JPH06138282A - 圧力管型原子炉の異常検出装置 - Google Patents

圧力管型原子炉の異常検出装置

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JPH06138282A
JPH06138282A JP4292477A JP29247792A JPH06138282A JP H06138282 A JPH06138282 A JP H06138282A JP 4292477 A JP4292477 A JP 4292477A JP 29247792 A JP29247792 A JP 29247792A JP H06138282 A JPH06138282 A JP H06138282A
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JP
Japan
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pressure
pipe
coolant
abnormal event
pressure tube
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JP4292477A
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Shigeto Murata
重人 村田
Akira Susuki
晃 須々木
Akihiko Minato
明彦 湊
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】沸騰が原子炉起動時にどの圧力管に発生しても
速やかに検出し、配管が万一破断した場合は、破断部位
を速やかに検知し、適切な原子炉の制御が可能な圧力管
型原子炉を提供する。 【構成】 圧力管1には燃料5を収納してあり、冷却材
4が入口管7から圧力管1に流入し、出口管8から流出
する構造の圧力管型原子炉において、燃料5の下端と入
口管8との間に入口流量計9を、燃料5の上端と出口管
8との間に出口流量計9を、それぞれ設置してあり、そ
れらの流量計によって得られた流量信号は、演算装置1
1及び判定装置12を経て、モニタ装置13、原子炉制
御装置(A)及び原子炉制御装置(B)に送られ、それらの
2個の原子炉制御装置により原子炉が制御されるように
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力管型原子炉の異常
検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、従来の圧力管型原子炉を図に基づ
いて説明する。図5は従来の圧力管型原子炉の説明図で
ある。
【0003】燃料5を収納した圧力管1は、カランドリ
ア管2に収納され、減速材3を保有するカランドリアタ
ンク6内に、制御棒駆動機構31により制御棒案内管3
0を介して炉内に挿入される制御棒29とともに配列さ
れている。
【0004】圧力管1の数は、原子炉の規模により異な
るが、約数百本である。冷却材4は再循環ポンプ25に
よって昇圧され、水ドラム23から入口管7を経て圧力
管1に供給されている。
【0005】圧力管1内で沸騰した冷却材4は、出口管
8から蒸気ドラム24に導かれ、蒸気と水とに分離され
た後、蒸気は主蒸気ライン32からタービン(図示せ
ず)に導かれ、復水器(図示せず)により水に戻され、
給水ライン34から、下降管28、水ドラム23及び入
口管7を経て圧力管1に流入している。
【0006】一方、分離された水は、下降管28から水
ドラム23へ導かれ、入口管7を経て圧力管1に流入し
ている。
【0007】また、万一の配管破断時の冷却材4の喪失
に備えて、高圧注水系35及び低圧注水系37が設けら
れている。なお、主蒸気ライン32、高圧注水系35及
び低圧注水系37には、それぞれ、主蒸気隔離弁33、
高圧注水ポンプ36及び低圧注水ポンプ38が取付けら
れてある。
【0008】冷却材4が喪失した場合には、冷却水を蒸
気ドラム24に注入する構成になっている。更に、ホウ
酸急速注入系39が設けられており、万一の場合には、
カランドリアタンク6内にホウ酸水を注入し、核分裂反
応を抑制できるようになっている。
【0009】このような圧力管型原子炉の構成におい
て、従来では、例えば「原子力工学ハンドブック:オ−
