JPH0615461Y2 - 導体支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は分電盤等に使用される、銅バーのような導電板
を幅方向から一対の支持体で挟んで支持する形式の導体
支持装置に関するものである。

（従来の技術） 分電盤等における従来の導体支持装置は、複数の嵌合溝
を設けた一対の支持体間に導電板を幅方向から挟み、相
隣る嵌合溝の中間から挿通した取付けねじによりこれら
の一対の支持体を相互に固定するとともに分電盤等に対
して固定する形式のものであつた。

ところが、このような従来のものにあっては、導電板間
に金属製の取付けねじが露出しているため、確実な絶縁
効果を上げるには導電板間の距離を広く取らなければな
らず、支持体が大型化して導体支持装置の設置面積を広
く必要とする問題があった。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上記のような従来の問題点を解決して、確実な
絶縁効果を維持しつつ導電板間の距離を短縮することが
でき、これによって装置全体の設置面積を小さくするこ
とができる導体支持装置を目的として完成されたもので
ある。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記のような問題点を解決するためになされた
もので、一対の支持体の嵌合溝間に導電板を挟んで支持
する導体支持装置において、各支持体の相隣る嵌合溝の
中央部に透設した取付けねじ挿通用の透孔の周囲に、半
割状の絶縁壁と他方の支持板の絶縁壁の先端を嵌合でき
る溝穴とを対称に設けたことを特徴とするものである。

（実施例） 次に、本考案の実施例を第１図及び第２図に示す３線用
の導体支持装置により詳細に説明する。

(1)、(1)は上下一対の絶縁性の支持体であり、各支持体
(1)の表面には銅バー等の導電板(10)の両端部を支持す
る３本の嵌合溝(2)が等間隔に設けられており、第２図
に示すように３本の導電板(10)がこれらの支持体(1)、
(1)間に支持される構造となっている。

(6)、(6)は各支持体(1)、(1)の相隣る嵌合溝(2)、(2)の
中央部に透設した取付けねじ挿通用の透孔である。各透
孔(6)の周縁には透孔(6)を中心とした半割状の絶縁壁
(7)と、他方の支持板(1)の絶縁壁(7)の先端部が嵌合で
きる半円弧形の溝穴(8)が対称に設けられている。これ
らの絶縁壁(7)と溝穴(8)とは、一対の支持体(1)、(1)を
導電板(10)を挟んで対向させた際に支持体(1)の絶縁壁
(7)が他方の支持体(1)の溝穴(8)に互いに嵌合され、対
向した絶縁壁(7)、(7)が円筒を形成するものであり、こ
れによって透孔(6)、(6)から露出している取付けねじ(2
2)の軸部(22a)の全周を導電板(10)から確実に絶縁する
ことができる。このような絶縁壁(7)及び溝穴(8)の形状
は実施例のような半円弧形とは限らず角形としたもので
もよいことは勿論であり、一対の支持体(1)、(1)を対向
させた際に一方の絶縁壁(7)が他方の溝穴(8)に相互に嵌
合して完全な絶縁ができればその断面形状は任意であ
る。

なお、(3)は各嵌合溝(2)の中央に必要に応じて形成した
拡大凹部である。この拡大凹部(3)には幅の異なる溝部
(4)を複数本設けたアタッチメント(5)が嵌脱自在に取付
けられており、アタッチメント(5)の嵌合方向を変える
ことにより種々の板厚の導電板(10)に対応できるように
したものである。

（作用） このように構成されたものは、一対の支持体(1)、(1)に
等間隔に設けた嵌合溝(2)、(2)間に導電板(10)の両端側
を嵌合させるとともに、各支持体(1)、(1)の相隣る嵌合
溝(2)、(2)の中央に透設した取付けねじ挿通用の透孔
(6)に取付けねじ(22)を挿通して各支持体(1)、(1)を相
互に固定するとともに分電盤等に対して固定することは
従来のこの種導体支持装置と同様である。

しかし本考案の導体支持装置は、各支持体(1)(1)の透孔
(6)の周囲に半割状の絶縁壁(7)とこの絶縁壁(7)の先端
部が嵌合できる溝穴(8)とを設けたものであるから、上
下一対の支持体(1)、(1)の絶縁壁(7)、(7)により取付け
ねじ(22)の周囲に環状の絶縁壁が形成され、取付けねじ
(22)が導電板(10)から電気的に隔離されることとなる。
このため取付けねじ(22)が隣合う導電板(10)、(10)相互
間の絶縁性に影響を与えることがないので、取付けねじ
(22)と導電板(10)との距離を広くとる必要がなく、大電
流用のものであっても支持体(1)、(1)を小形化でき設置
面積を狭くできるものである。

また本考案においては各支持体(1)、(1)を同一形状とす
ることができるので製造が容易であり、製作コストを安
価とすることができる。

（考案の効果） 本考案は以上の説明から明らかなように、取付けねじの
周囲を各支持板から突出させた絶縁壁をもつて隔離する
ので、導電板相互の絶縁距離を広くとる必要がなくな
り、装置全体を小型化できるうえ、絶縁壁とこれを嵌合
する溝穴は取付けねじ挿通用の透孔を中心に対称に設け
られたものであるので、同一形状の支持体を一対として
製作すればよく、製造の手数を省くことができる。よっ
て本考案は従来のこの種導体支持装置の問題点を一掃し
たものとして、その実用的価値は極めて大きなものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図はその使
用状態を示す断面図である。 (1)：支持体、(2)：嵌合溝、(6)：透孔、 (7)：絶縁壁、(8)：溝穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の支持体(1)、(1)の嵌合溝(2)、(2)間
   に導電板(10)を挟んで支持する導体支持装置において、
   各支持体(1)の相隣る嵌合溝(2)の中央部に透設した取付
   けねじ挿通用の透孔(6)の周囲に、半割状の絶縁壁(7)と
   他方の支持板(1)の絶縁壁(7)の先端を嵌合できる溝穴
   (8)とを対称に設けたことを特徴とする導体支持装置。