−メチルウンデシル、1−メチルドデシ
ル、1−メチルトリデシル、1−メチルテトラデシル、
4−メチルペンチル、5−メチルヘキシル、6−メチル
ヘプチル、7−メチルオクチル、8−メチルノニル、9
−メチルデシル、10−メチルウンデシル、11−メチルド
デシル、12−メチルトリデシル、13−メチルテトラデシ
ル、3−エチルペンチル、4−エチルヘキシル、5−エ
チルヘプチル、6−エチルオクチル、7−エチルノニ
ル、8−エチルデシル、9−エチルウンデシル、10−エ
チルドデシル、11−エチルトリデシル等が挙げられる。
【0019】また、同一又は異なって炭素数1〜15で
ある直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基としては、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキ
シ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、
ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキ
シ、ペンタデシルオキシ、1−メチルプロポキシ、1−
メチルブトキシ、1−メチルペンチルオキシ、1−メチ
ルヘキシルオキシ、1−メチルヘプチルオキシ、1−メ
チルオクチルオキシ、1−メチルノニルオキシ、1−メ
チルデシルオキシ、1−メチルウンデシルオキシ、1−
メチルドデシルオキシ、1−メチルトリデシルオキシ、
1−メチルテトラデシルオキシ、4−メチルペンチルオ
キシ、5−メチルヘキシルオキシ、6−メチルヘプチル
オキシ、7−メチルオクチルオキシ、8−メチルノニル
オキシ、9−メチルデシルオキシ、10−メチルウンデシ
ルオキシ、11−メチルドデシルオキシ、12−メチルトリ
デシルオキシ、13−メチルテトラデシルオキシ、3−エ
チルペンチルオキシ、4−エチルヘキシルオキシ、5−
エチルヘプチルオキシ、6−エチルオクチルオキシ、7
−エチルノニルオキシ、8−エチルデシルオキシ、9−
エチルウンデシルオキシ、10−エチルドデシルオキシ、
11−エチルトリデシルオキシ等が挙げられる。
【0020】このうち、R1 とR2 の組み合わせとして
は、R1 がヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デ
シル、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキ
シ、ノニルオキシ又はデシルオキシ基のときは、R2
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ヘキ
シルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニル
オキシ又はデシルオキシ基等が好ましい。また、これら
の化合物を数種類組み合わせて使用することが好まし
い。
【0021】また、R3 とR4 の組み合わせとしては、
3 がヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ル、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキ
シ、ノニルオキシ又はデシルオキシ基のときは、R4
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ヘキ
シルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニル
オキシ又はデシルオキシ基等が好ましい。また、これら
の化合物を数種類組み合わせて使用することが好まし
い。
【0022】本発明の強誘電性液晶組成物において、一
般式(I)の化合物の添加量が80重量%より多い場合に
は、添加した化合物が液晶組成物中で結晶化する等の実
用上の問題が生じる場合が多い。従って、一般式(I)
の化合物の添加量は5〜80重量%が適切であり、10〜50
重量%が特に好ましい。また、一般式(II)の化合物の
添加量が80重量%より多い場合には、添加した化合物が
液晶組成物中で結晶化する、INAC相系列が得られな
い等の実用上の問題が生じる場合が多い。従って、一般
式(II)の化合物の添加量は5〜80重量%が適切であ
り、10〜50重量%が特に好ましい。
【0023】また、一般式(I)の化合物と一般式(I
I)の化合物との配合割合は、一般に9.5 : 0.5〜6:
4であり、8:2〜7:3であるのが好ましい。ここで
一般式(I)及び(II)の化合物の合成法の例を以下に
示す。一般式(I)及び(II)の化合物は、例えば特表
平4-504571号公報に記載の方法に準じて得ることができ
る。
【0024】まず、一般式(I)の化合物はの合成方法
は以下の通りである。R1 がヘキシルオキシ、R2 がオ
クチルの場合を例にとって説明する。まず、1−ブロモ
ヘキサンを3−ペンタノンに溶解した溶液を、3−ペン