ム社」、及び「原子炉の安全工学上巻:現代工学社」の
各著書に記載されているように、通常運転時における全
冷却材流量である再循環流量や、原子炉の出力・圧力な
どを常時モニタし、原子炉に万一の異常が生じた場合
は、それらの変化から異常の検出が可能になっている。
【0010】そして、原子炉が異常と判定されたとき
は、原子炉の制御のため、必要に応じて手動又は自動操
作で制御棒挿入などの操作を行い、原子炉の安全性が保
持できるようになっている。
【0011】また、万一の配管の破断時の検出方法につ
いては、冷却材の噴出音を音響的に検知する方法が、
「超音波センサによる漏洩の検知:センサ技術,Vo
l.3,1983」に、特に入口管の破断に関しては、
入口管収納箱内の温度変化を検知する方法が、特願昭5
9−216261号公報に、それぞれ開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】圧力管型原子炉では、
通常、起動時には炉心は操作の簡単なサブク−ル状態で
運転されている。
【0013】したがって、起動時には沸騰を生じない範
囲内で運転するのが望ましく、起動時に沸騰が発生した
場合は、これを速やかに検知し、沸騰を抑制するための
適切な運転を行う必要がある。
【0014】上記の従来技術を適用した圧力管型原子炉
では、起動時に沸騰が発生した場合、沸騰は中性子束等
の変化から検出することが可能であった。また、配管破
断に関しても、上記の「超音波センサによる漏洩の検
知:センサ技術、Vol.3、1983」、及び特願昭
59−216261号公報に開示の方法により、配管の
破断を検出し、必要な措置を行うことができた。
【0015】しかし、検出器の取付位置によっては、破
断した配管や破断部位の検出、及び特定の精度が不十分
な場合も生じる。したがって、これを補うために検出器
の個数を多くしなければならないという欠点があった。
【0016】本発明の目的は、原子炉の起動時、多数の
圧力管のうちのどの圧力管内に沸騰が万一発生しても、
また、その沸騰時の中性子束等の変化が極めて小さい場
合でも、それらを速やかに検知し、更に、配管が万一破
断した場合は、破断部位を検知して、状況を正確に把握
し、適切な原子炉の制御を行うことが可能な圧力管型原
子炉を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0018】(1)核燃料及び冷却材を収納した圧力管
を圧力管と同心のカランドリア管に収容し、複数個のカ
ランドリア管と制御棒とを減速材を保有するカランドリ
アタンク内に配列し、圧力管に入口管及び出口管をそれ
ぞれ設け、入口管、圧力管及び出口管の各管内を流れる
冷却材の流路を有する圧力管型原子炉の異常検出装置に
おいて、流路の2箇所に冷却材の流れに関連する物理量
を測定する手段を設けること。
【0019】(2)(1)において、物理量は、速度、
体積速度、質量速度、運動量及び圧力のいずれかである
こと。
【0020】(3)(1)又は(2)において、物理量
を測定する手段が、冷却材の流量の増減により検出部に
生ずる機械的変形を利用し運動量を測定する手段である
こと。
【0021】(4)(1)又は(2)において、物理量
の測定手段を、圧力管の入口側に取付けてある下部遮蔽
プラグに設け、測定手段から出された信号線を下部遮蔽
プラグ、及び圧力管の入口側に取付けてあるシ−ルプラ
グの内部を貫通して圧力管の外部に導くこと。
【0022】(5)(1)又は(2)において、物理量
の測定手段を、圧力管の入口及び出口にそれぞれ設け、
各測定手段では流路の2点間の差圧から冷却材の速度を
測定すること。
【0023】(6)(1)又は(2)において、複数の
圧力管を一つの単位として、複数の入口管が接続する下
部中間ヘッダ、及び複数の出口管が接続する上部中間ヘ
ッダをそれぞれ設け、下部中間ヘッダ及び上部中間ヘッ
ダに冷却材の流れに関する物理量を測定する手段を設け
ること。
【0024】(7)(1)〜(6)において、物理量の
測定結果を受信する演算装置、及び演算装置と接続する
判定装置を有し、演算装置では物理量の測定値と予め設
定してある基準値との差を計算し、判定装置ではこの差
に基づいて異常事象の発生の有無を判定し、異常事象が
発生したと判定されたときには異常事象の発生部位の検
知、及び異常事象の種類を判定すること。
【0025】(8)(7)において、異常事象が発生し
