JPH0615216A - 塗装乾燥室 - Google Patents

塗装乾燥室

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JPH0615216A
JPH0615216A JP5056020A JP5602093A JPH0615216A JP H0615216 A JPH0615216 A JP H0615216A JP 5056020 A JP5056020 A JP 5056020A JP 5602093 A JP5602093 A JP 5602093A JP H0615216 A JPH0615216 A JP H0615216A
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JP
Japan
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air
coating
drying
floor
ceiling
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JP5056020A
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Inventor
Yukio Shoji
幸雄 庄子
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SHIYOOJI KK
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SHIYOOJI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車修理工場(所謂板金塗装工場)等にお
ける車体の吹付け塗装と塗装後の熱風乾燥とを同室内で
行う小規模な塗装乾燥室に関し、被塗装乾燥体の上面部
及び側面部の温度を可及的に均一化させて乾燥させ、塗
料のワキ、ピンホール、またはクレータ等を発生させな
い乾燥ができるようにすることを目的とする。 【構成】 室内の天井側に開口を開けた天井側通気路
(17)と、室内の側壁側に被塗装乾燥体(C)の側面
位置に合わせて開度調節可能な開口を多数個開けた側壁
側通気路(12)と、室内の床側に開口を開けた床側通
気路(40a)とを備え、室内で上下方向および水平方
向の気流を同時発生可能にするように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車修理工場(所謂
板金塗装工場)等における車体の吹付け塗装と塗装後の
熱風乾燥とを同室内で行う小規模な塗装乾燥室に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の一室型塗装乾燥装置として、従
来、例えば図9に示すように、被塗装乾燥体としての自
動車C用の一室型塗装乾燥装置1が知られている(例え
ば実開昭55−94691号公報参照)。これは、塗装
乾燥室2の天井に吹出口5を開設し、塗装乾燥室2の屋
根に吹出口5に連通するダクト4を設けるとともに、塗
装乾燥室2の側部にはダクト4内に新鮮空気を送給して
吹出口5から塗装乾燥室2内に該新鮮空気を吹出させる
塗装時用のファン(図示せず)を設け、更に塗装乾燥室
2の側部には適時に作動する加熱空気発生装置3を介し
てダクト4内に外気を送給し吹出口5から加熱空気を吹
出させる乾燥時用の送風機8を設け、また、塗装乾燥室
2の床に排気口6を開設し、排気ファン(図示せず)で
吸引流を生じる排気ダクト7に上記排気口6を連通させ
てある。
【0003】ところで、一般に、この種の装置は、後述
する吹付け塗装時における塗装作業者の安全衛生を考慮
して良好な塗装環境を作りだすために、労働安全衛生法
の有機溶剤中毒予防規則に基づいて設計されている。そ
のため、吹出口5は床面積(最低でも26平方メート
ル)の0.6倍以上の開口面積を有し、該吹出口からの
気流の風速が床面の略前面に亘り0.2メートル毎秒以
上、即ち、塗装乾燥室の所要通風量は最低でも312立
方メートル毎分(26m2 ×0.2m/s×60s)以
上となるように、ダクト,ファン,排気ファン等の大き
さが比較的大きなものに定められている。そのため、乾
燥システムにおいては、塗装条件に合わせて設計された
