JPH06143516A - 積層樹脂フィルム - Google Patents

積層樹脂フィルム

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JPH06143516A
JPH06143516A JP29739292A JP29739292A JPH06143516A JP H06143516 A JPH06143516 A JP H06143516A JP 29739292 A JP29739292 A JP 29739292A JP 29739292 A JP29739292 A JP 29739292A JP H06143516 A JPH06143516 A JP H06143516A
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weight
propylene
resin film
layer
resin
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JP29739292A
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English (en)
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Takao Yazaki
高雄 矢崎
Masataka Noro
正孝 野呂
Mie Toyoda
美絵 豊田
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ノコギリ刃切断性、風合、自己粘着性、可撓
性に優れ、電子レンジで加熱しても溶融破損しないポリ
オレフィン系ラップ包装用フィルムを提供する。 【構成】 ポリ(4−メチルペンテン−1)の樹脂フィ
ルム層Aと、特定の結晶性プロピレン系共重合樹脂の樹
脂フィルム層Bを積層したフィルムであって、Aおよび
Bの両層には次式(I)で示されるグリセリドa1 〔式中、R1 、R2 とR3 のうちの一つは炭素数が2〜
6のアシル基、他の一つは炭素数が8〜22のアシル基
であり、残りの一つはHまたは炭素数が2〜22のアシ
ル基である。〕および、炭素数が12〜22の高級脂肪
酸と脂肪族多価アルコールとのエステルであって、少く
とも1個のアルコール性水酸基を有する脂肪酸エステル
2 より選ばれた防曇剤を0.5〜15重量%含有する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘着性、耐熱性、カッ
ト性、風合に優れた食品包装用ラップフィルムあるいは
低温ヒートシール性、耐熱性に優れた袋形成用フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】食品包装用ラップフィルムは、一般家
庭、レストラン、スーパーマーケット等で食品をくるん
で冷蔵庫、冷凍庫に保存、或いはここより取り出して電
子レンジ(マイクロウェーブ調理器)で加熱するのに用
いられている。また、ラーメン、そば、スープ等の出前
にも中身の入った食器の上をラップすることに用いられ
ている。
【0003】ここで食品をラップするのは、食品の乾燥
防止(水分飛散防止)、保存中の風味、香気の飛散防
止、他食品からの香気、臭気の吸収防止、塵埃侵入防
止、食器からの食品の飛び出しを防止するためである。
このような食品包装用ラップフィルムは、幅20〜45
cmで紙管に20〜100m程度巻装され、紙製カート
ンボックスに収納されており、この箱の側壁上端に装着
されたノコギリ刃によって適宜必要量切断されて使用さ
れる。
【0004】ラップフィルムの切断に使用されるノコギ
リ刃は、一般に0.2〜0.3mm程度の鉄板をノコギ
リ状に切断しただけの簡単なもの、あるいは最近では、
硬質の厚紙をノコギリ刃状に断裁したものなど、いずれ
にしても極めて簡便な切断機構が採用されている。この
ラップフィルムとしては次の〜点が要求される。
