JPH0615046Y2 - 丸窓における中横枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、丸窓、すなわち正面視が円形やアーチ形等を
成す窓におけるアーチ状の中横枠に関する。

（従来の技術） 第１図に示すようなサンルーフにおいては各妻側の窓部
が丸窓Ａを形成しており、この丸窓Ａは、アーチ状の上
横枠１と、直線状の下横枠２と、これら上下横枠１，２
間で配されるアーチ状の中横枠３及び直線状の中縦枠
４，５とによって窓枠を構成し、この窓枠内の各枠１〜
５によって区画形成される部分にガラス板６，７，８を
嵌装してなるものである。

ところで、このような丸窓における従来の中横枠は、第
３図に符号３′で示すように、断面が横長矩形を成す中
空状の主型材(イ)と、この主型材(イ)の室外側端部の上下
両面にそれぞれ取付けられたガラス溝形成用の内外一対
の型材(ロ)(ハ)と、から構成されていて、これら主型材
(イ)及び各一対の型材(ロ)(ハ)がそれぞれ所要曲率に弯曲
され、各一対の型材(ロ)(ハ)がビス(ニ)によって相互連結
されると共に各内側の型材(ロ)が主型材(イ)の上下面に対
しビス(ホ)止めされることになり、また、この中横枠
３′に中縦枠４，５を連結するにあたっては、この中横
枠３′の主型材(イ)にボルト(ヘ)が貫通しうる孔をあけ
て、この孔に貫通されるボルト(ヘ)及びナット(ト)によっ
て、連結用アングル片(チ)の一端側を主型材(イ)の上下面
に固着し、この固着した各アングル片(チ)の他端側を各
中縦枠４，５に対しボルト(リ)止めするようにしてい
る。

（考案が解決しようとする課題） 従来の丸窓の中横枠は、主型材とこれの室外側端部の上
下各面に取着される内外一対のガラス溝形成用型材との
５つの型材によって構成されていることから、その曲成
作業にあたっては５つの型材を個別に曲げ加工する必要
があり、また内外一対のガラス溝形成用型材相互をビス
結合した上にこれらを更に主型材の上下両面にビス止め
しなければならず、したがって中横枠の製作に非常な手
間がかかってコスト高となる問題があった。

また一方では、中横枠の主体を成す主型材が中空角筒状
型材であるから、この中空状型材を曲げ加工機としては
最も簡便なロールベンダーを使用して曲成しようとする
と、この中空状型材がひしげてしまって製品価値が損な
われることになり、そのため敢えてパイプベンダーを使
用せざるを得なかったが、このパイプベンダーによると
型材の曲率が変更されればその曲率に応じたベンダー用
金型を製造する必要があるなど、コストが非常に高くつ
く問題があった。

本考案は上記の問題点に鑑み、製作が容易でコストを著
しく低減できる中横枠を提供することを目的としてい
る。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案の中横枠は、断面が矩
形を成す中空状の室内側型材であって、内部に補強片
が、また上下各端面にはボルトを長手方向スライド自在
に係嵌しうるボルト係嵌枠片が、更に室外側側面に型材
連結用突片がそれぞれ型材全長に亘って条設されている
室内側型材と、それぞれ断面コ字形を成す上下一対のガ
ラス嵌合用枠片がこれら枠片間に介在される垂直部片に
より一体連結されてなる室外側型材とを、所要曲率にて
それぞれアーチ状に曲成すると共に、室内側型材の型材
連結用突片と室外側型材の垂直部片とをビス結合してな
ることを特徴としている。

（実施例） 実施例について第１図及び第２図を参照して説明する
と、第１図に示すサンルーフは前述したように、各妻側
の窓部が丸窓Ａを形成するもので、この丸窓Ａはそれぞ
れアーチ状の上横枠１及び中横枠３と、それぞれ直線状
の下横枠２及び中縦枠４，５とからなる窓枠を有し、こ
の窓枠の各区画部分にガラス板６，７，８が嵌装されて
いる。

中横枠３は、第２図に示すように、断面が縦長矩形を成
す中空状の室内側型材11と、それぞれ断面コ字形を成す
上下対称形状の一対のガラス嵌合用枠片９，10がこれら
枠片９，10間に介在される垂直部片13により一体連結さ
れている室外側型材12とを、ロールベンダーを使用して
それぞれ所要曲率でアーチ状に曲成し、これら両型材1
1,12をビス14結合してなるものである。これらの型材1
1,12はそれぞれアルミ押出し型材からなる。

室内側型材11には、左右両垂壁15,16を相互連結してい
る上下水平壁17,18間に、これら水平壁17,18の幅方向の
中心線に沿って縦に延びる補強片19が介設され、そして
両垂壁15,16の上端面側には一対のボルト係嵌枠片20,20
が、また下端面側にも同様な一対のボルト係嵌枠片21,2
1がそれぞれ対向突設され、上側のボルト係嵌枠片20,20
間にはボルト22の頭を長手方向スライド自在に係嵌せし
めるボルト頭係嵌溝部20aとボルト22のねじ軸部を挿通
して上方へ突出せしめる開口溝部20bとがそれぞれ室内
側型材11の全長に亘って条設され、同様に下側のボルト
係嵌枠片21,21間にはボルト頭係嵌溝部21aとボルト22の
ねじ軸部を挿通して下方へ突出せしめる開口溝部21bと
がそれぞれ室内側型材11の全長に亘って条設されてい
る。更に、この室内側型材11の左側、すなわち室外側垂
壁16の外側面中央部には断面Ｌ字形の型材連結用突片23
が型材全長に亘って条設されている。

