JPH09176676A - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

Info

Publication number
JPH09176676A
JPH09176676A JP33846295A JP33846295A JPH09176676A JP H09176676 A JPH09176676 A JP H09176676A JP 33846295 A JP33846295 A JP 33846295A JP 33846295 A JP33846295 A JP 33846295A JP H09176676 A JPH09176676 A JP H09176676A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyhydric alcohol
modified
silica particles
fine silica
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33846295A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuharu Mamori
布治 馬守
Mikiro Arai
幹郎 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP33846295A priority Critical patent/JPH09176676A/ja
Publication of JPH09176676A publication Critical patent/JPH09176676A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高い電気粘性効果を発現すると共
に分散安定性に優れる電気粘性流体の提供を課題とす
る。 【解決手段】 本発明の電気粘性流体は、シリカ微粒子
と多価アルコールを電気絶縁性流体に配合してなる電気
粘性流体であって、該シリカ微粒子の表面が、多価アル
コールにより変性されて水酸基を少なくとも2個置換基
として有するシリコーン油によりエステル化変性された
ものであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変減衰ダンパ、
エンジンマウント、軸受ダンパ、クラッチ、バルブ、シ
ョックアブソーバー、表示素子等の電気的制御に利用で
きる電気粘性流体に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧の印加により流体の粘度が変化する
電気粘性流体( Electro-RheologicalFluid、Electrovi
scous Fluid、)は古くから知られている(Duff,A.W.P
hysical Review Vol ,4 ,No.1(1896)23)。電気粘性
流体に関する当初の研究は、液体のみの系に注目したも
のであり、効果も不充分なものであるが、その後固体分
散系の電気粘性流体の研究に移り、かなりの電気粘性効
果が得られるようになった。
【0003】電気粘性流体における増粘効果(ER効
果)の発現メカニズムとしては、例えば Klassは、電気
粘性流体中の分散質である各粒子は電場内で二層構造の
誘電分極(Induced Polarization of the Double Laye
r)を生じ、これが主因であるとしている( Klass,D.
L.,et al.,J.of Applied Physics,Vol.38,No1(196
7)67)。これを電気二重層(electric double layer )
から説明すると、分散質(シリカゲル等)の周囲に吸着
したイオンは、E(電場)=0の時は分散質の外表面に
均一に配置しているが、E(電場)=有限値の時はイオ
ン分布に片寄りが生じ、各粒子は電場内で相互に静電気
作用を及ぼし合うようになる。このようにして電極間に
おいて各粒子がブリッジ(架橋)を形成し、応力に対し
て剪断抵抗力、即ちER効果を発現するようになる。
【0004】又、Winslow はパラフィンとシリカゲル粉
末、それに分極剤として水を使用した電気粘性流体を提
案した( Winslow,W.M.,J.of Applied Physics,Vol.
20(1949)1137)。この Winslowの研究により電気粘性流
体のもつ電気粘性効果は Winslow効果と呼ばれている。
【0005】このような電気粘性流体では分散質として
多孔質固体粒子が使用されているが、分散質の分散性に
問題があり、長期間放置すると固い沈澱物を形成した
り、また、100℃程度の温度条件下では数分から数時
間の放置でゲル状の物質を生成し、電気粘性流体として
機能しなくなるという問題がある。
【0006】特公昭45−10048号公報には、粒径
が0.04μm〜10μmで、粒子表面1nm2 あたり
約0.5〜1.5個のシリカ結合OR基と、1〜3分子