吹出口5や排気ファンをそのまま利用しているので、送
風機8もそれに見合う風量を送給しうる大きさに定めら
れている。
【0004】そして、塗装乾燥室1内において吹付塗装
を行なう際は、新鮮空気をファンによって送給して吹出
口5から吹き降ろし、更に、排気口6から排気ファンに
よって排気し、強制的に送排風を行って、略半分以上発
生する飛散塗料カスを気流に乗せて排出させている。ま
た、塗装された自動車Cを乾燥させるときは、加熱空気
発生装置3を作動させ、送風機8によって加熱空気を自
動車Cの上方からこれに向けて吹出させるとともに、排
気口6から排気して行なうようにしている。
【0005】なお、赤外線電球等の高温発熱体によって
乾燥させることもできるが、塗装時に、付着堆積した塗
料カスの低温発火を生じ、または溶剤蒸気が籠りやすく
容易に発火点温度に達しやすいことから爆発火災の危険
をともなうので、上記の熱風式の乾燥方式を採ってい
る。このような自動車Cの乾燥においては、一般に車体
の表面温度を60℃前後に上昇させ、この温度で40分
程度保持して乾燥を終わらせることが塗料の硬化や生産
性の点で最適条件とされ、そのため、加熱空気の温度8
0℃前後に設定して所要の条件を作り出すようにしてい
る。尚、塗料をより早く硬化させるために車体の表面温
度を80℃以上の高いものにすると車体各部に取付けら
れた樹脂製艤装部品等が損傷する虞れがあり好ましくな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の一室
型塗装乾燥装置1にあっては、自動車Cのフェンダ、ド
アやドアのステップ部等の車体側面部Xは加熱時に温度
が上昇しにくく、ルーフ、ボンネットやトランクリッド
部等の車体上面部Yに比較して20〜40℃程度温度が
低くなる傾向にあり、そのため、側面部Xが生乾き状態
になったり、生乾き状態になることからごみの付着が多
くなったり、所謂つやびけを生じたりすることになっ
て、側面部Xと上面部Yとの塗膜品質が不均一になると
いう問題点があった。
【0007】また、できるだけ側面部Xを乾燥させよう
とすると、乾燥時間を延長しなければならないので、そ
の分、時間経過が長くなり、生産性を損ねてしまうとい
う問題点もあった。これらは、車体側面部Xは車体上面
部Yに比較して単位面積あたりの鉄板の重合度が高く、
その分、伝熱が遅いこと、また、この場合、加熱空気が
車体上面部Yには垂直方向から直接当たることから、こ
の部位においては所要の温度まで容易に上昇するが、車
体側面部Xにおいては、車体側面に沿って平行に流れて
おりしかも加熱空気の温度も降下しているため、その温
度上昇が緩慢になる等の理由による。
【0008】さらにまた、一般に吹付塗装の特性とし
て、側面部よりも上面部のほうが垂れ流れが少ない等の
理由で塗料の塗着率が良く、その分、厚膜になる。乾燥
システムにおいては塗装条件に合せて設計された吹出口
や排気ファンを利用していることから天井からは不必要
に多量の加熱空気が吹降りてくることになるが、このよ
うな状態で、上記の風量の比較的多い加熱空気が上面部
に直接当たると表面と内部との乾燥条件が異ってしま
い、相対的に表面の乾燥が早くなり、内部において溶剤
の蒸発が不十分になって所謂ワキ、ピンホールやクレー
タ等が未蒸発のガスによって発生し易くなり、塗膜肌を
荒らしてしまうという問題点も生じる。
【0009】このため、仮に、これらの発生がないよう
に吹出流量や温度を下げたり、段階的に吹出流量や温度
を上げるようにして除々に乾燥させるようにすると、側
面部の乾燥が増々不十分になり、上記の問題点を生じ易
くする。そこで、本発明における技術的課題は、被塗装
乾燥体の上面部及び側面部の温度を可及的に均一化させ
て乾燥させ、塗料のワキ、ピンホール、またはクレータ
等を発生させない乾燥ができる塗装乾燥室を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、図1の実施例図に例示
するように、塗装乾燥室として、室内の天井側に開口を
開けた天井側通気路(17)と、室内の側壁側に被塗装
乾燥体(C)の側面位置に合わせて開度調節可能な開口
を多数個開けた側壁側通気路(12)と、室内の床側に
開口を開けた床側通気路(40a)とを備え、室内で上
下方向および水平方向の気流を同時発生可能にすること
