JPH0614549Y2 - 原稿移動型原稿読み取り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は原稿移動型原稿読み取り装置に関し、特に給紙
機構に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の原稿移動型原稿読み取り装置は第２図に示し断面
図のように、図では省略してあるが駆動源としてのパル
スモータと、ベルトや歯車等によって駆動力を伝達され
て回転する原稿送り用ローラ１と、フレーム２に固定さ
れた原稿ガイド３とが圧接し、それらの間を原稿が原稿
送り用ローラ１の摩擦力によって移動するものが知られ
ている。第２図に示した従来例では、いわゆる密着型の
装置を例にとったもので、ＬＥＤバーなどから成る光源
４で原稿を照らし、反射光をロッドレンズアレー５でセ
ンサー６に導いて原稿を読み取る。

また従来の他の原稿読み取り装置は第３図に示すように
回転する原稿送り用ローラ１とフレーム２に固定された
原稿ガイド３の間に原稿の厚さの分だけすきまを設け
て配置されているものも知られている。たとえば実願昭
５９−１４０４４７にこのような装置が開示されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら従来の第２図のような例では、原稿送り用
ローラ１と原稿ガイド３とが圧接しているために大きな
摩擦負荷となって大きな駆動トルクを有する大型のパル
スモータを必要とし、装置の形状や電源容量が大きくな
ってコストも高いものになってしまっていた。

また第３図のような例では、第２図の欠点を克服するも
のの原稿送り用ローラ１と原稿ガイド３の間に原稿の厚
さ分のすきまを設けなければならず、調整がむづかし
く、かつすきまより薄い原稿はうまく給紙できないと
いう欠点があった。

そこで本考案は従来のこのような欠点を解決するため、
調整が不要で原稿の厚さによらず確実に給紙できる原稿
移動型原稿読み取り装置を提供することを目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題を解決するために本考案では原稿送り用ローラ
と原稿ガイドを圧接させ、原稿が原稿送り用ローラと原
稿ガイドの間に挿入されたことを検出する原稿挿入検出
手段を設け、原稿が挿入される前と挿入されている時の
原稿送り用ローラの回転速度、すなわちパルスモータの
回転速度を変化させるための可変パルス駆動手段を設け
た。

〔作用〕

上記のような手段を設けることにより、原稿送り用ロー
ラと原稿ガイド間のすきまを調整する必要がなく、原稿
送り用ローラと原稿ガイドとが圧接しているので薄い原
稿でも給紙できる。

原稿が挿入されていない間は原稿送り用ローラは原稿ガ
イドとこすれ、原稿送り用ローラはゴム材などからなる
かめ摩擦係数は大きくパルスモータは大きなトルクを必
要とする。

しかしパルスモータはその回転速度を下げることによっ
てトルクをアップさせることができる。第４図は標準的
なトルクカーブの例を示す図で、横軸はパルス速度、縦
軸はトルクを示す。図から明らかなように、パルス速度
すなわち回転速度を下げればトルクは増大する。

従って原稿が挿入されていない間はモータの回転速度を
下げて充分なトルクを得、原稿が挿入されると原稿と原
稿送り用ローラとの摩擦係数は大きく、その摩擦が原稿
が送られ、一方原稿と原稿ガイドとの摩擦係数は小さい
ため、パルスモータは大きなトルクを必要とせず回転速
度を上げて原稿を高速に読み取ることができる。

〔実施例〕

以下にこの考案の実施例を第１図にもとずいて説明す
る。

原稿ガイド13は金属など剛性のある板から成り、フレー
ム12に固定されている。図示してないがフレーム12には
原稿17を読み取るラインセンサや光源、あるいはロッド
レンズアレーなど取り付けるものであり、原稿送り用ロ
ーラ11と原稿ガイド13とがバネなどの力で圧接してい
る。原稿送り用ローラ11は例えばシリコンゴムやフッ化
ゴムなどのゴム材から成る。14はパルスモータで、ベル
ト15を介して原稿送り用ローラ11を駆動する。このパル
スモータ14は可変パルス駆動手段16によって駆動され
る。可変パルス駆動手段16は一般に用いられるパルスモ
ータドライブ回路を用いることができ、パルス周波数を
変えることによって、パルスモータ14のパルス速度が決
まる。勿論第４図に示した如く、パルス速度を下げるこ
とにより、駆動トルクは上昇する。18は原稿挿入検出手
段であり、原稿17が原稿ガイド13と原稿送り用ローラ11
との間に挿入されたことを検出し、可変パルス駆動手段
16に伝達する役割を果たす。原稿挿入検出手段18は、赤
外フォトインタラプタやマイクロスイッチなど公知のも
のが利用できる。

第５図は本考案の他の実施例による原稿読み取り装置の
断面図で、原稿挿入検出手段は画像を読み取るためのラ
インセンサ19の出力を用いたものである。20はＬＥＤバ
ー光源などの光源であり、原稿17を照らし、反射光はロ
ッドレンズアレー21によってラインセンサ19上に正立等
倍像を結像し、画像を読み取る構成になっている。ここ
では原稿挿入検出手段は、このラインセンサ19が兼ねて
いるので、部品点数は増さないで済む。

〔考案の効果〕

本考案によれば、原稿送り用ローラと原稿ガイドを圧接
させる構造として、安定した原稿送りを行うことがで
き、原稿が挿入されていないときは極めて摩擦負荷は大
きいが、パルスモータのパルス速度を下げてトルクを大
きくすることによって脱調を防ぎ、原稿の挿入された摩
擦負荷の少ないときはパルス速度を上げて、高速に読み
取ることができる。また、原稿挿入検出手段をラインセ
ンサの出力を用いることによって、赤外フォトインタラ
プタや、マイクロスイッチを不要とするので、コスト的
にもスペース的にも有効であるなど数々の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる原稿移動型原稿読み取り装置の
構成図、第２図および第３図はそれぞれ従来の原稿移動
型原稿読み取り装置の断面図、第４図はパルスモータの
トルクカーブを示す図、第５図は本考案の実施例による
原稿読み取り装置の断面図である。 11……原稿送り用ローラ 12……フレーム 13……原稿ガイド 14……パルスモータ 15……ベルト 16……可変パルス駆動手段 17……原稿 18……原稿挿入検出手段 19……ラインセンサ 20……光源 21……ロッドレンズアレー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】駆動源としてのパルスモータ(14)と、ベル
   ト(15)や歯車等によって駆動力を伝達されて回転する原
   稿送り用ローラ(11)と、前記原稿送り用ローラ(11)と圧
   接しフレーム(12)に固定された原稿ガイド(13)とを有す
   る原稿移動型原稿読み取り装置において、原稿(17)が前
   記原稿送り用ローラ(11)と前記原稿ガイド(13)との間に
   挿入されたことを検出する原稿挿入検出手段(18)を設
   け、前記原稿挿入検出手段(18)の検出信号ありのときに
   前記パルスモータ(14)の回転速度を上げる可変パルス駆
   動手段(16)を設けたことを特徴とする原稿移動型原稿読
   み取り装置。
2. 【請求項２】原稿挿入検出手段(18)は画像を読み取るた
   めのラインセンサ(19)の出力を用いて成ることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の原稿移動型原
   稿読み取り装置。