の遊離水を有するシリカ粒子で、Rとしては約130〜
400の分子量を有するポリオキシ置換エステルまたは
ポリオキシアルコールのエステル残基であるエステル化
シリカを製造し、基底粘度の高い電気絶縁性流体中に分
散させた電気粘性流体が開示されているが、分散性が不
充分であり、また、電気粘性効果も不充分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非水系で多
価アルコールを分極促進剤とする電気粘性流体であっ
て、高い電気粘性効果を発現すると共に分散安定性に優
れる電気粘性流体の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電気粘性流体
は、シリカ微粒子と多価アルコールを電気絶縁性流体に
配合してなる電気粘性流体であって、該シリカ微粒子の
表面が、アルコールにより変性されて水酸基を少なくと
も2個置換基として有するシリコーン油(以下、多価ア
ルコール変性シリコーン油という)によりエステル化変
性されたものであることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるシリカ微粒子とし
ては、シリカ微粒子の表面に存在するシラノール基が、
多価アルコール変性シリコーン油によりエステル化変性
されたものである。
【0010】多価アルコール変性シリコーン油は、下記
の一般式(1)〜一般(4)で示される。
【0011】
【化1】
【0012】上記の各式中、R1 は炭素数1〜6の直鎖
又は分枝状アルキル基、芳香族基である。置換基として
アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基等の官能基を
有していてもよい。好ましくは、例えばメチル基、エチ
ル基である。
【0013】また、R2 は炭素数1〜18、好ましくは
炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6の直鎖又
は分枝状アルキル基、直鎖又は分枝状ポリオキシアルケ
ニル基(ポリエーテル)、芳香族基であり、置換基とし
て少なくとも2個の水酸基を有し、更にアミノ基、カル
ボニル基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよ
い。好ましくは、例えば2,3−ジヒドロキシプロピ
ル、3−(1,2−ジヒドロキシエトキシ)プロピル、
2,2−ジヒドロキシメチルエチル基である。
【0014】更に、R3 は炭素数1〜18、好ましくは
炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6の直鎖又
は分枝状アルキル基、直鎖又は分枝状ポリオキシアルケ
ニル基(ポリエーテル)であり、置換基として少なくと
も1個の水酸基を有し、更にアミノ基、カルボニル基、
カルボキシル基等の置換基を有していてもよい。
【0015】また、各式中、m=0〜1000、n=1
〜1000の整数であり、増粘倍率が高く、分散性の良
い流体を得るにはm=5〜500、n=1〜500の整
数、更に好ましくはm=5〜100、n=1〜100の
整数のものである。m又はnが1000を上回る場合に
は電気粘性効果が低下する。
【0016】具体的には、例えば、
【0017】
【化2】
【0018】が例示される。
【0019】また、市販されている多価アルコール変性
シリコーン油としては信越化学工業(株)製のX−22
−160AS、KF−6001、KF−6002、KF
−6003、X−22−4015、X−22−170D
X、X−22−176DX、また、東レ・ダウコーニン
グシリコーン(株)製のSF8427、SF8428、
東芝シリコーン(株)製のTSF4750、TSF47
51、日本ユニカー(株)製のFZ−3722、FZ−
3711がある。
【0020】次に、この多価アルコール変性シリコーン
油を使用した、シリカ微粒子表面のエステル化方法につ
いて説明する。
【0021】原料となるシリカ微粒子は、一次粒径また
は凝集した状態で0.01μm〜50μm、好ましくは
0.1μm〜10μmのものが好ましく、50μmを越
えるものは高粘度の基油を用いても二層分離を生じやす
くなる。そのため、粒径が大きい場合にはシリカ微粒子
を有機溶剤中に分散させ、ボールミル処理等行なうこと
によりその粒径を必要に応じて調整するとよい。
【0022】粒径が調製されたシリカ微粒子と上述の多
価アルコール変性シリコーン油とのエステル化反応は、
加熱還流条件下で共沸的に生成水を除去しつつ行われ
る。
【0023】シリカ微粒子表面における結合基数(単位
面積当たりに結合した多価アルコール変性シリコーン油
数)は、通常の化学反応における収率に相当し、エステ
ル化反応における反応条件(反応温度、反応時間、アル
コールの添加量等)により適宜調整することができ、元
素分析及び表面積の測定により求めることができる。結
合基数は、0.1〜6.0個/nm2 、好ましくは0.