を特徴としたものである。
【0011】この塗装乾燥室には、天井側通気路(1
7)に吸気ダクト(21)を接続するとともに床側通気
路(40a)に排気ダクト(41)を接続し、側壁側通
気路(12)と床側通気路(40a)との間に循環ダク
ト(51)を接続し、各ダクト(21,41,51)を
送風可能に形成して、天井側から床側へ向かう空気流と
側壁側通気路(12)から水平方向へ向かう空気流とを
同時発生可能にすることを特徴としたものである。
【0012】
【作用】この塗装乾燥室を用いると、室内の天井側に開
口を開けた天井側通気路(17)と室内の床側に開口を
開けた床側通気路(40a)との2つの開口を利用して
吸気と排気を行うことによって、室内で上下方向の気流
を発生させ、また、室内の天井側に開口を開けた天井側
通気路(17)または室内の側壁側に開口を開けた側壁
側通気路(12)の少なくともいずれか一方と、室内の
床側に開口を開けた床側通気路(40a)との2つの開
口を利用して、吸気と排気を行うことによって、室内で
水平方向の気流を発生させるとともに側壁側の各開口を
被塗装乾燥体(C)の側面位置に合わせて開度調節する
ことによって被塗装乾燥体(C)の側面に一様な気流を
送風させる。
【0013】また、この塗装乾燥室によれば、天井側通
気路(17)に吸気ダクト(21)を接続するとともに
床側通気路(40a)に排気ダクト(41)を接続し、
それぞれのダクト(21,41)に送風機を取り付ける
ことにより、天井側から外気を導入するとともに床側か
ら室内の空気を吸引して天井から床側へ向かう空気流を
生じさせ、また、側壁側通気路(12)と床側通気路
(40a)との間に循環ダクト(51)を接続して、そ
の循環ダクト(51)に送風機を取り付けることによ
り、室内の空気を床側から吸引して前記循環ダクト(5
1)を介して側壁側通気路(12)から吹き出して水平
方向へ向けた空気流を生じさせる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。なお、この実施例は、自動車用の一室型塗装乾燥装
置の場合を例として、図面を添付して説明する。図1乃
至図3に示す一室型塗装乾燥装置Bの基本的構成は、塗
装乾燥室10と、送給装置20と、加熱空気発生装置3
0と、第一の吸引装置40および第二の吸引装置50を
備えた二系統になっている吸引装置とからなる。
【0015】また、送給装置20は第一の吸引装置40
と組み合されて塗装用ユニットN1を構成し、加熱空気
発生装置30は第二の吸引装置50と組み合されて乾燥
用ユニットN2を構成している。塗装乾燥室10は、適
宜の材料で形成され、内部を目視できる窓11を周囲に
設け、被塗装乾燥体としての自動車Cを一面に設けた出
入口から出し入れする簡易建屋に形成する。
【0016】この塗装乾燥室10内には加熱空気発生装
置30からの加熱空気が通る側壁側通路としてのダクト
12が配設されている。このダクト12は塗装乾燥室1
0内を囲むように室内の側壁に延設され、ダクト出口部
を自動車Cのドアパネルが位置する高さに設定してあ
る。13はダクト12のダクト出口部に開設された複数
の吹出口であり、塗装乾燥室10の中央に向かって開口
している。そして、自動車Cが塗装乾燥室10内に配置
されたときには、吹出口13は自動車Cの側方に位置す
る。
【0017】14は吹出口13の開度を調整するスライ
ドドアである。一般に、吹出口13の開度は、各吹出口
13から均一な風量を吹出させるように設定される。ま
た、自動車Cの形状等により各吹出口13の開度調整を
適宜に行なうことにより、被塗装乾燥体としての自動車
Cの各部に対する吹出し量を適正にさせる。15は塗装
乾燥室10の天井部に開設された上部開口であり、微塵
用のフィルタ16が嵌め込まれている。また、屋根部は
この上部開口15を覆う給気チャンバボックス17にな
っている。
【0018】18は塗装乾燥室10の床全面に開設され
た下部開口であり、床板19としては通気性のある網状
に形成された床材が嵌め込まれている。塗装用ユニット
N1における送給装置20は、給気チャンバボックス1
7に連通するダクト21と、外気と連通する外部開口2
2からダクト21を介して上部開口15に強制的に外気
を送風する送風ファン23とを備えている。外部開口2
