JPH0615257Y2 - 冷温シャワー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、出湯温度が周期的に変化する冷温シャワー装
置に関し、特には、耐久性及び快適性を高めるようにし
た冷温シャワー装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、冷温シャワー装置としては、低温出湯時にバーナ
の燃焼を停止するものや、熱交換器を介して加熱された
高温出湯と熱交換器をバイパスする冷水とを混合するミ
キシング弁をサーボモータを介してその混合比を周期的
に変化させるようにしたものがある。

（考案が解決しようとする課題） 低温出湯時にバーナをオフにする従来の冷温シャワー装
置では、低温出湯時と高温出湯時とで熱交換器が受ける
熱量の変化が大きく、熱疲労によって耐久性が低下する
恐れがある。また、バーナの点火装置の使用頻度が高く
なるのでその耐久性が低下することになる。更に、再点
火ごとに騒音が繰り返し発生するという問題もある。加
えて、入水温度が低すぎる場合には、低温出湯時に使用
に耐えない程の低温で出湯されることがあり、快適性を
高める上で不利である。

ミキシング弁の湯水混合比をサーボモータで駆動するこ
とにより周期的に変化させる従来の冷温シャワー装置で
は、バーナが連続運転されるのでバーナや点火装置の疲
労を減少でき、耐久性を高めることができるうえ、再点
火に伴う騒音の発生をなくせる。しかしながら、ミキシ
ング弁は出湯量の全量について湯水混合比を制御するも
のであるから、制御負荷が大きく、耐久性を高める上で
はやはり不利であり、入水温度が特に低温のときには制
御の遅れに基づくアンダーシュートによって使用に耐え
ない程の低温で出湯されたり、オーバーシュートにより
使用に耐えない程の高温で出湯されたりすることがあ
り、快適性を高める上での不利が解消できない。

本考案は、上記の事情を考慮してなされたものであっ
て、耐久性及び快適性を高めるようにした冷温シャワー
装置を提供することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案に係わる冷温シャワー装置は、上記の目的を達成
するために、熱交換器を介在させた高温出湯路と、熱交
換器を加熱するバーナと、熱交換器からの高温出湯の湯
温が一定になるように上記バーナの熱量を制御する加熱
制御手段と、熱交換器をバイパスするバイパス水路と、
高温出湯路の湯量とバイパス路の水量とを混合させるミ
キシング弁と、このミキシング弁の湯水混合比を調節す
ることにより出湯温度を調節する湯温調節操作具とを備
え、熱交換器とミキシング弁との間の高温出湯路に並列
に接続された定流量ガバナ及び水量サーボ弁を設け、こ
の水量サーボ弁を周期的に開閉させる冷温出湯制御手段
を設けたことを特徴としている。

（作用） 上記の構成において、冷温出湯制御手段によって水量サ
ーボ弁を周期的に開閉させると、水量サーボ弁が開いて
いるときには高温出湯路に並列に接続された定流量ガバ
ナと水量サーボ弁とを通って多量の高温出湯がミキシン
グ弁に導入され、水量サーボ弁が閉じているときには高
温出湯は定流量ガバナのみを通ってミキシング弁に導入
される。これに対して、ミキシング弁に導入されるバイ
パス水量は一定量であるので出湯温度は水量サーボ弁を
開いた時に高くなり、閉じた時に低くなるというように
周期的に変化することになる。この定流量ガバナとし
て、最低作動流量よりも大きい流量のものを使用するこ
とによって水量サーボ弁が閉じているときにもバーナの
燃焼を連続させることができ、消火、再点火の繰り返し
による熱交換器の熱疲労や、点火装置の疲労を減少さ
せ、耐久性を高めることができる。また、再点火に伴う
騒音をなくせるとともに、ミキシング弁の制御によって
湯水混合比を変化させるのではなく高温出湯量を一定の
範囲内で制御することによって湯水混合比が制御される
ので、混合出湯温度がオーバーシュートによって異常に
高温になったり、アンダーシュートによって異常に低温
になったりすることがなく、快適性が高められることに
なる。

（実施例） 以下、本考案を図例に基づき具体的に説明する。

図中（１）は熱交換器（２）を介在させた高温出湯路、
（７）は熱交換器（２）を加熱するバーナ、（９）は熱
交換器（２）からの高温出湯の湯温が一定になるように
上記バーナ（７）の熱量を制御する加熱制御手段として
のガス比例弁、（３）は熱交換器（２）をバイパスする
バイパス水路、（５）は高温出湯路（１）の湯量とバイ
パス路（３）の水量とを混合させるミキシング弁、
（６）はこのミキシング弁（５）の湯水混合比を調節す
ることにより出湯温度を調節する湯温調節操作具であ
る。又、熱交換器（２）とミキシング弁（５）との間の
高温出湯路（１）に並列に接続された定流量ガバナ（１
３）及び水量サーボ弁（１４）を設け、この水量サーボ
弁（１４）を周期的に開閉させる冷温出湯制御手段（１
６）を設けてある。上記ミキシング弁（５）は湯量を増
減することによって湯水混合比を調節するものである。
（４）は水量メータ、（８）は電磁遮断弁、（１１）は
高温出湯サーミスタ、（１２）は加熱制御回路、（１
５）はサーボモータ、（１７）はシャワー栓、（１８）
はシャワーヘッドである。上記定流量ガバナ（１３）の
流量は最低作動流量よりも例えば１／min大きく設定
されている。

