JPH08176582A - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

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Publication number
JPH08176582A
JPH08176582A JP32446294A JP32446294A JPH08176582A JP H08176582 A JPH08176582 A JP H08176582A JP 32446294 A JP32446294 A JP 32446294A JP 32446294 A JP32446294 A JP 32446294A JP H08176582 A JPH08176582 A JP H08176582A
Authority
JP
Japan
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polyhydric alcohol
fine particles
main chain
electrorheological fluid
particles
Prior art date
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Application number
JP32446294A
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English (en)
Inventor
Nobuharu Umamori
布治 馬守
Mikiro Arai
幹郎 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Publication of JPH08176582A publication Critical patent/JPH08176582A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は非水系で多価アルコールを分極促進剤
とする電気粘性流体であって、分散安定性に優れ、保存
性に優れると共に加熱条件下でも粒子の凝集が生じな
く、高い電気粘性効果を発現する電気粘性流体の提供を
目的とする。 【構成】 本発明の電気粘性流体は、シリカ微粒子と多
価アルコールを電気絶縁性流体に配合してなり、該シリ
カ微粒子の粒径が0.01μm〜0.5μmであり、か
つその表面が多価アルコールを結合してなり、該多価ア
ルコールが炭素数8〜34のアルキル基を主鎖とする
か、または、該シリカ微粒子の粒径が0.5μm〜4μ
mであり、かつその表面が多価アルコールを結合してな
り、該多価アルコールが炭素数12〜48のアルキル基
を主鎖とし、その主鎖を形成する炭素原子の数をnとす
ると最も離れた水酸基の間に存在する炭素原子数がn/
2以下の位置に存在し、また該水酸基の少なくとも1つ
は主鎖における末端との間の炭素原子数がn/4以下の
位置に存在する構造を有するものであることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変減衰ダンパ、エン
ジンマウント、軸受ダンパ、クラッチ、バルブ、ショッ
クアブソーバー、表示素子等の電気的制御に利用できる
電気粘性流体に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧の印加により流体の粘度が変化する
電気粘性流体( Electro-RheologicalFluid、Electrovi
scous Fluid、)は古くから知られている(Duff,A.W.P
hysical Review Vol ,4 ,No.1(1896)23)。電気粘性
流体に関する当初の研究は、液体のみの系に注目したも
のであり、効果も不充分なものであるが、その後固体分
散系の電気粘性流体の研究に移り、かなりの電気粘性効
果が得られるようになった。
【0003】電気粘性流体における増粘効果(ER効
果)の発現メカニズムとしては、例えば Klassは、電気
粘性流体中の分散質である各粒子は電場内で二層構造の
誘電分極(Induced Polarization of the Double Laye
r)を生じ、これが主因であるとしている( Klass,D.
L.,et al.,J.of Applied Physics,Vol.38,No1(196
7)67)。これを電気二重層(electric double layer )
から説明すると、分散質(シリカゲル等)の周囲に吸着
したイオンは、E(電場)=0の時は分散質の外表面に
均一に配置しているが、E(電場)=有限値の時はイオ
ン分布に片寄りが生じ、各粒子は電場内で相互に静電気
作用を及ぼし合うようになる。このようにして電極間に
おいて各粒子がブリッジ(架橋)を形成し、応力に対し
て剪断抵抗力、即ちER効果を発現するようになる。
【0004】又、Winslow はパラフィンとシリカゲル粉
末、それに分極剤として水を使用した電気粘性流体を提
案した( Winslow,W.M.,J.of Applied Physics,Vol.
