JPH0613694B2 - 変色時間管理層 - Google Patents

変色時間管理層

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JPH0613694B2
JPH0613694B2 JP502386A JP502386A JPH0613694B2 JP H0613694 B2 JPH0613694 B2 JP H0613694B2 JP 502386 A JP502386 A JP 502386A JP 502386 A JP502386 A JP 502386A JP H0613694 B2 JPH0613694 B2 JP H0613694B2
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宏行 赤堀
隆峰 山口
信廣 平山
春樹 堤
真 浅野
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は変色時間管理層に関する。更に詳細には液状物
質のマイクロカプセルを含んでなる〔A〕層と該マイク
ロカプセル中の成分と接触して変色を生起する物質を含
んでなる〔B〕層の間にあって、該マイクロカプセルを
破壊して流出する液状物質が〔B〕層に到達し、変色を
生起するまでの時間を制御するものであって、冷蔵ある
いは冷凍食品等の厳密な温度管理が必要な物品の温度管
理用インジケーターラベル用の変色時間管理層に関す
る。
〔従来の技術〕
従来から温度管理を必要とする物品においては所定の温
度を越えることにより非可逆的に変色する保存温度管理
ラベルの開発が望まれていた。温度管理を必要とする物
品については、例えば冷凍食品、冷蔵食品、生花、医薬
品などがあり、その保存又は輸送時にそれらの物品が正
常な管理温度に保たれているか否かを検出するための有
効な手段が、現段階では見つかっていない。又、冷凍、
冷蔵食品に代表される物品の温度管理を厳密に行う必要
があるにもかかわらず、物品の製造後必要な温度管理下
に保管されてユーザーに渡されるか否かを知ることも困
難であり、関連する業界では具体的な温度管理システム
が求められている。
本発明者等は先にこのような問題点を解決するために鋭
意検討を行い、メチン系色素前駆体および酸化性材料を
用いる非可逆発色システムを温度表示ユニットに適用し
て極めて特徴的且つ効果的なユニットを提案した(特開
昭60-53984)。即ちそのユニットとは(1)任意の融点の
疎水性有機物、(2)メチン系色素前駆体および(3)ベンゾ
キノン誘導体に代表される酸化性材料を必須の構成材料
として用いるものであって、この温度管理ユニットを用
いた温度管理用ラベルは前記(1)のマイクロカプセル、
(2)および(3)、あるいは(2)を(1)に溶解したもののマイ
クロカプセルおよび(3)を必須成分として支持体上に保
持してなるものである。
このようなユニットは厳密な温度管理を行う上できわめ
て有効なものであるが、実際の流通過程では未だ次のよ
うな問題がある。即ち、対象となる物品が規定温度以上
に暴露されることにより、雑菌の繁殖等による腐敗、変
質が生起するわけであるが、対象となる物品の性質に応
じて腐敗、変質の対象時間が異なることは云うまでもな
く、従って対象となる物品の腐敗、変質の対象時間に合
わせて変色時間を管理するインジケーターが要求され
る。このような温度管理を簡単にする為に用いられるイ
ンジケーター(ラベル又はタグ)は、例えば冷蔵食品を
考えれば対象となる食品、例えば肉あるいは魚等が高分
子材料等で包装された包装面に張りつけられるのが一般
的である。つまりインジケーターはただちに保存環境温
度に曝されるが、本来の管理対象となる肉、魚等は、自
己の有する比熱あるいは包装容器による熱遮蔽効果によ
って、ただちには環境温度に追随せず、時間的な遅れを
生ずる。また、対象物品が環境温度に追随したとして
も、ただちに腐敗、変質して食用不可になる物ばかりで
はなく、数時間あるいは数十時間経過する間に環境の条
件に応じて、つまり雑菌の繁殖等の度合に応じて食用不
可となるものからならないものまで、対象となる物品は
多種にわたる。つまり対象となるものにより食用可能な
許容保存時間がそれぞれ存在する。
一般的には法で定められている冷蔵食品は10℃以下での
