JPH06145103A - 炭酸ジエステルの製造法 - Google Patents

炭酸ジエステルの製造法

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JPH06145103A
JPH06145103A JP4326171A JP32617192A JPH06145103A JP H06145103 A JPH06145103 A JP H06145103A JP 4326171 A JP4326171 A JP 4326171A JP 32617192 A JP32617192 A JP 32617192A JP H06145103 A JPH06145103 A JP H06145103A
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carrier
catalyst
carbonic acid
reaction
copper
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JP4326171A
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English (en)
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Hidetaka Kojima
秀隆 小島
Hirokazu Matsuda
洋和 松田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腐蝕性の小さい固体触媒を用い、長期間安定
して、高い収率及び選択率で炭酸ジエステルを得る。 【構成】 メタノールなどのアルコールと一酸化炭素と
酸素とを、フッ素樹脂などの疎水性樹脂、これらの樹脂
で被覆された固体又はシランカップリング剤で処理され
た固体など、疎水性表面を有する担体を用いた固体触媒
の存在下で反応させる。担体に担持される触媒成分に
は、塩化第一銅などの銅塩、塩化第一銅−イミダゾール
錯体などの銅錯体等が含まれる。担体が疎水性のため、
反応で副生する水に起因する不溶性の金属化合物の生成
や、副反応が著しく抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体触媒の存在下、ア
ルコールと一酸化炭素と酸素とから炭酸ジエステルを製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】炭酸
ジエステルは、ガソリンの添加剤、有機溶剤として、
又、各種カーボネート類、カーバメート類、ウレタン
類、医薬・農薬等の精密化学品の製造における、ホスゲ
ンに代わる反応剤として有用な化合物である。
【0003】炭酸ジエステルの製造法として、アルコー
ル類にホスゲンを反応させる方法が工業的に行われてい
る。しかし、この方法では、毒性の高いホスゲンを使用
するだけでなく、反応過程で腐蝕性の強い塩化水素が副
生する。そこで、このようなホスゲンを用いない炭酸ジ
エステルの製造法がいくつか提案されている。
【0004】液相法による炭酸ジエステルの製造法とし
て、(1) 特公昭61−8816号公報には、パラジウム
化合物などの白金族金属化合物、塩化銅などの銅化合物
及びアルカリ金属塩等の共存下で、アルコール類と一酸
化炭素及び酸素とを反応させる方法が、また、(2) 特公
昭56−8020号公報には、塩化第一銅などのハロゲ
ン化第一銅及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハ
ロゲン化物からなる触媒の存在下で、アルコール類と一
酸化炭素及び酸素を反応させる方法が開示されている。
【0005】しかし、前記(1) の方法によれば、触媒に
パラジウムなどの白金族金属が少量含まれるだけでも高
い活性を示すため、反応系における一酸化炭素の分圧を
低くすることができるものの、この触媒系では、助触媒
である銅化合物が、酸化銅として析出したり、炭酸ジエ
ステルが生成する際に副生する水により塩基性塩化銅な
どに変化して不溶化したりするため、触媒が失活するこ
となく連続的に炭酸ジエステルを製造することは困難で
ある。
【0006】また、前記(2) の方法によれば、前記ハロ
ゲン化第一銅系触媒は、上記(1) のパラジウム−銅系触
媒に比べて活性が低いことから、多量の触媒を必要と
し、しかも高い一酸化炭素分圧を要するため、副生する
炭酸ガスのパージに伴う一酸化炭素のパージロスが多く
なる。又、塩化第一銅などのハロゲン化第一銅は一般に
有機溶媒に溶解しにくいため、反応混合液のスラリー濃
度がさらに高くなり、作業性が悪くなりやすい。
【0007】さらに、前記(2) の方法において、ハロゲ
ン化第一銅に代えてハロゲン化第二銅を用いると、有機
溶媒に対する溶解度は高いものの、ハロゲン化第一銅と
比較して結合しているハロゲン原子の数が多いため、反
応系内に遊離するハロゲンの量も多くなる。又、反応過
程で、銅が二価の状態から、塩素などのハロゲン原子が
アルコキシ基によって置換され炭酸エステル生成中間体
が形成されるため、必ず塩素等のハロゲンが遊離する。
従って、ハロゲン化第一銅系触媒と比較して、装置材料
の腐蝕を起こしやすい。さらに、遊離したハロゲンが、
