JPH06143623A - 熱画像形成材料およびそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

熱画像形成材料およびそれを用いた画像形成方法

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JPH06143623A
JPH06143623A JP30363692A JP30363692A JPH06143623A JP H06143623 A JPH06143623 A JP H06143623A JP 30363692 A JP30363692 A JP 30363692A JP 30363692 A JP30363692 A JP 30363692A JP H06143623 A JPH06143623 A JP H06143623A
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layer
image forming
forming
thermal
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JP30363692A
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English (en)
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Masahide Sasai
正秀 笹井
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜強度を下げることなく最高濃度を上げるこ
とのできる熱画像形成材料および該熱画像形成材料に記
録された画像の反転像を形成する熱画像形成方法を提供
する。 【構成】 熱画像形成材料10の両面に、同一の画像情報
を担持したレーザ光20を照射する。この熱画像形成材料
10の両面に設けられた画像形成表面層14がそのレーザ光
20の照射により溶融し、顔料/結合剤層16を該画像形成
表面層14上に固着せしめて画像を形成する。この後、固
着されていない顔料/結合剤層16を剥離シート24に接着
せしめて該剥離シート24をそれぞれ剥離する。この剥離
した2枚のシート24を記録された画像の反転像が一致す
るように重ねて貼り合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱画像形成材料およびそ
れを用いた画像形成方法に関し、さらに詳しくは、熱を
画像状に適用することにより高解像度の画像を生成する
感熱層をその両面に有する熱画像形成材料およびそれを
用いた方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀乳剤を使用する写真材料の
画像処理とは異なり、熱画像形成材料は周辺光からの防
護を必要としないため、取扱いに暗所が必要ないという
利点がある。画像を熱画像形成材料上に形成するには、
形成しようとする画像に相当する熱パターンを適用すれ
ばよい。また、これらの材料がハロゲン化銀材料に適用
される処理よりも、迅速で簡単な処理により画像を提供
できることから、これらの材料への画像の形成は、通常
の写真画像形成材料よりも簡単で、経済的である。これ
らの材料の好ましい特徴として、熱画像形成媒体が実質
的に乾式の画像現像処理で済むこと、および、ある期間
に亘る、昇温せしめられた周辺温度にも影響を受けない
ことが挙げられる。さらにまた、熱画像形成材料は高品
質で安定な画像の形成を可能にする。これは、これらの
材料はハロゲン化銀材料の温式処理および温度作用から
生じる画像品質の変動を受けないからである。
【0003】熱画像形成媒体は比較的容易に使用するこ
とができるので、潜在的に広い用途範囲において、それ
らの製造および使用に関わる多くの提案がなされてき
た。最近、熱画像形成媒体への画像の記録に慣用となっ
てきている熱源の1つにレーザ光がある。このレーザ光
は、十分な出力を有し、必要に応じて適切に変調され
る。媒体材料をこのレーザを用いた方法で照射するのに
要する時間は比較的短い。
【0004】熱画像形成材料の一例として、米国特許第
4,123,309 号には、ドナーウェブに軽く接着している微
細粒子の層と面対面で接触している潜像接着材料の層を
有する画像受容テープを含む複合ストリップ状材料が記
載されている。これらの層のうちの少なくとも1つは、
カーボンブラックまたは酸化鉄のような照射線吸収性顔
料を含有しており、照射線パターンにより選択的に加熱
されると、この層は接着材料の隣接部分で、照射線が顔
料を通過する間に瞬時に軟化する。ここで受容テープと
ドナーウェブとを分離すると、微粒子が照射域のみ受容
テープに転移され、この受容テープに画像が形成され
る。
【0005】これに類似する材料が米国特許第4,123,57
8 号に記載されている。
【0006】米国特許第4,157,412 号には、写真形成用
の複合材料が記載されており、この材料は潜像接着材料
の層、ドナーウェブに軽く接着している粒子の単層およ
び粒子層と接着材料層との間にあって、面対面で接触し
ている結合材料の薄膜を包含するものである。結合材料
の層は、接着材料層と粒子層とを密着させ、空気が排除
されるように保持するものである。この複合材料では写
真パターンで選択的に加熱されると結合層の相当する部
分および粒子層の相当する部分が軟化し、結合層の溶融
した部分がドナーウェブに吸着され、そして一体に接着
される。接着材料の層とドナーウェブとを引き続いて分
離すると結合材料層の中の残留部分が分離され、一方粒
子はその加熱領域が受容テープに移されて、写真が得ら
れる。
【0007】米国特許第4,547,456 号には、加熱方式記
録材料が記載されており、この材料は支持体およびこの
支持体上に位置する感熱層を有し、この感熱層が少なく
とも一種の金属イオンとイオン的に交差結合させること
により得られるイオノマー樹脂、アルファーオレフィン
とアルファーメチレン脂肪族モノカルボン酸との共重合
体および親水性結合剤よりなるものである。
【0008】層に対する光硬化性像形成性物質の接着度
を部分的に変えることによって、1つの層からもう1つ
の層に転写することができる画像を提供するために、熱
源を使用する代わりに、画像形成用活性照射線を使用す
る別種の材料が知られている。このような材料の例は米
国特許第4,247,619 号に記載されている。
【0009】熱画像形成材料において、適用された熱パ
ターンの結果として生じるドナー層から受容層への画像
形成物質の画像様の転移は比較的複雑なメカニズムによ
るものであることから、広く受け入れられるとみなされ
ているものは今のところ存在していない。他の問題とし
て画像形成物質の粘着問題が挙げられる。この問題によ
り消費者に受け入れられるような十分に細かい解像度を
有する画像が一定して生成できなくなる。現在利用でき
る熱画像形成材料の中で、工業的に要求される高い写真
的品質または高い解像度に対する要求を満足するものは
なかった。
【0010】また、特表平2-501552号は、強い画像形成
照射線に対応して画像を形成する熱画像形成要素を提案
している。この熱画像形成要素は、支持体の片面に画像
形成表面層、画像形成物質の層および剥離シートを有
し、画像形成照射線により該画像形成表面層が液化して
該画像形成物質が前記支持体に固定されて画像を形成す
るものである。このような画像記録材料へは、片面より
レーザ光等を照射してその片面に画像を生成し、その後
に剥離シートを剥離してその画像を観察している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように観察する画
像の中で、特に医療画像は、シャーカステンを用いてそ
の透過像を観察しており、その観察には画像の最高濃度
の濃いことが好ましいこととなっている。しかしなが
ら、上述したような熱画像形成材料はその片面にしか画
像を形成しないのでその最高濃度には限界があるため、
それ以上最高濃度を濃くすることが困難であり、画像の
濃度を上げようとした場合には、熱画像形成材料の膜強
度を下げることとなる。
【0012】また、剥離シートの剥離の際に、画像にお
いてムラが生じたり、官能欠点が生じる傾向がある。さ
らに、剥離シートは片面に接着剤が付着しているので、
廃棄に際してもべとついて扱いづらい。
【0013】本発明は、上記事情に鑑み、膜強度を下げ
ることなく最高濃度を上げることのできる熱画像形成材
料を提供することを目的とするものである。
【0014】本発明はまた、1枚の画像形成材料に2つ
の異なる画像を形成できる熱画像形成材料を提供するこ
とを目的とするものである。
【0015】さらに、本発明は、剥離したシートを張り
合わせることにより形成した像を、前記熱画像形成材料
に記録された画像の反転像として観察することのできる
熱画像形成方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の熱画像形
成材料は、照射線に対して透過性のある材料から形成さ
れた支持体と、該支持体の両面に設けられた、所定の温
度以上で液化されて流動性を有するようになる画像形成
表面層と、該各画像形成表面層の上に均一に被覆された
多孔質または粒子状の画像形成物質よりなる画像形成層
と、画像形成照射線を吸収して、前記画像形成表面層を
液化させる熱エネルギーに変換する、画像形成照射線吸
収物質とを含み、前記画像形成物質が前記画像形成層と
前記画像形成表面層との間の接着強度よりも大きい凝集
強度を示し、前記画像形成照射線を前記物質に照射する
ことにより該画像形成表面層が液化されたときに、該液
化した表面層が前記画像形成層の該表面層と隣接する部
分の該形成層中に毛細管的流動により侵入し、これによ
り前記画像形成表面層が冷却されると、前記画像形成層
の前記画像形成照射線が照射された部分が前記支持体に
実質的に固定されることを特徴とするものである。
【0017】本発明の第2の熱画像形成材料は、照射線
に対して透過性のある材料から形成された基体と、該基