タノン中、6−ブロモ−2−ナフトール及び炭酸カリウ
ムの攪拌還流混合物に滴下する。攪拌した混合物を還流
下で24時間加熱する。炭酸カリウムを濾去し、濾液に水
を加えて、生成物をエーテルで抽出する。エーテル抽出
物を水、5%水酸化ナトリウム水溶液及び水で洗浄し、
硫酸ナトリウムで乾燥する。硫酸ナトリウムを濾去した
後、溶媒を留去して得られる残留物をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル/ヘキサン)で精製し、メタノー
ルで再結晶することにより、2−ブロモ−6−ヘキシル
オキシナフタレンを得る。次に、2−ブロモ−6−ヘキ
シルオキシナフタレンをエタノールに溶解し、その溶液
を、 2,3−ジフルオロ−4−オクチルフェニルほう酸及
びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの
ベンゼン溶液と2M炭酸ナトリウム水溶液の攪拌混合液
中にアルゴンガス雰囲気下、室温にて滴下する。この攪
拌した混合液を還流下で20時間加熱する。生成物をエー
テルで抽出し、エーテル抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで乾燥する。硫酸ナトリウムを濾去し、溶媒を
留去して得られる残留物をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル/ヘキサン−酢酸エチル=40:1)で精製
し、エタノールで再結晶することにより、R1 がヘキシ
ルオキシ、R2 がオクチルである一般式(I)の化合物
を得ることができる。
【0025】
【化5】
【0026】次に一般式(II)の化合物の合成法は、以
下の通りである。R3 がオクチル、R4 がデシルオキシ
の場合を例にとって説明する。1−ブロモ−4−( tra
ns−4’−オクチルシクロヘキシル)ベンゼンをエタノ
ールに溶解し、その溶液を、 2,3−ジフルオロ−4−デ
シルオキシフェニルほう酸及びテトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウムのベンゼン溶液と2M炭酸ナ
トリウム水溶液の攪拌混合液中にアルゴンガス雰囲気
下、室温にて滴下する。この攪拌した混合液を還流下で
20時間加熱する。生成物をエーテルで抽出し、エーテル
抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。硫
酸ナトリウムを濾去し、溶媒を留去して得られる残留物
をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン−
酢酸エチル=40:1)で精製し、エタノールで再結晶す
ることにより、R3 がオクチル、R4 がデシルオキシで
ある一般式(II)の化合物を得ることができる。
【0027】
【化6】 本願の液晶組成物は、一般式(I)及び/又は一般式
(II)の化合物以外の成分化合物を含有することができ
る。液晶組成物が強誘電性液晶を示すためには、液晶組
成物が光学活性を示すことが必要であり、そのために
は、組成物中の少なくとも一成分は光学活性化合物でな
くてはならない。従って、一般式(I)及び/又は一般
式(II)の化合物が光学活性を示さない場合には、組成
物中に、一般式(I)及び/又は一般式(II)の化合物
以外の光学活性化合物を少なくとも一種添加する必要が
ある。この光学活性化合物としては、例えば、
【0028】
【化7】 (式中、R5 及びR6 は同一又は異なって炭素数4〜12
を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくは同一又は
異なって炭素数4〜12を有する直鎖又は分岐鎖のアルコ
キシ基である。)、
【0029】
【化8】 (式中、R7 及びR8 は同一又は異なって炭素数4〜12
を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくは同一又は
異なって炭素数4〜12を有する直鎖又は分岐鎖のアルコ
キシ基である。)、
【0030】
【化9】 (式中、R9 及びR10は同一又は異なって炭素数4〜12
を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくは同一又は
異なって炭素数4〜12を有する直鎖又は分岐鎖のアルコ
キシ基である。)、
【0031】
【化10】 (式中、R11及びR12は同一又は異なって炭素数4〜12
を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくは同一又は
異なって炭素数4〜12を有する直鎖又は分岐鎖のアルコ
キシ基である。)、等が挙げられる。
【0032】光学活性化合物を添加する場合には、その
添加量は0.5 〜5重量%が適切であり、0.5 〜3重量%
が特に好ましい。また、液晶組成物中に、一般式(I)
及び/又は一般式(II)の化合物及び上記のような光学
