JPH0615590U - 回収収納型浴槽蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】可塑性シート材を補強芯材で補強した浴槽蓋を
採用するにあたり、浴槽蓋の回収形状、特に、浴槽内方
向への張り出し形状を肥大化させることなく回収収納可
能な浴槽蓋を実現する。 【構成】可塑性シート材１を平行配列した芯材２で保持
して浴槽蓋を構成するとともに、芯材２両端部に固着し
た紐状挿通材挿通環６に挿通した紐状挿通材５を、巻き
取りリール３に巻き取りながら手繰り寄せて芯材２と可
塑性シート材１を回収する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】

この考案は、浴槽蓋に関するもので、特に、入浴時に蓋を浴槽上面から回収収 納する収納構造の浴槽蓋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、浴室の効率的使用の見地から、入浴時に浴槽蓋を浴槽の縁部で回収収納 する収納構造が提案されている。回収収納構造としては、例えば、浴槽の片側に 設置した巻取り器に、柔軟材で形成された浴槽蓋をロール状に巻取り収納する機 構が提案されている。

【０００３】 この機構の問題点は、浴槽蓋を巻取り収納したときの収納寸法を極力小さくす ることにある。そして、巻取り寸法極小化の点から、浴槽蓋を可塑性シート材で 形成するものが提案されている（実開昭６４−４３７８４号、特開昭６２−１０ ９５２５号）。

【０００４】 しかしながら、浴槽蓋にシート材を採用した場合の問題点は、浴槽蓋使用時に 蓋材が浴槽内へ垂れ下がることにある。この問題の解消策として、従来構造にお いては、蓋材の巻取り幅方向に補強材を固着する構造のもの（実開昭６４−４３ ７８４号）、あるいは、浴槽蓋の使用時に浴槽蓋端部を浴槽端部に止着固定する 構造のもの（特開昭６２−１０９５２５号）が採用されている。

【０００５】 しかし、補強剤を用いる構造においては、補強材がシート材の垂れ下がりに抗 するためには、補強材は垂れ下がり方向に対して一定の厚みを必要とするため、 シート材を採用したにも関わらず巻取り径がどうしても大きくなりがちである。 その結果、巻き取り収納機構を浴槽端部に設置する場合、一般家庭の浴室では浴 槽端部と浴室壁との間の寸法余裕はないのが普通であるから、収納機構を浴槽内 方向へ張り出して設置せざるを得ず、その分だけ浴槽面積が狭くなり、入浴動作 に支障を生じさせる。

【０００６】 また、浴槽蓋端部を止着固定する構造においては、浴槽縁部に蓋体を固定する 系合片の取り付けが必要になり、この系合片が入浴動作時に支障をきたす恐れが ある。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記問題点に対処して、可塑性シート材を補強芯材で補強した浴 槽蓋を採用するにあたり、浴槽蓋の回収形状、特に、浴槽内方向への張り出し形 状を肥大化させることなく回収収納可能な浴槽蓋を実現する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

課題を解決するための手段として、浴槽蓋相当形状の可塑性シート材のシート 幅方向に配置固着される芯材を一定間隔毎に平行配列するとともに該平行配列さ れた芯材の各両端部に紐状挿通材の挿通環を固着し、上記平行配列芯材の同一端 部側に配列された上記紐状挿通材挿通環の各々に順に紐状挿通材を挿通するとと もに該紐状挿通材の先端部（後端部）を上記可塑性シート材の端部に固定して構 成される浴槽蓋であって、上記紐状挿通材の遊端部を手繰り寄せて該浴槽蓋を浴 槽上面から回収収納することを特徴とする回収収納型浴槽蓋が採用される。

【０００９】 さらに、課題を解決するための他の手段として、浴槽蓋相当形状の可塑性シー ト材のシート幅方向に配置固着される芯材を一定間隔毎に平行配列するとともに 該平行配列された芯材の各両端部に紐状挿通材の挿通環を固着し、上記平行配列 芯材の同一端部側に配列された上記紐状挿通材挿通環の各々に順に紐状挿通材を 挿通するとともに該紐状挿通材の先端部（後端部）を上記平行配列された芯材の 第１列又は最終列芯材の挿通環に固定して構成される浴槽蓋であって、上記紐状 挿通材の遊端部を手繰り寄せて該浴槽蓋を浴槽上面から回収収納することを特徴 とする回収収納型浴槽蓋が採用される。

