JP3089435B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
空気入りタイヤの製造方法Info
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- JP3089435B2 JP3089435B2 JP03158939A JP15893991A JP3089435B2 JP 3089435 B2 JP3089435 B2 JP 3089435B2 JP 03158939 A JP03158939 A JP 03158939A JP 15893991 A JP15893991 A JP 15893991A JP 3089435 B2 JP3089435 B2 JP 3089435B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性とウェットグ
リップ性能とを両立させることにより軽量化を可能にす
る空気入りタイヤの製造方法に関する。
リップ性能とを両立させることにより軽量化を可能にす
る空気入りタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の温暖化現象が問題になり、
二酸化炭素の放出量を規制する動きが高まってきてい
る。そのため、化石燃料の消費量を低減することが技術
課題となり、軽量化により燃費を向上した車両が強く求
められている。この車両の軽量化には車両のバネ下重量
の低減が有効であり、空気入りタイヤの軽量化が重要視
されてきている。しかしながら、空気入りタイヤの各パ
ーツのボリュームダウンは、タイヤ性能との兼ね合いか
ら限界にきており、従来の技術の延長では達成すること
できなくなっている。
二酸化炭素の放出量を規制する動きが高まってきてい
る。そのため、化石燃料の消費量を低減することが技術
課題となり、軽量化により燃費を向上した車両が強く求
められている。この車両の軽量化には車両のバネ下重量
の低減が有効であり、空気入りタイヤの軽量化が重要視
されてきている。しかしながら、空気入りタイヤの各パ
ーツのボリュームダウンは、タイヤ性能との兼ね合いか
ら限界にきており、従来の技術の延長では達成すること
できなくなっている。
【0003】空気入りタイヤの各パーツの中でも、キャ
ップトレッド部は最も大きな重量を占めている。このた
め、キャップトレッド部のボリュームを小さくすること
ができれば、空気入りタイヤを軽量化することが可能で
ある。しかし、このボリュームを小さくすると、トレッ
ド部が薄くなることに伴って溝深さが浅くなるため、キ
ャップトレッド部の摩耗寿命が短かくなるという問題が
発生する。
ップトレッド部は最も大きな重量を占めている。このた
め、キャップトレッド部のボリュームを小さくすること
ができれば、空気入りタイヤを軽量化することが可能で
ある。しかし、このボリュームを小さくすると、トレッ
ド部が薄くなることに伴って溝深さが浅くなるため、キ
ャップトレッド部の摩耗寿命が短かくなるという問題が
発生する。
【0004】一方、ゴムの耐摩耗性はウェットグリップ
性能とは二律背反の関係にあり、耐摩耗性の高いゴム
は、ウェットグリップ性能が低いという特性がある。例
えば、低温領域にガラス転移点を有するポリブタジエン
ゴム(BR)等のような耐摩耗性に優れたゴムはウェッ
トグリップ性能に劣っており、他方、高温領域にガラス
転移点を有する結合スチレン量の多いスチレン−ブタジ
エン共重合体ゴム(SBR)等のようなウェットグリッ
プ性能に優れたゴムは耐摩耗性が悪い。そのため、キャ
ップトレッド部に耐摩耗性に優れたゴムを使用すること
によりボリュームを小さくし、軽量化を達成しても、ウ
ェットグリップ性能が満足されないものになってしまう
のである。
性能とは二律背反の関係にあり、耐摩耗性の高いゴム
は、ウェットグリップ性能が低いという特性がある。例
えば、低温領域にガラス転移点を有するポリブタジエン
ゴム(BR)等のような耐摩耗性に優れたゴムはウェッ
トグリップ性能に劣っており、他方、高温領域にガラス
転移点を有する結合スチレン量の多いスチレン−ブタジ
エン共重合体ゴム(SBR)等のようなウェットグリッ
プ性能に優れたゴムは耐摩耗性が悪い。そのため、キャ
ップトレッド部に耐摩耗性に優れたゴムを使用すること