5〜4.0個/nm2とするとよい。結合基数が0.1
個/nm2 を下回る場合には二層分離を生じやすくな
り、また、6.0個/nm2 を上回る場合には電気粘性
効果が低下する。本発明の電気粘性流体において、エス
テル化されたシリカ微粒子は0.1重量%〜50重量
%、好ましくは3重量%〜30重量%の割合で含有され
るとよく、50重量%を越えると流動性が低下し、ま
た、0.1重量%未満では殆ど電気粘性効果が得られな
い。
【0024】また、本発明の電気粘性流体は、分極促進
剤として多価アルコール又はその部分誘導体が添加され
るものであり、水を用いることなく電気粘性効果が得ら
れる非水系流体であるので、100℃程度でも安定した
性能を得ることができる。
【0025】多価アルコールとしては、二価アルコー
ル、三価アルコール、例えばエチレングリコール、グリ
セリン、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、エチレンオキサイド単位
を1〜14有するポリエチレングリコール、一般式R
〔(OC3 6 m OH〕n (式中、Rは水素又は多価
アルコール残基、mは1〜17の整数、nは1〜6の整
数を表わす)、また、一般式R−CH(OH)(C
2 n OH(式中、Rは水素、又はCH3 −(C
2m −基であり、m+nは2〜14の整数を表わ
す)で示されるもの等を挙げることができる。これらの
中でもトリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコールが特に好ましい。
【0026】又、多価アルコールの部分誘導体として
は、少なくとも1つの水酸基を有する多価アルコールの
部分誘導体であり、上記多価アルコールの末端水酸基の
内の幾つかがメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、アルキル置換フェニル基(フェニル基に置換された
アルキル基の炭素数は1〜25)等により置換された部
分エーテル類、またその末端水酸基の内の幾つかが酢
酸、プロピオン酸、酪酸等によりエステル化された部分
エステル類が挙げられる。
【0027】これらの多価アルコール又はその部分誘導
体は、通常、シリカ微粒子に対して1重量%〜100重
量%、好ましくは2重量%〜80重量%の割合で使用す
るとよい。添加量が1重量%未満であるとER効果が少
なく、又100重量%を越えると電流が流れやすくなる
ので好ましくない。なお、水を分極促進剤として使用す
ると、特に昇温時に蒸発による電気粘性効果の低下が生
じるので好ましくない。
【0028】本発明における電気絶縁性流体としては、
シリコーン油が好ましいが、パラフィン系鉱油、ナフテ
ン系鉱油、またポリ- α- オレフィン、ポリアルキレン
グリコール、エステル油、ジエステル、ポリオールエス
テル、燐酸エステル、弗素油、アルキルベンゼン、アル
キルジフェニルエーテル、アルキルビフェニル、アルキ
ルナフタレン、ポリフェニルエーテル、合成炭化水素油
等の鉱油、合成潤滑油を使用してもよい。
【0029】シリコーン油としては、信越化学工業
(株)製のKF96シリーズ、東レ・ダウコーニングシ
リコーン(株)製のSH200シリーズ、東芝シリコー
ン(株)製のTSF451シリーズ等を使用することが
できる。
【0030】電気絶縁性流体の粘度範囲は、40℃で1
cSt〜300cStのものを使用するとよい。本発明
のシリカ微粒子を使用する時には、粘度が1cSt〜2
0cStと低い場合において特に優れた分散性を示すも
のである。
【0031】また、本発明の電気粘性流体には、必要に
応じて、酸、塩、又は塩基成分を添加してもよい。この
ような酸成分としては硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ク
ロム酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、或は酢酸、ギ酸、
プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、シュウ酸、マ
ロン酸等の有機酸が使用される。塩としては、金属又は
塩基性基(NH4 + 、N2 5 + 等)と酸基からなる化
合物であり、これらはいずれでも使用することができ
る。中でも多価アルコール、多価アルコール部分誘導体
の系に溶解して解離するもの、例えばアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属のハロゲン化物などの典型的なイオン結
晶を形成するもの、あるいは有機酸のアルカリ金属塩な
どが好ましい。この種の塩として、LiCl、NaC
l、KCl、MgCl2 、CaCl2 、BaCl2 、L
iBr、NaBr、KBr、MgBr2 、LiI、Na
I、KI、AgNO3 、Ca( NO3 )2、NaNO2
NH4NO3 、K2 SO4 、Na2 SO4 、NaHSO
4 、(NH4 2 SO4 あるいはギ酸、酢酸、シュウ
酸、コハク酸などのアルカリ酸金属塩がある。塩基とし
てはアルカリ金属或いはアルカリ土類金属の水酸化物、
アルカリ金属の炭酸塩、アミン類などであり、多価アル
コール、多価アルコール部分誘導体に溶解して解離する
ものが好ましい。この種の塩基として、NaOH、KO
H、Ca(OH)2、Na2 CO3 、NaHCO3 、K
3 PO4 、Na3 PO4 、アニリン、アルキルアミン、
エタノールアミンなどがある。尚、前記した塩と塩基を
併用することもできる。
【0032】酸、塩、塩基類は、分極効果を増大させる
ことができるものであるが、多価アルコール及び/又は
多価アルコール部分誘導体と組合せ使用することによ
り、より分極効果を増大させることができるものであ
り、電気粘性流体全体で5重量%以下の割合で使用する