たと判定されたとき、判定装置から送られる信号に基づ
き、異常事象の発生、異常事象の発生部位、及び異常事
象の種類を表示するモニタ−装置を設けてあること。
【0026】(9)(7)又は(8)において、異常事
象が発生したと判定されたとき、異常事象の発生部位、
及び異常事象の種類に応じて、自動的に原子炉を制御す
る機構を具備した原子炉制御装置を有すること。
【0027】(10)(1)において、入口管及び出口
管に冷却材の流量調節弁を設け、異常事象の発生した圧
力管の流量調節弁のみの開度を異常事象に応じて選択的
に調節する機構にすること。
【0028】
【作用】本発明は、圧力管型原子炉(図5参照)の起動
時にサブク−ル状態であった冷却材が、圧力管内で連続
的に沸騰し始めたとき、圧力管の出入口の冷却材流量が
どのように変化するかの解析結果を基にしてあるので、
まず、これを図を用いて説明する。
【0029】図6は、起動時に炉心で沸騰が発生したと
想定したときの圧力管出入口における流量変化の解析結
果の説明図であり、図6の(a)には出口側流量の変化
を、図6の(b)には入口側流量の変化を、それぞれ示
してある。
【0030】起動時に炉心に沸騰が発生した場合、その
直後、圧力管の入口では流量が低下し、圧力管の出口で
は流量が増加し、その後、流量は次第に静定する。これ
は、冷却材が沸騰により液相から気相に変わり、冷却材
の体積が大きくなるので、冷却材が出口側では押し出さ
れ、入口側では堰き止められるためである。すなわち、
沸騰開始前の冷却材流量を基準値として、流量の相対的
増加を正、相対的減少を負で表わすと、沸騰時には出口
側では正、入口側で負となる。
【0031】次に、運転時に配管破断が万一発生した場
合を想定し、この時点で冷却材の流路の任意の2箇所で
冷却材の流量を観察するものとし、この2箇所の流量観
察点のうち、上流側の流量観察点をA、下流側の流量観
察点をBとする。
【0032】そして、破断部位を、流量観察点Aの上流
側、流量観察点Bの下流側、及び流量観察点Aと流量観
察点Bの中間部の3つの領域に分け、各領域での破断事
象の発生時における流量観察点の冷却材流量の変化をま
とめると、表1のようになる。
【0033】表1は圧力管の出入口の流量と異常事象と
の関係、及び異常事象への対応策を示したものである。
【0034】
【表1】
【0035】配管破断時では破断口からの冷却材の放出
が大きいので、流量観察点A及び流量観察点Bでは、下
流側で破断した場合は共に正、上流側の破断時には共に
負となり、中間部で破断した場合は、流量観察点Aでは
正、流量観察点Bでは負となる。
【0036】このように流量観察点と破断部位との相対
的な位置関係によって、流量観察点における冷却材流量
の増減のパタ−ンが異なるので、本発明ではこれを利用
している。
【0037】本発明では、流量観察点として圧力管の入
口及び出口を選び、それぞれの観察点において冷却材の
流れに関連する物理量として、例えば、体積速度、すな
わち流量を測定し、流量が予め設定した基準値に対し
て、どのように変化したかを検知することにより流路に
発生した異常事象の発生、発生部位及び種類を知ること
ができるので、これらの情報をモニタ装置に表示し、更
に、得られた情報を基に原子炉制御装置を自動的に作動
させている。
【0038】また、冷却材の流れに関連する物理量とし
ては、流量のほかに、冷却材の密度や速度等の関数で表
される方向性をもった物理量、質量速度及び運動量など
を利用することもできる。
【0039】更に、下記の(1)式、すなわち、
【0040】
【数1】 P1−P2=(1/2)ρV2…………………………………(1) ここに、 P1:上流側の圧力(Pa) P2:下流側の圧力(Pa) ρ :流体密度(kg/m3) V :流体の速度(m/s) を用いて、近接する2点間の差圧P1−P2を測定すれ
ば、流体の速度Vを得ることができるので、冷却材の速
度の測定に、上流側の圧力P1と下流側の圧力P2とを利
用することも可能である。
【0041】次に、上記の解析結果を基にして得られ
た、本発明の作用を列挙すると次のとおりである。
【0042】(1)各圧力管について、圧力管、及びそ
れに接続する入口管と出口管の各管内を流れる冷却材の
流れに関連する物理量を測定する手段を設けてあるの
で、各圧力管内の冷却材の流動状態を監視でき、異常事
象の生じた圧力管を特定することが可能となった。
【0043】(2)冷却材の流れに関連する物理量に、