系中のアルコールや反応生成物と反応して、ハロゲン化
物を形成し、反応系から排出されるため、触媒が不安定
となり、循環使用する間に活性が低下したり、溶解性が
低下し、連続反応が困難となりやすい。
【0008】上記のような液相反応に付随する腐蝕問題
を回避するため、固体触媒を用いる気相反応により、炭
酸ジエステルを製造する方法が提案されている。
【0009】例えば、米国特許第5004827号明細
書には、塩化銅とアルカリ金属又はアルカリ土類金属化
合物を活性炭に担持した固体触媒の存在下、アルコー
ル、一酸化炭素及び酸素を気相で反応させる方法が記載
されている。又、国際公開WO90/15791号公報
には、銅の有機リン化合物との錯体を担持した触媒な
ど、銅化合物と種々の添加物とを担体に担持した固体触
媒の存在下、アルコールを一酸化炭素及び酸素と反応さ
せる方法が開示されている。これらの方法は、腐蝕性が
少なく、多量生産に適した方法と考えられる。
【0010】しかし、これらの方法においても、触媒活
性が十分でなかったり、触媒が不安定なため短時間で失
活したりして、長時間安定に、収率よく炭酸ジエステル
を製造することができない。また、固体触媒を用いる場
合には、炭酸ジエステルが生成する際に副生する水が触
媒の近傍に常に存在するため、例えば塩基性塩化銅など
の不溶性の金属化合物が固体触媒上に析出して、触媒活
性が低下し易い。さらに、炭酸ジエステルの選択率も経
時的に低下する。
【0011】従って、本発明の目的は、腐蝕性の小さい
固体触媒を用い、高い触媒活性を長期間維持しつつ、高
い収率及び選択率で安定して炭酸ジエステルを製造する
方法を提供することにある。
【0012】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、固体触媒の担体として疎水性表
面を有する担体を用いると、不溶性の金属化合物等が固
体触媒上に析出しにくいため高い触媒活性を長期間維持
できること、したがって安定して高い収率及び選択率で
炭酸ジエステルが製造できることを見出だし、本発明を
完成した。
【0013】すなわち、本発明は、アルコールと一酸化
炭素と酸素とを固体触媒の存在下で反応させて炭酸ジエ
ステルを製造する方法において、前記固体触媒の担体と
して、疎水性表面を有する担体を用いる炭酸ジエステル
の製造法を提供する。
【0014】前記アルコールとしては、例えば、メタノ
ール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノールなどの飽和脂肪族アルコール;アリ
ルアルコールなどの不飽和脂肪族アルコール;シクロヘ
キサノールなどの脂環式アルコール;ベンジルアルコー
ル、フェノールなどの芳香族アルコール;エチレングリ
コール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール
などが含まれる。なお、芳香族アルコールとは、フェノ
ール性ヒドロキシ基を有するフェノール類も含む意味に
用いる。
【0015】好ましいアルコールは、一価の飽和又は不
飽和アルコール、例えば、炭素数1〜6程度のアルコー
ルである。特に好ましいアルコールには、メタノール、
エタノールなどが含まれ、なかでもメタノールが繁用さ
れる。
【0016】本発明の主たる特徴は、固体触媒の担体と
して、疎水性表面を有する担体を用いる点にある。
【0017】前記疎水性表面を有する担体は、表面が疎
水性を有するものであれば特に限定されず、例えば、疎
水性樹脂自体であってもよく、疎水性樹脂で被覆された
固体であってもよく、また、表面をシランカップリング
剤で処理された固体等であってもよい。
【0018】前記疎水性樹脂としては、反応に不活性
で、且つ反応条件下で溶融又は溶解しないものであれば
特に限定されず、例えば、ポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、
ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂など
の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂などのアミノ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポ
リエステル、ジアリルフタレート樹脂、熱硬化性アクリ
ル樹脂などの熱硬化性樹脂が例示される。
【0019】ポリオレフィンには、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等が含まれる。ポリアミドには、ポリアミド
6、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6−
6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12等のほ
か、各種変性ポリアミドが含まれる。ポリエステルに
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等が含まれる。アクリル樹脂には、アクリル酸
及びメタクリル酸の誘導体を主成分とする種々の重合樹
脂が含まれる。フッ素樹脂には、ポリテトラフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリク
ロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−
エチレン共重合体等が含まれる。エポキシ樹脂には、ビ
スフェノールA系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ
樹脂等が含まれる。シリコーン樹脂には、アルキド、フ
ェノール、ユリア、メラミン、エポキシ樹脂などで変性
した変性シリコーン樹脂も含まれる。不飽和ポリエステ
ルには、各種二塩基酸と二価アルコールとを縮合させた
ポリマーが含まれる。
【0020】これらの疎水性樹脂のうち、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂などの撥水性樹脂が好ましく、なかでも
フッ素樹脂が繁用される。また、フッ素樹脂として、膜
厚のコントロールが極めて正確で、物理的性質の極めて
安定なアモルファスフッ素樹脂が好適に使用できる。ア
モルファスフッ素樹脂は、本来のフッ素樹脂の特性であ
る耐熱性、撥水性を有すると共に、そのアモルファス特
性から、(1) 可視光線透過率が95%と透明性が極めて
高く、担体にコーティングした場合、反応前後の触媒の
色の変化を観察しやすいこと、(2) パーフルオロ溶媒に
溶解するため、サブミクロンの薄膜コーティングができ
ること等の利点をも有する。
【0021】前記樹脂で被覆される固体としては、樹脂
によりコーティングされ得るものであれば特に制限され
ないが、固体触媒の担体として通常用いられるものが使
用でき、例えば活性炭、カーボンブラック、アルミナ、
シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、マ
グネシア、炭化ケイ素、ケイソウ土、軽石、アランダム
等が挙げられる。
【0022】前記固体への樹脂の被覆は、例えば、疎水
性樹脂溶液に固体を浸漬し乾燥する浸漬法やスプレー噴
霧などの慣用の方法により行うことができる。
【0023】樹脂を被覆する際に用いる溶媒としては、
前記疎水性樹脂を溶解させる溶媒であればよく、例え
ば、モノクロロトリフルオロメタン、ジクロロジフルオ
ロエタン、モノクロロジフルオロメタン、トリクロロト
リフルオロエタン、モノクロロペンタフルオロエタン、
ヘキサフルオロベンゼン、パーフルオロアルカン類など
の各種フッ素系溶媒等が挙げられる。
【0024】樹脂の被覆量は、特に限定されないが、被
覆される固体100重量部に対して、例えば0.01〜
100重量部、好ましくは0.1〜50重量部、さらに
好ましくは0.2〜25重量部程度である。
【0025】前記シランカップリング剤で処理される固
体としては、前記樹脂で被覆される固体と同様のものが
使用できる。シランカップリング剤としては、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランなどが例示される。シランカップリング剤に
よる処理は、例えば、前記固体とシラカップリング剤と
を、必要に応じて有機溶媒中で、加熱するなど、慣用の
方法で行うことができる。シランカップリング剤の使用
量は、前記固体100重量部に対して、例えば0.5〜
50重量部、好ましくは1〜30重量部程度である。
【0026】担体の大きさ、形状は、通常用いられる固
体触媒の担体と同様、反応器の大きさ、形状及び反応効
率等を考慮して適宜選択することができる。例えば、径
が0.5〜5mm程度の球状の担体、直径1〜3mm程
度、長さ3〜10mm程度の円柱状の担体等を使用でき
る。
【0027】本発明の方法では、固体触媒の担体として
疎水性表面を有する担体を用いることから、その疎水性
により、反応で副生する水が速やかに触媒から離脱する
ため、水に起因する不溶性の金属化合物等の触媒表面上
への析出や副反応が著しく抑制される。その結果、触媒
寿命が長く、目的化合物である炭酸ジエステルを、長期
間安定して、高い収率及び選択率で製造することができ
る。
【0028】担体に担持する触媒成分は、アルコールと
一酸化炭素と酸素とから炭酸ジエステルが生成する反応
に対して触媒活性を示すものであれば特に限定されな
い。
【0029】前記触媒成分として、例えば周期表8族お
よび1B族の金属、これらの金属の塩、これらの金属の
錯体などが挙げられる。周期表8族の金属には、鉄、コ
バルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、イリジウム、白金等が含まれる。周期表1B族の金
属には、銅等が含まれる。これらの金属の塩としては、
例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物のハライ
ド;硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;ギ酸
塩、酢酸塩、ピバリン酸塩、安息香酸塩などの有機酸
塩;フェノキシドなどのフェノール類の塩等が挙げられ
る。
【0030】また、これらの金属の錯体には、上記金属
又は上記金属の無機若しくは有機化合物と有機配位子と
の錯体が含まれる。有機配位子としては、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどの
アミン類;ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、ピリミ
ジン、イミダゾール、ピコリン、キノリン、イソキノリ
ン、1,10−フェナントロリン、キナゾリン、2,
2′−ジピリジル、4,4′−ジピリジル、ピコリン
酸、ニコチン酸などの含窒素複素環化合物;アセトアミ
ド、N−メチルピロリドンなどのアミド;トリフェニル
ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィンなどのホスフ
ィン類、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイトなどのホスファイト類、ヘキサメチルホスフォラ
ストリアミドなどのホスフォラストリアミド類などの有
機リン化合物;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの
ニトリル;メチルイソシアニド、フェニルイソシアニド
などのイソニトリル;チオウレア等が挙げられる。これ
らの化合物は、一種又は二種以上組合せて用いることが
できる。なお、前記金属等と有機配位子とは、錯体の形
態で担体に担持されてもよく、また、両者の混合物の形
態で担持されていてもよい。
【0031】また、主に助触媒として、例えば、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属
のハライド、無機酸塩又は有機酸塩などを、上記の成分
と併用することもできる。
【0032】上記の触媒成分は、一種又は二種以上混合
して用いることができる。
【0033】好ましい触媒成分には、銅のハライド、無
機酸塩、有機酸塩などの銅塩;及びこれらの銅塩と前記
有機配位子とから得られる銅錯体等が含まれる。
【0034】前記銅塩のうち、銅のハライド、なかで
も、高活性で触媒寿命が長く腐蝕性の小さい1価の銅の
ハライド、特に塩化第一銅が好ましい。また、前記銅錯
体のうち、1価の銅のハライドと前記有機配位子との錯
体、なかでも1価の銅のハライドと含窒素複素環化合物
との錯体、特に塩化第一銅とイミダゾールとの錯体が好
ましい。
【0035】前記固体触媒の調製は、沈澱法、含浸法な
どの慣用の方法により行うことができる。触媒成分は、
担体上に均一に担持するのが好ましい。
【0036】金属の錯体を担持した触媒は、錯体を形成
し得る金属又は金属化合物と配位子とをそれぞれ別個に
担持して調製してもよく、また、予め調製した錯体を担
体に担持して調製してもよい。前者の場合、配位子の担
持量は、錯体が形成される量であればよく、前記金属又
は金属化合物1モルに対して、例えば0.01〜100
0モル、好ましくは0.1〜100モル、さらに好まし
くは0.1〜10モル程度である。
【0037】担体に担持する触媒成分の量は、触媒活性
が損われない範囲で適宜選択でき、担体に対し、触媒成
分中の金属原子として、例えば0.01〜50重量%、
好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜
10重量%程度である。
【0038】本発明の製造法は、必要に応じて液相反応
にも適用できるが、特に気相反応に好適に適用できる。
【0039】気相反応により炭酸エステルを製造する場
合の反応条件としては、反応温度は、通常20〜200
℃、好ましくは80〜150℃程度、反応圧力は、通
常、常圧〜50Kg/cm2 、好ましくは常圧〜30K
g/cm2 程度、また供給ガスの空間速度は、例えば1
0〜50000h-1、好ましくは100〜5000h-1
程度である。
【0040】一酸化炭素の使用量は、特に限定されない
が、原料として用いるアルコール1モルに対して、通常
0.1〜1000モル、好ましくは0.2〜100モ
ル、さらに好ましくは0.5〜20モル程度である。酸
素の使用量は、アルコール1モルに対して、通常0.0
01〜2モル、好ましくは0.01〜1.5モル程度で
ある。
【0041】酸素は純粋な分子状酸素として、或いは反
応に不活性なガス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、
二酸化炭素等で希釈して用いることができる。
【0042】反応は、連続式又はバッチ式の何れの方式
で行うこともできる。また、気相連続式で反応を行う場
合は、固定床、流動床を利用した反応方式等、慣用の方
法が採用できる。
【0043】反応生成物を常法に従って処理することに
より、原料アルコールに対応する炭酸エステルを得るこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法によれば、固体触媒の担体
として疎水性表面を有する担体を用いるため、反応で副
生する水に起因する不溶性の金属化合物の生成や、副反
応が著しく抑制され、高い触媒活性を長期間維持しつ
つ、安定して高い収率及び選択率で炭酸ジエステルを製
造することができる。
【0045】
【実施例】本発明の方法について、以下の実施例により
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0046】実施例1 担体として、アモルファスフッ素樹脂(商品名サイトッ
プ:旭硝子社製)を用いた。担体50gに、アセトニト
