JPH06145428A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びその製造方法

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JPH06145428A
JPH06145428A JP4300125A JP30012592A JPH06145428A JP H06145428 A JPH06145428 A JP H06145428A JP 4300125 A JP4300125 A JP 4300125A JP 30012592 A JP30012592 A JP 30012592A JP H06145428 A JPH06145428 A JP H06145428A
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JP
Japan
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rubber composition
glass transition
transition point
vulcanized
performance
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JP4300125A
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English (en)
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Kazumasa Nakakita
一誠 中北
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トレッドゴム量の低減によって軽量化を図る
ようにしながら、耐摩耗性能、低転がり性能及びウェッ
トグリップ性能を同時に向上させることを可能にした空
気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。 【構成】 −40℃以上の温度領域にガラス転移点を有
する未加硫のゴム組成物Aを半加硫状態にまで加硫し、
この半加硫のゴム組成物Aを重量配分率が50%以下と
なるように、−40℃未満の温度領域にガラス転移点を
有する未加硫のゴム組成物Bと共に密閉式混合機内で混
合した後、この混合ゴム組成物A+Bからトレッド部を
構成したグリーンタイヤを作り、このグリーンタイヤを
金型を使用して加硫成形する。ゴム組成物Bのマトリッ
クスとゴム組成物Aの分散層ととの間のガラス転移点の
平均化を防止し、損失係数 tanδの温度依存性に複数の
ピークを持たせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は汎用タイヤに好適な空気
入りタイヤに関し、更に詳しくは、トレッドゴム量の低
減によって軽量化を図る場合、耐摩耗性能の向上と共
に、低転がり性能及びウェットグリップ性能を同時に向
上させることを可能にした空気入りタイヤ及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の温暖化現象が問題になり、
二酸化炭素の放出量を規制する動きが高まってきてい
る。このため、化石燃料の消費量を低減することが技術
課題となり、軽量化により燃費を向上させた車両が強く
求められている。この車両の軽量化には車両のバネ下重
量の低減が有効であり、空気入りタイヤの軽量化が重要
視されてきている。
【0003】空気入りタイヤは種々の部品から構成され
ているが、その中でも特にトレッドゴムはタイヤ全体に
占める割合が大きいため、そのキャップトレッド部のボ
リュームを小さくすることができれば、空気入りタイヤ
を軽量化することが可能である。しかし、このボリュー
ムを小さくすると、トレッド部が薄くなることに伴って
溝深さが浅くなるため、キャップトレッド部の摩耗寿命
が短くなり、耐摩耗性能が低下してしまう。
【0004】ところで、空気入りタイヤの耐摩耗性能は
トレッドゴムのガラス転移点が低温にあるほど優れてい
る(Rubber Chem. & Tech.、第44巻、1971年発行、第 9
96頁) 。しかし、このガラス転移点が低いトレッドゴム
はウェットグリップ性能が低下するという特性がある。
また、逆にガラス転移点の高いトレッドゴムは転がり抵
抗が大きくなるという特性がある。このような知見か