速度、体積速度、質量速度、運動量又は圧力のいずれか
を選択できるので、選択の幅が大きい。
【0044】(3)冷却材の流れに関する物理量の測定
に、検出部の機械的変形を利用した運動量の測定手段を
用いてあるので、流量計のセンサ部を小型化でき、設置
スペースを小さくし、圧力損失を少なくすることができ
る。
【0045】(4)冷却材の流れに関する物理量の測定
手段を、圧力管の入口側の下部遮蔽プラグに設けるとと
もに、測定手段からの信号線を下部遮蔽プラグ及びシー
ルプラグの内部を貫通して圧力管の外部に導いてあるの
で、圧力管に貫通部を設けることなく、測定手段を設置
することができる。
【0046】(5)冷却材の流れに関する物理量の測定
手段を、圧力管の入口及び出口に設け、それぞれの測定
手段では2点間の差圧から冷却材の速度を測定するの
で、通常運転時に冷却材が二相流になった場合でも、セ
ンサ部の信頼性及び健全性を確保することができる。
【0047】(6)下部中間ヘッダ及び上部中間ヘッダ
を設け、複数の圧力管を一つの単位として、圧力管に連
結する入口管を下部中間ヘッダに接続し、また圧力管に
連結する出口管を上部中間ヘッダに接続し、それらの両
中間ヘッダに冷却材の流れに関する物理量の測定手段を
設けてあるので、流量計の個数を少なくでき、設計及び
製作のコストを低減することができる。
【0048】(7)演算装置及び判定装置を設けてある
ので、任意の圧力管、及びそれに接続する入口管と出口
管とに生じた異常現象の種類と発生部位とを速やかに検
知することができる。
【0049】(8)モニター装置を設けてあるので、検
知した異常現象の種類と発生部位とを速やかに運転員に
知らせることができる。
【0050】(9)原子炉制御装置を設けてあるので、
検知した異常現象の種類と発生部位とに対して最も適切
な原子炉制御を自動的に行うことができる。
【0051】(10)入口管及び出口管に流量調節可能
な弁を設けてあるので、異常が発生した圧力管に対して
のみ選択的に原子炉制御措置を行うことができる。
【0052】
【実施例】本発明の第1実施例を図に基づいて説明す
る。図1は本発明の異常検出装置を備えた圧力管型原子
炉の説明図、図2は本発明の演算装置の演算方法を示す
流れ図である。
【0053】図1において、圧力管1には燃料集合体5
が収納されており、冷却材4は入口管7から流入し、出
口管8から流出する構造となっている。また、本実施例
では、冷却材4の流れに関連する物理量として体積速
度、すなわち流量を選んである。
【0054】入口流量計9は燃料5の下端と入口管7と
の間の入口に、出口流量計10は燃料5の上端と出口管
8との間の出口に、それぞれ設けてあり、流量の測定に
よって得られた流量信号を演算装置11に送っている。
なお、その他の圧力管に設けた流量計から得られる流量
信号も、すべて演算装置11に送られるようにしてあ
る。
【0055】演算装置11では、送られた流量信号を基
にして演算を行っている。その演算方法を次に説明す
る。図2は本発明の演算装置11における演算方法の流
れ図である。
【0056】まず、流量の基準値として、定格流量W01
とW02とを設定する(工程)。その後、流量W1とW2
とを測定する(工程)。次に、これらの測定した流量
と基準値との差を求め、流量変化ΔW1とΔW2とを計算
する(工程)。
【0057】ここで、流量変化を流れのゆらぎやノイズ
と区別するため、別途に設定した値εと比較する(工程
)。そして、流量変化が、ゆらぎやノイズの範囲内で
ある場合は、異常が発生していないものとして工程〜
の操作を繰り返す。
【0058】流量変化が、ゆらぎやノイズよりも大きい
場合は、なんらかの異常が発生していることから、ΔW
1とΔW2とについて正、負の符号を求める(工程及び
工程)。
【0059】次いで、判定装置12では、ΔW1とΔW2
との各符号を組合せ、前出の表1に基づいて異常事象の
種類を判定する。
【0060】流量の基準値の設定方法としては、操作員
が端末機から入力するほかに、自動設定することも可能
である。例えば、入口管や出口管など以外の場所におけ
る測定値を用いたり、一定時間以上経って測定値に変動
がなければ、この測定値を基準値として自動的に設定す
ることもできる。
【0061】なお、図2に示す一連の演算は、プログラ
ムなどのソフトウェアだけでなく、ハ−ドウェアによっ
ても実現することができる。