2に給気フィルタ24が嵌め込まれている。
【0019】塗装用ユニットN1における第一の吸引装
置40は、排気装置として機能し、下部開口18に連通
する排気ダクト41と、外部へ連通する排気塔42を介
して塗装乾燥室10内の空気を吸引して排気する排気フ
ァン43と、逆流防止装置を兼ねた風量調節弁43aと
を備えている。排気ファン43の前位には塗料ミスト吸
引フィルタ44が設けられている。
【0020】乾燥用ユニットN2における加熱空気発生
装置30は、例えば都市ガス等を燃焼させるガスバーナ
を内蔵しており、第二の吸引装置50から送りこまれる
空気を加熱空気源としている。乾燥用ユニットN2にお
ける第二の吸引装置50は塗装乾燥室10の空気を吸引
して加熱空気発生装置30に送りこみ、該空気を循環さ
せるものであり、下部開口18に連通する循環ダクト5
1と、これに連通しフィルタを備えたフィルタボックス
52と、加熱空気発生装置30に塗装乾燥室10内の空
気を送風する循環ファン53と、加熱空気発生装置30
と循環ファン53との間に設けて循環ファン53からの
空気の一部を外部に逃気して加熱空気発生装置30への
風量を調整する調風器54とを備えている。
【0021】本実施例の場合、この調風器54の逃気量
は、循環ファン53からの送風量のうち15%を逃がす
ように設定してある。60は制御装置であり、手動の始
動スイッチ、運転時間を制御するタイマなどを備えてい
るとともに、上記塗装用ユニットN1又は乾燥用ユニッ
トN2を選択的に駆動させる選択スイッチを備えてい
る。
【0022】62は塗装乾燥室10の出入口に設けた開
閉扉、63は天井部両側に設けた照明用の蛍光灯であ
る。なお、この装置Bにおける上部開口、送風ファン、
排気ファン等の大きさについては、上述した労働安全衛
生法の有機溶剤中毒予防規則に基づいて定められ、設計
されている。
【0023】このように構成された一室型塗装乾燥装置
Bを使用して塗装を行なう時には、図4に示すように、
自動車Cを塗装乾燥室10の略中央に設置し、制御装置
60により塗装用ユニットN1を選択して駆動させ、送
給装置20の送風ファン23及び第一の吸引装置40の
排気ファン43のみを駆動させる。この場合、上部開口
15から外気が導入されるとともに下部開口18から室
内の空気が排気されて、天井から床へ向かう空気流が生
じる。このため、塗装時において室内に飛散した塗料ミ
ストは、この空気流に乗って室外へ排出される。
【0024】この状態で、さらに加熱空気発生装置30
を作動させるようにすれば、暖房しながら塗装を行なう
ことができる。次に、この塗装された自動車Cの乾燥を
行なう時には、制御装置60により乾燥用ユニットN2
を選択して駆動させ、加熱空気発生装置30及び第二の
吸引装置50の循環ファン53を作動させる。すると、
図2及び図3に示すように、循環ファン53により塗装
乾燥室10内から空気が吸引されるとともに、ダクト1
2の吹出口13から自動車Cの側面部Xに向けて加熱空
気が吹出す。
【0025】塗装乾燥室10内からの吸引量を100と
表すことにすると、吸引された空気は調風器54から1
5%排出されるので、吹出口13からの吹出量は85と
なり、そのため、吸引量(100)と吹出量(85)と
の差(15)に等しい量の空気が、外部から上部開口1
5を介して供給され、上部開口15から下部開口18へ
向けて新鮮空気の流れを生じる。
【0026】この場合、吹出口13から吹出した加熱空
気は温度が高いことから上方へ立上ろうとするが、上記
天井から床に向かう新鮮空気の流れによって、一部下方
へ向かうことになる。即ち、吹出口13からの加熱空気
は側面部Xへ当たりながら上方へ向かうものと下方に向
かうものとに分散されることになって、側面部Xに垂直
に当たる空気流、斜めに当たる空気流が生じ、側面部X
には加熱空気が万遍なく当たることになる。
【0027】この側面部Xへ当たる加熱空気によって、
鉄板重合度が高くて伝熱の遅い側面部Xは急速に加温さ
れ、温度上昇が促進される。また、上へ立上る加熱空気
は新鮮空気と混合するので、側面部Xの加熱空気よりも
多少温度が低くなるが、新鮮空気の流れに押えられて比
較的緩やかな空気流になって上面部Yを包み込むように
上昇し、また、上面部Yは側面部Xに比較して鉄板重合
度が低いので、上面部Yは十分に加温されることにな
る。