活性化合物以外の成分として含有しうる化合物として
は、例えば、
【0033】
【化11】 (式中、R13及びR14は同一又は異なって炭素数4〜12
を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくは同一又は
異なって炭素数4〜12を有する直鎖又は分岐鎖のアルコ
キシ基である。)、
【0034】
【化12】 (式中、R15及びR16は同一又は異なって炭素数4〜12
を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくは同一又は
異なって炭素数4〜12を有する直鎖又は分岐鎖のアルコ
キシ基である。)、
【0035】
【化13】 (式中、R17及びR18は同一又は異なって炭素数4〜12
を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくは同一又は
異なって炭素数4〜12を有する直鎖又は分岐鎖のアルコ
キシ基である。)等が挙げられる。
【0036】強誘電性液晶組成物が低いVmin を示すた
めには、自発分極をある程度小さくする必要がある。従
って、自発分極は10nC/cm2以下であるのが好ましい。ま
た、良好な配向性を得るためには、強誘電性液晶組成物
が少なくともネマティック相、スメクティックA相及び
スメクティックC相を示すことが好ましい。次に、本発
明の強誘電性液晶表示素子を図1に基づいて説明する。
【0037】図1は本発明の強誘電性液晶組成物を用い
た液晶表示素子の断面図であり、透過型表示素子の一例
である。図中、1及び2は絶縁性基板、3及び4は導電
性膜、5は絶縁性膜、6は配向膜(配向制御層)、7は
シール剤、8は強誘電性液晶、9は偏光板を示す。1及
び2の絶縁性基板としては透光性の基板が用いられ、通
常ガラス基板が使用される。この絶縁性基板上には、例
えばInO3 、SnO2 、ITO(Indium-Tin Oxide)
等の導電性薄膜からなる所定のパターンの透明電極3及
び4が形成される。これは、CVD(Chemical Vapor D
eposition)法あるいはスパッタ法により形成される。導
電性薄膜の膜厚は50〜200nm が好ましい。
【0038】この透明電極の上に、膜厚50〜200nm で絶
縁性膜5が形成される。この絶縁性膜には、例えばSi
2 、SiNX 、Al23等の無機系薄膜、ポリイミ
ド、フォトレジスト樹脂、高分子液晶等の有機系薄膜等
を使用することができる。絶縁性膜が無機系薄膜の場合
には、蒸着法、スパッタ法、CVD法、溶液塗布法等に
よって形成することができる。また、絶縁性膜が有機系
薄膜の場合には、有機物質を溶かした溶液又はその前駆
体溶液を用いて、スピンナー塗布法、浸漬塗布法、スク
リーン印刷法、ロール印刷法等で塗布し、所定の硬化条
件(加熱、光照射等)で硬化させて形成する方法、ある
いは蒸着法、スパッタ法、CVD法、LB(Langumuir-
Blodgett)法等で形成することができる。しかしなが
ら、この絶縁性膜は省略することもできる。
【0039】絶縁性膜5上には膜厚10〜100nm で配向膜
(配向制御層)6が形成される。ただし、絶縁性膜を省
略した場合には、導電性膜3及び4の上に直接配向膜を
形成する。この配向膜6には、無機系又は有機系の膜を
使用することができる。無機系の配向膜には、酸化珪素
等が使用でき、その成膜方法としては、例えば斜方蒸着
法、回転蒸着法等を使用することができる。有機系の配
向膜には、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリイミ
ド等を使用することができ、通常この上をラビングす
る。また、高分子液晶、LB膜等を用いることもでき、
磁場により配向させたり、スペーサエッジ法により配向
させること等も可能である。更には、SiO2 、SiN
X 等を蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって成膜
し、その上をラビングする方法も使用することができ
る。その後、2枚の絶縁性基板を張り合わせ、液晶組成
物を注入して強誘電性液晶表示素子を作製する。
【0040】以上は、図1に基づいた画素数1のスイッ
チング素子の説明であるが、本発明の液晶表示素子は、
大容量マトリクスの表示装置に適用可能であり、その場
合には、図2の平面模式図に示すように、上下基板の配
線をマトリクス型に組み合わせて使用する。強誘電性液
晶素子の配向方法には種々の方法があるが、量産等を考
慮して最も現実的な方法はラビング法である。ラビング
法には、主にパラレルラビング、アンチパラレルラビン
グ、片ラビングの3方法がある。パラレルラビングは上
下基板をラビングし、そのラビング方向が平行なラビン
グ法である。アンチパラレルラビングは上下基板をラビ
ングし、そのラビング方向が反平行なラビング法であ
る。片ラビングは上下基板のうち片側の基板のみラビン
グする方法である。