【0005】内容物が透視できる程度透明であるこ
と。 カートンボックスより手で引き戻す際、小片にちぎれ
ないこと。 自己粘着性があること。 電子レンジで解凍するとき、フィルムが融解しない程
度の耐熱性を有すること。
【0006】ノコギリ刃でカットするときの引裂性が
良好なこと。 ラップフィルムの素材としては、二軸延伸塩化ビニリデ
ン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、界面活性
剤を含有するエチレン系樹脂フィルム(特公昭38−4
174号、同43−8606号、USP4493867
号公報)が使用されている。
【0007】近年、地球環境問題の抬頭により、塩化ビ
ニルや塩化ビニリデン等の塩素を含む樹脂素材は、これ
らモノマー発癌性の疑いに始まり、軟質塩化ビニル樹脂
に多く使用される可塑剤の食品への移行による食品衛生
上の問題、土中埋没や焼却時に於けるダイオキシンの発
生の疑い、又、焼却時に発生する塩素系ガスが、酸性雨
の一因になっている等、数多くの問題を孕んでいる。
【0008】また、塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニルを素材としたラップフィルムは使用に当って、切断
の際、フィルムの一部に裂け目ができると、この裂け目
が広がって、ノコギリ刃に沿って切断されずに斜めに切
れてしまう欠点がある。焼却時の問題がないエチレン系
樹脂製ラップフィルムは、伸び易く、引き裂きにくい
為、切断時にかなりの引張力を要し、フィルムをうまく
切断できなかったり、カートンボックスが変形したりす
る。また、電子レンジによる解凍の際の耐熱性が劣った
り、PSPトレー、金属、陶器等の容器に対する粘着性
が不足していたり、フィルムの腰強度が低く取り扱いに
くい等の問題があり、このため塩化ビニリデン系樹脂に
代替し得ず、市場の一部でしか使用されていない。
【0009】また、ハム、ウインナーソーセージ、ベー
コン、削かつお節等の食品、青果物、ワイシャツ等包装
用袋素材として二軸延伸ポリプロピレンフィルムの両面
にエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレ
ン・ブテン−1共重合体を積層したヒートシール性積層
樹脂フィルム(特開昭54−158477号、特公昭6
1−50974号、同61−29377号、特公平3−
23332号)が提案されている。
【0010】このようなプロピレン系樹脂積層フィルム
を袋に形成し、これにコーヒーの生豆をパックし、袋を
密閉し電子レンジにおいて高周波誘電加熱して焙煎する
(特開平2−171144号公報)場合、或いはこのプ
ロピレン系樹脂積層フィルム袋を穿孔し、この中にウイ
ンナーソーセージを入れ、電子レンジで加熱して暖かく
して食する場合、耐熱性の向上が望まれている。
【0011】電子レンジ調理に耐える耐熱性を備えた積
層フィルムとして、ポリ(4−メチルペンテン−1)
と、プロピレン単独重合体を等重量部で混合した樹脂組
成物よりなるパッド(特開昭64−70381号)、あ
るいはポリメチルペンテン樹脂層とポリプロピレンまた
はエチレン・プロピレン共重合体層を積層した肉厚が1
0〜150ミクロンの積層フィルム(特開昭64−53
838号)が提案されている。
【0012】しかし、このフィルムをヒートシールして
袋とするには145℃以上にフィルムを加熱する必要が
ある。また、ラップフィルムとして用いるには肉厚が厚
すぎ、可撓性が不足すると共に、ノコギリ刃切断性に問
題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食品包装用
ラップフィルムにおけるエチレン系樹脂フィルムの上述
のノコギリ刃によるフィルム切断性、耐熱性の問題を解
決したポリオレフィン系の積層樹脂フィルムの提供を目
的とする。本発明はまた、前述のヒートシール性プロピ
レン系樹脂積層樹脂フィルムの耐熱性、可撓性、防曇性
