JPH06145681A - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

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JPH06145681A
JPH06145681A JP29959492A JP29959492A JPH06145681A JP H06145681 A JPH06145681 A JP H06145681A JP 29959492 A JP29959492 A JP 29959492A JP 29959492 A JP29959492 A JP 29959492A JP H06145681 A JPH06145681 A JP H06145681A
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fluid
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electrorheological fluid
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fine particles
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JP29959492A
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Makoto Kanbara
誠 神原
Hirotaka Tomizawa
広隆 富沢
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の電気粘性流体は、電気絶縁性流体
に、金属酸化物または水酸化物の超微粒子ゾルを溶媒置
換して得られる無機微粒子及び多価アルコール類を配合
したことを特徴とする。 【効果】 本発明の電気粘性流体は、多価アルコールを
分極促進剤とし、非水系とすることにより、電気粘性効
果の耐久性に優れるものとできるものであるが、この系
において、金属酸化物または水酸化物の超微粒子ゾルを
溶媒置換して得られる無機微粒子を分散質とすると、シ
リカゲルを使用する場合と比較してより分散性に優れ、
且つ耐久性に優れた電気粘性流体とできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変減衰ダンパ、エン
ジンマウント、軸受ダンパ、クラッチ、バルブ、ショッ
クアブソーバー、表示素子等の電気的制御に利用できる
電気粘性流体に関し、特に直流電圧の印加に際して安定
した増粘特性が得られる電気粘性流体に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧の印加により流体の粘度が変化する
電気粘性流体( Electro-RheologicalFluid、Electrovi
scous Fluid、)は古くから知られている(Duff,A.W.P
hysical Review Vol ,4 ,No.1(1896)23)。電気粘性
流体に関する当初の研究は、液体のみの系に注目したも
のであり、効果も不充分なものであるが、その後固体分
散系の電気粘性流体の研究に移り、かなりの電気粘性効
果が得られるようになった。
【0003】電気粘性流体における増粘効果(ER効
果)の発現メカニズムとしては、例えば Klassは、電気
粘性流体中の分散質である各粒子は電場内で二層構造の
誘電分極(Induced Polarization of the Double Laye
r)を生じ、これが主因であるとしている( Klass,D.
L.,et al.,J.of Applied Physics,Vol.38,No1(196
7)67)。これを電気二重層(electric double layer )
から説明すると、分散質(シリカゲル等)の周囲に吸着
したイオンは、E(電場)=0の時は分散質の外表面に
均一に配置しているが、E(電場)=有限値の時はイオ
ン分布に片寄りが生じ、各粒子は電場内で相互に静電気
作用を及ぼし合うようになる。このようにして電極間に
おいて各粒子がブリッジ(架橋)を形成し、応力に対し
て剪断抵抗力を発現、即ちER効果を発現するようにな
る。
【0004】又、Winslow はパラフィンとシリカゲル粉
末、それに分極剤として水を使用した電気粘性流体を提
案した( Winslow,W.M.,J.of Applied Physics,Vol.
