JPH06153514A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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Publication number
JPH06153514A
JPH06153514A JP4304118A JP30411892A JPH06153514A JP H06153514 A JPH06153514 A JP H06153514A JP 4304118 A JP4304118 A JP 4304118A JP 30411892 A JP30411892 A JP 30411892A JP H06153514 A JPH06153514 A JP H06153514A
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JP
Japan
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switching element
circuit
load
switching
switching elements
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Withdrawn
Application number
JP4304118A
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English (en)
Inventor
Kazuo Yoshida
和雄 吉田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
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Publication of JPH06153514A publication Critical patent/JPH06153514A/ja
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  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)
  • Discharge-Lamp Control Circuits And Pulse- Feed Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】周波数を変化することなく、負荷に供給する電
力を調整し、且つ負荷が放電灯である場合において、調
光を深くしたときに放電灯を安定点灯させる。 【構成】直流電源にスイッチング素子S1 ,S2 及びS
3 ,S4 を直列接続し、スイッチング素子S1 ,S2
びS3 ,S4 の接続点間に、インダクタL1 、コンデン
サC2 及び負荷Zを接続する。スイッチング素子S1
2 のオン,オフのタイミングに対して、スイッチング
素子S3 ,S4 のオン,オフのタイミングを同位相から
180度ずれた位相までの範囲で可変する。対角位置の
スイッチング素子S1 ,S 4 及び2 ,S3 の同時オン
期間を変化させて、スイッチング周波数を変化させず
に、負荷Zに供給される電力を調整する。スイッチング
素子S 2 のスイッチング周波数を他のスイッチング素子
のスイッチング素子と異ならせ、共振回路への正負の供
給電力をアンバランスにして直流分を負荷Zに供給し、
例えば負荷Zが放電灯である場合に立消えや移動縞によ
るちらつきを起こすことを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流電力を交流電力に
変換するインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のハーフブリッジ構成のインバータ
装置を放電灯点灯装置として用いたものを図17に示
す。このインバータ装置では、直流電源Eの両端にMO
SFETからなるスイッチング素子S1 ,S2 を直列接
続し、少なくともインダクタL1とコンデンサC2 とか
らなる共振回路と、負荷としての放電灯Laとからなる
負荷回路を、直流カット用コンデンサC1 を介してスイ
ッチング素子S2 の両端に接続してある。また、直流カ
ット用コンデンサC1 はその容量が通常はコンデンサC
2 の容量より相当に大きいため、通常は共振回路には含
まれないが、その容量によっては共振回路に含まれる場
合もある。
【0003】上記インバータ装置の各スイッチング素子
1 ,S2 は、制御回路1の制御の下で図22(a),
(b)に示すように交互にオン,オフされ、直流電源E
の電圧を交流電圧(この場合には高周波電圧)に変換し
て放電灯Laに供給し、放電灯Laを高周波点灯する。
この動作を以下に詳述する。いま、時刻t0 で、図18
(a)に示すように制御回路1の制御出力V1 がハイレ
ベル、同図(b)に示すように制御出力V2 がローレベ
ルになったとすると、スイッチング素子S1 がオンとな
ると共に、スイッチング素子S2 がオフとなる。このと
き、直流電源Eから、スイッチング素子S1 、インダク
タL1 、直流カット用コンデンサC1 、コンデンサC2
及び放電灯Laの経路で、放電灯Laに電流が供給され
る。
【0004】このとき、直流カット用コンデンサC1
充電される。また、共振回路にもエネルギが蓄積され
る。なお、インバータ回路の動作周波数を共振回路の共
振周波数よりも高い範囲に設定してある場合について以
下の説明を行う。この場合には、インダクタL1 に蓄積
されるエネルギが以下に説明するように回路動作に主に
影響する。
【0005】そして、時刻t1 になると、図18(a)
に示すように制御回路1の制御出力V1 がローレベル、
同図(b)に示すように制御出力V2 がハイレベルにな
り、スイッチング素子S1 がオフとなると共に、スイッ
チング素子S2 がオンとなる。但し、上記スイッチング
素子S1 ,S2 では純然たるスイッチとは異なり、通常
と逆極性の電圧(直流電源Eの極性とは逆の極性の電
圧)が印加された場合に、スイッチング素子S2 に本来
電流IS2が流れる方向(図17中の矢印で示す電流方
向)とは逆の方向に電流を流す働きを持つ寄生ダイオー
ドを有する。このため、スイッチング素子S2 をオンし
たとき、本来の電流方向にはオンとはならず、インダク
タL2 に蓄積されたエネルギでスイッチング素子S2
寄生ダイオードがオンなる。つまり、スイッチング素子
2 は逆方向に導通した状態になる。そして、インダク
タL1 のそれまでと同じ方向に電流を流す作用により、
インダクタL1 に蓄積されたエネルギが、直流カット用
コンデンサC1 、コンデンサC 2 及び放電灯La、スイ
ッチング素子S2 の寄生ダイオードの経路で放出され
る。即ち、インバータ回路の動作周波数は共振回路の共
振周波数よりも高い範囲に設定してあるので、負荷回路
は上述のような動作を行う。
【0006】そして、インダクタL1 のエネルギが放出
された時点で、スイッチング素子S 2 が本来のオン状態
となり(図17中の矢印で示す方向に電流IS2が流れる
状態となり)、直流カット用コンデンサC1 に蓄積され
た電荷を電源として、直流カット用コンデンサC1 、イ
ンダクタL1 、スイッチング素子S2 、コンデンサC 2
及び放電灯Laの経路で、それまでと逆方向の電流が流
れる。
【0007】その後、時刻t2 で、時刻t0 の場合と同
様に、制御回路1の制御出力V1 がハイレベル、同図
(b)に示すように制御出力V2 がローレベルになるた
め、スイッチング素子S1 がオンとなると共に、スイッ
チング素子S2 がオフとなる。しかし、この場合にもス
イッチング素子S1 は本来の電流IS1が流れる方向(図
17中の矢印で示す方向)にはオンとはならず、インダ
クタL1 に蓄積されたエネルギでスイッチング素子S1
の寄生ダイオードがオンとなる。つまり、スイッチング
素子S1 は逆方向に導通した状態になる。そして、イン
ダクタL1 に蓄積されたエネルギが、スイッチング素子
1 の寄生ダイオード、直流電源E、コンデンサC2
び放電灯La、直流カット用コンデンサC1 の経路で放
出される。
【0008】そして、インダクタL1 のエネルギが放出
されると、スイッチング素子S1 が本来のオン状態とな
り、直流電源E、スイッチング素子S1 、インダクタL
1 、直流カット用コンデンサC1 、コンデンサC2 及び
放電灯Laの経路で電流が流れる。以下、上記一連の動
作を繰り返すことにより、直流電源Eを高周波電力に変
換して、放電灯Laに高周波電力が供給される。このと
き、インダクタL1 に流れる電流IL1は、図18(e)
に示すようになる。
【0009】なお、上述の説明では、時刻t0 の場合
に、スイッチング素子S1 が本来の電流方向にオンとな
ると説明したが、それまでスイッチング素子S1 ,S2
が交互にオン,オフしている定常点灯時には、時刻t0
においてもスイッチング素子S 1 の寄生ダイオードのオ
ンによりインダクタL1 に蓄積されたエネルギを放出
し、その後に本来のスイッチング素子S1 の電流IS1
流れる方向にオンとなることは言うまでもない。また、
上述の説明では、スイッチング素子S1 ,S2 の寄生ダ
イオードをインダクタL1 のエネルギを放出するために
用いたが、スイッチング素子S1 ,S2 に夫々逆並列に
ダイオードを接続するようにしてもよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記インバータ装置に
おいて負荷に供給される電力(つまりは、インバータ装
置の出力)を可変する場合、スイッチング素子S1 ,S
2 のスイッチング周波数を変化させる。なお、負荷が上
述のように放電灯Laである場合には、放電灯Laを調
光制御することになる。
【0011】ここで、上述したようにスイッチング素子
1 ,S2 のスイッチング周波数を共振回路の共振周波
数より高い範囲に設定してある場合、スイッチング周波
数を低くすれば、スイッチング周波数が共振回路の共振
周波数に近付き、放電灯Laに供給される電力が大きく
なる。また、逆にスイッチング周波数を高くすれば、ス
イッチング周波数が共振回路の共振周波数から遠ざか
り、放電灯Laに供給される電力が小さくなる。
【0012】ところが、上記直流電源Eを交流電源を整
流平滑して作成する場合において、スイッチング素子S
1 ,S2 のスイッチング周波数を変化させると、交流電
源側に高周波が漏れる問題がある。そこで、交流電源を
整流するダイオードブリッジの入力端などに高周波成分
が交流電源側に漏れることを防止するフィルタが設けら
れる。しかし、上述のようにインバータ装置の動作周波
