JPH06154066A - 防曇鏡 - Google Patents

防曇鏡

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JPH06154066A
JPH06154066A JP5108059A JP10805993A JPH06154066A JP H06154066 A JPH06154066 A JP H06154066A JP 5108059 A JP5108059 A JP 5108059A JP 10805993 A JP10805993 A JP 10805993A JP H06154066 A JPH06154066 A JP H06154066A
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mirror
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transfer plate
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heater
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Keiichi Ohashi
啓一 大橋
Keishin Ohara
佳信 尾原
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Plastics Co Ltd
Skylite Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 鏡の背面に密着して伝熱板が設けられ、この
伝熱板の背面に、正特性サーミスタからなる平板状の発
熱体4を内部に備え、周囲を絶縁ケース10にて被覆さ
れたヒータ3が複数個設けられている。 【効果】 各ヒータ3の防湿が良好であるから、防曇鏡
の取り付け作業等における取り扱いが容易になり、浴室
等への設置工事までを含んだ上でのコストダウンが可能
である。また、薄型化および軽量化が可能であるととも
に、発熱体4で発生した熱を効率良く鏡に伝導させられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴室等の高湿度の部屋
において、鏡を曇らないように加熱するPTC(Positi
ve Temperature Coefficient)特性を有する定温ヒー
タ、例えばチタン酸バリウム系磁器半導体からなるヒー
タを備えた防曇鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、浴室等の高湿度の部屋では、
加熱によって鏡の曇りを防止する防曇鏡が使用されてい
る。
【0003】この種の防曇鏡としては、実開昭60−1
55371号公報に開示されているように、面状発熱
体、例えば耐熱性高分子フィルムの表面にカーボンや金
属等を含有した発熱塗料を塗布してなるフィルム状発熱
体を鏡の裏面に貼り付け、その発熱体に通電して鏡の表
面を加熱するようにしたものが知られている。
【0004】また、シーズヒータ、例えば金属線を耐熱
性高分子で被覆してなる紐状発熱体を鏡の裏面に貼り付
け、この発熱体に通電して鏡の表面を加熱するようにし
たものが知られている。
【0005】しかしながら、上記の両者の構成では、発
熱温度を所定の温度に保つために温度制御回路が必要で
あり、また、安全性を確保するために過熱防止回路も必
要となって防曇鏡が大型化することになる。また、フィ
ルム状発熱体を用いた防曇鏡では、フィルム状発熱体を
鏡の裏面に貼り付ける際にそれらの間に空気層ができる
と、通電時にその浮き上がった部分のフィルム状発熱体
で発生する熱の逃げ場所がないため局部過熱し、発火等
を起こす虞もある。一方、紐状発熱体を用いた防曇鏡で
は、紐状発熱体を鏡の裏面に貼り付ける際にそれらを密
着させることが難しいため、紐状発熱体から鏡への熱の
伝導効率が低いものとなっている。
【0006】そこで、上記のような不都合を解消するた
めに、正温度係数(Positive Temperature Coefficien
t)特性を有する発熱体、例えば正特性サーミスタから
なる発熱体を備えた防曇鏡が種々提案されている。上記
の正特性サーミスタは、正温度係数特性を有する素材、
例えばチタン酸バリウム等を主原料としたセラミックス
半導体からなり、室温からキュリー温度Tc (抵抗急変
温度)までは低抵抗であるが、キュリー温度Tc を越え
ると急峻に抵抗値が増大する特性の感熱素子である。こ
の特性により、発熱体は、電圧が印加されると、最初
は、低温であるために抵抗値が小さくて大電流が流れ、
この結果、急激に温度が上昇する一方、温度がキュリー
温度Tc を越えると抵抗値が急峻に増大することによ
り、一定温度以上には温度が上がらず、一定温度を安定
に保つこととなる。即ち、正特性サーミスタからなる発
熱体は自己温度制御機能を備えることができる。従っ
て、上記の構成では、温度制御回路や過熱防止回路を省
くことができ、防曇鏡の小型化が可能となる。また、局
部過熱による発火等の虞もない。
【0007】この種の従来の防曇鏡としては、実開平1
−108154号公報に開示されているように、鏡の周
縁部に正温度係数特性を有する線状ヒータが配され、こ
のヒータと接触する伝熱層が鏡の裏面に設けられたも
の、あるいは米国特許No.4,933,533号公報に開
示されているように、正温度係数特性を有するカーボン
含有樹脂をポリ塩化ビニルで被覆した紐状発熱体が鏡の
裏面に設けられたものが提案されている。
【0008】また、実開昭48−65497号公報に開
示されているように、鏡の背面側に、放熱板を介してあ
るいは放熱板を介することなく、導電板、絶縁基板、導
電板および断熱板が順次設けられ、上記の絶縁基板に形
成された複数の貫通孔にそれぞれ正特性サーミスタが埋
設され、これら正特性サーミスタがその両面側の電極に
よって上記の両側の導電板と接続され、両導電板を通じ
て上記の正特性サーミスタに通電するものが提案されて
いる。
【0009】尚、上記の実開昭48−65497号公報
に開示されている構成において、正特性サーミスタが発
生する熱を鏡に効率良く伝導させるために、鏡と正特性
サーミスタとの間の放熱板は必要なものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の実開
平1−108154号公報に開示されている構成では、
鏡の周縁部に線状ヒータを配したものであるため、防曇
動作が周縁部から始まり、大きい鏡を備えた防曇鏡の場
合には、通常において必要な領域である中央部付近に対
する防曇動作が行われるまでに、長時間を必要とする。
【0011】また、米国特許No.4,933,533号公
報に開示されている構成では、プラスチック支持部材に
より紐状発熱体を鏡に押し付けて、紐状発熱体が鏡の裏
面に直接接触するようにしているが、例えば同公報に記
載のように13.5mと極めて長い紐状発熱体を鏡の全面
にわたって均一に押し付けて取り付けることが非常に困
難である。また、鏡と支持部材との間には空間部が形成
された構成であるため、紐状発熱体が発する熱を鏡に効
率良く、しかも均一に伝導させることが困難である。
【0012】また、実開昭48−65497号公報に開
示されている構成では、上記の実開平1−108154
号公報の構成が有する問題、および上記の米国特許N
o.4,933,533号公報の構成が有する問題を解決す
ることができる。即ち、鏡の背面の所定位置に、放熱板
および導電板を介して正特性サーミスタが設けられてい
るので、鏡の必要な領域に対する防曇動作を短時間のう
ちに開始できるとともに、鏡に対して、高い伝導効率で
熱を伝導させることができる。その反面、鏡の背面に、
放熱板、導電板、絶縁基板、導電板および断熱板が設け
られていることにより、防曇鏡の厚さが厚くなって大型
化し、かつ重量増となる。さらに、適切な絶縁構造が考
慮されていないので、漏電を生じる虞がある。
【0013】さらに、上記の各公報に開示されている防
曇鏡の発熱体は、各防曇鏡が例えば浴室に設けられた場
合の防湿が十分に考慮されておらず、また、十分な防湿
処理を行い難い構造となっている。このため、上記の各
防曇鏡を浴室に設けるときには、安全上、商用電源の電
圧、例えば100〜110Vの電圧を上記の発熱体に直
接印加することができず、別に変圧器を設けて電源電圧
を24V以下に降圧すること、あるいは防曇鏡の取り付
けを特定の施工業者により行うこと等が必要である。こ