を改良した積層樹脂フィルムの提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリ(4−メ
チルペンテン−1)の樹脂フィルム層(A)の片面また
は両面に、エチレンとプロピレンと炭素数が4〜8のα
−オレフィンとを共重合させて得た結晶性プロピレン系
樹脂の樹脂フィルム層(B)を積層した積層樹脂フィル
ムであって、前記(A)層および(B)層には、次式
(I)で示されるグリセリド(a1
【0015】
【化2】 〔式中、R1 、R2 とR3 のうちの一つは炭素数が2〜
6のアシル基、他の一つは炭素数が8〜22のアシル基
であり、残りの一つはHまたは炭素数が2〜22のアシ
ル基である。〕
【0016】および、炭素数が12〜22の高級脂肪酸
と脂肪族多価アルコールとのエステルであって、少くと
も1個のアルコール性水酸基を有する脂肪酸エステル
(a2 )より選ばれた防曇剤を0.5〜15重量%含有
することを特徴とする積層樹脂フィルムを提供するもの
である。〔但し、前記(B)面のプロピレン系樹脂の各
構成成分量は、エチレン1〜10重量%、プロピレン7
4〜96重量%、α−オレフィン3〜25重量%であ
る。〕
【0017】ポリ(4−メチルペンテン−1) 耐熱性、易ノコギリ刃切断性を付与するポリ(4−メチ
ルペンテン−1)としては、密度が0.830〜0.8
40g/cm3 の4−メチルペンテン−1の単独重合
体、4−メチルペンテン−1 80モル%以上と、他の
α−オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ヘプテン−1)と
の共重合体が利用できる。
【0018】中でも、融点が200〜242℃、ビカッ
ト軟化点(ASTM D−1525)が140〜175
℃、メルトフローレート(ASTM D−1238;2
60℃、5kg荷重)が2〜180g/10分、引張破
断点伸び(ASTM D−638;23℃、引張速度
5mm/分)が100%以下、好ましくは15〜85
%、より好ましくは15〜30%のものが耐熱性、ノコ
ギリ刃切断性の面から好ましい。かかるポリ(4−メチ
ルペンテン−1)は三井石油化学工業(株)よりTPX
の商品名で、RT18、DX820、DX845、MX
004、MX320XBのグレード名で入手できる。
【0019】結晶性プロピレン系樹脂 ヒートシール性、柔軟性を付与するエチレン・プロピレ
ン・α−オレフィン共重合体よりなる結晶性プロピレン
系樹脂は、プロピレン74〜96重量%、エチレン1〜
10重量%、α−オレフィン3〜25重量%を構成成分
とする結晶性プロピレン系樹脂である。好ましくは、エ
チレン含量が1.5〜4重量%、ブテン−1含量が8〜
20重量%、プロピレン含量が90.5〜76重量%の
共重合体でメルトフローレート(JIS P−721
0;230℃、2.16kg荷重)が1〜12g/10
分、ヒートシール温度が120〜140℃、より好まし
くは120〜135℃、結晶化度が20〜55%(X線
法)、より好ましくは20〜40%のプロピレン系共重
合体が良い。
【0020】このようなプロピレン系共重合体は、特公
昭55−6643号、特開昭50−79195号、特開
昭54−162785号公報に見受けられるように、エ
チレンを0.5〜12重量%、好ましくは0.5〜4.
0重量%、プロピレンを60〜98.5重量%、好まし
くは75〜92重量%、α−オレフィンを1.0〜30
重量%、好ましくは5〜20重量%の比率で重合系に供
給し、チーグラー・ナッタ触媒を用いてランダム共重合
を行うことにより製造される。
【0021】α−オレフィンとしてはブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−
1、4−メチルペンテン−1が利用でき、これらは単独
でまたは二種以上混合して用いられる。チグラー・ナッ
タ型触媒は、周知のように遷移金属化合物成分と還元性
金属化合物成分との組合わせから基本的になるものでそ
