JPH06135576A - 画像形成装置の給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スナバーによる用紙さばき機構を用いる給紙
トレイを、画像形成装置のフロント側から引き出し可能
に構成した際に、給紙トレイを引き出す動作に連続し
て、スナバーを支持する前側板を退避させ、用紙の補給
を容易に行い得るようにする。 【構成】 給紙トレイ１０は、トレイ支持板２０に載置
されて垂直軸２１を介して回動可能に設けているトレイ
の給紙方向先端部に対して、スナバー３１、３２を設け
た前側板３０を配置し、該前側板３０をトレイ支持板に
対して、スプリング部材を介して用紙の先端に向けて付
勢している。そして、給紙部５からトレイ支持板を引き
出して、給紙トレイ１０を軸２１を介して水平方向に回
動させ、前側板を退避させる状態で、トレイに対する用
紙の補給を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給紙トレイを装置本体
のフロント側から引き出し可能に設け、該給紙トレイの
装着方向に対して直角な方向に用紙を送り出し得るよう
に構成してなる給紙装置に関し、特に、スナバーにより
用紙のさばき機構を構成してなる装置において、用紙を
補給する際に、スナバーが自動的に退避されるように構
成してなる画像形成装置の給紙装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機やプリンタ等の画像形成
装置においては、給紙部に複数の給紙トレイや給紙カセ
ット等の用紙収容装置を配置して、それ等の用紙収容装
置に対してサイズの異なる用紙等を収容させることによ
り、原稿のサイズや縮拡率等に対して、容易に対応させ
ることができるようにされる。前記用紙収容装置のう
ち、比較的大量の用紙を収容可能なトレイに対しては、
用紙さばき機構を給紙装置に設けておき、トレイから送
り出した用紙を用紙さばき機構によりさばきながら、１
枚ずつ分離した状態で、画像記録部に向けて送り出すよ
うな手段を用いている。また、給紙カセットと呼ばれる
用紙収容装置では、例えば、特開昭６４−８７４３１号
公報等に示されるように、用紙の送り出し方向の先端部
にスナバーを配置して、該スナバーと給紙ローラとによ
る用紙さばき機構を構成している。

【０００３】そして、前述したような各種の用紙収容装
置に、任意のサイズの用紙を収容し、該用紙収容装置に
対応させて配置したローラ装置により、用紙を記録部に
向けて給紙することにより、コピーを作成することがで
きる。また、前記用紙収容装置のうち、給紙トレイを用
いる場合には、画像形成装置の給紙装置に対して、装置
のフロント側からの着脱の動作を容易に行い得るよう
に、そのトレイの着脱機構を構成することができる。こ
れに対して、給紙カセットでは、装置の側部から着脱す
る機構を構成することが一般的であり、比較的小型の電
子写真複写機等に使用される場合が多い。しかしなが
ら、給紙カセットを用いる給紙機構は、その用紙さばき
機構の構成を簡素化できる等の理由により、装置のフロ
ント側から用紙収容装置を着脱する方式の装置に用いる
例が多くなっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したよ
うに、用紙の先端部の角の部分に対応させてスナバーを
配置して、用紙さばき機構を構成する給紙カセットタイ
プの給紙トレイでは、用紙の送り出し側先端部にスナバ
ーが係合した状態にあるために、用紙の補給の動作が面
倒であるという問題がある。また、給紙トレイ内部で用
紙を載置するボトムプレートは、スプリングにより上に
向けて常時付勢する機構を用いることに代えて、一般の
給紙トレイの場合と同様に、押上用のアーム部材を用い
て揺動させる機構を用いることができる。しかしなが
ら、用紙さばき機構として給紙トレイに対して配置する
スナバーは、用紙を補給する際には、その支持位置から
退避させることが困難であるために、用紙の補給の動作
に難点がある。

【０００５】そこで、前述したように、用紙さばき機構
としてスナバーを用いる給紙トレイに対して、実公昭５
３−５１１６２号公報等に示されるように、スナバーを
支持する部材を、トレイの給紙側前面に対して、支軸を
介して揺動可能に配置する機構を用いることが考えられ
る。前記トレイでは、スナバーを両側に配置した前側の
支持板を、トレイ本体に対して支軸を介して揺動可能に
設け、用紙を補給する際には、前記支持板を用紙から離
間する方向に揺動させて退避させることにより、用紙を
トレイの上から容易に補給することができる。ところ
が、前述したように、スナバーを前側に退避させる機構
を設ける場合でも、オペレータが手で操作する必要があ
り、用紙を補給する際の手間を省くことにならないとい
う欠点が残る。

