JPH0614469B2 - 光レドックス反応装置 - Google Patents

光レドックス反応装置

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JPH0614469B2
JPH0614469B2 JP57001609A JP160982A JPH0614469B2 JP H0614469 B2 JPH0614469 B2 JP H0614469B2 JP 57001609 A JP57001609 A JP 57001609A JP 160982 A JP160982 A JP 160982A JP H0614469 B2 JPH0614469 B2 JP H0614469B2
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semiconductor
redox
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light
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舜平 山崎
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)発明の利用分野 本発明は光照射により発生するエネルギーを貯蔵、再放
電する機能を持つ光発電装置に関するものである。
(ロ)発明の概要 本発明は太陽電池とレドックス溶液を組み合わせること
により、入射光をPINまたはNIP接合を持つ半導体
すなわち太陽電池に直接照射することで、光照射による
エネルギーを用いてレドックス反応を行なう方法の効率
を飛躍的に高め、それによって生じた反応生成物を再反
応させることにより光照射によるエネルギーを照射光の
強弱に関係なく安定して取り出すことを可能とする光発
電装置である。
さらに長期間使用した場合の性能の劣化を防ぐために、
太陽電池を構成する半導体のうちレドックス溶液側の部
分のN型またはP型の半導体を炭素または炭化珪素を主
成分として構成し、あるいは太陽電池を構成する半導体
レドックス溶液との間に酸化インジューム、酸化インジ
ュームスズ、酸化スズ、またはその多層構造、またはレ
ドックス溶液の一部を構成する金属またはその酸化物ま
たは窒化物よりなる電極を形成することを特徴とするも
のである。
(ハ)従来の技術 従来光電変換装置特に太陽電池においては、光照射によ
って光起電力を発生させることはできるが、この太陽電
池は太陽光の照射されている時のみ、その照射強度に比
例して出力が出るため、晴れ、くもり等で出力の変動が
大きい。一般家庭の屋根に設けた場合、夜間照明を行な
う際に光起電力が出ない等の欠点があり、民生用の実用
化には大きな問題であった。
これらを補うため二次電池を用いる方法が知られてい
る。しかし二次電池は価格が高く、他の設置場所を必要
とする等の欠点を有していた。
他方レドックス反応が知られている。これは代表的には
水中のTiO等の酸化物半導体に光照射を行ない、そ
れによって発生する電子およびホールを利用して、レド
ックス(酸化(オキシディション)−還元(リダクショ
ン)反応またはかかる反応を行なう溶液を総称してい
う)を行なわせようとするものである。
従来のレドックス反応においては、レドックス溶液に接
する半導体電極に光照射が行なわれることを必要不可欠
な条件と考えていた。それは特にこの反応に用いられる
半導体代表的には酸化チタン等の酸化物半導体が光照射
により半導体とレドックス溶液との間に界面準位を作
り、この準位により半導体表面のエネルギバンドを上方
に曲げ、表面近傍に形成される空乏層領域を用いるとい
う思想に基づくものである。
第1図の従来例(特開昭54−4582)の概要を示
す。
レドックス溶液(1)として水を供給したガラス容器
(2)においてアノード(5)、カソード(4)が設け
られアノード表面には酸化チタンがコーティングされた
半導体ができている。また光特に太陽光(10)が加え
られ、N型半導体である酸化チタンにおいては、太陽光
により電子と正孔(ホール)が発生する。その一方の正