【0041】このうち、片ラビングは良好な均一配向を
作ることが難しいという欠点を有する。なぜなら、強誘
電性液晶組成物は光学活性を示すため、その液晶組成物
が高温側にネマティック相を有すると、そのネマティッ
ク相は必然的に螺旋構造を有し、その螺旋構造が均一な
配向を阻害するからである。もし、強誘電性液晶組成物
が高温側にネマティック相を有さないならこの問題は生
じないが、逆に、等方性液体状態から直接スメクティッ
ク相が出現することになり、この場合も良好な均一配向
が得られがたい。
【0042】次に、アンチパラレルラビングは、ラビン
グ方向に沿って線状の欠陥が生じやすいため、やはり均
一な配向が得られがたい欠点を有している。従って、本
発明における配向方法として好ましい方法はラビング法
であるが、均一配向を得るための最も好ましい配向方法
は、パラレルラビングで処理されたセルとINAC相系
列を有する強誘電性液晶組成物を組み合わせる方法であ
る。この場合、ネマティック相において螺旋構造が存在
するが、上下基板の両側から分子の配向方向を規制する
ため、ネマティック相において均一な配向が得られやす
く、その状態からスメクティックA相、キラルスメクテ
ィックC相へと降温していけば層法線の方向のそろった
配向を容易に得ることができる。
【0043】しかしながら、パラレルラビングの強誘電
性液晶表示素子においても、キラルスメクティックC相
において生じる配向状態は決して1つではない。全面的
に均一にならない原因は2つある。ひとつはスメクティ
ック相の折れ曲がりに関するものである。強誘電性液晶
セルが折れ曲がった層構造(シェブロン層構造)を示す
ことはよく知られており、図12に示すように2つの領
域が存在しうる。神辺らはこれをプレティルトとの関係
からC1、C2と名付けている。図中、θp はプレティ
ルト角である。
【0044】もうひとつはユニフォーム(U)とツイス
ト(T)である。ユニフォームは消光位を示す配向、ツ
イストは消光位を示さない配向である。向殿らは、ハイ
プレティルト配向膜を用いたパラレルラビングの強誘電
性液晶セルにおいて、C1U(C1−ユニフォーム)、
C1T(C1−ツイスト)及びC2の3つの配向状態が
得られたことを報告している M.Koden et al.,Jpn.J.A
ppl.Phys.,30,L1823(1991)。本発明者らは更に詳細に検
討した結果、パラレルラビングの強誘電性液晶セルにお
いてはC1U、C1T、C2U及びC2Tの4つの配向
状態が存在することが分かった。図13にこれらの配向
状態の分子配向を示す。
【0045】負の誘電異方性を有する強誘電性液晶セル
において得られる4つの配向状態について比較すると、
C1T及びC2Tは消光位がなく黒状態が黒くないため
良好なコントラストが得られない。また、C1U配向は
スイッチングしにくく、たとえスイッチングしたとして
も、駆動時にC2状態が混在した配向へと変化してしま
う欠点がある。これに対して、C2U状態では良好なコ
ントラストが与えられることを本発明者らは見いだし
た。
【0046】C1及びC2配向の出現性はプレティルト
と関係があるが、プレティルト角が0〜15°の範囲では
C2状態が発生しうる。向殿らが報告しているように、
プレティルト角が高いときには、C2状態は消光位を示
す1つの状態しかないため好ましい。しかし、プレティ
ルト角の増加とともにC2よりC1の方が取りやすくな
る傾向がある。また、プレティルト角が低いほうがC2
が発生しやすいが、逆に低すぎるとC2T状態が発生し
やすくなる。従って、本願発明における、プレティルト
角の最も好ましい範囲は5〜10°であり、それによっ
て、C2U状態を得ることができる。
【0047】上記の配向方法及びプレティルト角で一般
式(I)及び/又は一般式(II)の強誘電性液晶組成物
を使用したとき、強誘電性液晶の配向状態はC2U状態
で層法線の方向のそろった配向であり、強誘電性液晶の
スメクティック層構造の折れ曲がりの方向と強誘電性液
晶−配向膜界面における強誘電性液晶分子のプレティル
トの方向は同一である。
【0048】次に駆動方法について詳細に記載する。本
発明の駆動方法としては、走査電極に光軸を切り換えな
い電圧と信号電極に光軸を切り換える電圧を印加し、つ
いで、信号電極に光軸を切り換えない電圧と走査電極に
光軸を切り換える電圧を印加させ、それによって走査電
極と信号電極の交差点で構成される画素に、40V以下の
正又は負の高電圧で強誘電性液晶分子に働く誘電異方性
負の効果が大きな領域の電圧と、その電圧に対応して負
又は正の低電圧で前記強誘電性液晶分子に働く誘電異方
性負の効果が小さな領域の電圧の2種類よりなる電圧波
形を印加する方法を用いることができる。
【0049】本発明に用いることのできる駆動方法とし
ては、図10に示した方法が利用できるが、より好まし
い駆動方法としては図3に示す方法が挙げられる。この
駆動方法は部分書換えができる駆動方法であり、この強