れにより、コストアップを招来し、かつ取り扱いが面倒
であるといった問題点を有している。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明の防曇鏡は、鏡の背面に密着
して伝熱板が設けられ、この伝熱板の背面に、正特性サ
ーミスタからなる平板状の発熱体を内部に備え、周囲を
電気絶縁性被覆部材にて被覆されたヒータが複数個設け
られていることを特徴としている。
【0015】請求項2記載の発明の防曇鏡は、請求項1
記載の防曇鏡において、発熱体がその上面および下面に
電極を有し、ヒータが、発熱体の各電極にそれぞれ電気
的に接続された一対の平板状の金属端子と、これら金属
端子にそれぞれ電気的に接続された一対の給電線とを備
えていることを特徴としている。
【0016】請求項3記載の発明の防曇鏡は、鏡の背面
に密着して伝熱板が設けられ、この伝熱板の背面に、正
特性サーミスタからなる平板状の発熱体を内部に備え、
周囲を電気絶縁性被覆部材にて被覆されたヒータが複数
個設けられ、これら複数個のヒータの給電線と電源コー
ドとが、内部にこれら両者の接続領域を有するととも
に、両者の接続部を覆い、伝熱板の背面に設けられてい
るジャンクション部材を介して接続されていることを特
徴としている。
【0017】請求項4記載の発明の防曇鏡は、鏡の背面
に密着して伝熱板が設けられ、この伝熱板の背面に、正
特性サーミスタからなる平板状の発熱体を内部に備え、
周囲を電気絶縁性被覆部材にて被覆されたヒータが複数
個設けられ、上記の伝熱板が、鏡の背面に設けられた受
け部材と、弾性部材によって形成され、上記の受け部材
と係合して伝熱板を鏡に押さえつける押え部材とからな
る伝熱板止め具によって鏡の背面に固定されていること
を特徴としている。
【0018】
【作用】請求項1の構成によれば、正特性サーミスタか
らなる平板状の発熱体を内部に備えたヒータは周囲を電
気絶縁性被覆部材にて被覆され、このようなヒータが、
鏡の背面に密着して設けられた伝熱板の背面に複数個設
けられることにより、鏡が加熱されるようになっている
ので、各ヒータの防湿が良好なものとなっている。これ
により、商用電源を降圧することなくそのままヒータに
印加することも可能となり、防曇鏡の取り付け作業等に
おける取り扱いが容易になるとともに、浴室等への設置
工事までを含んだ上でのコストダウンが可能である。ま
た、上記の発熱体が平板状をなし、この発熱体からなる
ヒータが鏡の背面に設けられた伝熱板に複数個設けられ
た簡単な構造であるから、薄型化および軽量化が可能で
あるとともに、発熱体で発生した熱を効率良く鏡に伝導
させることができる。
【0019】請求項2の構成によれば、請求項1に記載
の防曇鏡において、発熱体はその上面および下面に電極
を有し、ヒータは、発熱体の各電極にそれぞれ電気的に
接続された一対の平板状の金属端子と、これら金属端子
にそれぞれ電気的に接続された一対の給電線とを備えて
いるので、請求項1の構成による作用に加え、これら給
電線に通電することでヒータによる鏡の加熱が行われ
る。また、発熱体の上下面の電極に接続される金属端子
が平板状となっているので、これによっても確実に薄型
化が可能となる。
【0020】請求項3の構成によれば、伝熱板の背面に
設けられた複数個のヒータの給電線と電源コードとが、
内部にこれら両者の接続領域を有するとともに、両者の
接続部を覆い、伝熱板の背面に設けられているジャンク
ション部材を介して接続されているので、請求項1の構
成による作用に加え、複数のヒータの給電線と電源コー
ドとの接続が容易になっている。また、給電線の長さを
短くし得るとともに、給電線の長さをジャンクション部
材を中心としたほぼ均一な長さに設定し易く、ヒータの
製造が容易となる。また、ジャンクション部材に防水処
理を行うことで、給電線と電源コードとの接続部におけ
る防水処理が容易となる。さらに、給電線が弛んで他の
部材に引っ掛かるといった事態も生じ難くなっている。
【0021】請求項4の構成によれば、伝熱板は、鏡の
背面に設けられた受け部材と、弾性部材により形成され
て上記の受け部材と係合して伝熱板を鏡に押さえつける
押え部材とからなる伝熱板止め具によって鏡の背面に固
定されているので、請求項1の構成による作用に加え、
鏡と伝熱板とが膨張した場合、相対的に両者が適宜摺動
可能であるから、鏡と伝熱板との線膨張率の差による鏡
の反りを生じ難くなっている。また、伝熱板を鏡の背面
の所定位置に配した後、受け部材に押え部材を係合させ
て伝熱板を固定することができるので、伝熱板を鏡に対
して摺動させることなく上記の所定位置に配することが
でき、伝熱板との摺接により鏡に疵を生じる事態が回避
される。また、弾性部材からなる押え部材を受け部材に
係合させることにより、伝熱板を鏡の背面に固定させて
いるので、鏡に対する伝熱板の取り付け作業、および例
えばヒータ交換のための伝熱板の取り外し作業が容易で
ある。
【0022】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例を図1ないし図7に基づ
いて以下に説明する。本実施例にかかる防曇鏡は、図1
に示すように、長方形の鏡1の背面に、伝熱板2が例え
ば接着剤にて貼着されることにより設けられ、その伝熱
板2の背面2cに、図3および図4に示す発熱体4を備
えたヒータ3…が所定間隔で複数個取り付けられてい
る。
【0023】上記の伝熱板2は、熱伝導性に優れた金属
板、例えばアルミニウム板で作製されており、鏡1より
も小さい長方形に形成されている。この伝熱板2には、
上記のヒータ3…を取り付けるための図2に示す取付穴
2a…が、伝熱板2の中央部とその中央部から四隅に向
かって所定距離離れた位置との計5個所に穿設されてい
る。
【0024】ヒータ3の伝熱板2への取り付けは、図2
に示すように、皿ネジ6とナット7とで行われており、
伝熱板2の取付穴2aの形状は、鏡1の裏面に貼り付け
る伝熱板2の前面2bが平面となるように、ヒータ3を
固定する皿ネジ6の頭部6aが嵌まり込む形状に形成さ
れている。
【0025】即ち、各取付穴2a…は、伝熱板2の背面
2c側から所定距離は円柱状空間になっており、そこか
ら先は前面2bに向かって径が大きくなるフレアー状に
なっている。尚、これら各取付穴2a…の寸法は、皿ネ
ジ6の形状寸法に応じていれば特に限定されるものでは
ない。
【0026】上記のヒータ3は、図3および図4に示す
ように、発熱体4、金属端子8・8、給電線としてのリ
ード線9・9および電気絶縁性被覆部材としての絶縁ケ
ース10で構成されている。
【0027】発熱体4は、正温度係数(Positive Tempe
rature Coefficient)を有し、La、Yのような希土類
元素の酸化物やNb、Bi等の酸化物を少量ドーピング
したチタン酸バリウムを主原料とするチタン酸バリウム
系のセラミックス半導体からなる正特性サーミスタによ
り形成されている。この正特性サーミスタは、室温から
キュリー温度Tc (抵抗急変温度)までは低抵抗である
が、キュリー温度Tcを越えると急峻に抵抗値が増大す
る特性を有している。この特性により発熱体4は、先述
のように、自己温度制御機能を備える。尚、この発熱体
4は、材料組成を調整することによりキュリー温度Tc
が、およそ30〜270℃の範囲で任意に設定できる。
例えば、チタン酸バリウムのバリウムの一部をPbで置
き換えれば、キュリー温度Tcを通常値の約120℃か
ら高くすることができる。また、バリウムの一部をSr
で置き換えれば、キュリー温度Tcを低くすることがで
きる。従って、発熱体においては、安全性や省電力化を
考慮してキュリー温度Tcを設定することができ、かつ
曇り止めに有効な鏡1の表面温度が実現できる。
【0028】上記の発熱体4は、偏平な円筒状をなし、
図4に示すように、上面および下面に、例えば銀塗料を
塗布して形成された電極4a・4aを備えている。
【0029】金属端子8は、発熱体4の外径にほぼ等し
い径の円形平板状をなし、中央部に発熱体4の内径にほ
ぼ等しい穴を有している。また、各金属端子8には、リ
ード線9を接続するための給電部8aが形成されてい
る。これら給電部8a・8aは、互いに平行となり、か
つ対向方向において互いにずれた状態となり、対応する
リード線9・9の導入方向へ延びている。
【0030】金属端子8・8と発熱体4との電気的な接
続は、発熱体4の電極4aと金属端子8とを、例えばエ
ポキシ/銀混合の導電性接着剤(例えばデグザ社製 DEM
ETRON 6290−0343)で貼着することにより行われてい