体の両面に設けられた熱画像層とからなる熱画像形成材
料であって、前記各熱画像層が支持体と、該支持体の前
記基体側に設けられた、所定の温度以上で液化されて流
動性を有するようになる画像形成表面層と、該各画像形
成表面層の前記基体側に均一に被覆された多孔質または
粒子状の画像形成物質よりなる画像形成層と、画像形成
照射線を吸収して、該照射線を前記画像形成物質を液化
させる熱エネルギーに変換する照射線吸収物質とを含
み、前記画像形成物質が前記画像形成層と前記画像形成
表面層との間の接着強度よりも大きい凝集強度を示し、
前記画像形成照射線を前記物質に照射することにより該
画像形成表面層が液化されたときに、該液化した表面層
が前記画像形成層の該表面層と隣接する部分の該形成層
中に毛細管的流動により侵入し、これにより前記画像形
成表面層が冷却されると、前記画像形成層の前記画像形
成照射線が照射された部分が前記支持体に実質的に固定
されることを特徴とするものである。この熱画像形成材
料においては、熱画像層は、例えば接着剤の塗布により
密着して基体に設けられている。
【0018】ここで、前記画像形成表面層を構成する画
像形成物質は、液化と固化との間の温度間隔の狭いもの
が好ましい。
【0019】上述したような熱画像形成材料において、
前記支持体または基体もしくは該支持体または基体を含
む画像形成材料構成層の少なくとも一層は以下に述べる
ように多様な形態をとることができる。
【0020】(1)可視光に対して透明 (2)可視光に対して不透明 (3)温度に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層 (4)紫外線の照射により可視光に対して不透明になる
ビジキュラー層 このような形態で、例えば画像の最高濃度を高めるため
には、可視光に対して透明である支持体または基体を用
い、その熱画像形成材料の両面に同一の画像を記録すれ
ばよい。また、透明な支持体または基体を用いて、例え
ば、一方の面に動脈像を、もう一方の面に静脈像を、そ
れぞれ色を変えて記録すれば、異なる像の重ね合せ像も
有効に観察することができる。さらにまた、2つの画像
を1枚の熱画像形成材料に記録して観察するためには、
可視光に対して不透明な支持体または基体を用い、熱画
像形成材料の両面に異なる画像を記録すればよい。ここ
で、ビジキュラー層を用いれば、前述したような可視光
に対して透明、または不透明な支持体または基体を必要
に応じて選択できるので有効である。
【0021】また、本発明の第1の画像形成方法は、照
射線に対して透過性のある材料から形成された支持体
と、該支持体の両面に設けられた、所定の温度以上で液
化されて流動性を有するようになる画像形成表面層と、
該各画像形成表面層の上に均一に被覆された多孔質また
は粒子状の画像形成物質よりなる画像形成層と、画像形
成照射線を吸収して、該照射線を前記画像形成物質を液
化させる熱エネルギーに変換する照射線吸収物質とを含
み、前記画像形成物質が前記画像形成層と前記画像形成
表面層との間の接着強度よりも大きい凝集強度を示し、
前記画像形成照射線を前記物質に照射することにより該
画像形成表面層が液化されたときに、該液化した表面層
が前記画像形成層の該表面層と隣接する部分の該形成層
中に毛細管的流動により侵入し、これにより前記画像形
成表面層が冷却されると、前記画像形成層の前記画像形
成照射線が照射された部分が前記支持体に実質的に固定
される熱画像形成材料を利用した画像形成方法であっ
て、前記画像形成層の画像記録部分の前記支持体への固
定後に、該画像記録部分以外の画像形成層をその表面に
有する前記各剥離シートそれぞれを前記熱画像形成材料
より剥離し、該各剥離シートを該画像記録部分以外の部
分が一致するように貼り合わせて前記熱画像形成材料に
記録した画像の反転像を形成することを特徴とするもの
である。
【0022】本発明の第2の画像形成方法は、基体と、
該基体の両面に設けられた熱画像層とからなる熱画像形
成材料であって、前記各熱画像層が可視光に対して透明
な支持体と、該支持体の前記基体側に設けられた、所定
の温度以上で液化されて流動性を有するようになる画像
形成表面層と、該各画像形成表面層の前記基体側に均一
に被覆された多孔質または粒子状の画像形成物質よりな
る画像形成層と、画像形成照射線を吸収して、該照射線
を前記画像形成物質を液化させる熱エネルギーに変換す
る照射線吸収物質とを含み、前記画像形成物質が前記画
像形成層と前記画像形成表面層との間の接着強度よりも
大きい凝集強度を示し、前記画像形成照射線を前記物質
に照射することにより該画像形成表面層が液化されたと
きに、該液化した表面層が前記画像形成層の該表面層と
隣接する部分の該形成層中に毛細管的流動により侵入
し、これにより前記画像形成表面層が冷却されると、前
記画像形成層の前記画像形成照射線が照射された部分が
前記支持体に実質的に固定される熱画像形成材料を利用
した画像形成方法であって、前記画像形成層の画像記録
部分の前記支持体への固定後に、該画像記録部分をその
表面に有する前記熱画像層それぞれを前記基体より分離
し、該各熱画像層を前記画像記録部分が一致するように
貼り合わせて画像を形成することを特徴とするものであ
る。
【0023】
【発明の作用および効果】本発明の第1の熱画像形成材
料の一実施態様は、可視光に対して透明な支持体とその
両面に画像を表わす画像形成層を有しているので、両面
に生成された同一の画像の濃度を加算したものを観察す
ることができ、その結果、膜強度を下げることなく最高
濃度を上げることができる。このとき、重ね合わせによ
り、ムラの発生や、官能欠点の発生となった場合でも、
目立ちにくくなる。
【0024】また、該第1の熱画像形成材料の別の実施
態様は、可視光に対して不透明な支持体とその両面に画
像を表わす画像形成層を有しているので、それぞれの面
に別々の画像を形成することができ、材料のコストを下
げ、保管のスペースも大幅に減少させることができる。
【0025】該第1の熱画像形成材料のさらに別の実施
態様は、支持体もしくは該支持体を含む画像形成材料構
成層の少なくとも一層を可視光に対して透明か不透明の
いずれか一方にすることができるので、1種の熱画像形
成材料により上述した2つの効果を必要に応じて選択す
ることができる。すなわち、2種の熱画像形成材料を用
意する必要がなくなるため、製造コストを低下させ、在
庫管理等の手間も省けることとなる。
【0026】また、本発明の第2の熱画像形成材料の一
実施態様は、可視光に対して透明な基体とその両面に画
像を表わす画像形成層を有しているので、両面に生成さ
れた同一の画像の濃度を加算したものを観察することが
でき、その結果、膜強度を下げることなく最高濃度を上
げることができる。このとき、重ね合わせにより、ムラ
の発生や、官能欠点の発生となった場合でも、目立ちに
くくなる。
【0027】また、該第2の熱画像形成材料の別の実施
態様は、可視光に対して不透明な基体とその両面に画像
を表わす画像形成層を有しているので、それぞれの面に
別々の画像を形成することができ、材料のコストを下
げ、保管のスペースも大幅に減少させることができる。
【0028】該第2の熱画像形成材料のさらに別の実施
態様は、基体もしくは該基体を含む画像形成材料構成層
の少なくとも一層を可視光に対して透明か不透明のいず
れか一方にすることができるので、1種の熱画像形成材
料により上述した2つの効果を必要に応じて選択するこ
とができる。すなわち、2種の熱画像形成材料を用意す
る必要がなくなるため、製造コストを低下させ、在庫管
理等の手間も省けることとなる。
【0029】上記第2の熱画像形成材料の実施態様はい
ずれも、基体に形成された画像以外に、常に熱画像層に
も該画像の反転像が形成されているので、これらの画像
を友好に用いることができる。
【0030】さらに、本発明の第1の画像形成方法は、
同一の画像を両面に形成した後に、画像形成層の支持体
とは反対側に設けられた各剥離シートをそれぞれそこか
ら剥離して、前記熱画像形成材料に記録した画像部分以
外の部分が一致するように貼り合わせて該画像の反転像
を形成することができる。このことにより、従来捨てて
いた剥離シートを有効に利用することができる。あるい
は、そのような反転像を利用しない場合でも各剥離シー
トを貼り合わせることにより廃棄する際にべとつくこと
なく容易に扱うことができる。
【0031】また、本発明の第2の画像形成方法は、同
一の画像を両面に形成した後に、基体から、熱画像層の
支持体をそれぞれ分離させて、前記熱画像層の支持体に
記録した画像部分以外の部分が一致するように貼り合わ
せて該画像の反転像を形成することができる。
【0032】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて、本発明
を詳細に説明する。
【0033】本発明の熱画像形成材料における画像の形
成は、該熱画像形成材料を熱エネルギーの画像様分布に
さらすことにより対象物体の画像を該熱画像形成材料上
に形成するものである。画像様分布を記録するのに好ま
しい方法は、例えば、1000個(4000〜10000 )の点/cm
のような優れた解像度を有する画像を生成できる照射線
を供するレーザを使用するものである。
【0034】この本発明の熱画像形成材料における画像
の形成には、次の2工程が必要である。第1の工程は適
切な熱露出であり、第2の工程は画像形成物質の中の露
出されていない部分を前記材料から除去することによる
潜像の処理である。このようにして得られた画像の品質
は、これら2つの変化因子間から予測できる相互関係の
関数によるものである。
【0035】本発明の好ましい露出方法において、使用
される熱源はレーザである。しかしながら、本発明はレ
ーザの使用に限定されるものではない。
【0036】実際には、レーザ露出は材料に、好ましく
は粒子状または多孔質均一層(以下、着色剤/結合剤層
と称する)上に配置されている画像形成物質と画像形成
表面との間の界面で、非常な高温度を発生させる。この
温度は400 ℃のような高温であり得るが、これは非常に
