JPH06135741A - シリカ保温断熱体及びその製造方法 - Google Patents

シリカ保温断熱体及びその製造方法

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JPH06135741A
JPH06135741A JP5902492A JP5902492A JPH06135741A JP H06135741 A JPH06135741 A JP H06135741A JP 5902492 A JP5902492 A JP 5902492A JP 5902492 A JP5902492 A JP 5902492A JP H06135741 A JPH06135741 A JP H06135741A
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heat insulating
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博至 木村
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B23/20Uniting glass pieces by fusing without substantial reshaping
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B19/06Other methods of shaping glass by sintering, e.g. by cold isostatic pressing of powders and subsequent sintering, by hot pressing of powders, by sintering slurries or dispersions not undergoing a liquid phase reaction

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】シリカガラス粉体を耐熱性成形用容器型中に入
れ、0.1〜1.6g/cm3の見掛け密度を有し、100ppm以下
の金属不純物と300ppm以下のOH基を含有するシリカ多
孔質体を埋設するか、該多孔質体の周側面及び/又は上
下面に硬質シリカガラス板状体を当接して上記耐熱性成
形用容器型中に入れ、該多孔質体と耐熱性成形容器内面
とが直接接触する部分には少なくともシリカガラス粉体
を充填して1400〜1800℃の範囲の温度で加熱一体化する
シリカ保温断熱体の製造方法及びそのようにして得られ
たシリカ保温断熱体。 【効果】本発明の方法に係る保温断熱体は、保温断熱性
及び圧縮強度に優れ、しかも繰返しの温度変化に対して
も極めて安定で長期使用に耐えるから、その工業的利用
価値は著しく高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリカ保温断熱体に関
し、例えば、シリコンウエ−ハを炉芯管内で熱処理する
ためのウエ−ハ支持ボ−トを載置する保温筒や大型の炉
構造材のような耐熱強度と断熱性及び耐高温汚染性が要
求されるシリカ保温断熱体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体工業において使用される
縦型熱処理装置は、多数のウエ−ハを並列状に積載した
ボ−トを保温筒に載せ、炉芯管内において400℃〜1200
℃の高温度範囲に加熱し、特定の反応性ガスや不活性ガ
スを流して半導体ウエ−ハの表面域に酸化、拡散,気相
成長又はアニ−ル等の各種の熱処理が行われる。その処
理において使用される保温断熱体としての保温筒は、上
記のような極めて高い温度に耐える耐熱性と炉芯管の下
部開口端に配置される密閉用Oリングやその他のシ−ル
部分に熱を伝えない断熱性及び炉内温度を均一に保つ保
温性や反応ガスに影響されない化学安定性が要求され
る。
【0003】これらの要求に沿った保温断熱材として、
耐熱性が高く、しかも高純度で化学的安定性の優れた石
英ガラス製の円筒状容器内に石英ガラス繊維ウ−ルを断
