JPH0615224B2 - 積層体により構成される容器およびその製造方法 - Google Patents

積層体により構成される容器およびその製造方法

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JPH0615224B2
JPH0615224B2 JP63172447A JP17244788A JPH0615224B2 JP H0615224 B2 JPH0615224 B2 JP H0615224B2 JP 63172447 A JP63172447 A JP 63172447A JP 17244788 A JP17244788 A JP 17244788A JP H0615224 B2 JPH0615224 B2 JP H0615224B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、樹脂材料の積層体からなる容器およびその製
造方法に関する。とくに本発明は、ガスバリヤー性を有
する容器およびその製造方法に関する。
〔従来技術〕
食品の容器は、食品を収容した状態で、常温のままの流
通および長期間の保存に際しても内部の食品に悪影響が
なく、かつ食品を容器に収容したままで加熱調理および
電子レンジによる調理が可能であることが望まれる。ま
た、レトルト食品用の容器は、食品充填後のレトルト殺
菌の際の高温多湿の条件にも支障なく耐え得るものでな
ければならない。さらに、容器材料としては、価格およ
び容器製造の容易さから樹脂材料が望ましい。
従来、樹脂製の食品用容器の製造方法として、シート材
料からの加熱成形、パリソンからのブロー成形、溶融樹
脂の射出成形などが採用されている。食品用の容器は、
内部に収容される食品に対する無害性、内部の液体やガ
ス体の外部への流出または外部からのガスの浸透などを
阻止するバリヤー性、容器形状を保つ形状保持性などの
諸特性が要求されるところから、それぞれの特性に適合
した複数の材料の層を積層して構成することが望まし
い。そして、この積層材料の容器の製造にはシート材料
からの加熱成形方法が適している。
従来広く使用されている方法としては、ポリスチレン樹
脂やABS樹脂、ポリプロピレン樹脂のシートの加熱成
形方法があるが、充分なガスバリヤー性が得られないた
め用途が限定される。ガスバリヤー性を付与する方法と
して金属箔の両側にポリプロピレン樹脂を積層したシー
トを形成し、該シートを成形する方法があるが、金属箔
を使用するため浅い絞りのトレーに限られ、カップ、ボ
ール状の深絞りは不可能である。又、電子レンジ調理が
不可能である。ポリ塩化ビニリデン系共重合、エチレン
ビニルアルコール共重合などのポリマー材料は、延伸状
態でガスバリヤー性が向上することが知られているが、
この材料を容器の製造に使用する場合、延伸状態を維持
するためには成形を該樹脂材料の軟化状態で行わなけれ
ばならない。しかし、このように成形を樹脂材料の軟化
状態で行うと、食品の熱間充填やレトルト殺菌に際して
熱のために容器が変形する、という問題が生じる。ま
た、成形を樹脂材料の溶融点状態で行うと、材料の延伸
状態が維持できず、材料の特性を利用したガスバリヤー
性の向上が期待できなくなる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、延伸状態でガスバリヤー性が向上する特性を
備えたポリマー材料を容器として使用する場合に、延伸
状態を容器成形後も維持するために成形を該樹脂材料の
軟化状態で行うと、容器が後に高温に曝された時に変形
が生じる、という上述の問題を解決することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決するため、本発明によれば、容器を熱
可塑性の樹脂からなる内層および外層と該内層および外
層の間に配置されたバリヤー層により構成する。バリヤ
ー層は、延伸によりガスバリヤー性が高められる性質の
樹脂材料により構成される。そして、このバリヤー層
は、延伸状態で内層および外層の間に保持される。さら
に、本発明の特徴として、外層の外側に無機質材料を含
む厚肉の剛性層ないしは形状保持層を形成する。
内層および外層はポリプロピレンまたはポリエチレンの
ようなポリオレフィン樹脂により構成することが望まし
く、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルペン
テン等を使用することもできる。バリヤー層は延伸状態
のポリ塩化ビニリデン系共重合樹脂またはエチレンビニ
ルアルコール共重合樹脂により構成することが望まし
く、アクリルニトリル系共重合樹脂、ポリブチレンテレ
フタレート、ナイロン−6、メタキシリレンジアミン、
アジピン酸縮重合ポリアミド樹脂等も使用できる。さら
に、バリヤー層は延伸状態のポリ塩化ビニリデン系共重
合樹脂により構成された第1バリヤー層と延伸状態のエ
チレンビニルアルコール共重合樹脂により構成された第
2バリヤー層とからなる2層構成としてもよい。この場
合、第1バリヤー層を内層に隣接する側に配置し、第2
バリヤー層を外側に配置することが望ましい。
容器を製造するための本発明の方法は、熱可塑性樹脂材
料により形成された内層および外層の間に、延伸により
ガスバリヤー性が高められる性質の樹脂材料により構成
された中間層を挟んだ積層体を形成し、この積層体を前
記内層および外層の溶融温度よりは高く前記中間層の溶
融温度よりは低い温度に加熱して前記積層体を所要形状
に成形することからなる。
内層および外層とバリヤー層をほぼ同一温度にして積層
体の成形を行う場合には、バリヤー層の樹脂材料として
は、溶融温度が内層及び外層を構成する樹脂材料の溶融
温度よりも高いものを選ぶことが必要である。積層体の
内層および外層の外側から急激な加熱を行うことにより
加熱工程を実施する場合には、バリヤー層を構成する樹
脂材料の溶融温度は内層および外層を構成する樹脂材料
の溶融温度とほぼ同程度であっても、内層および外層に
生じる温度勾配により、バリヤー層に延伸を生じる条件
を達成できる。
本発明の上記方法においては、積層体の外層の外側に無
機材料を含む厚肉の剛性層を形成した後で前述の成形を
行うことが好ましい。本発明の方法の好ましい態様にお
いては、ポリプロピレンフィルムからなる内層と、同じ
くポリプロピレンフィルムからなる外層との間に、ポリ
塩化ビニリデン系共重合フィルムからなる中間層を配置
した積層体を構成し、該積層体の外層の外側に無機質材
料を含む剛性層を形成した後、この積層体を前記内層お
よび外層の溶融温度より高く前記中間層の溶融温度より
低い温度に加熱して所要形状に成形することにより、前
記中間層のポリ塩化ビニリデン系共重合フィルムを延伸
状態にする。この場合において、中間層として延伸状
態、たとえば2軸延伸状態のポリ塩化ビニリデン系共重
合フィルムを使用すると、成形によりさらに延伸率が高
められ、ガスバリヤー性が一層向上する。
〔作 用〕
本発明の容器においては、熱可塑性樹脂材料により形成
された内層および外層間に、延伸によりガスバリヤー性
が高められる性質の樹脂材料により構成されたバリヤー
層が延伸状態で配置されている。バリヤー層は、これを
構成する樹脂材料が延伸状態であるため、ガスバリヤー
性が向上している。この延伸状態にあるバリヤー層は、
容器成形後にたとえば容器が内容物のレトルト殺菌処理
のために高温多湿の条件のもとに置かれた場合、熱によ
つて収縮しようとするが、このバリヤー層を挟む内層お
よび外層は延伸されていないため、形状変化を生じな
い。したがって、バリヤー層の収縮は阻止され、延伸率
が高められる。その結果、バリヤー層のガスバリヤー性
が一層向上する。また、容器の熱による変形も防止され
る。
本発明による容器の製造方法においては、熱可塑性樹脂
材料により形成された内層および外層の間に、延伸によ
りガスバリヤー性が高められる性質の樹脂材料により構
成された中間層を挟んだ積層体が形成され、この積層体
を前記内層および外層の溶融温度よりは高く前記中間層
の溶融温度よりは低い温度に加熱して前記積層体の成形
が行われる。したがつて、この成形工程において、中間
層により構成されるバリヤー層には成形による伸びのた
めに2倍ないし10倍程度の延伸が生じ、バリヤー層の
物性が向上する。中間層を予め延伸した樹脂材料により
構成すれば、成形によりさらに延伸率が高められ、バリ
ヤー性は一層向上することになる。
積層体の外層の外側に設けられる剛性層は、価格の低廉
な無機質材料により構成でき、外層のみにより容器の剛
性を確保する場合に比して経済的である。また、剛性層
をポリプロピレンに炭酸カルシウム、タルク、シリカ、
マイカなどの材料の混合物により構成すれば、レトルト
殺菌の熱で収縮しない容器が構成でき、かつ容器の廃棄
に際して焼却が容易である。さらに、容器成形の前の材
料取りにおいて生じたスクラップの再使用も簡単で、こ
れらスクラップを破砕してポリプロピレンと無機材料の