数が変化すると、高周波成分を除去する上記フィルタの
設計が複雑になるという問題があった。
【0013】また、負荷が放電灯Laである場合に、イ
ンバータ装置の動作周波数を変化させると、それに伴っ
て放電灯Laから放出される光の周波数も変化し、赤外
線リモコンなどの他の機器に悪影響を及ぼすという問題
もある。さらに、放電灯LaがHIDランプである場
合、出力の周波数変化によって音響的共鳴現象を起こす
恐れが高くなり、放電灯Laの破壊などを起こすという
信頼性に関わる問題を生じる。つまり、インバータ装置
の動作周波数が高くなると、HIDランプが音響的共鳴
現象を起こす周波数と、動作周波数とが一致する可能性
が高くなるからである。
【0014】そこで、この点を改善した従来例とし
て、”Off-Line Application of Fixed-Frequency Clam
ped Mode Series Resonant Converter”,IEEE Tansacti
on on Power Electronics,Vol.6;No.1,January,1991 な
る文献がある。この従来例では、2つのスイッチング素
子の直列回路を直流電源と並列に2組接続すると共に、
夫々の直列回路のスイッチング素子の接続点間に少なく
ともLC共振回路と負荷からなる負荷回路を接続し、夫
々の直列回路のスイッチング素子を同時にオンしないよ
うに交互にオン,オフさせ、一方の直列回路のスイッチ
ング素子のオン,オフのタイミングに対して、他方の直
列回路のスイッチング素子のオン,オフのタイミングを
ずらすようにしてある。
【0015】なお、上記従来例の動作説明は本発明の実
施例の項で詳述する。この従来例によれば、動作周波数
を変化させずに、負荷に供給する電力を変化させること
ができる。ところが、上述の従来例を特に放電灯点灯装
置として適用し、低温時に放電灯Laに供給される電力
を小さくしぼった状態で、放電灯Laが立消えを起こす
という問題があった。このため、放電灯Laの調光範囲
に制限を生じるという問題があった。
【0016】本発明は上述の点に鑑みて為されたもので
あり、その目的とするところは、周波数を変化させるこ
となく、負荷に供給する電力を調整でき、且つ供給電力
を小さく抑えた場合にも負荷を安定動作させることがで
きるインバータ装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、2つのスイッチング素子の直列回路を
直流電源と並列に2組接続すると共に、夫々の直列回路
のスイッチング素子の接続点間に少なくともLC共振回
路と負荷からなる負荷回路を接続し、一方の直列回路の
夫々のスイッチング素子をスイッチング周期を異ならせ
て交互にオン,オフさせると共に、他方の直列回路の夫
々のスイッチング素子を上記一方の直列回路のいずれか
のスイッチング素子と同じスイッチング周期で交互にオ
ン,オフさせ、一方の直列回路のスイッチング素子のオ
ン,オフのタイミングに対して、他方の直列回路のスイ
ッチング素子のオン,オフのタイミングを同位相から1
80度ずれた位相までの範囲で可変している。
【0018】なお、電源電圧変動による負荷への供給電
力の変動を防止するため、電源電圧変動を検出して、一
方の直列回路のスイッチング素子のオン,オフのタイミ
ングに対して、他方の直列回路のスイッチング素子のオ
ン,オフのタイミングを調整して、負荷に供給される電
力を一定に制御してもよい。また、負荷に一定の電力を
供給できるようにするために、負荷電流を検出して、一
方の直列回路のスイッチング素子のオン,オフのタイミ
ングに対して、他方の直列回路のスイッチング素子のオ
ン,オフのタイミングを調整して、負荷電流を一定に制
御するようにしてもよい。
【0019】さらに、複数の負荷に電力を供給する場
合、他方の2つのスイッチング素子からなる直列回路を
複数設け、一方の直列回路のスイッチング素子の接続点
と夫々の他の直列回路の接続点との間に、少なくともL
C共振回路と負荷からなる複数の負荷回路を夫々接続す
ることができる。なお、この場合において、他方の直列
回路の夫々のスイッチング素子がすべて同時オンしない
ようにすることもできる。
【0020】負荷が放電灯である場合に、放電灯を始動
するときには、少なくとも放電灯の不点時にLC共振回
路の共振周波数よりも、スイッチング素子のスイッチン
グ周波数を高く設定し、放電灯の始動時にスイッチング
素子のスイッチング周波数をLC共振回路の共振周波数
に近づけるようにすればよい。また、負荷が放電灯であ
る場合に、放電灯を始動するときには、少なくとも放電
灯の不点時にLC共振回路の共振周波数よりも、スイッ
チング素子のスイッチング周波数を高く設定し、放電灯
の始動時に一方の直列回路のスイッチング素子のオン,
オフのタイミングに対して、他方の直列回路のスイッチ
ング素子のオン,オフのタイミングを180度ずれた位
相から同位相まで変化させるようにしてもよい。
【0021】さらに、複数の負荷を設け、夫々の負荷に
交流分と直流分とを別個に供給することも可能である。
【0022】
【作用】本発明は、上述のように一方の直列回路のスイ
ッチング素子のオン,オフのタイミングに対して、他方
の直列回路のスイッチング素子のオン,オフのタイミン
グを同位相から180度ずれた位相までの範囲で可変し
ていることにより、対角位置のスイッチング素子の同時
オン期間を変化させて、スイッチング周波数を変化させ
ずに、負荷に供給される電力を調整することを可能と
し、スイッチング周波数が変化することに伴う種々の問
題点を回避する。また、一方の直列回路の夫々のスイッ
チング素子をスイッチング周期を異ならせて交互にオ
ン,オフさせると共に、他方の直列回路の夫々のスイッ
チング素子を上記一方の直列回路のいずれかのスイッチ
ング素子と同じスイッチング周期で交互にオン,オフさ
せることにより、LC共振回路への正負の供給電力をア
ンバランスにして、LC共振回路に蓄積されるエネルギ
を直流分として負荷に供給可能とし、例えば負荷が放電
灯である場合に立消えを起こすことを防止する。
【0023】
【実施例】
(実施例1)図1に本発明の一実施例を示す。本実施例
のインバータ装置は、交流電源ACをダイオードブリッ
ジDBで整流して得られた直流電圧を交流電圧に変換す
るものであり、スイッチング素子S1 ,S2 及びスイッ
チング素子S3 ,S4 をダイオードブリッジDBの出力
端間に夫々接続し、スイッチング素子S1 ,S2 の接続
点と、スイッチング素子S3 ,S4 の接続点との間に、
インダクタL1 とコンデンサC2 からなる直列共振回路
と負荷Zとからなる負荷回路を接続してある。なお、負
荷ZはコンデンサC2 と並列に接続してある。つまり、
このインバータ装置はスイッチング素子S1 〜S4 をブ
リッジ接続したいわゆるフルブリッジ構成となってい
る。
【0024】この種の通常のフルブリッジ構成のインバ
ータ装置では、一般に対角位置に設けられたスイッチン
グ素子S1 ,S4 及びスイッチング素子S2 ,S3 を組
として制御回路1で交互にオン,オフして、負荷回路に
交流電流を供給する。まず、本発明の動作を容易に理解
できるように、上述の一般動作をさらに詳述しておく。
いま、時刻t0 で制御回路1の制御出力V1 ,V4 がハ
イレベルとなり、制御出力V2 ,V3 がローレベルとな
る。このとき、スイッチング素子S1,S4 が図2
(a),(d)に示すようにオンとなり、スイッチング
素子S2 ,S3 が同図(b),(c)に示すようにオフ
となり、ダイオードブリッジDBから、スイッチング素
子S1 、インダクタL1 、コンデンサC2 及び負荷Z、
スイッチング素子S4 の経路で、負荷Zに電流が流され
る。つまり、図1の矢印で示す方向の負荷電流IZ が供
給される。
【0025】時刻t2 では、制御回路1の制御出力
1 ,V4 がローレベルとなり、制御出力V2 ,V3
ハイレベルとなる。すると、スイッチング素子S1 ,S
4 が図2(a),(d)に示すようにオフとなり、スイ
ッチング素子S2 ,S3 が同図(b),(c)に示すよ
うにオンとなる。ここで、上記インバータ装置のスイッ
チング周波数をインダクタL1 とコンデンサC2 からな
る共振回路の共振周波数よりも高い範囲とした場合に
は、従来技術の項で説明したように、インダクタL1
蓄積されたエネルギが、インダクタL1 、コンデンサC
2 及び負荷Z、スイッチング素子S3 の寄生ダイオー
ド、ダイオードブリッジDB、スイッチング素子S2
寄生ダイオードの経路で放出される。
【0026】そして、上記インダクタL1 のエネルギが
放出されると、スイッチング素子S 2 ,S3 がオンとな
り、ダイオードブリッジDBの出力が、スイッチング素
子S 3 ,コンデンサC2 及び負荷Z、インダクタL1
スイッチング素子S2 の経路で、負荷電流IZ がそれま
でと逆方向(図1の矢印と逆方向)で流される。時刻t
4 では、時刻t0 の場合と同様に、制御回路1の制御出
力V1 ,V4 がハイレベルとなると共に、制御出力
2 ,V3 がローレベルとなり、スイッチング素子
1 ,S4 がオンとなると共に、スイッチング素子
2 ,S3 がオフとなる。このときにも、インダクタL
1 に蓄積されたエネルギが、インダクタL1 、スイッチ
ング素子S1 の寄生ダイオード、ダイオードブリッジD
B、スイッチング素子S4 の寄生ダイオード、コンデン
サC2 及び負荷Zの経路で放出される。
【0027】そして、インダクタL1 のエネルギの放出
後に、ダイオードブリッジDBから、スイッチング素子
1 、インダクタL1 、コンデンサC2 及び負荷Z、ス
イッチング素子S4 の経路で、負荷Zに電流が流され
る。なお、インバータ装置が定常動作している場合に
は、上記時刻t0 の時点でも、インダクタL1 の蓄積エ
ネルギをスイッチング素子S1 ,S4 の寄生ダイオード
を介して放出した後に、スイッチング素子S1 ,S4
介して負荷電流IZ が供給される。また、スイッチング
素子S1 〜S4 に夫々逆並列にダイオードを接続して、
インダクタL1 のエネルギを放出するものもある。
【0028】ところで、従来技術の項で説明した後者の
従来例としてのインバータ装置の場合、負荷Zに供給す
る電力を変化させるとき、図3(a),(b)に示す直
列接続されたスイッチング素子S1 ,S2 のオン,オフ
のタイミングを、同図(c),(d)に示すスイッチン
グ素子S3 ,S4 のオン,オフのタイミングとずらすよ
うにしてある。なお、直流電源Eの出力端間に、直列接
続されたスイッチング素子S1 ,S2 及びスイッチング
素子S3 ,S4 は交互にオン,オフするようにしてあ
る。
【0029】さらに、この従来のインバータ装置の動作