の各種の改変剤をも含めて周知のものである。
【0022】遷移金属化合物成分としては周期律表第IV
〜VI族遷移金属の化合物が一般に使用可能であるがそれ
らのうちでチタン化合物が好適である。該チタン化合物
としてはハロゲン化物、オキシハロゲン化物、アルコキ
シ化合物、アルコキシハロゲン化物等がある。具体的な
化合物としては四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化
チタン、三塩化チタン、三臭化チタン、三ヨウ化チタ
ン、二塩化チタンなどのチタンハロゲン化合物があり、
特に三塩化チタンが好んで使用される。これらは、混合
して使用することもできる。
【0023】最高原子価以下の原子価の化合物は最高原
子価化合物を水素、金属、有機金属化合物、金属水素化
物等で還元することによってつくることができるとこ
ろ、還元剤および(または)還元方法如何によっては還
元剤の分解ないし変性化合物が共存することがあるが、
そのようなものを使用することもできる。具体的には、
たとえば、四塩化チタンの金属アルミニウム還元による
TiCl3 ・1/3AlCl3 がある。
【0024】還元性金属化合物成分としては周期律表第
I〜III 族金属の水素化物および有機金属化合物が適当
である。特に適当な化合物は、アルミニウムの水素化物
および下記一般式の有機アルミニウム化合物である。 AlRnX3-n ここで、Rは炭化水素残基、特に炭素数8程度以下のア
ルキル、シクロアルキル、アリール基、Xはハロゲン、
nは3,2,1,5または1である。ハロゲンとしては
少なくとも経済上の理由から塩素が適当である。
【0025】このようなアルミニウム化合物の具体例を
挙げれば、トリアルキルアルミニウム(アルキル=メチ
ル〜オクチル特に低級アルキル(C4 以下程度))、ジ
アルキルアルミニウムクロリド、アルキルアルミニウム
セスキクロリド、アルキルアルミニウムジクロリド等が
ある。これらは混合して使用することもできる。これら
遷移金属化合物成分と還元性金属化合物成分との量比は
一般にチーグラー型触媒に採用されうる任意のものであ
りうる。具体的には、たとえば、チタン化合物Aと有機
アルミニウム化合物Bとの組合わせの場合には、B/A
モル比が0.5〜20程度、好ましくは1〜10であ
る。
【0026】前記二成分から基本的になるチーグラー型
触媒は、種々の改変剤によって改変することができるこ
とが知られている。このような改変性の一つの例は電子
供与性化合物である。電子供与性化合物としては、酸無
水物、エステル、ケトン、アミン、グリコール、グリコ
ールエーテルなどがある。具体的には、たとえばメタク
リル酸メチルなどである。
【0027】共重合を行なうに際し、不活性有機溶剤、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素や、ク
ロルベンゼン、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素
の存在下または不存在下、あるいは上記α−オレフィン
などの重合用単量体を溶剤とし、あるいは気相で任意の
温度、例えば0〜200℃程度の温度(好ましくは30
〜100℃)、および任意圧力例えば常圧〜100気圧
程度の圧力(好ましくは常圧〜60気圧)、で分子量調
節剤たとえば水素を使用しあるいは使用しないで実施す
ればよい。
【0028】かかる結晶性プロピレン系樹脂は、三菱油
化(株)より三菱ポリプロ“SPX4400”、同SP
X1796の商品名で、住友化学工業(株)より住友ノ
ーブレンFL6316の商品名で販売されている。プロ
ピレン単独重合体では融点が約162〜167℃(DS
C曲線のピーク温度)と高く、ヒートシール可能な温度
が約170℃以上となり、かつ、積層樹脂フィルムの剛
性が高くなりすぎ、可撓性が損われ、包まれる収納物と
のフィット性が悪い。プロピレン・エチレン(1.5〜
6重量%)ランダム共重合体では融点が145〜155