【００１０】 さらに、課題を解決するための他の手段として、浴槽蓋相当形状の可塑性シー ト材のシート幅方向に配置固着される芯材を一定間隔毎に平行配列するとともに 該平行配列された芯材の各両端部に紐状挿通材の挿通環を固着し、上記平行配列 芯材の同一端部側に配列された上記紐状挿通材挿通環の各々に順に紐状挿通材を 挿通するとともに該紐状挿通材の先端部（後端部）を上記可塑性シート材の端部 又は上記平行配列された芯材の第１列若しくは最終列芯材の挿通環に固定して構 成される浴槽蓋と、上記紐状挿通材の遊端部を手繰り寄せて上記シート幅の両端 部で巻き取る一対の巻き取りリールと、該一対の巻き取りリールを回転自在に保 持する回転軸と、該回転軸のほぼ中央部に固定され湾曲凹凸周面を有しかつ該湾 曲凹凸周面から中心軸方向に切り込み加工された切り込み溝が形成されてなる回 転駆動停止板と、該回転駆動停止板の上記湾曲凹凸周面に近接配置されて上記回 転駆動停止板の回転規制時は上記湾曲凹凸周面の湾曲凹凸部と嵌着系合を行いさ らに上記回転駆動停止板の回転時は該嵌着系合が解除されるバンドブレーキ材と 、上記回転駆動板の回転軸両端近傍に各端部が固定され中間部が上記切り込み溝 に挿通されて張架されるゴム材とを具備してなる回収収納型浴槽蓋が採用される 。

【００１１】

【作用】

上記構成において、可塑性シート材は平行配列された芯材によって保持されて 浴槽上面を覆って浴槽蓋の機能を行う。そして、入浴時は、上記芯材に固着され ている挿通間に挿通された紐状挿通材の遊端部を手繰り寄せて可塑性シート材を 浴槽上面から回収する。さらに、手繰りよせた紐状挿通材を巻き取りリールに巻 き取ることにより紐状挿通材巻き取り下部位置に可塑性シート材の手繰り寄せ回 収を行う。

【００１２】

【実施例】

図１において、１は浴槽蓋相当形状の可塑性シート材を示し、そのシート幅方 向には芯材２、２が一定間隔毎に平行配列されて該可塑性シート材に固着されて いる。

【００１３】 ３は巻き取りリールを示し、取り付け台４に回転可能に保持される回転軸に装 着される。巻き取りリール３は、可塑性シート材１の両端部に配置されて、芯材 ２の両端部に挿通される紐状挿通材５を巻き取って可塑性シート材１の回収収納 を行う。図２はその回収収納時の状態を示す。

【００１４】 以下、巻き取りリール３による回収収納動作について詳述する。 図１において、平行配列される芯材２、２の各々は、シート材１に固着される と同時に、その両端部には、図３に示すごとく、紐状挿通材５を挿通する挿通環 ６が固着されている。なお、紐状挿通材５は、所謂紐材に限らず、例えば、鎖、 ピアノ線、合成繊維材等任意の紐材を用いることができる。

【００１５】 紐状挿通材５は挿通環６の各々に挿通されるとき、平行配列される芯材２の第 １列目芯材２Ｆの端部又は挿通環６に括結されて各挿通環６、６に順次挿通され る。そして、最終列芯材２Ｅの挿通環６を挿通した紐状挿通材５は、可塑性シー ト材１のシート幅両端部に配置された巻き取りリール３に巻回される。

【００１６】 図４は上記構成の側面図を示し、芯材２に保持された可塑性シート材１を浴槽 ７の縁部に沿って張載して、浴槽蓋として使用時の状態を示す。

【００１７】 芯材２の各挿通環６を挿通した紐状挿通材５が最終列芯材２Ｅの挿通環６から 巻き取りリール３に巻き取られるとき、最終列芯材２Ｅは、保持台４の巻き取り リール３近傍位置に形成された系合凹部に当接固定され、最終列芯材２Ｅの挿通 環６を介して紐状挿通材５の巻き取りが行われる。なお、最終列芯材２Ｅは、保 持台４の巻き取りリール３近傍位置に予め固定装着してもよい。

