JPH06145455A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH06145455A
JPH06145455A JP29584092A JP29584092A JPH06145455A JP H06145455 A JPH06145455 A JP H06145455A JP 29584092 A JP29584092 A JP 29584092A JP 29584092 A JP29584092 A JP 29584092A JP H06145455 A JPH06145455 A JP H06145455A
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unit
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graft copolymer
graft
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JP29584092A
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Kiyoshi Shimamura
喜代司 島村
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、メタクリル樹脂、スチレン
系樹脂等の熱可塑性樹脂の有する優れた特性を維持しつ
つ、耐熱性、耐薬品性および耐衝撃性を改良した熱可塑
性樹脂組成物を提供することにある。 【構成】 本発明の構成は、グルタル酸無水物環構造単
位5〜35重量%含有する重合体、特定重量比の芳香族
ビニル化合物単位とシアン化ビニル化合物単位とから成
る共重合体およびブタジエンを主たる成分としたゴム状
重合体に芳香族ビニル化合物単量体とシアン化ビニル化
合物単量体の単量体混合物をグラフト重合して得られた
グラフト共重合体から成る熱可塑性樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐衝撃性、及
び耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。メタ
クリル樹脂、スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂は、その
特性を生かして弱電部分、自動車部品あるいは工業部品
などの各種用途において広く使用されているが、耐熱性
や耐薬品性が必ずしも十分でないあるいは耐衝撃性が低
い等の問題を有している。
【0002】そこで、本発明の目的は、それら問題を改
良して広い用途に使用できる熱可塑性樹脂組成物を提供
するものである。
【0003】
【従来の技術】前記の問題を改良する技術としては、例
えば特開昭60−67557号公報に記載の如く、ゴム
状重合体にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合した
グラフト共重合をグルタル酸無水物環構造単位を含有す
る重合体に混合して、耐熱性を維持しつつ耐衝撃性を改
良する方法が提案されている。
【0004】あるいは、特開昭60−120734号公
報には、ブタジエンを主成分とするゴムに芳香族ビニル
化合物とメタクリル酸アルキルエステルとをグラフト重
合したグラフト共重合体をグルタル酸無水物環構造単位
を5〜74.5重量%含有する重合体に混合して、同様
に耐熱性を維持しつつ耐衝撃性を改良する方法が記載さ
れている。
【0005】しかしながら、これらの改良方法では、耐
衝撃性は改良されるものの耐薬品性の改良には不十分で
あったり、又は耐薬品性は改良されるもののグラフト共
重合体とグルタル酸無水物環構造単位を含有する重合体
との相溶性が不十分で耐衝撃性が改良されない等の問題
点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂等の熱可
塑性樹脂の特性を維持しつつ耐熱性、耐薬品性、および
耐衝撃性を改良することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような状況を鑑み、
本発明者らは種々検討した結果、グルタル酸無水物環構
造単位5〜25重量%含有する共重合体、78〜84重
量%の芳香族ビニル化合物単位と22〜16重量%のシ
アン化ビニル化合物単位とからなる共重合体、およびブ
タジエンを主たる成分としたゴム状重合体に78〜84
