JP3869637B2 - 給湯機の燃焼制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は給湯機の燃焼制御装置に関し、特に複数の燃焼制御方式を要求熱量に応じて切換えるようにした給湯機の燃焼制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種のものに於いては、例えば特開平9−178119号や特開2000−18573号のようにバーナ部への送風経路中に設けたダンパを開状態で比例燃焼制御するHi比例燃焼制御とダンパを閉状態で比例燃焼制御するLo比例燃焼制御の二つの燃焼制御方式を有し、Hi比例燃焼制御で燃焼している際に、入水温度と流量と給湯設定温度により演算されるフィードフォワード要求熱量(以下、FF要求熱量)と給湯設定温度と出湯温度との差に基づくフィードバック要求熱量(以下、FB要求熱量)との和である総要求熱量が予め定められた基準切換熱量以下になったらダンパを閉じてLo比例燃焼制御に切換えるようにしたものがあった。
また、例えば特開昭62−162847号や特開平7−145932号のようにON/OFF燃焼制御と比例燃焼制御の二つの燃焼制御方式を有し、比例燃焼制御で燃焼している際に、FF要求熱量が基準切換熱量以下になったらON/OFF燃焼制御に切換えるようにしているものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、先の従来のものでは流量の急変や給湯設定温度の変更によりFB要求熱量が過敏に反応し大きく増減して振れてしまうことがあり、総要求熱量が一時的に基準切換熱量の上下に振れてしまい、ダンパ開状態の燃焼制御方式に切換わった途端に元のダンパ閉状態の燃焼制御方式に戻る燃焼制御方式の切換えのチャタリングが発生してしまい、切換動作を行うことによる出湯温度のオーバー/アンダーシュートが発生してしまう問題があり、また、後の従来のものでは入水温度センサや流量センサのバラツキによって実際の必要熱量とFF要求熱量の間にズレが生じ、実際は燃焼制御方式を切換える必要があるのにFF要求熱量が基準切換熱量に達しないためいつまでも切換わらずに出湯温度が給湯設定温度からズレた状態を継続してしまうという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明はこの点に着目し上記課題を解決するため、請求項1では特にその構成を、熱交換器と、この熱交換器下流に設けられた出湯温度センサと、前記熱交換器を加熱するバーナ部とを備え、フィードフォワード要求熱量とフィードバック要求熱量とに基づく総要求熱量により燃焼量可変制御を行うと共に、燃焼量の小さい領域では前記バーナ部を第1燃焼制御方式で燃焼させ、また燃焼量の大きい領域では前記バーナ部を前記第1燃焼制御方式とは異なる第2燃焼制御方式で燃焼させるようにした給湯機の燃焼制御装置であって、前記第1燃焼制御方式での制御状態において、フィードフォワード要求熱量が第1基準切換熱量以上になった場合は前記第2燃焼制御方式に切換え、またフィードフォワード要求熱量が前記第1基準切換熱量以下で且つ総要求熱量が前記第1基準切換熱量以上になった場合は、燃焼量が前記第1燃焼制御方式の最大燃焼量になった後に出湯温度から設定温度を引いた差を演算し、この差が負の所定値以下であると前記第2燃焼制御方式に切換えるようにした。
【0005】