【００１８】 従って、紐状挿通材５が巻き取りリール３に巻き取られるとき、第１列芯材２ Ｆが最終列芯材２Ｅ方向へ引き寄せ移動させられると共に、第１列芯材２Ｆと最 終列芯材２Ｅが取付台４方向へ連動して移動させられる。そして、最終列芯材２ Ｅが取付台４の系合凹部に当接系合した後は、第１列芯材２Ｆの引き寄せ摺動が 行われ 、各芯材２、２両端部の挿通環６、６が当接位置まで引き寄せられた時 紐状挿通材５が、巻き取り限界に達して巻き取りが完了する。

【００１９】 図２は巻き取り完了時の状態を示し、挿通環６の各々が連接するとともに、配 列芯材２、２間の可塑性シート材１が湾曲収容される結果、挿通環６の連接形状 が釣り針状に収納保持される。

【００２０】 図５は他の実施例を示すもので、上記実施例では、紐状挿通材５の巻き取りを 手動で行ったが、これを自動巻き取りにした例を示す。

【００２１】 図５において、図１乃至図４と同一記号は同一物を示す。 ８は回転軸を示し、その両端部に巻き取りリール３、３が固定される。巻き取 りリール３、３は芯材２両端部の紐状挿通材５、５の巻き取り位置に配設される 。

【００２２】 回転軸８のほぼ中央部には回転駆動停止板９が固着され、回転駆動停止板９の 回転、停止に伴って、回転軸８を介して巻き取りリール３、３の回転、停止動作 が行われる。

【００２３】 回転駆動停止板９は、図６に側面断面図を示すように、湾曲凹凸周面９Ａを有 しかつ湾曲凹凸周面９Ａから中心軸方向に切り込み加工された切り込み溝９Ｂが 形成されている。

【００２４】 また、回転駆動停止板９の回転周面に近接して、コの字形状のバンドブレーキ 材１０が装着される。バンドブレーキ材１０は弾力性材で形成され、その一端は 筐体１１上部に固着され、自由端を形成する他端部には押圧レバー１２が固着さ れている。この押圧レバー１２はその先端部が筐体上部を貫通して固着され、押 圧レバー１２の押圧によってバンドブレーキ１０内周面と回転駆動停止板９回転 周面の近接位置が遠近制御されるごとくなされている。

【００２５】 バンドブレーキ材１０内周面には、湾曲凹凸周面９Ａの凹凸部と嵌着系合を行 う凹凸系合部１０Ａが形成され、常時は、湾曲凹凸周面９Ａと凹凸系合部１０Ａ の嵌着系合によって回転駆動停止板９が回転停止状態に保持され、押圧レバー１ ２の押圧時に湾曲凹凸周面９Ａと凹凸系合部１０Ａの系合が解除されて回転駆動 停止板９が回転可能状態になる。

【００２６】 さらに、回転駆動停止板９には、その回転周面から中心方向に複数の切り込み 溝９Ｂが形成され、切り込み溝９Ｂにゴム材１３が挿通されている。そして、ゴ ム材１３は、その両端が回転軸両端部の筐体側面１４に固着される。

【００２７】 従って、上記構成において、押圧レバー１２を押圧保持結果、回転駆動停止板 ９の回転可能時に、図２の収納状態にあるシート材１を浴槽上に張載するとき、 巻き取りリール３に巻回された紐状挿通材５の繰り出しに伴って巻き取りリール が回転し、さらに回転軸８を介して回転駆動停止板９が回転する。このとき、回 転駆動停止板９の切り込み溝９Ｂに挿通されたゴム材１３が、回転軸周囲に捩り 巻回される結果、紐状挿通材５の繰り出し回転の増加とともに、回転駆動停止板 ９に紐状挿通材５の繰り出し方向と逆方向、従って紐状挿通材５の巻回収納方向 の回転力の蓄積が行われる。