短時間だけ、例えば0.1 マイクロ秒の時間、得られるだ
けである。これにより、粒子状または多孔質の層を画像
形成ウェブの表面に接着させるような高い温度が得られ
る。露出された粒子層が画像形成表面に一度接着される
と、この着色剤/結合剤層のうちの露出されていない部
分を画像形成表面から除去することによって画像を形成
することができる。本発明の実施態様では、これらよっ
て相対的に「ネガ」像および「ポジ」像が得られる。
【0037】着色剤/結合剤層のうちの露出部分が画像
形成表面に結合するメカニズムおよび非露出部分を分離
するメカニズムのモデルは、経験的実験によって各層の
化学性を最適にするための、露出および処理工程を修正
するために使用することができる。本発明の熱画像形成
材料の優れた性能を説明する明確な理由は見いだされて
いないが、電子顕微鏡による測定により以下に示す結論
を支持することができる。
【0038】着色剤/結合剤層の画像形成表面への結合
は液体の毛細管中への浸透速度に係るWashburnの方程式
により定性的に模することができるものと考えられる。
一方で、粒子層すなわち着色剤/結合剤層の孔は複数個
の毛細管であると考えられる。他方で、画像形成表面は
レーザにより加熱されると、液体と同様に挙動するもの
と見なすことができ、本発明で意図する種類の重合体系
物質は約400 ℃に加熱されると、室温における水とほぼ
同様の粘度になる。
【0039】Washburn方程式は下記のとおりである: V=aGiv cos θ/(4L) (1) この式において、Vは半径aの等温毛細管に入る液体の
速度であり、;Givおよびvはそれぞれ、液体の表面張
力および粘度であり、θは粒子物質に対する液体の接触
角度であり;そしてLは液体メニスカスが毛細管に沿っ
て移動した距離である。Washburn方程式は等温系に対し
て誘導される。しかしながら、本発明の媒体はレーザに
よって処理されると、異温度系になる。すなわち、その
挙動の質的モデルを得るためには、追加の因子を考慮す
る必要がある。しかし、Washburn方程式は、本発明によ
る画像形成系の挙動の定性的説明に有用であると考えら
れる。
【0040】着色剤/結合剤層はレーザ加熱の前には画
像形成表面に接着しない。これは非加熱画像形成表面の
粘度が1014ポアズ以上であるからである。一方レーザ加
熱中、粘度は約0.01ポアズに低下する。したがって、粒
子層中に移動する毛細管メニスカスの速度はレーザ加熱
中に室温に比較して16程度高くなる。
【0041】実際問題として、大部分の液体の表面張力
は温度の上昇に従い直線状で減少するものと見なされ
る。本発明による媒体では少なくともその着色剤/結合
剤層と画像形成表面との間の界面で、約400 ℃の温度に
さらされた場合に生じる、液化した画像形成表面の表面
張力は多分、ほぼゼロである。
【0042】接触角度は通常、温度の増加に従い減少す
るので、媒体の温度の上昇は液化した画像形成表面と粒
子層との接触角度を有意には減少させないものと見なす
ことができる。
【0043】接着張力Givcos θがゼロを超えると、毛
細管引力が生じることは重要なことである。画像形成表
面の粘度がレーザ加熱の衝撃の下で低下すると、その接
着張力が画像形成表面が粒子状または多孔質の着色剤/
結合剤層に対して毛細管引力を有するか否かを決定す
る。
【0044】この対立する作用はGivがゼロに近づきそ
してcos θが1に近づく温度の増加に伴なって生じる
が、(a) 接着張力はGivを越えることはできず、そして
(b) 接着張力がゼロより小さい場合には、毛細管反発作
用が生じるという一般的結論を導くことができる。本発
明の媒体の接着張力が0〜50ダイン/cmであり、そして
その画像形成表面の粘度が0.01ポアズ〜1014ポアズで変
化する場合には、 Washburn 方程式から、粘度の大幅な
減少が接着張力よりも大きい衝撃を液化画像形成表面の
粒子層への毛細管状浸透に対して与えられるものと推論
できる。
【0045】画像形成層の中の「露出」された部分中へ
のその毛細管状振動によって画像形成表面に画像が形成
されると、この画像が目に見えるようにするため、粒子
状または多孔質の着色剤/結合剤層のうちのレーザに露
出されていない部分を画像形成表面から分離することが
必要である。非露出部分の除去方法は本発明の要旨にと
って重要ではないが、好適であるという理由で、剥離に
より除去する方法があげられる。
【0046】この剥離法は「プランジャー」アナロジィ
によって、定性的に例示することができる。着色剤/結
合剤層内の非露出スポットを画像形成表面から剥離する
作用をする力と着色剤/結合剤層の凝集力+基本的接着
力の合計との間のバランスによりスポットの分離が生じ
るか否かが決定される。すなわち、露出領域内の単離さ
れている非露出スポットは、 Fa<Fb+(2L/r)Fc である場合には画像形成表面から分離されない(この式
において、Fa、FbおよびFcはそれぞれに、該層を
画像形成表面から剥離するのに作用する力、該層を画像
形成表面に接着させる力および該層の凝集力を表わし、
Lは着色剤/結合剤層の厚さであり、そしてrはスポッ
トの半径である)。
【0047】高解像度または写真品質を有する画像を形
成する場合に、スポットの半径(r)は非常に小さい。
これは非常に大きい凝集力[(2L/r)Fc]を生
じ、小さい非露出スポットの画像形成表面からの分離を
阻止することができる。低い凝集力(Fc)および小さ
い厚さ(L)を有する着色剤/結合剤層は凝集力が減じ
られ、小さい非露出スポットの分離を可能にする。しか
しながら、低い凝集力は剥離処理中に、明確な転移より
もむしろ粒子状態の分裂をもたらす。これは明確な「ポ
ジ」および「ネガ」画像の生成を妨害し、得られる画像
の濃度を予想外のものにする。したがって、粒子状層の
分裂を伴うことなく、高解像度の画像を得るためには、
この層の凝集力が接着力または剥離力のどちらかを越え
ていなければならない(Fc>FbまたはFa)。しか
しながら、この層の凝集力および(または)厚さは最終
画像の所望の解像度により決定される特定の数値を越え
てはならない。
【0048】剥離力は剥離温度および剥離速度に依存す
る。理想的剥離速度に対する理想的温度は存在するが、
本発明の材料には、理想的状態により低い条件下で満足
な画像の生成を可能にするパラメータが提供されなけれ
ばならない。
【0049】材料のレーザによる露出はFbを増大さ
せ、そして(または)Faを減少させるものと信じられ
る。一例として、媒体の着色剤/結合剤層用が熱活性化
された放出層(release layer)によって覆われている場
合には、レーザ露出によって発生せしめられた熱はFa
を減少させ、あるいは画像形成表面が加熱活性化される
場合には、レーザからの熱がFbを増加させる。
【0050】画像形成表面用物質および着色剤/結合剤
層用物質は前記制限条件に基づいて選択することができ
る。この観点で、粘度は極めて重要であるから高頻度ま
たは短時間における温度上昇に付随する粘度の著しい低
下を示す物質を選択することが必要である。
【0051】指定温度における粘度の頻度依存性は、レ
ーザの熱が10-7秒(107 Hz)の間適用されるだけである
ことから極めて重要である。
【0052】本発明の実施に有用であり、図1に示され
ている熱画像形成材料10(以下で、媒体と称する)は基
本的に、画像形成放射線に対して透過性である重合体系
物質の、実質的に連続しているなめらかな画像形成表面
14をその両面に有する第一支持体12を有し、この画像形
成表面14上には、画像形成用の粒子状または多孔質の着
色剤/結合剤層の均一で薄い層16が均一に配置されてい
る。
【0053】支持体12の厚さは、特に限定されるもので
はないが、通常は10〜1000μmの厚さを有する。支持体
12は、単一層の形態で存在することができ、あるいは紙
または別の重合体系物質のような基板に、前述した目的
に充分な厚さの均一な層として永久的にあるいは一時的
に積層されることができる。支持体12の画像形成表面14
は好ましくは、一定の温度範囲内の高温にさらされる
と、約400 ℃で粘度の著しい変化、たとえば室温におけ
る約1014ポアズから高温下における約10-2ポアズの著し
い変化を示す物質から形成される。さらにまたは、そこ
に形成された画像がゆがめられないようにするために、
支持体12は好ましくは、その画像形成表面14を液化させ
るために迅速に加熱し、次いでこの表面を固化させるた
めに、同様に迅速に冷却させた場合にも、寸法的に安定
である。すなわちどの方向にも伸縮も収縮もしないもの
である。
【0054】支持体12として適する物質にはポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、スチレンとアクリロニトリルとの共重合
体、ポリビニルクロライド、ポリカーボネートおよびビ
ニリデンクロライドがある。現時点で、デュポン社によ
りその商品名マイラー(Mylar )として、あるいはコダ
ック社によりその商品名コーデル(Kodel )として販売
されているようなポリエチレンテレフタレートが好まし
い。またバイエル社よりマクローロン(makrolon) の商
品名で販売されているようなポリカーボネートが好まし
い。
【0055】層16は画像形成表面14上に、多孔質または
粒子状のコーティングとして配置されている画像形成物
質を含有する。層16は好ましくは、結合剤中に分散され
ている着色剤から形成でき、この着色剤は、好ましくは
画像形成に要する高温度に対して実質的に不活性であ
り、いずれかの所望の色を有する顔料または染料であ
る。好ましくは、この層は約0.01〜10マイクロメーター
の平均径を有する粒子18を有することができる。本発明
の第1の熱画像形成材料においては、グラファイト、フ
タロシアニン染料およびその他の着色顔料のような他の
光学的濃度を有する物質と赤外線吸収色素とを組み合わ
せて均等に有効に使用することができる。本発明の第2
の熱画像形成材料では、本明細書に記載されているよう
な温度にさらされた場合にそれらの光学濃度を変える物
