JP2505083Y2 - 偏光解消板 - Google Patents

偏光解消板

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JP2505083Y2
JP2505083Y2 JP5399492U JP5399492U JP2505083Y2 JP 2505083 Y2 JP2505083 Y2 JP 2505083Y2 JP 5399492 U JP5399492 U JP 5399492U JP 5399492 U JP5399492 U JP 5399492U JP 2505083 Y2 JP2505083 Y2 JP 2505083Y2
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Shimadzu Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は透過型もしくは反射型回
折格子を分光素子に用いる分光光度計やスペクトル・ア
ナライザー等の測定装置の偏光特性の解消のために用い
られる光学素子に関する。
【0002】
【従来技術】反射型回折格子を用いた分光測定装置の原
理を図4に従って説明する。
【0003】光源Sから出た光は回折格子Gにある入射
角をもって入射する。回折格子によって光は入射面と同
一面内で回折されスリットSlを通って光電検出器Dに
入射する。この回折角は波長によって異なるため回折格
子を回転させることによって検出器に入射させる光の波
長を変えることができる。このようにしてある光源の光
の波長分布を調べたり、試料の分光透過率や分光反射率
を調べることができる。 しかし、このシステムはこの
ままでは偏光依存性が大きく、測定再現性や測定精度に
信頼性が持てない。まず、回折格子に関しては電気ベク
トルが格子溝と平行方向に振動する入射光(P偏光)と
垂直方向に振動する入射光(S偏光)とでは回折効率が
異なる。このため一定の強度の入射光であってもP偏光
であるかS偏光であるか、あるいはその間の振動方向で
あるかによってそれぞれ違う強度の光として検出されて
しまう。
【0004】さらに光電検出器にもP偏光とS偏光の変
換効率が異なるといった偏光特性がある。回折格子で回
折された光は波長に応じてP偏光とS偏光の強度比が異
なるため同じ強度の光でも波長によって異なる強度の光
として検出されてしまう。
【0005】光電検出器の偏光特性はある光源からの光
の強度を予めベースラインとして取り込んでおき、それ
を元にした相対強度を測定する分光光度計ではあまり大
きな影響を及ぼさないが、光の絶対的な分光強度分布を
測定するスペクトル・アナライザーでは大きな影響を及
ぼす。
【0006】以上述べたような回折格子に起因する偏光
特性を消すためには、まず光源Sから出た光の偏光を解
消し次に検出器に入射する光の偏光を解消すればよい。
このためにはP偏光成分やS偏光成分のような直交する
2つの偏光成分の間の強度を等しく割り振る偏光解消子
が必要になる。このような偏光解消目的に使われる素子
には散乱板、リオ型偏光解消子、積分球、バビネ型解消
板、コルニュー型解消板、ロション型解消板等いろいろ
あるが、透過率が高く、コンパクトで安価な素子として
最もよく使われるのがロション型解消板である。
【0007】(参考文献:R.Wetzel Optik 76 N
o.4 (1987) 178) このタイプの解消板の原理を図5に従って説明する。図
5-(a)は解消板の側面図であり、図5-(b)は解消板の正
面図である。この解消板はウェッジのついた2枚の旋光
性を有する異方性結晶を張り合わせて作られ第1の結晶
板の光学軸はy軸と平行な方向にとり、第2の結晶板の
光学軸はz軸と平行な方向にとるように構成する。この
解消板に図5のようにy軸(第1結晶板の光学軸の方
向)に対して45°の方向に振動する直線偏光が入射す
ると第1の結晶板では2つの偏光成分間に位相差が生
じ、第2の結晶板では両方の偏光成分の偏光面が回転す
る。結晶板のウェッジのため2つの結晶の厚みがx座標
ごとにことなるので、x軸方向に広がった入射光には入
射点ごとに違った位相差と違った旋光角が与えられる。
入射光のx方向の広がりが大きければ出射光を全開口で
平均すると無偏光と同じ等方的な光になる。
【0008】この解消板ではx方向に振動する入射光成
分は結晶を直進するがy方向に振動する入射光成分は結
晶を通過するときに異常光線から常光線へ切りかわるた
め、境界面で屈折し、図5-(a)のように出射光は少し傾