混合物に加えるだけでよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。第1図
は、本発明による食品容器の一例を示すもので、この容
器1は、板材から深絞りされた容器本体部1aと該容器
本体部1aの上端部に形成されたフランジ1bとからな
り、食品を充填した後に、該フランジの上面に蓋(図示
せず)を載せ、溶着等により密封結合する。第2図は、
容器1を構成する積層体の一部を断面で示すもので、こ
の積層体は、容器1の内部に面する側に配置される内層
2と該内層2の外側に隣接して配置されるバリヤー層3
と該バリヤー層3の外側に隣接して配置される外層4、
および該外層4の外側に配置される剛性層5とにより構
成される。内層2はポリプロピレンフィルムにより構成
され、30ないし200μの厚さを有する。内層2の好
ましい厚さは50ないし150μである。バリヤー層3
は延伸状態のポリ塩化ビニリデン系共重合フィルムによ
り構成され、厚さは10ないし150μ、好ましくは1
5ないし100μとする。内層2とバリヤー層3との間
にはポリウレタン系の接着材層6が設けられる。外層4
は内層2と同様な材料により形成され、厚さは10ない
し200μ、好ましくは20ないし100μとする。バ
リヤー層3と外層4との間には、接着材層6と同様なポ
リウレタン系の接着材層7が設けられる。剛性層5は、
ポリプロピレン樹脂と、たとえば炭酸カルシウムやタル
ク、シリカ、マイカ等の無機質材料の混合物により構成
し、厚さは200ないし2000μ程度、好ましくは3
00ないし1500μ程度とする。
製造に際しては、先ず内層2とバリヤー層3および外層
4積層体を形成し、次いで該積層体の外層4の側に剛性
層5を形成するポリプロピレン樹脂と無機材料の混合物
を溶融状態で射出して該剛性層5を形成する。次いで、
この積層体を成形型内に配置し、内層2と外層4を構成
する樹脂材料の溶融温度より高く、バリヤー層3を構成
する樹脂材料の溶融温度より低い温度に積層体を加熱し
て、成形を行う。この成形により、バリヤー層3を構成
するポリ塩化ビニリデン系共重合フィルムには伸びを生
じ、フィルムは延伸される。この成形による延伸率は、
2倍ないし10倍程度である。この延伸によりバリヤー
層3のガスバリヤー性は向上するが、さらに高いガスバ
リヤー性が求められる場合には、積層時にバリヤー層3
としてすでに延伸済のフィルムを使用すればよい。たと
えば、延伸率が5倍程度の2軸延伸フィルムをバリヤー
層に使用すれば、形成時さらに延伸率が高められてガス
バリヤー性が一層向上する。
ポリプロピレンの融点は140ないし160℃であり、
ポリ塩化ビニリデン系共重合樹脂の融点は延伸のない状
態で160℃であるから、バリヤー層3に無延伸のポリ
塩化ビニリデン系共重合フィルムを使用する場合には、
融点の低いポリプロピレンを選ぶことが必要である。ポ
リ塩化ビニリデン系共重合樹脂は延伸状態では融点が1
70℃程度になるので、常にポリプロピレンより高い融
点を示す。
このようにして形成された容器1は、延伸フィルムによ
り構成されたバリヤー層3を有するので優れたガスバリ
ヤー特性を持ち、内容物の長期間の保存に適したものと
なる。また、バリヤー層3の内側および外側には無延伸
の樹脂層が形成されているので、容器成形後の熱によっ
て容器に変形を生じる恐れがない。したがって、この容
器1に食品を充填し、密封後レトルト殺菌を行う場合に
も、殺菌処理時の熱により容器に変形を生じることがな
く、かつバリヤー層3の延伸状態はそのまま保持でき
る。容器の形状を保持する目的からは、外層4を十分に
厚く構成すれば剛性層5は不要であるが、材料の経済性
を考慮すれば、外層4はできる限り薄くして、剛性層5
により容器形状を維持することが好ましい。
第3図は本発明の他の実施例を示すもので、この実施例
においては、容器を構成する積層体は、内層12がポリ
オレフィンフィルムからなり、該内層12の外側のバリ
ヤー層は、内層12に隣接して配置された第1バリヤー
層13および該第1バリヤー層13の外側に配置された
第2バリヤー層13aからなる。第1バリヤー層13は
延伸状態のポリ塩化ビニリデン系共重合フィルムにより
構成され、第2バリヤー層13aは延伸状態のエチレン
ビニルアルコール共重合フィルムにより構成される。第
1バリヤー層13および第2バリヤー層13aは、とも
に延伸状態のフィルムを積層して使用し、成形時にさら