【００２８】 シート材１を浴槽上に張載した後、押圧レバー１２の押圧を解除して回転駆動 停止板９の湾曲凹凸周面９Ａとバンドブレーキ材１０の凹凸系合部１０Ａを嵌着 系合させることにより、浴槽蓋の張載が保持される。そして、入浴時に押圧レバ ー１２を押圧して、回転駆動停止板９の湾曲凹凸周面９Ａとバドブレーキ１０の 凹凸系合部１０Ａの嵌着系合を解除すると、シート材１の繰出時に蓄積された回 転力に基づいて、回転駆動停止板９Ａが上記繰出時と逆方向、従って紐上挿通材 ５の巻回収納方向に回転し、同時に巻き取りリール３による紐上挿通材５の巻き 取り回収が行われる。

【００２９】 紐上挿通材５の巻き取りが行われると、図１乃至図４実施例と同様にして、芯 材２、シート材１の回収収納が行われ、その結果、浴槽蓋の自動回収収納が行わ れる。

【００３０】

【考案の効果】

以上説明のように、この考案によるときは、可塑性シート材を平行配列した芯 材で保持して浴槽蓋を構成するとともに、芯材両端部に固着した紐状挿通材挿通 環に挿通した紐状挿通材を、巻き取りリールに巻き取りながら手繰り寄せて浴槽 蓋である可塑性シート材を回収するごとく構成されているため、浴槽蓋の可塑性 シート材の回収形状を縦長形状にすることができ、浴槽方向の形状寸法を肥大化 させることがないから、入浴時に支障を生じるさせることなく浴槽蓋の使用、回 収を行うことができる。

【００３１】

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の実施例。

【図２】 実施例の巻取り回収収納時の側面図。

【図３】 実施例の挿通環説明図。

【図４】 実施例側面図。

【図５】 他の実施例。

【図６】 図５実施例における回転駆動停止板側面図。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽蓋相当形状の可塑性シート材のシート
   幅方向に配置固着される芯材を一定間隔毎に平行配列す
   るとともに該平行配列された芯材の各両端部に紐状挿通
   材の挿通環を固着し、上記平行配列芯材の同一端部側に
   配列された上記紐状挿通材挿通環の各々に順に紐状挿通
   材を挿通するとともに該紐状挿通材の先端部（後端部）
   を上記可塑性シート材の端部に固定して構成される浴槽
   蓋であって、上記紐状挿通材の遊端部を手繰り寄せて該
   浴槽蓋を浴槽上面から回収収納することを特徴とする回
   収収納型浴槽蓋。
2. 【請求項２】浴槽蓋相当形状の可塑性シート材のシート
   幅方向に配置固着される芯材を一定間隔毎に平行配列す
   るとともに該平行配列された芯材の各両端部に紐状挿通
   材の挿通環を固着し、上記平行配列芯材の同一端部側に
   配列された上記紐状挿通材挿通環の各々に順に紐状挿通
   材を挿通するとともに該紐状挿通材の先端部（後端部）
   を上記平行配列された芯材の第１列又は最終列芯材の挿
   通環に固定して構成される浴槽蓋であって、上記紐状挿
   通材の遊端部を手繰り寄せて該浴槽蓋を浴槽上面から回
   収収納することを特徴とする回収収納型浴槽蓋。
3. 【請求項３】請求項１又は請求項２の浴槽蓋において、
   上記手繰り寄せた紐状挿通材を上記シート幅の両端部で
   巻き取る一対の巻き取りリールと、該一対の巻き取りリ
   ールを回転自在に保持する回転軸と、該回転軸のほぼ中
   央部に固定され湾曲凹凸周面のを有しかつ該湾曲凹凸周
   面から中心軸方向に切り込み加工された切り込み溝が形
   成されてなる回転駆動停止板と、該回転駆動停止板の上
   記湾曲凹凸周面に近接配置されて上記回転駆動停止板の
   回転規制時は上記湾曲凹凸周面の湾曲凹凸部と嵌着系合
   を行いさらに上記回転駆動停止板の回転時は該嵌着系合
   が解除されるバンドブレーキ材と、上記回転駆動板の回
   転軸両端近傍に各端部が固定され中間部が上記切り込み
   溝に挿通されて張架されるゴム材とを具備してなる回収
   収納型浴槽蓋。