20(1949)1137)。この Winslowの研究により電気粘性流
体のもつ電気粘性効果は Winslow効果と呼ばれている。
しかしながら、水の存在による電気分解等の作用により
電気粘性効果が低下するという問題がある。そのため、
最近、分極剤として水に代えて、多価アルコール類を添
加して電気粘性効果の持続性を図ることが提案され、交
流電場において安定した電気粘性流体がえられている。
【0005】また、一般に、電気粘性流体においては、
分散質である無機微粒子の比重が液相成分の比重より高
く、長期間放置すると相分離し、再び分散させるのが困
難な沈澱物を形成するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気絶縁性
流体に分極促進剤として多価アルコール類を含有し、非
水系である電気粘性流体であって、分散安定性に優れる
と共に耐久性に優れる電気粘性流体の提供を課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電気粘性流体
は、電気絶縁性流体に金属酸化物または水酸化物の超微
粒子ゾルを溶媒置換して得られる無機微粒子及び多価ア
ルコール類を配合したことを特徴とする。
【0008】金属酸化物または水酸化物の超微粒子ゾル
を溶媒置換して得られる無機微粒子について説明する。
金属酸化物または水酸化物の超微粒子ゾルとしては、例
えばコロイダルシリカ(シリカゾル)が挙げられ、シリ
カ分を0.01〜50重量%含有し、アルカリ金属をS
iO2 /Me2 O(Meは一価アルカリ金属)のモル比
として5〜5000、場合によっては含有しないもので
あり、シリカ粒子径は1〜150nmである。シリカゾ
ルにおける分散媒としては、水またはメタノール、エタ
ノール、t−プロパノール、t−ブタノール、エチレン
グリコールやポリエチレングリコール等のグリコール
類、アセトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフ
ラン等の有機溶剤、もしくは水と親水性溶剤との混合溶
剤が用いられているが、本発明の電気粘性流体は非水系
であるので、シリカゾルにおける溶剤系としては、好ま
しくは有機溶剤系である。なお、エチルシリケート等の
アルキルシリケートまたはその加水分解物を使用しても
よい。
【0009】本発明の電気粘性流体中に、シリカ微粒子
を存在させるには、上記シリカゾルを、電気絶縁性流体
と相溶性を有する、例えばメチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ等の有機溶剤を使用して溶媒置換し、次いで電
気絶縁性流体中に分散させることにより得られる。な
お、本発明の電気粘性流体は、非水系であるので、水を
溶剤とする時には、溶媒置換を完全に行う必要がある。
また、上記シリカゾルを蒸留して溶剤である水及びメタ
ノール、エタノール、t−プロパノール、アセトン等の
低沸点物を留去する、又は限外濾過膜を用いる、更にモ
レキュラーシーブを用いる等の方法により溶媒を除去し
た後、シリカ微粒子を電気絶縁性流体中に分散させても
よい。電気絶縁性流体中において、シリカ微粒子の分散
は極めて良好であり、ゲル状態のシリカゲル等に比して
優れた分散安定性と電気粘性効果を示す。
【0010】尚、無機微粒子としては上記シリカゾル由
来のものの他に、アルミナゾル、チタニアゾル、酸化ス
ズゾル、酸化アンチモンゾル等であってもよく、また、
上記金属の水酸化物でもよく、更にこれらは単独でも、
又は混合物であってもよい。本発明の電気粘性流体中に
おける無機微粒子分は、0.1重量%〜50重量%の割
合で含有されるとよく、50重量%を越えると電気粘性
効果がなくなるので好ましくない。
【0011】本発明における電気絶縁性流体としては、
鉱油、合成潤滑油があり、具体的にはパラフィン系鉱
油、ナフテン系鉱油、またポリ- α- オレフィン、ポリ
アルキレングリコール、エステル油、ジエステル、ポリ
オールエステル、燐酸エステル、弗素油、アルキルベン
ゼン、アルキルジフェニルエーテル、アルキルビフェニ
ル、アルキルナフタレン、ポリフェニルエーテル、合成
炭化水素油があげられ、粘度範囲は40℃において5〜3
00cStのものが使用できる。好ましくは、鉱油、ア
ルキルベンゼン、ジエステルやポリオールエステル等の
エステル油、ポリ−α−オレフィン等が挙げられる。
【0012】本発明の電気粘性流体には、分極促進剤と
して、例えば多価アルコール又はその部分誘導体が添加
される。多価アルコールとしては、二価アルコール、三
価アルコール、例えばエチレングリコール、グリセリ
ン、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、ヘキサンジオール、エチレンオキサイド単位を1