保存が義務づけられている。然し10℃以上の環境温度以
上にさらされると短時間で食用不可になるものばかりで
はない。また、これとは逆に、例えば特定の医薬品や触
媒等においてはそのものの反応や変質を極度に嫌い、従
って厳密な保存温度を保たねばならず、保存温度を越え
ると速やかに変色するシステムが有用である。つまり、
対象となるものの許容保存時間がそれぞれ存在し、それ
ぞれに合ったシステムを必要とする所以である。かかる
ことから対象物品の腐敗変質挙動等の目的に応じて変色
するまでの時間を自由に制御出来るようなシステムの開
発が望まれている。
本発明者等は上記のような問題点は特定量のアクリルニ
トリル又はスチレンを含む重合体のエマルションより製
造された膜よりなる変色時間管理層等により解決される
ことを見出し、先に特許出願を行った(特願昭60-11029
7 号、特願昭60-205375号)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は上記の如く対象物品の腐敗変質挙動等の目
的に応じて変色するまでの時間を自由に制御出来るよう
なシステムの開発に成功した。しかしながらこれら高分
子のエマルション等は例えば油状物質のマイクロカプセ
ルを含んでなる〔A〕層と該油状物質と接触して変色を
生起する物品を含んでなる〔B〕層の間にコーティング
ロールバー或いはエアナイフ等で塗布を行うのである
が、均一に塗布する為には濡れ特性が問題になり、濡れ
剤の等の添加が必須となる。しかしながら多くの濡れ剤
は所定の融点をもった油状物質の融点降下を惹起する。
又、融点降下を起こさない濡れ剤は濡れ特性が不十分で
あったり問題が多い。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者等はこれらの問題を解決するために鋭意検討し
た結果、変色時間管理層に芯と殻よりなる多層構造粒子
エマルションより製造される膜を用いることで濡れ剤を
用いずに濡れ特性を改善し得ることを見出し本発明に到
達した。
即ち本発明は油状物質のマイクロカプセルを含んでなる
〔A〕層と該油状物質と接触して変色を生起する物質を
含んでなる〔B〕層の間に介在しており、該マイクロカ
プセルを破壊して流出する該油状物質が〔B〕層に到達
し、変色を生起するまでの所要時間を制御するための変
色時間管理層において、該管理層は、芯(以下コアと称
する)がアクリルニトリルを必須成分とする(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体であり、殻(以下シェルと称
する)がスチレンを必須成分とする(メタ)アクリル酸
エステル共重合体である、芯と殻よりなる多層構造粒子
エマルションを乾燥して得られる連続皮膜であることを
特徴とする変色時間管理層である。
本発明においてはコアとシェルのそれぞれの必須成分で
あるアクリルニトリルとスチレンの割合を変化させるこ
とによって、対象物品の腐敗、変質挙動等の目的に応じ
て変色するまでの時間を自由に制御することが出来る。
更に本発明に於ける変色時間管理層は特に緩慢に腐敗、
変質する物品、例えば豆製品等に優れた降下を発揮す
る。
本発明の変色時間管理層は上記の如く、コア・シェルエ
マルションを乾燥して得られる連続皮膜であり、このよ
うな目的に用いられるコア・シェルエマルションは各種
公知の重合方法、例えば光重合法、熱重合法、放射線重
合法、開環重合法、ラジカル重合法等により得ることが
できる。各種の重合法のなかでラジカル重合法が好まし
く用いられ、水系媒体中でレドックス触媒または還元剤
のみを用いたコア・シェルエマルション重合法が最も好
ましく用いられる。
本発明の変色時間管理層に用いられるコア・シェルエマ
ルションにあっては、コアがアクリルニトリルを必須成
分した(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、シ
ェルがスチレンを必須成分とした(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体である。この場合共重合に供せられる成
分は (a)アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマール酸、クロトン酸の如きエチレン性不飽和カ
