JPH06154533A - 捕集装置のダスト払い落とし装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 材料を気力輸送するための気力源を、空気振
動源の動力源としても兼用することにより、捕集装置の
フィルターに付着したダストを空気振動により払い落と
しが非常に効果的になされるとともに、専用の払い落と
し装置が不要で安価に装置を提供できる。 【構成】 捕集装置Ａと、捕集装置Ａに材料Ｍを気力に
より輸送するための気力源２０と、この気力源２０と捕
集装置Ａとの間に設けられ該気力源２０を原動力とする
空気振動源Ｂとを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、気力（気体輸送力）
を付与することにより、粉粒体材料その他の材料を捕集
ホッパー内に輸送するとともに、同捕集ホッパーのフィ
ルターに付着したダストを効果的に払い落とし除去する
ようにした捕集装置のダスト払い落とし装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の捕集装置のダスト払い落
とし装置としては、図１３に示すようなものが知られて
いる。このものは、内部にバグフィルター１０１を下部
に材料入口１０２を上部に気体出口１０３を有する捕集
ホッパー１００と、気体出口１０３に連結した排気管１
０４に接続したプロワ等の吸引空気源（気力源）１０５
と、バグフィルター１０１に付着したダスト等を払い落
とすための払い落とし手段１０６とを備え、前記払い落
とし手段１０６はエアタンク１０７と電磁弁１０８とレ
ギュレータ１０９などを設けてなるものである。

【０００３】吸引空気源１０５の吸引力により材料は材
料入口１０２から捕集ホッパー１００内に送られ、重い
材料は捕集ホッパー１００下部に収容される一方、粉塵
はバグフィルター１０１の濾過作用で同フィルター１０
１に付着し気体だけは気体出口１０３から排気管１０４
を経て系外に排出される。バグフィルター１０１に付着
残留したダスト等は、払い落とし手段１０６の除塵エア
ーで逆洗することにより払い落としできるようになって
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来例
のものでは、バグフィルター１０１を基準にすれば、エ
アーが常に一方向からのみ作用するものであったため、
ダストの払い落とし効果が今一つであった。また、払い
落とし手段１０６として、エアタンク１０７、電磁弁１
０８、レギュレータ１０９及び配管等を別途必要とし、
その費用のため装置が高くなっていた。

【０００５】この発明は、上記欠点を解消するものであ
って、材料を気力により捕集装置に輸送するための気力
源（空気源）を、空気振動源の動力源としても兼用する
ことにより、材料を気力輸送するだけでなく、捕集装置
のフィルターに付着したダスト（ミスト等も含む広義の
ものをいう。）をも払い落としできるようにした捕集装
置のダスト払い落とし装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明は、請求項１記載の如く、捕集装置と、捕
集装置に材料を気力により輸送するための気力源と、こ
の気力源と捕集装置との間に設けられ該気力源を原動力
とする空気振動源とを備えたことを特徴とする。ここ
で、気力源とはブロワやコンプレッサなどであって、吸
引式又は圧送式のいずれの方式でもよい。空気振動源と
は上記気力源を動力源として作動して空気を振動させる
ものである限り、その具体的構成は以下に述べる実施例
のものに限らない。

【０００７】この発明は、その実施態様としては、請求
項２記載の如く、材料供給源と、材料供給源内の材料を
捕集するとともにフィルターによりダストを捕集する捕
集装置たる捕集ホッパーと、吸気口および／または排気
口を有する気力源と、２つ以上のポートと弁体を有する
空気振動源たる切替弁と、切替弁の弁体を駆動する駆動
源と、前記材料供給源と捕集ホッパーと切替弁と気力源
をそれぞれ結ぶ配管とを備えてなる構成を採用すること
ができる。

【０００８】上記構成において、更に詳しい実施態様を
挙げれば、この発明では、気力源としては吸引式構造の
ものを用いることにより、、請求項３記載の如く、材料
供給源と捕集ホッパーが材料の流れ方向からみて切替弁
より上流側に配置され、気力源は切替弁を通じて前記捕
集ホッパー内に吸引力を付与可能であるとともに、少な
くともダスト払い落とし時には切替弁の弁体が回転運動
をしてフィルターに気力による気体振動を付与可能に構
成されている。