いて出てくる。このために像は必ずx−z面内で2つに
分離する。
【0009】また、入射光がx方向に振動する直線偏光
のみ、あるいはy方向に振動する直線偏光のみのときに
は第1の結晶板では位相差が与えられないため解消効果
は劣化する。
【0010】
【考案が解決しようとする問題点】従来の解消板を図4
の分光光学系に適用した場合について図6に従って説明
する。
【0011】光源から回折格子の中心へ向かってz軸を
とった直交座標系をxyz座標、回折格子の中心からス
リットの中心へ向かってz′軸をとった直交座標系を
x′y′z′座標とする。
【0012】偏光特性が最も問題になるのは入射光の偏
光方向がx方向にむいているP偏光やy方向にむいてい
るS偏光のときであるが、この入射光の偏光を解消する
には図6に示したように光源と回折格子の間に解消板D
p をx−y面内で45°回転させてそう入しなければな
らない。すると解消板によって光はx−y面内で45°
の向きに2光束に分離することになる。このため分離光
は同じ波長の光でも回折格子によりスリット上ではy′
方向にばらけて分布することになる。ところが、回折格
子はy′方向に波長ごとに分光させる素子であるから、
スリットには取り出したい波長の光の他に他波長の分離
光が入ってくることになる。この結果、分光装置の波長
分解能は著しく劣化する。この分離光がスリット上の
x′方向(x′−z′面内)にばらけるなら分解能を落
とすことがないのだが、このためには解消板のウェッジ
の最大傾斜方向をx−z面内に向けなければならない。
このとき従来の解消板では回転角を45°から90°に
変更しなければならないが、それでは解消効果が著しく
劣化してしまう。これと同様のジレンマは検出器の偏光
特性を解消する目的で解消子を回折格子とスリットの間
にそう入する場合にも起こる。
【0013】本考案は上記のような従来型偏光解消板の
欠点に鑑みてなされ、分光装置の分解能を落とさずにし
かも、十分な解消効果が得られるような偏光解消板を提
供することを目的とする。
【0014】
【問題を解決するための手段】本考案の偏光解消板の構
成を図1に従って説明する。図1-(a)は本考案の偏光解
消板の側面図であり、図1-(b)は正面図である。
【0015】これも旋光性を有する2枚の異方性結晶か
ら構成されるが、第1結晶の光学軸方向が従来の解消板
とは異なる。すなわち従来の解消板の第1結晶の光学軸
がy軸方向と平行だったのに対し本考案ではx−y面内
で45°傾けた方向に光学軸をとる。第2結晶の光学軸
については従来と同じz軸方向にとる。
【0016】
【作用】第1結晶の光学軸の方向をx−y面内で45°
傾けているので、最も解消効果が出るのは入射光の偏光
方向がx方向かy方向に向いているときである。このと
きも出射光はx−z面内で2方向に分離する。そして、
分光測定装置等の光学系に解消板をx−y面内で45°
回転させて挿入する必要がないために、回折格子への入
射光は同じ波長の光でもy′方向に分布することがな
い。
【0017】
【実施例】図1は本考案の偏光解消板の一実施例を示す
構成図であり、図1-(a)は側面図であり、図1-(b)は正
面図である。第1の結晶と第2の結晶はウェッジ角uで
張り合わされており、d0 の厚みで構成されている。そ
して入射光の進行方向をxyz直交座標系のz軸方向に
とり、ウェッジの最大傾斜方向をx−z面内にとったと
き、第1の結晶は、x−y面内でかつx軸と45°の方
向に光学軸を持っており、第2の結晶は、z軸方向に光
学軸を持っている。
【0018】入射光の偏光方向がx方向かy方向に向い
ているときは、出射光はx−z面内で2方向に分離し、
前述したように出射光を全開口で平均すると無偏光と同
じ等方的な光になる。
【0019】図1に示す解消板を図4の光学系に適用し
た例を図2に示す。入射光がP偏光かS偏光のとき解消
板のウェッジの最大傾斜方向をx−z面内にくるように
配置すればよいので出射光はx−z面内で2光束に分離
する。さらに回折格子で回折されて光はスリットに入射
するが同一波長の分離光はスリット上のx′方向に分布
する。他の波長の回折光はx′y′z′座標系でy′方
向に波長ごとに並ぶのでスリット上に他の波長の回折光
が入射することはない。従って解消板による2光束への
分離が分光装置の波長分解能に著しい劣化をもたらすこ
とはない。
【0020】次にこの偏光解消板にx方向に振動する直
線偏光が入射した場合の出射光の偏光度を計算する。
【0021】解消板の厚みをd0 、ウェッジ角をuとす
