JPH0613924Y2 - 摺動枠つきアジヤスト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、間仕切りに用いられるアジヤスター（高低等
調整装置）の傾き防止に関するものである。

従来、間仕切りに用いられるアジヤスターは、図面にお
ける第１図の如きものであった。即ち、皿なしの太目ボ
ルト１を、床レール２に内嵌される断面図コ字形の小切
片であるアジヤスト台３にネジ挿嵌し、皿なしの頭部４
を平板状の座金５に遊嵌して座金５上部に突出させつゝ
支承させ、これらの上に断面凸字形の横長材である巾木
材６をわたして用いるものであった。

この従来のアジヤスター７を用いるにおいての難点は、
次のとおりである。即ち、第２図に見る如く、間仕切り
パネル８を前記巾木材６の片側に先ず建てこんでいき、
そのパネル８、８…同士を互いに連結するので、巾木材
６の片側（座金５の片側）にはかり重量がかゝつて従来
のアジヤスター７の座金５は、かしいだまゝとなる。か
しいだ座金５を水平に戻す場合、かなりの力を要する。
このことは座金５及び太目ボルト１のネジにも悪影響を
もたらし、正確なアジヤストを次後損う因ともなる。
又、第２図の状態のまゝ、他の片側へパネル８を建てこ
んでいくと、巾木材６が手前側に持ち上り状態であるの
で作業がし難く、傾斜している巾木材６上に建てこむパ
ネル８、８…の安定性は極めて悪い。更に巾木材６を元
の水平に戻しても、前述のように座金５の戻りは当初の
状態通りには、もたらされない。そして、このようにか
しだ状態のパネル８、８を上部において、例えば笠木等
をかぶせ連結する場合ピツタリとした連結が困難となる
のが一般である。

又、この従来のアジヤスター７においては、前述のよう
に太目ボルト１の皿なし頭部４は座金５面上に突出して
いる形状で、このため前述の断面凸字形の巾木材６が専
ら用いられるのであつて、用例は第７図における（イ）
図の形に限られている。

間仕切り、そしてその中でも可動間仕切りにおける、ア
ジヤスターの重要性については、こゝに再言する迄もな
いことである。それが如上の原初的とも言える困難性を
有することにおいて、本願考案がなされたのである。本
願考案は、従来のアジヤスター７の例えば前後二側にお
ける支承の例に止らず、例えばその外左右或いは隅角部
等又は対向して用いぬ片側のみの支承においても、かし
がない水平支承面を提供しようとするものである。

本願考案を実施例に従つて説明すると、図面における符
号９は、摺動座金であり、１０は摺動枠付き台座、１１
は皿付きボルトであり、いずれも金属等硬質の素材より
なる。

本願考案は、これら三つの部品によりなる。

摺動座金９は、断面下向きコ字形の小部品であり、平ら
な上面は方形をなし、これをパネル受け面１２とする。
パネル受け面１２の中央に、小円形ののぞき窓１３を開
孔する。又パネル受け面１２から下方へ対向して直角に
垂れる曲げ部分を、スライド片１４、１４とする。

摺動枠付き台座１０は、床レール２に内嵌される小部品
であり、断面下向きはほゞコ字形の台体をなし、平らな
方形を前記パネル受け面１２とほゞ同形とする上面をボ
ルト支え面１５とし、ボルト支え面１５の中央に皿付き
ボルト１１をネジ嵌挿するネジ穴１６を開孔する。更に
ボルト支え面１５より下方に対向して直角に屈折した部
分を嵌め片１７、１７とし、嵌め片１７における対向す
る開放（垂直）端部を、ボルト支え面１５と上面を揃え
て延ばし、且つ更にその端部を夫々内方へ直角に、小巾
に折り曲げた摺動枠１８、１８とする。摺動枠１８には
前記摺動座金９のスライド片１４の端部が、上下摺動可
能にピツタリ内嵌されるものとする。

皿付きボルト１１は、前記従来のアジヤスター７におけ
る太目ボルト１に相当するものであるが、より細目で皿
付き（市販のもの）である。即ち、前記ネジ穴１６に挿
嵌される雄ネジを施したボルト部１９の上端には、回旋
溝２０を刻んだ平らな上面の、且つ前記のぞき窓１３よ
り相当大きい皿部２１を有するものである。

本願考案の構成部品の構造は、以上の如きものである
が、これを第４図におけるように夫々対応させ、第３図
における如くに組立てる。即ち、摺動枠付き台座１０の
ネジ穴１６に、皿付きボルト１１をネジ挿入し、その上
に摺動座金９をのせ、摺動座金９ののぞき穴１３と皿部
２１とを合わせ、スライド片１４、１４の端部を、摺動
枠付き台座１０の摺動枠１８、１８、１８、１８にピツ
タリ内挿嵌する。第３図の如くに以上組立つたアジヤス
ト装置２２を、床レール２に、例えば方形をなすパネル
受け面１２の長手方向を床レール２の長手方向に向け、
嵌め片１７、１７を床レールの壁２３、２３に内接させ
て内嵌した状態は、第５図の一部に見ることが出来る。
次にドライバー等を用いてのぞき窓１３を通し回旋溝２
０を回わして、高低の調整をなし、巾木材６を二ケ又は
それ以上のアジヤスト装置２２の摺動座金９の上にの
せ、パネル当て２４をその上に介して、パネル８を一方
側から建てこんでいく。第５図に見る状態である。皿付
きボルト１１の回旋時に、摺動座金９のスライド片１４
は、その両端部を摺動枠付き台座１０の摺動枠１８に内
嵌したまゝ上下に摺動する。なお本願考案のアジヤスト
装置を用いるにおいて、巾木材６或はパネル当て２４は
用いても用いなくてもよい。