熱材に詰め且つその容器内を減圧密封したものが用いら
れた。しかし、石英ガラス製の減圧容器の作製はその加
工が極めて厄介で、製作中に外圧やクラッキングによっ
て内部破壊を起こし爆発の原因となるので、その作製は
極めて困難である。
【0004】また、かかるガラスウ−ル封入減圧保温筒
は、内部が減圧状態の空洞であるため強度が小さく、特
に、処理ウエ−ハ数を多くしたり、あるいはウエ−ハの
大型化に伴うウエ−ハボ−トの大荷重に耐える物理的強
度が不足して保温筒自体が熱変形したり破壊するなどの
事故が多発したため高温における機械的強度の大幅な向
上が要求された。
【0005】更に、繰返しの熱処理使用において、保温
筒表面に付着した反応ガス処理生成物から、コントロ−
ルされない反応ガスの再発生や望ましくない付着物の飛
散によるダストの発生があるため、酸によるエッチング
洗浄を頻繁に行って付着物を除去する必要がある。この
エッチングにより保温筒表面にピンホ−ルが発生し、そ
のため減圧状態の保温筒内部にエッチング薬液が侵入
し、後の熱処理工程においてその薬液が気化して爆発す
る事故も多く、重大な問題となっている。
【0006】かかる実情に鑑み、本発明者らは、分割さ
れた複数の小円筒体を組合せて強度を高めた石英ガラス
保温筒や、その小円筒体を多数の微小空間を有する塑性
体とそれを囲繞する透明ガラス被膜で構成させることに
より補強する方法を見出し、先に提案した(特開平64-4
7020号)。この補強法は確かに強度を向上させるが、分
割された多数の小円筒体の製造が厄介で工業的に不利で
あり、また塑性体を囲繞する充分な厚みのガラス被膜層
を作ることが極めて困難で、使用中にガラス被膜が破損
して塑性体が露出するという不都合があった。
【0007】一方、前記半導体工業における熱処理に使
用される縦型炉や処理物に特定の元素をド−プするよう
な反応拡散処理炉においては、その処理において炉材か
らの不特定の不純物の侵入を嫌うため、炉壁材や炉の構
造材となる煉瓦やヒ−タ−ホルダ−の様な保温断熱及び
耐熱材には、高い純度と構造体としての強度が要求され
る。
【0008】従来、これらの保温断熱材は、アルミナや
ジルコニアあるいは炭化珪素を主体とする焼結多孔質体
煉瓦又はボ−ドが使用されるが、これらはそれ自体が金
属酸化物であって不純物を多量に含有し、しかも多孔質
部分からの塵埃の発生や通過があるため、前記のような
各種要求を満たす処理には不適切であり、実質的に使用
し得ない。
【0009】また、一般に炉材に使用される保温断熱材
は、加熱エネルギ−の省力及び熱処理工程の効率化の観
点から、使用炉における昇温及び降温には優れた温度追
随性と高い断熱性が要求されるが、温度追随性や断熱性
を向上させるには、保温断熱材の密度を小さくし、熱伝
導面積と熱容量を小さくする必要があり、従来のアルミ
ナ等の素材を使用した保温断熱体では、密度を小さくす
ると強度が不足し、大型の炉では、熱容量が大きく昇
温、降温に時間がかかり、しかも降温に多大なエネルギ
−を必要とするので非効率的であり、採用し難い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、優れた構造材としての強度及び不純物塵埃の遮断性
と自ら不純物を発散しない化学的安定性とを兼ね備え、
且つ密度が小さく保温,断熱性に優れた操作性の良好な
部材を提供することにある。また、他の技術的課題は、
そのような保温断熱材を工業的に有利に、且つ効果的に
製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に関して種々の製造研究を重ね、実用的に極めて有利な
保温断熱体及びその製造方法を見出した。すなわち、本
発明は、前記特許請求の範囲に記載の要件から成るシリ
カ保温断熱体及びその効果的製造方法を要旨とするもの
である。
【0012】しかして本発明に係るシリカ保温断熱体
は、特に、見掛け密度範囲が0.1〜1.6g/cm3の高純度
シリカガラス多孔質体の全表面に高純度シリカガラス板
状焼結体及び/又は硬質シリカガラス板状体を一体に形
成させた構造に技術的特徴が有る。またその多孔質体
