JPH0615004U - 偏光解消板 - Google Patents

偏光解消板

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JPH0615004U
JPH0615004U JP5399492U JP5399492U JPH0615004U JP H0615004 U JPH0615004 U JP H0615004U JP 5399492 U JP5399492 U JP 5399492U JP 5399492 U JP5399492 U JP 5399492U JP H0615004 U JPH0615004 U JP H0615004U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分光装置等の分解能を落とさずに、しかも十
分な偏光解消効果が得られるような偏光解消板を提供す
る。 【構成】 この偏光解消板は、旋光性を有する異方性結
晶であって、入射光の振動方向と45°の方向に光学軸
を持つ第1の結晶と、入射光の入射進行方向と平行な方
向に光学軸を持つ第2の結晶から成り、ウェッジ角uで
この2つの結晶が張り合わされており、偏光解消板の厚
みをd0 としたものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は透過型もしくは反射型回折格子を分光素子に用いる分光光度計やスペ クトル・アナライザー等の測定装置の偏光特性の解消のために用いられる光学素 子に関する。
【0002】
【従来技術】
反射型回折格子を用いた分光測定装置の原理を図4に従って説明する。
【0003】 光源Sから出た光は回折格子Gにある入射角をもって入射する。回折格子によ って光は入射面と同一面内で回折されスリットSlを通って光電検出器Dに入射 する。この回折角は波長によって異なるため回折格子を回転させることによって 検出器に入射させる光の波長を変えることができる。このようにしてある光源の 光の波長分布を調べたり、試料の分光透過率や分光反射率を調べることができる 。 しかし、このシステムはこのままでは偏光依存性が大きく、測定再現性や測 定精度に信頼性が持てない。まず、回折格子に関しては電気ベクトルが格子溝と 平行方向に振動する入射光(P偏光)と垂直方向に振動する入射光(S偏光)と では回折効率が異なる。このため一定の強度の入射光であってもP偏光であるか S偏光であるか、あるいはその間の振動方向であるかによってそれぞれ違う強度 の光として検出されてしまう。
【0004】 さらに光電検出器にもP偏光とS偏光の変換効率が異なるといった偏光特性が ある。回折格子で回折された光は波長に応じてP偏光とS偏光の強度比が異なる ため同じ強度の光でも波長によって異なる強度の光として検出されてしまう。
【0005】 光電検出器の偏光特性はある光源からの光の強度を予めベースラインとして取 り込んでおき、それを元にした相対強度を測定する分光光度計ではあまり大きな 影響を及ぼさないが、光の絶対的な分光強度分布を測定するスペクトル・アナラ イザーでは大きな影響を及ぼす。
【0006】 以上述べたような回折格子に起因する偏光特性を消すためには、まず光源Sか ら出た光の偏光を解消し次に検出器に入射する光の偏光を解消すればよい。この ためにはP偏光成分やS偏光成分のような直交する2つの偏光成分の間の強度を 等しく割り振る偏光解消子が必要になる。このような偏光解消目的に使われる素 子には散乱板、リオ型偏光解消子、積分球、バビネ型解消板、コルニュー型解消 板、ロション型解消板等いろいろあるが、透過率が高く、コンパクトで安価な素 子として最もよく使われるのがロション型解消板である。
【0007】 (参考文献:R.Wetzel Optik 76 No.4 (1987) 178) このタイプの解消板の原理を図5に従って説明する。図5-(a)は解消板の側面 図であり、図5-(b)は解消板の正面図である。この解消板はウェッジのついた2 枚の旋光性を有する異方性結晶を張り合わせて作られ第1の結晶板の光学軸はy 軸と平行な方向にとり、第2の結晶板の光学軸はz軸と平行な方向にとるように 構成する。この解消板に図5のようにy軸(第1結晶板の光学軸の方向)に対し て45°の方向に振動する直線偏光が入射すると第1の結晶板では2つの偏光成 分間に位相差が生じ、第2の結晶板では両方の偏光成分の偏光面が回転する。結 晶板のウェッジのため2つの結晶の厚みがx座標ごとにことなるので、x軸方向 に広がった入射光には入射点ごとに違った位相差と違った旋光角が与えられる。 入射光のx方向の広がりが大きければ出射光を全開口で平均すると無偏光と同じ 等方的な光になる。
