JPH06136138A - ポリビニルアルコール系樹脂の溶融成形方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系樹脂の溶融成形方法

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JPH06136138A
JPH06136138A JP31150592A JP31150592A JPH06136138A JP H06136138 A JPH06136138 A JP H06136138A JP 31150592 A JP31150592 A JP 31150592A JP 31150592 A JP31150592 A JP 31150592A JP H06136138 A JPH06136138 A JP H06136138A
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polyvinyl alcohol
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plasticizer
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田 宗 利 冨
Shinji Noma
馬 信 司 野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、成形性、柔軟性、耐溶剤性に優れ
たポリビニルアルコール系樹脂成形物を製造できる溶融
成形方法を提供する。 【構成】 1級炭素原子に結合したヒドロキシル基を含
有するモノマー単位を有するポリビニルアルコール、特
に、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール又は
アリルアルコール変性ポリビニルアルコールにカルボキ
シル基、エポキシ基、カルボン酸エステル基の少なくと
も1種以上をもつヒドロキシル基含有化合物を配合した
組成物を溶融成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐溶剤性に優れたポリ
ビニルアルコール系樹脂の溶融成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール系樹脂の成形物、
例えばフィルムは、保香性、透明性、耐油性、帯電防止
性、酸素遮断性、保温性などの性質に優れており、また
親水性、水溶解性ないし水分散性を有するので、通常の
疎水性重合体のフィルムには適さない用途にも用いるこ
とができる。
【0003】ポリビニルアルコールからフィルムを得る
方法としては、通常、該重合体を水に溶解して流延する
方法が採用される。この場合、得られたフィルムは高湿
条件下では柔軟であるが、低湿条件下では柔軟性が損な
われるという性質を有するので、低湿条件下でも柔軟性
を保つために流延成型時にグリセリン等の可塑剤を配合
することが行われる。ポリビニルアルコールからフィル
ムやその他の成形物を得る方法として、該重合体を含水
状態で溶融押出しする方法も知られている。この場合
も、得られる成形物の柔軟性を保つために可塑剤を併用
することが多い。ポリビニルアルコールを実質的に無水
の条件下で溶融押出しすることも試みられてはいるがポ
リビニルアルコールは軟化点が高い上、その軟化点が熱
分解度に近いため、ポリビニルアルコール単独で溶融押
出しは困難である。そこでポリビニルアルコールを溶融
成形する際には、グリセリン等の可塑剤を多量に配合し
て押出成形に供することが行われる。なお、ポリビニル
アルコールの射出成形は一般的に行われていない。
【0004】上記の如く、ポリビニルアルコールからフ
ィルムやその他の成形物を得るには、柔軟性を得るべく
可塑剤が配合されるのだが、該可塑剤を配合することに
より新たな欠点を生じる。即ち、ポリビニルアルコール
自身は非常に優れた耐溶剤性を有しているにもかかわら
ず、配合される可塑剤が各種溶剤により溶出されるた
め、有機溶剤が関係する用途には適用困難であった。ま
た、該可塑剤は溶融成形時に蒸発が激しく、製品の品
質、作業性、及び作業環境を阻害することが著しい。そ
こで、かかる欠点を解決すべくポリビニルアルコールの
可塑剤についての研究が行われ、例えば次のような種々
の出願がなされている。例えば、特開昭49−1209
46号公報には、ポリビニルアルコールの可塑剤として
グリセリン・フタル酸エステルが示されている。特開昭
49−131240号公報には、ポリビニルアルコール
の可塑剤としてグリセリン・プロピオン酸付加物が示さ
れている。特開昭51−123257号公報には、ポリ
ビニルアルコールの可塑剤として多価アルコールと多価
カルボン酸とのエステル化物、多価アルコール同士の脱
水エーテル化物、または多価アルコールのモノグリシジ
ルエーテル付加物が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
可塑剤を用いても良好な成型加工性を保持しながら、か
つ耐溶剤性に優れた成型物を得ることは困難であり、そ