【０００６】

【発明の目的】本発明は、前述したように、用紙さばき
機構としてスナバーを用いる給紙トレイにおいて、用紙
の補給時にスナバーを退避させる動作を自動的に行い得
る機構を構成し、給紙部から給紙トレイを引き出して若
干揺動させた状態で、スナバーに影響されずに、用紙の
補給を容易に行い得るようにする装置を提供することを
目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段および作用】本発明は、用
紙を送り出す方向に対して、直角な方向に給紙トレイを
移動させて、画像形成装置の給紙部本体のフロント側に
引き出し可能に設けた給紙装置に関する。本発明におい
ては、前記給紙トレイを給紙部本体に対して引き出し可
能に設けたトレイ支持板に支持し、前記トレイ支持板に
設けた垂直軸を介して給紙トレイを回動可能に設け、前
記給紙トレイを本体から引き出した位置で、トレイ支持
板に対して給紙トレイを回動させて、用紙の補給を行い
得るように構成している。

【０００８】また、本発明においては、給紙トレイから
の給紙方向の前側に対応させて、前記トレイ支持板には
スナバーを設けた前側板を配置し、前記前側板は、給紙
トレイに収容された用紙の給紙側前面に向けて付勢する
手段を介して支持し、前記前側板に対応させて給紙トレ
イには押倒し用突起を配置し、給紙トレイからの給紙方
向の前側に対応させて、前記トレイ支持板にはスナバー
を設けた前側板を配置している。前記構成に加えて、本
発明においては、トレイのフレームに対して、前側板を
揺動させるための押倒し用突起を配置し、トレイを垂直
軸を介して回動させる動作により、前側板を給紙方向に
向けて揺動させる動作を行い、該トレイを元の位置に戻
す動作によって、前側板を支持するスプリング部材によ
り自動的に戻し、スナバーが用紙の角の部分を規制する
状態に設定できるように構成している。

【０００９】前述したように、本発明の給紙トレイを構
成したことにより、画像形成装置の給紙部に対して、ト
レイ支持板を介して給紙トレイ部材を配置することによ
り、該給紙トレイの着脱の動作を容易に行うことができ
る。また、本発明の装置では、スナバーと給紙トレイ本
体とを、トレイ支持板に対してそれぞれ回動または揺動
可能な部材として配置するので、容易に各構成部材を組
み合わせて構成することができる。そして、トレイ支持
板に対して給紙トレイを回動させるのみで、スナバー部
材をトレイの用紙収容部から離間させることができるの
で、用紙を補給する作用を容易に行うことができる。

【００１０】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の画像形
成装置の給紙装置を説明する。図１に示されるように、
本発明においては、電子写真複写機１等の画像形成装置
に配置する給紙部５に対して、複数の給紙トレイ１０、
１０ａ……を配置して、それぞれの給紙トレイに対して
任意のサイズの用紙を収容し、装置本体の上部部材２に
設けた画像記録部に向けて給紙する機構を構成してい
る。また、前記装置本体２の上面には、一般の電子写真
複写機の場合と同様に、走査装置に対応させて、原稿を
保持するプラテン等を配置するが、その他に、多数のボ
タン等を装備したコントロールパネル３を配置して、装
置の制御を行う機構を構成している。

【００１１】さらに、前記図１に示される電子写真複写
機１では、給紙部５に対して、装置のフロント側に引き
出し可能に設けたトレイ支持板２０の上に、給紙トレイ
１０を載置しており、前記トレイ支持板２０に対して垂
直な垂直軸２１を介して給紙トレイ１０を支持してい
る。また、前記給紙トレイ１０を支持するトレイ支持板
２０は、給紙部に対してスライド可能な案内機構を介し
て支持され、給紙トレイを載置した状態で、トレイ支持
板２０を容易に引き出しができるようにされる。そし
て、前記給紙トレイ１０のフロントカバー１５に設けた
ハンドル１６を手で持って、トレイ支持板を引き出す動
作と、後述する給紙トレイの揺動の作用とを、容易に行
い得るように構成している。

【００１２】前記給紙トレイは、図２の側面図に見られ
るように、前記トレイ支持板２０に対して、給紙トレイ
からの給紙側の前側に、支軸を介して前側板３０を設け
ており、前記前側板３０を給紙トレイに支持される用紙
の前側に向けて付勢するスプリング部材を配置してい
る。また、前記給紙トレイでは、用紙Ｐを載置するボト
ムプレート１１を支軸１２を介して支持し、図示を省略
した押上部材を用いて、前記ボトムプレート１１を押し
上げることにより、用紙の給紙側先端部の上面を、給紙
ローラ等の給紙部材に向けて押圧させることができる。
なお、前記ボトムプレート１１に対する押上機構は、一
般の給紙カセットの場合のように、スプリングを用いず
に、給紙部本体に設けた押上アーム等の部材を用いるよ
うにすることができる。そして、給紙トレイを着脱する
動作に対応させて、用紙を自動的に下降させる機構を構
成することにより、給紙トレイの着脱の際に用紙を下降
させ、トレイとともに引き出し方向に移動される用紙
が、ローラ部材に対して摺動することを防止できる。