は、好ましくは、70%以下の連通気孔率、換言すれば、
全気孔に基づいて30%以上の独立気泡を含有する3次元
的強度を有するものであって、例えば、1700℃の高温に
も充分に耐えることができる耐熱形状安定性を有する炉
構造材として使用し得る極めて望ましいものである。
【0013】上記多孔質体の見掛け密度が0.1g/cm3
り小さいと、連通気泡の含有割合と関連するが、通常、
炉構造材として要求される機械的強度や耐熱形状安定性
が不足し、また、1.6g/cm3を超えると保温断熱性が低
下するので好ましくない。好ましい多孔質体の密度は、
0.2〜1.0g/cm3の範囲である。
【0014】更に、シリカ多孔質体を構成するシリカガ
ラス中に含有される金属不純物は、半導体等の熱処理に
おいては可及的少量であることが望ましいが、半導体等
の加熱処理においては、金属不純物の含有量が100ppmを
超えるとウエ−ハへの汚染の悪影響が実質的に回避でき
ないので、不純物金属の合計量は100ppm以下であること
が重要である。
【0015】保温断熱材は、通常、昇温と冷却が繰り返
し行われる。そのような条件においては、ガラス内に含
まれる金属不純物は結晶核となって多孔質体やこれを包
んでいる硬質シリカガラス体の結晶化を促進し、形成さ
れた結晶化ガラス質部分と非結晶化ガラス質部分との間
に温度変化に基づく膨張,収縮差によるクラックが発生
してガラス体の強度を低下させ、その結果、保温断熱材
の寿命が短縮されるのでガラス素材としてはできるだけ
金属不純物を含まないものが望ましい。
【0016】そのような不純物金属としては、例えば、
セリウム,ナトリウム,カリウム,アルミニウム,カル
シウム,ニッケル及び鉄等が代表的に挙げられる。これ
ら金属類は、いずれもガラスの結晶化を促進するので不
都合であり、特にシリカガラス中の移動の早いアルカリ
金属類はシリカガラスの結晶化作用が顕著なため、その
含有量は可及的少量が望ましい。
【0017】また、シリカ多孔質体を構成するシリカガ
ラスは、その中に含まれるOH基の量が多いほど耐熱温
度が低くなる。例えば、OH基含有量が300ppmより多い
シリカガラスは、1000℃以上の使用温度領域では形状安
定性が得られず、特に、積載物の重みや自重によって容
易に熱変形するので使用温度が著しく制限され、高温用
炉材としては使用できない。従って、高温保温断熱炉材
として使用するには、シリカガラス中に含有されるOH
基の含有量は、300ppm以下であることが実用上重要であ
る。望ましい含有量は200ppm以下である。
【0018】更に、シリカ多孔質体は、連通気泡の含有
量が少ない方が好ましく、形成されるシリカ保温断熱体
の機械的強度を考慮するならば、その全気孔容積に占め
る連通気孔の含有率、すなわち連通気孔率は70%以下で
あることが望ましい。この連通気孔率は、例えば、部材
の見掛け密度と部材を構成するシリカ質ガラス自体の密
度の測定及び元の多孔性である部材を液体に浸漬して得
られる重量増加によって算出される連通気孔の体積から
容易に求められる。
【0019】本発明の保温断熱体に用いられる板状シリ
カガラス焼結体及び硬質シリカガラス板状体は、多孔質
体の補強と多孔質体表面から発生する微細な破片や露出
気孔からのダストの飛散を防止する炉内における汚染防
止用被覆殻層であって、多孔質体と同様に高純度のシリ
カガラスが用いられる。このシリカガラスの板状殻体の
厚さは、温度追随性を考慮すれば、あまり薄くても厚く
ても好ましくなく、例えば、1〜10mm程度が好ましく採
用される。また、その被覆殻層は、工業的に所望される
性能を考慮すれば、板状焼結体が好ましい。
【0020】次に、本発明のシリカ保温断熱体の製造方
法について説明する。本発明の断熱体の製造に用いられ
るシリカガラス多孔質体は、通常知られた各種のシリカ
ガラス発泡体の製造法によって製造することができる。
例えば、ガラスの溶融温度条件下にガス化する物質をシ
リカ多孔質体に含浸させたり、あるいはシリカ粉体に混
合してガラスを加熱溶融することにより独立気泡を多く
含むシリカガラス多孔質体が容易に得られる。その場
合、金属不純物含有量が100ppm以下でOH基の含有量が