の改善が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者等はか
かる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、1級炭素
原子に結合したヒドロキシル基を含有するモノマー単位
を有するポリビニルアルコールにカルボキシル基、エポ
キシ基、カルボン酸エステル基の少なくとも1種以上を
もつヒドロキシル基含有化合物を配合した組成物を溶融
成形した場合にかかる目的が達成できることを見いだし
本発明を完成するに至った。本発明は、可塑剤のみの改
良では耐溶剤性の改善には限度があると判断し、ポリビ
ニルアルコールにも改良を加えるものである。即ち、本
発明のポリビニルアルコールは、1級アルコール単位を
ポリマー中に存在させるため、反応性にとみ、成型時あ
るいは必要に応じての後処理工程で可塑剤との反応が容
易に起こり、その結果各種溶剤に対して該可塑剤の溶出
を阻止できるのである。特に、本発明のごとき可塑剤を
用いた際にかかる効果が大きい。
【0007】以下、本発明について詳述する。本発明で
用いられる1級炭素原子に結合したヒドロキシル基を含
有するモノマー単位を有するポリビニルアルコールと
は、具体的には、オキシアルキレン基含有ポリビニルア
ルコール、アリルアルコール変性ポリビニルアルコール
等を示す。オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコー
ルとは、典型的には、酢酸ビニルと、ポリオキシエチレ
ン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メ
タ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メ
タ)アリルエーテルとを共重合し、ついでケン化するこ
とにより得られる。
【0008】この場合、ポリオキシアルキレン(メタ)
アリルエーテルの共重合割合は0.2モル%以上、特に
0.5〜20モル%が適当である。ポリオキシエチレン
(メタ)アリルエーテルの共重合割合が0.2モル%未
満の場合は本発明のごとき優れた効果は発揮できない。
ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテルにおける
ポリオキシアルキレンの縮合度は1〜300、特に3〜
50であり、又、オキシアルキレン基含有ポリビニルア
ルコール全体に占めるオキシアルキレン単位の割合が3
〜40重量%であることが好ましい。このことは、共重
合体におけるオキシアルキレン単位の局在−非局在の程
度およびオキシアルキレン単位の長さに最適範囲がある
ことを示している。
【0009】オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコ
ールにおける酢酸ビニル単位のケン化度は50〜100
モル%、好ましくは70〜99モル%が適当であり、重
量平均重合度は150〜1500、好ましくは250〜
1000が適している。なお、共重合成分としてポリオ
キシアルキレン(メタ)アリルエーテル以外の成分、例
えばα−オレフィン(エチレン、プロピレン、長鎖α−
オレフィン等)、エチレン性不飽和カルボン酸系モノマ
ー、(アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、ビニルエーテル
等)を30モル%以下程度であれば含有してもよい。オ
キシアルキレン基含有ポリビニルアルコールを得るとき
の酢酸ビニルとポリオキシアルキレン(メタ)アリルエ
ーテルとの重合方法としては通常、溶液重合法が採用さ
れ、場合により懸濁重合法、エマルジョン重合法などを
採用することもできる。得られる共重合体のケン化反応
としては、アルカリケン化法、酸ケン化法などが採用さ
れる。
【0010】オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコ
ールは上記のほか、酢酸ビニルと、ポリオキシエチレン
(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)
アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルア
ミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、
ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−
1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチ
レンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエー
テルなどを共重合し、ついでケン化することによっても
得ることができる。オキシアルキレン基含有ポリビニル
アルコールは、そのほか、ポリビニルアルコールとアル
キレンオキシドの反応、あるいはポリオキシアルキレン
グリコールに酢酸ビニルをグラフト重合する反応および
それに引き続くケン化によっても得ることができる。
【0011】アリルアルコール変性ポリビニルアルコー