る。また、給電部8a・8aとリード線9・9との電気
的な接続は、給電部8a・8aの対向面側にそれぞれ対
応するリード線9を例えば半田付けすることにより行わ
れている。この場合、上記の給電部8a・8aの位置関
係により、一方のリード線9は一方の金属端子8と第1
位置で接続され、他方のリード線9は他方の金属端子8
と第2位置で接続され、上記第1位置は、上記電極4a
に垂直な平面を境とする一方側に配され、上記第2位置
は、上記平面を境とする他方側に配されることになる。
これにより、リード線9・9は発熱体4のさらなる薄型
化を阻害しないものとなっている。また、上記のリード
線9・9は、絶縁ケース10における被加熱物への取り
付け面と平行となり、かつ上記の取り付け面との距離が
共に同一となるようにして絶縁ケース10から引き出さ
れている。
【0031】絶縁ケース10は、被覆基体としての絶縁
ケース下部10aと、絶縁ケース上部10bとで構成さ
れている。この絶縁ケース10は、発熱体4および金属
端子8・8を被覆して密封、即ちシールしており、中央
部にはヒータ3を伝熱板2にネジ止めする際に用いる固
定穴3aが形成されている。尚、この固定穴3aには必
要に応じて雌ネジ溝を形成してもよい。また、絶縁ケー
ス10は、リード線9と金属端子8の給電部8aとの半
田付け部分に力学的負荷が掛かって断線等が起こらない
ように、リード線9・9の金属端子8側末端部も覆うよ
うになっている。
【0032】上記の絶縁ケース10は、射出成形等によ
り予め形成された絶縁ケース下部10aに発熱体4等を
収容し、射出成形用金型に設置した後、絶縁ケース上部
10b部分となるプラスチックスを射出成形することに
より、絶縁ケース下部10aと絶縁ケース上部10bと
を一体化し形成される。これにより、発熱体4等は絶縁
ケース10内部に密封され、固定される。
【0033】絶縁ケース10は、熱収縮率が小さく、熱
伝導性や機械的強度に優れるとともに、発熱体4の発熱
温度に耐え得る耐熱性、水蒸気等の水分を内部に通さな
い防水性および空気を内部に通さない気密性を備えるこ
と、およびリード線9・9の被覆材料との密着性が良好
であることが必要であり、例えば、ナイロン、ポリプロ
ピレンおよびガラス繊維からなるポリマアロイによって
形成されている。
【0034】絶縁ケース下部10aと絶縁ケース上部1
0bとを同一または同質の電気絶縁性材料で構成するこ
とは、互いの親和性が良く、かつ熱膨張係数が等しくな
るため、一体化の観点では望ましい。しかしながら、熱
伝導の観点に立つと、絶縁ケース下部10aは被加熱物
に良好に熱を伝える方が良く、一方、絶縁ケース上部1
0bは空気中に放熱し難い方が良い。従って、後者の観
点を優先させる場合には、互いの親和性および熱膨張係
数を考慮しつつ、絶縁ケース下部10aには、熱伝導性
をおよび電気絶縁性が共に良好な素材、例えば上記のポ
リマアロイを用い、絶縁ケース上部10bには、熱伝導
性が比較的低い素材、例えばエポキシ樹脂を用いるとよ
い。
【0035】また、各ヒータ3に接続されているリード
線9・9は、図1に示すように、電源コード13と接続
され、この電源コード13を通じて例えば外部電源と接
続されている。
【0036】尚、発熱体4の電極4aと金属端子8との
接続を上記のように導電性接着剤で行う方法は、簡単で
あり優れた方法である。しかしながら、この方法では、
導電性接着剤の硬化に約1日を要すること、および導電
性接着剤が発熱体4の側面に液垂れして両電極4a・4
aが短絡しないような配慮を要することが、ヒータ3の
量産効率を制約している。
【0037】そこで、ヒータ3の量産効率を一層向上さ
せるには、導電性接着剤を一切使用せず、図5(a)に
示すように、発熱体4の電極4a・4aと金属端子8・
8にキャップ19をかぶせるとよい。このキャップ19
には絶縁ケース10と同じ電気絶縁性材料を用いる。図
5(b)に示すように、キャップ19の上面中央には、
位置決め穴19aが形成され、側面には、給電部8a・
8aの突出しを許容する窓19bが形成されている。上
記位置決め穴19aの口径は、絶縁ケース下部10aに
おける固定穴3aの周縁部の凸部10cの外径とほぼ等
しく、窓19bの幅は、給電部8a・8aの水平間隔に
対応し、窓19bの高さは、発熱体4の厚みと1枚の金
属端子8の厚みの合計にほぼ対応している。
【0038】ここで、ヒータ3の大きさに関する具体的
な設計値の一例を示しておく。絶縁ケース下部10aの
底壁、金属端子8、発熱体4、キャップ19の上壁およ
び絶縁ケース上部10bの上壁の各厚みは、1.0mm、
0.2mm、2.5mm、0.5mmおよび0.5mmであり、
ヒータ3の厚みは、結局4.9mmとなる。もし、電極4
aと金属端子8とを導電性接着剤で貼着する場合には、
キャップ19を用いないので、絶縁ケース上部10bの
上壁の厚みを1.0mmに設定する。また、発熱体4の外
径は、例えば15mmである。
【0039】次に、キャップ19を用いてヒータ3を製
造するには、先ず、下側の金属端子8、電極4a・4a
を形成した発熱体4および上側の金属端子8をこの順に
絶縁ケース下部10aに嵌め込む。それから、次の半田
付け工程において、給電部8a・8aの対向面側にそれ
ぞれリード線9を半田付けする。尚、リード線9の半田
付け工程をいつ行うかはこの限りではなく、金属端子8
・8を絶縁ケース下部10aに嵌め込む前、あるいは、
各金属端子8・8を絶縁ケース下部10aに嵌め込んだ
それぞれの時点であってもよい。この後、キャップ19
の位置決め穴19aおよび窓19bの位置が、それぞれ
凸部10cおよび給電部8a・8aの位置に合うよう
に、キャップ19をかぶせ発熱ユニット14を得る。次
に、絶縁ケース上部10bを設けるための射出成形を行
う。
【0040】このように、導電性接着剤の代わりにキャ
ップ19を用いて発熱ユニット14を組み立てれば、導
電性接着剤の硬化時間が節約され、導電性接着剤の液垂
れによる電極4a・4aの短絡の心配も無くなる。この
結果、キャップ19を予め用意しておきさえすれば、ヒ
ータ3の量産効率が向上する。
【0041】上記の構成において、伝熱板2にヒータ3
を取り付ける際には、図2に示すように、先ず、皿ネジ
6を伝熱板2の前面2bから取付穴2aに差し込む。続
いて、ヒータ3の固定穴3aを、取付穴2aにおける伝
熱板2の背面2cから突出した皿ネジ6のネジ部6bに
嵌める。
【0042】その後、皿ネジ6をナット7で締め付け
て、ヒータ3の一面を伝熱板2の背面2cに密着させ
る。このとき、皿ネジ6の頭部6aの最大径と取付穴2
aにおけるフレアー状部の最大径とを同径に設定してい
るので、伝熱板2の前面2bから皿ネジ6の頭部6aが
突出することはない。尚、皿ネジ6をナット7で締め付
ける際に、必要に応じて、ヒータ3とナット7との間
に、座金やワッシャー等を配してもよい。
【0043】続いて、上記のように各ヒータ3…が取り
付けられた伝熱板2を、鏡1における背面の所定位置に
貼り付けて防曇鏡が完成する。
【0044】上記のように本防曇鏡は、正特性サーミス
タからなる発熱体4を備えたヒータ3を発熱手段として
いるので、通電後に迅速に温度上昇し、所定の温度に達
すると、その温度を保つことになる。よって、鏡1の表
面が所定の温度まで迅速に上昇し、鏡1の表面における
曇り止めの効果を素早く発揮することができる。
【0045】また、本防曇鏡は、鏡1を加熱するヒータ
3が、外面を絶縁ケース10にて被覆されており、伝熱
板2の背面に複数個設けられたものとなっているので、
各ヒータ3の防湿が良好なものとなっている。これによ
り、商用電源を降圧することなくそのままヒータ3に印
加することが可能となっており、防曇鏡の取り付け作業
等における取り扱いが容易になるとともに、浴室等への
設置工事までを含んだ上でのコストダウンが可能であ
る。
【0046】また、発熱体4が平板状をなし、この発熱
体4からなるヒータが鏡1の背面に設けられた伝熱板2
に複数個設けられた簡単な構造であるから、薄型化およ
び軽量化が可能であるとともに、発熱体4で発生した熱
を効率良く鏡に伝導させることができる。また、発熱体
4の上下の電極4a・4aに接続された金属端子8・8
は平板状となっており、この部分の絶縁ケース10の厚
さも均一化して薄くできるので、これによっても、ヒー
タ3、即ち防曇鏡の薄型化が可能であるとともに、鏡1
への熱の伝導効率を向上させることができる。
【0047】また、上記の防曇鏡においては、金属端子
8・8の給電部8a・8aの対向面側にそれぞれリード