とよい。5重量%を越えると通電しやすくなり、消費電
力が増大するので好ましくない。
【0033】本発明の電気粘性流体においては、必要に
応じて無灰分散剤を添加してもよい。無灰分散剤を添加
すると、電気粘性流体の基底粘度を低下させることがで
き、電気粘性流体を用いる機械システムの応用範囲を広
げることができる。無灰分散剤としては、例えばスルホ
ネート類、フェネート類、ホスホネート類、コハク酸イ
ミド類、アミン類、非イオン系分散剤等が使用され、具
体的にはマグネシウムスルホネート、カルシウムスルホ
ネート、カルシウムホスホネート、ポリブテニルコハク
酸イミド、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキ
オレート等が挙げられる。中でもポリブテニルコハク酸
イミドが好ましい。これらは通常、電気粘性流体全体で
0重量%〜20重量%の割合で使用される。
【0034】また、本発明の電気粘性流体には、必要に
応じて界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤として
は、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオ
ン界面活性剤、両性界面活性剤を使用することができ
る。
【0035】非イオン界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリ
コールエチレンジアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレング
リコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ペンタエリトリット脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂
肪酸エタノールアミド等が挙げられる。
【0036】また、アニオン界面活性剤としては、脂肪
酸アルカリ塩、アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂
肪酸多価アルコール硫酸エステル塩、硫酸化油、脂肪酸
アニリド硫酸エステル塩、石油スルホン酸塩、アルキル
ナフタリンスルホン酸塩、ジナフチルメタンスルホン酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等が
挙げられる。
【0037】更に、カチオン界面活性剤としては、弱カ
チオン性のカチオン界面活性剤として、例えばアルキル
アミン及びそのポリオキシアルキレン付加物として、例
えばオクチルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミ
ン、オレイルアミン、ステアリルアミン及びそのエチレ
ンオキシド5〜15モル付加物、プロピレンオキシド5
〜15モル付加物等が挙げられる。また、弱カチオン性
のカチオン界面活性剤として、高級アルキル基置換され
ていてもよいアルキレンジアミン、ジアルキレントリア
ミン等のポリアミン類のポリオキシアルキレン付加物と
して、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン
等のエチレンオキシド0〜100モル付加物又はエチレ
ンオキシド0〜100モルとプロピレンオキシド0〜1
00モルとのブロック又はランダム付加物、オレイルプ
ロピレンジアミン、ステアリルプロピレンジアミンのエ
チレンオキシド0〜100モル付加物が挙げられる。更
に、弱カチオン性のカチオン界面活性剤として、高級脂
肪酸アミド等のポリオキシアルキレン付加物として、例
えばオレイン酸アミド、ステアリン酸アミドのエチレン
オキシド5〜15モル付加物、プロピレンオキシド5〜
15モル付加物等等が挙げられる。カチオン性の強いカ
チオン界面活性剤としては、デカノイルクロリド、アル
キルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム
塩、アルキルアミン塩等があり、具体的には塩化セチル
トリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルア
ンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩
化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリル
ジメルベンジルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルア
ミノエチルアミド、ココナットアミンアセテート、ステ
アリルアミンアセテート、ココナットアミン塩酸塩、ス
テアリルアミン塩酸塩等が挙げられる。カチオン性の強
いカチオン界面活性剤の場合には電気粘性流体の使用温
度が100℃近くの高温となると導電性が高くなるの
で、上記の界面活性剤の中でも、特に弱カチオン性界面
活性剤を使用するのが好ましく、低温域から高温域まで
の広い温度範囲での作動において低導電性を維持するこ
とができる。
【0038】界面活性剤の含有量は、電気粘性流体中、
10重量%以下、好ましくは5重量%以下の割合で使用
するとよく、10重量%を越えると導電性が高くなるの
で好ましくない。
【0039】また、本発明の電気粘性流体には、必要に
応じて他の添加剤として酸化防止剤、腐食防止剤、摩耗
防止剤、極圧剤、消泡剤等を添加される。
【0040】酸化防止剤は、電気絶縁性液体の酸化防止
と共に、分極促進剤である多価アルコール、多価アルコ
ール部分誘導体等の酸化を防止することを目的とするも
のである。酸化防止剤としては、分極促進剤、分散質等
に不活性なものを使用するとよく、慣用されるフェノー
ル系、アミン系酸化防止剤を使用することができ、具体