ルとは、典型的には、酢酸ビニルとアリルアルコールあ
るいはアリルアセテートとを共重合し、ついでケン化す
ることにより得られる。この場合も、アリルアルコール
単位の共重合割合は0.2モル%以上、特に0.5〜2
0モル%が適している。アリルアルコール単位の共重合
割合が0.2モル%未満の場合は本発明のごとき優れた
効果は発揮できない。又、アリルアルコール変性ポリビ
ニルアルコール全体に占めるアリルアルコール単位の割
合が0.5〜25重量%であることが好ましい。
【0012】アリルアルコール変性ポリビニルアルコー
ルにおける酢酸ビニル単位のケン化度は50〜100モ
ル%、好ましくは70〜99モル%が適当であり、重量
平均重合度は150〜1500、好ましくは250〜1
000が適当である。なお、共重合成分としてアリルア
ルコール以外の成分、例えばα−オレフィン(エチレ
ン、プロピレン、長鎖α−オレフィン等)、エチレン性
不飽和カルボン酸系モノマー、(アクリレート、メタク
リレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩
化ビニル、ビニルエーテル等)を30モル%以下程度で
あれば含有してもよい。アリルアルコール変性ポリビニ
ルアルコールを得るときの原料共重合体の重合方法とし
ては通常、溶液重合法が採用され、場合により懸濁重合
法、エマルジョン重合法などを採用することもできる。
共重合体のケン化反応としては、アルカリケン化法、酸
ケン化法などが採用される。
【0013】本発明の可塑剤とは、カルボキシル基、エ
ポキシ基、カルボン酸エステル基の少なくとも1種以上
をもつヒドロキシル基含有化合物である。具体的に示
す。カルボキシル基及びヒドロキシル基含有化合物とし
ては、グリセリン酸、グリコール酸、ο−ヒドロキシフ
ェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニル酢酸、α−ヒドロ
キシイソ酢酸、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸、酒
石酸、及びその無水物、ヒドロキシグルタル酸、及びそ
の無水物、ジヒドロキシグルタル酸、及びその無水物、
ヒドロキシコハク酸、及びその無水物、ο−ヒドロキシ
安息香酸、m−ヒドロキシフェニル安息香酸、p−ヒド
ロキシフェニル安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香
酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロ
キシ安息香酸、没食子酸、1,3−ジオールペンタン
酸、m−ヒドロキシマンデル酸、p−ヒドロキシマンデ
ル酸、2ーヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、3,
4−ジヒドロキシマンデル酸等が挙げられる。エポキシ
基及びヒドロキシル基含有化合物としては、2,3−エ
ポキシ−1−プロパノール、2,3−エポキシ−3−フ
ェニル−1−プロパノール、2,3−ジヒドロキシ−
1,4−ジオキサン等が挙げられる。カルボン酸エステ
ル基及びヒドロキシル基含有化合物としては、サリチル
酸エチル、サリチル酸プロピル、サリチル酸ブチル、酒
石酸ジメチル、酒石酸ジエチル等が挙げられる。
【0014】かかる可塑剤の混合割合は、ポリビニルア
ルコールの1級炭素原子に結合したヒドロキシル基を含
有するモノマーの変性割合により多少異なるが、ポリビ
ニルアルコールに対して1〜35重量部、好ましくは5
〜25重量部が適している。混合方法としては、従来知
られている混合機例えばヘンシェルミキサー、スーパー
ミキサー等を用いて行えばよい。混合する場合、各々混
合物を予め乾燥するか、あるいは混合しながら乾燥して
混合物中の水分を除去しておく必要がある。混合と同時
または混合後に加温して熟成すれば、溶融成型性がよく
なる。かかるポリビニルアルコール系樹脂には必要に応
じて、更に充填剤、着色剤、安定剤をはじめ種々の添加
剤を加えることも可能である。また本発明の趣旨を損な
わない範囲で他のポリマーを配合することもでき、ある
いは逆に他のポリマーに上記のポリビニルアルコール系
樹脂を配合することもできる。
【0015】成形法としては、流延法、射出成形法、押
出成形法、トランスファー成形法等が挙げられる。なお
押出成形には、ブロー成形、インフレーション成形、共
押出成形、エクストルージョンコーティングなども含ま
れる。流延法はとしては、公知の回転ドラム方式、エン
ドレスベルト方式いずれもが採用し得る。ポリビニルア
ルコール系樹脂を濃度15〜25%の水溶液として流延
に供される。最適の濃度は、この範囲からポリビニルア
ルコールの種類、目的とする膜厚、乾燥効率等を考慮し
て決定される。該水溶液の温度は80〜100℃程度に
保って流延するのが普通であり、一方成形物の乾燥温度
は60〜110℃程度に設定するのが普通である。射出
条件としては、例えば、シリンダー温度150〜250
℃程度、金型温度10〜100℃程度、射出圧力500
〜2000Kg/cm2程度の条件が採用される。押出
成形条件としては、例えば、ダイ温度を150〜250