300ppm以下のシリカガラス材料が使用され、また金属不
純物を導入する恐れのない発泡ガス化物質が使用され
る。
【0021】また、本発明に係る多孔質体は、保温断熱
体として高温において充分な強度を有することが重要で
あり、これに関連して、シリカガラスの発泡を見掛け密
度が0.1〜1.6g/cm3の範囲になるように、且つその多
孔質体の連通気泡が70%以下となるようにコントロ−ル
すること重要である。かかるコントロ−ルは、発泡条
件、通常、特にガス化物質の種類,その含有量,それら
の混合分散状態及び加熱温度条件を選択することによっ
て行うことができる。その選択条件は、当業者が簡単な
実験によって容易に決定することができ、また、特開平
1-308846号公報に記載された石英ガラス発泡体の製造法
を利用することができる。
【0022】このようにして形成されたシリカガラス多
孔質体は、使用対象あるいは使用目的等により、通常、
ダイヤ砥石やガラス刃により、例えば、立方体,直方
体,円筒体等の各種の所望の形状に加工され、次いで、
カ−ボン製の耐熱性成形型容器内において、その多孔質
体の全表面に硬質シリカガラス板状体及び/又は板状シ
リカガラス焼結体を溶融一体化し、それら板体を被覆殻
体とする保温断熱体に形成される。
【0023】その硬質シリカガラス板状体及び/又は板
状シリカガラス焼結体の多孔質体への溶融一体化におい
ては、高純度のシリカガラス粉体を成形用耐熱性型容器
内に入れ、その粉体中に上記所望形状のシリカ多孔質体
をほゞ中部に埋設して1400〜1800℃の範囲内の温度に加
熱することにより、該多孔質体の全表面に板状シリカガ
ラス焼結体を一体化被覆殻体に形成させることができ
る。
【0024】そのような板状シリカガラス焼結体の形成
に用いられるシリカガラス粉末は、ゾル・ゲル法又は気
相合成法によって製造した合成石英ガラスを粉砕して調
製され、所望の板状焼結体の形成に応じて適度の粒度範
囲のものが選択使用される。その粉末の粒度に関しては
特に制限はないが、例えば、50〜500μm程度に粉砕調
整されたものが実用上好適に使用される。
【0025】また、該多孔質体の周側面や上下面あるい
は全面に硬質シリカガラス板状体を当接して上記耐熱性
成形容器中に入れ、その際、該多孔質体と耐熱性成形容
器内面とが直接接触する部分には少なくともシリカガラ
ス粉体層を介在させ、炉内において1400〜1800℃の範囲
内に加熱することにより多孔質体の表面に一体化された
ガラス殻体が形成される。その際、シリカガラス粉体を
上記硬質シリカガラス板状体と多孔質体の接合面に適用
して融着剤として使用することもできる。
【0026】次に、本発明のシリカ保温断熱体の製造を
添付図面により具体的に説明する。図1は、シリカガラ
ス多孔質体の表面に硬質シリカガラス板状焼結体被覆層
を形成させる状態の一例を示す電気炉内の模式的断面図
である。図2は、本発明に係る円柱状保温断熱体の保温
筒の一例の部分切欠斜視図である。また、図3は、図2
と異なる直方体状保温筒の一例の部分切欠斜視図であ
る。
【0027】図1において、カ−ボン製の有底円筒状の
耐熱性成形用容器型1内に適量のシリカ粉体2を敷き詰
め、その上に円柱状多孔質体3を載せ、その多孔質体の
周側面と容器型1の内周壁との間隙にシリカ粉体4を充
填し、更にそのシリカ粉体部と該多孔質体の上面に同じ
シリカ粉体を敷き詰める。次いで、その上に、上記耐熱
性円筒状容器型1の内径より僅かに小さい径のカ−ボン
製の円盤状落とし蓋5を容器型1の内側に挿入,載置す
る。
【0028】次に、これを電気炉内の台6の上に置き、
ヒ−タ7により炉内を1400〜1800℃の範囲の温度に加熱
する。温度によって多少異なるが、1〜2時間後に多孔
質体の全表面を覆ったシリカ粉体は焼結して多孔質体と
一体化した被覆殻板体を形成する。この焼結一体化処理
において、落とし蓋5が水平に下降し保持されるよう
に、例えば、耐熱容器型内の適当箇所に該蓋を水平に支
えるスペ−サ(図示せず)を取り付けることが実用的で
ある。
【0029】図2のシリカ保温断熱体は、円柱状多孔質
体11の上面に硬質シリカガラス円板12が融着一体化