【０００９】また、気力源として圧送式構造のものを用
いることにより、請求項４記載の如く、材料供給源と捕
集ホッパーが材料の流れ方向からみて切替弁より下流側
に配置され、気力源は切替弁を通じて前記捕集ホッパー
よりの材料に対して圧送力を付与可能であるとともに、
少なくともダスト払い落とし時には切替弁の弁体が回転
運動をしてフィルターに気力による気体振動を付与可能
に構成される。

【００１０】切替弁としては、２つ以上のポートを有す
るケーシングと、同ケーシング内に駆動源により回転自
在に内装され、かつ２つの弁室に区画形成する弁体とか
らなるものを採用するとよい。すなわち、切替弁として
は、軸まわりに回転羽根を有する弁体をケーシング内に
設けたロータリー弁が好適であるが、ボールバルブその
他の構造のものでもよい。

【００１１】気力源としては、吸気口および／または排
気口を持つものであればよく、たとえば、リングブロ
ワ、ルーツブロワ、ポンプ（真空式も含む）などを用い
る。配管は、金属その他任意の素材で形成でき、可撓性
に富むチューブやホースであってもよい。弁体で区画形
成される２つの弁室は、それぞれの総合流路容積が同一
または異なるように形成して、気体振動の波形を変更で
きるように構成してある（請求項５）。

【００１２】この発明は、低周波ないし中周波帯域の音
波を気体振動として、パルスまたは正弦波等の波形を変
更できるようにしてなるものである。その気体振動の波
形を変更する方式としては、切替弁の弁体の回転数を変
更する（請求項６）とか、弁室内での弁体の取付角度を
変更する（請求項７）とか、弁体の回転角度を変更する
（請求項１０）とか、切替弁の少なくとも１つ以上のポ
ートの開口断面積またはケーシングの断面形状を変更す
る（請求項８）とか、切替弁のポートの取付角度を変更
する（請求項９）とか、その他種々の方式を採用するこ
とができる。

【００１３】

【第１実施例】この発明の第１実施例を図１に基づいて
以下に説明する。図１は、吸引式の捕集装置のダスト払
い落とし装置の一例を示している。同図では、１は材料
供給源１であって、この材料供給源１内に収容されてい
る材料Ｍは、気力源２０の吸引力により、配管たる輸送
管２を介して捕集装置Ａに輸送できるようにしてある。
捕集装置Ａは、下部側壁に前記輸送管２と接続した材料
入口４を、天板に気体出口５を形成した捕集ホッパー３
と、該捕集ホッパー３内の上部に設けたバグフィルター
６と、気体出口５と接続した排気管（配管）７と、捕集
ホッパー３に収容されている材料を排出口９より排出可
能とした開閉弁等の排出手段８とからなっている。

【００１４】材料Ｍの輸送流れからみて、捕集ホッパー
３の気体出口５より下流側には、前述したブロワや真空
ポンプ等の吸引式の気力源２０を配管１１、１１ａを介
して接続する。つまり気力源２０の吸気口２１を配管１
１ａの先端と接続するとともに配管１１の基端を排気管
７と接続する一方、排気口２２は今１つの配管１０の先
端と接続するとともに基端は後述の空気振動源Ｂのポー
ト１３と連通接続している。

【００１５】気力源２０と捕集装置Ａとの間には空気振
動源Ｂが設けられており、この空気振動源Ｂは前記気力
源２０を原動力として空気振動が行われる。この空気振
動源Ｂの具体的構成は任意であるが、例えば後述するよ
うにロータ式切替弁を用いる方式などでもよいし、空気
伸縮手段によってシリンダー内の空気を圧縮または拡開
して空気振動を付与する方式などでもよい。この実施例
での空気振動源Ｂは、ポート１３を配管１０と、ポート
１４と１５とを配管１１、１１ａと接続している。１２
もポートである。