に延伸率を増加させることより形成してもよく、また未
延伸のフィルムを使用して、成形時に延伸を加えるよう
にしてもよい。外層14はポリオレフィンフィルムによ
り構成され、剛性層15はポリオレフィンと無機材料の
混合物により形成される。ポリオレフィンとしてポリプ
ロピレンを使用する場合には、上述したとうり融点は1
40ないし160℃であり、ポリエチレンを使用すると
きは、融点は120ないし130℃である。エチレンビ
ニルアルコール共重合樹脂は融点が170ないし190
℃であるから、問題なく使用できる。
第2バリヤー層13aを構成する延伸状態のエチレンビ
ニルアルコール共重合樹脂は、ガスバリヤー性を有する
が、レオルト殺菌のように高温多湿の環境に置かれると
ガスバリヤー性が低下する。しかし、一旦ガスバリヤー
性が低下した延伸エチレンビニルアルコール共重合フィ
ルムも乾燥すると再びガスバリヤー性が回復する。した
がって、この延伸エチレンビニルアルコール共重合フィ
ルムのバリヤー層は、レトルト殺菌処理後に乾燥し易く
するために、第1バリヤー層13よりも外側に配置す
る。これに対して、延伸ポリ塩化ビニリデン系共重合フ
ィルムは、高温多湿の条件下でもガスバリヤー性の低下
がなく、乾燥が進行し難い内側に配置しても差し支えな
い。
第4図は本発明のさらに他の実施例を示すもので、第1
図の実施例におけると同様に、接着材層6、7により接
合された内層2、バリヤー層3、外層4と、該外層4の
外側に配置された剛性層5を有する。内層2および外層
4はポリオレフィンにより構成する。バリヤー層3は延
伸状態のポリ塩化ビニリデン系共重合フィルムにより構
成する。剛性層5はポリオレフィンと無機材料の混合物
により構成する。本実施例においては、剛性層5の外側
に延伸状態のエチレンビニルアルコール共重合フィルム
の層8が配置され、さらにその外側にポリオレフィンと
無機材料の混合物からなる保護層9が形成される。
層5、8、9は溶融状態の樹脂の共押し出しによって積
層物を構成することができる。この場合には、層8を構
成するエチレンビニルアルコール共重合樹脂は未延伸状
態となるが、成形時の伸びにより延伸が加えられる。層
8の延伸率を高めることが望まれる場合には、先ず樹脂
の溶融押し出しにより層5を層2、3、4の積層体の上
に形成し、その上に延伸状態のエチレンビニルアルコー
ル共重合フィルムを接着した後、層9を押し出しにより
形成する。続く容器の成形により、層8を構成するフィ
ルムの延伸率はさらに向上する。
次に、積層体の内層および外層とバリヤー層を構成する
樹脂材料の溶融温度がほぼ同一であるか、または内層お
よび外層の溶融温度がバリヤー層の溶融温度より少し低
い場合の実施例について、以下に説明する。この実施例
では、積層体は、第5図に示すように、内層22と該内
層22の外側に接着剤層26を介して接着されたバリヤ
ー層23と該バリヤー層23の外側に接着剤層27を介
して接着された外層24とを有し、外層24の外側には
剛性層25が形成され、さらににこの剛性層25の外側
に表面層28が形成されている。内層22は、溶融温度
150℃のポリプロピレン樹脂により70μの厚さに形
成され、外層24は同様のポリプロピレン樹脂により3
0μの厚さに形成される。バリヤー層23は、軟化点1
20℃、溶融温度160℃の未延伸ポリ塩化ビニリデン
・アクリル酸エステル共重合樹脂フィルムにより、50
μの厚さに形成される。接着剤層26、27にはポリウ
レタン接着剤を使用する。剛性層25には、ポリプロピ
レンに30重量%のタルクを混合したものを用い、厚さ
は約1000μとする。表面層は、剛性層の表面を被覆
して、外観を良くするとともに、印刷性を改善するもの
で、ポリプロピレン樹脂により50μの厚さに形成す
る。
第6図は第5図の積層体の成形のために加熱する工程を
示すもので、加熱装置としては、上部ヒータ30と下部
ヒータ31を準備する。上部ヒータ30は、300ワッ
トのヒーター6本を0.5m四方の大きさの枠内に配置し
て構成する。下部ヒータ31は、300ワットのヒータ
ー9本を同様に配置して構成する。このように構成した
加熱装置内に、内層22が上になるようにして積層体3
2を置き、加熱を行う。積層体32の内層側の加熱時間
が12秒、表面層側の加熱時間が24秒になるように加
熱を行なう。この方法により加熱を行った後の積層体3
2の温度を測定した結果、内層22の表面は165℃、表
面層28の表面は170℃、内層22接着剤層26側の面
で150℃、外層24の接着剤層27側の面も150℃