線9を接続していることにより、金属端子8・8の外面
側にはリード線9・9の接続による凹凸が生じない。従
って、この凹凸を吸収するための厚みを絶縁ケース10
に設ける必要がなく、絶縁ケース10、即ちヒータ3を
さらに薄く形成することができる。これにより、防曇鏡
の一層の薄型化が可能であるとともに、発熱体4で発生
した熱を一層効率良く伝熱板2、即ち鏡1に伝導し得る
ようになっている。
【0048】また、上記の防曇鏡は、ユニットバスやそ
のユニットバスに隣接して設置される洗面所等の高湿度
となって鏡1が曇り易い部屋に使用される。この場合、
伝熱板2を、例えば顔の映る高さ位置における鏡1の背
面部分に取り付けて、顔の映る部分だけに曇り止めを行
うことにより、特に顔のメークアップ等に便利なように
することができる。
【0049】また、上記の防曇鏡を取り付ける際には、
例えば、防曇鏡の取り付けを所望する壁面に凹部を設
け、鏡1以外の部分を埋め込んで固定すればよい。ある
いは、防曇鏡の取り付けを所望する壁面に、図6に示す
ように、例えば上下方向で防曇鏡を支持する固定具12
・12を取り付け、これら固定具12・12の間に防曇
鏡を挟むようにして固定してもよい。この場合には壁面
に凹部を設ける必要が無いので、より簡単に防曇鏡を固
定することができる。
【0050】尚、上記の防曇鏡のヒータ3のスイッチ
(図示せず)は、手動でON/OFFを行うようにする
他に、例えば浴室の照明スイッチと連動するようにして
もよい。また、浴室に湿度センサを設けて、その湿度セ
ンサからの信号に基づいてヒータ3の通電を制御するよ
うにしてもよい。
【0051】また、上記の防曇鏡では、ヒータ3を伝熱
板2に取り付ける際に、皿ネジ6とナット7とを用いた
例を挙げたが、図7に示すように、先端部11bが平ら
に形成されている打ち込みネジ11を用いてヒータ3を
伝熱板2に取り付けてもよい。
【0052】ここで、打ち込みネジ11を用いたヒータ
3の伝熱板2への取り付けについて説明すると、先ず、
打ち込みネジ11をヒータ3の固定穴3aに差し込む。
続いて、伝熱板2に穿設された円柱状空間の取付穴2e
に、ヒータ3の固定穴3aから突出した打ち込みネジ1
1の先端部11bを伝熱板2の背面2c側から打ち込ん
で、ヒータ3の一面を伝熱板2の背面2cに密着させ
る。このとき、打ち込みネジ11の先端部11bは平ら
に形成されているので、伝熱板2の前面2bと取付穴2
eにおける打ち込みネジ11の先端部11bとは平面状
となっている。その後、上記のように各ヒータ3…が取
り付けられた伝熱板2を、鏡1における背面の所定位置
に貼り付けて防曇鏡が完成する。尚、この場合は伝熱板
2の取付穴2eにフレアー状部を設ける必要が無いの
で、伝熱板2をより薄く作製することができ、一層効率
良くヒータ3から鏡1へ熱を伝導させることができる。
【0053】また、上記の実施例では、防曇鏡につい
て、ヒータ3を5個用いた場合を例に挙げて説明した
が、ヒータ3の個数は、上記の5個に限定されるもので
はない。
【0054】また、発熱体4およびヒータ3の形状は、
上記の偏平な円筒状に限定されるものではなく、ネジ止
め用の固定穴を有する角板状等の種々の形状であっても
よい。さらに、伝熱板2へのヒータ3の取り付けは、ね
じ止めに限定されることなく、例えば接着剤にて行って
もよい。従って、この場合には、発熱体4、即ちヒータ
3の固定穴3aは不要となる。
【0055】また、発熱体4およびヒータ3に形成する
固定穴の位置や個数も、上記の実施例に限定されるもの
ではなく、ヒータの大きさ等により変更することが可能
である。その上、ヒータ3の配置も、伝熱板2の中央部
とその中央部から四隅に向かって所定距離離れた位置と
に限定されるものではない。
【0056】また、伝熱板2の形状は、上記の長方形に
限定されるものではなく、例えば円形や菱形等の種々の
形状であってもよい。また、伝熱板2の大きさも、鏡1
の大きさ等に応じて種々変更することができる。
【0057】〔実施例2〕本発明の他の実施例を図8な
いし図22に基づいて以下に説明する。尚、説明の便宜
上、前記の実施例の図面に示した部材と同一の機能を有
する部材には同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。
【0058】本実施例の防曇鏡は、図8に示すように、
実施例1に示した鏡1よりも広い面積の鏡21の背面
に、この鏡21よりも若干小さい面積を有し、伝熱板2
と同一の材料からなる伝熱板22が、接着剤によらず、
複数の伝熱板止め具26にて密着状態で取り付けられて
いる。伝熱板22の背面22cには、本実施例におい
て、12個のヒータ23…と、上端、中間および下端の
3個のジャンクション部材30〜32とが設けられてい
る。上記の上端、中間および下端ジャンクション部材3
0〜32は、細長い形状をなし、伝熱板22における幅
方向の中央位置の上下方向に、ほぼ均等な間隔をおいて
設けられ、ヒータ23…は、各ジャンクション部材30
〜32の左右にそれぞれ2個ずつ配された合計4個を1
組とし、各組の4個がそれぞれそのリード線9・9によ
ってジャンクション部材30〜32の対応するものと接
続されている。また、各ジャンクション部材30〜32
には電源コード13が接続されている。
【0059】上記のヒータ23は、図9および図10に
示すように、前記のヒータ3における絶縁ケース10に
代えて絶縁ケース27を備えており、他の構成はヒータ
3と同一である。従って、ヒータ23は、発熱体4、金
属端子8・8、給電線としてのリード線9・9および電
気絶縁性被覆部材としての絶縁ケース27で構成されて
いる。
【0060】絶縁ケース27は、絶縁ケース10と同一
の材料によって形成され、被覆基体としての絶縁ケース
下部28と、絶縁ケース上部29とで構成されている。
また、中央部にはヒータ23を伝熱板22にネジ止めす
るための固定穴23aが形成されている。
【0061】上記の絶縁ケース下部28には、図11の
(a)ないし(c)に示すように、リード線9・9の導
入側の端縁部に、リード線9・9の導入用の凹部28a
・28aが形成されている。また、底面における上記の
固定穴23aに対応する部位の両側部に、絶縁ケース2
7を伝熱板22に取り付ける際の位置決め部となる2個
の位置決め凸部28b・28bが形成されている。
【0062】一方、絶縁ケース上部29には、図9およ
び図10に示すように、1個の逆付け防止用の凸部29
aが、上記の固定穴23aに対するリード線9・9の導
入側部位に形成されている。従って、絶縁ケース27
は、絶縁ケース下部28を伝熱板22に密着させて取り
付けられ、図12に示すように、伝熱板22には予め上
記の位置決め凸部28b・28bに対応する位置決め孔
22a・22aが形成される。尚、位置決め凸部28a
と逆付け防止用の凸部29aとの形状、個数および位置
は、上記のものに限定されることなく、適当に設定する
ことが可能である。 また、図12に示すように、ヒー
タ23は打ち込みネジ11によって伝熱板22に取り付
けられ、打ち込みネジ11の先端部が嵌入される伝熱板
22の取付穴22bには、ねじが形成されている。
【0063】上記の上端、中間および下端ジャンクショ
ン部材30〜32のうち、上端ジャンクション部材30
は、図13の(a)ないし(d)に示すジャンクション
蓋部33と、図14の(a)ないし(e)に示す上端ジ
ャンクション本体部34とを備えている。
【0064】この上端ジャンクション本体部34は、細
長形状の浅い容器状をなし、両側部の上下位置にそれぞ
れ一対のリード線導入部34a…を有している。一方側
の一対のリード線導入部34a・34aは、他方側の一
対のリード線導入部34a・34aに対して、若干上下
方向へずれた位置に形成されている。上端ジャンクショ
ン本体部34の内部には、リブによって左右に合計2個
の接続端子配設部34b・34bが形成され、これら各
接続端子配設部34bには、それぞれ、図15および図
16に示す例えば黄銅製の接続端子35が配されてい
る。また、上記の接続端子配設部34b・34b間のリ
ブの上下位置には、ジャンクション蓋部33における後
述の嵌合凸部33a・33aが嵌入される嵌合凹部34
h・34hが形成されている。
【0065】上記の各リード線導入部34aにはそれぞ
れ2個のリード線導入凹部34c・34cが形成され、
両接続端子配設部34b・34b間のリブにおける左右
のリード線導入部34a・34aとの上下2個所の対応
部位には、それぞれ、2個のリード線導入凹部34d・