孔が表面に集まり水中の酸素イオンと反応し、このアノ
ード電極側にて酸素ガスが発生し出口(44)より外部
に放出される。他方半導体(5)中で発生した電子はス
イッチ(25′)がオンとなると負荷(25)を介して
カソード電極(4)で水素イオンと中和して水素ガスが
発生し、出口(43)より外部に放出される。このよう
にしてレドックス反応がおきる。
(ニ)従来技術の問題点 しかし従来レドックス反応として第1図に示されている
如く照射光(10)は容器(2)をへて溶液中を(1
0′)として進行し、その後アノード(正電荷を供給す
る)の電極(5)に照射される。この照射光(10)の
約30〜40%が容器表面および容器溶液との界面で反
射(20)され、約70〜60%の光(10′)が溶液
中を進行する。さらにこの電極の表面でさらにその20
〜40%が反射(20)される。この溶液が透光性例え
ば水の場合短波長の100〜300nmの光をきわめて吸
収しやすいため、結果として電極に必要な光は全照射光
のうちの5〜10%しか照射されない。このため、実質
的に照射光のうちの反応に寄与し得る波長は300nm以
上1100nmまでの光である。しかし他方TiO電極
(5)(Eg=3.2eV、すなわち388nm以下の
波長の光を電気に変換する)のため結果として300〜
350nmと全照射光の波長のうちの10〜20%しか有
効でない。このため全入射光例えば太陽光の0.5〜1
%しか有効利用されていないという大きな欠点を有して
いた。加えてレドックス溶液が有色液の場合はこの溶液
中ですべての光が吸収されてしまうため、TiO膜で
光−電気変換が不可能であるため全くレドックス反応を
させることが不可能であった。
さらにこの第1図のレドックス反応ではこの半導体表面
でのこの半導体自体とレドックス溶液との反応の進行に
より半導体と溶液との反応生成物がしだいに形成され結
果として界面準位密度が変化するとともに反応生成物が
電流を流しにくくなるため光電変換効率が劣化しやす
く、そのため実際の反応を光照射により行なわせても、
1時間〜1日でその反応を実質的に停止してしまうほど
であった。
また図1より明らかな如く、従来はレドックス反応用に
半導体を用いた場合、その半導体より電気を直接は取り
出すことはできなかった。さらにこの半導体より電気エ
ネルギを必要量制御してとり出し、不要の電気エネルギ
を有効利用するための副産物として貯蔵することは第1
図の場合には不可能であった。
(ホ)発明の目的 本発明は光照射により電子およびホールを励起して光起
電力を発生する光電変換装置をレドックス(還元−酸化
反応用溶液)と一体化せしめることにより、発生した電
気エネルギの出力の平坦化(均一化)、貯蔵および貯蔵
した電気エネルギの放出等を行なう光発電装置において
長期使用に適した構成を提供することを目的とするもの
である。
本発明は単にレドックス反応を有効に行わせるのみでは
なく、光−電気変換、電気−レドックス反応と2種類行
なう。このため太陽光が照射されている時は太陽電池
(光電変換装置)により電気エネルギを取り出し、また
さらに使いきれない余剰分を用いて、酸素、水素を効率
良く取り出すレドックス反応せしめ、または余剰分の電
気エネルギをレドックス溶液中に保存する二方式を提供
するものである。さらに夜間等においては貯蔵された反
応生成物を再反応させて再び電気エネルギを取り出す事
も可能とした全時間・全天候型の光発電装置を提供する
ことを目的とするものである。
(ヘ)発明の構成 本発明は、第1の電極、光照射により光起電力を発生す
る半導体、レドックス溶液、第2の電極、および第3の
電極を有し、前記第2の電極は酸化インジューム、酸化
インジュームスズ、酸化スズ、またはその多層構造、ま
たは前記レドックス溶液の一部を構成する金属またはそ
の酸化物または窒化物よりなり、前記第1の電極は、前
記半導体の光照射面側に前記半導体と接して設けられ、
前記第2の電極は前記半導体の光照射面の反対側に接し
て設けられ、前記第2の電極に接して前記レドックス溶
液が設けられ、前記第3の電極は前記レドックス溶液に
接して前記第2の電極から離間して設けられたことを特
徴とする光レドックス反応装置であり、また前記半導体