また、請求項2では特にその構成を、熱交換器と、この熱交換器下流に設けられた出湯温度センサと、前記熱交換器を加熱するバーナ部とを備え、フィードフォワード要求熱量とフィードバック要求熱量とに基づく総要求熱量により燃焼量可変制御を行うと共に、燃焼量の小さい領域では前記バーナ部を第1燃焼制御方式で燃焼させ、また燃焼量の大きい領域では前記バーナ部を前記第1燃焼制御方式とは異なる第2燃焼制御方式で燃焼させるようにした給湯機の燃焼制御装置であって、前記第2燃焼制御方式での制御状態において、フィードフォワード要求熱量が第2基準切換熱量以下になった場合は前記第1燃焼制御方式に切換え、またフィードフォワード要求熱量が前記第2基準切換熱量以上で且つ総要求熱量が前記第2基準切換熱量以下になった場合は、燃焼量が前記第2燃焼制御方式の最小燃焼量になった後に出湯温度から設定温度を引いた差を演算し、この差が正の所定値以上であると前記第1燃焼制御方式に切換えるようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
請求項1に係る発明によると、熱交換器1と、この熱交換器1下流に設けられた出湯温度センサ4と、前記熱交換器1を加熱するバーナ部12とを備え、入水温度と流量と給湯設定温度により演算されるFF要求熱量と給湯設定温度と出湯温度との差に基づくFB要求熱量とに基づく総要求熱量により燃焼量可変制御を行うと共に、燃焼量の小さい領域では前記バーナ部12を第1燃焼制御方式で燃焼させ、また燃焼量の大きい領域では前記バーナ部12を前記第1燃焼制御方式とは異なる第2燃焼制御方式で燃焼させるようにした給湯機の燃焼制御装置29であって、前記第1燃焼制御方式での制御状態において、FF要求熱量が第1基準切換熱量以上になった場合は前記第2燃焼制御方式に切換え、またFF要求熱量が前記第1基準切換熱量以下で且つ総要求熱量が前記第1基準切換熱量以上になった場合は、燃焼量が前記第1燃焼制御方式の最大燃焼量になった後に出湯温度から設定温度を引いた差を演算し、この差が負の所定値以下であると前記第2燃焼制御方式に切換えるようにしたので、FB要求熱量が急激に増減して振れることによる燃焼制御方式の切換えのチャタリング現象を防止することができると共に、電磁ポンプ14の送油量や入水温度センサ4と流量センサ5の検出値のバラツキによって実際の必要熱量とFF要求熱量または実際の燃焼量がズレていた場合にも燃焼制御方式を切換えることができて出湯温度が給湯設定温度からズレた状態が長時間継続することを防止でき、出湯温度の変動の少ない安定した出湯を行うことができる。
【0007】
請求項2に係る発明によると、熱交換器1と、この熱交換器1下流に設けられた出湯温度センサ4と、前記熱交換器1を加熱するバーナ部12とを備え、入水温度と流量と給湯設定温度により演算されるFF要求熱量と給湯設定温度と出湯温度との差に基づくFB要求熱量とに基づく総要求熱量により燃焼量可変制御を行うと共に、燃焼量の小さい領域では前記バーナ部12を第1燃焼制御方式で燃焼させ、また燃焼量の大きい領域では前記バーナ部12を前記第1燃焼制御方式とは異なる第2燃焼制御方式で燃焼させるようにした給湯機の燃焼制御装置29であって、前記第2燃焼制御方式での制御状態において、FF要求熱量が第2基準切換熱量以下になった場合は前記第1燃焼制御方式に切換え、またFF要求熱量が前記第2基準切換熱量以上で且つ総要求熱量が前記第1基準切換熱量以下になった場合は、燃焼量が前記第2燃焼制御方式の最小燃焼量になった後に出湯温度から設定温度を引いた差を演算し、この差が正の所定値以上であると前記第1燃焼制御方式に切換えるようにしたので、FB要求熱量が急激に増減して振れることによる燃焼制御方式の切換えのチャタリング現象を防止することができると共に、電磁ポンプ14の送油量や入水温度センサ4と流量センサ5の検出値のバラツキによって実際の必要熱量とFF要求熱量または実際の燃焼量がズレていた場合にも燃焼制御方式を切換えることができて出湯温度が給湯設定温度からズレた状態が長時間継続することを防止でき、出湯温度の変動の少ない安定した出湯を行うことができる。
【0008】