34dが形成されている。これら各2個のリード線導入
凹部34d・34dのうちの上側のリード線導入凹部3
4dは、上側にある一方側、即ち図14の(c)におい
て左側のリード線導入部34aにおける上側のリード線
導入凹部34cと同一高さ位置に形成され、下側のリー
ド線導入凹部34dは、下側にある反対側、即ち右側の
リード線導入部34aにおける下側のリード線導入凹部
34cと同一高さ位置に形成されている。また、上端ジ
ャンクション本体部34の下縁部には、電源コードを導
入するための電源コード導入凹部34eが形成され、上
記の接続端子配設部34b・34bの下端部を仕切るリ
ブには、上記の電源コード導入凹部34eから導入され
た電源コード13の一方の線と他方の線を接続端子35
上に導入するための電源コード導入凹部34fが形成さ
れている。
【0066】また、上端ジャンクション本体部34の裏
面には、この上端ジャンクション本体部34、即ち上端
ジャンクション部材30を伝熱板22に取り付ける際の
位置決め用の2個の位置決め凸部34g・34gが形成
されている。これに対応して、伝熱板22には図示しな
い位置決め孔が形成される。尚、上記の位置決め凸部3
4gの形成位置および個数は適当に設定可能である。
【0067】上記の上端ジャンクション本体部34に
は、図15に示すように、各ヒータ23のリード線9・
9および電源コード13が接続されている。この接続に
おいて、同図の左側から導入された各一対のリード線9
・9のうち、上側のリード線9は、同一高さ位置に形成
された上側のリード線導入凹部34c・34dを通じて
右側の接続端子35の位置まで導入され、この接続端子
35に例えば半田付けによって接続され、下側のリード
線9は下側のリード線導入凹部34cを通じて左側の接
続端子35の位置まで導入され、この接続端子35と接
続されている。一方、右側から導入された各一対のリー
ド線9・9のうち、下側のリード線9は、同一高さ位置
に形成された下側のリード線導入凹部34c・34dを
経て左側の接続端子35と接続され、上側のリード線9
は上側のリード線導入凹部34cを経て右側の接続端子
35と接続されている。また、電源コード13の各線
は、それぞれ、電源コード導入凹部34e・34fを経
て別個の接続端子35と接続されている。また、上記の
電源コード13の他端部は、中間ジャンクション部材3
1の接続端子35・35と接続されている。
【0068】ジャンクション蓋部33は、上端ジャンク
ション本体部34の上面形状と対応したほぼ平板状をな
し、その裏面には、上端ジャンクション本体部34の嵌
合凹部34h・34hに嵌入される嵌合凸部33a・3
3aが形成されている。
【0069】上記のジャンクション蓋部33は、図15
に示した状態に配線された上端ジャンクション本体部3
4に対して嵌合され、これら両者間の空間、リード線導
入凹部34c…および電源コード導入凹部34eが、内
部への水分の浸入が確実に防止されるように、エポキシ
樹脂あるいはシリコンゴム等のポッティング材で満たさ
れ、完全に塞がれる。即ち、上記ポッティング材は、ジ
ャンクション蓋部33と上端ジャンクション本体部34
とを接着する働きをも有している。このような状態とな
った上端ジャンクション部材30は、上端ジャンクショ
ン本体部34の下面が接着剤にて貼着されることにより
伝熱板22に取り付けられる。
【0070】中間ジャンクション部材31は、図13に
示すジャンクション蓋部33と、図17に示す中間ジャ
ンクション本体部36とを備えている。中間ジャンクシ
ョン本体部36は、上記の上端ジャンクション本体部3
4とほぼ同形状をなし、上端ジャンクション本体部34
のリード線導入部34a、接続端子配設部34b、リー
ド線導入凹部34c・34d、電源コード導入凹部34
e・34f、位置決め凸部34gおよび嵌合凹部34h
にそれぞれ対応するリード線導入部36a、接続端子配
設部36b、リード線導入凹部36c・36d、電源コ
ード導入凹部36e・36f、位置決め凸部36gおよ
び嵌合凹部36hを有している。
【0071】即ち、中間ジャンクション本体部36と上
端ジャンクション本体部34との相違点は、中間ジャン
クション本体部36が、上縁部、および接続端子配設部
36b・36bの上端部を仕切るリブにも、上端ジャン
クション部材30に接続された電源コード13を導入す
るための電源コード導入凹部36e・36fを有してい
る点のみである。従って、中間ジャンクション本体部3
6においても、図15に示したように、各ヒータ23の
リード線9…および電源コード13が接続されるととも
に、上端ジャンクション部材30に接続されている電源
コード13が上側の電源コード導入凹部36e・36f
から導入され、接続端子35・35と接続されている。
また、中間ジャンクション本体部36とジャンクション
蓋部33との組み付け、および伝熱板22への取り付け
は、上端ジャンクション部材30の場合と同様にして行
われる。
【0072】下端ジャンクション部材32は、図13に
示すジャンクション蓋部33と、図18に示す下端ジャ
ンクション本体部37とを備えている。下端ジャンクシ
ョン本体部37は、上記の中間ジャンクション本体部3
6とほぼ同形状をなし、中間ジャンクション本体部36
のリード線導入部36a、接続端子配設部36b、リー
ド線導入凹部36c・36d、電源コード導入凹部36
e・36f、位置決め凸部36gおよび嵌合凹部36h
にそれぞれ対応するリード線導入部37a、接続端子配
設部37b、リード線導入凹部37c・37d、電源コ
ード導入凹部37e・37f、位置決め凸部37gおよ
び嵌合凹部37hを有している。
【0073】即ち、下端ジャンクション本体部37と中
間ジャンクション本体部36との相違点は、下端ジャン
クション本体部37が、下側の電源コード導入凹部37
eの近傍における一側部に、下側の電源コード導入凹部
37eから導入された電源コード13を挟持して、外部
からの引張り力による電源コード13と接続端子35と
の接触不良の発生、および下端ジャンクション本体部3
7からの電源コード13の抜け落ち等を防止するための
電源コード挟持部37iを有している点のみである。こ
の挟持部37iは、図19にも示すように、下端ジャン
クション本体部37の側壁部に形成された2個の凸部3
7j・37jと、上記の側壁部と対向配置され、上記の
凸部37j・37jとの対向位置に凸部37k・37k
を有する縦壁部37mによって構成されている。
【0074】従って、下端ジャンクション本体部37に
おいても、図15に示したように、各ヒータ23のリー
ド線9…および電源コード13が接続されるとともに、
中間ジャンクション部材31に接続されている電源コー
ド13が上側の電源コード導入凹部37e・37fから
導入され、接続端子35・35と接続されている。尚、
下側の電源コード導入凹部37eから導入される電源コ
ード13は、外部電源と接続されるものである。また、
下端ジャンクション本体部37とジャンクション蓋部3
3との組み付け、および伝熱板22への取り付けは、上
端ジャンクション部材30の場合と同様にして行われ
る。
【0075】伝熱板止め具26は、図20に示すよう
に、受け部材38と押え部材39とからなる。受け部材
38は、平板状の基部38aにおける一方の端縁部に、
基部38aから垂直に立ち上がった位置決め部38bを
有している。また、受け部材38は、位置決め部38b
側の両側縁部に、基部38aから垂直に立ち上がって対
向する立設部38c・38cを有し、これら立設部38
c・38cには、切り起こし状の係合凸部38d・38
dが形成されている。これら係合凸部38d・38d
は、両下端部間の間隔が狭まるように傾斜している。
【0076】押え部材39は、例えば、0.3mm厚のS
US304−Hからなる板ばねによって形成され、一端
部に湾曲状の押え部39aを有し、他端部に同じく湾曲
状の当接部39bを有している。また、押え部39aと
当接部39bとの間の両側部には、上記の受け部材38
における立設部38c・38c間の幅に対応して切り欠
かれた係合部39c・39cが形成されている。
【0077】上記の伝熱板止め具26は、図8に示すよ
うに、例えば、伝熱板22の両側縁部および下縁部にそ
れぞれ2個ずつ設けられている。受け部材38は、位置
決め部38bを鏡21の側縁部に当接させた状態で、基
部38aが接着剤によって鏡21の裏面に貼着されてい
る。そして、押え部材39は、図21に示すように、係
合部39c・39cが受け部材38の係合凸部38d・