ルボン酸類、 (b)ビニルトルエン、ビニルベンゼン、の如き芳香族ビ
ニル化合物(コアに於いてはスチレンを含む)、 (c)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタアクリル酸
メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチ
ル、メタアクリル酸2-エチルヘキシルの如きアクリル酸
或いはメタアクリル酸のアルキルエステル、 (d)アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒド
ロキシエチルの如きアクリル酸或いはメタアクリル酸の
ヒドロキシアルキルエステル、 (e)アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミ
ドなどのアクリルアミド或いはメタアクリルアミドの誘
導体、 更に、ジアセトンアクリルアミド、ビニルピロリドン、
アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジル、酢
酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、メタクリルニ
トリル(シェルに於いてはアクリルニトリルを含む)な
どの各種モノマー成分があげられる。さらに上述の非イ
オン性或いは陰イオン性モノマーに加えてトリメチルア
ミノエチルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルメ
タアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレー
ト、トリエチルアミノエチルメタアクリレートのような
陽イオン性ビニルモノマーが挙げられる。もちろん用い
られる成分はこれら例示化合物に限定されることはな
い。3種以上のモノマーを使用する事ももちろん差支え
ない。また共重合体は二種以上混合して用いてもよい。
これら共重合に供せられる各種の成分は予め混合した状
態で重合させてもよく、段階的にモノマーを加えてブロ
ック共重合させてもよく、グラフト共重合させてもよ
い。
この様にして得られるコア・シェルエマルションを乾燥
して得られる連続皮膜が本発明の変色時間管理層として
用いられる。
本発明におけるコア・シェルエマルションは、平均粒子
径が0.01〜2.0μ、好ましくは0.05〜0.8μの微
細な粒子の白色水懸濁液であって、乾燥して水分が蒸発
することによりポリマー粒子同志が融着をおこして均一
フイルムを生成する性質を有するものが好ましい。また
コア・シェルエマルションはコーティング等により支持
体上に応用され、乾燥製膜させることにより変色時間管
理層となるが、コーティングあるいは印刷により設けら
れた層が一般的な乾燥条件で製膜して連続フイルムを効
果的に形成するために、共重合体のガラス転移点は80℃
以下、好ましくは60℃以下であることが好ましい。
本発明の発色時間管理層は、具体的には支持体上に設け
られた油状物質のマイクロカプセルを含んでなる〔A〕
層と該マイクロカプセル中の成分と接触して変色を生起
する物質を含んでなる〔B〕層との間に設ける。支持体
としては紙又は高分子等の柔軟性を有するフイルム状物
が一般的に用いられ、その上に〔A〕層あるいは〔B〕
層を、一般的には各種のコーティング法、例えばエアナ
イフコーティング、バーコーティング、ブレードコーテ
ィング、グラビアコーティング、ロールコーティングな
どの方法、あるいは各種印刷方法、例えばグラビア印
刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等
の方法によって設ける。その上にに本発明のコア・シェ
ルエマルションを前述した方法によりコーティング又
は、印刷をするが、一般的にはコーティング法を用い
る。
好ましい態様では本発明の変色時間管理層を用いる場合
には、低粘度の水性懸濁液として得られるため、エアナ
イフコーター、バーコーターなどの低粘度塗液を塗布す
るに適したコーティング方式が一般に好んで用いられ
る。
本発明の変色時間管理層は乾燥厚みで0.01〜20μ、好ま
しくは0.05〜10μ程度の極めて薄い連続フイルム状であ