であった。この温度条件のもとで、容器の成形を行うこ
とにより、バリヤー層23の樹脂材料に延伸が与えられ
る。実例で試験した結果では、成形後の容器に内容物と
して温水を充填し、蓋材をヒートシールにより取つけ
て、125℃で30分間のレトルト殺菌処理を行った場
合に、容器形状に変化はなく、ガスバリヤー性は、未延
伸の推定値に比べて2倍程度の改善が見られた。
バリヤー層23として、溶融温度170℃で厚さ50μ
の2軸延伸ポリ塩化ビニリデン・アクリル酸エステル共
重合樹脂フィルムを使用して同様な試験を行った結果、
ガスバリヤー性には一層の向上が見られた。
第7図は、典型的なポリプロピレン樹脂の温度特性を示
す図表である。実線で示す特性の点Aはビカット軟化
点、Bは融点すなわち溶融温度である。延伸を与える成
形は、ビカット軟化点Aと融点Bとの間の斜線を付した
温度領域Cにおいておこなうことが好ましい。また、延
伸を与えない成形は、融点Bより高い温度領域Dにおい
て行うことが好ましい。内層および外層を構成する樹脂
材料の溶融温度とバリヤー層を構成する樹脂材料の溶融
温度がほぼ同一の場合には、内層および外層とバリヤー
層との境界部が溶融温度より僅かに低くなるように加熱
を行うと内層と外層の大部分は溶融状態に、バリヤー層
は軟化状態になるので、バリヤー層に十分な延伸が与え
られる。バリヤー層を内層および外層より溶融温度が高
い樹脂材料により構成すると、バリヤー層の樹脂材料の
温度特性は、内層および外層の樹脂材料の温度特性に対
して第7図に一点鎖線で示すようになり、加熱の際の温
度制御がより容易になることが分かる。いずれの場合で
も、単位時間あたりの加熱量および総加熱量の制御は、
積層体の各層の厚さと、各層を構成する樹脂材料の熱伝
導特性を考慮して所要の温度勾配が得られるように制御
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による食品容器の一例を示す斜視図、
第2図は、容器壁の構成の一実施例を示す断面図、第3
図および第4図は、それぞれ他の実施例を示す断面図、
第5図は、さらに他の実施例を示す断面図、第6図は、
第5図の実施例における加熱装置の概略図、第7図は、
樹脂材料の温度特性を示す図表である。 2,12,22……内層、 3,13,23……バリヤー層、 4,14,24……外層、 5,15,25……剛性層、 28……表面層、 30……上部ヒータ、 31……下部ヒータ。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂材料により形成された内層お
    よび外層と、前記内層および外層の間に配置され、かつ
    延伸によりガスバリヤー性が高められる性質の樹脂材料
    により構成されたバリヤー層とを含み、前記バリヤー層
    は該バリヤー層を構成する樹脂材料が延伸状態で前記内
    層と外層との間に保持され、前記外層の外側に無機質材
    料を含む厚肉の剛性層が設けられたことを特徴とする積
    層体により構成される容器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した容器において、前記内
    層および外層は、ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチ
    レン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカー
    ボネート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂の中から選ばれ
    た1種類又は2種類により構成され、前記バリヤー層は
    延伸状態のポリ塩化ビニリデン系共重合樹脂またはエチ
    レンビニルアルコール共重合樹脂アクリルニトリル系共
    重合樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ナイロン
    −6樹脂、メタキシリレンジアミンアジピン酸縮重合ポ
    リアミド樹脂の中から選ばれた1種類又は2種類によっ
    て構成されたことを特徴とする容器。
  3. 【請求項3】請求項1に記載した容器において、前記バ
    リヤー層を延伸状態のポリ塩化ビニリデン系共重合樹脂
    により構成された第1バリヤー層と延伸状態のエチレン
    ビニルアルコール共重合樹脂により構成された第2バリ