ここで、第1燃焼制御方式と第2燃焼制御方式は、例えば送風経路22に設けたダンパ24の閉状態でのLo比例燃焼制御を第1燃焼制御方式とし、ダンパ24の開状態でのHi比例燃焼制御を第2燃焼制御方式とすることができ、また例えばON/OFF燃焼制御を第1燃焼制御方式とし、比例燃焼制御を第2燃焼制御方式とすることができ、さらにまた、第1バーナ31のみの燃焼制御を第1燃焼制御方式とし、第1バーナ31と第2バーナ32の同時使用での燃焼制御を第2燃焼制御方式とすることができるもので、第1燃焼制御方式は燃焼量の小さい領域に対応し、第2燃焼制御方式は燃焼量の大きい領域に対応すると共に、第1燃焼制御方式と第2燃焼制御方式とは燃焼制御の仕方が異なればよいものである。
【0009】
尚、第1切換熱量と第2切換熱量の大小関係は、第1切換熱量が第2切換熱量より大きいことが望ましいが、同一の熱量になることを妨げるものではない。
【0010】
【実施例】
次に本発明を図1〜図7に示した一実施例に基づいて説明する。
1はフィンチューブ式の熱交換器で、入水管2及び出湯管3が接続されている。4は市水道等から入水管2に流入する水の温度を検出する入水温度センサで、5は熱交換器1に流れる水の温度を検出する流量センサである。6は熱交換器1の途中を流れる水の温度を検出する熱交温度センサで、7は熱交換器1からの湯が異常高温になるとこの給湯機を異常停止させるための異常停止サーモである。8は流量センサ5の上流側で入水管2から分岐して熱交換器1をバイパスし水を出湯管3に合流させるバイパス管で、ステッピングモータよりなるミキシングモータ9で駆動されるミキシング弁10を介して出湯管3に接続されている。11はミキシング弁10下流側の出湯管3に設けられ、熱交換器1で加熱された湯とバイパス管8からの水とが混合された湯の温度を検出する出湯温度センサである。
【0011】
12は熱交換器1を加熱するバーナ部で、その構造を説明すると、13は電磁ポンプ14から圧送される液体燃料を気化ヒータ15で加熱される気化器16へ向けて噴射する噴射ノズルで、17は気化器16の下方に連通し気化器16で気化した気化ガスと燃焼用送風機18からの燃焼用一次空気を混合する混合室で、19は混合室17の下流側上面で且つ気化器16の背面側に設けられたバーナヘッドで、20は気化器16背面に一体に形成され燃焼熱を吸収して気化器16の加熱を行う吸熱フィンであり、これら気化器16、混合室17は箱状の二次空気室21内に設けられている。
【0012】
22は燃焼用送風機18と気化器16及び二次空気室21を連通する送風経路で、この送風経路22途中にはステッピングモータよりなるダンパモータ23で開閉され弱送風時に閉して送風圧を確保するダンパ24が設けられている。25は送風経路22に連通し気化器16内に噴射ノズル13から噴射された液体燃料と燃焼用送風機18からの燃焼用一次空気を取り込む一次空気口で、この一次空気口25の周囲には二次空気室21に連通して燃焼用二次空気を取り込む二次空気口26が設けられている。27はバーナヘッド19から噴出される混合ガスに点火する点火器で、28はバーナヘッド19の炎の状態を検出するフレームロッドである。
【0013】
燃焼が開始されると、噴射ノズル13から噴射された液体燃料は高温の気化器16に衝突して気化し、一次空気口25から流入する燃焼用一次空気と混合しながら混合室17を通過してバーナヘッド19へ供給され、点火器27により点火されて燃焼する。ここで、一次空気口25の周囲の二次空気口26から二次空気室21に流入した燃焼用二次空気は混合室17の脇からバーナヘッド19の側面に供給されバーナヘッド19の火炎が完全燃焼するものである。
【0014】
29はこの給湯機の制御を行う燃焼制御装置で、給湯栓(図示せず)が開かれ流量センサ5の検出する流量が最低作動流量(ここでは2L/h)以上になると燃焼用送風機18、電磁ポンプ14、点火器27を駆動して燃焼を開始し、リモコン(図示せず)等で設定された給湯設定温度の湯を出すように、給湯設定温度と、入水温度センサ4で検出する入水温度と、流量センサ5で検出する熱交流量とミキシング弁10の開度より演算される総流量とによるフィードフォワード要求熱量(以下、FF要求熱量)と、給湯設定温度と出湯温度センサ11で検出する出湯温度との差をPID演算したフィードバック要求熱量(以下、FB要求熱量)との和である総要求熱量により燃焼量を可変制御する。