質を使用することもできる。その第2の熱画像形成材料
では、画像形成物質がフタロシアニン染料およびその他
の着色顔料または染料の場合、カーボンブラックの使用
および結合剤中に赤外線吸収色素を含有させることが特
に好ましい。
【0056】本発明において使用する赤外線吸収色素
は、可視光領域における光の吸収が少なく、赤外線領域
の波長の光の吸収が特に高い色素が好ましい。
【0057】上記色素としては、シアニン系色素、フタ
ロシアニン系色素、ピリリウム系またはチオピリリウム
系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、
Ni、Cr等の金属錯塩系色素、ナフトキノン系または
アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、イン
ドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリア
リルメタン系色素、アルミニウム系またはジインモニウ
ム系色素、ニトロソ化合物等を挙げることができる。
【0058】これらの中でも、特に近赤外光を発振する
半導体レーザが実用化されている観点から、波長が700n
m 〜900nm の近赤外領域の光に対する吸収率が高いもの
を使用することが好ましい。これらの色素の具体例は、
例えば特願平3-62683 号および特開平2-2074号、特開昭
61-137149 号、同59-64841号、同62-123454 号に記載の
色素を挙げることができる。
【0059】好ましい色素については、特開平2-2074号
に記載されているものを挙げることができる。
【0060】赤外線吸収染料はいかなる濃度で使用して
も良いが、一般に画像形成層の隣接層または画像形成層
中に0.3 〜5.0 g/m2 の濃度で使用することが好まし
い。
【0061】結合剤は顔料粒子を凝集した塊状物にする
ためのマトリックスを提供し、また初期には、顔料/結
合剤層16をその乾燥した状態で接着させて、支持体12の
画像形成表面14を形成させる役目を果す。顔料対結合剤
の比率は重量にもとづき、約40:1〜約1:2の範囲に
ある。好適態様では、この比率は約5:1である。画像
形成表面14を層16で均一に被覆することを容易にするた
めに、粒子18は初期に、これらを好ましくは不活性の媒
体中に懸濁して、懸濁状態で画像形成表面14上全体に展
延することができる。その後、層16を乾燥させ、表面14
に接着させることができる。この層は約0.1 〜約10マイ
クロメーターの範囲の厚さを有することができる。薄い
方の層はこれがさらに高い解像度の画像を提供する傾向
を有することから好ましい。染料(ここで染料とは、赤
外線吸収染料ではなく着色剤としての染料を意味する)
を使用するに際して、結合剤の溶媒中に可溶性である場
合には溶解させ、あるいはこれが不溶性である場合に
は、結合剤中に分散させることができる。本発明の画像
形成材料を透過像として使用する場合(例えばオーバー
ヘッドプロジェクターで投影したり複数枚を重ね合わせ
観察するなど)、本発明にかかわる画像形成層が、水に
難溶または不溶性の有機溶剤に染料を溶解せしめたもの
を、界面活性剤を含有し水溶性高分子を保護コロイドと
して有する水相と混合し、その後乳化分散してなる染料
の分散物を含むことが、画像形成層は、着色しているも
のの、透明性が良好となり特に好ましい。
【0062】染料を溶解する有機溶剤は、感圧オイルと
して一般に使用されるものの中から適宜選択することが
できるが、特に、エステル類の他のベンゼン環を2個以
上有し、かつ、ヘテロ原子の数が規定数以下のオイルが
好ましい。このようなオイルについては、例えば特開平
1-304984号公報に記載されている。
【0063】これらのオイル同士、または他のオイルと
の併用も可能である。
【0064】本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤として、例えば酢酸エチル、酢
酸イソプロピル、酢酸ブチルおよびメチレンクロライド
等を特に好ましいものとして挙げることができる。
【0065】染料を溶解した油相と混合する水相に、保
護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子は、公知の
アンオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中
から適宜選択することができるが、特にポリビニルアル
コール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好ましい。
【0066】また、水相に含有せしめる界面活性剤とし
ては、アニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中か
ら、上記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさせ
ないものを適宜選択して使用することができる。好まし
い界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ)、ア
ルキル硫酸ナトリウム(例えばラウリル硫酸ナトリウ
ム)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリア
ルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル)等を挙げることができる。
【0067】染料の乳化分散物は、染料を含有する油相
と保護コロイドおよび界面活性剤を含有する水相を、高
速撹拌、超音波分散等、通常の微粒子乳化に用いられる
手段を使用して混合分散せしめることにより容易に得る
ことができる。
【0068】本発明においては、上記の染料をマイクロ
カプセル中に内包せしめることにより染料に害のある外
部物質(例えば、張付け用テープの粘着剤や亜硫酸ガス
等の各種ガス等)の影響を受けにくくしたり、耐候性の
向上をさせることができ、好ましい。
【0069】マイクロカプセルの壁材料としては、ポリ
ウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリ
スチレン、スチレン−メタクリレート共重合体、スチレ
ン−アクリレート共重合体、ゼラチン、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0070】これらの高分子物質は2種以上併用するこ
ともできる。
【0071】本発明においては、上記の高分子物質のう
ちポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート等が好ましく、特にポリウレタン
およびポリウレアが好ましい。
【0072】本発明で使用するマイクロカプセルの製造
には界面重合法、内部重合法、外部重合法の何れの方法
をも採用することができるが、特に、水溶性高分子を溶
解した水溶液中で染料等を含有した芯物質を乳化した
後、その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成させる乳化
重合法を採用することが好ましい。
【0073】前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。
【0074】本発明で使用するマイクロカプセルは、染
料を含有した芯物質となる油滴の内部および/または油
滴の外部に高分子物質を形成するリアクタントを添加す
ることによって製造することが好ましい。本発明で好ま
しく使用することのできるマイクロカプセルの好ましい
製造方法等の詳細は、例えば特開昭59-222716 号に記載
されている。
【0075】マイクロカプセルの芯物質には、染料の他
に前述の赤外線吸収色素や有機溶剤を添加することがで
きる。有機溶剤としては、前述した染料を溶解するのに
用いるものと同様のものが用いられる。
【0076】また画像形成部の透明性を高いものとする
ためには、マイクロカプセルの芯物質の屈折率を、前述
の結合剤の屈折率と近い値にすることが好ましい。
【0077】本発明においては、マイクロカプセルのサ
イズは、例えば特開昭60-214990 号に記載されている測
定法による体積平均粒子サイズで2μm以下であること
が好ましく、特に1μm以下であることが好ましい。
【0078】本発明にかかわる画像形成層には、必要に
応じて例えば特開昭61-283589 号、同61-283590 号、同
61-283591 号に記載された光退色防止剤を適宜加えるこ
とができる。また下記の300 〜420nm に吸収ピークを有
する化合物を加えることが好ましい。
【0079】本発明に好ましく用いられる300 〜420nm
に吸収ピークを有する化合物としては、例えば、アリー
ル基で置換されたベンゾトリアゾール化合物、4−チア
ゾリドン化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸エステ
ル化合物、ブタジエン化合物、ベンゾオキサゾール化合
物さらに紫外線吸収ポリマーを用いることができる。本
発明で使用される紫外線吸収剤は水溶性、油溶性あるい
はラテックス状など性状をとわない。
【0080】さらに特に好ましく用いられる染料として
は下記一般式(D−1)、(D−2)、(D−3)また
は(D−4)で表わされる化合物で吸収極大が300 〜42
0nmである化合物である。
【0081】
【化1】
【0082】式中、R1 ″は−OXまたは−N(X)(Y)−
で表される原子団であって、XおよびYは水素原子、ア
ルキル基、シアノアルキル基、カルボキシアルキル基、
スルホアルキル基あるいはナトリウム・カリウム塩を表
し、R2 ″とR3 ″は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、
または前記の−OX基と同様の基を表し、Qは少なくと
も一つのハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、また
はスルホアルキル基あるいはそのナトリウム・カリウム