は半導体PINまたはNIP接合を1つまたは複数有す
ることを特徴とする光レドックス反応装置である。
本発明はレドックス溶液に接する半導体表面またはその
表面に形成された電極面と、光照射が行なわれる半導体
の表面を異ならしめ、互いに反対面に設けたことを第1
の特徴としている。これはレドックス反応の反応面自体
には光照射を必要としないことを意味する。
すなわち光照射によって発生した電子またはホールとこ
の電極面での電位(単極特性)のみが重要であり、むし
ろ逆に半導体は電子;ホールの発生およびその電極面へ
の移動を助長する如き半導体中の内部電界を設けること
が重要であるという思想に基づく。
従って本発明の構成は太陽電池(光電変換装置)を設
け、その裏面に一体化して蓄電効果を有するレドックス
系を設けることを特徴としている。
これによって光照射がされる表面へは太陽光が液体を介
することなく直接照射される。
さらに本発明の特徴は、半導体自体がPINまたはNI
P接合をひとつ有する構造、または複数有するタンデム
構造であって、レドックス溶液と接する面はNまたはP
型の半導体、またはその炭化物または炭素、またはこの
一部あるいは全部を酸化物(例えば酸化インジュームま
たは酸化スズ)の電極でおおった構造を有せしめ、いわ
ゆる溶液と半導体との界面に生ずる界面準位の影響を全
く除去したことにある。
(ト)構成の詳細 すなわち例えば、光照射面側に透光性基板例えばガラス
上に第1の透光性電極を設け、その上面にPIN(P型
半導体−真性半導体−N型半導体)またはNIP(N型
半導体−真性半導体−P型半導体)接合を有する非単結
晶半導体により光起電力を発生せしめる。すなわち半導
体のエネルギバンド幅より大きなエネルギを有する光を
半導体に加えた場合、この光エネルギにより真性半導体
においては電子と正孔(ホール)を発生させ、その一方
の電子はN型半導体に移動し、また他方の正孔はP型半
導体に移動し、結果としてN型半導体とP型半導体にお
いて光起電力を発生させることができる。この半導体の
光照射された表面に設けられたITO(酸化インジュー
ム・酸化スズ混合体)、ITOおよび酸化スズの多重膜
その他の透光性導電膜よりなる第1の電極に接したPま
たはN層によりPIN接合においては正の電気、NIP
接合においては負の電気を外部にとり出す。他方半導体
の裏面のNまたはP層よりなる半導体電極またはこの上
面に選択的または全面に設けられた第2の電極は、レド
ックス溶液と接し、このレドックスに電子またはホール
を提供する。そしてこのレドックスを電荷の関係におい
て、 と電荷数を変化せしめられる。さらにこのレドックスに
より離間した第3の電極との間において、一方の第2ま
たは第3の電極はn価をn+α価に増加せしめ、他方の
第3または第2の電極はm価をm−β価に減少せしめる
ことにより、電気または化学エネルギとして蓄積させん
とするものである。特に非水溶液のレドックス溶液の場
合、 R=Q n=m=2 α=β=1 とするレドックスが実用上好ましいものである。例えば Fe(ビピリジン)3 2+ (ClO2 2- (単にFBP
という) Fe(フェナンスロリン)3 2+ (ClO2 2- Ru
(ビピリジン)3 2+ (ClO2 2- (単にRBPとい
う) Ru(フェナンスロリン)3 2+ (ClO2 2- が好ま
しい。特に物性的にはRBPがすぐれているが、低価格
であり、無毒性のFBPが実用上好ましいものであっ
た。
またこのレドックスの非水性の溶媒として、プロピレン
カーボネイト (以下単にPPKという)またはアセトニトリル(CH
3−CN)が無水物すなわち電極反応が少なく安定な無
毒な溶媒の代表的なものである。
他方水溶液系のレドックス溶液として、水、クロム溶
液、硫酸、塩酸、硫酸が添加された水溶液また前記した
鉄溶液とクロム溶液との混合液等を本発明に用いてもよ
い。
特に水溶液系レドックスにおいて水を用いる場合、半導
体がレドックスにN層を接しているカソード電極(電子
を溶液に供給する電極をカソードという)側にて水素を
発生し、またアノード電極(ホールを溶液に供給する、
すなわち溶液にとってはホールをもらうまたは電子を放
