JPH0615493B2 - 無水酢酸の精製方法 - Google Patents

無水酢酸の精製方法

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JPH0615493B2
JPH0615493B2 JP8277586A JP8277586A JPH0615493B2 JP H0615493 B2 JPH0615493 B2 JP H0615493B2 JP 8277586 A JP8277586 A JP 8277586A JP 8277586 A JP8277586 A JP 8277586A JP H0615493 B2 JPH0615493 B2 JP H0615493B2
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acetic anhydride
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弘 三浦
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は無水酢酸の精製方法に関するものである。無水
酢酸は、アセチルセルロースの原料、医薬、農薬、染料
などに広く用いられている。
(従来技術および問題点) 無水酢酸の製法としては、酢酸、アセトンまたは酢酸メ
チル、酢酸エチル等の蒸気を熱分解して、生成するケテ
ンガスを酢酸に吸収、反応させて得る方法、無水塩化ア
ルミなどを触媒として酢酸にホスゲンと反応させる方
法、またはエチリデンジアセテートを塩化亜鉛等触媒の
存在下で加熱する方法などが知られている。これら公知
の方法で得られる無水酢酸には副反応として、ケテン自
身の2量化によるジケテンの生成、および反応工程等
で、無水酢酸自身の熱的経変等で生成すると考えられる
ジケテンが無水酢酸中に混入し、これらの無水酢酸を、
蒸留等公知の方法で精製しようとした場合、無水酢酸と
ジケテンとの沸点差が小さいこともあり、高還流比高段
数の精密蒸留を行う必要があり、エネルギーコストが高
いという問題があった。又、エネルギーコストを無視し
たとしても、なおかつ数10ppm〜数1000ppmのジケテ
ン、およびその他微量の不純物が製品無水酢酸中に存在
するために過マンガン酸還元性物質試験(JIS K-8886-19
76)が5〜6分程度、またはそれ以下である。一般的な
用途には、これらの品質で充分であり、無水酢酸の工業
薬品としてのJIS規格には過マンガン酸還元性物質試験
の記載はない。無水酢酸の特級試薬のJIS規格では5分
以上となっている。しかしながら、医薬品原料など精密
化学の分野ではJISの特級試薬の規格5分を大幅に越え
るような高品質の無水酢酸を強く望まれている。これま
での公知の方法では、特級試薬のJIS規格の5分以上例
えば5〜6分程度のものは得られているが、それ以上の
高品位の無水酢酸を工業的、経済的有利に得ることは非
常に困難であった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、工業的経済的有利に過マンガン酸還元性物
質試験の著しく改善された高品位の無水酢酸を得るため
の精製方法について鋭意研究を重ねた。その結果、過マ
ンガン酸還元性物質試験5〜6分またはそれ以下の粗無
水酢酸を無水クロム酸またはその水溶液で処理した後、
蒸留に付するか、あるいは無水クロム酸またはその水溶
液での処理と同時に蒸留に付することによって、充分高
品位の無水酢酸を工業的、経済的有利に得ることができ
ることを見出し、又このような処理による新たな不純物
の生成も起らないことを確認し、本発明を完成した。
本発明の方法において、無水クロム酸の添加量は原料粗
無水酢酸の品質にもよるが、通常は0.01wt%から1wt%
程度で十分である。また無水クロム酸を50〜60wt%程度
の水溶液として、無水クロム酸の添加量が前記0.01wt%
から1wt%程度になるようにして添加することも可能で
ある。工業的には水溶液として添加した方が所望の量を
正確に且つ連続的に加えられる点で有利である。より具
体的には、原料粗無水酢酸に対し、無水クロム酸を0.0
1wt%から1wt%程度の量を添加し、室温下、約30分
程度攪拌処理した後、常圧または減圧下(特に規定する
必要はないが50〜300トール程度)で蒸留に付する
かあるいは、蒸留フラスコに原料粗無水酢酸と前記所定
量の無水クロム酸とを入れ、常圧または前記減圧下で蒸
留に付することにより実施される。以下無水クロム酸の
水溶液を使用する場合について更に具体的に説明する。
処理槽に原料粗無水酢酸と50〜60wt%程度の無水ク
ロム酸の水溶液を通常粗無水酢酸に対して、無水クロム
酸として0.01〜1wt%程度連続的に仕込んで攪拌し、
特に規定されるものではないが平均帯留時間30分程度
になるように処理する。かくして得られた無水酢酸の過
マンガン酸還元性物質試験は、原料粗無水酢酸の5〜6
分またはそれ以下であったものが、数10分〜20時間
以上に改善される。
また無水クロム酸を水溶液として添加する場合、処理槽
に原料粗無水酢酸と60wt%程度の無水クロム酸の水溶液
の所定量(特に規定することはないが通常は仕込粗無水
酢酸に対し無水クロム酸として0.01〜1wt%程度)とを
連続的に仕込んで、攪拌、平均帯留時間30分程度(特
に時間を規定することはない)になるように処理する。