塩で置換されたフェニル基またはスルホアルキル基、ス
ルホアルコキシアルキル基、スルホアルキルチオアルキ
ル基を、またはLは置換されてもよいメチン基を表す。
4 ″はアルキル基、カルボキシ基、アルキルオキシカ
ルボニル基あるいはアシル置換、非置換のアミノ基を表
す。mは整数1または2を、nは整数0または1をそれ
ぞれ示す。
【0083】R5 ″、R6 ″、R8 ″、R9 ″およびR
10″は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、カル
ボキシル基またはスルホン基あるいはそのナトリウム・
カリウム塩を表し、R7 はアルキル基またはカルボキシ
ル基を表す。
【0084】式中R11″およびR12″はアルキル基、置
換アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基ま
たはカルボキシル基を表し、R13″およびR14″はスル
ホン酸基もしくはカルボキシル基で置換されたアルキル
基またはスルホン酸基もしくはカルボキシル基またはス
ルホン酸基で置換されたアリール基あるいはそのナトリ
ウム・カリウム塩を表し、Lは置換もしくは未置換のメ
チン鎖を表す。Mはナトリウム、カリウムまたは水素原
子を表し、pは0または1を表す。
【0085】式中R1 ′′′、R2 ′′′、
3 ′′′、R4 ′′′はアルキル基、ヒドロキシアル
キル基、シアン基、アルキルシアノ基、アルコキシ基お
よびスルホアルキル基を表す。R5 ′′′および
6 ′′′はスルホン酸基、アルキルスルホン酸基を表
す。
【0086】以下に本発明で好ましく用いられる300 〜
420nm に吸収ピークを有する染料の具体的化合物例を示
すが本発明はこれに限定されるものではない。
【0087】
【化2】
【0088】染料の層は最終画像に所望の濃度が得られ
るように選択される。
【0089】本発明に適する結合剤の例にはゼラチン、
ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシエチレンセルロース、アラビアゴム、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチルオキサゾリンおよびポリス
チレンラテックス、スチレン−ブタジエンラテックス、
アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビニル
共重合体等がある。中でもポリエチレンオキサゾリンは
好ましい。
【0090】所望により、キチンおよび(または)ポリ
アミドのような準顕微鏡的大きさの粒子を着色剤/結合
剤層16に加えて、最終画像に摩耗耐性を付与することが
できる。この粒子は重量/重量にもとずき、約1:2〜
約1:20の範囲の粒子対層固体の量で存在させることが
できる。ポリテトラフルオロエチレン粒子は特に有用で
ある。
【0091】熱画像形成に適合させるために、媒体は支
持体12すなわち、画像形成表面14と層16との界面または
界面近傍で、露出源波長のエネルギーを吸収できなけれ
ばならない。このエネルギー吸収特性は層14または層16
の材料において固有であり、あるいは分離した熱吸収層
として付与することができる。
【0092】支持体12の画像形成表面14に画像を形成す
るために、画像の所望の高い解像度に相応する微細なレ
ーザビーム(図中矢印20により示されている)を、着色
剤/結合剤層16と画像形成表面14との間の界面に向け
て、着色剤/結合剤層16を通過させて照射する。ビーム
20は図1に示したレーザ光源22から発射され、形成しよ
うとする画像に一致するパターンで走査される。ビーム
20はこの界面で吸収され、約400 ℃の熱に変えられる
が、画像形成表面14の特性によって、さらに低い温度も
画像の形成に有効であることもある。当業者に認識され
ているように、画像様走査は画像形成表面14を直線状に
走査させ、レーザ22を好ましくは2値に変調させること
によって達成することができ、ハーフトーンプリンティ
ングと大差のない方法で非常に微細な点による画像を形
成することができる。
【0093】本発明による媒体の露出には他のレーザを
使用することもできるが、レーザ22は好ましくは、半導
体ダイオードレーザまたはYAG−レーザのどちらかで
あり、画像形成物質10の露出しきい値の上限と下限との
間にあるのに充分な出力を有するものである。レーザ22
は約40〜約1000mWの範囲の出力を有することができ
る。本明細書では使用されている露出しきい値の用語
は、一方で、露出を行なうのに必要な最少出力および他
方で「破裂」が生じる前の画像形成物質10が耐えられる
最大出力を意味する。さらにまた、レーザ22はレーザビ
ームの焦点を正確に合せるための焦点合せ装置(図示さ
れていない)を具備する。
【0094】レーザは本発明の媒体の露出に特に適して
おり、これは本発明の媒体がしきい値型フイルムと言う
ことができるものという意図を有するからである。すな
わち、本発明の媒体は高コントラストを有し、そして或
るしきい値を越えて露出されると、最大濃度を生じ、他
方、このしきい値以下では濃度が全く得られないもので
ある。
【0095】焦点を合せたGaussianレーザビームの強度
はビームの中心を最高とし、周辺に向かって徐々に減少
している。したがって、媒体がしきい値2値変化を示す
ことができない場合には、Gaussianレーザビームによっ
て描かれた点はそれらの中心からそれらの周囲の余白に
向って濃度が徐々に減少して示される。この濃度の減少
比率は時には、媒体の「ガンマ」(濃度勾配、コントラ
スト)と称される。低ガンマ媒体は軟かいまたはボケた
エッジの点を表示する。これに対して、高ガンマ媒体は
明確なエッジを有する鋭い点を描く。本発明による媒体
は鋭いエッジを得ることができるような高ガンマフイル
ムである。換言すれば、描かれた点は完全な暗または完
全な明とのどちらかに変調させることができ、このよう
にして、本発明の媒体に形成される画像の濃度は時点の
領域および(または)数の増加に従って、この領域の濃
度が増加するハーフトーン技法によって変化させること
ができる。したがって、本発明の媒体を使用して、実質
的に写真に類似している画像を創り出すことができる。
【0096】前述したように、焦点を合せたレーザビー
ムは均一強度のスポットを生じることはできないので、
このGaussianビームスポットの方法では、フイルムの或
る領域がその露出しきい値の充分に下および充分に上で
あるものと考えることができる。Gaussianビームスポッ
トでは、その強度分布は指数関数的減衰によって与えら
れる: 強度=I=I0 exp (−2(r/r0 2 ) (2) この式において、r0 は強度がピーク値の1/e2 に低
下している場所のビームの半径であり、そしてI0 はr
=0におけるビーム強度である。フイルム露出しきい値
の強度がIf である場合に、描かれたスポットの領域は
媒体とレーザビームとの間に動きがないものとして、 πr2 =0.5 πr0 2 n (I0 /If ) (3) である。したがって、定温Gaussianレーザのレーザエネ
ルギーは、レーザ出力使用効率を最高にすることによっ
て得られるものとして、I0 /If =e=2.72の場合に
最適に使用することができる: (If /I0 )In (I0 /If ) (4) 媒体の露出しきい値の強度がI0 より大きいかまたはI
0 に等しい場合、すなわちI0 /If <1の場合に、ス
ポットの領域はゼロである。すなわち、スポットは描か
れない。しかしながら、I0 /If =eの場合に、スポ
ットの領域は最適値の0.5 πr0 2 に等しい。したがっ
て、焦点を合せたGaussianレーザビームの中心が媒体の
露出しきい値以上である場合には、媒体上にスポットだ
けを描くことができる。焦点を合せたレーザビームの場
合には、一般に真実として、描かれたスポットの内側の
点が露出しきい強度より過剰の強度の露出を受けるの
で、媒体の最小しきい値より高い強度にさらされた場合
に、分解せず、破裂せず、あるいは特別に貧弱な性能に
ならないことが重要である。
【0097】しかしながら、レーザ出力効率が最適より
小さい場合に、描かれたスポットの中心がフイルム露出
しきい強度以上の露出強度に耐えるかぎり、優れた品質
の画像を得ることができる。
【0098】図1に示されている媒体10の表面14に画像
を形成する目的に対しては、着色剤/結合剤層16がレー
ザの波長に対して実質的に非吸収性であり、そのビーム
がその界面まで浸透することができるものであることが
必要である。この態様においては、レーザ22のエネルギ
ーは着色剤/結合剤層16を通して向けられ、浸透する。
当業者によく認識されるように、小さいスポットにレー
ザの焦点を合せる場合には、着色剤/結合剤層16の複屈
折を考慮しなければならない。スポットが小さすぎる場
合、たとえば<5μmである場合には、これら着色剤/
結合剤の複屈折はスポット形状の変形ならびに解像度お
よび感度の損失を生じさせる。支持体12の画像形成表
面14を液化するために、その界面で瞬間的に必要にな
る熱を発生させるので、表面14は熱吸収性でなければな
らない。一例として、この目的には、赤外線吸収層が有
効であることが見出された。
【0099】画像形成表面14と粒子状層16との間の界面
に発現された高温(約400 ℃)そして局所的に適用され
た熱は、表面14の熱にさらされた部分を液化させる、す
なわちこの部分の粘度は約1014ポアズから約10-2ポアズ
へ著しく降下せしめられる。熱は極めて短時間、好まし
くは<0.5 マイクロ秒程度の時間適用され、約0.1 マイ
クロメーターの深さまで、画像形成物質の液化を生じさ
せる。
【0100】この低い粘度で、液化した画像形成物質は
これらが全体的に吸収されるのではなく粒子18間の空隙
に充分に浸透するように、層16の粒子18に対して毛細管
作用を示す。粒子18間の空隙へのこの液化した表面物質
の制限された浸透は本発明の媒体によって達成すること
ができる画像の細かい解像度に対して大きな影響がある