20(1949)1137)。この Winslowの研究により電気粘性流
体のもつ電気粘性効果は Winslow効果と呼ばれている。
【0005】このような電気粘性流体では分散質として
多孔質固体粒子が使用されているが、分散質の分散性に
問題があり、長期間放置すると固い沈澱物を形成した
り、また、100℃程度の温度条件下では数分から数時
間の放置でゲル状の物質を生成し、電気粘性流体として
機能しなくなるという問題がある。分散安定性の改善に
あたっては、通常、電気粘性流体中に分散されている固
体粒子を臨界粒径程度に微細化すると共に、ポリブテニ
ルコハク酸イミドのような分散剤を添加することが行な
われている。しかしながら、ポリブテニルコハク酸イミ
ドは高分子量であり、粒子径に対して分散剤の分子長が
長すぎるために、粒子間の十分な引力が得られず、所期
の電気粘性効果がえられないという問題があることが判
明した。また、熱硬化の点にしても、加熱条件下におい
ては、従来の電気粘性流体は、粒子同士が凝集しやすく
なるのではないかと考えられる。
【0006】また、特公昭45−10048号公報に
は、粒径が0.04μm〜10μmで、粒子表面1nm
2 あたり約0.5〜1.5個のシリカ結合OR基と、1
〜3分子の遊離水を有するシリカ粒子で、Rとしては約
130〜400の分子量を有するポリオキシ置換エステ
ルまたはポリオキシアルコールのエステル残基であるエ
ステル化シリカを製造し、基底粘度の高い電気絶縁性流
体中に分散させた電気粘性流体が開示されているが、依
然として凝集しやすく、また、エステル化率が低く、静
置安定性が悪いという問題がある。
【0007】また、水を分極促進剤として使用するため
高温下での電気粘性効果が不安定であり、しかも、シリ
カ粒子の粒径が大きいと基底粘度の低い電気絶縁性流体
中に分散させると沈殿が生じやすいという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非水系で多
価アルコールを分極促進剤とする電気粘性流体であっ
て、分散安定性に優れ、保存性に優れると共に、加熱条
件下でも粒子の凝集が生じなく、高い電気粘性効果を発
現する電気粘性流体の提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の電気粘性
流体は、シリカ微粒子と多価アルコールを電気絶縁性流
体に配合してなる電気粘性流体であって、該シリカ微粒
子は粒径が0.01μm〜0.5μmであり、かつその
表面を多価アルコールでエステル化してなり、該エステ
ル化のための多価アルコールが炭素数8〜34のアルキ
ル基を主鎖とし、該主鎖を形成する炭素原子の数をnと
すると最も離れた水酸基の間に存在する炭素原子数がn
/2以下の位置に存在し、また該水酸基の少なくとも1
つは主鎖における末端との間の炭素原子数がn/4以下
の位置に存在する構造を有するものであることを特徴と
する。
【0010】また、本発明の第2の電気粘性流体は、シ
リカ微粒子と多価アルコールを電気絶縁性流体に配合し
てなる電気粘性流体であって、該シリカ微粒子は粒径が
0.5μm〜4μmであり、かつその表面を多価アルコ
ールでエステル化してなり、該エステル化のための多価
アルコールが炭素数12〜48のアルキル基を主鎖と
し、該主鎖を形成する炭素原子の数をnとすると最も離
れた水酸基の間に存在する炭素原子数がn/2以下の位
置に存在し、また該水酸基の少なくとも1つは主鎖にお
ける末端との間の炭素原子数がn/4以下の位置に存在
する構造を有するものであることを特徴とする。
【0011】また、本発明の第1、または第2の電気粘
性流体におけるシリカ微粒子表面におけるエステル化さ
れたシラノール基の結合基数が、1.8〜6.0個/n
2であることを特徴とする。
【0012】また、本発明の第1、または第2の電気粘
性流体におけるシリカ微粒子表面におけるエステル化さ
れたシラノール基の結合基数が、2.0〜5.5個/n
2であることを特徴とする。
【0013】本発明における第1の電気粘性流体におけ
るシリカ微粒子は、その粒径を0.01μm〜0.5μ
mのものであり、シリカ微粒子の表面にはシラノール基
が存在し、本発明においては、そのシラノール基を下記
に示す多価アルコールでエステル化したシリカ微粒子を
使用するものである。
【0014】該多価アルコールは、炭素数8〜34、好
ましくは8〜25のアルキル基を主鎖とし、その主鎖を
形成する原子の数を下記の(化1)で模式的に示するご
とくnとすると、最も離れた水酸基の間に存在する原子
数がn/2以下の位置に存在し、また該水酸基の少なく
とも1つは主鎖における末端との間の原子数がn/4以
下の位置に存在する構造を有する多価アルコールでエス
テル化されたものである。
【0015】
【化1】
【0016】なお、主鎖の主成分を構成するアルキル鎖
中には、エーテル基、アミノ基、芳香族基(炭素数4と
計算される)、カルボニル基、カルボキシル基等の官能
基を有していてもよく、また、該アルキル基鎖は直鎖だ
けでなく、分枝を有していてもよく、その分枝中にはエ
ーテル基、アミノ基、芳香族基、カルボニル基、カルボ
キシル基等の官能基を有していてもよい。例えば、(化
1)には、HOCH2CH(OH)(CH2)2-O-(CH2)3-O-(CH2)2- の