的にはフェノール系としては2・6−ジ−t−ブチルパ
ラクレゾール、4・4’−メチレンビス(2・6−ジ−
t−ブチルフェノール)、2・6−ジ−t−ブチルフェ
ノール等、またアミン系としてはジオクチルジフェニル
アミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフ
ェニルアミン、N−ニトロソジフェニルアミン等を使用
することができ、電気粘性流体全体に対して10重量%
以下、好ましくは2.0重量%以下で使用することがで
きる。10重量%を越えると色相悪化、濁りの発生、ス
ラッジの発生、粘調性の増大等の問題がある。
【0041】また、腐食防止剤を添加してもよいが、分
極促進剤、分散質等に不活性なものを使用するとよく、
具体的には窒素化合物ではベンゾトリアゾールおよびそ
の誘導体、イミダゾリン、ピリミジン誘導体等、イオウ
及び窒素を含む化合物では、1.3.4-チアジアゾールポリ
スルフィド、1.3.4-チアジアゾリル-2.5- ビスジアルキ
ルジチオカルバメート、2-( アルキルジチオ) ベンゾイ
ミダゾール等、その他、β-(o−カルボキシベンジルチ
オ)プロピオンニトリルまたはプロピオン酸等を使用す
ることができ、電気粘性流体全体に対して10重量%以
下、好ましくは1.0重量%以下で使用するとよい。1
0重量%を越えると色相悪化、濁りの発生、スラッジの
発生、粘調性の増大等の問題がある。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
まず、多価アルコール変性シリコーン油により表面修飾
したシリカ微粒子の合成例を下記に示す。
【0043】(合成例1、本発明におけるシリカ微粒
子)
【0044】
【化3】
【0045】で示される多価アルコール変性シリコーン
油172gをトルエン300gに溶解させ、これにシリ
カ微粒子{富士シリシア化学(株)製、サイシリア31
0、平均粒径1.4μm}30gを加えた。これを十分
に攪拌しながら、6時間加熱還流させ、共沸的に水を除
去しつつ、エステル化反応を行なった。得られた生成物
をトルエンで洗浄した後、超遠心分離機(18,000
rpm×60min.)を使用して粒子を分離した。こ
の洗浄及び分離操作は、未反応の多価アルコール変性シ
リコーン油が除去される迄、繰り返された。次いで、ロ
ータリーエバポレーターを使用して分離されたシリカ微
粒子からトルエンを除去し、多価アルコール変性シリコ
ーン油により表面変性されたシリカ微粒子38gを得
た。
【0046】このシリカ微粒子の表面における多価アル
コール変性シリコーン油の結合基数は1.8個/nm2
であった。
【0047】(合成例2、比較用シリカ微粒子)多価ア
ルコール変性シリコーン油(信越化学工業(株)製、X
−22−170B、25℃、38cSt、片末端型で水
酸基を1個しか有しないもの)269gをトルエン30
0gに溶解させ、これにシリカ微粒子{富士シリシア化
学(株)製、サイシリア310、平均粒径1.4μm}
30gを加えた。これを十分に攪拌しながら、6時間加
熱還流させ、共沸的に水を除去しつつ、エステル化反応
を行なった。得られた生成物をトルエンで洗浄した後、
超遠心分離機(18,000rpm×60min.)を
使用して粒子を分離した。この洗浄及び分離操作は、未
反応の多価アルコール変性シリコーン油が除去される
迄、繰り返された。次いで、ロータリーエバポレーター
を使用して分離されたシリカ微粒子からトルエンを除去
し、多価アルコール変性シリコーン油により表面変性さ
れたシリカ微粒子41gを得た。
【0048】このシリカ微粒子の表面における多価アル
コール変性シリコーン油の結合基数は2.5個/nm2
であった。
【0049】(実施例1) ・合成例1で作製した表面変性シリカ微粒子 ・・ 15重量% ・オルガノポリシロキサン(信越化学工業(株)製、KF−96−10) ・・ 82重量% ・トリエチレングリコール ・・ 3重量% からなる組成の電気粘性流体を作製した。
【0050】(実施例2) ・合成例1で作製した表面変性シリカ微粒子 ・・ 20重量% ・オルガノポリシロキサン(信越化学工業(株)製、KF−96−10) ・・ 77重量% ・トリエチレングリコール ・・ 3重量% からなる組成の電気粘性流体を作製した。
【0051】(比較例1) ・合成例2で作製した表面変性シリカ微粒子 ・・ 15重量% ・オルガノポリシロキサン(信越化学工業(株)製、KF−96−10) ・・ 82重量% ・トリエチレングリコール ・・ 3重量% からなる組成の電気粘性流体を作製した。
【0052】(比較例2) ・合成例2で作製した表面変性シリカ微粒子 ・・ 20重量% ・オルガノポリシロキサン(信越化学工業(株)製、KF−96−10) ・・ 77重量% ・トリエチレングリコール ・・ 3重量% からなる組成の電気粘性流体を作製した。
【0053】上記で得られた鉄器粘性流体を下記の方法
により評価した。
【0054】(1)初期粘度、増粘倍率:電気粘性流体
を二重円筒型回転粘度計に充填し、まず、電場を印加し
ない状態での粘度を40℃で測定して初期粘度(cP)
とし、次いで内外円筒間に交流電圧1kVを印加した際
の粘度を測定して初期粘度との比を増粘倍率とした。
【0055】(2)分散安定性:電気粘性流体をメスシ
リンダー中に入れ、室温で30日間、静置しておいた
時、粒子が沈降し、上部に油のみの層ができることがあ
る。静置した時にできる上部の油のみの層の全体に対す
る割合(%)を二層分離量とした。
【0056】得られた結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】* ここで生じた二層分離はいずれも微小な
振動で容易に再分散するものであった。
【0059】表からわかるように、本発明の電気粘性流
体は増粘倍率に優れ、優れた電気粘性効果を示すもので