誘電性液晶素子を用いて2000×2000ライン等の大表示容
量のディスプレイを作製するには好ましい駆動方法であ
る。この駆動方法においては、書き換える画素に結合し
た走査電極に波形(1)を、その他の走査電極に波形
(2)を印加する。信号電極の波形としては、書き換え
る画素には波形(3)を、書き換えない画素には波形
(4)を印加する。画素にかかる電圧波形は(5)〜
(8)で表されるが、書き換えないときの波形(6)〜
(8)の電圧が印加されたとき、τが等しく、透過光量
がほぼ等しいため、フリッカのない良好な表示を得るこ
とができる。
【0050】
【実施例】実施例1 一般式(I)及び(II)で表される化合物1番〜7番を
合成した。化合物の構造と転移温度を表1及び2に示
す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】 実施例2 表1及び2に示した化合物を用いて、表3に示す組成の
強誘電性液晶組成物1番及び2番を作製した。作製した
強誘電性液晶組成物の転移温度を表4に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】 実施例3 表3及び表5に示す強誘電性液晶組成物を用いて、表6
に示す強誘電性液晶組成物3番〜7番を作製した。作製
した強誘電性液晶組成物の転移温度を表7に示す。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】 実施例4 2枚のガラス基板上に、PSI-A-2101(チッソ社製)配向
膜を膜厚50nmで塗布し、ラビングした。この2枚のガラ
ス基板をラビング方向が反平行になるようにセル厚50μ
mで貼り合わせ、ネマティック液晶 E-8(メルク社製)
を注入した。磁場容量法 K.Suzuki,K.Toriyama and A.
Fukuhara.,Appl.Phys.Lett,.33 (1987)561 によってPS
I-A-2101配向膜のプレティルト角を測定したところ5°
であった。
【0058】実施例5 2枚のガラス基板上に膜厚100nm のITO(導電性薄
膜)からなる透明電極を形成し、この透明電極上にSi
2 からなる膜厚120nm の絶縁性膜を形成し、この絶縁
性膜上にPSI-A-2101(チッソ社製)配向膜を膜厚50nmで
塗布し、ラビングした。次に、この2枚のガラス基板を
ラビング方向が同一になるようにセル厚2μmで貼り合
わせ、実施例3で作成した強誘電性液晶組成物を注入し
た。注入後いったん強誘電性液晶組成物が等方性液体に
変化する温度にセルを加熱し、その後5℃/min で室温
まで冷却することにより、良好なC2U配向を有する強
誘電性液晶表示素子を得た。
【0059】この強誘電性液晶表示素子を2枚の直交す
る偏光子の間に設置して電圧を印加し、特性を評価し
た。評価条件及び得られた特性を表8に示す。更に、こ
の強誘電性液晶表示素子のτ−Vmin 特性を評価し、結
果を図4〜8に示す。図4〜8より分かるように、V
min は30V以下に得られている。また、得られた強誘
電性液晶表示素子は、強誘電性液晶組成物のスメクティ
ック相構造の折れ曲がりの方向と強誘電性液晶−配向膜
界面における強誘電性液晶分子のプレティルトの方向が
同一であった。
【0060】
【表8】 比較例1 2枚のガラス基板上に膜厚100nm のITOからなる透明
電極を形成し、この透明電極上にSiO2 からなる膜厚
120nm の絶縁性膜を形成し、この絶縁性膜上にPSI-A-21
01(チッソ社製)配向膜を膜厚50nmで塗布し、ラビング
した。次に、この2枚のガラス基板をラビング方向が同
一になるようにセル厚2μmで張り合わせ、表5に示す
強誘電性液晶組成物をそれぞれ注入した。注入後いった
ん強誘電性液晶組成物が等方性液体に変化する温度にセ
ルを加熱し、その後5℃/min で室温まで冷却すること
により、良好な配向を有する強誘電性液晶表示素子を得
た。
【0061】この強誘電性液晶表示素子を2枚の直交す
る偏光子の間に設置して電圧を印加し、特性を評価し
た。評価条件及び得られた特性を表9に示す。更に、こ
の強誘電性液晶表示素子のτ−Vmin 特性を評価し、結
果を図14に示す。図14より分かるように、τ−V
min 特性は得られたが、Vmin は30V以上であった。
【0062】
【表9】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、一般式(I)及び/又
は一般式(II)の強誘電性液晶組成物を使用したとき、
強誘電性液晶のスメクティック層構造の折れ曲がりの方
向と強誘電性液晶−配向膜界面における強誘電性液晶分
子のプレティルトの方向が同一で配向性がよく、高コン
トラストで低駆動電圧の大容量の強誘電性液晶表示素子
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電性液晶組成物を用いた強誘電性
液晶素子の概略断面図である。
【図2】大容量の強誘電性液晶表示素子を作製する方法