ごとき構造も含まれる。
【0017】このような多価アルコールとしては、1,
2−オクタンジオール、1,2−ドデカンジオール、
1,2−オクタデカンジオール、1,8−オクタデカン
ジオール、1,2−トリアコンタンジオール、1,2−
デカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,
2−ヘキサデカンジオール、8−フェニル−1,2−オ
クタンジオール、10−フェニル−1,2−デカンジオ
ール、12−フェニル−1,2−ドデカンジオール等が
例示される。
【0018】多価アルコールは、単独て使用してもよ
く、また、分子鎖の長さが異なる2種以上の多価アルコ
ールを併用してもよい。
【0019】また、本発明における第2の電気粘性流体
におけるシリカ微粒子は、その粒径を0.5μm〜4μ
m、好ましくは0.5μm〜2.0μmのものである
が、その表面におけるシラノール基が、炭素数12〜4
8、好ましくは炭素数12〜30のアルキル基を主鎖と
し、上記(化1)で模式的に示すように、その主鎖を形
成する原子の数をnとすると最も離れた水酸基の間に存
在する原子数がn/2以下の位置に存在し、また該水酸
基の少なくとも1つは主鎖における末端との間の炭素原
子数がn/4以下の位置に存在する構造を有する多価ア
ルコールでエステル化されたものである。
【0020】なお、主鎖の主成分を構成するアルキル鎖
中には、エーテル基、アミノ基、芳香族基(炭素数4と
計算される)、カルボニル基、カルボキシル基等の官能
基を有していてもよく、また、該アルキル基鎖は直鎖だ
けでなく、分枝を有していてもよく、その分枝中にはエ
ーテル基、アミノ基、芳香族基、カルボニル基、カルボ
キシル基等の官能基を有していてもよい。
【0021】このような多価アルコールとしては、1,
2−ドデカンジオール、1,2−オクタデカンジオー
ル、1,8−オクタデカンジオール、1,2−トリトリ
アコンタンジオール、1,2−ヘプタトリアコンタンジ
オール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキ
サデカンジオール、8−フェニル−1,2−オクタンジ
オール、10−フェニル−1,2−デカンジオール、1
2−フェニル−1,2−ドデカンジオール等が例示され
る。なお、粒径が4μmを超えると分散性が低下し、二
層分離を生じやすくなる。
【0022】このように、本発明においては、シリカ微
粒子の粒径と結合多価アルコールに由来するエステル基
の分子鎖長との関係は、シリカ微粒子の粒径に応じて調
整され、シリカ微粒子の粒径が大きい場合にはアルキル
基主鎖の長いエステル基とし、また、シリカ微粒子の粒
径が小さい場合にはアルキル基主鎖が短いエステル基と
するものであり、これにより、シリカ微粒子の電気粘性
流体中での分散性を改良し、電気粘性効果の優れるもの
とできるものである。
【0023】次に、本発明の電気粘性流体におけるシリ
カ微粒子表面のエステル化方法について説明する。
【0024】原料となるシリカ微粒子は、第1の電気粘
性流体にあってはその粒径が一次粒径または凝集した状
態で0.01μm〜0.5μm、第2の電気粘性流体に
あってはその粒径が0.5μm〜4μmのものである
が、市販のシリカ微粒子を有機溶剤中に分散させ、ボー
ルミル処理等行なうことによりその粒径を必要に応じて
調整するとよい。
【0025】粒径が調製されたシリカ微粒子と、その粒
径と上述の関係にある特定の多価アルコールとのエステ
ル化反応は、加熱還流条件下で共沸的に生成水を除去し
つつ行われる。
【0026】シリカ微粒子におけるシラノール基の結合
基数は、通常の化学反応における収率に相当し、エステ
ル化反応における反応条件(反応温度、反応時間、アル
コールの添加量等)を調整することができ、元素分析及
び表面積の測定により求めることができる。シリカ微粒
子の表面におけるエステル化されたシラノール基の結合
基数は、1.8〜6.0個/nm2 、好ましくは2.0
〜5.5個/nm2 とするとよい。結合基数が高い程、
その分散安定性は増すが、電気粘性効果は低下し、ま
た、低いと静置安定性が低下する。
【0027】本発明の電気粘性流体において、エステル
化されたシリカ微粒子は0.1重量%〜50重量%、好
ましくは3重量%〜30重量%の割合で含有されるとよ
く、50重量%を越えると電気粘性効果が低下するので
好ましくない。
【0028】また、本発明の電気粘性流体には、シリカ
微粒子のエステル化用とは別に、分極促進剤として多価
アルコール又はその部分誘導体が添加される。多価アル
コールとしては、二価アルコール、三価アルコール、例
えばエチレングリコール、グリセリン、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオ
ール、エチレンオキサイド単位を1〜14有するポリエ
チレングリコール、一般式R〔(OC3 6 m OH〕
n (式中、Rは水素又は多価アルコール残基、mは1〜
17の整数、nは1〜6の整数を表わす)、また、一般
式R−CH(OH)(CH2 n OH(式中、Rは水
素、又はCH3 −(CH2 m −基であり、m+nは2
〜14の整数を表わす)で示されるもの等を挙げること