【００１６】この吸引式の気力輸送装置によれば、気力
源２０を駆動して、配管１１を介して捕集ホッパー３内
を実線の矢印イの如く吸引することによって材料供給源
１の材料Ｍが捕集ホッパー３内に吸引輸送される一方、
気力源２０の排気は排気口２２を経て系外に排出する。
材料の輸送が終わると、コントローラーにより気力源２
０が停止し輸送も停止し、排出手段８により同ホッパー
３内の材料を排出する。その後、コントローラーによっ
て一定時間に亘って前記気力源２０を始動して空気振動
源Ｂを作動することによって、配管１１内へ矢印ロの如
く空気振動を付与して、その空気の脈流により、捕集ホ
ッパー３内のバグフィルター６に付着しているダストを
払い落す。その後に気力源２０を停止し空気振動源Ｂの
作動を停止し排出手段８を閉じる。以上の動作を繰り返
す。

【００１７】

【第２実施例】図２は第２実施例を示す。このものは、
気力源２０としてコンプレッサなどの圧送式のものを用
いて、材料供給源１内の材料Ｍを捕集装置Ａ（捕集ホッ
パー３）内に圧送して輸送する点と、材料供給源１のフ
ィーダー１６と捕集ホッパー３の材料入口４とを接続し
た輸送管２と、配管１９とを切替弁１７を介して配管１
８により接続してなる点で、上記第１実施例と顕著に異
なる。

【００１８】すなわち、第２実施例において、気力源２
０を駆動して、排気口２２より配管１０、配管１９、フ
ィーダー１６及び輸送管２を経て圧縮ガスを捕集ホッパ
ー３内に圧送することにより、材料供給源１内の材料Ｍ
を上記捕集ホッパー３内に輸送する一方、捕集ホッパー
３内の排気は排気管７より排出する。排気管７は配管３
０より空気振動源Ｂのポート１２と接続してもよい。材
料の輸送が終わると、コントローラーにより気力源２０
が停止し輸送も停止し、排出手段８により同ホッパー３
内の材料を排出する。その後、コントローラーによって
一定時間に亘って前記気力源２０を始動して空気振動源
Ｂを作動することによって、配管１９内へ空気振動を付
与して、その空気の脈流により、切替弁１７の操作にっ
て配管１８及び輸送管（配管）２を通じて、捕集ホッパ
ー３内のバグフィルター６に付着しているダストを払い
落す。その後に気力源２０を停止して空気振動源Ｂの作
動を停止して排出手段８を閉じる。以上の動作を繰り返
す。なお、本実施例の場合、配管１８及び輸送管（配
管）２側だけでなく、輸送管２より分岐した配管（図示
せず）によってフィルター６上方からも空気振動波を供
給して上下両方からバグフィルター６を振動させること
もできる。

【００１９】

【第３実施例】図３ないし図１０は、この発明の第３実
施例を示す。図３は材料Ｍを輸送する通常輸送状態を、
図４はダスト払い落とし状態をそれぞれ示している。こ
の実施例は、図１の実施例と同様に、気力源２０を吸引
式とするとともに、捕集装置Ａと気力源２０との間に同
気力源２０を原動力とする空気振動源Ｂを備えている点
では共通する。ただし、空気振動源Ｂとして切替弁４０
を具体的に用いるとともに、切替弁４０と空気振動源Ｂ
及び捕集装置Ａとの配管構造が異なるものである。

【００２０】すなわち、この第３実施例のものは、材料
供給源１と、材料供給源１内の材料Ｍを捕集するととも
にフィルター６によりダストを捕集する捕集装置Ａたる
捕集ホッパー３と、吸気口２１および／または排気口２
２を有する気力源２０と、２つ以上のポート１２、１
３、１４、１５と弁体４１を有する空気振動源Ｂたる切
替弁４０と、切替弁４０の弁体４１を駆動する駆動源
（図示せず）と、前記材料供給源１と捕集ホッパー３と
切替弁４０と気力源２０をそれぞれ結ぶ配管２、７、２
３、２４とを備えている。また、材料供給源１と捕集ホ
ッパー３は材料の流れ方向からみて切替弁４０より上流
側に配置され、気力源２０は切替弁４０を通じて前記捕
集ホッパー３内に吸引力を付与可能であるとともに、少
なくともダスト払い落とし時には切替弁４０の弁体４１
が回転運動をしてフィルター６に気力による気体振動を
付与可能に構成されている。