重量%の芳香族ビニル化合物単量体と22〜16重量%
のシアン化ビニル化合物単量体の単量体混合物をグラフ
ト重合して得られたグラフト共重合体からなる熱可塑性
樹脂組成物が、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂等の熱
可塑性樹脂の特性を維持しつつ耐熱性、耐薬品性、およ
び耐衝撃性が改良されることを見い出し本発明を完成し
た。
【0008】すなわち本発明は、 (A)ポリブタジエン又はブタジエン単位70重量%以
上を含むブタジエン共重合体からなるゴム成分とグラフ
ト重合体とからなるグラフト共重合体であって、上記グ
ラフト重合体が、芳香族ビニル化合物単位78〜84重
量%とシアン化ビニル化合物単位22〜16重量%であ
るグラフト共重合体5〜40重量%、 (B)(イ)メタアクリル酸メチル単位90〜30重量
%、(ロ)下記一般式で表されるグルタル酸無水物環構
造単位5〜25重量%、(ハ)芳香族ビニル化合物単位
5〜30重量%、及び(ニ)(メタ)アクリル酸単位1
〜15重量%から成り、かつ濃度10重量%のメチルエ
チルケトン溶液の温度25℃における粘度が8〜20セ
ンチポイズである共重合体90〜20重量%、及び (C)芳香族ビニル化合物単位78〜84重量%とシア
ン化ビニル化合物単位22〜16重量%とから成る共重
合体5〜40重量% からなる熱可塑性樹脂組成物である。
【0009】
【化2】
【0010】(式中のR1及びR2はメチル基又は水素
原子である。)本発明は、耐熱性が高い特定構造の共重
合体にそれと相溶性が高くかつ耐薬品性改良効果が高い
特定構造の共重合体を混合してマトリックス樹脂とし、
そのマトリックス樹脂と相溶性が高く、耐薬品性改良効
果を有し、かつ優れた補強効果を有するように最適設計
されたグラフト共重合体をブレンドすることにより、種
々の優れた特性を有する熱可塑性樹脂組成物を得ること
にある。
【0011】本発明の樹脂組成物における(A)成分の
グラフト共重合体に用いるゴム成分としては、ポリブタ
ジエンが一般的であるが、ブタジエンを主たる成分とし
これに他の単量体(例えば、芳香族ビニル化合物、シア
ン化ビニル化合物など)をランダムに又はブロック的に
共重合させたものであってもよい。このゴム成分は、本
発明の樹脂組成物の耐衝撃性を高める役割を果たすが、
ブタジエン共重合体の場合はそれに含まれるブタジエン
単位が70重量%以上であることが必要である。このブ
タジエン単位が70重量%未満の場合は該樹脂組成物の
耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性が低下する。
【0012】前記ゴム成分にグラフト重合する各単量体
の役目は、該ゴム成分にグラフト重合して該ゴム成分と
マトリックス樹脂との親和性を向上させるだけでなく、
該ゴム成分を適度に膨潤そして架橋せしめ、射出成形時
などで発生し易い剥離現象を防止して耐衝撃性を高める
役割を果たす。前記ゴム成分にグラフト重合する単量体
としたは、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物
が主体であって、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル
化合物との割合は重量比で78/22〜84/16の範
囲内である必要がある。この範囲外では、いずれの場合
もマトリックス樹脂との相溶性が悪く耐衝撃性が改良さ
れない。
【0013】前記芳香族ビニル化合物の具体的な例とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチ
レンなどが挙げられるが、これらの中でもスチレンが最
も好ましい。また、シアン化ビニル化合物の具体的な例
としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
が挙げられる。さらに、ゴム成分のマトリックス樹脂に
対する親和性をより向上させることを目的として、前記
芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物に加えて、
それらと共重合可能な他の単量体(例えばメタクリル酸
アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルなど)
を用いる場合がある。しかし、この場合、他の単量体の
量は、前記芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物