され、その上面には、小円板状のウエ−ハボ−ト等載置
物受台13が同心的に一体に形成されており、また、そ
の多孔質体11の下側には、同様に硬質シリカガラス円
板14が融着一体化され、更にその多孔質体の管状外周
曲面には、硬質シリカガラス焼結板体15が融着一体化
された構成を有する。このような保温断熱体は、特に、
半導体熱処理炉の保温筒に好適に使用し得るものであ
る。
【0030】また、図3の保温断熱体は、長方形の多孔
質体16の上下,左右及び前後の全表面に硬質シリカガ
ラス焼結殻体17が融着一体化された煉瓦形状のもの
で、構成材が高純度の硬質ガラスで構成される製断熱体
であるから、特に、高温における不純物金属による汚染
が問題となる半導体等の熱処理用炉の炉壁として極めて
望ましい耐熱保温用炉材である。
【0031】
【作用】本発明の方法によれば、軽量且つ高純度の保温
断熱体が容易且つ安価に提供される。また得られた断熱
体は、耐熱形状安定性に優れ、また高温における機械的
支持強度も優れるので、保温筒その他の各種保温断熱部
材として広い利用性を有する。
【0032】
【実施例】
実施例 1 OH基を約200ppm含有し、50μm以下の粒径に調製され
たシリカ粉体を内径約250mmの円筒状型に充填し、約140
0℃の温度に約60分間加熱して円柱状の焼結体を作製し
た。次に、この焼結体をアンモニアガス雰囲気中で約80
0℃の温度に加熱して約30分間反応させアンモニア化を
行った。次に、雰囲気のアンモニアガスを除去した後、
減圧条件下に1600℃の温度で5時間加熱してシリカを溶
融し、内部から遊離ガスを発生させてその発泡により多
孔質体を製造した。これをカットして直径200mm,高さ2
00mmの円柱状多孔質体を作成した。
【0033】この多孔質体の見掛け密度は、0.4g/cm3
で、含有する連通気泡の全気泡に対する割合は約50%で
あった。また、原子吸光光度法によって、その中に含有
される金属不純物を分析した結果、金属成分としてのナ
トリウム,カリウム,リチウム,カルシウム,鉄,アル
ミニウム,セリウム及びニッケルの量は、いずれもすべ
て0.5ppm未満であった。
【0034】得られた円柱状多孔質体の上下各円形面
に、二枚の直径200mm,厚さ8mmの透明な石英ガラス円
板をそれぞれ当接して、外径260mm,厚さ mmの平滑な
カ−ボン円板上の中央に円柱を立てるように置き、その
外側に、これを内側に収納するように内径250mm,厚さ
5mm,高さ280mmのカ−ボン円筒体を設置して、その上
からゾルゲル法によって得られたシリカガラスを粉砕し
て粒径が600μm以下に調整された合成シリカ粉末をカ−
ボン円板表面から230mmの高さまで充填した。
【0035】次に、このカ−ボン円筒容器型内に充填さ
れたシリカガラス粉体の上に、直径248mm,厚さ30mmの
円板状カ−ボン落とし蓋を載せて全体を電気炉内に移
し、該炉内を約0.1torrに減圧した後、1700℃に55分間
加熱してカ−ボン落とし蓋の重さで圧縮しながら溶着一
体化させ、同時に周側面部にシリカガラス粉体を焼結一
体化させた。
【0036】冷却後、一体化物をカ−ボン円筒型から取
り出して外表面をカップ型ダイヤ砥石で研削し、円柱状
外周曲面分に肉厚8mmのシリカガラス焼結体層を、また
上下各円形面に厚さ約7mmのシリカガラス透明板状体層
を有する直径216mm,高さ210mmのシリカ保温断熱体を得
た。
【0037】得られた保温断熱体について、加熱−冷却
繰返し試験とその際の昇温速度並びに降温速度及び圧縮
強度をテストした。 加熱−冷却繰返し試験:保温断熱体を1200℃の炉中に2
時間保持した後、常温まで放冷し、再び炉内に入れて加
熱する繰返し加熱試験を行った。1200℃の加熱延べ時間
が2000時間を超えてもクラックや結晶化の兆候は認めら
れなかった。
【0038】圧縮強度試験:保温断熱体を、毎分1kg
/cm2の割合で圧力を増加させる圧縮強度試験を行った
ところ、その圧力が約120kg/cm2になっても破壊しな
かった。一方、この保温断熱体と同じ形状(直径216m
m,高さ210mmの円柱体)で、その保温断熱体に内包され