〜14有するポリエチレングリコール、一般式R〔(O
3 6 n OH〕m (式中、Rは水素又は多価アルコ
ール残基、mは1〜6の整数、nは1〜17の整数を表
わす)、一般式R−CH(OH)(CH2 n OH(式
中、Rは水素又はCH3 (CH2 m −基であり、m+
nは2〜14の整数を表わす)で示されるもの等を挙げ
ることができる。これらの中でも、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ールが特に好ましい。
【0013】又、多価アルコールの部分誘導体として
は、少なくとも1つの水酸基を有する多価アルコールの
部分誘導体であり、上記多価アルコールの末端水酸基の
内の幾つかがメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、アルキル置換フェニル基(フェニル基に置換された
アルキル基の炭素数は1〜25)等により置換された部
分エーテル類、またその末端水酸基の内の幾つかが酢
酸、プロピオン酸、酪酸等によりエステル化された部分
エステル類が挙げられる。
【0014】これらの多価アルコール又はその部分誘導
体は、通常分散質に対して1重量%〜100重量%、好
ましくは2重量%〜80重量%使用するとよい。添加量
が1重量%未満であるとER効果が少なく、又100重
量%を越えると電流が流れやすくなるので好ましくな
い。
【0015】又、更に酸、塩、又は塩基成分を添加して
もよい。このような酸成分としては硫酸、塩酸、硝酸、
過塩素酸、クロム酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、或は
酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、
シュウ酸、マロン酸等の有機酸が使用される。塩として
は、金属又は塩基性基(NH4 + 、N2 5 + 等)と酸
基からなる化合物であり、これらはいずれでも使用する
ことができる。中でも多価アルコール、多価アルコール
部分誘導体の系に溶解して解離するもの、例えばアルカ
リ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物などの典型的
なイオン結晶を形成するもの、あるいは有機酸のアルカ
リ金属塩などが好ましい。この種の塩として、LiC
l、NaCl、KCl、MgCl2 、CaCl2 、Ba
Cl2 、LiBr、NaBr、KBr、MgBr2 、L
iI、NaI、KI、AgNO3 、Ca( NO3 )2、N
aNO2 、NH4 NO3 、K2 SO4 、Na2 SO4
NaHSO4 、(NH4 2 SO4 あるいはギ酸、酢
酸、シュウ酸、コハク酸などのアルカリ酸金属塩があ
る。塩基としてはアルカリ金属或いはアルカリ土類金属
の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アミン類などであ
り、多価アルコール、多価アルコール部分誘導体に溶解
して解離するものが好ましい。この種の塩基として、N
aOH、KOH、Ca(OH)2 、Na2 CO3 、Na
HCO3 、K3 PO4 、Na3 PO4 、アニリン、アル
キルアミン、エタノールアミンなどがある。尚、前記し
た塩と塩基を併用することもできる。
【0016】酸、塩、塩基類は、分極効果を増大させる
ことができるものであるが、多価アルコール及び/又は
多価アルコール部分誘導体と組合せ使用することによ
り、より分極効果を増大させることができるものであ
り、電気粘性流体全体で0.01重量%〜5重量%の割
合で使用するとよい。0.01重量%未満であるとER
効果が少なく、また5重量%を越えると通電しやすくな
り、消費電力が増大するので好ましくない。
【0017】本発明の電気粘性流体においては、分散質
は極めて良好な分散状態であるが、必要に応じて無灰分
散剤を添加してもよい。無灰分散剤を添加すると、電気
粘性流体の基底粘度を低下させることができ、電気粘性
流体を用いる機械システムの応用範囲を広げることがで
きる。無灰分散剤としては、例えばスルホネート類、フ
ェネート類、ホスホネート類、コハク酸イミド類、アミ
ン類、非イオン系分散剤等が使用され、具体的にはマグ
ネシウムスルホネート、カルシウムスルホネート、カル
シウムホスホネート、ポリブテニルコハク酸イミド、ソ
ルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート等が
挙げられる。中でもポリブテニルコハク酸イミドが好ま
しい。これらは通常、電気粘性流体全体で0.1重量%
〜20重量%の割合で使用される。
【0018】また、本発明の電気粘性流体においては、