の合計100重量部に対して40重量部以下である。そ
れ以上の場合は、相溶性が低下したり耐薬品性が不十分
であったりする。
【0014】このようにして得られたグラフト共重合体
のグラフト率(枝部分/幹部分の重量比×100%)は
一般的には20〜80%、好ましくは30〜70%の範
囲である。本発明の樹脂組成物における(B)成分の共
重合体は、(イ)メタアクリル酸メチル単位、(ロ)下
記一般式で表されるグルタル酸無水物環構造単位、
(ハ)芳香族ビニル化合物単位、及び(ニ)(メタ)ア
クリル酸単位から成る共重合体であって、該樹脂組成物
の耐熱性および成形加工性に大きな影響を与える。
【0015】
【化3】
【0016】(式中のR1及びR2はメチル基又は水素
原子である。)この共重合体における(イ)メタアクリ
ル酸メチル単位は、該共重合体中90〜30重量%の範
囲で含有することが必要である。90重量%以上では耐
熱性の向上が不十分であり、一方この量が30重量%未
満では成形加工性が低下する。次に、(ロ)グルタル酸
無水物環構造単位は、耐熱変形性を向上させる役割を果
たすと同時に意外なことに耐熱分解性をも向上させる作
用を有する。このグルタル酸無水物環単位の含有量は該
共重合体に対して5〜25重量%の範囲内にあることが
必要である。この量が5重量%未満では耐熱変形性と耐
熱分解性の向上が十分でなく、また25重量%以上では
該樹脂組成物の加熱溶融粘度が上昇して大型成形加工性
が低下する。
【0017】(ハ)単位の芳香族ビニル化合物単位は、
主として成形加工性を向上させる役割を果たすのである
が、同時に驚くべきことに、(ハ)単位の芳香族ビニル
化合物単位と(ロ)のグルタル酸無水物環構造単位が共
存することによって耐熱分解性が更に向上する。芳香族
ビニル化合物単位としてはスチレン単位が最も好ましい
が、α−メチルスチレン単位、P−メチルスチレン単
位、2、4−ジメチルスチレン単位を含有させることも
できる。該共重合体中のこれらの芳香族ビニル化合物単
位の含有量は5〜30重量%の範囲である。この量が5
重量%未満では、成形加工性が低下すると同時に耐熱分
解性も低下する。また、30重量%以上では耐熱性が低
下して好ましくない。
【0018】さらに(ニ)単位の(メタ)アクリル酸単
位は耐熱性向上を果たすものであって、特に(ロ)のグ
ルタル酸無水物環構造単位の補助的な効果を示すもので
ある。該共重合体中のこの(ニ)単位の含有量は1〜1
5重量%の範囲である。この量が1重量%未満では
(ロ)単位を補助する耐熱性向上の役割が十分でなく、
また15重量%を超えると熱安定性が低下し、成形加工
時にガスが発生し易く好ましくない。
【0019】このように(イ)、(ロ)、(ハ)及び
(ニ)の各単位は、それぞれの役割を果たしているの
で、本発明の目的を達成するためには、それぞれの含有
量に有効かつ最適な範囲がある。また、本発明の樹脂組
成物における(B)成分の共重合体は、特定範囲の分子
量である必要がある。すなわち、該共重合体の濃度10
重量%のメチルエチルケトン溶液の温度25℃における
粘度が8〜20センチポイズの範囲内にあることが必要
である。この粘度が8センチポイズ未満では該樹脂組成
物の耐衝撃性、機械的物性が低下し、また、20センチ
ポイズ以上では高温溶融時の流動性が低下して成形加工
性が不満足なものとなる。
【0020】本発明の樹脂組成物における共重合体
(C)成分は、芳香族ビニル化合物単位とシアン化ビニ
ル化合物単位から成る共重合体であって、芳香族ビニル
単位とシアン化ビニル単位との割合は重量比で78/2
2〜84/16の範囲内にある必要がある。この範囲外
の場合は、いずれの場合も(A)成分及び(B)成分と
の相溶性が悪くて耐衝撃性が低下するばかりでなく、射
出成形時にゲ−ト付近が層状剥離を起こしたり、成形品
の伸び少ないために割れが発生し易かったりして好まし
くない。
【0021】前記芳香族ビニル化合物単位の具体的な例
としては、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチル
スチレンなどが挙げられるが、これらの中でもスチレン
が最も好ましい。また、シアン化ビニル化合物単位の具
体的な例としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リルなどが挙げられる。共重合体(C)成分の組成は、
グラフト共重合体(A)成分中のゴム成分にグラフトし
ている枝部分のグラフト共重合体と実質的に同一組成で
あることが好ましい。