リル溶媒を用いて塩化第一銅3.9gを担持した。
【0047】得られた担持触媒を、内径10mm、長さ
450mmのステンレス製の反応管に層長10mmにな
るように充填し、反応温度120℃に設定し、CO/O
2 /メタノール=70/5/25(モル比)からなる混
合ガスを空間速度(SV)2000h-1で2時間流通し
た。この間、反応管内の圧力は7Kg/cm2 に保持し
た。反応管出口から流出した反応生成ガスを、−70℃
のドライアイストラップで凝集させ、得られた凝集液お
よび排ガスの組成をガスクロマトグラフィーにより分析
した。
【0048】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り5.2×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で67%であった。
【0049】実施例2 担体として、フッ素樹脂(商品名アフロンCOP:日本
フッ素社製)を用いた以外は実施例1と同様にして固体
触媒を調製し、これを用いて、実施例1と同様に反応を
行った。
【0050】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り4.9×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で55%であった。
【0051】実施例3 担体として、フッ素樹脂(商品名テフロン:デュポン社
製)を用いた以外は実施例1と同様にして固体触媒を調
製し、これを用いて、実施例1と同様に反応を行った。
【0052】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り4.8×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で58%であった。
【0053】実施例4 担体として、フッ素樹脂(商品名PFA:三井フロロケ
ミカル社製)を用いた以外は実施例1と同様にして固体
触媒を調製し、これを用いて、実施例1と同様に反応を
行った。
【0054】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り5.1×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で61%であった。
【0055】実施例5 担体として、アモルファスフッ素樹脂(商品名サイトッ
プ:旭硝子社製)を用いた。担体50gに、アセトニト
リル溶媒を用いて、銅に対して等モル量のイミダゾール
が配位したイミダゾール−塩化第一銅錯体3.9gを担
持した。この触媒を用いて実施例1と同様に反応を行っ
た。
【0056】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り5.8×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で69%であった。
【0057】実施例6 担体として、アモルファスフッ素樹脂(商品名サイトッ
プ:旭硝子社製)を、比表面積1000m2 /gの粒状
活性炭[商品名:白鷺C2 X4/6−2、4〜6メッシ
ュ、武田薬品工業(株)製]に5.5重量%コーティン
グしたもの(コーティング層の厚み:約10μm)を用
いた。なお、コーティングはスプレー法により行った。
すなわち、前記活性炭に前記アモルファスフッ素樹脂を
スプレーコーティングし、次いで半乾燥(75℃、7
分)させる操作を3回繰り返すことによって行った。
【0058】担体50gに、アセトニトリル溶媒を用い
て、塩化第一銅3.9gを担持した。この触媒を用いて
実施例1と同様に反応を行った。
【0059】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り5.2×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で67%であった。
【0060】実施例7 担体として、アモルファスフッ素樹脂(商品名サイトッ
プ:旭硝子社製)を、比表面積210m2 /gのアルミ
ナ(商品名:Neobead GB、4〜8メッシュ、
水沢化学製)に0.70重量%コーティングしたもの
(コーティング層の厚み:約10μm)を用いた。な
お、コーティングは実施例6の方法に準じて行った。
【0061】担体50gに、アセトニトリル溶媒を用い
て、塩化第一銅3.9gを担持した。この触媒を用いて
実施例1と同様に反応を行った。
【0062】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り4.5×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で55%であった。
【0063】実施例8 担体として、アモルファスフッ素樹脂(商品名サイトッ
プ:旭硝子社製)を、比表面積30m2 /gのチタニア
(商品名:タイペークA−100G、石原産業製)に
0.65重量%コーティングしたもの(コーティング層
の厚み:約10μm)を用いた。なお、コーティングは
実施例6の方法に準じて行った。
【0064】担体50gに、アセトニトリル溶媒を用い
て、塩化第一銅3.9gを担持した。この触媒を用いて
実施例1と同様に反応を行った。