【００２１】捕集ホッパー３の材料入口４からは、気力
源２０の吸引力により前記材料Ｍが導入され、導入され
た材料Ｍのうち比較的重い材料は、自重で矢印Ｘのよう
に下部の排出手段８の方向に落下し一時貯留されるとも
に、排出手段８を開くことにより排出口９より系外に排
出される。捕集ホッパー３の内部上側には、複数列にわ
たってバグタイプのフィルター６が固定して設けられ、
矢印Ｙの経路で軽いダストがフィルター６…６で付着濾
過されるとともに気体は排気管７内に導かれるようにな
っている。

【００２２】排気管７の先端には切替弁４０が接続され
ている。同切替弁４０は、図１０にも示すように、筒状
のケーシング４２の９０°毎の４か所に、同一流路面積
であるポート１２、１３、１４、１５が水平方向に突設
されているとともに、該ケーシング４２の上下両端は上
蓋４３と下蓋（図示せず）とで閉止されている。この上
下両蓋間には、駆動源の駆動軸に連結した回転軸４４が
回転自在に連結してある。回転軸４４には回転羽根であ
る弁体４１が取付けられている。なお、弁体４１は、図
１０に示すような板状の羽根でなく、ボール体の対向位
置に弧状の流路を向かい合って形成したボールバルブで
もよく、その他適宜設計変更可能である。

【００２３】弁体４１で区画形成される２つの弁室４
５、４６は、それぞれの総合流路容積Ｓ_１、Ｓ_２が同一
とされ、この場合の空気振動（気体振動）の波形は、切
替弁４０の回転数等が同一条件である限り、図９の如く
正弦曲線イたる単純波形を示す。つまり、この波形は周
波数や振幅及び周期が同一である。ポート１５には前記
排気管７の先端が接続され、ポート１２と１４には配管
２３、２４を介して気力源２０が接続されている。気力
源２０は吸引方式であり、図３ないし図８に示すように
矢印方向に空気を吸引するようにしてある。ポート１３
にはサイレンサ４７が接続されている。

【００２４】なお、４８はコントローラで、通常輸送の
ための気力源２０の始動、停止、払い落としのための始
動、停止等を制御する他、排出手段８の開閉制御も行な
える。払い落とし時には弁体４１が回転運動されるが、
これは、コントローラ４８による前記払い落とし始動と
ともになされる。

【００２５】図３は通常輸送状態を、図４はダスト払い
落とし状態を示しており、この払い落とし時の作動は図
５ないし図９に示されている。図３の通常輸送状態で
は、弁体４１の一方端がポート１２をポート１３側に越
えた状態（他方端はポート１４をポート１５側に越えた
状態）に位置決めされる。この位置決めは、光電管、近
接スイッチ等、公知の検出器を使用して行なうことがで
きる。その詳細は図１０に示されている。

【００２６】次に、コントローラ４８の制御により気力
源２０を始動させる。これにより、空気は、図３の矢印
Ｚの如くポート１５からポート１２、配管２３、気力源
２０、配管２４を経てポート１４からポート１３へと流
れるようになる。この流れに伴い捕集ホッパー３内は負
圧になり、材料Ｍは輸送管２を通じて捕集ホッパー３内
に吸引されるとともに、材料Ｍは矢印Ｘのように落下し
て捕集ホッパー３内の排出手段８上に貯留される。

【００２７】一方、ダストは矢印Ｙのようにフィルター
６に吸着され、清浄化された気体だけが排気管７を通っ
て切替弁４０および気力源２０を矢印のように流れてサ
イレンサ４７より外部に排出される。サイレンサ４７は
設けなくともよい。この通常輸送が終わると、コントロ
ーラ４８の操作で気力源２０を停止させ、これで輸送の
ための運転が停止する。排出手段８を開くことにより捕
集ホッパー３内の材料Ｍを系外に排出する。

【００２８】その後、コントローラ４８により、排出手
段８を開くとともに気力源２０を再始動して一定時間払
い落としのための運転をする。この運転作動状態は図４
ないし図９に示されているように、切替弁４０の弁体４
１を矢印方向に回転することにより行なわれる。 時刻０の時に弁体４１が図５のポート１２を越えた
状態Ａにあるとする。この時、空気は、矢印のように排
気管７→弁室４６→配管２３→気力源２０→配管２４→
弁室４５→サイレンサ４７の順に流れ、この時刻０から
の時間帯ａではたとえば、図９の実線イのａ区域で示さ
れる波形を示す。