38dと係合して、当接部39bが伝熱板22に当接
し、押え部39aが伝熱板22の背面を押さえている状
態で、受け部材38に取り付けられている。これによっ
て、伝熱板22が鏡21に圧接された状態で固定されて
いる。
【0078】上記の構成において、本防曇鏡を組み立て
る際には、各ヒータ23と電源コード13とが上端、中
間および下端ジャンクション部材30〜32と接続さ
れ、これらジャンクション部材30〜32の防水処理が
施されたものを、図8に示すように、伝熱板22に取り
付け、防曇用のユニットとする。一方、鏡21の裏面に
は、伝熱板止め具26の受け部材38をその位置決め部
38bが伝熱板22と当接するような所定位置に接着剤
によって貼着する。この状態で、鏡21の裏面に伝熱板
22を配し、次に、各受け部材38に押え部材39を取
り付ける。
【0079】このときには、先ず、押え部材39を、受
け部材38の立設部38c・38cに係合部39c・3
9cが位置合わせされ、かつ鏡21と伝熱板22とに跨
がった状態で配する。そして、押え部材39の係合部3
9c・39c間を押し下げると、係合部39c・39c
が、受け部材38の係合凸部38d・38dと摺接しな
がら下方へ移動し、係合凸部38d・38dの下端部を
通過したところで、押し下げ力を解除すると、ばね性に
よって係合部39c・39cが係合凸部38d・38d
と係合し、押え部材39が受け部材38に取り付けられ
る。これにより、伝熱板22が鏡21に押さえ付けら
れ、伝熱板22が鏡21の裏面に密着した状態で固定さ
れる。
【0080】上記のように、本実施例の防曇鏡において
は、伝熱板2を接着剤ではなく伝熱板止め具26によっ
て鏡21に取り付けているので、鏡21と伝熱板22と
の線膨張率の差による鏡21の反りを生じないものとな
っている。尚、伝熱板22を接着剤にて鏡21に取り付
ける場合であっても、接着剤層の厚さを厚くし、この接
着剤層にて上記の線膨張率の差分を吸収させ、鏡21の
反りを防止することも可能であるが、この場合には、鏡
21の熱伝導性が低下して防曇機能が低下するととも
に、コストアップを招来し、さらに防曇鏡の厚さが厚く
なる。
【0081】また、上記の伝熱板止め具26は、予め受
け部材38を鏡21に取り付けておき、伝熱板22を鏡
21に配した後、押え部材39を受け部材38に取り付
けて伝熱板22を鏡21に密着させた状態で固定させる
ものであるから、伝熱板22を鏡21に対して摺動させ
ることなく配することができ、鏡21に疵を生じ難くな
っている。
【0082】また、弾性部材からなる押え部材39を受
け部材38に係合させることにより、伝熱板22を鏡2
1の背面に固定させているので、鏡21に対する伝熱板
22の取り付け作業、および例えばヒータ23の交換の
ための伝熱板22の取り外し作業が容易である。
【0083】尚、鏡21への伝熱板22の取り付け具と
して、上記の受け部材38と押え部材39とからなる伝
熱板止め具26を全ての位置に使用する必要はなく、例
えば、図8に示した伝熱板22の一方の側部を固定する
2個の伝熱板止め具26のみを、図22に示す簡単な構
造の伝熱板止め具40に代えてもよい。この伝熱板止め
具40は、平板状の取り付け部40aと、この取り付け
部40aに対してほぼ平行で段状をなす押さえ部40b
と、取り付け部40aと押さえ部40bとの間の位置決
め部40cとを備えている。そして、取り付け部40a
が鏡21の裏面に取り付けられ、位置決め部40cが伝
熱板22を位置決めし、押さえ部40bが伝熱板22の
上に配され、押さえ部40bに形成された伝熱板22方
向へ突出する押さえ凸部40d・40dにより、伝熱板
22を鏡21に圧接させるものとなっている。
【0084】また、例えば4個のヒータ23…を1組と
し、これら各組のヒータ23のリード線9・9を対応す
る各ジャンクション部材30〜32を介して電源コード
13と接続しているので、多数のヒータ23…の各リー
ド線9・9と電源コード13との接続が、図1に示した
ようにリード線9・9と電源コード13とを直線接続す
る場合と比較して、容易になっている。また、リード線
9・9の長さを短くし得るとともに、ほぼ均一な長さに
設定し易く、ヒータ23の製造が容易となる。また、リ
ード線9と電源コード13との接続部における防水処理
も容易である。さらに、リード線9が弛んで他の部材に
引っ掛かるといった事態も生じ難くなっている。
【0085】また、ヒータ23と各ジャンクション部材
30〜32は、伝熱板22に対する位置決め用のそれぞ
れ位置決め凸部28b・29aと位置決め凸部34gを
有しているので、伝熱板22への取り付けが容易であ
る。
【0086】尚、上記の各ジャンクション部材30〜3
2、あるいは最も電源側に近い下端ジャンクション部材
32のみには、内部にヒューズを設けてもよい。このと
き、各ヒータ23は電源コード13に対して並列に接続
され、各ジャンクション部材30〜32間をつなぐ電源
コード13は接続端子35・35を介して直列に接続さ
れているので、各ジャンクション部材30〜32にヒュ
ーズを設ける場合には、接続端子35と電源コード13
とをヒューズを介して接続すればよい。また、下端ジャ
ンクション部材32のみにヒューズを設ける場合には、
下端ジャンクション部材32に導入される電源コード1
3をヒューズを介して接続端子35に接続すればよい。
【0087】また、ジャンクション部材の数は、上端、
中間および下端ジャンクション部材30〜32の3個に
限定されることなく、伝熱板22の面積等に応じて適宜
選択することができる。例えば、ジャンクション部材の
数の変更には中間ジャンクション部材31の数を変更す
ることによって対応することができる。また、各ジャン
クション部材の位置も、直線状に並設されるばかりでな
く、例えば十字方向に設けるといったように、適当に設
定することができる。同様に、個々のジャンクション部
材と接続されるヒータ23の数および配置も、適当に設
定可能である。
【0088】〔実施例3〕本発明のさらに他の実施例を
図23ないし図30に基づいて以下に説明する。尚、説
明の便宜上、前記の実施例の図面に示した部材と同一の
機能を有する部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0089】本実施例の防曇鏡は、前記実施例2の図8
に示した上端、中間および下端ジャンクション部材30
〜32に代えて、図23に示すように、上端、中間およ
び下端ジャンクション部材51〜53を備えたものとな
っている。他の構成は前記の実施例2の構成と同一であ
る。
【0090】上記の上端ジャンクション部材51は、図
24の(a)ないし(c)に示すジャンクション蓋部5
4と、図25の(a)ないし(e)に示す上端ジャンク
ション本体部55とを備えている。
【0091】この上端ジャンクション本体部55は、偏
平な円形容器状をなし、中心部に円柱状凸部55aを有
し、外周部に二重の外側円弧状リブ55cを有し、この
外側円弧状リブ55cと円柱状凸部55aとの中間位置
に、二重の内側円弧状リブ55bを有している。これに
よって、円柱状凸部55aと内側円弧状リブ55bとの
間には内側接続端子配設部55dが形成され、内側円弧
状リブ55bと外側円弧状リブ55cとの間には外側接
続端子配設部55eが形成されている。上記の内側接続
端子配設部55dには、図26および図27の(a)に
示す例えば黄銅製のリング状板からなる内側接続端子5
6が配され、外側接続端子配設部55eには、図26お
よび図27の(b)に示す外側接続端子57が配されて
いる。これら内側接続端子56および外側接続端子57
は、上端ジャンクション本体部55の中心部を中心とし
て同心状に位置している。また、外側円弧状リブ55c
の形成位置には、ジャンクション蓋部54における後述
の嵌合凸部54a・54aが嵌入される嵌合凹部55f
・55fが形成されている。
【0092】また、上端ジャンクション本体部55に
は、図25の(c)に示すように、円柱状凸部55aの
中心で交差し、上端ジャンクション本体部55の径方向
へ延びる2本の仮想直線58・59の一方側となる内側
および外側円弧状リブ55b・55cの位置に、ヒータ
23のリード線9を内側接続端子56の位置まで導入す
るためのリード線導入凹部55g…が形成され、上記の
仮想直線58・59の他方側となる外側円弧状リブ55
cの位置に、リード線9を外側接続端子57の位置まで
導入するためのリード線導入凹部55h・55hが形成
されている。また、上記の両仮想線58・59の仮想2
