JPH0613762Y2 - 工作機械の心押センタ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、工作機械の心押センタ構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の心押センタは円筒研削盤,旋盤等に用いら
れ、その先端部は円錐状に形成され、加工物の円錐状の
センタ穴にその先端部を嵌入され、加工物の一方端面を
回転自在に支持するように構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、その心押センタの円錐状の先端部と加工
物の円錐状のセンタ穴とは接触状態の為、その接触摩擦
によって加工物の回転に影響を及ぼし、超精密加工に当
たっては切削面,研削面に弊害を生じさせる要因となる
不都合な面を有してる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

【０００５】加工物１端面の円錐状のセンタ穴２に嵌入
される心押センタ４であって、該心押センタ４の先端部
に多孔質材料で形成した円錐状の軸受部材５を設け、心
押センタ４の内部に供給穴６を形成し、該供給孔６を介
して軸受部材５内部に圧縮空気又は圧油を供給し、該圧
縮空気又は圧油を軸受部材５の外表面から噴出せしめる
圧縮空気又は圧油の供給部を設けたことを特徴とする工
作機械の心押センタ構造に係るものである。

【０００６】

【作用】

供給孔を介して軸受部材内部に圧縮空気又は圧油を供給
すると、それらは軸受部材の外表面から噴出し、センタ
穴内面に衝突し、センタ穴内面と軸受部材外表面との間
隙に空気膜層又は油膜層を形成する。

【０００７】

【実施例】

図１,２は本考案を適用した心押センタ構造の実施例を
示し、１は加工物、２はその円錐状のセンタ穴である。

【０００８】３は心押台、４は心押センタであって、そ
の先端部には多孔質セラミックで形成した円錐状の軸受
部材５が取り付けられ、心押センタ４の中心軸線上内部
には供給孔６が形成され、供給孔６は図外の圧縮空気源
又は油圧源たる圧縮空気又は圧油の供給部に連通されて
いる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は上述の如く構成したから、軸受部材の外表面か
ら噴出する圧縮空気又は圧油によってセンタ穴内面と軸
受部材外表面との間隙に空気膜層又は油膜層が形成さ
れ、この為無接触状態で加工物を支持でき、摩擦が著し
く低下し、この為加工物の回転性を向上でき、心押セン
タ先端部の摩損の伴う精度低下も防止でき、超精密切削
及び研削を可能にできる。

【００１０】以上、所期の目的を充分達成することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の要部断面図である。

【図２】本考案の要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 加工物 ２ センタ穴 ４ 心押センタ ５ 軸受部材 ６ 供給孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 加工物端面の円錐状のセンタ穴に嵌入さ
   れる心押センタであって、該心押センタの先端部に多孔
   質材料で形成した円錐状の軸受部材を設け、心押センタ
   の内部に供給穴を形成し、該供給孔を介して軸受部材内
   部に圧縮空気又は圧油を供給し、該圧縮空気又は圧油を
   軸受部材の外表面から噴出せしめる圧縮空気又は圧油の
   供給部を設けたことを特徴とする工作機械の心押センタ
   構造。