を詳述する。なお、以下の説明は上述の場合と同様に、
インバータ装置のスイッチング周波数が共振回路の共振
周波数よりも高く設定してある場合を例として説明す
る。時刻t0 では、図3(b)に示すようにスイッチン
グ素子S2 のみがオンとなり、その他のスイッチング素
子S1 ,S3 ,S4 は同図(a),(c),(d)に示
すように共にオフである。従って、負荷回路には電流が
供給されない。
【0030】時刻t1 では、同図(c)に示すようにス
イッチング素子S3 がオンし、これによりダイオードブ
リッジDB、スイッチング素子S3 、コンデンサC2
び負荷Z、インダクタL1 、スイッチング素子S2 の経
路で、負荷電流IZ が供給される。時刻t2 では、図3
(b)に示すようにスイッチング素子S2 がオフとなる
ことにより、上記負荷電流IZ の供給が停止される。ま
た、スイッチングS2 のオフと同時に、スイッチング素
子S1 を図3(a)に示すようにオンとするように制御
回路1から制御出力V1 が印加される。この場合には、
インダクタL1 に蓄積されたエネルギで、インダクタL
1 、スイッチング素子S1 の寄生ダイオード、スイッチ
ング素子S3 、コンデンサC2 及び負荷Zの経路で、そ
れまでと同一方向に負荷電流IZ が流され、インダクタ
1 に蓄積されたエネルギの放出が行われる。
【0031】時刻t3 では、図3(c)に示すように、
スイッチング素子S3 がオフとなるので、上記経路での
インダクタL1 に蓄積されたエネルギの放出が停止され
る。但し、このときにはスイッチング素子S4 を図3
(d)に示すようにオンとするように制御回路1から制
御出力V4 が印加される。このため、インダクタL1
エネルギが残っている場合には、インダクタL1 、スイ
ッチング素子S1 の寄生ダイオード、ダイオードブリッ
ジDB、スイッチング素子S4 の寄生ダイオード、コン
デンサC2 及び負荷Zの経路で、上述したエネルギの放
出が継続される。
【0032】そして、インダクタL1 のエネルギが放出
されると、スイッチング素子S1 ,S4 が共にオンとな
り、ダイオードブリッジDB、スイッチング素子S1
インダクタL1 、コンデンサC2 及び負荷Z、スイッチ
ング素子S4 の経路で、それまでとは逆方向の負荷電流
Z が流される。但し、上記時刻t3 の時点にインダク
タL1 のエネルギが放出されてしまっている場合には、
制御回路1の制御出力V4 がハイレベルとなると同時
に、スイッチング素子S4 がオンとなる。この場合に
は、この時刻t3 で既にスイッチング素子S1 がオンで
あるので、時刻t3 において、ダイオードブリッジD
B、スイッチング素子S1 、インダクタL1 、コンデン
サC2 及び負荷Z、スイッチング素子S4 の経路で、負
荷電流IZ が流される。
【0033】時刻t4 では、スイッチング素子S1 がオ
フとなり、上記経路での負荷電流の供給が停止される。
このとき、同時にスイッチング素子S2 に制御回路1か
らオンとする制御信号V2 が印加され、インダクタL1
に蓄積されたエネルギが、インダクタL1 、コンデンサ
2 及び負荷Z、スイッチング素子S4 、スイッチング
素子S2 の寄生ダイオードの経路で放出される。
【0034】時刻t5 では、スイッチング素子S4 がオ
フとなると共に、図3(c)に示すようにスイッチング
素子S3 をオンとする制御回路1のハイレベルの制御出
力V 3 が与えられる。このとき、インダクタL1 のエネ
ルギが残っている場合には、インダクタL1 、コンデン
サC2 及び負荷Z、スイッチング素子S3 の寄生ダイオ
ード、ダイオードブリッジDB、スイッチング素子S2
の寄生ダイオードの経路で、インダクタL1 のエネルギ
の放出が行われる。そして、そのエネルギが放出された
時点で、ダイオードブリッジDB、スイッチング素子S
3 、コンデンサC2 及び負荷Z、インダクタL1 、スイ
ッチング素子S2 の経路で、負荷電流I Z が流される。
【0035】この場合にも、時刻t5 で、インダクタL
1 のエネルギが放出されていると、時刻t5 の時点で、
ダイオードブリッジDB、スイッチング素子S3 、コン
デンサC2 及び負荷Z、インダクタL1 、スイッチング
素子S2 の経路で、負荷電流IZ が流される。上記一連
の動作を繰り返すことにより、ダイオードブリッジDB
の出力である出力である直流電圧を交流電圧に変換し
て、交流電圧が負荷回路に供給される。このインバータ
装置では、対角位置のスイッチング素子S1 ,S4 及び
スイッチング素子S2 ,S3 の同時オン期間が、図2に
示すように一致している場合よりも短くなり、従って負
荷Zに供給される電力が低減される。なお、インバータ
素子S1 〜S4 のスイッチング周波数を共振回路の共振
周波数よりも高く設定してある場合に、インバータ素子
1 〜S4 のスイッチング周波数を最も低く設定してお
く。
【0036】つまり、このインバータ装置では、スイッ
チング素子S1 ,S2 のオン,オフのタイミングに対し
て、スイッチング素子S3 ,S4 のオン,オフのオン,
オフのタイミングを変化させることにより、スイッチン
グ素子S1 ,S4 及びスイッチング素子S2 ,S3 が同
時オンする時間を変化させ、スイッチング素子S1 〜S
4 のスイッチング周波数を変化させずに、負荷回路に供
給される電力を変化させることができるのである。この
ため、交流電源ACへの高周波出力の漏れを防止するフ
ィルタ(図示せず)の設計が容易となる。また、負荷Z
が放電灯である場合に、放電灯の発する光の周波数が変
化し、赤外線リモコンなどの他の機器に悪影響を及ぼす
ということがない。さらに、放電灯がHIDランプであ
る場合、出力の周波数変化によって音響的共鳴現象を起
こす恐れも少なくできる。
【0037】なお、上述の説明はスイッチング素子
1 ,S3 のスイッチング位相に対してスイッチング素
子S2 ,S4 のスイッチング位相を遅らせた場合につい
て説明したが、逆に進ませても、同様に負荷回路に供給
される電力を変化させることができる。しかし、上記イ
ンバータ装置で負荷Zが放電灯である場合、低温時に放
電灯への供給電力を小さくしぼった場合に、放電灯が立
消えを起こし、放電灯の調光制御範囲が狭くなるという
問題がある。
【0038】そこで、本実施例ではこの点を改善するた
めに、図4に示すように、スイッチング素子S2 のスイ
ッチング周波数をその他のスイッチング素子S1
3 ,S 4 のスイッチング周波数と異ならせてある。つ
まり、図4に示すように、対角位置のスイッチング素子
1 ,S4 の組をオンとし、次にスイッチング素子
2 ,S3 の組をオンとし、さらにスイッチング素子S
1 ,S4 の組をオンとし、その次はスイッチング素子S
3 のみオンとし、スイッチング素子S2 はオンさせず、
以下上記動作を繰り返すようになっている。
【0039】さらにこの動作を詳述する。なお、時刻t
0 〜t3 の動作は図2で説明した動作と同じであるの
で、説明は省略する。また、この説明もインバータ装置
のスイッチング周波数が共振回路の共振周波数よりも高
い場合について行う。時刻t3 では、スイッチング素子
3 はオンとなるが、スイッチング素子S2がオンとな
らない。このため、インダクタL1 に蓄積されたエネル
ギが放出されることなく、そのままインダクタL1 に蓄
えられる。
【0040】時刻t4 では、スイッチング素子S1 ,S
4 のオンにより、ダイオードブリッジDB、スイッチン
グ素子S1 、インダクタL1 、コンデンサC2 及び負荷
Z、スイッチング素子S4 の経路で、負荷電流IZ が流
される。なお、このときには、インダクタL1 に蓄積さ
れたエネルギが、ダイオードブリッジDBの出力に加算
された形で、負荷電流IZ が流され、インダクタL1
蓄積されるエネルギはさらに大きくなる。
【0041】時刻t5 では、スイッチング素子S2 ,S
3 をオンとする制御信号V2 ,V3が与えられた時点
で、インダクタL1 に蓄積されたエネルギが、インダク
タL1、負荷Z及びコンデンサC2 、スイッチング素子
3 の寄生ダイオード、ダイオードブリッジDB、スイ
ッチング素子S2 の寄生ダイオードを介して放出され、
そのエネルギの放出後はスイッチング素子S2 ,S3
オンにより、ダイオードブリッジDB、スイッチング素
子S3 、負荷Z及びコンデンサC2 、インダクタL1
スイッチング素子S2 の経路で、負荷電流IZ が供給さ
れる。なお、スイッチング素子S2 ,S3 はオン可能期
間内にオンとなるようにしてある。
【0042】このようにすれば、共振回路に印加される
正負の電圧がアンバランスとなり、インダクタL1 に蓄
積されたエネルギが負荷Zに直流成分として印加され
る。図5は、上述した図3のように、スイッチング素子
1 ,S3 のオン,オフのタイミングとスイッチング素
子S2 ,S4 のオン,オフのタイミングをずらし、対角
位置のスイッチング素子S1 ,S4 及びスイッチング素
子S2 ,S3 の同時オンの期間を短くし、負荷Zに供給
される電力を低減した場合を示す。
【0043】このようにすれば、図3で説明したと同様
に、スイッチング周波数を変化させずに、負荷Zに供給
される電力を変化させることができる。しかも、スイッ
チング素子S2 のスイッチング周波数が他のスイッチン
グ素子S1 ,S3 ,S4 と異なるため、共振回路に印加
される正負の電圧がアンバランスとなり、負荷Zに直流
電圧が印加される。従って、負荷Zが放電灯である場合
に、低温時に調光状態を深くした場合にも放電灯を安定
点灯させることができ、調光可能範囲が狭くなることが
ない。
【0044】図6に上記インバータ装置における制御回
路1の具体回路を示す。この制御回路1は、基本周波数
の矩形波信号を発生する発振回路2と、この発振回路2
の出力に応じてスイッチング素子S1 ,S2 を駆動する
駆動回路3,4と、発振回路2の出力を一定時間遅延さ
せた信号を作成する遅延回路5と、この遅延回路5の出
力に応じてスイッチング素子S3 ,S4 を駆動する駆動
回路6,7とで構成してある。
【0045】発振回路2は、タイマIC2aと、このタ
イマIC2aの外付け抵抗R11、可変抵抗VR11,VR
12、ダイオードD11,D12及びコンデンサC11で構成さ
れ、図7(a)の矩形波信号を発生する。ここで、可変
抵抗VR11,VR12の調整により、矩形波信号のハイレ
ベル期間とローレベル期間との比率を可変できるように
なっている。
【0046】スイッチング素子S1 を駆動する駆動回路
3は、スイッチング素子S2 と同時オンしてダイオード
ブリッジDB間を短絡することを防止するデッドオフ期
間を発振回路2の出力Vaに設定するデッドオフ回路3
1と、このデッド回路31の出力をレベルシフトしてス