ができる。これらの中でもトリエチレングリコール、テ
トラエチレングリコール、ポリエチレングリコールが特
に好ましい。
【0029】又、多価アルコールの部分誘導体として
は、少なくとも1つの水酸基を有する多価アルコールの
部分誘導体であり、上記多価アルコールの末端水酸基の
内の幾つかがメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、アルキル置換フェニル基(フェニル基に置換された
アルキル基の炭素数は1〜25)等により置換された部
分エーテル類、またその末端水酸基の内の幾つかが酢
酸、プロピオン酸、酪酸等によりエステル化された部分
エステル類が挙げられる。
【0030】これらの多価アルコール又はその部分誘導
体は、通常、シリカ微粒子に対して1重量%〜100重
量%、好ましくは2重量%〜80重量%の割合で使用す
るとよい。添加量が1重量%未満であるとER効果が少
なく、又100重量%を越えると電流が流れやすくなる
ので好ましくない。なお、水を分極促進剤として使用す
ると、特に昇温時に蒸発による電気粘性効果の低下が生
じるので好ましくない。
【0031】本発明における電気絶縁性流体としては、
鉱油、合成潤滑油があり、具体的にはパラフィン系鉱
油、ナフテン系鉱油、またポリ- α- オレフィン、ポリ
アルキレングリコール、エステル油、ジエステル、ポリ
オールエステル、燐酸エステル、弗素油、アルキルベン
ゼン、アルキルジフェニルエーテル、アルキルビフェニ
ル、アルキルナフタレン、ポリフェニルエーテル、合成
炭化水素油があげられる。好ましくは、鉱油、アルキル
ベンゼン、ジエステルやポリオールエステル等のエステ
ル油、ポリ−α−オレフィン等である。また、電気絶縁
性流体の粘度範囲は40℃において、1cSt〜300
cStとすることができるが、本発明のシリカ微粒子を
使用する時には、粘度が1cSt〜20cStと低い場
合において特に優れた分散性を示すものである。
【0032】なお、本発明の電気粘性流体には、必要に
応じて、酸、塩、又は塩基成分を添加してもよい。この
ような酸成分としては硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ク
ロム酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、或は酢酸、ギ酸、
プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、シュウ酸、マ
ロン酸等の有機酸が使用される。塩としては、金属又は
塩基性基(NH4 + 、N2 5 + 等)と酸基からなる化
合物であり、これらはいずれでも使用することができ
る。中でも多価アルコール、多価アルコール部分誘導体
の系に溶解して解離するもの、例えばアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属のハロゲン化物などの典型的なイオン結
晶を形成するもの、あるいは有機酸のアルカリ金属塩な
どが好ましい。この種の塩として、LiCl、NaC
l、KCl、MgCl2 、CaCl2 、BaCl2 、L
iBr、NaBr、KBr、MgBr2 、LiI、Na
I、KI、AgNO3 、Ca( NO3 )2、NaNO2
NH4NO3 、K2 SO4 、Na2 SO4 、NaHSO
4 、(NH4 2 SO4 あるいはギ酸、酢酸、シュウ
酸、コハク酸などのアルカリ酸金属塩がある。塩基とし
てはアルカリ金属或いはアルカリ土類金属の水酸化物、
アルカリ金属の炭酸塩、アミン類などであり、多価アル
コール、多価アルコール部分誘導体に溶解して解離する
ものが好ましい。この種の塩基として、NaOH、KO
H、Ca(OH)2、Na2 CO3 、NaHCO3 、K
3 PO4 、Na3 PO4 、アニリン、アルキルアミン、
エタノールアミンなどがある。尚、前記した塩と塩基を
併用することもできる。
【0033】酸、塩、塩基類は、分極効果を増大させる
ことができるものであるが、多価アルコール及び/又は
多価アルコール部分誘導体と組合せ使用することによ
り、より分極効果を増大させることができるものであ
り、電気粘性流体全体で5重量%以下の割合で使用する
とよい。5重量%を越えると通電しやすくなり、消費電
力が増大するので好ましくない。
【0034】本発明の電気粘性流体においては、必要に
応じて無灰分散剤を添加してもよい。無灰分散剤を添加
すると、電気粘性流体の基底粘度を低下させることがで
き、電気粘性流体を用いる機械システムの応用範囲を広
げることができる。無灰分散剤としては、例えばスルホ
ネート類、フェネート類、ホスホネート類、コハク酸イ
ミド類、アミン類、非イオン系分散剤等が使用され、具
体的にはマグネシウムスルホネート、カルシウムスルホ
ネート、カルシウムホスホネート、ポリブテニルコハク
酸イミド、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキ
オレート等が挙げられる。中でもポリブテニルコハク酸
イミドが好ましい。これらは通常、電気粘性流体全体で
0重量%〜20重量%の割合で使用される。
【0035】また、本発明の電気粘性流体には、必要に