【0022】したがって、共重合体(C)成分が芳香族
ビニル化合物単位とシアン化ビニル化合物単位に加えて
それらと共重合可能な他の単量体単位(例えばメタクリ
ル酸アルキルエステル単位、アクリル酸アルキルエステ
ル単位など)を含有する場合は、(A)成分中のゴム成
分にグラフトしている枝部分のグラフト共重合体にも芳
香族ビニル化合物単位とシアン化ビニル化合物単位に加
えて同一の他の単量体単位を実質的に同一量含有するこ
とが好ましい。
【0023】その際、他の単量体の量は、芳香族ビニル
化合物とシアン化ビニル化合物の合計100重量部に対
して40重量部以下である。それ以上の場合は、相溶性
が低下したり耐薬品性に劣るので好ましくない。本発明
の樹脂組成物の製造方法については、通常のラジカル重
合法が全て使用可能であるが、特に(A)成分のグラフ
ト共重合体は、塊状重合法も用いることができるが、乳
化重合法で製造するのが好ましい。
【0024】一方(B)成分の共重合体及び(C)成分
の共重合体は塊状重合法または適当な溶媒を用いた溶液
重合法で製造することができる。また、場合によって
は、共重合体(C)成分に関しては共重合体(A)成分
の製造時に同時に製造時される共重合体(C)成分を使
用しても差し支えない。すなわち、グラフト共重合体
(A)成分を乳化重合法で得る場合、ゴム成分にグラフ
トしなかったフリ−の芳香族ビニル化合物とシアン化ビ
ニル化合物との共重合体を共重合体(C)成分として用
いることも可能である。この場合、いったん固形物とし
て、グラフト共重合体(A)成分と共重合体(C)成分
との混合物を得、これをそのまま使用することもでき
る。しかしながら、この場合には、グラフト共重合体
(A)成分と共重合(C)成分との重量比が本発明の範
囲内でなければならない。
【0025】つぎに、本発明の樹脂組成物を得る方法と
しては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の所定
量を通常の単軸叉は2軸押出機を用いてそれらを溶融混
練し、ペレットとして得る方法が一般的である。このよ
うにして得られた樹脂組成物は、グラフト共重合体とマ
トリックス樹脂とのブレンド物であり、ゴム相が架橋体
を形成していることを利用してアセトンに可溶なマトリ
ックス樹脂と不溶部のグラフト共重合体とを分離するこ
とができる。この場合、まず樹脂組成物をアセトンに溶
解した後に遠心分離機を用いて不溶部と可溶部とに分離
する。最終的に得られた不溶部はアセトンを含有してい
るので、十分に乾燥させてから秤量する。一方、アセト
ン可溶部はアセトンを蒸発させて残留物として得ること
ができる。特にアセトン可溶部については、(B)成分
と(C)成分の混合物であるため分離する必要がある
が、高速液体クロマトグラフィを使用すれば容易に分離
可能である。
【0026】(B)成分の分析方法としては、一定濃度
のアセトン溶液としカセイアルカリ適定により(メタ)
アクリル酸単位量を定量でき、紫外線吸光光度計により
芳香族ビニル化合物単位量を求めることができる。ま
た、メタアクリル酸メチル単位量とグルタル酸無水物環
単位量は、赤外線吸光光度計により測定する。即ち、グ
ルタル酸無水物環単位は、1800cm-1及び1760cm-1に固有
の吸収を有するので他のカルボン酸単位やカルボン酸エ
ステル単位のものから区別される。一方、高速液体クロ
マトグラフィを用いて分離した(C)成分は赤外線吸光
光度計やNMR測定機によって容易にその組成を定量す
ることができる。
【0027】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお実施例中の各物性の測定法は次のとおりであ
る。 (1) 加熱変形温度: ASTMーD−648ー56(荷
重18.6Kg/cm -1)に準じて測定した。 (2) アイゾット衝撃強度: ASTMーD−256−5
6(ノッチ付き)に準じて測定した。 (3) 溶液粘度: キャノンフェンスケ型粘度計(管は#2
00を使用)を用いて測定した。 (4) 熱重量天秤: 20℃・分の昇温速度で加熱減量を
測定した。 (5) 耐油性: 箱型成形品にサラダ油を満たし、50℃
・100時間後のクラックの発生状況を観察した。
【0028】〔製造例〕 (1)グラフト共重合体(A−1)の重合例 スチレン単位12重量%、ブタジエン単位88重量%か
らなるスチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス
を固形分に換算して50重量部及びイオン交換水100