分散質は極めて良好な分散状態にあるが、界面活性剤を
添加することにより、より分散性に優れるものとでき
る。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオ
ン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤を
使用することができる。
【0019】非イオン界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリ
コールエチレンジアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレング
リコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ペンタエリトリット脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂
肪酸エタノールアミド等が挙げられる。
【0020】また、アニオン界面活性剤としては、脂肪
酸アルカリ塩、アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂
肪酸多価アルコール硫酸エステル塩、硫酸化油、脂肪酸
アニリド硫酸エステル塩、石油スルホン酸塩、アルキル
ナフタリンスルホン酸塩、ジナフチルメタンスルホン酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等が
挙げられる。
【0021】更に、カチオン界面活性剤としては、弱カ
チオン性のカチオン界面活性剤として、例えばアルキル
アミン及びそのポリオキシアルキレン付加物として、例
えばオクチルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミ
ン、オレイルアミン、ステアリルアミン及びそのエチレ
ンオキシド5〜15モル付加物、プロピレンオキシド5
〜15モル付加物等が挙げられる。また、弱カチオン性
のカチオン界面活性剤として、高級アルキル基置換され
ていてもよいアルキレンジアミン、ジアルキレントリア
ミン等のポリアミン類のポリオキシアルキレン付加物と
して、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン
等のエチレンオキシド0〜100モル付加物又はエチレ
ンオキシド0〜100モルとプロピレンオキシド0〜1
00モルとのブロック又はランダム付加物、オレイルプ
ロピレンジアミン、ステアリルプロピレンジアミンのエ
チレンオキシド0〜100モル付加物が挙げられる。更
に、弱カチオン性のカチオン界面活性剤として、高級脂
肪酸アミド等のポリオキシアルキレン付加物として、例
えばオレイン酸アミド、ステアリン酸アミドのエチレン
オキシド5〜15モル付加物、プロピレンオキシド5〜
15モル付加物等等が挙げられる。カチオン性の強いカ
チオン界面活性剤としては、デカノイルクロリド、アル
キルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム
塩、アルキルアミン塩等があり、具体的には塩化セチル
トリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルア
ンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩
化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリル
ジメルベンジルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルア
ミノエチルアミド、ココナットアミンアセテート、ステ
アリルアミンアセテート、ココナットアミン塩酸塩、ス
テアリルアミン塩酸塩等が挙げられる。カチオン性の強
いカチオン界面活性剤の場合には電気粘性流体の使用温
度が100℃近くの高温となると導電性が高くなるの
で、上記の界面活性剤の中でも、特に弱カチオン性界面
活性剤を使用するのが好ましく、低温域から高温域まで
の広い温度範囲での作動において低導電性を維持するこ
とができる。
【0022】界面活性剤の含有量は、電気粘性流体中、
0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%
〜5重量%の割合で使用するとよく、10重量%を越え
ると導電性が高くなるので好ましくない。
【0023】本発明の電気粘性流体には、必要に応じて
他の添加剤として酸化防止剤、腐食防止剤、摩耗防止
剤、極圧剤、消泡剤等を添加される。
【0024】酸化防止剤は、電気絶縁性液体の酸化防止
と共に、分極促進剤である多価アルコール、多価アルコ