イッチング素子S1 に与えるレベルシフト回路32とで
構成してある。
【0047】ところで、上述の場合には説明しなかった
が、ダイオードブリッジDBに対して直列に接続された
スイッチング素子S1 ,S2 及びスイッチング素子
3 ,S 4 が同時にオンすると、電源短絡状態になるた
め、それを防止するためにスイッチング素子S1 ,S2
あるいはスイッチング素子S3 ,S4 がオン,オフに切
り換わる時点には、スイッチング素子S1 ,S2 あるい
はスイッチング素子S3 ,S4 が共にオフとなるいわゆ
るデットオフ期間が設けられる。
【0048】デッドオフ回路31は、可変抵抗VR13
VR15、ダイオードD13,D14、コンデンサC12及びバ
ッファアンプB1 で構成してある。つまり、可変抵抗V
13,VR14とコンデンサC12の時定数で決まる時間
(図7におけるt0 −t1 の期間)だけ、発振回路2の
出力Vaの立上りを遅らせた図7(c)の信号を作成す
る。
【0049】レベルシフト回路32は、トランジスタQ
11〜Q14からなるカレントミラー回路CM3 と、バッフ
ァアンプB2 と、直流電源Eの電圧を定電圧化するツェ
ナダイオードZD1 及びコンデンサC18からなる定電圧
回路33とで構成してある。このレベルシフト回路32
では、カレントミラー回路CM3 でデッドオフ回路31
の出力を電流に代えて、異なる電位で動作するバッファ
アンプB2 に信号を伝達し、バッファアンプB2 の出力
を制御信号V1 としてスイッチング素子S1 に与える。
【0050】スイッチング素子S2 の駆動回路4は、ス
イッチング素子S2 と同時オンしてダイオードブリッジ
DB間を短絡することを防止するデッドオフ期間を発振
回路2の出力Vaに設定するデッドオフ回路41と、こ
のデッドオフ回路41の出力からスイッチング素子S1
が2回オフとなる時点に同期してスイッチング素子S 2
をオンとする制御信号V2 を作成する周波数変換回路4
2とで構成してある。なお、スイッチング素子S2 の基
準電位は制御回路1の基準電位と一致しているので、レ
ベルシフト回路は必要ない。上記デッドオフ回路41
は、インバータゲートI1 、可変抵抗VR16〜VR18
ダイオードD15,D16、コンデンサC13及びバッファア
ンプB3 で構成してある。このデッドオフ回路41で
は、インバータゲートI1 で発振回路2の出力Vaを反
転し(その反転出力Vbを図7(b)に示す)、可変抵
抗VR16,VR17とコンデンサC13の時定数で決まる時
間(図7のt4 −t5 で示す期間)だけ、発振回路2の
出力Vaの立上りを遅らせた図7(d)の信号を作成す
る。
【0051】周波数変換回路42は、デッドオフ回路4
1の出力Vnの立上りをクロックとして2分周した出力
を生じる分周用IC(例えば、4516B)42aと、
この分周用IC42aの出力O0 とデッドオフ回路41
の出力VnとのアンドをとるアンドゲートAND4 とで
構成してある。分周用IC42aの出力としては図7
(r)に示すものが得られ、その出力Voとデッドオフ
回路41の出力Vnとのアンドをとると、同図(s)に
示すように、スイッチング素子S1 が2回オフとなる時
点に同期してスイッチング素子S2 をオンとする制御信
号V2 が作成される。
【0052】遅延回路5は、発振回路2の出力Vaを遅
延する時間を設定する遅延時間設定部51と、この遅延
時間設定回路51の遅延時間に応じて発振回路2の出力
Vaを全体的に遅延させた信号を作成する遅延信号作成
部52とで構成してある。遅延時間設定部51は、可変
抵抗VR19,VR20、ダイオードD17、コンデンサ
14、インバータゲートI3 ,I4 とで構成し、可変抵
抗VR19とコンデンサC14の時定数で決まる時間(例え
ば、図7のt0 −t2 で示す期間)が、発振回路2の出
力Vaを遅延する時間となる。さらに詳しくは、発振回
路2の出力Vaの立上りから図7(e)に示すようにコ
ンデンサC14の充電が開始され、コンデンサC14の両端
電圧がインバータゲートI3 のスレッショルド電圧に達
したとき、インバータゲートI3 の出力Vdは図7
(f)のようになる。
【0053】遅延信号作成部52は、遅延時間設定部5
1のインバータゲートI3 の出力Vdと発振回路2の出
力VaとのアンドをとるアンドゲートAND1 と、遅延
時間を得るためのコンデンサC15と、アンドゲートAN
1 の出力VgでコンデンサC15を充電するカレントミ
ラー回路CM1 と、コンデンサC15の両端電圧を所定電
圧と比較するコンパレータCP1 と、発振回路2の出力
Vaを反転するインバータゲートI2 と、インバータゲ
ートI2 の出力VfとコンパレータCP1 の出力Viと
のアンドをとるアンドゲートAND2 と、アンドゲート
AND2 の出力Vjと遅延時間設定部51の出力Veと
のオアをとるオアゲートOR1 と、オアゲートOR1
出力VkとインバータゲートI2 の出力Vfとのアンド
をとるアンドゲートAND3 と、アンドゲートAND3
の出力Vlに応じてコンデンサC 15の放電を行うカレン
トミラー回路CM2 とで構成してある。
【0054】以下、この遅延信号作成部52の動作を説
明する。アンドゲートAND1 で、図7(f)に示す遅
延時間設定部51のインバータゲートI3 の出力Vd
と、発振回路2の出力Vaとのアンドをとると、このア
ンドゲートAND1 の出力Vgは、図7(i)に示すよ
うに、遅延時間設定部51で設定した遅延時間に相当す
る期間ハイレベルとなる。このアンドゲートAND1
出力Vgがハイレベルである期間、図7(j)に示すよ
うにコンデンサC15がカレントミラー回路CM1で充電
される。ここで、コンパレータCP1 の基準電圧はほぼ
0Vに設定してあるので、その出力Viは図7(k)に
示すようにハイレベルに保たれる。
【0055】上述の動作時点では、図7(h)に示すよ
うにインバータゲートI2 の出力Vfはローレベルであ
るので、同図(l)に示すようにアンドゲートAND2
の出力Vjはローレベルとなっている。そして、上記コ
ンパレータCP1 の出力はコンデンサC15が充電されて
いる期間ハイレベルに保たれる。いま、図7(a)に示
すように発振回路2の出力Vaがローレベルとなると、
同図(h)に示すようにインバータゲートI2 の出力V
fがハイレベルとなる。このため、同図(l)に示すよ
うにアンドゲートAND2 の出力Vjがハイレベルとな
る。これにより、遅延時間設定部51のインバータゲー
トI4 の出力Veがローレベルに立ち下がった後も、オ
アゲートOR1 の出力Vkは図7(m)に示すようにハ
イレベルに保たれる。
【0056】このとき、アンドゲートAND3 の出力V
lが図0(n)に示すようにハイレベルになることによ
り、カレントミラー回路CM2 が動作し、コンデンサC
15の放電が開始される。ここで、カレントミラー回路C
2 と上記カレントミラー回路CM1 はミラー比が1:
1に設定してあるので、図7(j)に示すように、遅延
時間設定部51で設定した遅延時間と同じ時間後に、コ
ンデンサC15が完全に放電される。
【0057】そして、コンデンサC15が完全に放電され
ると、コンパレータCP1 の出力Viは図7(k)に示
すようにローレベルとなる。これにより、アンドゲート
AND2 の出力Vjが図7(l)に示すようにローレベ
ルとなり、オアゲートOR1の出力Vkも同図(m)に
示すようにローレベルとなる。そして、そのオアゲート
OR1 の出力VkによりアンドゲートAND3 の出力V
lが図7(n)に示すようにローレベルになり、カレン
トミラー回路CM2 の動作が停止される。
【0058】つまり、上記遅延信号作成部52は、遅延
時間設定部51で設定された時間と同じだけの時間、オ
アゲートOR1 の出力Vkの立下りを遅らせるために設
けてあり、遅延時間設定回路51の遅延時間に応じて発
振回路2の出力Vaを全体的に遅延させた信号を作成し
ている。そして、この信号Vkを基にして駆動回路6,
7がスイッチング素子S3 ,S 4 を駆動する。スイッチ
ング素子S3 の駆動回路6は、デッドオフ回路61とレ
ベルシフト回路62とで構成し、スイッチング素子S4
の駆動回路7は、デッドオフ回路71で構成してある。
【0059】デッドオフ回路61は、インバータゲート
5 、可変抵抗VR24〜VR26、ダイオードD20
21、コンデンサC17及びバッファアンプB5 で構成し
てあり、オアゲートOR1 の出力Vkの立上りを図15
のt2 −t3 で示す期間遅延させて、デッドオフ期間を
設定する。また、レベルシフト回路62は、トランジス
タQ15〜Q18からなるカレントミラー回路CM4 と、バ
ッファアンプB6 と、直流電源Eの電圧を定電圧化する
ツェナダイオードZD2 及びコンデンサC19からなる定
電圧回路63とで構成してある。
【0060】デッドオフ回路71は、可変抵抗VR21
VR23、ダイオードD18,D19、コンデンサC16及びバ
ッファアンプB4 で構成してあり、オアゲートOR1
出力Vkを反転した出力の立上りを図15のt6 −t7
で示す期間遅延させて、デッドオフ期間を設定する。こ
のようにすれば、スイッチング素子S1 ,S2 及びスイ
ッチング素子S3 ,S4 のオン,オフタイミングの位相
差θとしては、図7における時刻t1 −t3として与え
られる。そして、スイッチング素子S1 ,S2 のオン期
間の比率を可変する場合には、例えば図6における可変
抵抗VR15の抵抗値を大きくして、制御信号V1 の立下
り時点を遅らせると共に、可変抵抗VR17の抵抗値を大
きくして、制御信号V2 の立上り時点を遅らせるように
すればよい。
【0061】(実施例2)図8に本発明の他の実施例を
示す。本実施例は基本的には上記実施例の場合と同様に
して動作するもので、本実施例の特徴とするところは、
負荷Zが放電灯Laであり、上記実施例の動作を適用し
て、この放電灯Laを良好に予熱して始動点灯させる点
にある。
【0062】放電灯Laは不点時には、そのインピーダ
ンスが非常高くなり、共振回路の共振に影響しなくな
り、共振周波数が最も高くなる。そこで、スイッチング
素子S 1 〜S4 の中で一番スイッチング周波数の低いも
の(上記実施例の場合にはスイッチング素子S2 )のス
イッチング周波数を、共振回路の共振周波数よりも僅か
に設定する。そして、スイッチング素子S1 〜S4 の中
で一番スイッチング周波数の高いもの(上記実施例の場
合にはスイッチング素子S1 ,S3 ,S4 のいずれかで
あればよい)の制御信号を基準として、スイッチング素
子S1 〜S2 のスイッチング位相を180度ずれた状態
から同位相となるまで変化させる。このようにすれば、
スイッチング素子S1 ,S4 及びスイッチング素子
2 ,S3 の同時オンする期間が短い状態から長い状態