さてこのアジヤスト装置２２の効果は、前述のようにパ
ネル８を一方側に次々と建てこんでいくにおいて、従来
の例から言えば、一方の側のみにおいてパネル８、８…
の重量を負担する本願考案のパネル受け面１２は、当然
かしがるところである。しかるに床レール２に固定され
ている摺動枠付き台座１０の摺動枠１８、１８に、かし
がるべき摺動座金９のスライド片１３、１３の端部がピ
ツタリ内嵌されているため、重量物の偏載にもかゝわら
ず、パネル受け面１２はかしがらないのである。従つて
このアジヤスト装置２２を用いると、間仕切り設営に、
一方の側に次々とパネル８、８…を建てこみ且つ互いに
連結していく作業に少しも支障を生じない。パネル８を
アジヤスト装置２２上に垂直に且つ安定状態に保持する
を得るからである。又次に他の側に置いてパネル８、８
…を建てこんでいくことにおいても、何らの支障を生じ
ない。アジヤスト装置２２の構造が堅固であるからであ
る。この側においても、パネル８、８…は傾くことなく
垂直状態に保持し易い。従つて両側の対向するパネル
８、８を笠木等で連結するにおいて、嵌めこみ、掛け止
め等どの方法を用いるにも支障が見られない。

又このアジヤスト装置２２のパネル受け面１２におい
て、前記説明における前後の側のパネル８支承の場合ば
かりでなく、左右部においてでも、四隅部においてで
も、面をかしげることなく支承をすることが出来る。

このため、第６図における例によれば、間仕切り壁巾厚
によつて、床レール２の横巾の内径を（Ａ）とするか
（Ｂ）とするかの用い方がある場合、一つのアジヤスト
装置２２において、図示の如き（Ａ）、（Ｂ）の長さの
方形とすることにより、Ａ、Ｂいずれの床レール２、２
にも対応が出来る。

又、従来のアジヤスター７の用法、即ち第７図の（イ）
図の如きばかりでなく、その（ロ）、（ハ）、（ニ）図
の如くにも用いることが出来、間仕切りの設営にバラエ
テイをもたせることが出来る。アジヤスト（高低等調
整）もドライバー一本で容易に行なえ、更に従来のアジ
ヤスター７における太目ボルト１のような特殊な形状
の、太目（例えば１２ｍｍ径）を用いなくても、市販の
細目（例えば８ｍｍ径）の皿付きボルト１１を用いるこ
とが出来る。

なお図に見られる、嵌め片１７の先端部における切欠き
２５は、嵌挿をより容易にするためのものである。パネ
ル受け面１２の下面において、皿付きボルト１１の皿部
２１を、回旋可能に保持するもの（例えばさや枠等）を
設けてもよい。

又、第６図の平面で見た形を、正方形や五角形以上の多
角形状とし、方形における対向せる辺と同じように一組
又はそれ以上の組の嵌め片１７やスライド片１４を設け
て用いることも、平面で見る円形等の形状にも用いるこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のアジヤスター７の斜視図。 第２図は、同、パネル８を片側に建てこんだ場合の、変
化の状態を示す説明図。 第３図は、本願考案の実施例による、アジヤスト装置２
２の斜視図。 第４図は、同、その構成ま示す斜視図。 第５図は、同、パネル８を片側に建てこんだ場合の、一
部省略断面図。第６図は同平面図。 第７図は、本願考案の用例を示す説明図。 ２……床レール、６……巾木材 ７……従来のアジヤスター、８……パネル ９……摺動座金、１０……摺動枠付き台座 １１……皿付きボルト、２２……アジヤスト装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属等硬質の素材よりなり、 (イ)断面下向きコ字形で上面を方形のパネル受け面１２
   とし、パネル受け面１２の中央に小円形ののぞき窓１３
   を開孔し、パネル受け面１２両サイドを下方に直角に曲
   げた部分をスライド片１４、１４として摺動座金９を形
   成し、 (ロ)床レール２に内嵌される大きさで、断面ほぼ下向き
   コ字形の台体であり、上面が前記パネル受け面１２とほ
   ぼ同形の方形をなすボルト支え面１５となし、ボルト支
   え面１５の中央にネジ穴１６を開孔し、ボルト支え面１
   ５両サイドを下方に直角に屈折した部分を嵌め片１７、
   １７とし、嵌め片１７における対向する開放端部をボル
   ト支え面１５と上面を揃えて延ばし、且つ更に端部を夫
   々内方へ直角に小巾に折り曲げて摺動枠１８、１８を形
   成し、摺動枠１８内には前記摺動座金９のスライド片１
   ４の端部が上下摺動可能にピッタリ内嵌されるものとし
   た摺動枠付き台座１０を有し、 (ハ)前記ネジ穴１６に螺合する雄ネジを施したボルト部
   １９の上端には、回旋溝２０を刻んだ平らな上面の且つ
   前記のぞき窓１３より相当大きい皿部２１を有する皿付
   きボルト１１を備え、 (ニ)摺動枠付き台座１０のネジ穴１６に、上記皿付きボ
   ルト１１をネジ挿入し、その上に摺動座金９を載せ、の
   ぞき窓１３と皿部２１とを合わせ、スライド片１４、１
   ４の端部を摺動枠付き台座１０の摺動枠１８、１８、１
   ８、１８にピッタリ内嵌させ、皿付きボルト１１を回旋
   してスライド片１４を摺動枠１８内を上下に摺動させ、
   摺動枠付き台座１０の嵌め片１７、１７を床レール２に
   ピッタリ内嵌させることを特徴とする摺動枠つきアジャ
   スト装置。