【0065】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り4.8×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で58%であった。
【0066】実施例9 担体として、アモルファスフッ素樹脂(商品名サイトッ
プ:旭硝子社製)を、比表面積1000m2 /gの粒状
活性炭[商品名:白鷺C2 X4/6−2、4〜6メッシ
ュ、武田薬品工業(株)製]に5.5重量%コーティン
グしたもの(コーティング層の厚み:約10μm)を用
いた。なお、コーティングは実施例6の方法に準じて行
った。
【0067】担体50gに、アセトニトリル溶媒を用い
て、銅に対して等モル量のイミダゾールが配位したイミ
ダゾール−塩化第一銅錯体3.9gを担持した。この触
媒を用いて実施例1と同様に反応を行った。
【0068】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り5.8×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で69%であった。
【0069】実施例10 担体として、アモルファスフッ素樹脂(商品名サイトッ
プ:旭硝子社製)を、比表面積210m2 /gのアルミ
ナ(商品名:Neobead GB、4〜8メッシュ、
水沢化学製)に0.70重量%コーティングしたもの
(コーティング層の厚み:約10μm)を用いた。な
お、コーティングは実施例6の方法に準じて行った。
【0070】担体50gに、アセトニトリル溶媒を用い
て、銅に対して等モル量のイミダゾールが配位したイミ
ダゾール−塩化第一銅錯体3.9gを担持した。この触
媒を用いて実施例1と同様に反応を行った。
【0071】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り4.8×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で58%であった。
【0072】比較例1 担体として、表面をコーティングしていない、比表面積
1000m2 /gの粒状活性炭[商品名:白鷺C2 X4
/6−2、4〜6メッシュ、武田薬品工業(株)製]を
用いた以外は実施例1と同様にして固体触媒を調製し、
これを用いて、実施例1と同様に反応を行った。
【0073】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り3.5×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で35%であった。
【0074】比較例2 担体として、表面をコーティングしていない、比表面積
210m2 /gのアルミナ(商品名:Neobead
GB、4〜8メッシュ、水沢化学製)を用いた以外は実
施例1と同様にして固体触媒を調製し、これを用いて、
実施例1と同様に反応を行った。
【0075】その結果、炭酸ジメチルが、触媒中の銅原
子1g当り3.4×10-3モル/秒の空時収量で得ら
れ、その選択率はCO基準で28%であった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコールと一酸化炭素と酸素とを固体
    触媒の存在下で反応させて炭酸ジエステルを製造する方
    法において、前記固体触媒の担体として、疎水性表面を
    有する担体を用いる炭酸ジエステルの製造法。
  2. 【請求項2】 疎水性表面を有する担体として、疎水性
    樹脂又は疎水性樹脂で被覆された固体を用いる請求項1
    記載の炭酸ジエステルの製造法。
  3. 【請求項3】 疎水性樹脂として撥水性樹脂を用いる請
    求項2記載の炭酸ジエステルの製造法。
  4. 【請求項4】 撥水性樹脂としてフッ素樹脂を用いる請
    求項3記載の炭酸ジエステルの製造法。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂としてアモルファスフッ素樹
    脂を用いる請求項4記載の炭酸ジエステルの製造法。
  6. 【請求項6】 銅塩又は銅錯体が担体に担持された固体
    触媒を用いる請求項1〜5の何れかの項に記載の炭酸ジ
    エステルの製造法。
  7. 【請求項7】 銅塩として塩化第一銅を用いる請求項6
    記載の炭酸ジエステルの製造法。
  8. 【請求項8】 銅錯体として塩化第一銅とイミダゾール
    との錯体を用いる請求項6記載の炭酸ジエステルの製造
    法。
  9. 【請求項9】 アルコールとしてメタノールを用いる請
    求項1〜8の何れかの項に記載の炭酸ジエステルの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012111468A1 (ja) * 2011-02-18 2012-08-23 国立大学法人新潟大学 パラジウム触媒及びそれを用いたビスアリール化合物の製造方法
JP2022116956A (ja) * 2021-01-29 2022-08-10 株式会社豊田中央研究所 還元反応用電極

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