応じて界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤として
は、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオ
ン界面活性剤、両性界面活性剤を使用することができ
る。
【0036】非イオン界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリ
コールエチレンジアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレング
リコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ペンタエリトリット脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂
肪酸エタノールアミド等が挙げられる。
【0037】また、アニオン界面活性剤としては、脂肪
酸アルカリ塩、アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂
肪酸多価アルコール硫酸エステル塩、硫酸化油、脂肪酸
アニリド硫酸エステル塩、石油スルホン酸塩、アルキル
ナフタリンスルホン酸塩、ジナフチルメタンスルホン酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等が
挙げられる。
【0038】更に、カチオン界面活性剤としては、弱カ
チオン性のカチオン界面活性剤として、例えばアルキル
アミン及びそのポリオキシアルキレン付加物として、例
えばオクチルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミ
ン、オレイルアミン、ステアリルアミン及びそのエチレ
ンオキシド5〜15モル付加物、プロピレンオキシド5
〜15モル付加物等が挙げられる。また、弱カチオン性
のカチオン界面活性剤として、高級アルキル基置換され
ていてもよいアルキレンジアミン、ジアルキレントリア
ミン等のポリアミン類のポリオキシアルキレン付加物と
して、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン
等のエチレンオキシド0〜100モル付加物又はエチレ
ンオキシド0〜100モルとプロピレンオキシド0〜1
00モルとのブロック又はランダム付加物、オレイルプ
ロピレンジアミン、ステアリルプロピレンジアミンのエ
チレンオキシド0〜100モル付加物が挙げられる。更
に、弱カチオン性のカチオン界面活性剤として、高級脂
肪酸アミド等のポリオキシアルキレン付加物として、例
えばオレイン酸アミド、ステアリン酸アミドのエチレン
オキシド5〜15モル付加物、プロピレンオキシド5〜
15モル付加物等等が挙げられる。カチオン性の強いカ
チオン界面活性剤としては、デカノイルクロリド、アル
キルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム
塩、アルキルアミン塩等があり、具体的には塩化セチル
トリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルア
ンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩
化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリル
ジメルベンジルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルア
ミノエチルアミド、ココナットアミンアセテート、ステ
アリルアミンアセテート、ココナットアミン塩酸塩、ス
テアリルアミン塩酸塩等が挙げられる。カチオン性の強
いカチオン界面活性剤の場合には電気粘性流体の使用温
度が100℃近くの高温となると導電性が高くなるの
で、上記の界面活性剤の中でも、特に弱カチオン性界面
活性剤を使用するのが好ましく、低温域から高温域まで
の広い温度範囲での作動において低導電性を維持するこ
とができる。
【0039】界面活性剤の含有量は、電気粘性流体中、
10重量%以下、好ましくは5重量%以下の割合で使用
するとよく、10重量%を越えると導電性が高くなるの
で好ましくない。
【0040】また、本発明の電気粘性流体には、必要に
応じて他の添加剤として酸化防止剤、腐食防止剤、摩耗
防止剤、極圧剤、消泡剤等を添加される。
【0041】酸化防止剤は、電気絶縁性液体の酸化防止
と共に、分極促進剤である多価アルコール、多価アルコ
ール部分誘導体等の酸化を防止することを目的とするも
のである。酸化防止剤としては、分極促進剤、分散質等
に不活性なものを使用するとよく、慣用されるフェノー
ル系、アミン系酸化防止剤を使用することができ、具体
的にはフェノール系としては2・6−ジ−t−ブチルパ
ラクレゾール、4・4’−メチレンビス(2・6−ジ−
t−ブチルフェノール)、2・6−ジ−t−ブチルフェ
ノール等、またアミン系としてはジオクチルジフェニル
アミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフ
ェニルアミン、N−ニトロソジフェニルアミン等を使用