上記の構成において、通常のシャワーとして使用する場
合には、水量サーボ弁（９）の開閉状態は例えば全開状
態に固定され、シャワー栓（１７）を開いて水量メータ
（４）により検出される水量が最低作動水量以上になる
と図示しない点火装置が始動され、バーナ（７）に点火
される。そして、加熱制御回路（１２）によって予め設
定された高温設定温度（例えば８０℃）と高温出湯サー
ミスタ（１１）が検出する高温出湯温度との偏差を解消
させるようにガス比例弁（９）の開度を加熱制御回路
（１２）により例えば公知のＰＩＤ制御によって制御す
ることによって高温出湯温度が高温設定温度に維持され
る。そして、シャワーヘッド（１８）から放出される湯
の温度、即ち、混合出湯温度は使用者が湯温調節操作具
（１４）を操作することによりミキシング弁（５）の湯
水混合比を調節することにより調節される。

冷温シャワーとして使用する場合には、通常のシャワー
と同様にして例えば高温側の出湯温度を設定してから図
示しない冷温シャワー切替えスイッチがオン操作され
る。冷温シャワー切替えスイッチがオン操作されると冷
温出湯制御回路（１６）が始動し、冷温出湯制御回路
（１６）がサーボモータ（１５）を介して水量サーボ弁
（１４）の開度を周期的に変化させることになる。

水量サーボ弁（１４）の開度制御は、単に全開と全閉と
を周期的に繰り返すようにしてもよいが、最小開弁度や
最大開弁度を可変にして温度変化の振幅を可変にした
り、例えば第２図に点線で示すように開閉度の振幅を水
量サーボ弁（１４）の開閉周期ｔよりも長い所定の長周
期Ｔで周期的に変化させるように構成したりすることも
可能である。

そして、水量サーボ弁（１４）が全閉されたときには定
流量ガバナ（１３）のみを通って高温出湯がミキシング
弁（５）に導入され、水量サーボ弁（１４）が開弁され
ているときには定流量ガバナ（１３）と水量サーボ弁
（１４）とを通って高温出湯がミキシング弁（５）に導
入される。高温出湯の温度は、加熱制御回路（１２）に
よって予め設定された高温設定温度（例えば８０℃）と
高温出湯サーミスタ（１１）が検出する高温出湯温度と
の偏差を解消させるようにガス比例弁（９）の開度を例
えば公知のＰＩＤ制御によって制御される。これに対し
てミキシング弁（５）に導入されるバイパス水量は一定
量であるので、混合出湯温度は例えば第２図に示すよう
に周期的に所定の高温と所定の低温との間で変動するこ
とになる。

上記定流量ガバナ（１３）の流量は最低作動水量を例え
ば１／min上回るようにしてあるので、高温出湯が定
流量ガバナ（１３）のみを通ってミキシング弁（５）に
導入される場合であってもバーナ（７）の燃焼は連続さ
れ、バーナの消火と再点火が繰り返される従来の冷温シ
ャワーに比べると熱交換器（２）の熱疲労や点火装置の
疲労を減少させることができ、耐久性を高めることがで
きるとともに、再点火に伴う騒音の発生を防止できる。
また、ミキシング弁（５）をサーボモータで駆動して湯
水混合比を変化させるのではなく、高温出湯の出湯量を
水量サーボ弁（１４）で制御して湯水混合比を制御する
ので、混合出湯温度がオーバーシュートによって異常に
高温になったり、アンダーシュートによって異常に低温
になったりすることがなく、快適性を高めることができ
る。

尚、第１図中に仮想性で示すように高温出湯路（１）と
バイパス路（２）とを連通路（１９）で連通させて、水
量サーボ弁（１４）で絞られた水量に対応する水量を連
通路（１９）を介して高温出湯路（１）側に補充するよ
うに構成してもよい。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、バーナが連続運転される
ので、バーナの消火と再点火が繰り返される従来に冷温
シャワーに比べると熱交換器の熱疲労や点火装置の疲労
を減少させることができ、耐久性を高めることができ
る。また、再点火に伴う騒音の発生を防止できるととも
に、シャワーヘッドから放出される湯温が異常な高温に
なったり異常な低温になったりすることを防止して快適
性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係わる冷温シャワー装置の
構成図であり、第２図はその出湯特性図である。 （１）……高温出湯路 （２）……熱交換器 （３）……バイパス水路 （５）……ミキシング弁 （６）……湯温調節操作具 （７）……バーナ （９）……ガス比例弁 （１３）……定流量ガバナ （１４）……水量サーボ弁 （１６）……冷温出湯制御手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器を介在させた高温出湯路と、熱交
   換器を加熱するバーナと、熱交換器からの高温出湯の湯
   温が一定になるように上記バーナの熱量を制御する加熱
   制御手段と、熱交換器をバイパスするバイパス水路と、
   高温出湯路の湯量とバイパス路の水量とを混合させるミ
   キシング弁と、このミキシング弁の湯水混合比を調節す
   ることにより出湯温度を調節する湯温調節操作具とを備
   え、熱交換器とミキシング弁との間の高温出湯路に並列
   に接続された定流量ガバナ及び水量サーボ弁を設け、こ
   の水量サーボ弁を周期的に開閉させる冷温出湯制御手段
   を設けたことを特徴とする冷温シャワー装置。