【0015】
ここで、この給湯機の燃焼制御装置29は総要求熱量に応じて三つの燃焼制御方式うちの一つの燃焼制御方式で燃焼を行うと共に、この燃焼制御方式の切換えはFF要求熱量と基準切換熱量とを比較して行うようにしており、図3に示すように燃焼制御方式の一つ目は総要求熱量(燃焼量)が大きい熱量A〜基準切換熱量Cの領域ではダンパ24を開状態にして総要求熱量に応じて電磁ポンプ14及び燃焼用送風機18を駆動制御して燃焼量を可変制御するHi比例燃焼制御領域で、燃焼制御方式の二つ目は総要求熱量(燃焼量)がHi比例燃焼領域よりも小さい基準切換熱量B〜基準切換熱量Eの領域ではダンパ24を閉状態にして総要求熱量に応じて電磁ポンプ14及び燃焼用送風機18を駆動制御して燃焼量を可変制御するLo比例燃焼制御領域で、燃焼制御方式の三つ目はLo比例燃焼制御領域よりも小さい基準切換熱量D〜熱量Fの領域ではバーナ部12の燃焼のONとOFFのサイクルを繰り返してバーナ部12を最低燃焼量で連続燃焼したときよりも小さい要求熱量に対応するようにON時間とOFF時間の比を可変制御するON/OFF燃焼制御領域である。尚、各燃焼制御方式の領域が重複した領域を設けて燃焼制御方式の切換えのチャタリングを防止している。
【0016】
今、Hi比例燃焼制御を行っている際に総要求熱量が減少してLo比例燃焼制御に切換える場合について図4のフローチャートに基づいて説明すると、FF要求熱量が基準切換熱量C以下になった場合(ステップ1、以下S1)は、ダンパモータ23を駆動してダンパ24を全閉状態にして基準切換熱量B〜基準切換熱量Eの領域内で燃焼量を可変制御するLo比例燃焼制御に燃焼制御方式を切換える(S2)。
【0017】
また、FF要求熱量が基準切換熱量C以上であるがFB要求熱量を加えた総要求熱量が基準切換熱量C以下になった場合(S3)は、この総要求熱量に応じて燃焼量がHi比例燃焼制御領域の最小燃焼量になるのを待ち(S4)、燃焼量がHi比例燃焼制御領域の最小燃焼量になると、流量センサ5により流量をカウントし始めて(S5)熱交換器1への積算流量が熱交換器1の容量以上(ここでは1L)になると(S6)、出湯温度センサ11で検出する出湯温度からリモコン等で設定した給湯設定温度を引いた差を演算し、この差が正の所定値(ここでは2(℃))以上であると(S7)、ダンパモータ23を駆動してダンパ24を全閉状態にして基準切換熱量B〜基準切換熱量Eの領域内で燃焼量を可変制御するLo比例燃焼制御に燃焼制御方式を切換える(S2)。
【0018】
このようにFF要求熱量のみに基づいた燃焼制御方式の切換えのみならず、FF要求熱量にFB要求熱量を加えた総要求熱量が基準切換熱量Cを下回ったときに、Hi比例燃焼制御領域の最小燃焼量に達するのを待って最小燃焼量での熱交換が出湯温度に反映されるのを待ち、そして出湯温度が給湯設定温度より所定値以上高くなっている場合にLo比例燃焼制御に燃焼制御方式を切換えるようにしたため、FB要求熱量が急激に増減して振れることによる燃焼制御方式の切換えのチャタリング現象を防止することができると共に、電磁ポンプ14の送油量や入水温度センサ4と流量センサ5の検出値のバラツキによって実際の必要熱量とFF要求熱量または実際の燃焼量がズレていた場合にも燃焼制御方式を切換えることができて出湯温度が給湯設定温度からズレた状態が長時間継続することを防止でき、出湯温度の変動のない安定した出湯を行うことができる。
【0019】
次に、Lo比例燃焼制御を行っている際に総要求熱量が増加してHi比例燃焼制御に切換える場合について図5のフローチャートに基づいて説明すると、FF要求熱量が基準切換熱量B以上になった場合(S8)は、ダンパモータ23を駆動してダンパ24を全開状態にして基準切換熱量A〜基準切換熱量Cの領域内で燃焼量を可変制御するHi比例燃焼制御に燃焼制御方式を切換える(S9)。