することができ、電気粘性流体全体に対して10重量%
以下、好ましくは2.0重量%以下で使用することがで
きる。10重量%を越えると色相悪化、濁りの発生、ス
ラッジの発生、粘調性の増大等の問題がある。
【0042】また、腐食防止剤を添加してもよいが、分
極促進剤、分散質等に不活性なものを使用するとよく、
具体的には窒素化合物ではベンゾトリアゾールおよびそ
の誘導体、イミダゾリン、ピリミジン誘導体等、イオウ
及び窒素を含む化合物では、1.3.4-チアジアゾールポリ
スルフィド、1.3.4-チアジアゾリル-2.5- ビスジアルキ
ルジチオカルバメート、2-( アルキルジチオ) ベンゾイ
ミダゾール等、その他、β-(o−カルボキシベンジルチ
オ)プロピオンニトリルまたはプロピオン酸等を使用す
ることができ、電気粘性流体全体に対して10重量%以
下、好ましくは1.0重量%以下で使用するとよい。1
0重量%を越えると色相悪化、濁りの発生、スラッジの
発生、粘調性の増大等の問題がある。
【0043】
【作用及び発明の効果】多価アルコールを分極促進剤と
し、非水系とすると、電気粘性効果の耐久性に優れるも
のとできるものであるが、本発明の電気粘性流体は、こ
の系において、特定の多価アルコールでエステル化処理
されたシリカ微粒子を分散質とすることにより、より分
散性に優れ、且つ加熱条件下でも粒子の凝集が生じな
く、高い電気粘性効果を発現する電気粘性流体となしえ
ることを見出したものである。
【0044】その詳細な理由は不明であるが、シリカ粒
子を臨界粒径程度に微細化することにより分散性に優れ
るものとでき、また、その表面のシラノール基を粒径に
応じた適当な分子長を有するアルキル基によりエステル
化しているので、粒子間の十分な引力により高い電気粘
性効果が得られるものと考えられる。また、加熱条件下
でもその結合が分解することがなく、粒子間の凝集を防
止することができるものと考えられる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、下記の実施例における評価方法は下記の通りであ
る。
【0046】(1)分散性:電気粘性流体をメスシリン
ダー中に入れ、室温で30日間、静置しておいた時、粒
子が沈降し、上部に油のみの層ができることがある。静
置した時にできる上部の油のみの層の全体に対する割合
(%)を二層分離量とした。
【0047】また、静置した時にできる沈殿層の全体に
対する割合(%)を沈殿量とした。 (2)増粘倍率:電気粘性流体を二重円筒型回転粘度計
に充填し、40℃で内外円筒間に交流電場(50Hz、
2Kv/mm、を印加し、同一剪断速度(600sec
-1)における増粘倍率を測定した。
【0048】(実施例1)トルエン200g中にシリカ
粒子(富士シリシア化学(株)製「サイシリア31
0」、平均粒径1.4μm)60gを混合し、これをボ
ールミル(ジルコニア製ビーズ使用、250rpm)で
6時間処理し、シリカ粒子を平均粒径0.1μmとし
た。これに、1,2−オクタデカンジオール(C1633
CHOHCH2 OH)200gを添加し、111℃、6
時間加熱還流しつつ反応させ、共沸的に水を除去し、エ
ステル化反応を行った。
【0049】得られた反応物を四塩化炭素で洗浄し、超
遠心分離器(18,000rpm×60min)を使用
して粒子を分離した。この洗浄操作と分離操作は未反応
アルコールが除去されるまで繰り返された。ロータリー
エバポレーターで四塩化炭素を除去し、エステル化され
たシリカ粒子41gを得た。
【0050】得られた粒子の表面積は175m2 /g
(BET法)、及び元素分析値(炭素):13%である
ことから、シリカ表面のエステル化されたシラノール基
の結合基数は、2.4個/nm2 であることがわかっ
た。
【0051】得られたシリカ粒子を使用し、下記の組成
の電気粘性流体を調製した。
【0052】 (電気粘性流体の組成) ・エステル化シリカ微粒子 ・・・・・ 15重量% ・トリエチレングリコール ・・・・・ 3重量% ・アルキルベンゼン(40℃、4.3cSt) ・・・・ 82重量% 得られた電気粘性流体について、室温(25℃)〜10
0℃の温度範囲で、交流50Hz、2KV/mmの印加
電場での電流値を測定したところ、0.1mA〜0.3
mAであり、極めて低いものであった。
【0053】(実施例2)トルエン200g中にシリカ
粒子(富士シリシア化学(株)製「サイシリア44
0」、平均粒径3.5μm)60gを混合し、これをボ
ールミル(ジルコニア製ビーズ使用、250rpm)及
び1,2−オクタデカンジオール(C1633CHOHC
2 OH)200gを添加し、111℃、6時間加熱還
流しつつ反応させ、共沸的に水を除去し、エステル化反
応を行った。
【0054】得られた反応物を四塩化炭素で洗浄し、超
遠心分離器(18,000rpm×60min)を使用
して粒子を分離した。この洗浄操作と分離操作は未反応
アルコールが除去されるまで繰り返された。ロータリー
エバポレーターで四塩化炭素を除去し、エステル化され
たシリカ粒子49gを得た。
【0055】得られた粒子の表面積は179m2 /g
(BET法)、及び元素分析値(炭素):14%である
ことから、シリカ表面のエステル化されたシラノール基
の結合基数は、2.5個/nm2 であることがわかっ