【0028】図5は、加熱空気の吹出量と新鮮空気の吹
出量を85:15に設定して、車体各部の表面温度の上
昇を測定した温度−時間曲線の一例である。その測定位
置(温度センサの取付位置)は、図6に示すように、上
面部ではボンネット、ルーフ、トランクの適宜の3個
所、側面部Xでは前フェンダ、ステップ、後フェンダの
適宜の3個所である。
【0029】図5の結果が示すように、側面部Xは上面
部Yよりも僅かに高温度に保たれて上面部Yと略均一に
60℃前後まで上昇し、その上昇時間も20分程度にな
っており、その後の乾燥時間を上面部Yと略同等にする
ことができる。そのため、上面部Yと側面部Xとの乾燥
条件が略同様になるので、塗膜品質を均一なものにする
ことができ、そして、乾燥に要する時間が短くなる。即
ち、従来においては、側面部Xの温度は上面部Yが60
℃になった状態でも20〜40℃低くなっており、その
分、乾燥終了までの所要時間が長くなっていたが、これ
に比較して本発明の実施例では大幅に短縮できる。
【0030】従って、乾燥終了までの所要時間が短くな
って、ガス消費量が少なくなり燃料費が削減される。更
に、加熱空気発生装置30は、塗装乾燥室10内の加熱
空気の一部を加熱空気源としているので、熱効率が良く
なっており、この点においても、ガス消費量が少なくな
って燃料費が削減される。また、吹出された加熱空気は
水平方向から垂直方向へ向かうので、従来において上面
部Yに見られたような垂直にのみ当たる場合に比較し
て、側面部Xへの衝突が和らげられることになり、また
塗膜も比較的薄いことから、その分、ワキ、ピンホール
やクレータ等の発生が抑制される。
【0031】さらにまた上面部Yにおいても、加熱空気
は新鮮空気と混合し、新鮮空気の流れに押えられて比較
的緩やかな空気流になることから、従来のように上面部
Yに垂直に衝突するものではなく、それだけ、ワキ、ピ
ンホールやクレータ等の発生が抑制される。特に、本実
施例のように加熱空気と新鮮空気との割合を85:15
にした場合には、図5に示す測定値からわかるように、
側面部Xよりも上面部Yの温度を低い状態に保持できる
ので、上述した塗膜の厚いことに起因して生じるワキ、
ピンホールやクレータ等の発生が抑制される。
【0032】さらにまた、従来においては、天井部の大
きな開口から比較的大容量の加熱空気が吹き降りてくる
ので、塗装乾燥室内に乱気流が生じ、ごみが舞い上がり
易くなってその浮遊量も多くなり、その分、塗装面への
ごみの付着率が高いという欠点があったが、本発明の実
施例によれば、天井部からの吹き降しが少なくなり、か
つ吹出口15から適量の風量が吹出すことから乱気流が
生じにくくなって、ごみが舞い上がりにくく、その浮遊
量も少なくなり、それだけ、塗装面へのごみの付着率が
低くなり、この点においても塗膜品質を向上させること
ができる。
【0033】他の実施例としては、上記実施例における
加熱空気発生装置30の加熱空気源を外気にし、そして
第二の吸引装置50を設けない形式の装置とする。この
装置の場合には、乾燥時としては、図7又は図8に示す
ように、加熱送風を行えばよい。図7では、第一の吸引
装置40及び加熱空気発生装置30のみ駆動し、排気フ
ァン43によって新鮮空気を取入れるようにしている。
これによれば、熱効率の点を除いて、その作用は第1の
実施例と略同様になる。
【0034】また、図8では、加熱空気発生装置30の
みを駆動させている。これによれば、吹出された加熱空
気は温度が高いことから上方に立上るとともに、上部開
口15から排出されていくが、この加熱空気は上方へ立
上りながら側面部Xに当たるとともに、上面部Yを包み
込むように上昇するので、側面部Xの温度上昇が促進さ
れ、かつ、上面部にも加熱空気が十分に行き渡るので、
上面部Y及び側面部Xともに略均一に所要温度まで上昇
させることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塗装乾燥
室を用いると、室内の天井側に開口を開けた天井側通気
路(17)と室内の床側に開口を開けた床側通気路(4
0a)との2つの開口を利用して吸気と排気を行うこと
によって、室内で上下方向の気流を発生させ、また、室
内の天井側に開口を開けた天井側通気路(17)または
室内の床側に開口を開けた床側通気路(40a)の少な