によりボリュームを小さくし、軽量化を達成しても、ウ
ェットグリップ性能が満足されないものになってしまう
のである。
【0005】そこで、上述の対策として、例えば、耐摩
耗性に優れるがウェットグリップ性能に劣るBRと、逆
にウェットグリップ性能に優れるが耐摩耗性には劣るS
BRとを機械的に混合することにすれば、両ゴムの優れ
た特性を活かすことができるように思われる。しかし、
上記BRとSBRとを併用したゴム組成物は、それらの
配合組成比に準じた平均的な性能を有する加硫ゴムしか
得られず、目的とする特性は得られない。その理由は、
これらのポリマーが加硫時に共加硫してしまい、2つの
ポリマーの持つ特性が打ち消し合うためであることが判
った。
耗性に優れるがウェットグリップ性能に劣るBRと、逆
にウェットグリップ性能に優れるが耐摩耗性には劣るS
BRとを機械的に混合することにすれば、両ゴムの優れ
た特性を活かすことができるように思われる。しかし、
上記BRとSBRとを併用したゴム組成物は、それらの
配合組成比に準じた平均的な性能を有する加硫ゴムしか
得られず、目的とする特性は得られない。その理由は、
これらのポリマーが加硫時に共加硫してしまい、2つの
ポリマーの持つ特性が打ち消し合うためであることが判
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ゴム
のウェットグリップ性能を低下させることなく耐摩耗性
を向上させることにより、キャップトレッド部のボリュ
ームを小さくして軽量化を可能にする空気入りタイヤの
製造方法を提供することにある。
のウェットグリップ性能を低下させることなく耐摩耗性
を向上させることにより、キャップトレッド部のボリュ
ームを小さくして軽量化を可能にする空気入りタイヤの
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明は、−40℃〜+5℃の温度領域にガラス転移
点を有する未加硫のゴム組成物Aに、−70℃以下の温
度領域にガラス転移点を有する半加硫のゴム組成物Bか
らなる平均粒子径が1700μm以下の粉粒状ゴムを混
合した混合ゴム組成物からキャップトレッド部を構成し
たグリーンタイヤを作り、該グリーンタイヤを金型を用
いて加硫成形することを特徴とする。
る本発明は、−40℃〜+5℃の温度領域にガラス転移
点を有する未加硫のゴム組成物Aに、−70℃以下の温
度領域にガラス転移点を有する半加硫のゴム組成物Bか
らなる平均粒子径が1700μm以下の粉粒状ゴムを混
合した混合ゴム組成物からキャップトレッド部を構成し
たグリーンタイヤを作り、該グリーンタイヤを金型を用
いて加硫成形することを特徴とする。
【0008】本発明は、ガラス転移点が−40℃〜+5
℃の高温領域にあるウェットグリップ性能に優れたゴム
組成物Aに、ガラス転移点が−70℃以下の低温領域に
ある耐摩耗性に優れたゴム組成物Bを混合して加硫を行
う場合、後者のゴム組成物Bを半加硫の粉粒状ゴムと
し、しかも平均粒子径1700μm以下にして混合する
ことにより、加硫時の硫黄による共架橋を防止し、両ゴ
ム組成物A,Bの優れた耐摩耗性とウェットグリップ性
能を平均化させることなく両立させることを可能にす
る。このため、その耐摩耗性の向上を利用してキャップ
トレッド部のボリュームを小さくして軽量化することが
可能になる。
℃の高温領域にあるウェットグリップ性能に優れたゴム
組成物Aに、ガラス転移点が−70℃以下の低温領域に
ある耐摩耗性に優れたゴム組成物Bを混合して加硫を行
う場合、後者のゴム組成物Bを半加硫の粉粒状ゴムと
し、しかも平均粒子径1700μm以下にして混合する
ことにより、加硫時の硫黄による共架橋を防止し、両ゴ
ム組成物A,Bの優れた耐摩耗性とウェットグリップ性
能を平均化させることなく両立させることを可能にす
る。このため、その耐摩耗性の向上を利用してキャップ
トレッド部のボリュームを小さくして軽量化することが
可能になる。
【0009】本発明において、ガラス転移点とは、AS
TM D3417−75に規定されている方法に準じて
測定した値をいう。本発明において、−40℃〜+5℃
の温度領域にガラス転移点を有するゴム組成物Aとして
は、ゴム成分としてSBR,分子中のスチレン量が多い
SBR又はビニル結合の多いSBR等を含有するゴム組