【0062】モニタ装置13では、判定装置12から送
られた情報に基づき、異常事象の種類、及び異常事象の
発生した圧力管をCRTに表示して、運転員に知らせる
ことができ、更に、必要に応じて警報や音声を用いるこ
とも可能にしてある。
【0063】また、判定された異常事象の種類と部位に
応じて、原子炉制御装置(A)14又は原子炉制御装置
(B)15を作動させ、原子炉の安全制御を可能にしてい
る。なお、原子炉制御装置(A)14は表1の対応策Iを
行う原子炉制御装置であり、原子炉制御装置(B)15は
表1の対応策IIを行う原子炉制御装置である。
【0064】例えば、万一、出口管8が破断して冷却材
4が喪失した場合は、制御棒を一斉に挿入するスクラ
ム、ホウ酸急速注入系からのホウ酸水のカランドリアタ
ンク6内への注入による核分裂反応の抑制、及び高圧注
水系や低圧注水系などの非常用緊急炉心冷却系(ECC
S)の駆動による冷却水の炉心への注入を行う構成にし
てある。
【0065】表1には、各事象に必要な対応策の代表的
なものを示してあり、表1の対応策Iを行う原子炉制御
装置(A)14、及び表1の対応策IIを行う原子炉制御装
置(B)15では、これらの対応策を自動的に実施できる
構成にしてある。
【0066】また、対応策については、表1に記載した
以外の適切なものを採用して、表1の対応策Iを行う原
子炉制御装置(A)14、及び表1の対応策IIを行う原子
炉制御装置(B)15に組み込むことも可能である。
【0067】本実施例では、起動時の沸騰の検出を目的
の一つとしていることから、流量計の設置位置として圧
力管の出入口を選んだが、配管破断部位の検出に目的を
限定した場合は、その検出に最も適当とみられる位置に
流量計が設置される。更に、必要に応じて3台以上の流
量計を設置した場合は、配管破断部位の検出精度を一層
向上させることができる。
【0068】また、以上の説明には流量及び流量計を用
いてあるが、前述のように、速度、質量速度、運動量及
び圧力を測定する装置を用いることもできる。
【0069】次に、本発明の第2実施例を図1を用いて
説明する。第1実施例により、破断した圧力管の特定が
可能となったため、本発明では入口管7及び出口管8に
流量調整弁(図示せず)を設けてある。すなわち、破断
した圧力管1の流量調整弁を閉鎖することにより、この
圧力管1のみの隔離が可能となり、冷却材4の喪失を最
小限に抑えることができる。
【0070】また、起動時に沸騰が発生した場合は、沸
騰が発生している圧力管1の流量調節弁の開度を大きく
して、冷却材4の流量を増加させて沸騰を抑制すること
ができる。
【0071】また、流量調整弁は、入口管7又は出口管
8が万一破断した場合を考えて、入口管7では水ドラム
23(図5参照)に、出口管8では蒸気ドラム24(図
5参照)にできるだけ近くに設けてある。
【0072】更に、異常現象の規模が比較的小さい場合
は、異常の発生した圧力管1の近傍の制御棒挿入のほか
に、高圧注入ポンプや低圧注入ポンプの回転数を上げて
流量を増加させ、沸騰を抑制することができる。
【0073】本発明の第3実施例を図に基づいて説明す
る。本発明は、本発明を適用した圧力管型原子炉の冷却
材の速度に関する物理量の測定手段とその取付け方法の
実施例であり、図3は本発明による異常検出装置の流量
測定手段の具体例の説明図である。
【0074】圧力管1の入口に設けた冷却材4の流れに
関連する物理量の測定手段は、検出部として運動量を測
定するドラッグディスク21を下部遮蔽プラグ19に取
付け、冷却材4の流量の変動によってドラッグディスク
21に生じるひずみ量の変化を電気信号に変換するもの
である。
【0075】電気信号は、下部遮蔽プラグ19及びシー
ルプラグ20の内部を貫通した信号線22によって原子
炉制御装置(A)及び原子炉制御装置(B)に導かれる構造
になっている。
【0076】この測定手段は、センサを小型化に、設置
スペースを小さく、圧力損失を少なくでき、圧力管1に
信号取出しのための貫通部を設ける必要がないという効
果がある。なお、信号線22は、光ファイバーのよう
に、電気信号以外の信号伝達手段によるものも使用する
ことが可能である。
【0077】一方、圧力管1の出口に設けた冷却材4の
流れに関連する測定手段は、オリフィス16の前後の差
圧を導管17により取出し、流速に変換するものであ
る。この測定手段では、通常運転時に冷却材4が二相流
になった場合でも、流れによるセンサの破損がなく、信