って、上記のコーティング方式で塗布後、充分に連続フ
イルムを形成しうる温度迄昇温乾燥することにより設け
る。更にその上層に〔B〕層あるいは〔A〕層を設け
る。これらの層についてもコーティングあるいは印刷方
式により設ける。このようにして〔A〕層と〔B〕層の
間に本発明の変色時間管理層を設ける事が出来る。
本発明の変色時間管理層を設けたラベル状商品に於いて
は時間管理された変色部分が文字または絵柄状であるこ
とが求められる場合が多いので、印刷方式は、とりわけ
マイクロカプセルを含んでいる層の印刷を行う場合に
は、圧力によるマイクロカプセルの破壊をおこす可能性
のある印刷方式は不都合であり、スクリーン印刷方式が
最も好ましく用いられる。
コア・シェルエマルションは油状物質のマイクロカプセ
ル層と顕色剤層の中間に設ける変色時間管理層の主成分
となる組成物で、該油状物質の膨潤、拡散、浸透等を制
御する役目を果す性質を有したものでなければならな
い。ちなみにバリヤー効果のみ大きい樹脂類の膜はそれ
自体油状物質を通さないため本発明の変色時間管理層と
しては不適当であり、また、バリヤー効果の小さすぎる
樹脂類の膜は油状物質を素通りさせるため、やはり本発
明の変色時間管理層として不適当である。つまり本発明
で要求される変色時間管理層になり得る条件として適度
なバリヤー性と適度なキャリアー性の双方の性質を兼ね
備えたものでなければならず、コア・シェルエマルショ
ンの乾燥膜を使うことによりかかる目的は達成される。
また本発明のコア・シェルエマルションのコアとシェル
に於いて、それぞれの好ましいモノマーであるアクリル
ニトリルとスチレンの使用割合を変化させると、漏れ特
性には弊害が生ぜず、変色挙動のみが変化する。この場
合、コアとなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体中
のアクリルニトリルと、シェルとなる(メタ)アクリル
酸エステル共重合体中のスチレンの比は、モル比で好ま
しくは1:99〜70:30、更に好ましくは10:90〜50:50の範
囲である。
また、コア・シェルエマルションには改質の目的に応じ
てそれ以外の高分子のエマルション、ラテックス、或い
は水系高分子等の1種または2種以上を配合できること
は云うまでもない。
本発明においては変色を生起させる手段として、例えば
特開昭60-53984号に提案されたようなメチン系色素前駆
体とベンゾキノン誘導体による発色やフタリド誘導体と
有機あるいは無機の固体酸による発色を利用することが
できる。例えばこれら発色性分の一方を管理を必要とす
る温度付近に融点を有する疎水性有機化合物に溶解して
油状物質となし、公知の方法によりマイクロカプセル化
し、これを〔A〕層に含有せしめ、他方を〔B〕層に含
有させてもよい。また上記疎水性有機化合物をマイクロ
カプセル化して〔A〕層に含有させ、両発色成分を
〔B〕層に含ませてもよい。またこれらの変形も用いら
れる。疎水性有機化合物は目的に応じて種々のものが用
いられるが、例えば−30℃〜+50℃の範囲にシャープな
融点を有する不揮発性疎水性有機化合物としてのn−カ
プリン酸−n−ブチル、n−カプリン酸エチル、酢酸−
n−ドデシル、n−ウンデカン酸エチル、n−デシルベ
ンゼン、カプロン酸ウンデシル、カプリン酸ヘプチル、
ラウリン酸−n−ブチル、ミリスチン酸−n−ブチル、
n−ドデシルベンゼン、ラウリン酸メチル、ミリスチン
酸エチル、パルミチン酸イソブチル、パルミチン酸−n
−ブチル、ミリスチン酸メチルなどがあげられる。
〔A〕層および〔B〕層は前記マイクロカプセルや変色
を生起する物質の他に、コーティングや印刷適性を良好
にする等の目的で天然あるいは合成高分子のバインダー
や溶剤、無機あるいは有機のフイラーを含むのが一般的
である。
本発明の変色時間管理層を設けてなる温度指示ラベルは
使用に際し、ロール圧、衝撃圧等でマイクロカプセルを
破壊させる。管理温度以上になるとマイクロカプセル内
物質が融解し、本発明の変色時間管理層を溶解、浸透、
拡散等により通過した後に変色が開始する。変色開始に
要する時間はマイクロカプセル内の油状物質の粘度、極
性、分子量などで変化するので、要求される変色開始迄
の所要時間に応じて用いる時間管理層のモノマー構成、
粒径、分子量、皮膜厚み等を変化させて対応させる。
〔実施例〕