あり、特に電気粘性流体が攪拌・振動されて使用される
ような場合に特に適したものである。
【0060】
【発明の効果】本発明の電気粘性流体は、分散質である
シリカ微粒子の表面を、多価アルコール変性シリコーン
油を使用してエステル化処理することにより、シリカ微
粒子表面に分散媒である電気絶縁性流体と類似するシリ
コーン油成分を結合させたので分散媒との親和性に優れ
るものとでき、二層分離性が低くできる。
【0061】また、水酸基を少なくとも2個置換基とし
て有するシリコーン油によりエステル化変性することに
より、シリカ微粒子表面に結合した多価アルコール変性
シリコーン油の末端に水酸基を残すことができるので、
増粘効果に優れる電気粘性流体とできるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ微粒子と多価アルコールを電気絶
    縁性流体に配合してなる電気粘性流体であって、該シリ
    カ微粒子の表面が、アルコールにより変性されて水酸基
    を少なくとも2個置換基として有するシリコーン油によ
    りエステル化変性されたものであることを特徴とする電
    気粘性流体。
JP33846295A 1995-12-26 1995-12-26 電気粘性流体 Pending JPH09176676A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33846295A JPH09176676A (ja) 1995-12-26 1995-12-26 電気粘性流体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33846295A JPH09176676A (ja) 1995-12-26 1995-12-26 電気粘性流体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09176676A true JPH09176676A (ja) 1997-07-08

Family

ID=18318398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33846295A Pending JPH09176676A (ja) 1995-12-26 1995-12-26 電気粘性流体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09176676A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8120840B1 (en) 2010-11-23 2012-02-21 Inha-Industry Partnership Institute Electrorheological fluid having properties of newtonian fluid

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8120840B1 (en) 2010-11-23 2012-02-21 Inha-Industry Partnership Institute Electrorheological fluid having properties of newtonian fluid

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0567649B1 (en) Electroviscous fluid
JP2521558B2 (ja) 電気粘性流体組成物
US5106521A (en) Electrorheological fluids comprising carbonaceous particulates dispersed in electrical insulating oily medium containing a compound having specific functional groups
US5925288A (en) Electrorheological fluid containing silica particles esterified by an alcohol-modified silicone oil
EP0342041B1 (en) Electro-rheological fluid
US5071581A (en) Electrorheological fluids based on crown ethers and quaternary amines
JPH09176676A (ja) 電気粘性流体
JPH06145681A (ja) 電気粘性流体
JP2001234187A (ja) 潤滑油組成物
EP0395359B1 (en) Electroviscous electrically insulating fluids
JPH05271679A (ja) 電気粘性流体
JPH07173481A (ja) 電気粘性流体
JPH08176582A (ja) 電気粘性流体
JPH0532993A (ja) 電気粘性流体
JPH07292376A (ja) 電気粘性流体
JPH06299186A (ja) ヒドロカルビル芳香族ヒドロキシ化合物を有する電気流動性流体
JPH07190097A (ja) 電気粘性流体
JPH06145682A (ja) 電気粘性流体
JPH0782585A (ja) 電気粘性流体
EP0671460A1 (en) Electroviscous fluid
JPH05331480A (ja) 電気粘性流体
JPH05271680A (ja) 電気粘性流体
JPH0551592A (ja) 電気粘性流体
JPH0525489A (ja) 電気粘性流体
JPH0593192A (ja) 電気粘性流体