頼性及び健全性が高いという効果がある。
【0078】本実施例は、冷却材4の流れに関連する物
理量の測定手段、及びその取付け方法の一例であって、
測定手段、取付方法や取付位置が異なっても、本発明を
そのまま適用することができる。すなわち、流れに関連
する物理量を、速度、質量速度及び運動量などに置き換
えて本発明を構成することが可能である。
【0079】本発明の第4実施例を図に基づいて説明す
る。図4は本発明の中間ヘッダを設けたときの説明図で
ある。
【0080】本実施例では、複数の圧力管を一つの単位
として、複数の入口管が接続する下部中間ヘッダ26、
及び複数の出口管が接続する上部中間ヘッダ27をそれ
ぞれ設け、それらの中間ヘッダに、それぞれ冷却材の流
れに関する物理量を測定する手段を設けている点が、第
1実施例と異なっている。
【0081】本実施例では、流量計の個数や演算装置の
演算量を減らすことができるので、設計及び製作のコス
トを低減することができる。
【0082】また、上記の第1〜第4実施例は、冷却材
として軽水を用いた圧力管型原子炉の場合であるが、冷
却材として重水を用いるCANDU炉をはじめとして、
種々の形式の圧力管型原子炉に対しても適用することが
できる。
【0083】
【発明の効果】本発明により、次のような効果が得られ
た。
【0084】(1)各圧力管内の冷却材の流動状態を監
視し、異常事象の生じた圧力管を特定することができ
る。
【0085】(2)冷却材の流れに関連する物理量に、
速度、体積速度、質量速度、運動量又は圧力のいずれか
が選択でき、選択の幅を大きくすることができる。
【0086】(3)冷却材の流れに関する物理量の測定
手段に、流れの運動量による機械的変形を利用したドラ
ッグディスクを用いて、流量計のセンサ部を小型化して
あり、設置スペースを小さくし、圧力損失を少なくする
ことができる。
【0087】(4)冷却材の流れに関する物理量の測定
手段を、圧力管の入口側の下部遮蔽プラグに設け、測定
手段からの信号線を下部遮蔽プラグ及びシールプラグの
内部を貫通して圧力管の外部に導いてあり、圧力管に貫
通部を設けずに、測定手段を設置することができる。
【0088】(5)冷却材の流れに関する物理量の測定
手段を、圧力管の入口及び出口に設けてあり、それぞれ
の測定手段において2点間の差圧から冷却材の速度を測
定して、通常運転時に冷却材が二相流になった場合で
も、センサ部の信頼性及び健全性を確保することができ
る。
【0089】(6)下部中間ヘッダ及び上部中間ヘッダ
を設け、複数の圧力管を一つの単位として、圧力管に連
結する入口管を下部中間ヘッダに接続し、また圧力管に
連結する出口管を上部中間ヘッダに接続し、それらの両
中間ヘッダに冷却材の流れに関する物理量の測定手段を
設けてあり、流量計の個数を少なくし、設計及び製作の
コストを低減することができる。
【0090】(7)演算装置及び判定装置を設けてあ
り、任意の圧力管、及びそれに接続する入口管と出口管
とに生じた異常現象の種類と発生部位とを速やかに検知
することができる。
【0091】(8)モニター装置を設けてあり、検知し
た異常現象の種類と発生部位とについて運転員へ迅速に
通報することができる。
【0092】(9)原子炉制御装置を設けてあり、検知
した異常現象の種類と発生部位とについて最も適切な原
子炉制御を自動的に行うことができる。
【0093】(10)入口管及び出口管に流量調節可能
な弁を設けてあり、異常が発生した圧力管に対してのみ
選択的に原子炉制御措置を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の説明図である。
【図2】本発明の演算装置の演算方法の流れ図である。
【図3】本発明の第3実施例の説明図である。
【図4】本発明の第4実施例の説明図である。
【図5】従来例の圧力管型原子炉の説明図である。
【図6】圧力管出入口の流量変化の計算結果を示す線図
である。
【符号の説明】
1…圧力管、2…カランドリア管、3…減速材、4…冷
却材、5…燃料、6…カランドリアタンク、7…入口
管、8…出口管、9…入口流量計、10…出口流量計、
11…演算装置、12…判定装置、13…モニタ装置、
14…原子炉制御装置(A)、15…原子炉制御装置
(B)、16…オリフィス、17…導管、18…上部遮蔽
プラグ、19…下部遮蔽プラグ、20…シ−ルプラグ、
21…ドラッグディスク、22…信号線、23……水ド
