JPH06155Y2 - 人形頭髪用カ−ル成形具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、人形の頭髪がファイバ状又は薄板状の可塑
材料を樹脂でコーティングしてなる場合に、その頭髪を
任意の曲率をもって湾曲状、螺旋状又は渦巻状にカール
させるために使用するカール成形具に関するものであ
る。

従来技術とその欠点 従来、人形頭髪にカールを付けるものには、実開昭６１
−５１８８７号、実開昭６１−１１１４８４号、特開昭
５４−１３５０６２号の各公報に記載されたものが知ら
れているが、これらはいずれも、合成樹脂ファイバ製の
頭髪に適用するものとして作られており、構造が複雑で
コスト高となり、成形しうるカールの種類は１種類に限
られるという不自由さがあった。また、ファイバ状又は
薄板状の可塑材料を樹脂でコーティングしてなる場合
に、その頭髪に適用することは困難であった。円筒状の
髪巻きを使用し、頭髪の一端から順次巻き付けて、頭髪
を加熱していた。

解決しようとする技術課題 この考案は、上記の点に鑑み、簡単な一対の器具を使用
して、希望のカール状態に沿って一対の器具を移動する
だけで、ファイバ状又は薄板状の可塑材料に樹脂をコー
ティングした頭髪に容易に希望の形状、曲率を有するカ
ールを得ることができるようにした人形頭髪用カール成
形具を提供しようとするものである。

課題解決手段 上記の課題を達成するため、この考案は、ファイバ状又
は薄板状の可塑材料に合成樹脂をコーティングしてなる
頭髪を、カールを付けたい部分の両端において挟持する
一対の器具からなり、各器具は、一対の板を開閉自在に
連結され、各板の閉時の対向面に人形の上記頭髪を挟持
する挟持面を備えたものである。

作用 一対の器具を適宜隔て、各器具の一対の板の間に前記頭
髪を分散して挟持し、その後に前記両器具を希望のカー
ル状態に応じて移動させて前記頭髪を湾曲又は捻りなど
した後、器具を取外すと頭髪に希望どおりのカールが残
る。

この考案の実施例 次に、この考案の一実施例を、図面に基いて説明する。

この考案に係る頭髪成形具は、第３図に示すように、人
形の頭髪Ｈのカールを付けたい部分の両端において装着
される一対の器具Ａ_１，Ａ_２からなる。この場合、人形
Ｄの頭髪Ｈは、可塑材料を合成樹脂材料でコーティング
して成形したものである。可塑材料は、ファイバ状又は
薄板状の銅、アルミューム、軟鉄等が用いられる。可塑
線を一本ずつ樹脂コーティングして繊維状に形成する場
合と、複数本の可塑線を並列し、それらを被覆する樹脂
で接合して板状に形成する場合とがありうる。前記可塑
材料を被覆する合成樹脂は人形頭髪の所望の色と同色が
望ましい。しかし、合成樹脂コートを透明にし、可塑材
料を頭髪と同色に着色しても良い。

前記器具Ａ_１，Ａ_２は、第１図に符号Ａで示すような同
一の構成を有する。同一構成であるため、左右を選ばず
に使用可能である。そして、器具Ａは、一端においてヒ
ンジ１により開閉自在に連結された一対の板２，３の対
向面に位置決め用突起４と孔５を設け、各板の対向面の
残部にこれらの板を閉じた場合に頭髪を確実に挟持しう
る要素、例えば、山と谷が互いに噛み合って密着する歯
６，７、あるいは、微小凹凸面が設けてある。

上記成形具を用いて、上記頭髪Ｈにカール成形するに
は、第２図に示すように、頭髪Ｈのカールを付けたい
部分の両端に前記器具Ａ_１，Ａ_２をセットして、各器具
の歯の間あるいは微小凹凸面の間に繊維状頭髪Ｈを均等
分散し、又は板状頭髪を置いて、一対の板２，３を閉
じ、両器具を手で押さえて頭髪に湾曲力が加わるよう
にこれらを接近し、又は頭髪に捻り力が加わるように移
動する。両器具のこのような移動により、第３図に示す
ように、挟持された部分の頭髪は一様に湾曲状、渦巻状
又は螺旋状にカールする。板２，３の対向面の挟持要素
が頭髪を確実に挟持するので、器具の回転又は移動時に
頭髪の整列状態が崩れることがない。上記工程を経た
後は、両器具Ａ_１，Ａ_２を開放して、これを頭髪から取
り外す。

頭髪は可塑材料を有しているので、両器具の移動方向に
沿って容易に変形し、かつ、器具を取り外した後も、頭
髪の可塑材料を変形させる程度の外力が加えられない限
り、カールが保持される。

器具Ａを細長状態に作った場合は、これを取り外さない
で、そのまま髪飾りとして利用しても良い。また、カー
ルした髪の中に装着したまま残して、カールのくずれを
防ぐために用いても良い。

この考案の効果 上述のように、この考案による人形頭髪用カール成形具
は、一対の板を開閉自在に連結し、各板に前記一対の板
を閉じた際に人形の頭髪を確実に挟持する要素を設けた
一対の器具を用いるものであるから、可塑材料を有する
合成樹脂繊維を頭髪として用いる人形においては、上記
一対の器具の間に前記頭髪を挟持し、前記両器具を接近
又は移動して前記頭髪を湾曲又は捻りなどしたのち、前
記器具を取り外し、又はそのまま装着することにより、
容易に螺旋状、湾曲状又は渦巻状のカールを形成するこ
とができる。そして、各器具の板の対向面に頭髪を確実
に挟持する要素を備えているので、カール成形のために
器具を移動又は回転する際に、頭髪の整列状態が崩れな
いので、美麗なカールが得られる。また、同一の器具を
用いて、希望の方向に移動するだけで容易に好みにあっ
たカールを形成することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の一実施例を示すものであり、第１図
はこの考案に係る器具を示す斜視図、第２図は上記器具
の使用状態を示す斜視図、第３図はカールを形成した状
態を示す斜視図である。 Ｈ…頭髪、 Ａ…器具、 １…ヒンジ ２，３…板、 ４，５…位置決め部材、 ６，７…歯、 Ｄ…人形。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ファイバ状又は薄板状の可塑材料に合成樹
   脂材料をコーティングしてなる人形頭髪用のカール成形
   具であって、一対の板を開閉自在に有し、前記各板の対
   向面に前記一対の板を閉じた際に人形の頭髪を挟持する
   要素を設けてなり、前記頭髪のカールを成形したい部分
   の両端に装着される一対の器具。