成物を使用することができる。また、−70℃以下の温
度領域にガラス転移点を有するゴム組成物Bとしては、
ゴム成分としてBR、分子中のスチレン量が少ないSB
R等を含有するゴム組成物を使用することができる。
TM D3417−75に規定されている方法に準じて
測定した値をいう。本発明において、−40℃〜+5℃
の温度領域にガラス転移点を有するゴム組成物Aとして
は、ゴム成分としてSBR,分子中のスチレン量が多い
SBR又はビニル結合の多いSBR等を含有するゴム組
成物を使用することができる。また、−70℃以下の温
度領域にガラス転移点を有するゴム組成物Bとしては、
ゴム成分としてBR、分子中のスチレン量が少ないSB
R等を含有するゴム組成物を使用することができる。
【0010】本発明において、上記2種類のゴム組成物
A,Bの混合物からキャップトレッド部を加硫成形する
場合、ゴム組成物Bの方を予め半加硫状態に加硫した
後、平均粒子径が1700μm以下の粉粒状にして、他
方の未加硫のゴム組成物Aの中に均一に分散混合する必
要がある。このようにゴム組成物Bを予め半加硫状態に
して混合することにより、未加硫のゴム組成物Aと共に
加硫した時にゴム相互間の共架橋を防止する。したがっ
て、これらゴム組成物AとBは、加硫完了後に相溶する
ことがなく独立の相を形成するので、平均的物性になる
ことはなく、ゴム組成物Aによる優れたウェットグリッ
プ性能とゴム組成物Bによる優れた耐摩耗性とを共に発
揮することができる。また、このときの半加硫状態のゴ
ム組成物Bの平均粒子径を1700μm以下にすること
により、未加硫のゴム組成物Aに対する良好な混和性、
分散性を確保し、均一に混合分散させることができる。
平均粒子径が1700μmを越えるほどに大きくなる
と、加硫完了後ゴム組成物Bが剥離して耐摩耗性等が悪
化するため好ましくない。この平均粒子径としては、さ
らに好ましくは10〜500μmであるのがよい。
A,Bの混合物からキャップトレッド部を加硫成形する
場合、ゴム組成物Bの方を予め半加硫状態に加硫した
後、平均粒子径が1700μm以下の粉粒状にして、他
方の未加硫のゴム組成物Aの中に均一に分散混合する必
要がある。このようにゴム組成物Bを予め半加硫状態に
して混合することにより、未加硫のゴム組成物Aと共に
加硫した時にゴム相互間の共架橋を防止する。したがっ
て、これらゴム組成物AとBは、加硫完了後に相溶する
ことがなく独立の相を形成するので、平均的物性になる
ことはなく、ゴム組成物Aによる優れたウェットグリッ
プ性能とゴム組成物Bによる優れた耐摩耗性とを共に発
揮することができる。また、このときの半加硫状態のゴ
ム組成物Bの平均粒子径を1700μm以下にすること
により、未加硫のゴム組成物Aに対する良好な混和性、
分散性を確保し、均一に混合分散させることができる。
平均粒子径が1700μmを越えるほどに大きくなる
と、加硫完了後ゴム組成物Bが剥離して耐摩耗性等が悪
化するため好ましくない。この平均粒子径としては、さ
らに好ましくは10〜500μmであるのがよい。
【0011】本発明において、ゴム組成物Bの半加硫の
程度は特に限定されないが、好ましくはレオメータのト
ルクがT30〜T70の範囲になるようにすることが望
ましい。また、混合比率はゴム組成物Aを40〜95重
量%の範囲とし、ゴム組成物Bを5〜60重量%の範囲
にすることが望ましい。上記ゴム組成物Aの混合比率が
40重量%未満でゴム組成物Bが60重量%を越える
と、ウェットグリップ性能が低下するのみならず、耐チ
ッピング性や伸びが低下する。他方、ゴム組成物Aが9
5重量%を越え、ゴム組成物Bが5重量%未満になると
耐摩耗性が不十分になり、キャップトレッド部のボリュ
ームを小さくすることができない。
程度は特に限定されないが、好ましくはレオメータのト
ルクがT30〜T70の範囲になるようにすることが望
ましい。また、混合比率はゴム組成物Aを40〜95重
量%の範囲とし、ゴム組成物Bを5〜60重量%の範囲
にすることが望ましい。上記ゴム組成物Aの混合比率が
40重量%未満でゴム組成物Bが60重量%を越える
と、ウェットグリップ性能が低下するのみならず、耐チ
ッピング性や伸びが低下する。他方、ゴム組成物Aが9
5重量%を越え、ゴム組成物Bが5重量%未満になると
耐摩耗性が不十分になり、キャップトレッド部のボリュ