【００２９】 次に、時刻１になると、弁体４１は図
６のポート１３を越えた位置Ｂにくる。この時の空気の
流れは、矢印のように、サイレンサ４７→弁室４６→配
管２３→気力源２０→配管２４→弁室４５→排気管７の
順に流れ、この時刻１からの時間帯ｂではたとえば、図
９の実線イのｂ区域で示される波形を示す。

【００３０】 そして、時刻２になると、弁体４１が
図７のポート１４を越えた状態Ｃにくる。この時の空気
は、図５の場合と同様に矢印のように、排気管７→弁室
４５→配管２３→気力源２０→配管２４→弁室４６→サ
イレンサ４７の順に流れ、この時刻２からの時間帯ｃで
はたとえば、図９の実線イのｃ区域で示される波形を示
す。

【００３１】 次に、時刻３になると弁体４１は図８
のＤ位置にくる。この時の空気の流れは、図６の場合と
同様に、矢印のように、サイレンサ４７→弁室４５→配
管２３→気力源２０→配管２４→弁室４６→排気管７の
順に流れ、この時刻３からの時間帯ｄではたとえば、図
９の実線イのｄ区域で示される波形を示す。

【００３２】 さらに、弁体４１は、図８のＤ位置か
ら図５のＡ位置まで回転されて、前記に記載したよう
に空気が流される。従って、図５〜図８に示すように、
切替弁４０の弁体４１が１回転すると、空気振動の波形
は図９の実線イで示すように２サイクル繰り返すことに
なる。以上の動作を時間の経過につれて順次繰り返して
行き、空気振動の波形は図９の実線イに示すように単純
な正弦波の連続波を形成する。

【００３３】このように弁体４１を回転運動させると、
排気管７内の空気の流れは、往復した振動を伴ういわゆ
る脈流を生じるようになるので、フィルター６に付着残
留したダストは効果的に払い落とされる。その後、排出
手段８を閉じ、気力源２０を止め、弁体４１を図４の位
置で復帰させる。これにより、図３の通常輸送状態にな
る。

【００３４】上記空気振動の波形は、振動数つまり周波
数の多少、振幅の大小、周期の長さ、連続波かパルス波
か、などにより変更されるものである。たとえば、前記
実施例において、弁体４１の回転数を変更するとか、図
４に示すインバータ４９によって弁体４１を正・逆に両
方に回転するとかして、図９の実線イの波形を破線ロや
一点鎖線ハのように変更することができる。

【００３５】

【第４実施例】図１１と図１２は、圧送式とした材料の
輸送装置及びダスト払い落とし装置の第４実施例を示
す。この実施例は、材料供給源１と捕集ホッパー３が材
料の流れ方向からみて切替弁４０より下流側に配置さ
れ、気力源２０は切替弁４０を通じて前記捕集ホッパー
３よりの材料に対して圧送力を付与可能であるととも
に、少なくともダスト払い落とし時には切替弁４０の弁
体４１が回転運動をしてフィルター６に気力による気体
振動を付与可能に構成されている。図２〜図１０と同一
符号は同一名称である。５０は材料供給源１内の材料Ｍ
の供給を開閉する開閉弁である。

【００３６】すなわち、気力源２０はコンプレッサやブ
ロワ等の圧送式とされ、切替弁４０には４つのポート１
２、１３、１４、１５が設けられている。通常輸送時
は、図１１に示すように、弁体４１がポート１２をポー
ト１３側に越えた位置に保持される。この状態で気力源
２０が駆動されると、サイレンサ４７から配管２３を通
じて同気力源２０を流れる空気が、配管２４からポート
１４、弁室４５、ポート１３を経て輸送管２に圧送され
る。

【００３７】輸送管２には、開閉弁５０を有する材料供
給源１が接続されており、同材料供給源１からの材料Ｍ
は輸送管２内を通じて捕集ホッパー３内に圧送される。
フィルター６は捕集ホッパー３の上部に設けられ、輸送
された材料Ｍは、矢印Ｘのように捕集ホッパー３下部に
落下する一方、ダストは矢印Ｙのようにフィルター６で
捕集される。フィルター６で捕集され清浄化された気体
は系外に排出される。

【００３８】通常輸送が終わると、図１２に示すように
切替弁４０が前記実施例と同様に回転駆動されることに
より脈流を発生するので、捕集装置Ａであるフィルター
６のダストの払い落としが行える。