ラム、24…蒸気ドラム、25…再循環ポンプ、26…
下部中間ヘッダ、27…上部中間ヘッダ、28…下降
管、29…制御棒、30…制御棒案内管、31…制御棒
駆動機構、32…主蒸気ライン、33…主蒸気隔離弁、
34…給水ライン、35…高圧注水系、36…高圧注水
ポンプ、37…低圧注水系、38…低圧注水ポンプ、3
9…ホウ酸急速注入系。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核燃料及び冷却材を収納した圧力管を前
    記圧力管と同心のカランドリア管に収容し、複数個の前
    記カランドリア管と制御棒とを減速材を保有するカラン
    ドリアタンク内に配列し、前記圧力管に入口管及び出口
    管をそれぞれ設け、前記入口管、前記圧力管及び前記出
    口管の各管内を流れる前記冷却材の流路を有する圧力管
    型原子炉の異常検出装置において、前記流路の2箇所に
    前記冷却材の流れに関連する物理量を測定する手段を設
    けたことを特徴とする圧力管型原子炉の異常検出装置。
  2. 【請求項2】 前記物理量は、速度、体積速度、質量速
    度、運動量及び圧力のいずれかである請求項1項記載の
    圧力管型原子炉の異常検出装置。
  3. 【請求項3】 前記物理量を測定する手段が、前記冷却
    材の流量の増減により検出部に生ずる機械的変形を利用
    し運動量を測定する手段である請求項1又は2記載の圧
    力管型原子炉の異常検出装置。
  4. 【請求項4】 前記物理量の測定手段を、前記圧力管の
    入口側に取付けてある下部遮蔽プラグに設け、前記測定
    手段から出された信号線を前記下部遮蔽プラグ、及び前
    記圧力管の入口側に取付けてあるシ−ルプラグの内部を
    貫通して前記圧力管の外部に導いてある請求項1又は2
    記載の圧力管型原子炉の異常検出装置。
  5. 【請求項5】 前記物理量の測定手段を、前記圧力管の
    入口及び出口にそれぞれ設け、前記測定手段では前記流
    路の2点間の差圧から前記冷却材の速度を測定してなる
    請求項1又は2記載の圧力管型原子炉の異常検出装置。
  6. 【請求項6】 複数の前記圧力管を一つの単位として、
    複数の前記入口管に接続する下部中間ヘッダ、及び複数
    の前記出口管に接続する上部中間ヘッダをそれぞれ設
    け、前記下部中間ヘッダ及び前記上部中間ヘッダに前記
    冷却材の流れに関する物理量を測定する手段を設けてあ
    る請求項1又は2記載の圧力管型原子炉の異常検出装
    置。
  7. 【請求項7】 前記物理量の測定結果を受信する演算装
    置、及び前記演算装置と接続する判定装置を有し、前記
    演算装置では前記物理量の測定値と予め設定してある基
    準値との差を計算し、前記判定装置では前記差に基づい
    て異常事象の発生の有無を判定し、前記異常事象が発生
    したと判定されたときには前記異常事象の発生部位の検
    知、及び前記異常事象の種類を判定してなる請求項1〜
    6のいずれかに記載の圧力管型原子炉の異常検出装置。
  8. 【請求項8】 前記異常事象が発生したと判定されたと
    き、前記判定装置から送られる信号に基づき、前記異常
    事象の発生、前記異常事象の発生部位、及び前記異常事
    象の種類を表示するモニタ−装置を設けてある請求項7
    記載の圧力管型原子炉の異常検出装置。
  9. 【請求項9】 前記異常事象が発生したと判定されたと
    き、前記異常事象の発生部位、及び前記異常事象の種類
    に応じて、自動的に原子炉を制御する機構を具備した原
    子炉制御装置を有してなる請求項7又は8記載の圧力管
    型原子炉の異常検出装置。
  10. 【請求項10】 前記入口管及び前記出口管に前記冷却
    材の流量調節弁を設け、異常事象の発生した前記圧力管
    の前記流量調節弁のみの開度を異常事象に応じて選択的
    に調節する機構にしてある請求項1記載の圧力管型原子
    炉の異常検出装置。
JP4292477A 1992-10-30 1992-10-30 圧力管型原子炉の異常検出装置 Pending JPH06138282A (ja)

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