出する側の電極をアノードという)であるP層側ではホ
ールと酸素イオンが反応し酸素ガス等が発生する。この
ため太陽光と半導体との間に水溶液が介在して光特に短
波長(100〜300nm)光を吸収してしまわない、
最も強い波長である可視光を効率良く吸収するために光
電変換効率の高い1.3〜2.0eVのエネルギバンド
巾を有するとともにPIN接合を構成している非単結晶
半導体特にアモルファスまたはセミアモルファス半導体
を用いた光電変換装置とレドックス溶液とを一体化する
ことによりレドックス溶液である水からの、酸素と水素
とを分離発生させることができた。
また本発明においては、従来より知られた白金−酸化チ
タン半導体電極系を用いたレドックス系に比べて大きな
違いを有する。すなわち酸化チタンはエネルギバンド巾
が3.2eVを有するため、照射光のうち387nm以
下の波長の紫外線のみが有効に電子・ホール対を作り分
離することができる。このため太陽光等の500nmを中
心とする連続光に対してはきわめて効率が低い。他方本
発明においてはEg(エネルギバンド巾)を1.0eV
(1240nm以下の波長で光より電子・ホールを発生
させる)〜2.5eV(496nm以下の波長で光より
電子・ホールを発生させる)を用い、特に照射光で電子
・ホールを発生させる活性領域にEg=1.3〜2.0
eVを有する非単結晶の珪素、炭化珪素、珪化ゲルマニ
ュームを用いたことを他の特徴としている。
すなわちこのうち珪素特にアモルファスまたは5〜10
0Åのショートレンジオーダの微結晶を有する珪素にお
いては、Eg1.6〜1.9eVを有するため、光特に
太陽光に対し3500〜5000Åの短波長の光吸収係
数が結晶珪素(Eg=1.1eV)に比べ10〜30倍
も短波長側の光吸収効率が大きい。加えて本発明のPI
N接合におけるI層(真性または実質的に真性の導電
型)をその短波長側での光吸収係数が20倍も単結晶珪
素に比べて大きいため、その厚さを0.3〜1μm代表
的には0.5μmでよく、さらにこの活性半導体層に積
層して半導体電極として安定させるためのPまたはN層
に対しては、Si1-x (0≦x<1)特にx=0.
2〜0.7の光学的エネルギバンド巾を1.8〜2.8
eVとI層の1.3〜2.0eV代表的には1.7〜
1.8eVに比べ広く設けたヘテロ接合とすることがで
きる。このためこのPまたはN層は50〜500Åとき
わめて薄くさせてもよく、そのため初めて透光性基板特
にガラス基板側より光照射をし、この基板の電極上に設
けられたPIN接合を有する半導体が全体の厚さが、
0.3〜1μmと薄くてもよいため、この半導体または
この上面の半導体とは異種材料の電極面にレドックスを
密接させることができた。
このヘテロ接合を有する光電変換装置に関しては、本発
明人の出願になる米国特許明細書第4254429号
(対応日本特許 特願昭53−83467号(特開昭5
5−11329号)、特願昭53−83468号(特開
昭55−11330号))、米国特許明細書第4239
554号(対応日本特許 特願昭53−86867号
(特開昭55−13938号)、特願昭53−8686
8号(特開昭55−13939号)にその詳細が示され
ている。
さらにこのPIN接合を2つまたはそれ以上重ねて設け
るタンデム構造とすることも可能である。
以下に図面に従って本発明を示す。
(チ)参考例 第2図(A)はまず本発明の基本的な構成を示す参考例
としてPIN接合を有する非単結晶半導体(12)とそ
のNまたはP層(16)に接してレドックス(1)が配
され、さらに対向電極として(28)が設けられている
ものを示す。
この図面において入射光(10)は従来のレドックスを
用いた半導体電極反応と異なり、透光性基板(30)側
より行ない、この半導体(12)にて発生した電子また
はホールが第2の電極とレドックス(1)との界面
(9)にて与えられ、レドックス反応を生ぜしめた。
特にこの場合半導体(15)は真性または実質的に真性
の半導体としてプラズマCVD法により作られた非単結
晶珪素を用い、PまたはN層(14)、NまたはP層
(16)にSi1-x (0≦x<1)である炭素(x
=0の場合)または炭化珪素を用いた。これは半導体電