    ヤー層との積層体からなり、前記第1バリヤー層は前記
    内層に隣接する側に配置されたことを特徴とする容器。
  4. 【請求項4】ポリプロピレンフィルムにより構成された
    内層と、前記内層の外側に隣接して配置され、延伸状態
    のポリ塩化ビニリデン系共重合のフィルムにより構成さ
    れたバリヤー層と、前記バリヤー層の外側に隣接して配
    置され、ポリプロピレンフィルムにより構成された外層
    と、前記外層の外側に隣接して配置され、ポリプロピレ
    ン樹脂と無機質材料との混合物からなる厚肉の形状保持
    層とからなるレトルト食品用容器。
  5. 【請求項5】請求項4に記載した容器において、前記バ
    リヤー層と外層との間に延伸状態のエチレンビニルアル
    コール共重合のフィルムからなる第2バリヤー層が設け
    られたことを特徴とする容器。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂材料により形成された内層お
    よび外層の間に、これらの内層および外層を構成する樹
    脂材料より低くない溶融温度を持ち、かつ延伸によりガ
    スバリヤー性が高められる性質の樹脂材料により構成さ
    れた中間層を挟んだ積層体を形成し、この積層体を前記
    内層および外層の溶融温度よりは高く前記中間層の溶融
    温度よりは低い温度に加熱して前記積層体を所要形状に
    成形することを特徴とする容器の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載した製造方法において、前
    記積層体の外層の外側に無機材料を含む厚肉の剛性層を
    形成した後、前記成形を行うことを特徴とする容器の製
    造方法。
  8. 【請求項8】ポリプロピレンフィルムからなる内層と、
    同じくポリプロピレンフィルムからなる外層との間に、
    ポリ塩化ビニリデン系共重合フィルムからなる中間層を
    配置した積層体を構成し、前記積層体の前記外層の外側
    に無機質材料を含む剛性層を形成した後、この積層体を
    前記内層および外層の溶融温度より高く前記中間層の溶
    融温度より低い温度に加熱して所要形状に成形すること
    により、前記中間層のポリ塩化ビニリデン系共重合フィ
    ルムを延伸状態にすることを特徴とするレトルト容器の
    製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載した製造方法において、前
    記中間層は延伸状態のポリ塩化ビニリデン系共重合フィ
    ルムにより構成され、成形によりさらに延伸率が高めら
    れることを特徴とするレトルト容器の製造方法。
  10. 【請求項10】熱可塑性樹脂材料により構成された内層
    および外層と、前記内層および外層の間に配置された、
    延伸によりガスバリヤー性が高められる性質の樹脂材料
    により構成されたバリヤー層とを少なくとも含む積層体
    を形成し、前記積層体の両側から加熱して前記内層およ
    び外層を溶融状態に、前記バリヤー層を軟化状態にした
    後に、前記積層体を所要形状に成形し、この成形による
    伸び変形で前記バリヤー層を延伸状態にすることを特徴
    とする容器の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載した容器の製造方法に
    おいて、前記バリヤー層として、あらかじめ2軸延伸さ
    れた樹脂材料フィルムを用いて積層体を形成することを
    特徴とする製造方法。
  12. 【請求項12】請求項10または11に記載した容器の
    製造方法において、単位時間当りの加熱量と総加熱量を
    制御して、前記内層および外層の厚さ方向の温度勾配に
    より前記内層および外層を溶融状態に、前記バリヤー層
    を軟化状態にすることを特徴とする製造方法。
  13. 【請求項13】請求項10ないし12のいずれかに記載
    した容器の製造方法において、前記積層体は前記外層の
    外側に配置された熱可塑性樹脂材料と無機材料の混合物
    からなる厚肉の剛性層を有することを特徴とする製造方
    法。
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