へと変化し、放電灯Laを不点の状態としてフィラメン
トを予熱し、その後に放電灯Laに放電開始電圧を印加
して始動点灯させることができる。
【0063】ところで、上記放電灯Laの予熱後の始動
方法としては、通常のこの種のインバータ装置を用いた
放電灯点灯装置の場合と同様に、インバータ装置のスイ
ッチング周波数を共振回路の共振周波数に近づけること
により、始動点灯させる方法を採用してもよいことは言
うまでもない。但し、定常点灯時にはスイッチング素子
1 ,S4 及びスイッチング素子S2 ,S3 の同時オン
期間を変化させて、調光制御を行うことは言うまでもな
い。
【0064】(実施例3)図9に本発明の他の実施例を
示す。本実施例も基本的には上述した実施例1と同じも
ので、本実施例の場合には電源電圧変動に応じて負荷Z
に供給される電力が変動することを防止する構成とした
点に特徴がある。本実施例の場合には、電源変動により
負荷Zに供給される電力が変動することを防止する電力
変動防止回路8を、ダイオードブリッジDBの出力変動
に応じて導通状態が変化するトランジスタQ30と、この
トランジスタQ30の導通状態に応じて入力電流が変化す
るフォトカプラPC1 とで構成してある。
【0065】つまり、ダイオードブリッジDBの出力電
圧が変化すると、制御回路1の電源端子a,b間の電圧
が変化し、トランジスタQ30の導通状態が変化する。従
って、フォトカプラPC1 の出力トランジスタに流れる
電流が変化し、コンデンサC 14の充電電流が変化し、遅
延時間設定部51の遅延時間の設定状態が変化する。い
ま、電源電圧が高くなると、トランジスタQ30でバイパ
スされる電流が増加し、フォトカプラPC1 に入力され
る電流が減少する。このため、フォトカプラPC1 の出
力電流が減少し、コンデンサC14の充電時間が長くな
る。従って、スイッチング素子S1 ,S4 及びスイッチ
ング素子S2 ,S3 の同時オンの期間が短くなり、負荷
Zに供給される電力が減少する。これにより、電源電圧
変動に応じて負荷Zに流れる電流を抑制できる。
【0066】なお、逆に電源電圧が低くなると、負荷Z
に供給される電力を増加させるように機能する。このよ
うに、電力変動防止回路8はフィードフォワードをかけ
ることにより、負荷Zに供給される電力を安定させるこ
とができ、例えば負荷Zが放電灯の場合には安定点灯さ
せることができる。 (実施例4)上述の実施例では負荷Zを1つとしていた
が、図10に示すように、複数の負荷Z,Z’に同一の
インバータ装置から電力を供給するようにしてもよい。
図10の場合には、コンデンサC4 と負荷Zとの直列回
路と、インダクタL2 と負荷Z’の直列回路とを、コン
デンサC2 の両端に接続してある。このようにすれば、
負荷Zには共振による交流分の電流のみを流すことがで
き、負荷Z’には直流分を主に流すことができる。な
お、負荷Z’を放電灯とし、上記インダクタL2を放電
灯のフィラメントの非電源側の両端に接続すると、イン
ダクタL2 に発生する直流分でフィラメントに予熱電流
を流し、放電灯を低い調光レベルまで安定点灯させるこ
とが可能となる。
【0067】(実施例5)図11に本発明の他の実施例
を示す。本実施例では放電灯Laに流れるランプ電流を
検出して、そのランプ電流に応じて放電灯Laに供給さ
れる電力を自動調節するものである。本実施例では、ス
イッチング素子S3 ,S4 の直列回路と並列に、スイッ
チング素子S5 ,S6 を接続し、インダクタL1 と放電
灯Laとの直列回路をスイッチング素子S1 ,S2 の接
続点とスイッチング素子S3 ,S4 の接続点との間に接
続し、インダクタL1 と放電灯Laとの接続点とスイッ
チング素子S5 ,S6の接続点との間にコンデンサC2
を接続してある。そして、スイッチング素子S 4 のソー
ス側にはランプ電流を検出する電流検出抵抗R0 を接続
してある。なお、スイッチング素子S5 ,S6 はスイッ
チング素子S3 ,S4 の夫々と同期してオン,オフさ
れ、インバータ装置の動作は上述した実施例と何等変わ
りなく動作する。
【0068】つまり、上述のように構成してあるのは、
放電灯Laの電流を確実に検出できるように、ランプ電
流の流路と、共振電流の流路とを分離したものである。
そして、検出抵抗R0 の検出出力に応じて、ランプ電流
が減少すれば、スイッチング素子S1 ,S4 及びスイッ
チング素子S2 ,S3 の同時オン期間を長くして、ラン
プ電流を増加させ、逆にランプ電流が増加すれば、スイ
ッチング素子S1 ,S 4 及びスイッチング素子S2 ,S
3 の同時オン期間を短くして、ランプ電流を減少させる
ようにフィードバック制御をかけるようにすればよい。
【0069】(実施例6)図12は複数の放電灯Laを
点灯するインバータ装置を用いた放電灯点灯装置を示
す。つまり、スイッチング素子S1 ,S2 は夫々の放電
灯Laの放電灯点灯装置として兼用し、スイッチング素
子S3 ,S4 側に新たにスイッチング素子S 5 ,S6
並列に接続し、スイッチング素子S1 ,S2 の接続点と
スイッチング素子S3 ,S4 の接続点との間に第1の負
荷回路を接続し、スイッチング素子S 1 ,S2 の接続点
とスイッチング素子S5 ,S6 の接続点との間に第2の
負荷回路を接続したものである。そして、スイッチング
素子S5 ,S6 はスイッチング素子S3 ,S4 の夫々と
同期してオン,オフさせている。ここで、本実施例の場
合には、図13に示すように、実施例1の場合のスイッ
チング素子S2 の代わりに、スイッチング素子S4 ,S
6 のスイッチング周期を長くしてある。従って、本実施
例も実施例1の場合とほぼ同じように動作する。
【0070】このような構成とすれば、1組のスイッチ
ング素子の直列回路を追加することにより、多灯の放電
灯点灯装置を構成することができる。しかも、この場合
にはいずれかの放電灯Laが不点状態になっても、他の
放電灯Laの点灯状態に影響を与えないという利点があ
る。なお、上述の場合には2灯の場合について説明した
が、3灯以上の場合にも適用できる。
【0071】(実施例7)実施例6と同様に複数の放電
灯Laを点灯するインバータ装置を用いた放電灯点灯装
置において、図14に示すように制御回路1でスイッチ
ング素子S3 〜S 6 を夫々個別に制御するようにしたも
のである。図15がその動作状態を示すもので、時刻t
0 〜t1 ではスイッチング素子S 1 ,S4 をオンとし、
時刻t1 〜t2 ではスイッチング素子S2 ,S5 をオン
とし、時刻t3 〜t4 でスイッチング素子S2 ,S3
オンとし、時刻t4 〜t5ではスイッチング素子S1
6 をオンとし、時刻t5 〜t6 でスイッチング素子S
2 ,S5 をオンとし、時刻t7 〜t8 ではスイッチング
素子S2 ,S3 をオンとするという一連の動作を繰り返
すものである。このようにすれば、複数の放電灯Laを
点灯制御することができる。
【0072】図16は他の動作方法を示すもので、スイ
ッチング素子S1 をオンとする期間の前半部でスイッチ
ング素子S4 をオンとし、後半部でスイッチング素子S
6 を動作させ、スイッチング素子S2 のオンとする期間
の前半部でスイッチング素子S3 をオンとし、後半部で
スイッチング素子S5 をオンするようにしたものであ
る。
【0073】ところで、上述の説明では、スイッチング
素子がFETである場合について説明したが、バイポー
ラトランジスタやサイリスタにダイオードを逆並列に接
続したものを用いてもよい。また、直流電源は、純粋な
直流電源や、交流電源を整流平滑して作成されるものな
ども含まれることは言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】本発明は上述のように、一方の直列回路
のスイッチング素子のオン,オフのタイミングに対し
て、他方の直列回路のスイッチング素子のオン,オフの
タイミングを同位相から180度ずれた位相までの範囲
で可変しているので、対角位置のスイッチング素子の同
時オン期間を変化させて、スイッチング周波数を変化さ
せずに、負荷に供給される電力を調整することができ、
スイッチング周波数が変化することに伴う種々の問題点
を回避することができる。また、一方の直列回路の夫々
のスイッチング素子をスイッチング周期を異ならせて交
互にオン,オフさせると共に、他方の直列回路の夫々の
スイッチング素子を上記一方の直列回路のいずれかのス
イッチング素子と同じスイッチング周期で交互にオン,
オフさせているので、LC共振回路への正負の供給電力
をアンバランスにして、LC共振回路に蓄積されるエネ
ルギを直流分として負荷に供給でき、例えば負荷が放電
灯である場合に立消えを起こすことを防止できる。
【0075】また、電源電圧変動を検出して、一方の直
列回路のスイッチング素子のオン,オフのタイミングに
対して、他方の直列回路のスイッチング素子のオン,オ
フのタイミングを調整して、負荷に供給される電力を一
定に制御すると、電源電圧変動による負荷への供給電力
の変動を防止することができる。さらに負荷電流を検出
して、一方の直列回路のスイッチング素子のオン,オフ
のタイミングに対して、他方の直列回路のスイッチング
素子のオン,オフのタイミングを調整して、負荷電流を
一定に制御すると、負荷に一定の電力を供給できる。
【0076】さらにまた、他方の2つのスイッチング素
子からなる直列回路を複数設け、一方の直列回路のスイ
ッチング素子の接続点と夫々の他の直列回路の接続点と
の間に、少なくともLC共振回路と負荷からなる複数の
負荷回路を夫々接続することにより、複数の負荷を同時
に駆動でき、しかも負荷に応じて他方の2つのスイッチ
ング素子からなる直列回路を追加するだけで済むため、
回路構成が簡単になる。
【0077】また、負荷が放電灯であり、少なくとも放
電灯の不点時にLC共振回路の共振周波数よりも、スイ
ッチング素子のスイッチング周波数を高く設定し、放電
灯の始動時に一方の直列回路のスイッチング素子のオ
ン,オフのタイミングに対して、他方の直列回路のスイ
ッチング素子のオン,オフのタイミングを180度ずれ
た位相から同位相まで変化させて、放電灯を良好に予熱
して始動点灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図である。
【図2】同上の負荷への供給電力最大時の動作説明図で
ある。
【図3】スイッチング周波数を変えることなく、負荷へ
の供給電力を可変する方法を示す動作説明図である。
【図4】負荷に直流成分を印加する方法を示す動作説明
図である。
【図5】負荷に直流成分を印加し、且つスイッチング周
波数を変えることなく、負荷への供給電力を変化させる
場合の動作説明図である。