た。
【0056】得られたシリカ粒子を使用して、実施例1
同様に電気粘性流体を調製した。
【0057】(比較例1)実施例2における平均粒径
3.5μmのシリカ微粒子に代えて、シリカ粒子(富士
シリシア化学(株)製「サイシリア450」、平均粒径
5.2μm)を用いた以外は実施例2と同様の反応及び
後処理を行ない、エステル化されたシリカ粒子61gを
得た。
【0058】得られた粒子の表面積は171m2 /g
(BET法)、及び元素分析値(炭素):13%である
ことから、シリカ表面のエステル化されたシラノール基
の結合基数は、2.5個/nm2 であることがわかっ
た。
【0059】得られたシリカ粒子を使用して、実施例2
同様に電気粘性流体を調製した。
【0060】上記の実施例1、実施例2、比較例1で調
製したそれぞれの電気粘性流体について、シリカ粒子の
粒径が分散性に与える影響について測定した結果を図1
に示す。
【0061】図1からわかるように、粒径が4μmを越
えるシリカ微粒子を使用すると、二層分離速度が早く、
使用に適さないものであることがわかる。
【0062】(実施例3)実施例2におけるシリカ微粒
子に代えてシリカ粒子(富士シリシア化学(株)製「サ
イシリア310」、平均粒径1.4μm)を使用し、ま
た、1,2−オクタデカンジオールに代えて、1,8−
オクタデカンジオール(HOC7 14CHOHC
1021)を使用した以外は、実施例2同様に反応及び後
処理を行ない、エステル化されたシリカ粒子44gを得
た。
【0063】得られた粒子の表面積は166m2 /g
(BET法)、及び元素分析値(炭素):13%である
ことから、シリカ表面のエステル化されたシラノール基
の結合基数は、2.5個/nm2 であることがわかっ
た。
【0064】得られたシリカ粒子を使用して、実施例2
同様に電気粘性流体を調製し、分散安定性を測定し、沈
殿量(%)についての結果を図2に示す。
【0065】(比較例2)実施例3における1,8−オ
クタデカンジオールに代えて、1,12−オクタデカン
ジオール(HOC1122CHOHC6 13)213gを
使用した以外は、実施例3と同様に反応及び後処理を行
ない、エステル化されたシリカ粒子42gを得た。
【0066】得られた粒子の表面積は168m2 /g
(BET法)、及び元素分析値(炭素):13%である
ことから、シリカ表面のエステル化されたシラノール基
の結合基数は、2.5個/nm2 であることがわかっ
た。
【0067】得られたシリカ粒子を使用して、実施例3
同様に電気粘性流体を調製し、分散安定性を測定し、沈
殿量(%)についての結果を図2に示す。
【0068】図からわかるように、水酸基の位置によ
り、分散安定性が相違し、比較例2の結果からわかるよ
うに、最も離れた水酸基の間に存在する炭素原子数がn
/2以上の位置に存在すると、再分散が困難な沈殿が生
じ、電気粘性流体として適さないことがわかる。
【0069】(実施例4、5及び比較例3、4)実施例
2におけるシリカ微粒子に代えてシリカ粒子(富士シリ
シア化学(株)製「サイシリア310」、平均粒径1.
4μm)を使用し、反応条件を調整し、シリカ表面のエ
ステル化されたシラノール基の結合基数が1.5個/n
2 (比較例3)、2.0個/nm2 (実施例4)、
5.5個/nm2 (実施例5)及び6.5個/nm
2 (比較例4)のエステル化されたシリカ微粒子を調製
した。
【0070】得られたシリカ粒子を使用して、実施例2
同様に電気粘性流体を調製し、静置安定性及び電気粘性
効果を評価した。その結果を図3に示す。
【0071】図からわかるように、シラノール基の結合
基数が少ないと静置安定性が悪化し、二層分離が発生す
るので、好ましくない。
【0072】また、実施例4、比較例3について、電気
粘性効果(増粘倍率)を測定し、その結果を下記表1に
示す。
【0073】
【表1】
【0074】シラノール基の結合基数が6.0個/nm
2 を上回る場合には、増粘倍率が著しく低下するので好
ましくないことがわかる。
【0075】(実施例6、7、8及び比較例5、6)実
施例3における1,8−オクタデカンジオール(HOC
7 14CHOHC1021)にかえて、1,2−オクタン
ジオール(C6 13CHOHCH2 OH)(比較例
5)、1,2−ドデカンジオール(C1021CHOHC
2 OH)(実施例6)、1,2−トリトリアコンタン
ジオール(C3161CHOHCH2 OH)(実施例
7)、1,2−ヘプタトリアコンタンジオール(C35
71CHOHCH2 OH)(実施例8)、1,2−ヘンペ
ンタコンタンジオール(C4999CHOHCH2 OH)
(比較例6)を使用し、それぞれシリカ表面のエステル
化されたシラノール基の結合基数が2.5個/nm2
シリカ粒子を得た。
【0076】得られたシリカ粒子を使用して、実施例3
同様に電気粘性流体を調製し、実施例6、比較例5につ
いて、分散安定性を測定し、その結果を図4に示す。
【0077】図から、シリカ微粒子の粒径が1.4μm
の場合には、結合したアルキル基の分子長が短い場合
(炭素数8)には分散安定性が悪いことがわかる。
【0078】また、実施例5、比較例4について、電気
粘性効果(増粘倍率)を測定し、その結果を下記表2に
示す。
【0079】
【表2】