ら、トレッドゴムのガラス転移点が耐摩耗性能、ウェッ
トグリップ性能及び低転がり性能を決定していることに
なるので、このトレッドゴムのガラス転移点をコントロ
ールすることができれば、上述の3つのタイヤ性能を向
上させることができる。
【0005】しかしながら、上述のように3つのタイヤ
性能は、トレッドゴムのガラス転移点に対して3律背反
の関係にあるので、単純に種々の未加硫のゴム組成物を
混合し、加硫するだけでは、ガラス転移点が平均化さ
れ、種々混合したゴム組成物の中間の性質しか現れない
ことになり、上記3律背反を克服することはできない。
即ち、混合によって、ゴム組成物のそれぞれの特徴であ
るところの損失係数 tanδのピークがブロードになるの
で、種々のゴム組成物の特徴を合わせ持つ混合ゴム組成
物が得られるのではなく、それらの混合比に基づく異な
った性質の混合ゴム組成物が得られるに過ぎないのであ
る。このように混合ゴム組成物の性質が平均化してしま
うのは、加硫時に共加硫によって異なったポリマー間に
硫黄の橋掛けが生じ、混合ゴム組成物が相溶してしまう
ためである。
【0006】従って、前述の軽量化に伴う耐摩耗性の低
下を補うために、トレッドゴムにガラス転移点の低いゴ
ム組成物を用いると、逆にウェットグリップ性能が低下
してしまう。また、他の手段として、カーボンブラック
を増量することにより耐摩耗性能の向上を図ると今度は
転がり抵抗が増大してしまい、低燃費性はかえって低下
することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、汎用
タイヤに好適な空気入りタイヤにおいて、トレッドゴム
量の低減によって軽量化を図るようにしながら、耐摩耗
性能、低転がり性能及びウェットグリップ性能を同時に
向上させることを可能にした空気入りタイヤ及びその製
造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る空気入りタ
イヤは、−40℃未満の温度領域にガラス転移点を有す
るゴム組成物Bをマトリックスとし、−40℃以上の温
度領域にガラス転移点を有するゴム組成物Aを分散層と
する混合ゴム組成物A+Bからトレッド部を構成したこ
とを特徴とするものである。
【0009】このように低ガラス転移点のゴム組成物B
をマトリックスとし、高ガラス転移点のゴム組成物Aを
分散層としてトレッド部に不均一層を形成することによ
り、ガラス転移点の平均化を防止することができるの
で、耐摩耗性能、低転がり性能及びウェットグリップ性
能を同時に向上させることができる。従って、低ガラス
転移点のゴム組成物Bをマトリックスする耐摩耗性能及
び低転がり性能に優れた汎用の空気入りタイヤにおい
て、軽量化を図りつつウェットグリップ性能を改善する
ことができる。
【0010】本発明において、分散層となるゴム組成物
Aには、−40℃以上の温度領域にガラス転移点を有す
るポリマーを使用し、マトリックスとなるゴム組成物B
には、−40℃未満の温度領域にガラス転移点を有する
ポリマーを使用するが、これらポリマーとしては、SB
R,BR,NR,IR,NBRなど通常タイヤに用いる
ゴムを使用することができる。ゴム組成物A,Bには、
それぞれ1種又は2種以上のポリマーを配合することが
できる。さらに、ゴム組成物Aとゴム組成物Bとのガラ
ス転移点の差は10℃以上にすることが好ましい。
【0011】また、ゴム組成物A,Bには、カーボンブ
ラック、オイル、老化防止剤、加硫系配合剤などを適宜
適量配合することができる。カーボンブラックには、H
AF、ISAF、SAFなどを使用することができ、そ
の配合量は混合ゴム組成物A+Bのポリマー100重量
部に対して40〜100重量部とする。但し、ゴム組成
物Aとゴム組成物Bとでカーボンブラックの種類或いは
配合分率が異なっていてもよい。この場合に、ガラス転
移点が低いゴム組成物Bの方に多量のカーボンブラック
を配合するようにし、或いは小粒径のカーボンブラック
を配合するようにすることが好ましい。これは、高温の
損失係数 tanδに対するカーボンブラックの影響がガラ
ス転移点の低いポリマーほど小さいので、40〜60℃
における損失係数 tanδが高いほど転がり抵抗が大きく
なるという特性に鑑みて、ガラス転移点の低いポリマー
とカーボンブラックとのインターラクションを多くする
方が低転がり性能に有利だからである。しかも、ガラス
転移点の高いポリマーにカーボンブラックを多く配合し