【図6】同上の制御回路の具体回路図である。
【図7】同上の制御回路の動作説明図である。
【図8】他の実施例の回路図である。
【図9】電力変動防止回路を備えた制御回路の具体回路
図である。
【図10】交流及び直流駆動される複数の負荷を駆動す
る実施例の回路図である。
【図11】負荷電流を一定制御する機能を備える実施例
の回路図である。
【図12】複数の負荷を駆動する実施例の回路図であ
る。
【図13】同上の動作説明図である。
【図14】複数の負荷を駆動する他の実施例の回路図で
ある。
【図15】同上の動作説明図である。
【図16】同上を異なる状態で動作させた場合の動作説
明図である。
【図17】従来のハーフブリッジ構成のインバータ装置
の回路図である。
【図18】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
AC 交流電源 DB ダイオードブリッジ S1 〜S4 スイッチング素子 L1 インダクタ C2 コンデンサ Z 負荷 1 制御回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】そして、時刻t1 になると、図18(a)
に示すように制御回路1の制御出力V1 がローレベル、
同図(b)に示すように制御出力V2 がハイレベルにな
り、スイッチング素子S1 がオフとなると共に、スイッ
チング素子S2 がオンとなる。但し、上記スイッチング
素子S1 ,S2 では純然たるスイッチとは異なり、通常
と逆極性の電圧(直流電源Eの極性とは逆の極性の電
圧)が印加された場合に、スイッチング素子2 に本来
電流IS2が流れる方向(図17中の矢印で示す電流方
向)とは逆の方向に電流を流す働きを持つ寄生ダイオー
ドを有する。このため、スイッチング素子S2 をオンし
たとき、本来の電流方向にはオンとはならず、インダク
タL2 に蓄積されたエネルギでスイッチング素子S2
寄生ダイオードを介して電流が流れる。つまり、スイッ
チング素子S2 は逆方向に導通した状態になる。そし
て、インダクタL1 のそれまでと同じ方向に電流を流す
作用により、共振回路に蓄積されたエネルギによって、
インダクタL1 、直流カット用コンデンサC1 、コンデ
ンサC2 及び放電灯La、スイッチング素子S2 の寄生
ダイオードの経路で電流が流れる。即ち、インバータ回
路の動作周波数は共振回路の共振周波数よりも高い範囲
に設定してあるので、負荷回路は上述のような動作を行
う。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】そして、共振回路の電流がゼロとなった時
点から、スイッチング素子S2 が本来のオン状態となり
(図17中の矢印で示す方向に電流IS2が流れる状態と
なり)、直流カット用コンデンサC 1 と共振回路用コン
デンサC2 に蓄積された電荷を電源として、直流カッ
ト用コンデンサC1 、インダクタL1 、スイッチング素
子S2 、コンデンサC2 及び放電灯Laの経路で、それ
までと逆方向の電流が流れる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】その後、時刻t2 で、時刻t0 の場合と同
様に、制御回路1の制御出力V1 がハイレベル、同図
(b)に示すように制御出力V2 がローレベルになるた
め、スイッチング素子S1 がオンとなると共に、スイッ
チング素子S2 がオフとなる。しかし、この場合にもス
イッチング素子S1 は本来の電流IS1が流れる方向(図
17中の矢印で示す方向)にはオンとはならず、共振回
に蓄積されたエネルギでスイッチング素子S1 の寄生
ダイオードがオンとなる。つまり、スイッチング素子S
1 は逆方向に導通した状態になる。そして、共振回路
蓄積されたエネルギによって、スイッチング素子S1
寄生ダイオード、直流電源E、コンデンサC2 及び放電
灯La、直流カット用コンデンサC1 の経路で電流が流
れる
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】そして、共振回路の電流がゼロとなった時
点から、スイッチング素子S1 が本来のオン状態とな
り、直流電源E、スイッチング素子S1 、インダクタL
1 、直流カット用コンデンサC1 、コンデンサC2 及び
放電灯Laの経路で電流が流れる。以下、上記一連の動
作を繰り返すことにより、直流電源Eを高周波電力に変
換して、放電灯Laに高周波電力が供給される。このと
き、インダクタL1 に流れる電流IL1は、図18(e)
に示すようになる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】なお、上述の説明では、時刻t0 の場合
に、スイッチング素子S1 が本来の電流方向にオンとな
ると説明したが、それまでスイッチング素子S1 ,S2
が交互にオン,オフしている定常点灯時には、時刻t0
においてもスイッチング素子S 1 の寄生ダイオードのオ
ンにより電流が流れ、その後に本来のスイッチング素子
1 の電流IS1が流れる方向にオンとなることは言うま
でもない。また、上述の説明では、スイッチング素子S
1 ,S2 の寄生ダイオードをインダクタL1 のエネルギ
を放出するために用いたが、スイッチング素子S1 ,S
2 に夫々逆並列にダイオードを接続するようにしてもよ
い。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】ところが、上記直流電源Eを交流電源を整
流平滑して得る場合において、スイッチング素子S1
2 のスイッチング周波数を変化させると、交流電源側
に高周波が漏れる問題がある。そこで、交流電源を整流
するダイオードブリッジの入力端などに高周波成分が交
流電源側に漏れることを防止するフィルタが設けられ
る。しかし、上述のようにインバータ装置の動作周波数
が変化すると、高周波成分を除去する上記フィルタの設
計が複雑になるという問題があった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】そこで、この点を改善できる従来例とし
て、”Off-Line Application of Fixed-Frequency Clam
ped Mode Series Resonant Converter”,IEEE Tansacti
on onPower Electronics,Vol.6;No.1,January,1991 な
る文献がある。この従来例では、2つのスイッチング素
子の直列回路を直流電源と並列に2組接続すると共に、
夫々の直列回路のスイッチング素子の接続点間に少なく
ともLC共振回路と負荷からなる負荷回路を接続し、夫
々の直列回路のスイッチング素子を同時にオンしないよ
うに交互にオン,オフさせ、一方の直列回路のスイッチ
ング素子のオン,オフのタイミングに対して、他方の直
列回路のスイッチング素子のオン,オフの位相を変化す
ようにしてある。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】なお、上記従来例の動作説明は本発明の実
施例の項で詳述する。この従来例によれば、動作周波数
を変化させずに、負荷に供給する電力を変化させること
ができる。ところが、上述の従来例を特に放電灯点灯装
置として適用し、低温時に放電灯Laに供給される電力
を小さくしぼった状態で、放電灯Laが立消えを起こ
たり、移動縞によるちらつきを発生するという問題があ
った。このため、放電灯Laの調光範囲に制限を生じる
という問題があった。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【作用】本発明は、上述のように一方の直列回路のスイ
ッチング素子のオン,オフのタイミングに対して、他方
の直列回路のスイッチング素子のオン,オフのタイミン
グを同位相から180度ずれた位相までの範囲で可変し
ていることにより、対角位置のスイッチング素子の同時
オン期間を変化させて、スイッチング周波数を変化させ
ずに、負荷に供給される電力を調整することを可能と
し、スイッチング周波数が変化することに伴う種々の問
題点を回避する。また、一方の直列回路の夫々のスイッ
チング素子をスイッチング周期を異ならせて交互にオ
ン,オフさせると共に、他方の直列回路の夫々のスイッ
チング素子を上記一方の直列回路のいずれかのスイッチ
ング素子と同じスイッチング周期で交互にオン,オフさ
せることにより、LC共振回路への正負の供給電力をア
ンバランスにして、LC共振回路に蓄積されるエネルギ
を直流分として負荷に供給可能とし、例えば負荷が放電
灯である場合に立消えや移動縞によるちらつきを起こす
ことを防止する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】この種の通常のフルブリッジ構成のインバ
ータ装置では、一般に対角位置に設けられたスイッチン
グ素子S1 ,S4 及びスイッチング素子S2 ,S3 を組
として制御回路1で交互にオン,オフして、負荷回路に
交流電流を供給する。まず、本発明の動作を容易に理解
できるように、上述の一般動作をさらに詳述しておく。
いま、時刻t0 で制御回路1の制御出力V1 ,V4 がハ
イレベルとなり、制御出力V2 ,V3 がローレベルとな
る。このとき、スイッチング素子S1,S4 が図2
(a),(d)に示すようにオンとなり、スイッチング
素子S2 ,S3 が同図(b),(c)に示すようにオフ
となり、ダイオードブリッジDBから、スイッチング素
子S1 、インダクタL1 、コンデンサC2 及び負荷Z、
スイッチング素子S 4 、ダイオードブリッジDBの経路
で、負荷Zに電流が流される。つまり、図1の矢印で示
す方向の負荷電流IZ が供給される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】時刻t2 では、制御回路1の制御出力
1 ,V4 がローレベルとなり、制御出力V2 ,V3
ハイレベルとなる。すると、スイッチング素子S1 ,S
4 が図2(a),(d)に示すようにオフとなり、スイ
ッチング素子S2 ,S3 が同図(b),(c)に示すよ
うにオンとなる。ここで、上記インバータ装置のスイッ
チング周波数をインダクタL1 とコンデンサC2 からな
る共振回路の共振周波数よりも高い範囲とした場合に
は、従来技術の項で説明したように、共振回路に蓄積さ
れたエネルギによって、インダクタL1 、コンデンサC
2 及び負荷Z、スイッチング素子S3 の寄生ダイオー
ド、ダイオードブリッジDB、交流電源AC、スイッチ
ング素子S2 の寄生ダイオードの経路で電流が流れる
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】そして、上記共振回路に流れる電流がゼロ