ものと信じられる。
【0101】生成しようとする画像は液化表面物質の温
度の変動によってその望ましい高い解像度を失うので、
画像形成表面14の液化および続いての固化は時間および
温度の両者において、非常に短い間隔内で行なわれなけ
ればならない。たとえば、露出時間は<1msecであるこ
とができ、また温度範囲は約100 ℃〜約1000℃であるこ
とができる。
【0102】前記の方法で媒体を露出した後に、感圧接
着剤で被覆した表面26を有するシート24を粒子状層16上
で稿重することができ、次いで矢印28によって示されて
いるように分離または剥離することができる(図2参
照)。なお、該シート24は、レーザ光に対して実質的に
透明であり、画像形成に悪影響のないように設計し、積
重した後レーザによる画像形成を行なうこともできる。
シート24を分離すると、このシートは粒子層16の中のレ
ーザ22の熱にさらされていない部分16a を担持してい
る。前記の方法において、レーザ22で処理された16tで
示されている部分は表面14上に堅固に結合して残り(こ
の部分の形状を簡便にするために、「ネガ」画像と称す
る)、シート24とともに分離される部分16uは相補画像
またはポジ画像を形成する。鮮鋭な画像を形成するため
には、粒子層16は剥離シート24および(または)支持体
12に対するその接着力よりも大きい固有凝集力を有する
必要がある。
【0103】支持体12の表面14上に展延されている粒子
層16は好ましくは、少なくとも初期には、その移動を防
止する方法でそこに接着される。前述したように、粒子
層16はマトリックスを有することができる。未処理粒子
は次いで上記態様における接着性剥離シート24による代
りに、こすり取るかまたは洗出することにより除去する
ことができる。
【0104】図3の好ましい実施態様により示されてい
るように、媒体10a は画像形成表面14a 、この表面14a
上に位置する多孔質または粒子状の画像形成層16a 、分
離した剥離シート24a および粒子層16a と接触してお
り、剥離シート24a 上に位置する剥離層24a ′を有する
支持体12a よりなる積層構造を有することができる。
【0105】図3aにおいて、着色剤/結合剤層を形成す
る粒子層18a は画像形成表面 14a上に位置しており、画
像形成表面14a 中には侵入していない。この熱画像形成
媒体10a は前記の方法でレーザビームにより露出するこ
とができる。その後、図4に示されているように、粒子
状着色剤層16a のうちのレーザビームにより処理されて
いない部分16a uを担持している剥離シート24a を分離
することができる。処理された部分16a tは画像形成表
面14a に堅固に結合して、支持体12a 上に残る。図4aに
示されているように、粒子材料18a はここで、前述のよ
うに液化した表面物質着色剤/結合剤層16a との間の毛
細管吸引の結果として画像形成表面14a 中に入る。
【0106】図5は本発明の可視光に対して透明な支持
体12および剥離シート24を有する画像記録材料10の両面
より同一の画像情報を担持したレーザ光20を照射せしめ
た様子と、その画像記録材料10への画像の記録後に該材
料10より剥離シート24を剥離した様子を示す断面図であ
る。ここで支持体12は透明であるので、記録された画像
を観察するときに、両面に記録された画像の濃度を加算
した濃度を観察することとなるので、膜強度を下げるこ
となく最高濃度を上げることができる。また、ムラの発
生や官能欠点の発生が、加算された濃度に比較して目立
ちにくくなっている。
【0107】図6は本発明の画像形成方法を説明する概
略図である。この図は、図5に示した画像形成材料10の
両面の剥離した剥離シート24とこれに接着した着色剤/
結合剤層16u を貼り合わせた断面図である。このとき、
形成した画像は図5の支持体12に形成した画像の反転像
となっている。このように、本発明の画像形成方法は従
来捨てていた剥離シートを有効に利用することができる
ものである。
【0108】図7は本発明の可視光に対して不透明な支
持体12を有する画像記録材料10の両面より異なった画像
情報を担持したレーザ光20、20′をそれぞれ照射せしめ
た様子と、その画像記録材料10への画像の記録後に該材
料10より剥離シート24を剥離した様子を示す断面図であ
る。ここで支持体12は不透明であるので、1つの支持体
12に異なった画像を記録して観察することができ、これ
により支持体量を減らして多くの画像を記録そして保存
することができる。すなわち、保存スペースを削減する
ことができる。そして剥離した剥離シートを貼り合わせ
ることにより、該シートの処理に際してべとつくことな
く扱うことができる。
【0109】また、本発明の画像形成材料の支持体を含
む画像材料構成層を、必要に応じて可視光に対して透明
または不透明を選択できるように構成することにより、
上述したような2つの効果を1枚の画像形成材料により
選択できる。このように可視光に対して透明または不透
明を選択できるような材料としては、温度に依存して透
明度が可逆的に変化する感熱層と紫外線の照射により可
視光に対して不透明になるビジキュラー層が挙げられ
る。
【0110】本発明の画像記録材料に用いられる感熱層
は、温度により透明度が変化する、すなわち、透明から
白濁不透明に変化するまたはその逆に変化するものであ
る。なお、透明部が透明に見えるのはこの部分の樹脂母
材中に分散された有機低分子物質粒子が大きな結晶で構
成されているため、一方の側から入射した光は散乱され
ることなく、他方の側に透過するからであると考えられ
る。また不透明部が白く見えるのはこの部分の樹脂母材
中に分散された有機低分子物質粒子の微細結晶が集合し
た多結晶で構成され、個々の結晶の結晶軸が様々な方向
に向いているため、一方の側から入射した光は各結晶の
界面で何度も屈折し散乱されるからであると考えられ
る。
【0111】以上のような温度による透明度変化を、図
8に示す感熱記録材料の記録および消去原理の説明図を
用いて説明する。図8において感熱層は例えばT0 以下
の常温では白濁不透明状態にある。これをT1 〜T2
の温度に加熱すると透明になり、この状態でT0 以下の
常温に戻しても透明のままである。これは温度T1 〜T
2 間から温度T0 以下に至るまでに有機低分子物質が半
溶融状態を経て多結晶から単結晶へと結晶が成長するか
らであると考えられる。特にT3 以上の温度に加熱する
と、最大透明度と最大不透明度との中間の半透明状態に
なる。次にこの温度を下げていくと、再び透明状態をと
ることなく、最初の白濁不透明状態に戻る。これは温度
3 以上で有機低分子物質が溶融後、冷却されることに
よにり多結晶が析出するからであると考えられる。なお
この不透明状態のものをT0 〜T2 間の温度に加熱した
後、常温、すなわち、T0 以下の温度に冷却した場合に
は透明と不透明との間の中間状態をとることができる。
また、前記常温で透明になったものも再びT3 以上のに
温度に加熱し、常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻
る。すなわち、常温で不透明および透明の両形態並びに
その中間状態をとることができる。
【0112】したがって、以上のような感熱層を有する
熱画像形成材料の表面に選択的に熱を引加することによ
り該材料の背景を透明にまたは不透明にすることができ
る。また、この操作は何回も繰り返すことができる。
【0113】上述したような感熱層を作るには一般的に
は以下の方法により支持体上に感熱層を形成する方法が
採用される。
【0114】樹脂母材および有機低分子物質を溶解した
溶液、または樹脂母材の溶液(溶剤としては有機低分子
物質を溶解しないものを用いる)に有機低分子物質を微
粒子状に分散してなる分散液を支持体上に塗布乾燥して
感熱層を形成する。このようにして形成される感熱層の
厚さは1〜30μm程度が適当である。
【0115】次に以上のような感熱層の製造に用いられ
る材料等について説明する。
【0116】感熱層形成用の溶媒としては、有機低分子
物質および樹脂母材の種類によって各種のものを用いる
ことが可能である。例えば、テトラヒドロフラン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホル
ム、四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等の
有機溶剤が挙げられる。
【0117】なお、以上のようにして形成される感熱層
においては、有機低分子物質は樹脂母材中に微粒子とし
て分散状態で存在する。
【0118】感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子
物質を均一に分散保持した被膜またはシートを形成する
とともに、最大透明時の透明度に影響を与える材料であ
る。このため樹脂母材は透明性が良く、機械的に安定
で、かつ成膜性に良い樹脂が好ましい。このような樹脂
としてはポリ塩化ビニル;塩化ビニル〜酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル〜酢酸ビニル〜ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル〜酢酸ビニル〜マレイン酸共重合体、
塩化ビニル〜アクリレート共重合体、等の塩化ビニリデ
ン〜塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン〜アクリロニ
トリル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合体;ポリエ
ステル;ポリアミド;ポリアクリレートまたはポリメタ
クリレートあるいはアクリレート〜メタクリレート共重
合体、シリコン樹脂等が挙げられる。これらは単独であ
るいは2種以上混合して使用される。
【0119】一方、有機低分子物質は図8の温度T0
3 を選定することに応じて適宜選択すればよいが、融
点30〜200 ℃、特に50〜150 ℃程度のものが好ましい。