【0080】表から、シリカ微粒子の粒径が1.4μm
の場合には、結合したアルキル基の分子長が長い場合
(炭素数51)には電気粘性効果が低下することがわか
る。
【0081】(実施例9、10及び比較例7、8)実施
例1における1,2−オクタデカンジオールにかえて、
1,2−ヘキサンジオール(C4 9 CHOHCH2
H)(比較例7)、1,2−オクタンジオール(C6
12CHOHCH2 OH)(実施例9)、1,2−トリト
リアコンタンジオール(C3161CHOHCH2 OH)
(実施例10)、1,2−ヘプタトリアコンタンジオー
ル(C3571CHOHCH2 OH)(比較例8)を使用
し、それぞれシリカ表面のエステル化されたシラノール
基の結合基数が2.5個/nm2 のシリカ粒子を得た。
【0082】得られたシリカ粒子を使用して、実施例1
同様に電気粘性流体を調製し、実施例9、比較例7につ
いて、分散安定性を測定し、その結果を図5に示す。
【0083】図から、シリカ微粒子の粒径が0.1μm
の場合には、結合したアルキル基の分子長が短い場合
(炭素数6)には分散安定性が悪いことがわかる。
【0084】また、実施例10、比較例8について、電
気粘性効果(増粘倍率)を測定し、その結果を下記表3
に示す。
【0085】
【表3】
【0086】表から、シリカ微粒子の粒径が0.1μm
の場合には、結合したアルキル基の分子長が長い場合
(炭素数37)には電気粘性効果が低下することがわか
る。
【0087】(比較例9)実施例1におけるエステル化
されたシリカ微粒子を使用し、下記の組成の電気粘性流
体を調製した。
【0088】 (電気粘性流体の組成) ・エステル化シリカ微粒子 ・・・・・ 15重量% ・水 ・・・・・ 0.4重量% ・アルキルベンゼン(40℃、4.3cSt) ・・・・ 84.6重量% 調製した電気粘性流体と実施例1で作製した電気粘性流
体について、下記の条件で増粘倍率を測定すると共に、
その経時変化を測定した。その測定結果を図6に示す。
【0089】増粘倍率:電気粘性流体を二重円筒型回転
粘度計に充填し、100℃で内外円筒間に交流電場(5
0Hz、2Kv/mm、を印加し、同一剪断速度(60
0sec-1)における増粘倍率を測定した。
【0090】図から、分極促進剤として水を使用した場
合、蒸発のため増粘倍率の低下が大きく、高温での使用
に適さないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、エステル化されたシリカ微粒子の粒
径と、電気粘性流体における分散安定性との関係を説明
するための図である。
【図2】 図2は、シリカ微粒子表面のエステル化に使
用する多価アルコールにおける水酸基の置換位置と、そ
の電気粘性流体における沈殿量との関係を示す図であ
る。
【図3】 図3は、シリカ微粒子の結合基数とその電気
粘性流体における分散安定性との関係を説明するための
図である。
【図4】 図4は、シリカ微粒子の粒径及びエステル化
に使用するアルコールにおけるアルキル基主鎖長と、そ
の電気粘性流体における分散安定性との関係を示す図で
ある。
【図5】 図5は、シリカ微粒子の粒径及びエステル化
に使用するアルコールにおけるアルキル基主鎖長と、そ
の電気粘性流体における分散安定性との関係を示す図で
ある。
【図6】 図6は、電気粘性流体における分極促進剤に
よる増粘倍率に対する影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105:18 105:32 125:26 139:02) C10N 30:04 30:08 40:14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ微粒子と多価アルコールを電気絶
    縁性流体に配合してなる電気粘性流体であって、該シリ
    カ微粒子は粒径が0.01μm〜0.5μmであり、か
    つその表面を多価アルコールでエステル化してなり、該
    エステル化のための多価アルコールが炭素数8〜34の
    アルキル基を主鎖とし、該主鎖を形成する炭素原子の数
    をnとすると最も離れた水酸基の間に存在する炭素原子
    数がn/2以下の位置に存在し、また該水酸基の少なく
    とも1つは主鎖における末端との間の炭素原子数がn/
    4以下の位置に存在する構造を有するものであることを
    特徴とする電気粘性流体。
  2. 【請求項2】 シリカ微粒子と多価アルコールを電気絶
    縁性流体に配合してなる電気粘性流体であって、該シリ
    カ微粒子は粒径が0.5μm〜4μmであり、かつその
    表面を多価アルコールでエステル化してなり、該エステ
    ル化のための多価アルコールが炭素数12〜48のアル
    キル基を主鎖とし、該主鎖を形成する炭素原子の数をn
    とすると最も離れた水酸基の間に存在する炭素原子数が
    n/2以下の位置に存在し、また該水酸基の少なくとも
    1つは主鎖における末端との間の炭素原子数がn/4以
    下の位置に存在する構造を有するものであることを特徴
    とする電気粘性流体。
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