ール部分誘導体等の酸化を防止することを目的とするも
のである。酸化防止剤としては、分極促進剤、分散質等
に不活性なものを使用するとよく、慣用されるフェノー
ル系、アミン系酸化防止剤を使用することができ、具体
的にはフェノール系としては2・6−ジ−t−ブチルパ
ラクレゾール、4・4’−メチレンビス(2・6−ジ−
t−ブチルフェノール)、2・6−ジ−t−ブチルフェ
ノール等、またアミン系としてはジオクチルジフェニル
アミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフ
ェニルアミン、N−ニトロソジフェニルアミン等を使用
することができ、電気粘性流体全体に対して0.01重
量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜2.0重
量%使用することができ、0.01重量%より少ないと
酸化防止効果がなく、また10重量%を越えると色相悪
化、濁りの発生、スラッジの発生、粘調性の増大等の問
題がある。
【0025】また、腐食防止剤を添加してもよいが、分
極促進剤、分散質等に不活性なものを使用するとよく、
具体的には窒素化合物ではベンゾトリアゾールおよびそ
の誘導体、イミダゾリン、ピリミジン誘導体等、イオウ
及び窒素を含む化合物では、1.3.4-チアジアゾールポリ
スルフィド、1.3.4-チアジアゾリル-2.5- ビスジアルキ
ルジチオカルバメート、2-( アルキルジチオ) ベンゾイ
ミダゾール等、その他、β-(o−カルボキシベンジルチ
オ)プロピオンニトリルまたはプロピオン酸等を使用す
ることができ、電気粘性流体全体に対して0.001重
量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜1.0
重量%使用するとよい。0.001重量%より少ないと
腐食防止効果がなく、また10重量%を越えると色相悪
化、濁りの発生、スラッジの発生、粘調性の増大等の問
題がある。
【0026】
【作用及び発明の効果】本発明の電気粘性流体は、多価
アルコールを分極促進剤とし、非水系とすることによ
り、電気粘性効果の耐久性に優れるものとできるもので
あるが、この系において、金属酸化物または水酸化物の
超微粒子ゾルを溶媒置換して得られる無機微粒子を分散
質とすると、シリカゲルを使用する場合と比較して、よ
り分散性に優れ、且つ耐久性に優れた電気粘性流体とな
しえることを見出したものである。
【0027】その詳細な理由は不明であるが、シリカゲ
ルを使用する場合に比較し、シリカ粒子が均一に分散
し、シリカ粒子相互の凝集沈降性がなく、電気粘性流体
中で長期間の分散を維持しうるものと推察される。
【0028】以下、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0029】
【実施例1】コロイダルシリカ(商品名クォートロンP
L−1、東燃化学社製、粒径10nm、水を溶媒とする
固形分20重量%の分散液)を溶媒置換し、水分を完全
に除去し、下記の組成からなる電気粘性流体を調製し
た。
【0030】 アルキルベンゼン〔粘度4.3mm2/s (40℃)〕・・ 83重量部 コロイダルシリカ(固形分として) ・・ 15重量部 トリエチレングリコール ・・ 2重量部 この電気粘性流体に直流電場を印加し続けた場合の電圧
に応じた増粘性について試験するために、上記で調製し
た電気粘性流体を、二重円筒型回転粘度計に充填し、1
00℃で内外円筒間に電圧(AC2×106 V/m)を
印加し、同一剪断速度(600sec-1)における増粘
倍率を測定した。その結果を表1に示す。また、上記で
調製した電気粘性流体をメスシリンダー中に入れ、作製
直後、1日後における沈降状況を目視にして評価した。
その結果を同じく表1に示す。表において二重丸は全く
沈降しないことを示し、△印は少し沈降し、×印は多く
沈降したことを示す。
【0031】
【実施例2】実施例1で調製したコロイダルシリカを使
用し、下記の組成からなる電気粘性流体を調製した。
【0032】 アルキルベンゼン〔粘度4.3mm2/s (40℃)〕・・ 82重量部 コロイダルシリカ(固形分として) ・・ 15重量部 トリエチレングリコール ・・ 2重量部 ポリブテニルコハク酸イミド ・・ 1重量部 実施例1同様にして増粘倍率及び沈降性を評価し、同様
に下記表1に示す。
【0033】
【実施例3】実施例1で調製したコロイダルシリカを使
用し、下記の組成からなる電気粘性流体を調製した。
【0034】 アルキルベンゼン〔粘度4.3mm2/s (40℃)〕・・ 83重量部 コロイダルシリカ(固形分として) ・・ 15重量部 エチレングリコールモノメチルエーテル ・・ 2重量部 実施例1同様にして増粘倍率及び沈降性を評価し、同様
に下記表1に示す。