このような有機低分子物質としてアルカノール;アルカ
ンジオール;ハロゲンアルカノールまたはハロゲンアル
カンジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケン;
アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;ハロ
ゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;シク
ロアルキン;飽和または不飽和モノまたはジカルボン酸
またはこれらのエステル、アミド、またはアンモニウム
塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸またはこれらのエ
ステル、アミド、またはアンモニウム塩;アリルカルボ
ン酸またはそれらのエステル、アミドまたはアンモニウ
ム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらのエステ
ル、アミド、またはアンモニウム塩;チオアルコール;
チオカルボン酸またはそれらのエステル、アミン、また
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合
して使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好
ましくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中の
アルコール基部分は飽和していても飽和していなくても
よく、またハロゲン置換されていてもよい。いずれにし
ても有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄および
ハロゲンの少なくとも1種、例えば−OH,−COO
H,−CONH,−COOR,−NH−,−NH2 ,−
S−,−S−S−,−O−,ハロゲン等を含む化合物で
あることが好ましい。
【0120】さらに具体的にはこれら化合物にはラウリ
ン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、
アラキン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸
メチル、ステアリン酸テトラデシル酸、ステアリン酸オ
クタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン酸テ
トラデシル、ベヘン酸ドコシル等の高級脂肪酸のエステ
ル;
【0121】
【化3】
【0122】
【化4】
【0123】
【化5】
【0124】
【化6】
【0125】
【化7】
【0126】
【化8】
【0127】
【化9】
【0128】
【化10】
【0129】
【化11】
【0130】
【化12】
【0131】
【化13】
【0132】
【化14】
【0133】
【化15】
【0134】
【化16】
【0135】等のエーテルまたはチオエーテル等があ
る。
【0136】なお感熱層中の有機低分子物質と樹脂母材
との割合は重量比1:0.5 〜1:16程度が好ましい。樹
脂母材の割合がこれ以下になると、有機低分子物質を樹
脂母材中に保持した膜を形成することが困難となり、一
方、これ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難となる。
【0137】また本発明においては有機低分子物質の結
晶成長を制御する物質を併用することができる。このよ
うな物質としては有機低分子物質と共融し、かつ有機低
分子物質が半溶融状態にある温度範囲を広げることがで
きるもの、結晶の動きを促進するもの等が挙げられる。
例えば一般的に界面活性剤として用いられているもの
で、多価アルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコー
ル高級アルキルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エ
ステル、高級アルコール、高級アルキルフェノール、高
級脂肪酸高級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂
またはポリプレピレングリコールの低級オレフィンオキ
サイド付加物;アセチレングリコール;高級アルキルベ
ンゼンスルホン酸のNa、Ca、BaまたはMg塩;高
級脂肪酸、芳香族カルボン酸、高級脂肪族スルホン酸、
芳香族スルホン酸硫酸モノエステルまたはリン酸モノ−
またはジ−エステルのCa、BaまたはMg塩;低度硫
酸化油;ポリ長鎖アルキルアクリレート;アクリル系オ
リゴマー;ポリ長鎖アルキルメタクリレート;長鎖アル
キルメタクリレート〜アミン含有モノマー共重合体;ス
チレン〜無水マレイン酸共重合体;オレフィン〜無水マ
レイン酸共重合体等が挙げられる。またフイルムの可塑
剤として用いられているリン酸トリブチル、リン酸トリ
−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニン、リン酸ト
リクレジル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチ
ルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベン
ジル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシ
ル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸
ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシ
ン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジエチレングリコールジ
ベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチル
ブチラート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリ
シノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレー
ト、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。
【0138】また先に挙げた有機低分子物質の中の一種
を有機低分子物質として用い、別の種類の有機低分子物
質を結晶成長を制御する物質として用いることもでき
る。例えばステアリン酸を有機低分子物質とし、ステア
リルアルコールを結晶成長を制御する物質として用い
る。
【0139】有機低分子物質とこの有機低分子物質の結
晶成長を制御する物質は重量比で1:0.01〜1:0.3 程
度が好ましい。有機低分子物質の結晶成長を制御する物
質がこれ以下になると透明になる温度範囲またはエネル
ギー範囲を広くすることができないし、これ以上になる
と不透明度が低下する。
【0140】また、本発明の画像記録材料に用いられる
ビジキュラー層は、気泡写真感光層とも呼ばれ、紫外線
の照射により白色となる層である。
【0141】さらに、本発明の第2の熱画像形成材料を
説明する。
【0142】図9は本発明の第2の熱画像形成材料の一
実施例を示す断面図である。
【0143】基体31の両面に画像固定層33を介して熱画
像層38が積層されている。この熱画像層38は、画像固定
層33側より画像形成層36、画像形成表面層34、支持体32
の順に積層して成るものである。この熱画像形成材料30
の各支持体32の側に、励起光としてのレーザ光20を照射
するレーザ光源22が配されている。ここで、熱画像層38
は、図1に示した熱画像形成材料10の支持体12からの片
面、すなわち支持体12、画像形成表面層14、画像形成層
16の構成と同様のものであり、それぞれの詳細な説明は
前記した内容を参照するものとしてここでは省略する。
【0144】しかしながら、図1の場合には、画像形成
照射線の照射は支持体側からでなく画像形成層側から行
なっていた。この点において、画像形成照射線を吸収し
て、これを画像形成表面層の物質を液化させる熱エネル
ギーに変換する物質を含有させる層が図1に示した熱画
像形成材料とは異なるものとなる。具体的には、画像形
成物質が前記物質を兼ねるものとしてカーボンブラック
が挙げられ、前記物質が画像形成層に含まれるものとし
て、染料/顔料と赤外線吸収染料との組合せが挙げられ
る。カーボンブラックは、その展延特性を改善するため
に、例えばアンモニウムバーフルオロアルキルスルホネ
ートなどのような表面活性剤で処理することができる。
乳化剤のような他の物質を使用または添加して、その懸
濁状態の、あるいは展延された乾燥状態のカーボンの分
布の均一度を改善することができる。
【0145】画像形成照射線の照射は、前述した物と同
様に行われる。一例として、透明な基体31の両面に同一
の画像を記録する場合には、一方の側から照射する画像
形成照射線は、他方の側から照射する画像形成照射線と
一致したスポットを照射しなければならず、すなわち互
いに反転したものの関係となる。画像が形成された部
分、すなわち画像形成表面層34が液化して画像形成物質
を固着した部分の画像形成物質と画像形成表面層との接
着強度は、その画像形成物質と画像固定層33との接着強
度より大きなものとなる。これにより、画像形成の終了
後に基体31より熱画像層38を剥離すると、画像の形成さ
れた部分は、その熱画像層38に形成されている。基体31
に画像を固定するには、再加熱を行なって画像固定層33
に残存した画像形成層36の強度を上げるか、またはオー
バーコート層を新たに設けるなどしてその画像形成層の
固定強度を上げればよい。また、熱画像層に形成された
画像も同様な処理を行なうか、張り合わせて用いてもよ
い。張り合わせて用いる場合には、基体に形成された画
像と同様に画像濃度が上げられたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱画像形成材料の一実施例のメカニズ