℃程度に設定し、スクリュー圧縮部温度を吐出部温度よ
り5〜30℃高い温度に設定して行うことが好ましい。
【0016】本発明によって得られる成形物の形態は、
ボトル、フィルム、シート、ホース、チューブ、容器、
袋、繊維、発泡体等として使用することができ、特に耐
有機溶剤性が必要な用途、例えば、農薬、肥料、石油系
溶剤(クルードオイル、ガソリン、揮発油)、油脂類
(機械油、ワックス、食用油)等の包装用のボトル、フ
ィルム、成形体等に有用である。又、必要に応じて耐水
性付与のため、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン系
ポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネイト、ポリアミド、ポリウレタン等をかかる
成形物にラミネートすることも可能である。
【0017】
【作 用】本発明においては、特定のポリビニルアル
コール及び特定の可塑剤を用いることにより、成形加工
が容易であり、かかるポリビニルアルコール系樹脂から
得られる成形物は、低湿時雰囲気下でも柔軟性に富み、
しかも耐溶剤性が一段と向上するものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明において実例を挙げて更に詳述
する。 《成形物の製造》 実施例1 オキシアルキレン単位の平均縮合度が10のポリオキシ
エチレンモノアリルエーテルと酢酸ビニルとをメタノー
ル中でアゾビスイソブチロニトリルの存在下に共重合
し、ついで残存モノマーを追い出した後、得られる共重
合体を水酸化ナトリウムを用いメタノール溶液中でケン
化した。このポリマーの重量平均重合度は290、ポリ
オキシエチレンモノアリルエーテル単位の共重合割合は
1.5モル%、ポリマー全体に占めるオキシアルキレン
単位の割合は14.4重量%、酢酸ビニル成分のケン化
度は97モル%であった。かかるオキシアルキレン基含
有ポリビニルアルコール100重量部、グリセリン酸
3.05重量部を150℃に加温したスーパーミキサー
で40分間混合してポリビニルアルコール系樹脂を得
た。上記で得たポリビニルアルコール系樹脂を一旦押出
機に供給して温度210℃で押し出し、テストピースを
製造した。
【0019】実施例2 下記に示すポリビニルアルコール及び可塑剤を用いて実
施例1に準じて実験を行った。 ポリビニルアルコール 重量平均重合度:310 ポリオキシエチレンモノアリルエーテル(オキシエチレ
ンの縮合度は10)単位の共重合割合:2.0モル% ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合:1
8.2重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:96モル% 混合割合:100重量部 可塑剤 酒石酸 混合割合:5.48重量部
【0020】実施例3 下記に示すポリビニルアルコール及び可塑剤を用いて実
施例1に準じて実験を行った。 ポリビニルアルコール 重量平均重合度:350 ポリオキシエチレンモノアリルエーテル(オキシエチレ
ンの縮合度は5)単位の共重合割合:2.0モル% ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合:1
0.8重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:93モル% 混合割合:100重量部 可塑剤 サリチル酸エチル 混合割合:6.44重量部
【0021】実施例4 下記に示すポリビニルアルコール及び可塑剤を用いて実
施例1に準じて実験を行った。 ポリビニルアルコール 重量平均重合度:400 ポリオキシエチレンアクリルアミド(オキシエチレンの
縮合度は5)単位の共重合割合:2.5モル% ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合:1
3.29重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:94モル% 混合割合:100重量部 可塑剤 2,3−エポキシ−1−プロパノール 混合割合:3.54重量部
【0022】実施例5 下記に示すポリビニルアルコール及び可塑剤を用いて実
施例1に準じて実験を行った。 ポリビニルアルコール 重量平均重合度:520 ポリオキシプロピレンメタクリルアミド(オキシプロピ
レンの縮合度は5)単位の共重合割合:2.5モル% ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合:1
3.4重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:90モル% 混合割合:100重量部 可塑剤 ジヒドロキシ無水グルタル酸 混合割合:12.2重量部
【0023】実施例6 下記に示すポリビニルアルコール及び可塑剤を用いて実
施例1に準じて実験を行った。 ポリビニルアルコール 重量平均重合度:1000 ポリオキシエチレンビニルエーテル(オキシエチレンの