【0020】
また、FF要求熱量が基準切換熱量B以下であるがFB要求熱量を加えた総要求熱量が基準切換熱量B以上になった場合(S10)は、この総要求熱量に応じて燃焼量がLo比例燃焼制御領域の最大燃焼量になるのを待ち(S11)、燃焼量がLo比例燃焼制御領域の最大燃焼量になると、流量センサ5により流量をカウントし始めて(S12)熱交換器1への積算流量が熱交換器1の容量以上(ここでは1L)になると(S13)、出湯温度センサ11で検出する出湯温度からリモコン等で設定した給湯設定温度を引いた差を演算し、この差が負の所定値(ここでは−2(℃))以下であると(S14)、ダンパモータ23を駆動してダンパ24を全開状態にして基準切換熱量A〜基準切換熱量Cの領域内で燃焼量を可変制御するHi比例燃焼制御に燃焼制御方式を切換える(S9)。
【0021】
このようにFF要求熱量のみに基づいた燃焼制御方式の切換えのみならず、FF要求熱量にFB要求熱量を加えた総要求熱量が基準切換熱量Bを上回ったときに、Lo比例燃焼制御領域の最大燃焼量に達するのを待って最大燃焼量での熱交換が出湯温度に反映されるのを待ち、そして出湯温度が給湯設定温度より所定値以上低くなっている場合にHi比例燃焼制御に燃焼制御方式を切換えるようにしたため、FB要求熱量が急激に増減して振れることによる燃焼制御方式の切換えのチャタリング現象を防止することができると共に、電磁ポンプ14の送油量や入水温度センサ4と流量センサ5の検出値のバラツキによって実際の必要熱量とFF要求熱量または実際の燃焼量がズレていた場合にも燃焼制御方式を切換えることができて出湯温度が給湯設定温度からズレた状態が長時間継続することを防止でき、出湯温度の変動の少ない安定した出湯を行うことができる。
【0022】
また、Lo比例燃焼制御からON/OFF燃焼制御への切換えは図6のフローチャートに示すように行われ、ON/OFF燃焼制御からLo比例燃焼制御への切換えは図7のフローチャートに示すように行われ、その説明はHi比例燃焼制御とLo比例燃焼制御の切換えとほとんど変わりがないため省略する。
【0023】
次に、図8に示した本発明の他の一実施例を先の一実施例と同じ部分の説明を省略し異なる部分のみを説明する。
この他の一実施例は、先の一実施例のバーナ部12をガスバーナ30に置き換えたものである。ここで、このガスバーナ30は比例制御可能な第1バーナ31と燃焼量固定の第2バーナ32とで構成され、燃焼制御装置29で演算される総要求熱量に応じて複数の燃焼制御方式のうちの一つの燃焼制御方式で燃焼するものである。ここで、複数の燃焼制御方式として、例えば中燃焼量領域での第1バーナ31のみによる比例燃焼制御と、大燃焼量領域での第1バーナ31と第2バーナ32の同時使用による比例燃焼制御と、小燃焼量領域での第2バーナ32のON/OFF燃焼制御の三つの燃焼制御方式が考えられ、それぞれの燃焼制御方式を先の一実施例と同様にFF要求熱量により切換えると共に、FF要求熱量が基準切換熱量を超えずに総要求熱量が基準切換熱量を超えている場合には、出湯温度と給湯設定温度との差が一定値を超えている場合に燃焼制御方式を切換えるようにしたものである。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1によれば、FF要求熱量のみに基づいた燃焼制御方式の切換えのみならず、FF要求熱量とFB要求熱量とに基づいた総要求熱量が基準切換熱量を上回ったときに、第1燃焼制御方式の最大燃焼量に達するのを待ち、そして出湯温度が給湯設定温度より所定値以上低くなっている場合に第2燃焼制御方式に切換えるようにしたため、FB要求熱量が急激に増減して振れることによる燃焼制御方式の切換えのチャタリング現象を防止することができると共に、入水温度と流量の検出値のバラツキによって実際の必要熱量とFF要求熱量がズレていた場合にも燃焼制御方式を切換えることができて出湯温度が給湯設定温度からズレた状態が長時間継続することを防止でき、出湯温度の変動のない安定した出湯を行うことができる。