ームを小さくすることができない。
【0012】これらのゴム組成物A及びBには、通常の
トレッドゴムに混合されるカーボンブラック,亜鉛華
(酸化亜鉛),ステアリン酸,老化防止剤,ワックス,
アロマチックオイル、硫黄,加硫促進剤等のゴム薬品を
適宜配合することできる。また、ゴム組成物AやBの外
に、前記範囲外のガラス転移点を有するゴム又はこのゴ
ムを含有するゴム組成物を混合した場合に前記範囲のガ
ラス転移点になるものであればよい。
トレッドゴムに混合されるカーボンブラック,亜鉛華
(酸化亜鉛),ステアリン酸,老化防止剤,ワックス,
アロマチックオイル、硫黄,加硫促進剤等のゴム薬品を
適宜配合することできる。また、ゴム組成物AやBの外
に、前記範囲外のガラス転移点を有するゴム又はこのゴ
ムを含有するゴム組成物を混合した場合に前記範囲のガ
ラス転移点になるものであればよい。
【0013】本発明の空気入りタイヤは、上述した粉粒
状ゴム含有ゴム組成物をキャップトレッド部を構成する
材料に成形する以外は、常法にしたがって、これを他の
ベルト層,カーカス層,サイドウォール等のタイヤ構成
材料と適宜組み合わせてグリーンタイヤを作製し、金型
を用いて加硫成形することにより製造することができ
る。
状ゴム含有ゴム組成物をキャップトレッド部を構成する
材料に成形する以外は、常法にしたがって、これを他の
ベルト層,カーカス層,サイドウォール等のタイヤ構成
材料と適宜組み合わせてグリーンタイヤを作製し、金型
を用いて加硫成形することにより製造することができ
る。
【0014】
【実施例】表1に示す配合組成のゴム組成物イ−1,イ
−2及びイ−3並びに表2に示す配合組成の粉粒状ゴム
含有ゴム組成物ロ−1,ロ−2及びロ−3とを、それぞ
れ下記のようにして調製した。ゴム組成物イ−1,イ−2及びイ−3 :SBR,BRの
原料ゴムを、それぞれローター回転数40rpmで回転
する側壁温度50℃のB型バンバリーミキサーに投入
し、30秒経過後、硫黄と加硫促進剤を除くゴム薬品を
投入して4分間混練した。次いで約50℃に制御した8
インチロールを用いて硫黄と加硫促進剤を加えて3分間
混練する。
−2及びイ−3並びに表2に示す配合組成の粉粒状ゴム
含有ゴム組成物ロ−1,ロ−2及びロ−3とを、それぞ
れ下記のようにして調製した。ゴム組成物イ−1,イ−2及びイ−3 :SBR,BRの
原料ゴムを、それぞれローター回転数40rpmで回転
する側壁温度50℃のB型バンバリーミキサーに投入
し、30秒経過後、硫黄と加硫促進剤を除くゴム薬品を
投入して4分間混練した。次いで約50℃に制御した8
インチロールを用いて硫黄と加硫促進剤を加えて3分間
混練する。
【0015】 表1中の数値はいずれも重量部を示す。
【0016】また、1)は日本ゼオン社製“Nipol
9529”(ガラス転移点−20℃)、2)は日本ゼオン
社製“Nipol 1441”(ガラス転移点−100
℃)、3)はN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フ
ェニル−p−フェニレンジアミン、4)はN−シクロヘキ
シル−ベンゾチアジルスルフェンアミドである。粉粒状ゴム含有ゴム組成物ロ−1,ロ−2及びロ−3 :
表2に示す通り配合組成を変更した以外は、上記ゴム組
成物イ−1,イ−2及びイ−3と同様にして調製した。
9529”(ガラス転移点−20℃)、2)は日本ゼオン
社製“Nipol 1441”(ガラス転移点−100
℃)、3)はN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フ
ェニル−p−フェニレンジアミン、4)はN−シクロヘキ
シル−ベンゾチアジルスルフェンアミドである。粉粒状ゴム含有ゴム組成物ロ−1,ロ−2及びロ−3 :
表2に示す通り配合組成を変更した以外は、上記ゴム組
成物イ−1,イ−2及びイ−3と同様にして調製した。
【0017】 表2中、粉粒状BRの粒子径以外の欄の数値はいずれ
も重量部を示す。また、 1),3),4)は表1に同じ。
も重量部を示す。また、 1),3),4)は表1に同じ。
【0018】また、粉粒状BRは、表1のゴム組成物イ
−3を厚さ2mmのシートに成形した後、140℃で2
0分間加熱して半加硫状態のシートを作製し、これをグ
ラインダーでそれぞれ10〜100μm、500〜17