縮合度は5)単位の共重合割合:5.0モル% ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合:2
3.3重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:96モル% 混合割合:100重量部 可塑剤 2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン 混合割合:19.3重量部
【0024】実施例7 下記に示すポリビニルアルコール及び可塑剤を用いて実
施例1に準じて実験を行った。 ポリビニルアルコール 重量平均重合度:800 アリルアルコール単位の共重合割合:5.0モル% ポリマー全体に占めるアリルアルコール単位の割合:
6.0重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:90モル% 混合割合:100重量部 可塑剤 グリセリン酸 混合割合:16.4重量部
【0025】実施例8 下記に示すポリビニルアルコール及び可塑剤を用いて実
施例1に準じて実験を行った。 ポリビニルアルコール 重量平均重合度:600 アリルアルコール単位の共重合割合:5.0モル% ポリマー全体に占めるアリルアルコール単位の割合:
6.3重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:90モル% 混合割合:100重量部 可塑剤 酒石酸ジメチル 混合割合:18.3重量部
【0026】比較例1〜2 下記に示すポリビニルアルコール及び可塑剤[グリセリ
ン酸(比較例1)、酒石酸(比較例2)]を用いて実施
例1に準じて実験を行った。 ポリビニルアルコール 重量平均重合度:330 酢酸ビニル成分のケン化度:90モル% 比較例3 実施例1におけるグリセリン酸をグリセリンに代えた以
外は同例に準じて実験を行った。 比較例4 可塑剤を用いなかった以外は実施例1に準じてポリビニ
ルアルコール系樹脂を得た。 比較例5 可塑剤を用いなかった以外は実施例5に準じてポリビニ
ルアルコール系樹脂を得た。 比較例6 可塑剤を用いなかった以外は実施例7に準じてポリビニ
ルアルコール系樹脂を得た。
【0027】《試験方法及び評価結果》上記で得たテス
トピースにつき、下記のようにして低湿時の柔軟性及び
耐溶剤性を評価した。結果をまとめて表1に示す。 <柔軟性>3cm×15cm×2.5mmのテストピー
スを成形し、5℃、50%RH(環境試験室中に放置)
下で1カ月間調湿を行った。このテストピースの一方を
万力で固定(端から2cmまで挟む)し、他方を下方へ
曲げ柔軟性を評価した。判定基準は次の通りである。 ◎:θ=30°で10分間保持しても変化なし ○:θ=30°に達するまでは折れないが10分間保持
すると亀裂が入る △:15°<θ<30°で折れる ×:θ≦15°で折れる (θはテストピースの水平状態から下方への折り曲げ角
度を表す)
【0028】<耐溶剤性>重量変化率 直径50mm、厚さ3mmの円板状テストピースをトル
エン中に1カ月間浸漬させたのち、取り出したテストピ
ースの表面の溶剤をふき取りその重量を精秤し下記の式
より重量変化を求めた。 重量変化(%)=(│浸漬後のテストピース重量−浸漬
前のテストピース重量│/浸漬前のテストピース重量)
×100寸法安定性 直径50mm、厚さ3mmの円板状テストピースを15
0℃で3時間乾燥させ、ノギスを用いて直径及び厚さを
測定し、次いで該テストピースをトルエン中に1カ月間
浸漬させたのち、取り出したテストピースの表面の溶剤
をふき取りその直径及び厚さをノギスを用いて測定し
て、下記の式より直径及び厚さの変化割合を求めた。 直径(厚さ)の変化割合(%)={│浸漬後の直径(厚
さ)−浸漬前の直径(厚さ)│/浸漬前の直径(厚
さ)}×100
【0029】
【表1】 柔軟性 重量変化率(%) 寸法安定性(%) 直 径 厚 さ 実施例1 ◎ 0.3 0.1 0.3 実施例2 ◎ 0.4 0.1 0.4 実施例3 ◎ 0.3 0.1 0.3 実施例4 ◎ 0.4 0.1 0.4 実施例5 ◎ 0.6 0.2 0.6 実施例6 ◎ 0.2 0.1 0.2 実施例7 ◎ 0.3 0.1 0.2 実施例8 ◎ 0.4 0.1 0.3 比較例1 ◎ 4.8 2.3 3.9 比較例2 ○ 5.2 2.6 4.1 比較例3 ◎ 7.1 3.1 5.2 比較例4 △ 0.2 0.1 0.3 比較例5 × 0.5 0.2 0.4 比較例6 × 0.4 0.1 0.3
【0030】
【発明の効果】特定のポリビニルアルコール及び特定の
可塑剤を用いることにより、かかるポリビニルアルコー
ル系樹脂から得られる溶融成形物は、成形性が良好で低
湿雰囲気下でも柔軟性に富み、しかも耐溶剤性が一段と
向上する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】この場合、ポリオキシアルキレン(メタ)
アリルエーテルの共重合割合は0.2モル%以上、特に
0.5〜20モル%が適当である。ポリオキシアルキレ
ン(メタ)アリルエーテルの共重合割合が0.2モル%
未満の場合は本発明のごとき優れた効果は発揮できな