等分線60上となる外側円弧状リブ55cの位置に、電
源コード13を導入するための電源コード導入凹部55
iが形成され、上記の仮想2等分線60に沿う内側円弧
状リブ55bの位置には、上記の電源コード導入凹部5
5iから導入された電源コード13の一方の線を内側接
続端子56の位置まで導入するための電源コード導入凹
部55jが形成されている。そして、上端ジャンクショ
ン本体部55は上記の電源コード導入凹部55iを下向
きにして伝熱板22に取り付けられている。
【0093】また、上端ジャンクション本体部55に
は、上記の二重の内側円弧状リブ55b・55b間の位
置に、貫通孔である複数のポッティング材注入孔55u
…が等間隔で形成されている。また、上端ジャンクショ
ン本体部55の裏面には、図25の(a)(b)に示す
ように、上端ジャンクション部材51を伝熱板22に取
り付ける際の位置決め用の2個の位置決め凸部55k・
55kが形成されている。これに対応して、伝熱板22
には図示しない位置決め孔が形成される。
【0094】上記の上端ジャンクション本体部55に
は、図26に示すように、各ヒータ23のリード線9・
9および電源コード13が接続されている。この接続に
おいて、各ヒータ23の一方のリード線9は、リード線
導入凹部55g…を経て内側接続端子56と接続され、
他方のリード線9はリード線導入凹部55h・55hを
経て外側接続端子57と接続されている。また、電源コ
ード13は、電源コード導入凹部55iを経て上端ジャ
ンクション本体部55の内部に導入され、一方の線は外
側接続端子57と接続され、他方の線はさらに電源コー
ド導入凹部55jを経て内側接続端子56と接続されて
いる。
【0095】図24に示すジャンクション蓋部33は、
上端ジャンクション本体部55の上面形状と対応した円
板状をなし、その下面には、上端ジャンクション本体部
55の嵌合凹部55f・55fに嵌入される嵌合凸部5
4a・54aが形成されている。このジャンクション蓋
部54は、図26に示した状態の上端ジャンクション本
体部55と嵌合され、この状態で上端ジャンクション部
材51の防水処理が施される。このとき、上端ジャンク
ション部材51の内部には、上端ジャンクション本体部
55のポッティング材注入孔55u…を通じてポッティ
ング材が注入される。
【0096】中間ジャンクション部材52は、図24に
示すジャンクション蓋部54と、図28に示す中間ジャ
ンクション本体部61とを備えている。中間ジャンクシ
ョン本体部61は、上記の上端ジャンクション本体部5
5とほぼ同形状をなし、上端ジャンクション本体部55
の円柱状凸部55a、内側円弧状リブ55b、外側円弧
状リブ55c、内側接続端子配設部55d、外側接続端
子配設部55e、嵌合凹部55f、リード線導入凹部5
5g、リード線導入凹部55h、電源コード導入凹部5
5i、電源コード導入凹部55j、位置決め凸部55k
およびポッティング材注入孔55uにそれぞれ対応する
円柱状凸部61a、内側円弧状リブ61b、外側円弧状
リブ61c、内側接続端子配設部61d、外側接続端子
配設部61e、嵌合凹部61f、リード線導入凹部61
g、リード線導入凹部61h、電源コード導入凹部61
i、電源コード導入凹部61j、位置決め凸部61kお
よびポッティング材注入孔61uを有している。さら
に、中間ジャンクション本体部61は、上端ジャンクシ
ョン本体部55と接続されている電源コード13を導入
するための電源コード導入凹部61i・61jを外側お
よび内側円弧状リブ61c・61bの上部側にも備えて
いる。
【0097】従って、中間ジャンクション本体部61に
おいても、図26に示したように、各ヒータ23のリー
ド線9…および電源コード13が接続されるとともに、
上端ジャンクション部材51に接続されている電源コー
ド13が上側の電源コード導入凹部61i・61jから
導入され、内側および外側接続端子56・57と接続さ
れている。
【0098】下端ジャンクション部材53は、図29に
示すジャンクション蓋部62と、図30に示す下端ジャ
ンクション本体部63とを備えている。下端ジャンクシ
ョン本体部63は、上部が、上記の中間ジャンクション
本体部61とほぼ同形状の偏平な円形容器状をなし、下
部が偏平な方形容器状をなしている。
【0099】下端ジャンクション本体部63の上部は、
中間ジャンクション本体部61の円柱状凸部61a、内
側円弧状リブ61b、外側円弧状リブ61c、内側接続
端子配設部61d、外側接続端子配設部61e、嵌合凹
部61f、リード線導入凹部61g、リード線導入凹部
61h、電源コード導入凹部61i、電源コード導入凹
部61j、位置決め凸部61kおよびポッティング材注
入孔61uに対応する円柱状凸部63a、内側円弧状リ
ブ63b、外側円弧状リブ63c、内側接続端子配設部
63d、外側接続端子配設部63e、嵌合凹部63f、
リード線導入凹部63g、リード線導入凹部63h、電
源コード導入凹部63i、電源コード導入凹部63j、
位置決め凸部63kおよびポッティング材注入孔63u
を有している。
【0100】従って、下端ジャンクション本体部63の
上部においても、図26に示したように、各ヒータ23
のリード線9…が接続されるとともに、中間ジャンクシ
ョン部材52に接続されている電源コード13が上側の
電源コード導入凹部63i・63jから導入され、内側
および外側接続端子56・57と接続されている。
【0101】一方、下端ジャンクション本体部63の下
部は、下縁部に、外部電源と接続されている電源コード
13を導入するための電源コード導入凹部63mが形成
され、一側部にヒューズ配設部63qが形成されてい
る。電源コード導入凹部63mから導入された電源コー
ド13の一方の線は、横方向に延びる上下のリブ63n
・63nに形成された電源コード導入凹部63o・63
o、上記の外側円弧状リブ63cに形成された電源コー
ド導入凹部63p、上記の内側円弧状リブ63bに形成
された電源コード導入凹部63j・63jを経て、内側
接続端子配設部63dに配される内側接続端子56と接
続される。また、上記の電源コード13の他方の線は、
電源コード導入凹部63rを経て、上記のヒューズ配設
部63qに配設された図示しないヒューズと接続され、
さらにこのヒューズの他端部から外側円弧状リブ63c
に形成された電源コード導入凹部63sを経て、外側接
続端子配設部63eに配される外側接続端子57と接続
される。また、下端ジャンクション本体部63の下部に
も、柱状凸部63tに上記の嵌合凹部63fが形成され
ている。
【0102】図29に示すジャンクション蓋部62は、
下端ジャンクション本体部63の上面形状に対応した平
板状をなし、その裏面には、下端ジャンクション本体部
63に形成された3個の嵌合凹部63f…に嵌入される
嵌合凸部62a…が形成されている。
【0103】上記の構成では、上端、中間および下端ジ
ャンクション部材51〜53における各ヒータ23のリ
ード線9・9の接続部が円形となっているので、伝熱板
22上におけるこれら各ジャンクション部材51〜53
の位置に対する各ヒータ23…の位置設定が容易であ
る。
【0104】また、下端ジャンクション部材53におい
ては、下端ジャンクション本体部63の下部にヒューズ
配設部63qが形成されているのでヒューズの配設が容
易である。尚、この構造では、何れか1個のヒータ23
等の異常によって全てのヒータ23への通電が遮断され
るものとなる。また、その他の上端および中間ジャンク
ション部材51・52にも、同様にして、ヒューズ配設
部63qを形成することは可能である。この場合には、
前述のように、各ジャンクション部材51〜53と接続
されているヒータ23…のみが、そのヒューズを介して
電源コード13に接続されるものとなる。
【0105】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の防曇鏡
は、鏡の背面に密着して伝熱板が設けられ、この伝熱板
の背面に、正特性サーミスタからなる平板状の発熱体を
内部に備え、周囲を電気絶縁性被覆部材にて被覆された
ヒータが複数個設けられている構成である。
【0106】これにより、各ヒータの防湿が良好なもの
となっており、商用電源を降圧することなくそのままヒ
ータに印加することも可能となる。従って、防曇鏡の取
り付け作業等における取り扱いが容易になるとともに、
浴室等への設置工事までを含んだ上でのコストダウンが
可能である。また、発熱体が平板状をなし、この発熱体
からなるヒータが鏡の背面に設けられた伝熱板に複数個
設けられた簡単な構造であるから、薄型化および軽量化