【0008】 この解消板ではx方向に振動する入射光成分は結晶を直進するがy方向に振動 する入射光成分は結晶を通過するときに異常光線から常光線へ切りかわるため、 境界面で屈折し、図5-(a)のように出射光は少し傾いて出てくる。このために像 は必ずx−z面内で2つに分離する。
【0009】 また、入射光がx方向に振動する直線偏光のみ、あるいはy方向に振動する直 線偏光のみのときには第1の結晶板では位相差が与えられないため解消効果は劣 化する。
【0010】
【考案が解決しようとする問題点】
従来の解消板を図4の分光光学系に適用した場合について図6に従って説明す る。
【0011】 光源から回折格子の中心へ向かってz軸をとった直交座標系をxyz座標、回 折格子の中心からスリットの中心へ向かってz′軸をとった直交座標系をx′y ′z′座標とする。
【0012】 偏光特性が最も問題になるのは入射光の偏光方向がx方向にむいているP偏光 やy方向にむいているS偏光のときであるが、この入射光の偏光を解消するには 図6に示したように光源と回折格子の間に解消板Dp をx−y面内で45°回転 させてそう入しなければならない。すると解消板によって光はx−y面内で45 °の向きに2光束に分離することになる。このため分離光は同じ波長の光でも回 折格子によりスリット上ではy′方向にばらけて分布することになる。ところが 、回折格子はy′方向に波長ごとに分光させる素子であるから、スリットには取 り出したい波長の光の他に他波長の分離光が入ってくることになる。この結果、 分光装置の波長分解能は著しく劣化する。この分離光がスリット上のx′方向( x′−z′面内)にばらけるなら分解能を落とすことがないのだが、このために は解消板のウェッジの最大傾斜方向をx−z面内に向けなければならない。この とき従来の解消板では回転角を45°から90°に変更しなければならないが、 それでは解消効果が著しく劣化してしまう。これと同様のジレンマは検出器の偏 光特性を解消する目的で解消子を回折格子とスリットの間にそう入する場合にも 起こる。
【0013】 本考案は上記のような従来型偏光解消板の欠点に鑑みてなされ、分光装置の分 解能を落とさずにしかも、十分な解消効果が得られるような偏光解消板を提供す ることを目的とする。
【0014】
【問題を解決するための手段】
本考案の偏光解消板の構成を図1に従って説明する。図1-(a)は本考案の偏光 解消板の側面図であり、図1-(b)は正面図である。
【0015】 これも旋光性を有する2枚の異方性結晶から構成されるが、第1結晶の光学軸 方向が従来の解消板とは異なる。すなわち従来の解消板の第1結晶の光学軸がy 軸方向と平行だったのに対し本考案ではx−y面内で45°傾けた方向に光学軸 をとる。第2結晶の光学軸については従来と同じz軸方向にとる。
【0016】
【作用】
第1結晶の光学軸の方向をx−y面内で45°傾けているので、最も解消効果 が出るのは入射光の偏光方向がx方向かy方向に向いているときである。このと きも出射光はx−z面内で2方向に分離する。そして、分光測定装置等の光学系 に解消板をx−y面内で45°回転させて挿入する必要がないために、回折格子 への入射光は同じ波長の光でもy′方向に分布することがない。
【0017】
【実施例】
図1は本考案の偏光解消板の一実施例を示す構成図であり、図1-(a)は側面図 であり、図1-(b)は正面図である。第1の結晶と第2の結晶はウェッジ角uで張 り合わされており、d0 の厚みで構成されている。そして入射光の進行方向をx yz直交座標系のz軸方向にとり、ウェッジの最大傾斜方向をx−z面内にとっ たとき、第1の結晶は、x−y面内でかつx軸と45°の方向に光学軸を持って おり、第2の結晶は、z軸方向に光学軸を持っている。
【0018】 入射光の偏光方向がx方向かy方向に向いているときは、出射光はx−z面内 で2方向に分離し、前述したように出射光を全開口で平均すると無偏光と同じ等 方的な光になる。