以下、合成例、実施例、比較例により本発明を説明す
る。なお、%、部は特記する以外は重量%、重量部であ
る。
以下に述べる方法でサンプル〔A〕〜〔F〕を調整し
た。
合成例 1 加熱装置を付けた1丸底フラスコに撹拌機を取付け、
水519.4g、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ソー
ダ5gおよび還元剤としてロンガリット0.6gを仕込
み、ゆっくりと撹拌しながら85℃に昇温後、コア物質と
してアクリルニトリルモノマー17.21g、ブチルアクリレ
ートモノマー83.13g、メタクリル酸モノマー5.58
g、アクリル酸3.11gを混合したものをチャージポン
プを用い40分かけて滴下し、平均粒子径0.13μの白
く濁ったコア物質を得た。このものに更にシェル物質と
してスチレンモノマー191.07g、ブチルアクリレートモ
ノマー166.22g、メタクリル酸モノマー5.58g、アクリル
酸モノマー3.11gを混合したものをチャージポンプ
を用いて2時間かけて滴下し、更に2時間反応を継続
し、白く濁ったエマルション1000gを得た。このものの
平均粒子径は0.21μ、濃度は47.5%であった。得られた
コア・シェルエマルションのコアとシェルのそれぞれに
おけるアクリルニトリルとスチレンの割合はモル比で15
対80であった。これを試料〔I〕とする。
合成例 2 合成例1と同様の装置に水492.2g、乳化剤としてジオク
チルスルホコハク酸ソーダ7g、還元剤としてロンガリッ
ト0.8gを仕込み、ゆっくり撹拌しながら85℃に昇温後、
コア物質としてアクリルニトリルモノマー55.60
g、ブチルアクリレートモノマー80.70g、メタクリル酸
モノマー5.41g、アクリル酸モノマー3.02gを混
合したものをチャージポンプを用いて1時間かけて滴下
し、平均粒子径が0.11μの白く濁ったコア物質を得た。
このものに、さらにシェル物質としてスチレンモノマー
185.48g、ブチルアクリレートモノマー161.35g、
メタクリル酸モノマー5.41g、アクリル酸モノマー
3.02gを混合したものをチャージポンプを用いて2.5時間
かけて滴下し、さらに3時間反応を継続し、白く濁った
エマルション1000gを得た。このものの平均粒子径は
0.20μであり、濃度は50.0%であった。得られたコ
ア・シェルエマルションのそれぞれにおけるアクリルニ
トリルとスチレンの割合はモル比で50対50であった。こ
れを試料〔II〕とする。
合成例 3 合成例1と同様の装置に水490.8g、乳化剤としてジオク
チルスルホコハク酸ソーダ10g、還元剤としてロンガリ
ット1.2gを仕込み、ゆっくりと撹拌しながら85℃に昇温
後、コア物質としてアクリルニトリルモノマー83.0
7g、ブチルアクリレートモノマー75.35g、メタクリル
酸モノマー5.05g、アクリル酸モノマー2.82gを
混合したものをチャージポンプを用いて1.5時間かけ
て滴下し、平均粒子径0.10μの白く濁ったコア物質
を得た。このものに更にシェル物質としてスチレンモノ
マー173.18g、ブチルアクリレートモノマー15
0.65g、メタクリル酸モノマー5.05g及びアクリ
ル酸モノマー2.82gを混合したものをチャージポン
プを用いて3時間かけて滴下し、更に4時間反応を継続
し、白く濁ったエマルション1000gを得た。このものの
平均粒子径は0.19μ、濃度は49.8%であった。得ら
れたコア・シェルエマルションのそれぞれにおけるアク
リルニトリルとスチレンの割合はモル比で80対20モルで
あった。これを試料〔III〕とする。
合成例 4 合成例1と同様の装置に水487.5gとドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ10gを仕込み、更に重合触媒として過硫
酸カリウム1.0gと亜硫酸水素ナトリウム0.5gを加
え、ゆっくり撹拌しながら70℃に昇温後、スチレンモノ
マー128.9g、ブチルアクリレートモノマー28
5.9g、アクリルニトリルモノマー65.7g、メタク
リル酸モノマー17.1g、アクリル酸モノマー3.6g
を混合したものをチャージポンプを用い毎分5gの割合
で滴下し、モノマーシャージ後7時間後に白く濁ったエ
マルション1000gを得た。このものの平均粒子径は0.