【0035】
【実施例4】実施例1で調製したコロイダルシリカを使
用し、下記の組成からなる電気粘性流体を調製した。
【0036】 アルキルベンゼン〔粘度4.3mm2/s (40℃)〕・・ 82重量部 コロイダルシリカ(固形分として) ・・ 15重量部 エチレングリコールモノメチルエーテル ・・ 2重量部 ポリブテニルコハク酸イミド ・・ 1重量部 実施例1同様にして増粘倍率及び沈降性を評価し、同様
に下記表1に示す。
【0037】
【実施例5】実施例1で調製したコロイダルシリカを使
用し、下記の組成からなる電気粘性流体を調製した。
【0038】 鉱油〔粘度10mm2/s (40℃)〕 ・・ 83重量部 コロイダルシリカ(固形分として) ・・ 15重量部 トリエチレングリコール ・・ 2重量部 実施例1同様にして増粘倍率及び沈降性を評価し、同様
に下記表1に示す。
【0039】
【実施例6】実施例1で調製したコロイダルシリカを使
用し、下記の組成からなる電気粘性流体を調製した。
【0040】 ポリ−α−オレフィン(商品名PAOL20(オロナイト社製)〔粘度5.6 mm2/s (40℃)〕 ・・ 83重量部 コロイダルシリカ(固形分として) ・・ 15重量部 トリエチレングリコール ・・ 2重量部 実施例1同様にして増粘倍率及び沈降性を評価し、同様
に下記表1に示す。
【0041】
【実施例7】実施例1で調製したコロイダルシリカを使
用し、下記の組成からなる電気粘性流体を調製した。
【0042】 アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル〔粘度8.2mm2/s (40℃)〕 ・・ 83重量部 コロイダルシリカ(固形分として) ・・ 15重量部 トリエチレングリコール ・・ 2重量部 実施例1同様にして増粘倍率及び沈降性を評価し、同様
に下記表1に示す。
【0043】
【比較例1】下記の組成の電気粘性流体を調製した。
【0044】 アルキルベンゼン〔粘度4.3mm2/s (40℃)〕・・ 83重量部 シリカゲル(粒径1.4μm) ・・ 15重量部 トリエチレングリコール ・・ 2重量部 実施例1同様にして増粘倍率及び沈降性を評価し、同様
に下記表1に示す。
【0045】
【比較例2】実施例1で調製したコロイダルシリカを使
用し、下記の組成の電気粘性流体を調製した。
【0046】 シリコーン油〔粘度10mm2/s (40℃)〕 ・・ 83重量部 コロイダルシリカ(固形分として) ・・ 15重量部 トリエチレングリコール ・・ 2重量部 実施例1同様にして増粘倍率及び沈降性を評価し、同様
に下記表1に示す。
【0047】
【比較例3】実施例1で調製したコロイダルシリカを使
用し、下記の組成の電気粘性流体を調製した。
【0048】 シリコーン油〔粘度10mm2/s (40℃)〕 ・・ 83重量部 コロイダルシリカ(固形分として) ・・ 15重量部 水 ・・ 2重量部 実施例1同様にして増粘倍率及び沈降性を評価し、同様
に下記表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1から、本発明の電気粘性流体は分散質
としてシリカゲルを使用するものに比して、増粘性に優
れると共に、分散性に優れることがわかる。また、電気
絶縁性流体としてシリコーン油を使用する場合には、金
属酸化物または水酸化物の超微粒子ゾルを溶媒置換して
得られる無機微粒子は分散性が極めて悪いことがわか
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:08) C10N 30:04 40:14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性流体に、金属酸化物または水
    酸化物の超微粒子ゾルを溶媒置換して得られる無機微粒
    子及び多価アルコール類を配合したことを特徴とする電
    気粘性流体。
JP29959492A 1992-11-10 1992-11-10 電気粘性流体 Pending JPH06145681A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7674401B2 (en) 2001-12-18 2010-03-09 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method of producing a thin conductive metal film
WO2024048446A1 (ja) * 2022-08-29 2024-03-07 出光興産株式会社 潤滑油組成物

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