【００３９】

【変形例】圧送式のダスト払い落とし装置でも同様であ
るが、空気振動の波形を変更できる種々の構成例につい
て、図３と図４の吸引式の払い落とし装置を例として以
下に説明する。総合流路容積Ｓ_１、Ｓ_２は異なるように
形成すると、切替弁４０を介して吸・排気口のサイクル
を変えて、空気振動の周波数や振幅や周期を任意に変更
して、図９のロ、ハに示すように、前記イとは異なる空
気振動の波形を任意に変更することができる。

【００４０】弁体４１は、請求項６記載の如く、回転数
を変更することにより吸・排気のサイクルを変え、気体
振動の波形を変更できるように形成してもよい。

【００４１】弁体４１は、請求項７記載の如く、たとえ
ば、くの字形羽根のようにして弁室内での取付角度を変
更することにより吸・排気のサイクルを変え、気体振動
の波形を変更できるように形成してもよい。

【００４２】請求項８記載の如く、切替弁４０の少なく
とも１つ以上のポートの開口断面積または切替弁４０の
ケーシング４２の断面形状を変更することにより吸・排
気のサイクルを変え、気体振動の波形を変更できるよう
に形成してもよい。たとえば、ポート１２の開口断面積
が最大、ポート１３の開口断面積が最小、他のポート１
４、１５の開口断面積が前２者の中間でかつ同一である
ようにすることができるが、これに限定されない。な
お、ケーシング４２の断面形状を変えることもできる。

【００４３】請求項９記載の如く、切替弁４０のポート
１２〜１５の取付角度を変更することにより吸・排気の
サイクルを変え、気体振動の波形を変更できるように形
成してもよい。各ポート１２〜１５を円周上の等間隔位
置に設けるのでなく、互いにずらせて配置するのであ
る。

【００４４】請求項１０の如く、弁体４１は、回転角度
を変更（正・逆両方向への回転角度の変更も含む）する
ことにより吸・排気のサイクルを変え、気体振動の波形
を変更できるように形成してもよい。なお、前記各実施
例の通常輸送時には、弁体を回転運動させることも可能
である。

【００４５】

【発明の効果】この発明は、捕集装置と、捕集装置に材
料を気力により輸送するための気力源と、気力源と捕集
装置との間に設けられ該気力源を原動力とする空気振動
源とを備えたことを特徴とする。従って、

【００４６】（１） この発明によれば、材料を気力に
より捕集装置に輸送するための気力源（空気源）を、空
気振動源の動力源としても兼用することにより、材料を
気力輸送するだけでなく、捕集装置のフィルターに付着
したダストをも払い落としできる。従って、通常輸送用
の気力源をそのまま利用するので、従来必要とされてい
たエアタンク、電磁弁、レギュレータ及び配管等の払い
落とし手段が一切不要となり、装置を安く提供できるよ
うになる。 （２） また、この発明では、脈流を発生させてフィル
ターに気体振動を付与するので、フィルターを基準にす
れば、気体が常に往復振動を受けてダストの払い落とし
が非常に効果的になされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例の通常輸送状態を示す概
略全体図である。

【図２】この発明の第２実施例の通常輸送状態を示す概
略全体図である。

【図３】この発明の第３実施例の通常輸送状態を示す概
略全体図である。

【図４】第３実施例のダスト払い落とし状態を示す概略
全体図である。

【図５】ダスト払い落とし状態時の作動を示す工程図で
ある。

【図６】図５より弁体が所定角度回転した状態の工程図
である。

【図７】図６より弁体が所定角度回転した状態の工程図
である。

【図８】図７より弁体が所定角度回転した状態の工程図
である。

【図９】波形図である。

【図１０】切替弁の一部水平縦断面図である。

【図１１】第４実施例の通常輸送状態を示す概略全体図
である。

【図１２】第４実施例のダスト払い落とし状態を示す概
略全体図である。

【図１３】捕集装置のダスト払い落とし装置の従来例を
示す概略図である。

【符号の説明】

１ 材料供給源 ２ 輸送管（配管） ３ 捕集ホッパー ６ フィルター（バグフィルター） ７ 排気管（配管） １０、１１、１８、１９ 配管 １２、１３、１４、１５ ポート ２０ 気力源 ２３、２４ 配管 ４０ 切替弁 ４１ 弁体 ４５、４６ 弁室 ４７ サイレンサ ４８ コントローラ ５０ 開閉弁 Ａ 捕集装置 Ｂ 空気振動源 Ｍ 材料