28μ、濃度は50.1%であった。得られたエマルション
のそれぞれにおけるスチレンとアクリルニトリルの割合
はモル比で50対50であった。これを試料〔IV〕とする。
合成例 5 200ml入りステンレス製ビーカーに10%ポリビニルアル
コール100gを仕込み、これに2,5-ジ-n-ブトキシカルボ
ニル-3,6-ジフェニルスルホニル-1,4-ベンゾキノン1g
を添加して、高速撹拌(1000RPM)で3時間微粒化を行
い、顕色剤分散液を得た。
別の容器に水50g、炭酸カルシウム20g、10%澱粉20gを
入れ、頚色剤分散液10gを添加し、撹拌混合して、固形
分23%、粘度150センチポイズの塗液を得た。これを試
料〔V〕とする。
合成例 6 4,4′-ビス-ジメチルアミノ-3″-メチル-4″-エトキシ-
トリフェニルメタンを2%溶解したミリスチン酸エチル
エステルを公知のIn-Situ重合法によりメラミン樹脂膜
で被覆して、マイクロカプセルスラリーを得た(平均粒
径4.0μ、固形分50%)。該マイクロカプセルスラリー1
00部、スチレンブタジエンラテックス20部及び水100部
を混合してカプセル含有塗液を得た。これを試料〔VI〕
とする。
合成例1〜3で得たコア・シェルエマルション(試料
〔I〕〜〔III〕)、合成例4で得たスチレン−アクリ
ルニトリル共重合エマルション(試料〔IV〕)、合成例
5で得た顕色剤(試料〔V〕)、合成例6で得た色素前
駆体のマイクロカプセル(試料〔VI〕)を組合せて用
い、実施例1〜3及び比較例1及び5%カルボキシメチ
ルセルロースを変色時間管理層とした比較例2及び変色
時間管理層なしの比較例3を行った。
実施例 1 一般上質紙(坪量80g/m2)の上に試料〔V〕の顕色剤を
No.10のコーティングロールバーを用いて固形分で5g/m
2になるよう塗工し、80℃、1分乾燥後、顕色剤層を得
た。
このものに試料〔I〕のコア・シェルエマルションを固
形分で2g/m2になるようNo.10のコーティングロールバ
ーを用いて塗工し、80℃、1分乾燥した。
次に試料〔VI〕のマイクロカプセルを固形分で6g/m2
なるようNo.10のコーティングロールバーを用いて塗工
し、80℃、1分乾燥した。以上により顕色剤層、変色時
間管理層、マイクロカプセル層の3層からなる試料を得
た。これをサンプル〔A〕とする。
実施例 2 コア・シェルエマルションとして試料〔II〕を用いた以
外は実施例1と同様にしてサンプル〔B〕得た。
実施例 3 コア・シェルエマルションとして試料〔III〕を用いた
以外は実施例1と同様にしてサンプル〔C〕得た。
比較例 1 コア・シェルエマルションのかわりに試料〔IV〕のアク
リルニトリル−スチレン共重合体を用いた以外は実施例
1と同様にしてサンプル〔D〕を得た。
比較例 2 試料〔I〕のコア・シェルエマルションのかわりに5%
のカルボキシメチルセルロース溶液を用いた以外は実施
例1と同様にしてサンプル〔E〕を得た。
比較例 3 コア・シェルエマルションを全く塗工しなかった以外は
実施例1と同様にしてサンプル〔F〕を得た。。
以上の試料〔I〕〜〔IV〕及び5%カルボキシメチルセ
ルロース溶液について濡れ特性試験を、又サンプル
〔A〕〜〔F〕について変色試験を行った。
(濡れ特性試験条件) 1)縦10cm、横5cm、厚さ2mmの洗浄したガラス片5枚を
用意し、水平に保つ。次に試料〔I〕〜〔IV〕及び5%
カルボキシメチルセルロース溶液をそれぞれのガラス片