【0025】
また、本発明の請求項2によれば、FF要求熱量のみに基づいた燃焼制御方式の切換えのみならず、FF要求熱量とFB要求熱量とに基づいた総要求熱量が基準切換熱量を下回ったときに、第2燃焼制御方式の最小燃焼量に達するのを待ち、そして出湯温度が給湯設定温度より所定値以上高くなっている場合に第1燃焼制御方式に切換えるようにしたため、FB要求熱量が急激に増減して振れることによる燃焼制御方式の切換えのチャタリング現象を防止することができると共に、入水温度と流量の検出値のバラツキによって実際の必要熱量とFF要求熱量がズレていた場合にも燃焼制御方式を切換えることができて出湯温度が給湯設定温度からズレた状態が長時間継続することを防止でき、出湯温度の変動のない安定した出湯を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図。
【図2】同一実施例の燃焼制御装置の説明図。
【図3】同一実施例の複数の燃焼制御方式の説明図。
【図4】同一実施例のHi比例燃焼制御からLo比例燃焼制御への切換え動作のフローチャート。
【図5】同一実施例のLo比例燃焼制御からHi比例燃焼制御への切換え動作のフローチャート。
【図6】同一実施例のLo比例燃焼制御からON/OFF燃焼制御への切換え動作のフローチャート。
【図7】同一実施例のON/OFF燃焼制御からLo比例燃焼制御への切換え動作のフローチャート。
【図8】本発明の他の一実施例の構成図。
【符号の説明】
1 熱交換器
11 出湯温度センサ
12 バーナ部
29 燃焼制御装置
Claims (2)
- 熱交換器と、この熱交換器下流に設けられた出湯温度センサと、前記熱交換器を加熱するバーナ部とを備え、フィードフォワード要求熱量とフィードバック要求熱量とに基づく総要求熱量により燃焼量可変制御を行うと共に、燃焼量の小さい領域では前記バーナ部を第1燃焼制御方式で燃焼させ、また燃焼量の大きい領域では前記バーナ部を前記第1燃焼制御方式とは異なる第2燃焼制御方式で燃焼させるようにした給湯機の燃焼制御装置であって、
前記第1燃焼制御方式での制御状態において、フィードフォワード要求熱量が第1基準切換熱量以上になった場合は前記第2燃焼制御方式に切換え、またフィードフォワード要求熱量が前記第1基準切換熱量以下で且つ総要求熱量が前記第1基準切換熱量以上になった場合は、燃焼量が前記第1燃焼制御方式の最大燃焼量になった後に出湯温度から設定温度を引いた差を演算し、この差が負の所定値以下であると前記第2燃焼制御方式に切換えるようにしたことを特徴とする給湯機の燃焼制御装置。 - 熱交換器と、この熱交換器下流に設けられた出湯温度センサと、前記熱交換器を加熱するバーナ部とを備え、フィードフォワード要求熱量とフィードバック要求熱量とに基づく総要求熱量により燃焼量可変制御を行うと共に、燃焼量の小さい領域では前記バーナ部を第1燃焼制御方式で燃焼させ、また燃焼量の大きい領域では前記バーナ部を前記第1燃焼制御方式とは異なる第2燃焼制御方式で燃焼させるようにした給湯機の燃焼制御装置であって、
前記第2燃焼制御方式での制御状態において、フィードフォワード要求熱量が第2基準切換熱量以下になった場合は前記第1燃焼制御方式に切換え、またフィードフォワード要求熱量が前記第2基準切換熱量以上で且つ総要求熱量が前記第2基準切換熱量以下になった場合は、燃焼量が前記第2燃焼制御方式の最小燃焼量になった後に出湯温度から設定温度を引いた差を演算し、この差が正の所定値以上であると前記第1燃焼制御方式に切換えるようにしたことを特徴とする給湯機の燃焼制御装置。
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