になった時点から、スイッチング素子S2 ,S3 がオン
となり、ダイオードブリッジDBの出力が、スイッチン
グ素子S3 ,コンデンサC2 及び負荷Z、インダクタL
1 、スイッチング素子S 2 、ダイオードブリッジDB
経路で、負荷電流IZ がそれまでと逆方向(図1の矢印
と逆方向)で流される。時刻t4 では、時刻t0 の場合
と同様に、制御回路1の制御出力V1 ,V4 がハイレベ
ルとなると共に、制御出力V2 ,V3 がローレベルとな
り、スイッチング素子S1 ,S4 がオンとなると共に、
スイッチング素子S2 ,S3 がオフとなる。このときに
も、共振回路に蓄積されたエネルギによって、インダク
タL1 、スイッチング素子1 の寄生ダイオード、ダイ
オードブリッジDB、交流電源AC、スイッチング素子
4 の寄生ダイオード、コンデンサC2 及び負荷Zの経
路で電流が流れる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】そして、共振回路の電流がゼロになった時
点から、ダイオードブリッジDBから、スイッチング素
子S1 、インダクタL1 、コンデンサC2 及び負荷Z、
スイッチング素子S4 の経路で、負荷Zに電流が流され
る。なお、インバータ装置が定常動作している場合に
は、上記時刻t0 の時点でも、スイッチング素子1
4 の寄生ダイオードを介して電流が流れた後に、スイ
ッチング素子1 ,S4 を介して正方向への負荷電流I
Z が供給される。また、スイッチング素子S1 〜S4
夫々逆並列にダイオードを接続して、共振回路の電流を
流すものもある。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】ところで、従来技術の項で説明した後者の
従来例としてのインバータ装置の場合、負荷Zに供給す
る電力を変化させるとき、図3(a),(b)に示す直
列接続されたスイッチング素子S1 ,S2 のオン,オフ
のタイミングを、同図(c),(d)に示すスイッチン
グ素子S3 ,S4 のオン,オフのタイミングとずらすよ
うにしてある。なお、ダイオードブリッジDBの出力端
間に、直列接続されたスイッチング素子S1 ,S2 及び
スイッチング素子S3 ,S4 は交互にオン,オフするよ
うにしてある。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】さらに、この従来のインバータ装置の動作
を詳述する。なお、以下の説明は上述の場合と同様に、
インバータ装置のスイッチング周波数が共振回路の共振
周波数よりも高く設定してある場合を例として説明す
る。時刻t0 では、図3(b)に示すようにスイッチン
グ素子S 2 ,S4 がオンとなり、その他のスイッチング
素子S1 ,S 3 同図(a),(c)に示すように共に
オフである。従って、負荷回路には電圧が印加されな
い。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】時刻t1 では、同図(c)に示すようにス
イッチング素子S3 がオン、スイッチング素子S4 がオ
し、これによりダイオードブリッジDB、スイッチン
グ素子S3 、コンデンサC2 及び負荷Z、インダクタL
1 、スイッチング素子S 2 、ダイオードブリッジDB
経路で、負荷電流IZ が供給される。時刻t2 では、図
3(b)に示すようにスイッチング素子S2 がオフとな
ることにより、上記負荷への電圧の印加がなくなる。ま
た、スイッチング素子2 のオフと同時に、スイッチン
グ素子S1 を図3(a)に示すようにオンとするように
制御回路1から制御出力V1 が印加される。この場合に
は、共振回路に蓄積されたエネルギで、インダクタ
1 、スイッチング素子S1 の寄生ダイオード、スイッ
チング素子S3 、コンデンサC2 及び負荷Zの経路で、
それまでと同一方向に負荷電流IZ が流れる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】時刻t3 では、図3(c)に示すように、
スイッチング素子S3 がオフとなる。このときにはスイ
ッチング素子S4 を図3(d)に示すようにオンとする
ように制御回路1から制御出力V4 が印加される。この
ため、共振回路のエネルギが残っている場合には、イン
ダクタL1 、スイッチング素子S1 の寄生ダイオード、
ダイオードブリッジDB、交流電源AC、スイッチング
素子S4 の寄生ダイオード、コンデンサC2 及び負荷Z
の経路で、電流が流れる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】そして、共振回路の電流がゼロになった時
点から、スイッチング素子S1 ,S 4 が共にオンとな
り、ダイオードブリッジDBから、スイッチング素子S
1 、インダクタL1 、コンデンサC2 及び負荷Z、スイ
ッチング素子S4 ダイオードブリッジDBの経路で、
それまでとは逆方向の負荷電流IZ が流される。但し、
上記時刻t3 の時点に共振回路の電流がゼロとなった
合には、制御回路1の制御出力V4 がハイレベルとなる
と同時に、スイッチング素子S4 がオンとなる。この場
合には、この時刻t3 で既にスイッチング素子S1 がオ
ンであるので、時刻t3 において、ダイオードブリッジ
DB、スイッチング素子S1 、インダクタL1 、コンデ
ンサC2 及び負荷Z、スイッチング素子S 4 、ダイオー
ドブリッジDBの経路で、負荷電流IZ 流れる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】時刻t4 では、スイッチング素子S1 がオ
フとなり、上記経路での負荷電流 Z の供給が停止され
る。このとき、同時にスイッチング素子S2 に制御回路
1からオンとする制御信号V2 が印加され、共振回路
蓄積されたエネルギによって、インダクタL1 、コンデ
ンサC2 及び負荷Z、スイッチング素子S4 、スイッチ
ング素子S2 の寄生ダイオードの経路で電流が流れる
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】時刻t5 では、スイッチング素子S4 がオ
フとなると共に、図3(c)に示すようにスイッチング
素子S3 をオンとする制御回路1のハイレベルの制御出
力V 3 が与えられる。このとき、共振回路にエネルギが
残っている場合には、インダクタL1 、コンデンサC2
及び負荷Z、スイッチング素子S3 の寄生ダイオード、
ダイオードブリッジDB、交流電源AC、スイッチング
素子S2 の寄生ダイオードの経路で、電流が流れる。そ
して、共振回路の電流がゼロとなった後、ダイオードブ
リッジDB、スイッチング素子S3 、コンデンサC2
び負荷Z、インダクタL1 、スイッチング素子S2 の経
路で、負荷電流IZ が流される。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】この場合にも、時刻t5 で、インダクタL
1 のエネルギが放出されていると、時刻t5 の時点で、
ダイオードブリッジDBから、スイッチング素子S3
コンデンサC2 及び負荷Z、インダクタL1 、スイッチ
ング素子S 2 、ダイオードブリッジDBの経路で、負荷
電流IZ が流される。上記一連の動作を繰り返すことに
より、ダイオードブリッジDBの出力である直流電圧を
交流電圧に変換して、交流電圧が負荷回路に供給され
る。このインバータ装置では、対角位置のスイッチング
素子S1 ,S4 及びスイッチング素子S 2 ,S3 の同時
オン期間が、図2に示すように一致している場合よりも
短くなり、従って負荷Zに供給される電力が低減され
る。なお、インバータ装置のスイッチング周波数を共振
回路の共振周波数よりも高い範囲で最も低く設定してお
く。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】つまり、このインバータ装置では、スイッ
チング素子S1 ,S2 のオン,オフのタイミングに対し
て、スイッチング素子S3 ,S4 のオン,オフの位相を
変化させることにより、スイッチング素子S1 ,S4
びスイッチング素子S2 ,S 3 が同時オンする時間を
変化させ、スイッチング素子S1 〜S4 のスイッチング
周波数を変化させずに、負荷回路に供給される電力を変
化させることができるのである。このため、交流電源A
Cへの高周波出力の漏れを防止するフィルタ(図示せ
ず)の設計が容易となる。また、負荷Zが放電灯である
場合に、放電灯の発する光の周波数が変化し、赤外線リ
モコンなどの他の機器に悪影響を及ぼすということがな
い。さらに、放電灯がHIDランプである場合、出力の
周波数変化によって音響的共鳴現象を起こす恐れも少な
くできる。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】さらにこの動作を詳述する。なお、時刻t
0 〜t3 の動作は図2で説明した動作と同じであるの
で、説明は省略する。また、この説明もインバータ装置
のスイッチング周波数が共振回路の共振周波数よりも高
い場合について行う。時刻t3 では、スイッチング素子
3 はオンとなるが、スイッチング素子S2がオンとな
らない。このため、共振回路に蓄積されたエネルギによ
って、インダクタL1 、コンデンサC2 及び負荷Z、ス
イッチング素子S3 の寄生ダイオード、ダイオードブリ
ッジDB、交流電源AC、スイッチング素子S2 の寄生
ダイオードの経路で電流が流れる。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】時刻t4 では、スイッチング素子S1 ,S
4 のオンにより、ダイオードブリッジDB、スイッチン
グ素子S1 、インダクタL1 、コンデンサC2 及び負荷
Z、スイッチング素子S4 の経路で、負荷電流IZ が流
される。なお、このときには、共振回路に蓄積されたエ
ネルギが残っていれば、ダイオードブリッジDBの出力
に加算された形で、負荷電流IZ が流され、共振回路
蓄積されるエネルギはさらに大きくなる。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】時刻t5 では、スイッチング素子S2 ,S
3 をオンとする制御信号V2 ,V3が与えられた時点
で、共振回路に蓄積されたエネルギによって、インダク
タL1、負荷Z及びコンデンサC2 、スイッチング素子
3 の寄生ダイオード、ダイオードブリッジDB、交流
電源AC、スイッチング素子S2 の寄生ダイオードを介
して電流が流れ、その電流がゼロとなった後のスイッチ
ング素子S2 ,S3 のオンにより、ダイオードブリッジ