くともいずれか一方と、室内の側壁側に開口を開けた側
壁側通気路(12)との2つの開口を利用して、吸気と
排気を行うことによって、室内で水平方向の気流を発生
させるとともに側壁側の各開口を被塗装乾燥体(C)の
側面位置に合わせて開度調節することによって被塗装乾
燥体(C)の側面に一様な気流を送風させることができ
るようにしたことによって、塗装乾燥時における風向お
よび風速を任意に調節でき、多種の形状を有する被塗装
乾燥体(C)の形状に適合させて一様に送風させること
ができる。
【0036】また、この塗装乾燥室によれば、天井側通
気路(17)に吸気ダクト(21)を接続するとともに
床側通気路(40a)に排気ダクト(41)を接続し、
それぞれのダクト(21,41)に送風機を取り付ける
ことにより、天井側から外気を導入して床側から室内の
空気を吸引して天井から床側へ向かう空気流を生じさ
せ、また、側壁側通気路(12)と床側通気路(40
a)との間に循環ダクト(51)を接続して、その循環
ダクト(51)に送風機を取り付けることにより、室内
の空気を床側から吸引して前記循環ダクト(51)を介
して側壁側通気路(12)から吹き出すことにより水平
方向へ向けた空気流を生じさせることができるようにし
たことによって、室内の空気を循環させることができる
ようになり、塗装乾燥時における加熱空気を効率よく昇
温させることができて、付加する加熱空気発生装置を容
易に省エネルギ化することができ、しかも塗装乾燥室を
コンパクトに形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る一室型塗装乾燥装置の構
造を一部破断一部分解して示す斜視図である。
【図2】実施例に係る一室型塗装乾燥装置の平面断面図
であって乾燥時における作用を示す図である。
【図3】実施例に係る一室型塗装乾燥装置の縦断面図で
あって乾燥時における作用を示す図である。
【図4】実施例に係る塗装時における作用を示す第3図
相当図である。
【図5】実施例に係る乾燥時における自動車C各部の温
度上昇状態の一例を示すグラフである。
【図6】実施例に係る温度上昇測定点を示す自動車Cの
側面図である。
【図7】実施例に係る一室型塗装乾燥装置の他の例を示
す縦断面図であって乾燥時における新鮮空気を取り入れ
る場合の作用を示す図である。
【図8】実施例に係る一室型塗装乾燥装置の他の例を示
す縦断面図であって乾燥時における新鮮空気を取り入れ
ない場合の作用を示す図である。
【図9】従来の一室型塗装乾燥装置の一例をその作用と
ともに示す縦断面図である。
【符号の説明】
B 一室型塗装乾燥装置 C 自動車(被塗装乾燥体) X 側面部 Y 上面部 10 塗装乾燥室 12 ダクト(側壁側通気路) 13 吹出口 15 上部開口 18 下部開口 20 送給装置 21 ダクト(吸気ダクト) 23 送風ファン 30 加熱空気発生装置 40 第一の吸引装置 41 排気ダクト 43 排気ファン 50 第二の吸引装置 51 循環ダクト 53 循環ファン 54 調風器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室内の天井側に開口を開けた天井側通気路
    (17)と、室内の側壁側に被塗装乾燥体(C)の側面
    位置に合わせて開度調節可能な開口を多数個開けた側壁
    側通気路(12)と、室内の床側に開口を開けた床側通
    気路(40a)とを備え、 室内で上下方向および水平方向の気流を同時発生可能に
    することを特徴とした塗装乾燥室。
  2. 【請求項2】天井側通気路(17)に吸気ダクト(2
    1)を接続するとともに床側通気路(40a)に排気ダ
    クト(41)を接続し、側壁側通気路(12)と床側通
    気路(40a)との間に循環ダクト(51)を接続し、
    各ダクト(21,41,51)を送風可能に形成して、
    天井側から床側へ向かう空気流と側壁側通気路(12)
    から水平方向へ向かう空気流とを同時発生可能にするこ
    とを特徴とした請求項1記載の塗装乾燥室。
JP5056020A 1993-03-16 1993-03-16 塗装乾燥室 Pending JPH0615216A (ja)

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