極表面としての耐溶解性を向上させた。特に入射光側の
PまたはN層(14)はここで照射された光の吸収損失
を少なくするため、1.6〜3eV代表的には1.8〜
2.3eVとすることがきわめて重要であり、さらにそ
の厚さは50〜200Åで十分であった。この側の電極
(20)はITO(酸化インジュームと1〜7%の酸化
スズの混合体)またはその上面に100〜300Åの厚
さに酸化スズが形成された2重構造または酸化スズより
なる透光性電極を用いた。
またI層は0.25〜1μmの厚さ代表的には0.4〜
0.6μmの厚さの非単結晶特にアモルファスまたはセ
ミアモルファス構造を有する珪素を主成分とする半導体
を用いた。これに珪化ゲルマニュームすなわちSi
1-x (0<x<1)(Eg=1.3〜1.8eV)に
て示される半導体を用い、また第4図に示される如く積
層構造(タンデム)としてさらに高電圧化を計ってもよ
い。
さらにNまたはP層(16)に対しては50〜500Å
の厚さを有する炭素または炭化珪素を用いた。同様にプ
ラズマCVD法により200〜300℃の温度にて作製
したが、この半導体はEg=1.7〜3.0eVを有
し、代表的にはSi1-x (0≦x<1)において、
x=0.1〜0.8を有せしめた。この電極の界面
(9)を有する半導体はレドックス反応により難溶解性
であり、かつレドックス体が水の如き酸化物にあっては
酸化して絶縁膜になってしまわないことがきわめて重要
である。そのため珪素ではなく、炭化珪素または炭素で
あることが本発明の実用化で大きな特徴である。
一般に半導体としては代表的には珪素が用いられるが、
かかる珪素をレドックス用の半導体電極とすると表面に
水と珪素とが互いに反応し酸化珪素という絶縁物を形成
してしまうため電流か流れなくなり、好ましくなかっ
た。このためレドックスと接する半導体電極は炭化珪
素、炭素、窒化物が好ましい。
また第2図(A)においてはレドックスは水溶液代表的
には水を用いた。さらに対向電極(28)として酸化ス
ズを表面に形成して電極とした。すると半導体(16)
をN型としてカソードとせしめ対向電極(28)がアノ
ードとして設けることができる。かかる構造にすると半
導体電極および対向電極はともに安定であり、スイッチ
(25′)を閉とするとカソード側にて水素を出口(4
3)より放出せしめ、またアノード側(28)にて酸素
を出口(44)より放出させることができる。
かかる構造において、特に半導体側より水素が出るた
め、半導体電極が溶解することもなくまたアノード側の
酸化スズは酸化物であるため酸素を発生させても劣化す
ることがなく、きわめて高い信頼性を有せしめることが
できた。本発明の構造においては、照射光が水溶液中を
通らないため、水面にて吸収されることもなく、いわゆ
る太陽電池より発生された電気エネルギにより酸素およ
び水素に分解して貯蔵することができるようになった。
特に酸素および水素を発生させるには負荷(25)を0
Ωとしてオン状態とすればよい。その場合の変換効率と
しては従来より知られた1%以下ではなく6〜12%を
得ることができた。さらに価格的にも非単結晶半導体を
プラズマCVD法にて基板(30)上の透明電極上に設
けるため、10cm□のPIN接合を有する半導体を作る
のに100〜500円で製造可能であり、工業的にもそ
の寄与は極めて大なるものであった。
第3図は第2図(A)A−A′のエネルギバンド図を示
している。番号は第2図(A)に対応している。
すなわち第1の透明電極(20)、P型半導体(1
4)、I型半導体(15)、N型半導体(16)、レド
ックス溶液に接している面(9)、レドックス溶液
(I)、対向電極(28)を有し、光(10)が第1の
電極(20)、P型半導体(14)、をへてI型半導体
に至り、ここでホール(51)、電子(52)を発生し
てそれぞれ価電子帯(53)、伝導体(54)よりそれ
ぞれP型半導体およびN型半導体へドリフトする。
(リ)実施例 次に本発明の実施例を第2図(B)に示す。
すなわち透光性基板(30)上に透光性電極(20)、
PまたはN層(14)、Eg=1.3〜2.0eVを有
し光照射により電子およびホールを発生する活性半導体