00μmm及び2000〜3000μmの平均粒子径を
有する粉粒状ゴムに破砕したものである。上述のごとく
して得た表1のゴム組成物イ−1,イ−2及びイ−3並
びに表2に示す粉粒状ゴム含有ゴム組成物ロ−1を、1
40℃で40分間加熱して加硫を完了した。
−3を厚さ2mmのシートに成形した後、140℃で2
0分間加熱して半加硫状態のシートを作製し、これをグ
ラインダーでそれぞれ10〜100μm、500〜17
00μmm及び2000〜3000μmの平均粒子径を
有する粉粒状ゴムに破砕したものである。上述のごとく
して得た表1のゴム組成物イ−1,イ−2及びイ−3並
びに表2に示す粉粒状ゴム含有ゴム組成物ロ−1を、1
40℃で40分間加熱して加硫を完了した。
【0019】表1のゴム組成物イ−1,イ−2及びイ−
3並びに表2の粉粒状ゴム含有ゴム組成物ロ−1,ロ−
2及びロ−3について、下記の方法により耐摩耗性とウ
ェットスキッド抵抗値(ウェットグリップ性能)評価し
た。結果は図1に示す通りであった。 耐摩耗性:測定試料として、各ゴム組成物をそれぞれ1
48℃で40分間加熱して加硫を完了したゴムを使用
し、グッドリッチ式ピコ摩耗試験機を用いて摩耗減量を
測定し、ゴム組成物イー1の測定値を基準(100)と
する指数で示した。この指数値が大きい程耐摩耗性が優
れている。 ウェットスキッド抵抗値:測定試料として、各ゴム組成
物をそれぞれ148℃で40分間加熱して加硫を完了し
たゴムを使用し、路面として、3M社製のタイプBセー
フティーウォークを使用し、蒸溜水で湿潤させた前記路
面に対する測定試料の25℃雰囲気中での抵抗値をブリ
テッシュポータブルスキッドテスターを使用して測定し
た。ゴム組成物イー1の測定値を基準(100)とする
指数で示した。この指数値が大きい程抵抗値が大きい。
3並びに表2の粉粒状ゴム含有ゴム組成物ロ−1,ロ−
2及びロ−3について、下記の方法により耐摩耗性とウ
ェットスキッド抵抗値(ウェットグリップ性能)評価し
た。結果は図1に示す通りであった。 耐摩耗性:測定試料として、各ゴム組成物をそれぞれ1
48℃で40分間加熱して加硫を完了したゴムを使用
し、グッドリッチ式ピコ摩耗試験機を用いて摩耗減量を
測定し、ゴム組成物イー1の測定値を基準(100)と
する指数で示した。この指数値が大きい程耐摩耗性が優
れている。 ウェットスキッド抵抗値:測定試料として、各ゴム組成
物をそれぞれ148℃で40分間加熱して加硫を完了し
たゴムを使用し、路面として、3M社製のタイプBセー
フティーウォークを使用し、蒸溜水で湿潤させた前記路
面に対する測定試料の25℃雰囲気中での抵抗値をブリ
テッシュポータブルスキッドテスターを使用して測定し
た。ゴム組成物イー1の測定値を基準(100)とする
指数で示した。この指数値が大きい程抵抗値が大きい。
【0020】図1から判るように、ゴム成分がSBRの
みのゴム組成物イ−1は、ウェットスキッド抵抗値が大
きいものの耐摩耗性が低く、ゴム成分がBRのみのゴム
組成物イ−3は、耐摩耗性に優れるもののウェットスキ
ッド抵抗値が低い。また、SBRとBRを含有するゴム
組成物イ−2は、耐摩耗性とウェットスキッド抵抗値が
ゴム組成物イ−1とイ−3とを結ぶ直線上に位置し、平
均的特性を有していることが判る。
みのゴム組成物イ−1は、ウェットスキッド抵抗値が大
きいものの耐摩耗性が低く、ゴム成分がBRのみのゴム
組成物イ−3は、耐摩耗性に優れるもののウェットスキ
ッド抵抗値が低い。また、SBRとBRを含有するゴム
組成物イ−2は、耐摩耗性とウェットスキッド抵抗値が
ゴム組成物イ−1とイ−3とを結ぶ直線上に位置し、平
均的特性を有していることが判る。
【0021】これに対し、粉粒状ゴム含有ゴム組成物ロ
−1とロ−2はいずれも、前記ゴム組成物イ−1とイ−
3とを結ぶ直線の上方に位置しており、耐摩耗性とウェ
ットスキッド抵抗値が同時に向上していることを示して
いる。また、平均粒子径が1700μmを越える粉粒状
BRを含有する粉粒状ゴム含有ゴム組成物ロ−3は、前
記ゴム組成物イ−1とイ−3とを結ぶ直線の上方に位置
しており、耐摩耗性とウェットスキッド抵抗値がいずれ
も低下している。
−1とロ−2はいずれも、前記ゴム組成物イ−1とイ−
3とを結ぶ直線の上方に位置しており、耐摩耗性とウェ
ットスキッド抵抗値が同時に向上していることを示して