が可能であるとともに、発熱体で発生した熱を効率良く
鏡に伝導させることができるという効果を奏する。
【0107】請求項2の発明の防曇鏡は、請求項1の発
明の防曇鏡において、発熱体がその上面および下面に電
極を有し、ヒータが、発熱体の各電極にそれぞれ電気的
に接続された一対の平板状の金属端子と、これら金属端
子にそれぞれ電気的に接続された一対の給電線とを備え
ている構成である。
【0108】これにより、請求項1の発明の効果に加
え、発熱体の上下面の電極に接続される金属端子が平板
状となっているので、確実に薄型化が可能であるという
効果を奏する。
【0109】請求項3の発明の防曇鏡は、鏡の背面に密
着して伝熱板が設けられ、この伝熱板の背面に、正特性
サーミスタからなる平板状の発熱体を内部に備え、周囲
を電気絶縁性被覆部材にて被覆されたヒータが複数個設
けられ、これら複数個のヒータの給電線と電源コードと
が、内部にこれら両者の接続領域を有するとともに、両
者の接続部を覆い、伝熱板の背面に設けられているジャ
ンクション部材を介して接続されている構成である。
【0110】これにより、請求項1の発明の効果に加
え、複数のヒータの給電線と電源コードとの接続が容易
になっている。また、給電線の長さを短くし得るととも
に、給電線の長さをジャンクション部材を中心としたほ
ぼ均一な長さに設定し易く、ヒータの製造が容易とな
る。また、ジャンクション部材に防水処理を行うこと
で、給電線と電源コードとの接続部における防水処理が
容易となる。さらに、給電線が弛んで他の部材に引っ掛
かるといった事態も生じ難くなっているという効果を奏
する。
【0111】請求項4の発明の防曇鏡は、鏡の背面に密
着して伝熱板が設けられ、この伝熱板の背面に、正特性
サーミスタからなる平板状の発熱体を内部に備え、周囲
を電気絶縁性被覆部材にて被覆されたヒータが複数個設
けられ、上記の伝熱板が、鏡の背面に設けられた受け部
材と、弾性部材によって形成され、上記の受け部材と係
合して伝熱板を鏡に押さえつける押え部材とからなる伝
熱板止め具によって鏡の背面に固定されている構成であ
る。
【0112】これにより、請求項1の発明の効果に加
え、鏡と伝熱板との線膨張率の差による鏡の反りを生じ
難くなっている。また、伝熱板を鏡の背面の所定位置に
配した後、受け部材に押え部材を係合させて伝熱板を固
定することができるので、伝熱板を鏡に対して摺動させ
ることなく上記の所定位置に配することができ、伝熱板
との摺接により鏡に疵を生じる事態を回避することがで
きる。また、弾性部材からなる押え部材を受け部材に係
合させることにより、伝熱板を鏡の背面に固定させてい
るので、鏡に対する伝熱板の取り付け作業、および例え
ばヒータ交換のための伝熱板の取り外し作業が容易であ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す防曇鏡の背面図であ
る。
【図2】図1に示したヒータの取り付け構造を示す要部
の断面図である。
【図3】上記の防曇鏡におけるヒータを一部破断で示す
概略の正面図である。
【図4】上記のヒータの断面図である。
【図5】上記のヒータにおける他の構造例を示す断面図
(a)と、このヒータに使用されるキャップを示す斜視
図(b)である。
【図6】上記の防曇鏡の壁面への取り付けの一例を示す
説明図である。
【図7】図2に示したヒータの取り付け構造の他の例を
示す要部の断面図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す防曇鏡の背面図であ
る。
【図9】図8に示したヒータの正面図である。
【図10】上記のヒータの断面図である。
【図11】図10に示した絶縁ケース下部の正面図
(a)と背面図(b)と底面図(c)である。
【図12】上記のヒータの取り付け構造を示す要部の断
面図である。
【図13】図8に示した上端ジャンクション部材におけ
るジャンクション蓋部を示す側面図(a)と正面図
(b)と同図の(b)におけるA−A線矢視断面図
(c)と底面図(d)である。
【図14】図8に示した上端ジャンクション部材におけ
る上端ジャンクション本体部を示す背面図(a)と側面
図(b)と正面図(c)と同図の(c)におけるB−B
線矢視断面図(d)と底面図(e)である。
【図15】上記の上端ジャンクション本体部への各ヒー
タのリード線と電源コードとの接続状態を示す正面図で
ある。
【図16】図15に示した接続端子の斜視図である。
【図17】図8に示した中間ジャンクション部材におけ
る中間ジャンクション本体部を示す正面図である。
【図18】図8に示した下端ジャンクション部材におけ
る下端ジャンクション本体部を示す正面図である。
【図19】図18に示した挟持部の拡大図である。
【図20】図8に示した伝熱板止め具の分解斜視図であ
る。
【図21】上記の伝熱板止め具による鏡への伝熱板の取
り付け状態を示す説明図である。
【図22】図20に示した伝熱板止め具の他の例を示す
斜視図である。
【図23】本発明のさらに他の実施例を示す防曇鏡の背
面図である。
【図24】図23に示した上端ジャンクション部材にお
けるジャンクション蓋部を示す正面図(a)と側面図
(b)と同図(a)におけるC−C線矢視断面図(c)
である。
【図25】図23に示した上端ジャンクション部材にお
ける上端ジャンクション本体部を示す背面図(a)と側
面図(b)と正面図(c)と同図(c)におけるD−D
線矢視断面図(d)と底面図(e)である。
【図26】上記の上端ジャンクション本体部への各ヒー
タのリード線と電源コードとの接続状態を示す正面図で
ある。
【図27】図26に示した内側接続端子(a)と外側接
続端子(b)とを示す斜視図である。
【図28】図23に示した中間ジャンクション部材にお
ける中間ジャンクション本体部を示す正面図である。
【図29】図23に示した下端ジャンクション部材にお
けるジャンクション蓋部を示す側面図(a)と正面図
(b)である。
【図30】図23に示した下端ジャンクション部材にお
ける下端ジャンクション本体部を示す背面図(a)と側
面図(b)と正面図(c)と底面図(d)である。
【符号の説明】
1 鏡 2 伝熱板 3 ヒータ 4 発熱体 4a 電極 8 金属端子 9 リード線(給電線) 10 絶縁ケース(電気絶縁性被覆部材) 10a 絶縁ケース下部 10b 絶縁ケース上部 26 伝熱板止め具 30 上端ジャンクション部材 31 中間ジャンクション部材 32 下端ジャンクション部材 38 受け部材 39 押え部材 51 上端ジャンクション部材 52 中間ジャンクション部材 53 下端ジャンクション部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡の背面に密着して伝熱板が設けられ、こ
    の伝熱板の背面に、正特性サーミスタからなる平板状の
    発熱体を内部に備え、周囲を電気絶縁性被覆部材にて被
    覆されたヒータが複数個設けられていることを特徴とす
    る防曇鏡。
  2. 【請求項2】上記の発熱体はその上面および下面に電極
    を有し、上記のヒータは、発熱体の各電極にそれぞれ電
    気的に接続された一対の平板状の金属端子と、これら金
    属端子にそれぞれ電気的に接続された一対の給電線とを
    備えていることを特徴とする請求項1に記載の防曇鏡。
  3. 【請求項3】鏡の背面に密着して伝熱板が設けられ、こ
    の伝熱板の背面に、正特性サーミスタからなる平板状の
    発熱体を内部に備え、周囲を電気絶縁性被覆部材にて被
    覆されたヒータが複数個設けられ、これら複数個のヒー
    タの給電線と電源コードとが、内部にこれら両者の接続
    領域を有するとともに、両者の接続部を覆い、伝熱板の
    背面に設けられているジャンクション部材を介して接続
    されていることを特徴とする防曇鏡。
  4. 【請求項4】鏡の背面に密着して伝熱板が設けられ、こ
    の伝熱板の背面に、正特性サーミスタからなる平板状の
    発熱体を内部に備え、周囲を電気絶縁性被覆部材にて被
    覆されたヒータが複数個設けられ、上記の伝熱板が、鏡
    の背面に設けられた受け部材と、弾性部材によって形成
    され、上記の受け部材と係合して伝熱板を鏡に押さえつ
    ける押え部材とからなる伝熱板止め具によって鏡の背面
    に固定されていることを特徴とする防曇鏡。
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