重量部を反応器に仕込み、撹拌しながら75℃で、スチ
レン83重量部とアクリロニトリル22重量部との混合
物、及び過硫酸カリウム0.8重量部をイオン交換水3
00重量部に溶解した水溶液を9時間にて連続的に添加
しながら重合を行い、重合反応終了後、グラフト共重合
体ラテックスを塩析、脱水、乾燥して分体のグラフト共
重合物を得た。
【0029】このグラフト共重合物は、65重量%のグ
ラフト共重合体(A−1)成分と35重量%のスチレン
−アクリロニトリル共重合体(C−1)成分の混合物で
あった。分析の結果、グラフト共重合体(A−1)成分
は52重量%のゴム成分(幹部分)と48重量%のグラ
フト重合体(枝部分)とからなっており、グラフト重合
体(枝部分)のスチレン(St)単位とアクリロニトリ
ル(AN)単位との重量比は、80/20であった。ま
た、実施例に使用したグラフト共重合体(A−1)成分
は、上記で得られたグラフト共重合物からアセトン可溶
部を分離して、アセトン不溶部のグラフト共重合体(A
−1)成分のみを用いて実施した。
【0030】(2)グラフト共重合物(A−2)の重合
例 スチレン単位26重量%、ブタジエン単位74重量%か
らなるスチレンーブタジエンゴム(SBR)ラテックス
を固形分に換算して50重量部及びイオン交換水100
重量部を反応器に仕込み、撹拌しながら80℃で、スチ
レン81重量部とアクリロニトリル20重量部との混合
物、及び過硫酸カリウム1.0重量部をイオン交換水4
00重量部に溶解した水溶液を10時間、連続的に添加
しながら重合を行い、重合反応終了後、グラフト共重合
体ラテックスを塩析、脱水、乾燥して分体のグラフト共
重合物を得た。
【0031】このグラフト共重合物は、分析の結果、ア
セトン不溶部のグラフト共重合体(A−2)成分が66
重量%とアセトン可溶部の共重合体(C−2)成分が3
4重量%との混合物であった。更に、グラフト重合体
(枝部分)のスチレン(St)単位とアクリロニトリル
(AN)単位との重量比は、81/19であった。ま
た、アセトン可溶部のグラフト共重合体(C−2)のス
チレン単位とアクリロニトリル単位との重量比も同様に
81/19であった。実施例ではアセトンによる分離は
せずにそのまま使用した。
【0032】(3)共重合体(B−1)の重合例 メタクリル酸メチル56重量%、スチレン14重量%、
メタクリル酸10量%、トルエン20重量%の合計10
0重量部に対し、オクチルメルカプタン0.06重量
部、1、1ジ−タ−シャリ−ブチルパ−オキシシクロヘ
キサン0.015重量部を加えた混合液を調整した。こ
の混合液を115℃の完全混合型重合機へ連続して供給
して重合を行った。固形分63重量%の重合反応液を連
続して高温真空室へ供給して未反応物と溶剤の除去及び
グルタル酸無水物環の生成を行った。
【0033】得られた共重合体の組成を分析したとこ
ろ、メタクリル酸メチル(MMA)単位67重量%、ス
チレン(St)単位19重量%、グルタル酸無水物環構
造単位11重量%、メタクリル酸単位3重量%であっ
た。またこの共重合体(B−1)の25℃におけるメチ
ルエチルケトン10重量%溶液の粘度は、12.3セン
チポイズであった。
【0034】(4)共重合体(B−2)の重合例 メタクリル酸メチル52重量%、スチレン6重量%、メ
タクリル酸7重量%、エチレングリコ−ルモノメチルエ
−テル35重量%の合計100重量部に対し、オクチル
メルカプタン0.2重量部、1、1ジ−タ−シャリ−ブ
チルパ−オキシ−3、3、5−トリメチルシクロヘキサ
ン0.025重量部を加えた混合液を調整した。この混
合液を118℃の完全混合型重合機へ連続して供給して
重合を行った。固形分58重量%の重合反応液を連続し
て高温真空室へ供給して未反応物と溶剤の除去及びグル
タル酸無水物環の生成を行った。得られた共重合体の組
成を分析したところ、メタクリル酸メチル(MMA)単
位77重量%、スチレン(St)単位11重量%、グル
タル酸無水物環構造単位7重量%、メタクリル酸単位5
重量%であった。またこの共重合体(B−2)の25℃
におけるメチルエチルケトン10重量%溶液の粘度は、
9.8センチポイズであった。
【0035】(5)共重合体(C−3)の重合例 スチレン79重量%、アクリロニチリル21重量%、連
鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマ−1.05重
量%の混合液を110℃の完全混合型重合機に仕込み重
合を行った。重合反応物を連続して高温真空室へ供給し