℃とプロピレン単独重合体よりは低く、かつ、剛性も若
干低下するが可撓性の改良効果が十分でない。
【0029】本発明において、このプロピレン系樹脂の
プロピレンに基づく構成単位が74重量%未満では得ら
れる樹脂がゴム様となり、成形が困難となると共に、フ
ィルムの透明性が損われる。逆に96重量%を越えると
融点が高く、かつ、剛性が増し、可撓性が損われる。ま
た、エチレンの構成単位含量が1重量%未満ではプロピ
レン系樹脂のスラリー重合が困難である。10重量%を
越えては共重合体の結晶性が損われ、成形性、フィルム
の透明性が損われる。更に、プロピレン系樹脂における
α−オレフィンの構成単位含量が3重量%未満ではフィ
ルムの可撓性改良効果が小さく、25重量%を越えては
フィルムの透明性が損われる。
【0030】このプロピレン系樹脂は、フィルムの透明
性を損わない範囲でエチレン・酢酸ビニル(酢酸ビニル
含量は5〜25重量%)、エチレン・アクリル酸(アク
リル酸含量は5〜20重量%)共重合体、エチレン・ア
クリル酸メチル共重合体(アクリル酸メチル含量は5〜
20重量%)、エチレン・メタクリル酸メチル共重合
体、密度が0.890〜0.910g/cm3 、メルト
インデックスが0.1〜10g/10分の低密度ポリエ
チレン、密度が0.886〜0.920g/cm 3 の線
状低密度ポリエチレン等を積層樹脂フィルムの柔軟性、
自己粘着性の改善の目的で20重量%まで配合してもよ
い。
【0031】防曇剤 この積層樹脂フィルムの(A)層、(B)層には積層樹
脂フィルムの自己粘着性、防曇性、可撓性、風合を向上
させるために両層に、次式(I)で示されるグリセリド
(a1
【0032】
【化3】 〔式中、R1 、R2 とR3 のうちの一つは炭素数が2〜
6のアシル基、他の一つは炭素数が8〜22のアシル基
であり、残りの一つはHまたは炭素数が2〜22のアシ
ル基である。〕および、炭素数が12〜22の高級脂肪
酸と脂肪族多価アルコールとのエステルであって、少く
とも1個のアルコール性水酸基を有する脂肪酸エステル
(a2 )より選ばれた防曇剤を0.5〜15重量%含有
させる。
【0033】かかる前式(I)で示されるグリセリド
(a1 )としては、例えば、ジアセチルモノオレイルグ
リセリン、ジアセチルモノラウリルグリセリン、ジアセ
チルモノパルミチルグリセリン、モノアセチルジオレイ
ルグリセリン、モノアセチルジラウリルグリセリン、モ
ノアセチルモノパルミチルグリセリン、モノアセチルモ
ノオレイルグリセリン、モノアセチルモノラウリルグリ
セリン、モノアセチルモノカプリルグリセリン、モノア
セチルブラシジルグリセリン、モノプロピルモノブラシ
ジルグリセリン、モノアセチルモノエルシルグリセリ
ン、ジプロピオニルモノラウリルグリセリン等が利用で
きる。
【0034】これらの中でも、R1 、R2 、R3 のうち
の2つが炭素数2〜4のアシル基で、他の一つが炭素数
8〜22のアシル基であるものがより好ましい。脂肪酸
エステル(a2 )としては、グリセリン、ソルビトー
ル、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
多価アルコールと、オレイン酸、リノール酸、ラウリン
酸等の高級脂肪酸とのエステル化合物で、具体的には、
モノグリセリンオレエート、ポリグリセリンオレエー
ト、グリセリンモノ,ジ−リシノレート、グリセリンア
セチルリシノレート、プロピレングリコールオレエー
ト、プロピレングリコールラウレート、ペンタエリスリ
トールオレエート、ポリエチレングリコールオレエー
ト、ポリプロピレングリコールオレエート、ソルビタン
オレエート、ソルビタンラウレート、ポリエチレングリ
コールソルビタンオレエート、ポリエチレングリコール
ソルビタンラウレート等、が利用できる。
【0035】配合量が0.5重量%未満では、充分な柔
軟性、粘着性が得られず、逆に15重量%を超えると多
量のブリードにより積層樹脂フィルム外観が悪化する。
好ましくは、3〜12重量%である。特に、防曇剤の使