の摸式図である。
【図3】強誘電性液晶表示素子を駆動する駆動波形を示
す図である。
【図4】本発明の強誘電性液晶表示素子のτ−V特性で
ある。
【図5】本発明の強誘電性液晶表示素子のτ−V特性で
ある。
【図6】本発明の強誘電性液晶表示素子のτ−V特性で
ある。
【図7】本発明の強誘電性液晶表示素子のτ−V特性で
ある。
【図8】本発明の強誘電性液晶表示素子のτ−V特性で
ある。
【図9】強誘電性液晶材料のτ−V特性を示す図であ
る。
【図10】強誘電性液晶表示素子を駆動する駆動波形を
示す図である。
【図11】図10の駆動法の原理を示す図である。
【図12】強誘電性液晶表示素子のC1配向とC2配向
の説明図である。
【図13】強誘電性液晶表示素子の配向状態の分子配向
モデルである。
【図14】従来の強誘電性液晶表示素子のτ−V特性で
ある。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 絶縁性基板 3 導電性膜 4 導電性膜 5 絶縁性膜 6 配向膜(配向制御層) 7 シール剤 8 強誘電性液晶 9 偏光板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の絶縁性基板のそれぞれの上に、電
    極を形成し、その上に配向膜を形成して、これら一対の
    絶縁性基板が対向するように配置され、その間に強誘電
    性液晶を介在させ、前記電極の少なくとも一つが画素を
    構成するための複数の走査電極と複数の信号電極を互い
    に交差する方向に配列し、走査電極と信号電極に選択的
    に電圧を印加し、かつ前記強誘電性液晶の光軸を切り換
    える印加・駆動手段と光軸の切り換えを光学的に識別す
    る手段を備えてなる強誘電性液晶表示素子であって、強
    誘電性液晶組成物が、一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は同一又は異なって炭素数1〜1
    5を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基もしくは同一又
    は異なって炭素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のア
    ルコキシ基である。)で表されるフッ素化合物を少なく
    とも一種及び/又は一般式(II) 【化2】 (式中、R3 及びR4 は同一又は異なって炭素数1〜1
    5を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基もしくは同一又
    は異なって炭素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のア
    ルコキシ基である。)で表されるフッ素化合物を少なく
    とも一種含有し、誘電異方性が負であることを特徴とす
    る強誘電性液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 印加・駆動手段が、走査電極に光軸を切
    り換えない電圧と信号電極に光軸を切り換える電圧を印
    加し、ついで、信号電極に光軸を切り換えない電圧と走
    査電極に光軸を切り換える電圧を印加させ、それによっ
    て走査電極と信号電極の交差点で構成される画素に、40
    V以下の正又は負の高電圧で強誘電性液晶分子に働く誘
    電異方性負の効果が大きな領域の電圧と、その電圧に対
    応して負又は正の低電圧で前記強誘電性液晶分子に働く
    誘電異方性負の効果が小さな領域の電圧の2種類よりな
    る電圧波形を印加することを特徴とする強誘電性液晶表
    示素子の駆動方法。
  3. 【請求項3】 強誘電性液晶組成物が、10nC/cm2以下の
    自発分極を示すものである請求項1に記載の強誘電性液
    晶表示素子。
  4. 【請求項4】 強誘電性液晶組成物が、少なくともネマ
    ティック相、スメクティックA相及びスメクティックC
    相を示すことからなる請求項1又は3に記載の強誘電性
    液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 強誘電性液晶と配向膜界面のプレティル
    ト角が、10°以下である請求項1、3又は4の何れか1
    つに記載の強誘電性液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 強誘電性液晶のスメクティック層構造の
    折れ曲がりの方向と強誘電性液晶−配向膜界面における
    強誘電性液晶分子のプレティルトの方向が同一である請
    求項1、3、4又は5の何れか1つに記載の強誘電性液
    晶表示素子。
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