ていくとウェットグリップ性能が低下していくので、こ
の意味からもガラス転移点が低いゴム組成物Bの方に多
量配合することが有利である。
【0012】加硫系配合剤としては、混合ゴム組成物A
+Bのポリマー100重量部に対して硫黄1〜7重量部
と、加硫促進剤を適量配合する。この場合も、ゴム組成
物Aとゴム組成物Bとで硫黄及び加硫促進剤の種類或い
は配合分率が異なっていてもよい。なお、本発明におい
て、ガラス転移点とはASTM D3417−75に規
定された方法に準じて測定した値をいう。
【0013】一方、上述のように3つのタイヤ性能を満
足させながら軽量化を可能にした空気入りタイヤを製造
する場合は、−40℃以上の温度領域にガラス転移点を
有する未加硫のゴム組成物Aを半加硫状態にまで加硫
し、この半加硫のゴム組成物Aを重量配分率が50%以
下となるように、−40℃未満の温度領域にガラス転移
点を有する未加硫のゴム組成物Bと共に密閉式混合機内
で混合した後、この混合ゴム組成物A+Bからトレッド
部を構成したグリーンタイヤを作り、このグリーンタイ
ヤを金型を使用して加硫成形する。
【0014】このように半加硫のゴム組成物Aを重量配
分率が50%以下となるように未加硫のゴム組成物Bと
共に混合することにより、低ガラス転移点のゴム組成物
Bからなるマトリックスに高ガラス転移点のゴム組成物
Aからなる分散層を点在させ、双方のガラス転移点の平
均化を防止することができる。本発明方法を更に詳細に
説明すると、−40℃以上の温度領域にガラス転移点を
有する未加硫のゴム組成物Aは1種又は2種以上のポリ
マーと、カーボンブラック、加硫系配合剤、そして必要
に応じてオイル、老化防止剤などを密閉式混合機で混合
する。このとき、混合量やローターの回転数を考慮して
適宜の温度調整手段によって密閉式混合機の混合曹内を
適当な温度とし、ゴム組成物Aを半加硫状態にまで加硫
する。但し、本発明方法において、半加硫状態とは混合
トルクが反応前の1.5〜3倍となった状態と定義す
る。
【0015】次いで、上述のように半加硫状態にしたゴ
ム組成物Aを重量配分率が50%以下となるように、−
40℃未満の温度領域にガラス転移点を有する未加硫の
ゴム組成物Bと共に密閉式混合機内で更に混合する。こ
のゴム組成物Bは1種又は2種以上のポリマーと、カー
ボンブラック、加硫系配合剤、そして必要に応じてオイ
ル、老化防止剤などを混合したものである。そして、ゴ
ム組成物Aとゴム組成物Bとを十分に混合し、更に硫
黄、加硫促進剤等の加硫系配合剤を配合した後、このゴ
ム組成物A+Bからタイヤのトレッド部を押出成形す
る。以降の工程では、従来と同様にグリーンタイヤを作
り、そのグリーンタイヤを金型を使用して加硫成形す
る。
【0016】本発明方法において、ゴム組成物Aとゴム
組成物Bとの混合に際し、半加硫状態にしたゴム組成物
Aの重量の方が多くなるとコンパウンドとしてまとまり
がなくなるので、ゴム組成物Aの重量配分率を50%以
下にする。また、ゴム組成物Aの重量配分率は耐摩耗性
能にも影響し、この重量配分率が大きいと耐摩耗性能が
低下するため、好ましくは30%以下とするのがよい。
【0017】
【実施例】
実施例1 表1及び表2に示すような組成の比較配合物1と本発明
配合物1を下記の混合方法により作製した。比較配合物1 密閉式混合機(B型バンバリーミキサー)に、側面温度
50℃、ローター回転数40rpmの条件で表1の原料
ゴムを投入し、30秒後に硫黄、加硫促進剤を除く配合
剤を投入し、4分間混練した。その後、約50℃に制御
した8インチロールを使用して硫黄、加硫促進剤を加
え、3分間混練した。
【0018】本発明配合物1 密閉式混合機に、側面温度80℃、ローター回転数40
rpmの条件で表1の原料ゴムを投入し、30秒後に全
配合剤を投入し、7.5分間混練することにより、半加
硫状態の配合物Xを得た。このとき配合物Xの放出温度
は178℃、放出前のトルクはゴム投入後2.5分後の
トルクに比べて1.5倍であった。次いで、密閉式混合
機に、側面温度50℃、ローター回転数40rpmの条
件で表2の原料ゴムと配合物Xを投入し、30秒後に硫
黄、加硫促進剤を除く配合剤を投入し、4分間混練し
た。その後、約50℃に制御した8インチロールを使用
して硫黄、加硫促進剤を加え、3分間混練した。なお、
本発明配合物1と比較配合物1とは最終的な配合は全く
同じである。
【0019】 表1及び表2において、 1) スチレンコンテントが5%の溶液重合SBR。