上記室内側型材11をアーチ状に曲成するにあたっては、
この型材11の上側のボルト係嵌枠片20,20上面に当接支
持されるベンダーロール、及び下側のボルト係嵌枠片2
1,21下面に当接支持されるベンダーロールからなる３点
支持方式のロールベンダーを用いて曲げ加工を行う。こ
の曲げ加工においては、この型材11が中空角筒状である
にもかかわらず、内部に補強片19を有しておりしかもこ
の型材11の断面が所謂対称形状をなしているため、ひし
げたり、室内側又は室外側に反りを生ずるようなことが
なく、元断面形状をほとんどそのまま維持することがで
きる。また、室外側型材12の曲成にあたっては、上部側
及び下部側の両ガラス嵌合用枠片９，10のそれぞれの内
部にベンダーロールを嵌合させて上記同様に曲げ加工を
行う。この場合においても、この型材12が中空部分をも
たずしかもその断面が対称形状を成しているので、ひし
げたり反りを生ずることがない。

上記のようにしてそれぞれアーチ状に曲成した室内側型
材11と室外側型材12とは、室内側型材11の型材連結用突
片23を、室外側型材12の室内側側面中央の凹条部に嵌合
させてその垂直部片13に当接し、室外側からビス14で数
箇所を締結することによって、アーチ状の中横枠３をき
わめて簡単に形成することができる。尚、これらの室内
側型材11と室外側型材12とは、アール状に曲成加工する
前に、両者をビス14結合しておいて両者を同時にロール
ベンダーにより曲成するようにしてもよい。

上記中横枠３を使用した丸窓Ａにおいて、この中横枠３
に中縦枠４，５を連結するにあたっては、室内側型材11
の上下両側に設けてあるボルト係嵌枠片20,20間及び21,
21間にそれぞれ適数個ずつボルト22を係嵌させておくと
共に、各ボルト22のねじ軸部にＬ字形の連結用アングル
片24の一端側を挿通させてナット25を軽く螺合してお
き、しかして各アングル片24を、ボルト22を介してスラ
イドさせながら、中縦枠４又は５の一端部が連結される
所定の位置まで移動させて来て、その位置においてボル
ト22のナット25を緊締してそのアングル片24の一端側を
中横枠３に固定させ、そのあと同アングル片24の他端側
を別のボルト26及びナット27によって中縦枠４又は５に
固定させればよく、それによって中縦枠４又は５の一端
部を中横枠３に対し連結することができる。

また、この中横枠３における室外側型材12の上部のガラ
ス嵌合用枠片９内にはガラス板６，８の下縁部が嵌合さ
れ、下部のガラス嵌合用枠片10内にはガラス板７の上縁
部が嵌合されることになる。

尚、第２図に示すように、上横枠１は、それぞれアーチ
状に曲成された主型材28とガラス嵌合用型材29と上部カ
バー用型材30とで構成され、また下横枠２は単一の直線
状型材よりなるもので、取付用アングル片31,32を介し
て躯体側の固定枠33に取付け固定されている。図中34は
サンルーフの上面において上横枠１，１相互間に配装さ
れた曲面状のガラス板を示している。

本実施例では、ボルト係嵌枠片として、室内側型材の上
下各端面においてその両側から対向突設させた一対の分
割枠片として例示しているが、必ずしもこのような分割
枠片とする必要はなく、ボルトを長手方向スライド可能
に係嵌しうる機能を有しておれば、上記枠片が互いに一
体に連結しているようなものとしてもよい。

（考案の効果） 本考案の中横枠は、断面が矩形を成す中空状の室内側型
材と、上下一対のガラス嵌合用枠片を有する室外側型材
との２個の部材により構成されているので、従来の中横
枠に比べ型材の曲成作業及び型材相互の連結作業が著し
く簡単となってコストの大幅な低減化を図ることができ
る。そして、室内側型材は中空状でありながら内部に補
強片を有するので、ロールベンダーを使用してアーチ曲
げ加工を行っても、ひしげることがなく型材の元断面形
状をほとんどそのまま維持することができ、したがって
製品価値を損なうことがなく、また曲げ加工機としては
最も簡便なロールベンダーの使用が可能であることから
パイプベンダーの使用による場合に比べ加工費を安くで
き、したがってまたコストの低減化を図ることができ
る。また、室内側型材の上下両端面側にボルト係嵌枠片
を有するすので、中横枠と中縦枠との連結にあたって、
各ボルト係嵌枠片にボルトを予めスライド可能に取付け
ておくことにより、中縦枠との連結位置の調整や変更を
適確に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図は第１
図のII−II線拡大断面図、第３図は従来例を示す断面図
である。 ３……中横枠、９，10……ガラス嵌合用枠片、11……室
内側型材、12……室外側型材、13……垂直部片、14……
ビス、19……補強片、20,21……ボルト係嵌枠片、22…
…ボルト、23……型材連結用突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】断面が矩形を成す中空状の室内側型材であ
   って、内部に補強片が、また上下各端面にはボルトを長
   手方向スライド自在に係嵌しうるボルト係嵌枠片が、更
   に室外側側面に型材連結用突片がそれぞれ型材全長に亘
   って条設されている室内側型材と、それぞれ断面コ字形
   を成す上下一対のガラス嵌合用枠片がこれら枠片間に介
   在される垂直部片により一体連結されてなる室外側型材
   とを、所要曲率にてそれぞれアーチ状に曲成すると共
   に、室内側型材の型材連結用突片と室外側型材の垂直部
   片とをビス結合してなる丸窓における中横枠。