上に2μになるようアップリケータロールを用いて1回
塗工する。
室温にて乾燥し、4cm2当りのハジキを肉眼で観察し、
ハジキの個数で表す。
2)一般上質紙(坪量80g/m2)の上に試料〔V〕の顕色剤
をNo.10のコーティングロールバーを用いて固形分で5g
/m2になるよう塗工し、80℃1分間乾燥後、顕色剤層を
得た。
このものを5枚用意し、それぞれに試料〔I〕〜〔IV〕
及び5%カルボキシメチルセルロース溶液を固形分2g/
m2になるようNo.10のコーティングロールバーを用いて
塗工し、80℃1分間乾燥後10cm2当たりのハジキを肉眼
で観察しハジキの個数で表す。
(変色試験条件) 1)マイクロカプセル破壊機:スーパーカレンダー (線
圧100kg/cm) 2)マイクロカプセル破壊温度:常温 3)温度履歴:マイクロカプセル破壊後常温に5分放置
し、次に0℃の冷凍室に投入し2時間放置後15℃に昇
温、その後15℃に維持する。
4)測色:目視(任意の時間帯でチエック) 次に濡れ特性試験結果を表-1に、変色試験結果を表-2に
示す。
〔発明の効果〕 以上表-1の濡れ特性結果及び表-2の変色試験結果につい
て説明する。本発明におけるコア・シェルエマルション
を塗工し、次に乾燥して得られる膜よりなる変色時間管
理層を設けることにより、濡れ剤を用いずに、従って所
定の融点をもった油との融点降下を起こさずに濡れ特性
が改良され、変色が均一となり、更にコアの成分である
アクリルニトリルとシェルの成分であるスチレンの割合
を変えることにより変色時間管理層としての機能を十分
発揮することが明白となった(実施例1〜3)。ちなみ
に比較例1のスチレン−アクリルニトリル共重合体は濡
れ剤を用いないとハジキムラを生じ、発色ムラの原因と
なり発色濃度が到達しなかった。
又比較例2のカルボキシメチルセルロースを変色時間管
理層として検討した結果、冷蔵庫内の水分で溶出し、全
く時間管理層の役目を果さなかった。更に、比較例3は
マイクロカプセル破壊後、0℃の冷蔵庫に投入する前に
変色してすぐ変色濃度が高くなり、全く時間的管理が出
来なかった。
以上から本発明のコア・シェルエマルションを塗工し
て、乾燥して得られる変色時間管理層を用いることによ
り、それぞれの物品の許容保存時間に合った誘導時間を
自由に制御することが出来、温度管理用インジケーター
用に極めて有効であることは明白である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油状物質のマイクロカプセルを含んでなる
    〔A〕層と該油状物質と接触して変色を生起する物質を
    含んでなる〔B〕層の間に介在しており、該マイクロカ
    プセルを破壊して流出する該油状物質が〔B〕層に到達
    し、変色を生起するまでの所要時間を制御するための変
    色時間管理層において、該管理層は、芯がアクリルニト
    リルを必須成分とする(メタ)アクリル酸エステル共重
    合体であり、殻がスチレンを必須成分とする(メタ)ア
    クリル酸エステル共重合体である、芯と殻よりなる多層
    構造粒子エマルションを乾燥して得られる連続皮膜であ
    ることを特徴とする変色時間管理層。
JP502386A 1986-01-16 1986-01-16 変色時間管理層 Expired - Lifetime JPH0613694B2 (ja)

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