ムを説明する断面図
【図2】本発明の熱画像形成材料の一実施例の剥離シー
トの剥離を説明する断面図
【図3】本発明の熱画像形成材料の一実施例の露出前の
断面図
【図4】本発明の熱画像形成材料の一実施例の露出後の
断面図
【図5】本発明の可視光に対して透明な支持体および剥
離シートを有する熱画像形成材料の一実施例に両面から
同一の画像を形成した様子を説明する断面図
【図6】本発明の画像形成方法の一実施例を説明する概
略断面図
【図7】本発明の可視光に対して不透明な支持体有する
熱画像形成材料の一実施例に両面から異なる画像を形成
した様子を説明する断面図
【図8】本発明の熱画像形成材料に用いられる感熱層の
記録および消去の原理の説明図
【図9】本発明の熱画像形成材料の一実施例のメカニズ
ムを説明する断面図
【符号の説明】
10、30 熱画像形成材料 12、32 支持体 14、34 画像形成表面層 16、36 着色剤/結合剤層 18 粒子 20 レーザ光 22 レーザ光源 24 剥離シート 31 基体 33 画像固定層

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体の両面に設けられ
    た、所定の温度以上で液化されて流動性を有するように
    なる画像形成表面層と、該各画像形成表面層の上に均一
    に被覆された多孔質または粒子状の画像形成物質よりな
    る画像形成層と、画像形成照射線を吸収して、前記画像
    形成表面層を液化させる熱エネルギーに変換する、画像
    形成照射線吸収物質とを含み、 前記画像形成物質が前記画像形成層と前記画像形成表面
    層との間の接着強度よりも大きい凝集強度を示し、前記
    画像形成照射線を前記物質に照射することにより該画像
    形成表面層が液化されたときに、該液化した表面層が前
    記画像形成層の該表面層と隣接する部分の該形成層中に
    毛細管的流動により侵入し、これにより前記画像形成表
    面層が冷却されると、前記画像形成層の前記画像形成照
    射線が照射された部分が前記支持体に実質的に固定され
    ることを特徴とする画像形成照射線に応答して画像を形
    成する熱画像形成材料。
  2. 【請求項2】 前記照射線吸収物質が、前記画像形成表
    面層に含まれることを特徴とする請求項1記載の熱画像
    形成材料。
  3. 【請求項3】 前記照射線吸収物質が、前記画像形成表
    面層の表裏両面の少なくともいずれか一方の上に層状に
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の熱画像
    形成材料。
  4. 【請求項4】 前記照射線吸収物質が、前記画像形成層
    中の前記画像形成表面層に隣接する部分に層状に含まれ
    ていることを特徴とする請求項1記載の熱画像形成材
    料。
  5. 【請求項5】 前記支持体が可視光に対して透明である
    ことを特徴とする請求項1記載の熱画像形成材料。
  6. 【請求項6】 前記熱画像形成材料の少なくとも一層の
    前記支持体を含む画像形成材料構成層が可視光に対して
    不透明であることを特徴とする請求項1記載の熱画像形
    成材料。
  7. 【請求項7】 前記画像形成材料構成層が、温度に依存
    して透明度が可逆的に変化する感熱層であることを特徴
    とする請求項7記載の熱画像形成材料。
  8. 【請求項8】 前記画像形成材料構成層が、紫外線の照
    射により可視光に対して不透明になるビジキュラー層で
    あることを特徴とする請求項7記載の熱画像形成材料。
  9. 【請求項9】 各前記画像形成層の前記支持体とは反対
    側のその表面上に、剥離性シートを有することを特徴と
    する請求項1から9いずれか1項記載の熱画像形成材
    料。
  10. 【請求項10】 基体と、該基体の両面に設けられた熱
    画像層とからなる熱画像形成材料であって、 前記各熱画像層が支持体と、該支持体の前記基体側に設
    けられた、所定の温度以上で液化されて流動性を有する
    ようになる画像形成表面層と、該各画像形成表面層の前
    記基体側に均一に被覆された多孔質または粒子状の画像
    形成物質よりなる画像形成層と、画像形成照射線を吸収
    して、該照射線を前記画像形成物質を液化させる熱エネ
    ルギーに変換する照射線吸収物質とを含み、 前記画像形成物質が前記画像形成層と前記画像形成表面
    層との間の接着強度よりも大きい凝集強度を示し、前記
    画像形成照射線を前記物質に照射することにより該画像
    形成表面層が液化されたときに、該液化した表面層が前
    記画像形成層の該表面層と隣接する部分の該形成層中に
    毛細管的流動により侵入し、これにより前記画像形成表
    面層が冷却されると、前記画像形成層の前記画像形成照
    射線が照射された部分が前記支持体に実質的に固定され
    ることを特徴とする画像形成照射線に応答して画像を形
    成する熱画像形成材料。
  11. 【請求項11】 前記画像形成物質が前記照射線吸収物
    質を兼ねることを特徴とする請求項10記載の熱画像形
    成材料。
  12. 【請求項12】 前記物質照射線吸収が、前記画像形成
    層に含まれることを特徴とする請求項10記載の熱画像
    形成材料。
  13. 【請求項13】 前記基体が可視光に対して透明である
    ことを特徴とする請求項10記載の熱画像形成材料。
  14. 【請求項14】 前記熱画像形成材料の少なくとも一層
    の前記支持体を含む画像形成材料構成層が可視光に対し
    て不透明であることを特徴とする請求項10記載の熱画
    像形成材料。
  15. 【請求項15】 前記画像形成材料構成層が、温度に依
    存して透明度が可逆的に変化する感熱層であることを特
    徴とする請求項14記載の熱画像形成材料。
  16. 【請求項16】 前記画像形成材料構成層が、紫外線の
    照射により可視光に対して不透明になるビジキュラー層
    であることを特徴とする請求項14記載の熱画像形成材
    料。
  17. 【請求項17】 前記画像形成層が、水に難溶または不
    溶の有機溶剤に染料を溶解せしめたものを界面活性剤を
    含有し水溶性高分子を保護コロイドとして有する水相と
    混合し、その後乳化分散してなる染料の分散物を含むこ
    とを特徴とする請求項1から16いずれか1項記載の熱
    画像形成材料。
  18. 【請求項18】 前記画像形成層が、染料を含有するマ
    イクロカプセルを含むことを特徴とする請求項1から1
    7いずれか1項記載の熱画像形成材料。
  19. 【請求項19】 支持体と、該支持体の両面に設けられ
    た、所定の温度以上で液化されて流動性を有するように
    なる画像形成表面層と、該各画像形成表面層の上に均一
    に被覆された多孔質または粒子状の画像形成物質よりな
    る画像形成層と、前記画像形成層の前記支持体とは反対
    側のその表面上に設けられた可視光に対して透明な剥離
    性シートと、画像形成照射線を吸収して、該照射線を前
    記画像形成物質を液化させる熱エネルギーに変換する照
    射線吸収物質とを含み、 前記画像形成物質が前記画像形成層と前記画像形成表面
    層との間の接着強度よりも大きい凝集強度を示し、前記
    画像形成照射線を前記物質に照射することにより該画像
    形成表面層が液化されたときに、該液化した表面層が前
    記画像形成層の該表面層と隣接する部分の該形成層中に
    毛細管的流動により侵入し、これにより前記画像形成表
    面層が冷却されると、前記画像形成層の前記画像形成照
    射線が照射された部分が前記支持体に実質的に固定され
    る熱画像形成材料を利用した画像形成方法であって、 前記画像形成層の画像記録部分の前記支持体への固定後
    に、該画像記録部分以外の画像形成層をその表面に有す
    る前記各剥離シートそれぞれを前記熱画像形成材料より
    剥離し、該各剥離シートを該画像記録部分以外の部分が
    一致するように貼り合わせて前記熱画像形成材料に記録
    した画像の反転像を形成することを特徴とする画像形成
    方法。
  20. 【請求項20】 基体と、該基体の両面に設けられた熱
    画像層とからなる熱画像形成材料であって、 前記各熱画像層が可視光に対して透明な支持体と、該支
    持体の前記基体側に設けられた、所定の温度以上で液化
    されて流動性を有するようになる画像形成表面層と、該
    各画像形成表面層の前記基体側に均一に被覆された多孔
    質または粒子状の画像形成物質よりなる画像形成層と、
    画像形成照射線を吸収して、該照射線を前記画像形成物
    質を液化させる熱エネルギーに変換する照射線吸収物質
    とを含み、 前記画像形成物質が前記画像形成層と前記画像形成表面
    層との間の接着強度よりも大きい凝集強度を示し、前記
    画像形成照射線を前記物質に照射することにより該画像
    形成表面層が液化されたときに、該液化した表面層が前
    記画像形成層の該表面層と隣接する部分の該形成層中に
    毛細管的流動により侵入し、これにより前記画像形成表
    面層が冷却されると、前記画像形成層の前記画像形成照
    射線が照射された部分が前記支持体に実質的に固定され
    る熱画像形成材料を利用した画像形成方法であって、 前記画像形成層の画像記録部分の前記支持体への固定後
    に、該画像記録部分をその表面に有する前記熱画像層そ
    れぞれを前記基体より分離し、該各熱画像層を前記画像
    記録部分が一致するように貼り合わせて画像を形成する
    ことを特徴とする画像形成方法。
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