いる。また、平均粒子径が1700μmを越える粉粒状
BRを含有する粉粒状ゴム含有ゴム組成物ロ−3は、前
記ゴム組成物イ−1とイ−3とを結ぶ直線の上方に位置
しており、耐摩耗性とウェットスキッド抵抗値がいずれ
も低下している。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればガ
ラス転移点が−40℃〜+5℃の領域にある未加硫のゴ
ム組成物Aに、ガラス転移点が−70℃以下の領域にあ
るゴム組成物Bを半加硫の粉粒状にして混合したゴム組
成物からキャップトレッド部を構成することにより、加
硫により共架橋を生じるのを防止したから、ゴム組成物
Aの優れたウェットグリップ性能とゴム組成物Bの優れ
た耐摩耗性を両立させることが可能になる。このように
キャップトレッド部の耐摩耗性を、ウェットグリップ性
能を低下させることなく向上させることができるから、
そのボリュームを小さくして軽量化することが可能にな
る。
ラス転移点が−40℃〜+5℃の領域にある未加硫のゴ
ム組成物Aに、ガラス転移点が−70℃以下の領域にあ
るゴム組成物Bを半加硫の粉粒状にして混合したゴム組
成物からキャップトレッド部を構成することにより、加
硫により共架橋を生じるのを防止したから、ゴム組成物
Aの優れたウェットグリップ性能とゴム組成物Bの優れ
た耐摩耗性を両立させることが可能になる。このように
キャップトレッド部の耐摩耗性を、ウェットグリップ性
能を低下させることなく向上させることができるから、
そのボリュームを小さくして軽量化することが可能にな
る。
【0023】
【図1】配合組成を異にするゴム組成物の耐摩耗性とウ
ェットスキッド抵抗値(ウェットグリップ性能)との関
係を示すグラフである。
ェットスキッド抵抗値(ウェットグリップ性能)との関
係を示すグラフである。
ロ−1,ロ−2 それぞれ本発明空気入りタイヤのキ
ャップトレッド部に使用する粉粒状ゴム含有ゴム組成
物。
ャップトレッド部に使用する粉粒状ゴム含有ゴム組成
物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 21:00 105:24 B29L 30:00 (56)参考文献 特開 昭56−163908(JP,A) 特開 昭59−45341(JP,A) 特開 昭62−62840(JP,A) 特開 平2−53813(JP,A) 特開 平2−132144(JP,A) 特開 平2−202529(JP,A) 特開 平4−261446(JP,A) 特開 平3−239737(JP,A) 特開 昭62−143947(JP,A) 特開 昭62−273104(JP,A) 特開 昭63−92659(JP,A) 特開 平1−135845(JP,A) 特開 平3−290415(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/02 - 33/04 B29C 35/02 - 35/04 B60C 1/00 B60C 11/00 C08L 21/00
Claims (1)
- 【請求項1】 −40℃〜+5℃の温度領域にガラス転
移点を有する未加硫のゴム組成物Aに、−70℃以下の
温度領域にガラス転移点を有する半加硫のゴム組成物B
からなる平均粒子径が1700μm以下の粉粒状ゴムを
混合した混合ゴム組成物からキャップトレッド部を構成
したグリーンタイヤを作り、該グリーンタイヤを金型を
用いて加硫成形する空気入りタイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03158939A JP3089435B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 空気入りタイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03158939A JP3089435B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 空気入りタイヤの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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