【0019】 図1に示す解消板を図4の光学系に適用した例を図2に示す。入射光がP偏光 かS偏光のとき解消板のウェッジの最大傾斜方向をx−z面内にくるように配置 すればよいので出射光はx−z面内で2光束に分離する。さらに回折格子で回折 されて光はスリットに入射するが同一波長の分離光はスリット上のx′方向に分 布する。他の波長の回折光はx′y′z′座標系でy′方向に波長ごとに並ぶの でスリット上に他の波長の回折光が入射することはない。従って解消板による2 光束への分離が分光装置の波長分解能に著しい劣化をもたらすことはない。
【0020】 次にこの偏光解消板にx方向に振動する直線偏光が入射した場合の出射光の偏 光度を計算する。
【0021】 解消板の厚みをd0 、ウェッジ角をuとすると第1結晶の厚さd1 と第2結晶 の厚さd2 はxに依存し d1 (x) =tan u x +d0 /2 (1-a) d2 (x) =−tan u x +d0 /2 (1-b) で与えられる。
【0022】 第1結晶で与えられる位相差をδ(x) 、第2結晶で与えられる旋光角をθ(x) とすると δ(x) =2π/λΔn(λ)tan u x +π/λΔn(λ)d0 =a1 x+b1 (2-a) 2θ(x) =−2α(λ)tan u x +α(λ)d0 =a2 x+b2 (2-b) となる。ただし、ここでλは入射光の波長を表わしΔn(λ)は常光線と異常光 線の主屈折率の差を表わし、α(λ)は結晶の厚さ1mmあたりの旋光角を表わす 。 方位45°の位相板のミュラー行列R(π/4,δ)と旋光板のミュラー行 列T(θ)は
【数1】 で表わされるので解消板のミュラー行列D(δ,θ)は次のように表わされる。
【数2】 ここで<>は入射光ビームの断面積についての平均を表わす。
【0023】 入射光はx方向に振動する直線偏光なので、ストークスパラメーターベクトル Sin
【数3】 と表わされる。このとき出射光のストークスパラメーターベクトルSout はベク トルSout =D(δ,θ)×ベクトルSinで与えられるので
【数4】 となる。
【0024】 入射光ビームの断面がx方向の長さがlの矩形である場合について考えると
【数5】 となる。
【0025】 但し、ここでap =a2 +a1 、bp =b2 +b1 、am =a2 −a1 、bm =b2 −b1 とおいた。(7)(8)を用いると出射光の偏光度Pは次のようになる。
【数6】 旋光性をもつ異方性結晶として人工水晶を用いウェッジ角を15°にとったと きの本考案の偏光解消板の実施例について入射ビームの断面のx方向の長さlを 変化させたときの出射光の偏光度の変化を図3に示す。
【0026】 入射波長は0.78μm 、 1.3μm 、1.55μm の3波長について計算した。グラフ から明らかなように波長が短いほどまたlが長いほど偏光解消の度合いは大きく なる。
【0027】 入射光の偏光依存性を解消するためには解消板を光源の直後におけばよいし、 検出器の偏光依存性を解消するためには検出器の前に解消板をおけばよい。
【0028】
【考案の効果】
本考案の偏光解消板を用いれば回折格子を用いた分光測定装置の偏光特性を分 解能を落とさずに解消することができ、本質的に入射光の光量をそこなうことは ない。しかもコンパクトで量産むきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の偏光解消板の構成図で (a)は側面図を
表わし (b)は正面図を表わす。
【図2】本考案の偏光解消板を第1図に示した光学系に
適用した例について説明した図。
【図3】本考案の偏光解消板の実施例について口径と出
射光の偏光度の関係を示したグラフ。
【図4】反射型回折格子を分光素子に用いた分光測定装
置の光学系の原理図。
【図5】従来の偏光解消板の構成図で (a)は側面図を表
わし、 (b)は正面図を表わす。
【図6】従来の偏光解消板を第1図に示した光学系に適
用した例について説明した図。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つのウェッジつき異方性結晶を張り合
    わせた偏光解消板であって入射光の進行方向をxyz直
    交座標系のz軸方向にとり、ウェッジの最大傾斜方向を
    x−z面内にとったとき第1の結晶の光学軸をx−y面
    内でかつx軸と45°をなす方向にとり、第2の結晶の
    光学軸をz軸方向にとることを特徴とする偏光解消板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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