フロントページの続き (72)発明者 松井 治 大阪府大阪市中央区谷町６丁目５番26号

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 捕集装置Ａと、捕集装置Ａに材料Ｍを気
   力により輸送するための気力源２０と、この気力源２０
   と捕集装置Ａとの間に設けられ該気力源２０を原動力と
   する空気振動源Ｂとを備えたことを特徴とする捕集装置
   のダスト払い落とし装置。
2. 【請求項２】 材料供給源１と、材料供給源１内の材料
   Ｍを捕集するとともにフィルター６によりダストを捕集
   する捕集装置Ａたる捕集ホッパー３と、吸気口２１およ
   び／または排気口２２を有する気力源２０と、２つ以上
   のポート１２、１３、１４…弁体４１を有する空気振動
   源Ｂたる切替弁４０と、切替弁４０の弁体４１を駆動す
   る駆動源と、前記材料供給源１と捕集ホッパー３と切替
   弁４０と気力源２０をそれぞれ結ぶ配管２、７、２３、
   ２４…とを備えている請求項１記載の捕集装置のダスト
   払い落とし装置。
3. 【請求項３】 材料供給源１と捕集ホッパー３が材料の
   流れ方向からみて切替弁４０より上流側に配置され、気
   力源２０は切替弁４０を通じて前記捕集ホッパー３内に
   吸引力を付与可能であるとともに、少なくともダスト払
   い落とし時には切替弁４０の弁体４１が回転運動をして
   フィルター６に気力による気体振動を付与可能に構成さ
   れている請求項２記載の捕集装置のダスト払い落とし装
   置。
4. 【請求項４】 材料供給源１と捕集ホッパー３が材料の
   流れ方向からみて切替弁４０より下流側に配置され、気
   力源２０は切替弁４０を通じて前記捕集ホッパー３より
   の材料に対して圧送力を付与可能であるとともに、少な
   くともダスト払い落とし時には切替弁４０の弁体４１が
   回転運動をしてフィルター６に気力による気体振動を付
   与可能に構成されている請求項２記載の捕集装置のダス
   ト払い落とし装置。
5. 【請求項５】 弁体４１で区画形成される２つの弁室４
   ５、４６は、それぞれ総合流路容積Ｓ_１、Ｓ_２が同一ま
   たは異なるように形成して、気体振動の波形を変更でき
   るように構成してある請求項２から４までのいずれかに
   記載の捕集装置のダスト払い落とし装置。
6. 【請求項６】 切替弁４０の弁体４１は、回転数を変更
   することにより吸・排気のサイクルを変え、気体振動の
   波形を変更できるように形成してある請求項２から４ま
   でのいずれかに記載の捕集装置のダスト払い落とし装
   置。
7. 【請求項７】 切替弁４０の弁体４１は、弁室４５、４
   ６内での取付角度を変更することにより吸・排気のサイ
   クルを変え、気体振動の波形を変更できるように形成し
   てある請求項２から４までのいずれかに記載の捕集装置
   のダスト払い落とし装置。
8. 【請求項８】 切替弁４０の少なくとも１つ以上のポー
   ト１２、１３、１４…の開口断面積または切替弁４０の
   ケーシング４２の断面形状を変更することにより吸・排
   気のサイクルを変え、気体振動の波形を変更できるよう
   に形成してある請求項２から４までのいずれかに記載の
   捕集装置のダスト払い落とし装置。
9. 【請求項９】 切替弁４０のポート１２、１３、１４…
   の取付角度を変更することにより吸・排気のサイクルを
   変え、気体振動の波形を変更できるように形成してある
   請求項２から４までのいずれかに記載の捕集装置のダス
   ト払い落とし装置。
10. 【請求項１０】 切替弁４０の弁体４１は、回転角度を
    変更することにより吸・排気のサイクルを変え、気体振
    動の波形を変更できるように形成してある請求項２から
    ４までのいずれかに記載の捕集装置のダスト払い落とし
    装置。