て未反応物の除去を行った。得られた共重合体の組成を
分析したところ、スチレン(St)単位とアクリロニト
リル(AN)単位との重量比は81/19であった。ま
たこの共重合体(C−3)の25℃におけるアセトン1
0重量%溶液の粘度は、11.8センチポイズであっ
た。
【0036】(6)共重合体(C−4)の重合例 スチレン80重量%、アクリロニチリル20重量%、連
鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマ−1.25重
量%の混合液を105℃の完全混合型重合機に仕込み重
合を行った。重合反応物を連続して高温真空室へ供給し
て未反応物の除去を行った。得られた共重合体の組成を
分析したところ、スチレン(St)単位とアクリロニト
リル(AN)単位との重量比は82/18であった。ま
たこの共重合体(C−4)の25℃におけるアセトン1
0重量%溶液の粘度は、9.8センチポイズであった。
【0037】(7)比較合成例 スチレン単位12重量%、ブタジエン単位88重量%か
らなるスチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス
を固形分に換算して50重量部及びイオン交換水100
重量部を反応器に仕込み、撹拌しながら75℃で、スチ
レン76重量部とアクリロニトリル27重量との混合物
及び過硫酸カリウム0.8重量部をイオン交換水300
重量部に溶解した水溶液を9時間にて連続的に添加しな
がら重合を行い、重合反応終了後、グラフト共重合体ラ
テックスを塩析、脱水、乾燥して分体のグラフト共重合
物を得た。
【0038】このグラフト共重合物は、62重量%のグ
ラフト共重合体(比較A−1)成分と38重量%のスチ
レン−アクリロニトリル共重合体(比較C−1)成分の
混合物であった。分析の結果、グラフト共重合体(比較
A−1)成分は55重量%のゴム成分(幹部分)と45
重量%のグラフト重合体(枝部分)とからなっており、
グラフト重合体(枝部分)のスチレン(St)単位とア
クリロニトリル(AN)単位との重量比は、74.5/
25.5であった。実施例と同様に得られたグラフト共
重合物からアセトン可溶部を分離して、アセトン不溶部
のグラフト共重合体(比較A−1)成分のみを用いた。
【0039】同様にして、スチレン単位12重量%、ブ
タジエン単位88重量%からなるスチレン−ブタジエン
ゴム(SBR)ラテックスにスチレン85重量部とアク
リロニトリル12重量との混合物及をグラフト重合し
て、グラフト共重合物を得た。このグラフト共重合物
は、63重量%のグラフト共重合体(比較A−2)成分
と37重量%のスチレン−アクリロニトリル共重合体
(比較C−2)成分の混合物であった。分析の結果、グ
ラフト共重合体(比較A−2)成分は55重量%のゴム
成分(幹部分)と45重量%のグラフト重合体(枝部
分)とから成っており、グラフト重合体(枝部分)のス
チレン(St)単位とアクリロニトリル(AN)単位と
の重量比は89/11であった。
【0040】また、スチレン73重量%、アクリロニチ
リル27重量%、連鎖移動剤としてα−メチルスチレン
ダイマ−1.05重量%の混合液を110℃の完全混合
型重合機に仕込み重合を行った。重合反応物を連続して
高温真空室へ供給して未反応物の除去を行った。得られ
た共重合体(比較C−3)は、スチレン(St)単位と
アクリロニトリル(AN)単位との重量比が74/26
であり、また比較例として用いたこの共重合体の25℃
におけるアセトン10重量%溶液の粘度は、10.6セ
ンチポイズであった。
【0041】同様にして、スチレン86重量%とアクリ
ロニトリル14重量%を重合して、スチレン(St)単
位とアクリロニトリル(AN)単位との重量比が74/
26であり、粘度が11.7センチポイズの共重合体
(比較C−4)を得た。
【0042】
【実施例1、比較例1〜2】グラフト共重合体(A−
1)及び(比較A−1)、共重合体(B−1)、共重合
体(C−3)及び(比較C−3)をそれぞれ表1に示し
たような割合で混合して、30mmφベント付き二軸押出
機を用いて溶融ブレンドして樹脂混合物を得た。この樹
脂の性状を表2に示した。
【0043】ゴム成分にグラフト重合した枝部分のスチ
レン単位とアクリロニトリル単位との重量比が80/2
0であるグラフト共重合体(A−1)、とスチレン単位
とアクリロニトリル単位との重量比が91/19である
共重合体(C−3)を用いた実施例1は、耐熱性、耐衝
撃性、耐薬品性に優れている。一方、ゴム成分にグラフ
ト重合した枝部分のスチレン単位とアクリロニトリル単