【００１３】本発明の給紙トレイ１０に対しては、図
１、３に示されるように、その給紙方向の前側に、用紙
の両側の角の部分に対応させて、２つのスナバー３１、
３２を両側端部に配置した前側板３０を配置している。
また、前記トレイ支持板２０には、前側板３０を支軸２
５を介して用紙から離間する方向に向けて揺動可能に設
けている。そして、前記支軸に対応させて配置するスプ
リング部材２６により、前側板３０を図の反時計方向に
付勢する状態に設けており、前側板３０に支持されるス
ナバー３１を、用紙の給紙側先端部で、用紙の両側の角
の部分に位置決めする方向に付勢している。したがっ
て、図２に示されるように、給紙トレイを、トレイ支持
板２０に対して正常な位置に装着している状態では、用
紙Ｐの給紙側先端部に対応させて、スナバーを位置決め
することができる。

【００１４】前記前側板３０に支持されるスナバーは、
図４および図５に示されるように構成することができ
る。図示される例において、前側板３０の一方の端部に
は、スナバー支持板３５を給紙方向に対して反対側に曲
げて設け、該スナバー支持板３５に対して支軸３６を介
してスナバー３２を揺動可能に設けている。また、前記
スナバーを支持するアームに対して、前記スナバー支持
板３５にストッパ３７を配置し、用紙が下降した状態で
も、スナバーが一定の位置に停止保持できるようにして
いる。なお、前記前側板３０に設けるスナバー支持板３
５は、トレイ支持板２０に対して給紙トレイ１０を回動
させる際に、フロントカバー１５の給紙側の前端部に干
渉しない状態に配置される。

【００１５】前述したように、トレイ支持板２０に対し
て垂直軸２１を介して給紙トレイ１０を支持しており、
該軸２１を中心にして、図７に示されるように回動させ
ることができる。また、図６にも示されるように、前記
給紙トレイのフレームのリヤ側には、給紙側先端部に押
倒し用突起１７を設けている。そして、前記給紙トレイ
を支軸２１を中心にして回動させた際に、前記押倒し用
突起１７が前側板３０を押圧して、スプリング２６の付
勢力に打ち勝つ状態で、支軸２５を中心にして前側板３
０を時計方向に揺動させ、スナバー３１、３２を用紙の
給紙側の角の部分から離間させ、トレイの用紙収容部を
解放させるようにする。さらに、前記図７に示されるよ
うに、給紙トレイの揺動範囲を規制するために、ストッ
パ２２を配置しておくと、トレイ支持板２０に対してト
レイを余分に回動させることがなく、トレイ支持板上で
のトレイの支持状態を良好に設定することができる。

【００１６】前記図６、７に示されるように、トレイか
らの用紙送り出し部に対して、スナバーを退避させる状
態で用紙を補給すると、用紙に対してスナバーが邪魔を
することがないので、一般のスナバーを設けていないト
レイの場合と同様に、容易に用紙の補給の動作を行うこ
とができる。そして、用紙を補給した後で、給紙トレイ
１０を支軸２１を介して反時計方向に揺動させると、図
６に示されるように、押倒し用突起１７による前側板３
０を押圧する動作が解除される。したがって、前側板３
０はスプリング部材２６により付勢されて、支軸２５を
介して直立する方向に戻され、図２に示されるように、
用紙Ｐの角の部分にスナバーを位置させる状態で停止す
る。

【００１７】前述したように、給紙トレイ１０をトレイ
支持板２０に支持させ、該給紙トレイに対して配置する
用紙さばき機構としてのスナバーを、トレイ支持板２０
に対して揺動可能に設けた前側板３０を介して設けてい
るので、トレイ支持板に対してトレイと前側板とを、そ
れぞれ別体のものとして配置することができる。そし
て、前記給紙トレイを垂直軸２１を介して、トレイ支持
板２０に対して若干回動させることにより、トレイの用
紙収容部に邪魔なものがない状態を設定して、トレイに
対して用紙を補給する動作を行うことができる。また、
給紙トレイを垂直軸に対してストッパの方向に揺動させ
る動作のみで、スナバーを邪魔にならない位置に退避さ
せ、該トレイを元の位置に戻す方向に回動させる動作に
より、スナバーが用紙さばき機構を設定できる位置にセ
ットされる。