ると第1結晶の厚さd1 と第2結晶の厚さd2 はxに依
存し d1 (x) =tan u x +d0 /2 (1-a) d2 (x) =−tan u x +d0 /2 (1-b) で与えられる。
【0022】第1結晶で与えられる位相差をδ(x) 、第
2結晶で与えられる旋光角をθ(x)とすると δ(x) =2π/λΔn(λ)tan u x +π/λΔn(λ)d0 =a1 x+b1 (2-a) 2θ(x) =−2α(λ)tan u x +α(λ)d0 =a2 x+b2 (2-b) となる。ただし、ここでλは入射光の波長を表わしΔn
(λ)は常光線と異常光線の主屈折率の差を表わし、α
(λ)は結晶の厚さ1mmあたりの旋光角を表わす。 方
位45°の位相板のミュラー行列R(π/4,δ)と旋
光板のミュラー行列T(θ)は
【数1】 で表わされるので解消板のミュラー行列D(δ,θ)は
次のように表わされる。
【数2】 ここで<>は入射光ビームの断面積についての平均を表
わす。
【0023】入射光はx方向に振動する直線偏光なの
で、ストークスパラメーターベクトルSin
【数3】 と表わされる。このとき出射光のストークスパラメータ
ーベクトルSout はベクトルSout =D(δ,θ)×ベ
クトルSinで与えられるので
【数4】 となる。
【0024】入射光ビームの断面がx方向の長さがlの
矩形である場合について考えると
【数5】 となる。
【0025】但し、ここでap =a2 +a1 、bp =b
2 +b1 、am =a2 −a1 、bm=b2 −b1 とおい
た。(7)(8)を用いると出射光の偏光度Pは次のようにな
る。
【数6】 旋光性をもつ異方性結晶として人工水晶を用いウェッジ
角を15°にとったときの本考案の偏光解消板の実施例
について入射ビームの断面のx方向の長さlを変化させ
たときの出射光の偏光度の変化を図3に示す。
【0026】入射波長は0.78μm 、 1.3μm 、1.55μm
の3波長について計算した。グラフから明らかなように
波長が短いほどまたlが長いほど偏光解消の度合いは大
きくなる。
【0027】入射光の偏光依存性を解消するためには解
消板を光源の直後におけばよいし、検出器の偏光依存性
を解消するためには検出器の前に解消板をおけばよい。
【0028】
【考案の効果】本考案の偏光解消板を用いれば回折格子
を用いた分光測定装置の偏光特性を分解能を落とさずに
解消することができ、本質的に入射光の光量をそこなう
ことはない。しかもコンパクトで量産むきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の偏光解消板の構成図で (a)は側面図を
表わし (b)は正面図を表わす。
【図2】本考案の偏光解消板を第1図に示した光学系に
適用した例について説明した図。
【図3】本考案の偏光解消板の実施例について口径と出
射光の偏光度の関係を示したグラフ。
【図4】反射型回折格子を分光素子に用いた分光測定装
置の光学系の原理図。
【図5】従来の偏光解消板の構成図で (a)は側面図を表
わし、 (b)は正面図を表わす。
【図6】従来の偏光解消板を第1図に示した光学系に適
用した例について説明した図。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つのウェッジつき異方性結晶を張り合
    わせた偏光解消板であって入射光の進行方向をxyz直
    交座標系のz軸方向にとり、ウェッジの最大傾斜方向を
    x−z面内にとったとき第1の結晶の光学軸をx−y面
    内でかつx軸と45°をなす方向にとり、第2の結晶の
    光学軸をz軸方向にとることを特徴とする偏光解消板。
JP5399492U 1992-07-31 1992-07-31 偏光解消板 Expired - Lifetime JP2505083Y2 (ja)

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JPH0615004U JPH0615004U (ja) 1994-02-25
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JPH10126002A (ja) * 1996-10-23 1998-05-15 Matsushita Electron Corp 光伝送モジュール
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