位との重量比が64.5/25.5と従来一般的に良く
使用されるレベルのアクリロニトリル単位を含有するグ
ラフト共重合体(比較A−1)、あるいはスチレン単位
とアクリロニトリル単位との重量比が74/26である
共重合体(比較C−3)を用いた場合は、比較例に示し
たように耐熱性、耐薬品性には優れているが、耐衝撃性
が劣っている。
【0044】
【実施例2〜5】グラフト共重合体(A−1、A−
2)、共重合体(B−1、B−2)、共重合体(C−
2、C−3、C−4)を表3に示したような割合で混合
して、30mmφベント付き二軸押出機を用いて溶融ブレ
ンドして樹脂混合物を得た。いずれの場合も優れた耐熱
性、耐衝撃性、耐薬品性を有していた。
【0045】
【実施例6、比較例3〜5】グラフト共重合体(A−
1)及び(比較A−2)、共重合体(B−1)、共重合
体(C−4)及び(比較C−4)を用いた樹脂混合物の
結果を表4に示した。ゴム成分にグラフト重合した枝部
分のスチレン単位とアクリロニトリル単位との重量比が
80/20であるグラフト共重合体(A−1)、とスチ
レン単位とクリロニトリル単位との重量比が82/18
である共重合体(C−4)を用いた実施例6は、耐熱
性、耐衝撃性、耐薬品性に優れている。
【0046】一方、ゴム成分にグラフト重合した枝部分
のスチレン単位とアクリロニトリル単位との重量比が8
8/12であるグラフト共重合体(比較A−2)、ある
いはスチレン単位とアクリロニトリル単位との重量比が
88/12である共重合体(比較C−4)を用いた場合
は、比較例3〜5に示したように、耐熱性には優れてい
るが、耐薬品性、熱耐衝撃性が劣っている。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】本発明は、耐熱性が高い特定構造の共重
合体にこの共重合体と相溶性が高くかつ耐薬品性改良効
果が高い特定構造の共重合体を混合してマトリックス樹
脂とし、そのマトリックス樹脂と相溶性が高く、耐薬品
性改良効果を有し、かつ優れた補強効果を有するように
最適設計されたグラフト共重合体をブレンドした樹脂組
成物であるので、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂等の
熱可塑性樹脂と同等の特性を維持しつつ耐熱性、耐薬品
性、および耐衝撃性の改良効果も得られるため応用範囲
の広い熱可塑性樹脂組成物となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム成分とそれにグラフトしてな
    るグラフト共重合体であって、該ゴム成分はポリブタジ
    エン又はブタジエン単位70重量%以上を含むブタジエ
    ン共重合体であり、かつ上記グラフト共重合体が芳香族
    ビニル化合物単位78〜84重量%とシアン化ビニル化
    合物単位22〜16重量%であるグラフト共重合体5〜
    40重量%、 (B)(イ)メタアクリル酸メチル単位90〜30重量
    %、(ロ)下記一般式で表されるグルタル酸無水物環構
    造単位5〜25重量%、(ハ)芳香族ビニル化合物単位
    5〜30重量%、及び(ニ)(メタ)アクリル酸単位1
    〜15重量%からなり、かつ濃度10重量%のメチルエ
    チルケトン溶液の温度25℃における粘度が8〜20セ
    ンチポイズである共重合体90〜20重量%、 (C)芳香族ビニル化合物単位78〜84重量%とシア
    ン化ビニル化合物単位22〜16重量%とからなる共重
    合体5〜40重量%、 からなる熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 (式中R1又はR2はメチル基又は水素原子である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1602688A4 (en) * 2003-03-12 2006-05-24 Toray Industries THERMOPLASTIC RESIN COMPOSITION, MOLDED ARTICLE, AND FILM
US7462671B2 (en) 2003-03-12 2008-12-09 Toray Industries, Inc. Thermoplastic resin composition, molded article, and film

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