用が、グリセリド(a1 )と脂肪酸エステル(a2 )を
2/8〜8/2の重量比の混合物として併用したとき
は、更に積層樹脂フィルムの可撓性、風合が向上する利
点がある。これら樹脂層(A)、(B)には更にシリカ
粉末等の核剤、ブチル化ヒドロキシトルエン等の安定剤
を0.01〜1重量%配合してもよい。
【0036】積層樹脂フィルム 本発明の積層樹脂フィルムは、ラップ包装用フィルムの
用途には、(A)層の肉厚が1〜10ミクロン、(B)
層の肉厚が2〜20ミクロン〔但し、B層が両面にくる
ときはB層の合計肉厚は4〜20ミクロンである。〕で
あり、全体の肉厚が7〜25ミクロンの積層フィルムで
あって、霞み度(JIS−Z−6714)が3%以下、
エルメンドルフ引裂強度(JIS−Z−1702)が縦
方向2〜100kg/cm、横方向2〜50kg/cm
であることが好ましい。
【0037】積層樹脂フィルムのポリ(4−メチルペン
テン−1)層(A)の肉厚が1ミクロン未満では積層樹
脂フィルムのノコギリ刃切断性が困難であり、積層樹脂
フィルムが伸び易い。また、電子レンジによる加熱時の
耐熱性が不十分である。10ミクロンを越えては積層樹
脂フィルムの可撓性が不十分で包み作業がしにくい。積
層樹脂フィルムの表面層(B)のプロピレン系樹脂フィ
ルムの肉厚は、二層構造(B/A)の場合は2〜20ミ
クロンである。2ミクロン未満では積層樹脂フィルムの
伸びとノコギリ刃切断性のバランスがとれにくく、肉厚
が20ミクロンを越えるとノコギリ刃切断性が悪くな
る。袋形成用であるときは、(A)層と(B)層の二層
積層フィルムで、(A)層の肉厚が2〜30ミクロン、
(B)層の肉厚が2〜20ミクロン、全体の肉厚が10
〜50ミクロンで、霞み度が3%以下のものが好まし
い。プロピレン系樹脂層(B)同志のヒートシール温度
は120〜135℃である。
【0038】積層樹脂フィルムの製造 この(A)層のポリ(4−メチルペンテン−1)は、こ
れ単独では25ミクロン未満のポリ(4−メチルペンテ
ン−1)のフィルムを得ることができないので、(B)
層のプロピレン系樹脂との共押出法により行う(特開昭
64−53838号)。具体的には、別々の押出機で溶
融混練した(A)層および(B)層用の溶融状樹脂を1
台の多層共押出ダイに供給、又は多層フィードブロック
とダイの組合せより成る積層システムに供給し、ダイよ
り共押出し、共押出しされた積層樹脂フィルムを冷却し
て成形するT−ダイフィルム成形法、あるいはインフレ
ーションフィルム成形法がある。インフレーションフィ
ルム成形法のときのブロー比(BUR)は1.5〜20
倍、好ましくは2〜16倍である。
【0039】
【実施例】次に実施例および比較例によって、この発明
を具体的に説明する。これらは何ら本発明を制約するも
のではない。
【0040】実施例1 三井石油化学工業(株)のポリ(4−メチルペンテン−
1)、“TPX−RT18”〔商品名;密度0.833
g/cm3 、融点240℃、メルトフローレート26g
/10分、破断点伸び25%〕95重量%と理研ビタミ
ン(株)のグリセリンジアセチルモノラウレート“リケ
マールPL004”(商品名)5重量%の混合物(A)
を口径が50mm、L/Dが25の押出機を用いて28
0℃にて溶融混練し、3層T−ダイの中間層に導き、一
方、三菱油化(株)のプロピレン(88.7重量%)・
エチレン(2.4重量%)・ブテン−1(9.3重量
%)ランダム共重合体“三菱ポリプロSPX4400”
〔商品名;密度0.896g/cm3 、MFR5.0g
/10分、結晶化度35%ヒートシール温度127℃〕
95重量%と理研ビタミン(株)のポリグリセリンオレ
イン酸エステル“リケマールO−71D”(商品名)5
重量部よりなる樹脂組成物(B)を、口径が65mm、
L/Dが25の押出機を用いて、250℃にて溶融混練
し、上記3層T−ダイの上下表面層に供給し、中間層
3.6μm、上下表面層が各々4.7μm、フィルムの
全厚みが13μmとなるよう共押出し、冷却ロールで冷