DBから、スイッチング素子S3 、負荷Z及びコンデン
サC2 、インダクタL1 、スイッチング素子S2 ダイ
オードブリッジDBの経路で、負荷電流IZ が供給され
る。なお、スイッチング素子S2 ,S3 はオン可能期間
内にオンとなるようにしてある。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】スイッチング素子S2 の駆動回路4は、ス
イッチング素子S2 と同時オンしてダイオードブリッジ
DB間を短絡することを防止するデッドオフ期間を発振
回路2の出力Vaから設定するデッドオフ回路41と、
このデッドオフ回路41の出力からスイッチング素子S
1 が2回オフとなる時点に同期してスイッチング素子S
2 をオンとする制御信号V2 を作成する周波数変換回路
42とで構成してある。なお、スイッチング素子S2
動作基準電位は制御回路1の基準電位と一致しているの
で、レベルシフト回路は必要ない。上記デッドオフ回路
41は、インバータゲートI1 、可変抵抗VR16〜VR
18、ダイオードD15,D16、コンデンサC13及びバッフ
ァアンプB3 で構成してある。このデッドオフ回路41
では、インバータゲートI1 で発振回路2の出力Vaを
反転し(その反転出力Vbを図7(b)に示す)、可変
抵抗VR16,VR17とコンデンサC13の時定数で決まる
時間(図7のt4 −t5 で示す期間)だけ、発振回路2
の出力Vaの立上りを遅らせた図7(d)の信号を作成
する。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】このとき、アンドゲートAND3 の出力V
lが図7(n)に示すようにハイレベルになることによ
り、カレントミラー回路CM2 が動作し、コンデンサC
15の放電が開始される。ここで、カレントミラー回路C
2 と上記カレントミラー回路CM1 はミラー比が1:
1に設定してあるので、図7(j)に示すように、遅延
時間設定部51で設定した遅延時間と同じ時間後に、コ
ンデンサC15が完全に放電される。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】デッドオフ回路61は、インバータゲート
5 、可変抵抗VR24〜VR26、ダイオードD20
21、コンデンサC17及びバッファアンプB5 で構成し
てあり、オアゲートOR1 の出力の反転出力Vmの立上
りを図7のt6 −t7 で示す期間遅延させて、デッドオ
フ期間を設定する。また、レベルシフト回路62は、ト
ランジスタQ15〜Q18からなるカレントミラー回路CM
4 と、バッファアンプB6と、直流電源Eの電圧を定電
圧化するツェナダイオードZD2 及びコンデンサC 19
らなる定電圧回路63とで構成してある。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】デッドオフ回路71は、可変抵抗VR21
VR23、ダイオードD18,D19、コンデンサC16及びバ
ッファアンプB4 で構成してあり、オアゲートOR1
出力Vkを反転した出力の立上りを図7のt2 −t3
示す期間遅延させて、デッドオフ期間を設定する。この
ようにすれば、スイッチング素子S1 ,S2 及びスイッ
チング素子S3 ,S4 のオン,オフタイミングの位相差
θとしては、図7における時刻t1 −t3として与えら
れる。そして、スイッチング素子S1 ,S2 のオン期間
の比率を可変する場合には、例えば図6における可変抵
抗VR15の抵抗値を大きくして、制御信号V1 の立下り
時点を遅らせると共に、可変抵抗VR17の抵抗値を大き
くして、制御信号V2 の立上り時点を遅らせるようにす
ればよい。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】つまり、上述のように構成してあるのは、
放電灯Laの電流を確実に検出できるように、ランプ電
流の流路と、共振電流の流路とを分離したものである。
そして、検出抵抗R0 の検出出力に応じて、ランプ電流
が減少すれば、スイッチング素子S1 ,S4 及びスイッ
チング素子S2 ,S3 の同時オン期間を長くして、ラン
プ電流を増加させ、逆にランプ電流が増加すれば、スイ
ッチング素子S1 ,S 4 及びスイッチング素子S2 ,S
3 の同時オン期間を短くして、ランプ電流を減少させる
ようにフィードバック制御をかけるようにすればよい。
なお、電源を確実に分離するため、ダイオードDA 〜D
D を設け、各々の電流が順方向電圧により分離できるよ
うにしている。また、その代わりに抵抗を接続してもよ
い。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】(実施例6)図12は複数の放電灯Laを
点灯するインバータ装置を用いた放電灯点灯装置を示
す。つまり、スイッチング素子S1 ,S2 は夫々の放電
灯Laの放電灯点灯装置として兼用し、スイッチング素
子S3 ,S4 側に新たにスイッチング素子S 5 ,S6
並列に接続し、スイッチング素子S1 ,S2 の接続点と
スイッチング素子S3 ,S4 の接続点との間に第1の負
荷回路を接続し、スイッチング素子S 1 ,S2 の接続点
とスイッチング素子S5 ,S6 の接続点との間に第2の
負荷回路を接続したものである。そして、スイッチング
素子S5 ,S6 はスイッチング素子S3 ,S4 の夫々と
同期してオン,オフさせている。ここで、本実施例の場
合には、図13に示すように、実施例1の場合のスイッ
チング素子S2 の代わりに、スイッチング素子S4 ,S
6 のスイッチング周期を長くしてある。従って、本実施
例も実施例1の場合とほぼ同じように動作する。なお、
ダイオードDA 〜DD は実施例5と同様の働きをするも
のである。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】
【発明の効果】本発明は上述のように、一方の直列回路
のスイッチング素子のオン,オフのタイミングに対し
て、他方の直列回路のスイッチング素子のオン,オフの
タイミングを同位相から180度ずれた位相までの範囲
で可変しているので、対角位置のスイッチング素子の同
時オン期間を変化させて、スイッチング周波数を変化さ
せずに、負荷に供給される電力を調整することができ、
スイッチング周波数が変化することに伴う種々の問題点
を回避することができる。また、一方の直列回路の夫々
のスイッチング素子をスイッチング周期を異ならせて交
互にオン,オフさせると共に、他方の直列回路の夫々の
スイッチング素子を上記一方の直列回路のいずれかのス
イッチング素子と同じスイッチング周期で交互にオン,
オフさせているので、LC共振回路への正負の供給電力
をアンバランスにして、LC共振回路に蓄積されるエネ
ルギを直流分として負荷に供給でき、例えば負荷が放電
灯である場合に立消えや移動縞によるちらつきを起こす
ことを防止できる。
【手続補正32】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正33】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正34】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つのスイッチング素子の直列回路を直
    流電源と並列に2組接続すると共に、夫々の直列回路の
    スイッチング素子の接続点間に少なくともLC共振回路
    と負荷からなる負荷回路を接続し、一方の直列回路の夫
    々のスイッチング素子をスイッチング周期を異ならせて
    交互にオン,オフさせると共に、他方の直列回路の夫々
    のスイッチング素子を上記一方の直列回路のいずれかの
    スイッチング素子と同じスイッチング周期で交互にオ
    ン,オフさせ、一方の直列回路のスイッチング素子のオ
    ン,オフのタイミングに対して、他方の直列回路のスイ
    ッチング素子のオン,オフのタイミングを同位相から1
    80度ずれた位相までの範囲で可変して成ることを特徴
    とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 電源電圧変動を検出して、一方の直列回
    路のスイッチング素子のオン,オフのタイミングに対し
    て、他方の直列回路のスイッチング素子のオン,オフの
    タイミングを調整して、負荷に供給される電力を一定に
    制御して成ることを特徴とする請求項1記載のインバー
    タ装置。
  3. 【請求項3】 負荷電流を検出して、一方の直列回路の
    スイッチング素子のオン,オフのタイミングに対して、
    他方の直列回路のスイッチング素子のオン,オフのタイ
    ミングを調整して、負荷電流を一定に制御して成ること
    を特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  4. 【請求項4】 他方の2つのスイッチング素子からなる
    直列回路を複数設け、一方の直列回路のスイッチング素
    子の接続点と夫々の他の直列回路の接続点との間に、少
    なくともLC共振回路と負荷からなる複数の負荷回路を
    夫々接続して成ることを特徴とする請求項1記載のイン
    バータ装置。
  5. 【請求項5】 他方の直列回路の夫々のスイッチング素
    子がすべて同時オンしないことを特徴とする請求項4記
    載のインバータ装置。
  6. 【請求項6】 上記負荷が放電灯であり、少なくとも放
    電灯の不点時にLC共振回路の共振周波数よりも、スイ
    ッチング素子のスイッチング周波数を高く設定し、放電
    灯の始動時にスイッチング素子のスイッチング周波数を
    LC共振回路の共振周波数に近づけて成ることを特徴と
    する請求項1記載のインバータ装置。
  7. 【請求項7】 上記負荷が放電灯であり、少なくとも放
    電灯の不点時にLC共振回路の共振周波数よりも、スイ
    ッチング素子のスイッチング周波数を高く設定し、放電
    灯の始動時に一方の直列回路のスイッチング素子のオ
    ン,オフのタイミングに対して、他方の直列回路のスイ
    ッチング素子のオン,オフのタイミングを180度ずれ
    た位相から同位相まで変化させて成ることを特徴とする
    請求項1記載のインバータ装置。
  8. 【請求項8】 複数の負荷を設け、夫々の負荷に交流分
    と直流分とを別個に供給して成ることを特徴とする請求
    項1記載のインバータ装置。
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