【００１８】したがって、本発明の装置では、比較的構
成が簡単なスナバー揺動機構を構成することができ、オ
ペレータは給紙トレイのハンドルを介して動作するのみ
で、スナバーの揺動の作用等を容易に行うことができ
る。また、本発明の給紙トレイに対して用紙を補給した
後で、前側板をさばき位置にセットし、そのまま給紙部
に挿入すると、前記トレイと前側板に対しては、給紙部
の両側に配置するフレーム部材が、それ等の部材の自由
な揺動を阻止するので、用紙に対してスナバーの位置が
正確に維持される状態となる。そして、本発明の給紙部
に配置する各給紙トレイに対して、前述したような機構
の給紙トレイを配置することによって、各給紙トレイに
対する用紙の補給の動作を容易に行い得る機構を構成す
ることができる。

【００１９】なお、本発明の画像形成装置の給紙装置で
は、トレイの形状や、トレイのフレームに設ける押倒し
用突起の形状等は任意に形成することができる。また、
スナバーを支持する前側板の支持構造と、前側板をトレ
イ支持板に対して取り付ける機構と、バネ部材等の前側
板の付勢手段、および、フロント側のスナバーとフロン
トカバーとの干渉を防止する機構等も、任意の構成のも
のを使用することができる。そして、本発明の給紙装置
では、用紙さばき機構としてリタードローラ等の部材を
使用する必要がないので、比較的コストの低い用紙さば
き機構を構成することができ、小型の電子写真複写機等
に対して、フロント側から引き出し可能な給紙カセット
状の給紙トレイを適用することができる。

【００２０】

【発明の効果】本発明の画像形成装置の給紙装置は、前
述したような給紙トレイを使用するのであるから、画像
形成装置の給紙部に対して、トレイ支持板を介して給紙
トレイ部材を配置することにより、該給紙トレイの着脱
の動作を容易に行うことができる。また、本発明の装置
では、スナバーと給紙トレイ本体とを、トレイ支持板に
対してそれぞれ回動または揺動可能な部材として配置す
るので、容易に各構成部材を組み合わせて構成すること
ができる。そして、トレイ支持板に対して給紙トレイを
回動させるのみで、スナバー部材をトレイの用紙収容部
から離間させることができるので、用紙を補給する作用
を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の給紙トレイを用いる電子写真複写機
の斜視図である。

【図２】 給紙トレイの側面図である。

【図３】 リア側のスナバーの支持機構を示す説明図で
ある。

【図４】 給紙トレイのフロント側の部材の配置関係を
示す斜視図である。

【図５】 フロント側のスナバーの支持機構を示す説明
図である。

【図６】 給紙トレイを回動させて、前側板を揺動させ
る状態の説明図である。

【図７】 給紙部から引き出した給紙トレイを回動させ
た状態の説明図である。

【符号の説明】

１ 電子写真複写機、 ５ 給紙部、 １０ 給
紙トレイ、１１ ボトムプレート、 １５ フロン
トカバー、１７ 押倒し用突起、 ２０ トレイ支
持板、 ２１ 垂直軸、２５ 支軸、 ２６ ス
プリング部材、 ３０ 前側板、３１・３２ スナ
バー、 ３５ スナバー支持板。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙を送り出す方向に対して、直角な方
   向に給紙トレイを移動させて、画像形成装置の給紙部本
   体のフロント側に引き出し可能に設けた給紙装置におい
   て、 前記給紙トレイを給紙部本体に対して引き出し可能に設
   けたトレイ支持板に支持し、前記トレイ支持板に設けた
   垂直軸を介して給紙トレイを回動可能に設け、 前記給紙トレイを本体から引き出した位置で、トレイ支
   持板に対して給紙トレイを回動させて、用紙の補給を行
   い得るように構成することを特徴とする画像形成装置の
   給紙装置。
2. 【請求項２】 給紙トレイからの給紙方向の前側に対応
   させて、前記トレイ支持板にはスナバーを設けた前側板
   を配置し、 前記前側板は、給紙トレイに収容された用紙の給紙側前
   面に向けて付勢する手段を介して支持し、前記前側板に
   対応させて給紙トレイには押倒し用突起を配置し、 トレイ支持板を給紙部から引き出した後で、給紙トレイ
   を垂直軸を介して揺動させることにより、該給紙トレイ
   に設けた押倒し用突起により前側板を給紙方向前側に揺
   動させ、スナバーによる係止状態を解除する動作を行う
   ことを特徴とする画像形成装置の給紙装置。