【0020】(ガラス転移温度−72.3℃) 2) スチレンコンテントが47%のエマルジョン重合S
BR。(ガラス転移温度−20.7℃) 3) N-(1,3,-ジメチルブチル)-N'-フェニル-P- フェニ
レンジアミン 4) N-シクロヘキシル−ベンゾチアジルスルフェンアミ
ド これら比較配合物1、本発明配合物1について、下記の
試験を行って耐摩耗性能、ウェットグリップ性能及び低
転がり性能を評価した。
【0021】耐摩耗性能 配合物をそれぞれ148℃で40分間加硫した後、グッ
ドリッチ式ピコ摩耗試験機により摩耗減量を測定した。
この測定値の逆数を求め、比較配合物1を基準値(10
0)とする指数で示した。この指数値が大きいほど耐摩
耗性能が優れている。ウェットグリップ性能 配合物をそれぞれ148℃で40分間加硫した後、蒸留
水にて湿潤させた舗装近似路面(3M社製のセーフティ
ーウォーク)を路面として使用し、25℃の雰囲気中で
ブリティッシュポータブルスキッドテスターによりウェ
ットスキッド抵抗値を測定した。この測定値を比較配合
物1を基準値(100)とする指数で示した。この指数
値が大きいほどウェットグリップ性能が優れている。低転がり性能 配合物をそれぞれ148℃で40分間加硫し、幅5m
m、長さ40mm、厚さ2mmの試験シートを作製し
た。そして、加硫試験機(東洋精機製作所製レオグラ
フ、SOLID L−1)を使用して、チャック間距離
20mmの伸張モードで40℃における損失係数 tanδ
を測定した。この測定値を比較配合物1を基準値(10
0)とする指数で示した。この指数値が小さいほど転が
り抵抗が少なく、低転がり性能が優れている。
【0022】 この表3から明らかなように、本発明配合物1は比較配
合物1に比較して耐摩耗性能、ウェットグリップ性能及
び低転がり性能が共に向上していた。この場合、耐摩耗
性能が向上する一方で、40℃における損失係数 tanδ
が減少したのは、カーボンブラックを低ガラス転移点の
ゴム組成物中に多く配分したためである。 実施例2 表4及び表5に示すような組成の比較配合物2と本発明
配合物2を下記の混合方法により作製した。
【0023】比較配合物2 密閉式混合機(B型バンバリーミキサー)に、側面温度
50℃、ローター回転数40rpmの条件で表4の原料
ゴムを投入し、30秒後に硫黄、加硫促進剤を除く配合
剤を投入し、4分間混練した。その後、約50℃に制御
した8インチロールを使用して硫黄、加硫促進剤を加
え、3分間混練した。
【0024】本発明配合物2 密閉式混合機に、側面温度80℃、ローター回転数40
rpmの条件で表4の原料ゴムを投入し、30秒後に全
配合剤を投入し、7.5分間混練することにより、半加
硫状態の配合物Yを得た。このとき配合物Yの放出温度
は175℃、放出前のトルクはゴム投入後2.5分後の
トルクに比べて1.5倍であった。次いで、密閉式混合
機に、側面温度50℃、ローター回転数40rpmの条
件で表5の原料ゴムと配合物Yを投入し、30秒後に硫
黄、加硫促進剤を除く配合剤を投入し、4分間混練し
た。その後、約50℃に制御した8インチロールを使用
して硫黄、加硫促進剤を加え、3分間混練した。なお、
本発明配合物2と比較配合物2とは最終的な配合は全く
同じである。
【0025】
【0026】 表4及び表5において、 3) N-(1,3,-ジメチルブチル)-N'-フェニル-P- フェニ
レンジアミン 4) N-シクロヘキシル−ベンゾチアジルスルフェンアミ
ド 5) スチレンコンテントが23%のエマルジョン重合S
BR。
【0027】(ガラス転移温度−49.5℃) 6) スチレンコンテントが19%の溶液重合SBR。
(ガラス転移温度−49.2℃) 7) スチレンコンテントが15.6%の溶液重合SB
R。(ガラス転移温度−58.4℃) 8) スチレンコンテントが41%のエマルジョン重合S
BR。(ガラス転移温度−28.1℃) これら比較配合物2、本発明配合物2について、実施例
1と同様の試験を行って耐摩耗性能、ウェットグリップ
性能及び低転がり性能を評価した。但し、表6におい
て、各指数値は比較配合物2を基準値(100)とする
ものである。
【0028】 この表6から明らかなように、本発明配合物2は比較配
合物2に比較して耐摩耗性能、ウェットグリップ性能及
び低転がり性能が共に向上していた。この場合、耐摩耗
性能が向上する一方で、40℃における損失係数 tanδ