却し、幅300mmにスリットして三層フィルム(B/
A/B)を得た。このフィルムの物性を表2に示す。併
せて、次の方法によりラップフィルム適性を評価した。 耐熱性:幅5cm、長さ20cmの短冊フィルムの下端
に10gの重りをつけて恒温雰囲気中に1時間吊し、フ
ィルムが切断する迄の温度を測定する。(高い程、電子
レンジ調理器による加熱に耐えうる。)
【0041】比較例1 三井石油化学工業(株)のポリ(4−メチルペンテン−
1)、“TPX−RT18”(商品名)単独の中間層樹
脂(A)および内外表面層材料を三菱油化(株)製プロ
ピレン(95.8重量%)・エチレン(4.2重量%)
ランダム共重合体“三菱ポリプロFX4”〔(商品名)
MFR 9g/10分〕77重量%と日本石油化学
(株)製ポリブテン“HV35”〔(商品名)分子量7
50〕20重量%と、理研ビタミン(株)製ジアセチル
モノラウリルグリセリン“リケマールPL002”(商
品名)3重量%よりなる樹脂組成物に変更した以外は実
施例1と同様にしてフィルム成形を行ない表2に示す物
性の積層樹脂フィルムを得た。
【0042】参考例1 K社の市販の塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムの物
性を表2に示す。 実施例2〜7、比較例2〜4 中間層、表裏層用樹脂として表1の組成のものを用い、
かつ、押出温度を同表に示す条件で行う他は実施例1と
同様にしてフィルム成形を行ない積層樹脂フィルムを得
た。物性を表2に示す。
【0043】比較例5 三菱油化(株)の線状低密度ポリエチレン“三菱ポリエ
チ LL UF240”(MI 2.0、エチレン含量
92.0重量%、ブテン−1 8.0重量%)を、口径
65mm、L/D25の押出機を用いて185℃で混練
し、一方、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(酢酸ビ
ニル含有量15重量%、190℃でのMI 2.0g/
10分)98.5重量%、モノグリセリンオレエート
〔理研ビタミン(株)製、リケマールOL100〕1.
5重量%よりなる樹脂組成物を、口径50mm、L/D
25の押出機を用いて160℃で混練し、この両者を一
台の環状三層ダイに供給して、線状低密度ポリエチレン
(厚み3μm)の中間層の両面に、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体樹脂を主成分とする各厚み4μmの表面層が
積層されるようにして、ダイ温度185℃、ブロー比
5.0、引取速度50m/分でインフレーション成形す
ることにより、全厚み11μm(4μm/3μm/4μ
m)の包装用樹脂フィルムを製造した。物性を表2に示
す。
【0044】なお、表1中の成分の略号は次の通りであ
る。 ポリ(4−メチルペンテン1): TPX RT18;〔三井石油化学工業(株)製;物性
は実施例1に記載〕 TPX DX845;〔三井石油化学工業(株)製商品
名;密度0.835g/cm3 、融点240℃、MFR
8g/10分、破断点伸び 25%〕
【0045】プロピレン系樹脂: プロピレン・エチレン・ブテン−1ランダム共重合体 SPX4400;〔三菱油化(株)製;物性は実施例1
に記載〕 SPX1796;〔三菱油化(株)製;プロピレン含量
85.8重量%、エチレン含量1.7重量%、ブテン−
1含量12.5重量%、MFR 5g/10分、結晶化
度 30%、ヒートシール温度 126℃〕 プロピレン・エチレンランダム共重合体 FX4;〔三菱油化(株)製プロピレン・エチレン(エ
チレン含量4.2重量%)共重合体;MFR9g/10
分、結晶化度35%、ヒートシール温度145℃〕 プロピレン単独重合体 FB3;〔三菱油化(株)製、MFR2.5g/10
分、結晶化度64%、ヒートシール温度170℃〕
【0046】線状低密度ポリエチレン: UF240;〔三菱油化(株)製〕 エチレン・酢酸ビニル共重合体: EVA;〔比較例5に表示のもの〕