層特にI層(15)、さらにその上面に設けられた半導
体電極であるNまたはP層(16)よりなる半導体(1
2)、第2の電極(46)、対向電極(28)(第3の
電極)よりなり、それらは第2図(A)と同一材料を用
いた。レドックス(1)はその中央部に半透膜例えばイ
オン交換膜(7)を設け、半導体電極側のレドックス
(2)および対向電極側のレドックス(3)が設けられ
ている。
太陽光である照射光(10)により発生した電気エネル
ギを蓄電させることなくそのまま出力として用いる場合
はスイッチ(24′)を閉として負荷(24)を用いれ
ばよく、またこのエネルギを電気エネルギに変えてそれ
を用いてレドックス反応をさせてレドックス(1)内に
エネルギを貯蔵する(充電)には、スイッチ(25′)
を閉としかつ負荷(25)を0Ωとしてオンせしめ電流
を流せばよい。また夜間等において貯蔵したエネルギを
放出(放電)せしめるにはスイッチ(23′)を閉とし
て負荷(23)を用いればよい。
この第2図(B)においては非水溶液を用いた。特にそ
の溶質としては、例えば Fe(ビピリジン)3 2+(ClO42 2- (FBP)を用
い、また溶媒として例えばプロピレンカーボネートを用
いた。
かくの如き有色の溶液をレドックスとして用いることに
より、レドックス反応、すなわち FBP2+FBP3++e アノード FBP2++eFBP1+ カソード ただし → 充電、 ←放電 の反応を行なわしめることができた。
カソードとして CBP3++eCBP2+ ただしCBPはクロムのビピリジンを示す に示される如く、クロムのリーガンドを溶媒として用い
てもよい。この場合は負荷(25)を0Ωに近づけてオ
ンにして充電反応を行なった。また蓄積されたエネルギ
を放電する場合は、負荷(23)を用いてその逆反応を
させた。また単なる光電変換装置の出力として用いるな
らば、負荷(24)の回路系を用いればよい。半導体上
のレドックス用の第2の電極(46)は酸化スズまたは
酸化インジュームまたはITO等をくし型または全面に
形成して用いた。
この第2の電極(46)に関し、この第2の電極側の半
導体がP型である場合すなわちアノード側の電極として
は、酸化スズのみならず酸化鉄、酸化タングステン、酸
化ニオブ、チタン酸ストロンチューム等を用い得る。特
に導電性のアノード側電極としてはレドックス表面と接
する面を酸化スズ(200〜2000Å)とその下にI
TO(2000〜3000Å)と2層膜としてシート抵
抗を5〜20Ω/□としてもよい。
またこの半導体を光照射面側よりPIN接合を有する如
くに設けると、第2の電極(46)側の半導体はN型と
なり、カソードを構成させることができる。このカソー
ドとしては、炭化珪素または炭素の半導体をレドックス
と接する第2の電極として用いることが長期間使用可能
とする面より好都合であった。
また、第2の電極材料としてレドックス溶液の一部を構
成する金属またはその酸化物または窒化物を用いる、例
えばFe(ビピリジン)3 2+(ClO42 2-(FBP)
をレドックス溶液として用いた場合、その電極の材料と
して鉄、またはその酸化物の酸化鉄、またはその窒化物
の窒化鉄を用いると、溶液中に鉄が飽和しているので、
電極が溶けにくくなり、また酸化物や窒化物にすれば酸
化されにくくなり、長期使用可能な電極とすることがで
きる。
しかし図面にある如く、レドックス溶液と接する第2の
電極(46)をくし型または全面に電気エネルギー取り
出し用に設ける場合、その電極材料として酸化インジュ
ームまたはITO(酸化インジューム中に酸化スズを
0.1〜5%添加したもの)を用いた。これらはもとも
と酸化物であるためレドックス溶液、レドックス反応に
よって酸化して電極としての特性が劣化してしまうこと
はない。またITOはN型半導体となりやすく、特にN
型半導体との合性がよく、他方アノード側の電極として
はP型半導体となりやすい酸化スズは好対称の特性を有
するため電極の種類を使いわけると好ましかった。
第4図はPIN接合を2つ重ね合わせたタンデム構造を
有している。そのエネルギバンド構造を第3図に対応し
て示す。図面において照射光(10)は第1の透光性電