た多孔質体と同様の多孔質体について同様の圧縮強度試
験を行った結果、約10kg/cm2で部分破壊した。この試
験により、本発明の保温断熱体が同形状の多孔質体に比
べて約12倍以上高い破壊強度を有することが確認され
た。
【0039】昇温−降温試験:80リットルの内容積及び
30kVAの加熱能力を有する円筒型電気炉の炉口アルミ
ナ煉瓦と同じ形状の本発明の保温断熱体を炉材として使
用して、電気炉内の温度が1200℃に上昇する時間及び電
源を切って放冷し常温まで温度が下がる時間を調べた。
本発明の上記保温断熱体が昇温に2時間,降温に3時間
を要したのに対し、通常の電気炉構造材として用いられ
ているアルミナ煉瓦を使用した場合には、昇温に3時
間,降温に5時間を要した。その結果、電気炉の消費電
力及び処理サイクルが大幅に改善されることが判った。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法に係る保温断熱体は、保温
断熱性及び圧縮強度に優れ、しかも繰返しの温度変化に
対しても極めて安定で長期使用に耐えるから、その工業
的利用価値は著しく高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリカ保温断熱体を製造する状態の一
例を説明するための電気炉内の模式的断面図である。
【図2】本発明に係る円柱状保温断熱体の一例の保温筒
の部分切欠斜視図である。
【図3】本発明に係る直方体状保温断熱体の一例の部分
切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 耐熱性成形用容器型 11 円柱状多孔質体 2,4 シリカ粉体 12 上側硬質シリカ
ガラス円板 3 円柱状多孔質体 13 載置物受台 5 円盤状落とし蓋 14 下側硬質シリカ
ガラス円板 6 台 15 硬質シリカガラ
ス焼結板体 7 ヒ−タ 16 長方形の多孔質
体 17 硬質シリカガラス焼結殻体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含有金属不純物が100ppm以下、含有OH
    基が300ppm以下のシリカガラスで構成された見掛け密度
    0.1〜1.6g/cm3のシリカ多孔質体の全表面に板状シリ
    カガラス焼結体及び/又は硬質シリカガラス板状体を一
    体に形成して成るシリカ保温断熱体。
  2. 【請求項2】 シリカガラス多孔質体が、70%以下の連
    通気孔率を有する請求項1に記載のシリカ保温断熱体。
  3. 【請求項3】 シリカガラス粉体を耐熱性成形用容器型
    中に入れ、その粉体中に、0.1〜1.6g/cm3の見掛け密
    度を有し、含有される金属不純物が100ppm以下で且つO
    H基が300ppm以下のシリカ多孔質体を埋設するか、該多
    孔質体の周側面及び/又は上下面に硬質シリカガラス板
    状体を当接して上記耐熱性成形用容器型中に入れ、その
    際、該多孔質体と耐熱性成形容器内面とが直接接触する
    部分には少なくともシリカガラス粉体を充填して、1400
    〜1800℃の範囲の温度で加熱一体化することを特徴とす
    る請求項1に記載のシリカ保温断熱体の製造方法。
  4. 【請求項4】 シリカガラス粉体が、ゾルゲル法又は気
    相合成法によって得られた含有金属不純物100ppm以下、
    及び含有OH基が300ppm以下のガラスを粉砕して調製さ
    れたものである請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シリカ多孔質体とシリカガラス粉体
    との加熱一体化を、減圧雰囲気条件下で加熱一体化を行
    う請求項3に記載の製造方法。
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CN103896479A (zh) * 2014-02-27 2014-07-02 陕西科技大学 一种多孔玻璃的简易制备方法

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