い。ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテルにお
けるポリオキシアルキレンの縮合度は1〜300、特に
3〜50であり、又、オキシアルキレン基含有ポリビニ
ルアルコール全体に占めるオキシアルキレン単位の割合
が3〜40重量%であることが好ましい。このことは、
共重合体におけるオキシアルキレン単位の局在−非局在
の程度およびオキシアルキレン単位の長さに最適範囲が
あることを示している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコ
ールにおける酢酸ビニル単位のケン化度は50〜100
モル%、好ましくは70〜99モル%が適当であり、重
量平均重合度は150〜1500、好ましくは250〜
1000が適している。なお、共重合成分としてポリオ
キシアルキレン(メタ)アリルエーテル以外の成分、例
えばα−オレフィン(エチレン、プロピレン、長鎖α−
オレフィン等)、エチレン性不飽和カルボン酸系モノマ
ー、(アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、ビニルエーテル
等)アリルスルホン酸ナトリウムを30モル%以下程度
であれば含有してもよい。オキシアルキレン基含有ポリ
ビニルアルコールを得るときの酢酸ビニルとポリオキシ
アルキレン(メタ)アリルエーテルとの重合方法として
は通常、溶液重合法が採用され、場合により懸濁重合
法、エマルジョン重合法などを採用することもできる。
得られる共重合体のケン化反応としては、アルカリケン
化法、酸ケン化法などが採用される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】アリルアルコール変性ポリビニルアルコー
ルにおける酢酸ビニル単位のケン化度は50〜100モ
ル%、好ましくは70〜99モル%が適当であり、重量
平均重合度は150〜1500、好ましくは250〜1
000が適当である。なお、共重合成分としてアリルア
ルコール以外の成分、例えばα−オレフィン(エチレ
ン、プロピレン、長鎖α−オレフィン等)、エチレン性
不飽和カルボン酸系モノマー、(アクリレート、メタク
リレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩
化ビニル、ビニルエーテル等)アリルスルホン酸ナトリ
ウムを30モル%以下程度であれば含有してもよい。ア
リルアルコール変性ポリビニルアルコールを得るときの
原料共重合体の重合方法としては通常、溶液重合法が採
用され、場合により懸濁重合法、エマルジョン重合法な
どを採用することもできる。共重合体のケン化反応とし
ては、アルカリケン化法、酸ケン化法などが採用され
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】<耐溶剤性> 重量変化率150℃で3時間以上乾燥させた 直径50mm、厚さ3
mmの円板状テストピースをトルエン中に1カ月間浸漬
させたのち、取り出したテストピースの表面の溶剤をふ
き取りその重量を精秤し下記の式より重量変化を求め
た。 重量変化(%)=(│浸漬後のテストピース重量−浸漬
前のテストピース重量│/浸漬前のテストピース重量)
×100 寸法安定性 直径50mm、厚さ3mmの円板状テストピースを15
0℃で3時間乾燥させ、ノギスを用いて直径及び厚さを
測定し、次いで該テストピースをトルエン中に1カ月間
浸漬させたのち、取り出したテストピースの表面の溶剤
をふき取りその直径及び厚さをノギスを用いて測定し
て、下記の式より直径及び厚さの変化割合を求めた。 直径(厚さ)の変化割合(%)={│浸漬後の直径(厚
さ)−浸漬前の直径(厚さ)│/浸漬前の直径(厚
さ)}×100

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1級炭素原子に結合したヒドロキシル基
    を含有するモノマー単位を有するポリビニルアルコール
    にカルボキシル基、エポキシ基、カルボン酸エステル基
    の少なくとも1種以上をもつヒドロキシル基含有化合物
    を配合した組成物を溶融成形することを特徴とするポリ
    ビニルアルコール系樹脂の溶融成形方法。
  2. 【請求項2】 1級炭素原子に結合したヒドロキシル基
    を含有するモノマ−単位を0.2モル%以上有するポリ
    ビニルアルコールを使用することを特徴とする請求項1
    記載のポリビニルアルコール系樹脂の溶融成形方法。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコールがオキシアルキレ
    ン基含有ポリビニルアルコールである請求項1記載のポ
    リビニルアルコール系樹脂の溶融成形方法。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコールがアリルアルコー
    ル変性ポリビニルアルコールである請求項1記載のポリ
    ビニルアルコール系樹脂の溶融成形方法。
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