【0047】ポリブテン: HV35;〔日本石油化学社品〕
【0048】添加剤: O71D;〔理研ビタミン(株)製ポリグリセリンオレ
イン酸エステル〕 PL002;〔理研ビタミン(株)製ジアセチルモノラ
ウリルグリセリン〕 PL004;〔上記品の脱臭品〕 O250;〔理研ビタミン(株)製ソルビタンモノ,ジ
−オレエート〕 OL100;〔理研ビタミン(株)製モノグリセリンオ
レエート〕
【0049】方向:TD(横)、MD(縦) 評価基準 ノコギリ刃カット性、粘着性、風合 ○(良好)、△(やや不良)、×(不良)
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【応用例】実施例1および比較例5で得た積層樹脂フィ
ルムでシチュー200ccを収納した陶器皿を包み込
み、3分間電子レンジで加熱してシチューを温めたとこ
ろ、実施例1のものは溶熱破断なく、また陶器皿からの
剥離は容易であったが、比較例1のものは溶融破断して
おり、また、陶器皿からの剥離も融着していて困難であ
った。
【0053】
【発明の効果】本発明品は、透明性、耐熱性、粘着性、
風合に優れるもので、この積層樹脂フィルムで、食品を
収納した陶器製容器をラッピングし、電子レンジにて加
熱しても、溶融破断等の現象は全く無く、電子レンジで
の使用に充分に耐えるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ(4−メチルペンテン−1)の樹脂
    フィルム層(A)の片面または両面に、エチレンとプロ
    ピレンと炭素数が4〜8のα−オレフィンとを共重合さ
    せて得た結晶性プロピレン系樹脂の樹脂フィルム層
    (B)を積層した積層樹脂フィルムであって、前記
    (A)層および(B)層には、次式(I)で示されるグ
    リセリド(a1 ) 【化1】 〔式中、R1 、R2 とR3 のうちの一つは炭素数が2〜
    6のアシル基、他の一つは炭素数が8〜22のアシル基
    であり、残りの一つはHまたは炭素数が2〜22のアシ
    ル基である。〕および、炭素数が12〜22の高級脂肪
    酸と脂肪族多価アルコールとのエステルであって、少く
    とも1個のアルコール性水酸基を有する脂肪酸エステル
    (a2 )より選ばれた防曇剤を0.5〜15重量%含有
    することを特徴とする積層樹脂フィルム〔但し、前記
    (B)層のプロピレン系樹脂の各構成成分量は、エチレ
    ン1〜10重量%、プロピレン74〜96重量%、α−
    オレフィン3〜25重量%である。〕。
  2. 【請求項2】 防曇剤が、グリセリド(a1 )と脂肪酸
    エステル(a2 )を併用して用いられ、(a1 )と(a
    2 )の重量比が2/8〜8/2であることを特徴とする
    請求項1の積層樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 (A)層の肉厚が1〜10ミクロン、
    (B)層の肉厚が2〜20ミクロン〔但し、B層が両面
    にくるときはB層の合計肉厚は4〜20ミクロンであ
    る。〕であり、全体の肉厚が7〜25ミクロンの積層フ
    ィルムであって、霞み度(JIS−Z−6714)が3
    %以下、エルメンドルフ引裂強度(JIS−Z−170
    2)が縦方向2〜100kg/cm、横方向2〜50k
    g/cmである請求項1の積層樹脂フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015093448A1 (ja) * 2013-12-16 2015-06-25 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリオレフィン系樹脂ラップフィルム及びラップフィルム収容体

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