が減少したのは、カーボンブラックを低ガラス転移点の
ゴム組成物中に多く配分したためである。更に、本発明
配合物2及び比較配合物2の損失係数 tanδの温度を変
化させて測定し、その損失係数 tanδの温度依存性を図
1に示した。
【0029】この図1から判るように、本発明配合物2
と比較配合物2とは同一の組成であるにも拘わらず、比
較配合物2が1つのピークしか有していないのに対し
て、本発明配合物2は2つのピークを有していた。これ
は、混合中に半加硫状態にまで加硫反応を行った配合物
Yが、本発明配合物2の他のポリマーと共加硫せずに独
立したガラス転移点を有していることを示している。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る空気
入りタイヤは、−40℃未満の温度領域にガラス転移点
を有するゴム組成物Bをマトリックスとし、−40℃以
上の温度領域にガラス転移点を有するゴム組成物Aを分
散層とする混合ゴム組成物A+Bからトレッド部を構成
したことにより、ガラス転移点の平均化を防止すること
ができるので、耐摩耗性能、低転がり性能及びウェット
グリップ性能を同時に向上させることができる。従っ
て、低ガラス転移点のゴム組成物Bをマトリックスする
耐摩耗性能及び低転がり性能に優れた汎用の空気入りタ
イヤにおいて、軽量化を図りつつウェットグリップ性能
を改善することができる。また、本発明に係る空気入り
タイヤの製造方法によれば、−40℃以上の温度領域に
ガラス転移点を有する未加硫のゴム組成物Aを半加硫状
態にまで加硫し、この半加硫のゴム組成物Aを重量配分
率が50%以下となるように、−40℃未満の温度領域
にガラス転移点を有する未加硫のゴム組成物Bと共に混
合することにより、上述の空気入りタイヤを製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明配合物及び比較配合物の損失係数 tanδ
の温度依存性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 21:00 105:24 B29L 30:00 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 −40℃未満の温度領域にガラス転移点
    を有するゴム組成物Bをマトリックスとし、−40℃以
    上の温度領域にガラス転移点を有するゴム組成物Aを分
    散層とする混合ゴム組成物A+Bからトレッド部を構成
    した空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 −40℃以上の温度領域にガラス転移点
    を有する未加硫のゴム組成物Aを半加硫状態にまで加硫
    し、この半加硫のゴム組成物Aを重量配分率が50%以
    下となるように、−40℃未満の温度領域にガラス転移
    点を有する未加硫のゴム組成物Bと共に密閉式混合機内
    で混合した後、この混合ゴム組成物A+Bからトレッド
    部を構成したグリーンタイヤを作り、このグリーンタイ
    ヤを金型を使用して加硫成形する空気入りタイヤの製造
    方法。
JP4300125A 1992-11-10 1992-11-10 空気入りタイヤ及びその製造方法 Pending JPH06145428A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08188675A (ja) * 1995-01-06 1996-07-23 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物及びその製法
JPH08231766A (ja) * 1994-12-28 1996-09-10 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物及びその製法
JP2007153955A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物
JP2018080268A (ja) * 2016-11-17 2018-05-24 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法およびそれを用いた空気入りタイヤ

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