極(20)、P型半導体層(14)、I型半導体層(1
5)、N型半導体層(16)よりなる第1の半導体(1
2)、さらにこれに重ねて第2のP型半導体(34)、
I型半導体(35)、N型半導体(36)よりなる第2
の半導体(32)がPIN接合を構成して直接連結して
設けられたタンデム構造とさせた。すると照射光(1
0)により第1のPIN接合(12)においてホール
(51)、電子(52)が発生する、と同時に第2のP
IN接合(32)においてホーム(51′)、電子(5
2′)が発生する。
そしてホール(51″)は第1の電極に移動し,また電
子(52″)は第2の電極(46)に移動する。
N型半導体(16)とP型半導体(34)とはオーム接
触をしており、ホール(51)と電子(52)とは
互いに再結合(37)する。
開放電圧は1つのPIN接合のみの構造では0.8〜
0.9Vの開放電圧しか発生されないが、この実施例で
は2つのPIN接合を互いに連結しているため1.6〜
1.8eVの約2倍の電圧を得ることができた。具体的
にはP層(14)Si1-x (x=0.2〜0.4)
(Eg=1.8〜2.3eV)を100〜200Å、I
層をSi(Eg=1.7〜1.9eV)で4000〜5
000Å、N層(16)を50〜200Å、P層(3
4)を50〜150ÅとともにSi(Eg=1.6〜
1.8eV)とした。さらにI層(35)(SiGe
1-x (x=0.5〜1.0)(Eg=1.3〜1.6e
V),N層(36)Si1-x (x=0.2〜0.
5)(Eg=1.8〜2.3eV)とした。
かくすることにより開放電圧を約2倍にすることができ
るため、レドックス溶液(1)に対する反応をさらに促
進させることができた。
図面において(46)としてITOの透明導電膜を第2
図(B)に示す如くにして設ければよい。さらに図面に
おいてかかるPINPIN構造ではなく、NIPNIP
構造としてもよいことはいうまでもない。図における他
の構造は第2図(A)または(B)を用いた。
かくすることにより高い電圧でレドックス反応をさせる
ことができたため、第2図(A),(B)に比べて光−
化学反応の効率をさらに30〜40%も向上させること
ができた。
(ヌ)発明の効果 以上の説明より明らかな如く、本発明は光電変換装置と
レドックス反応とを一体化して設けることができるため
光電変換装置を構造を提供するものであり、その実用上
の効果としていわゆるスモールスケールの一般家庭用の
エネルギ変換をきわめて有効なものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の半導体装置を用いたレドックス反応用半
導体装置である。 第2図(A)は本発明の参考例における光レドックス反
応装置、第2図(B)は本発明の実施例による光レドッ
クス反応装置をを示す。 第3図は第2図(A)に対応したエネルギバンド図であ
る。 第4図はタンデム構造のエネルギバンド図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電極、光照射により光起電力を発生
    する半導体、レドックス溶液、第2の電極、および第3
    の電極を有し、 前記第2の電極は酸化インジューム、酸化インジューム
    スズ、酸化スズ、またはその多層構造、または前記レド
    ックス溶液の一部を構成する金属またはその酸化物また
    は窒化物よりなり、 前記第1の電極は、前記半導体の光照射面側に前記半導
    体と接して設けられ、前記第2の電極は前記半導体の光
    照射面の反対側に接して設けられ、前記第2の電極に接
    して前記レドックス溶液が設けられ、前記第3の電極は
    前記レドックス溶液に接して前記第2の電極から離間し
    て設けられたことを特徴とする光レドックス反応装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、半導体は
    PINまたはNIP接合を1つまたは複数有することを
    特徴とする光レドックス反応装置。
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