この処理液を連続的に蒸留塔の中間または蒸留缶に仕込
み、塔頂から精製無水酢酸を連続的に留出させまた蒸留
缶から缶液を仕込量に対し数wt%相当を連続的に抜取
る。この場合、常圧でも減圧(特に規定する必要はない
が通常は50〜300トール程度)で蒸留しても良い。
また無水クロム酸の水溶液を直接蒸留缶または蒸留塔中
間に仕込むことも可能である。なお、無水クロム酸の水
溶液の添加比率が小さい場合には上記の方法で十分純度
の高い、しかも過マンガン酸還元性物質試験の高度に改
善された精製無水酢酸を得ることが可能であるが、前記
水溶液の添加比率が大きくなるに従って、水と無水酢酸
との反応で生成する酢酸が精製無水酢酸に混入するた
め、その純度が低くなる。従って、前記蒸留において、
塔頂から、酢酸を多く含む無水酢酸を少量留出させ、塔
の中間から精製無水酢酸を得るかまたは蒸留缶から気相
抜取りすることによって高純度で且つ、過マンガン酸還
元性物質試験が数時間または数10時間以上の高品質の
精製無水酢酸を得ることができる。さらに好ましくは、
前記蒸留塔の塔頂から酢酸を多く含む無水酢酸を少量連
続的に留出させ、その蒸留缶から液または気相、抜取り
を行ない、第2塔目の蒸留塔の中間に仕込んで、第2塔
の塔頂から精製無水酢酸を得ることもできる。この場合
第1塔目の缶液を第2塔に仕込む方式にした場合には第
2塔の蒸留缶から連続的に不揮発分を含む無水酢酸を少
量連続的に抜取る。第2蒸留塔の蒸留操作も常圧下でも
減圧下でも良く特に規定する必要はない。また、第1塔
目の蒸留缶から気相で抜き出し、第2塔目の蒸留塔に仕
込む場合は、第1塔目の蒸留缶から、不揮発分を含む無
水酢酸を少量連続的に抜取り、第2塔目の蒸留塔の缶液
を極く少量連続的または間欠的に抜取ることによって、
非常に高純度でかつ過マンガン酸還元性物質試験の著し
く改善された高品質の精製無水酢酸を得ることができ
る。第一塔の蒸留缶から気相で第2塔目の蒸留塔に仕込
む場合、第2塔の構造によって、蒸留缶での帯留時間が
数時間程度に長くなると、常圧下の蒸留操作では、無水
酢酸の熱経変によってジケテン等の不純物が極く微量生
成するために、再び過マンガン酸還元性物質試験がやや
悪くなることがあるので、50〜300トール程度の減
圧下で蒸留操作することが望ましい。第1塔目の缶液を
第2塔に仕込む場合は、第2塔において熱経変等で微量
のジケテン等不純物が生成しても十分な無水クロム酸が
第2塔の蒸留缶中に共存している場合では必ずしも第2
塔を減圧下で蒸留操作する必要はない。
(発明の効果) 本発明の方法により、工業的に有利に、過マンガン酸還
元性物質試験値が、5〜6分またはそれ以下の粗無水酢
酸より、数10分〜20時間以上の高品質な無水酢酸を
得ることができ、かくして得られた無水酢酸は特に医薬
品等、精密化学の分野で非常に高く評価されている。
実施例−1 原料粗無水酢酸100gに無水クロム酸または、その60
wt%水溶液を所定量添加し、室温下で30分間攪拌処理
した後、常圧下で単蒸留を行なった。また室温下で30
分間の攪拌処理することなく、前記混合液を直接単蒸留
に付した。実験結果は表−1の通りであった。
実施例−2 攪拌機を備えたフラスコに、連続的に原料粗無水酢酸を
250ml/時、無水クロム酸の60wt%水溶液を所定量
(無水クロム酸の純量として、仕込無水酢酸に対し1.5
〜0.05wt%)仕込み、平均帯留時間が約30分(特に
規定する必要はない)になるようにして、室温下で攪拌
処理した。この処理液を連続的に第一塔の蒸留塔フラス
コに仕込み、塔頂から、酢酸を多く含む無水酢酸留分
を、仕込無水酢酸に対し1〜6wt%相当量を連続的に留
出させた。第一塔の蒸留塔フラスコから連続的に第二塔
の蒸留塔フラスコに仕込み、塔頂から精製無水酢酸また
は蒸留フラスコからは仕込無水酢酸に対し5wt%程度の
量をそれぞれ連続的に抜き取った。(精製無水酢酸90
〜95wt%相当量を得た。本実験では、第一塔および第
二塔の各蒸留塔とも常圧下で操作を行なった。なお第一
塔および第二塔の蒸留塔フラスコ液の平均帯留時間は約
4時間、第一塔は20段、第二塔は10段の各蒸留塔を
用いた。また上記第一塔から前期同様に連続的に薄膜蒸
留装置に仕込み常圧又は減圧下で操作し、精製無水酢酸
を得た。この場合も、精製無水酢酸は仕込無酢酸に対し
約90wt%〜95wt%相当量であった。実験結果は表−
2の通りであった。
実施例−3 実施例−2の第一塔および第二塔の各蒸留塔への仕込位
置をそれぞれ塔の中間に変えた他は、同様に実験を行な
い、下記表−3の結果を得た。なお蒸留圧力は第一塔、
常圧、第二塔については100トールで行なった。また
無水クロム酸を加えない他は全く前記と同じく実験した
結果も表−3に示した。原料粗無水酢酸も実施例−2と
同じものを用いた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水酢酸を無水クロム酸またはその水溶液
    で処理した後、蒸留に付するかあるいは無水クロム酸ま
    たはその水溶液での処理と同時に蒸留に付することを特
    徴とする無水酢酸の精製方法
JP8277586A 1986-04-10 1986-04-10 無水酢酸の精製方法 Expired - Lifetime JPH0615493B2 (ja)

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