JPH06135312A - アンチロック制御装置 - Google Patents

アンチロック制御装置

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Publication number
JPH06135312A
JPH06135312A JP30974692A JP30974692A JPH06135312A JP H06135312 A JPH06135312 A JP H06135312A JP 30974692 A JP30974692 A JP 30974692A JP 30974692 A JP30974692 A JP 30974692A JP H06135312 A JPH06135312 A JP H06135312A
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JP
Japan
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valve
hydraulic pressure
pressure
hydraulic
master cylinder
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Withdrawn
Application number
JP30974692A
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English (en)
Inventor
Akihiko Sekiguchi
昭彦 関口
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低圧リザーバと、大気室のないゲートバルブ
と、パイロットバルブとの組み合わせることにより、キ
ックバックの少ない小型で性能のよいアンチロック制御
装置を提案する。 【構成】 ホイールシリンダ6から液圧制御弁7を介し
て排出したブレーキ液を液圧ポンプで加圧し、マスタシ
リンダ1の液圧供給管路3に還流する形式のアンチロッ
ク制御装置において、マスタシリンダ1と液圧ポンプ1
0の吐出口とを連通する管路内にキックバックを防止す
るゲートバルブ4を設け、該ゲートバルブ4とマスタシ
リンダ1とを連通する管路と該ゲートバルブと液圧ポン
プの吐出口とを連通する管路を連通する管路内に液圧ポ
ンプ10からの吐出圧を調圧するパイロットバルブ11
を設け、前記液圧ポンプの吐出圧が所定圧より高くなっ
た時には、液圧ポンプ10からの吐出液を前記パイロッ
トバルブ11を介してリザーバ9に還流するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車輪のロック状態に応じ
て、車輪のブレーキ装置のホイールシリンダに供給され
るブレーキ液圧を制御する車両用アンチロック制御装
置、更に詳細には、ホイールシリンダから液圧制御弁を
介して排出したブレーキ液を液圧ポンプで加圧し、マス
タシリンダの液圧供給管路に還流する形式のアンチロッ
ク制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車が走行中、如何なる路面
においても、より効果的でかつ安全なブレーキ作用を行
わせるためのブレーキ装置として種々のアンチロック制
御装置が開発されている。これらのアンチロック制御装
置においては、車輪のロック状態をコントロール・ユニ
ットで評価し、この評価に基づいて車輪のホイールシリ
ンダに供給されるブレーキ液圧を低下させ、上昇させ、
又は一定に保持させるようにしている。
【0003】このようなアンチロック制御装置として
は、図3に示すものが良く知られている(特公昭61−
16656号)。図3に基づいてこのアンチロック制御
装置の構成、作用を簡単に説明する。図において、10
2はブレーキペダルで、ブレーキペダル102は、マス
ターシリンダ101と接続されており、マスターシリン
ダ101は弁装置120、ホールドバルブ105、ディ
ケイバルブ106を介して車輪に配置されたホイールシ
リンダ104に接続されている。またディケイバルブ1
06はリザーバ107を介して液圧ポンプ108と接続
されており、更に液圧ポンプ108の吐出側は、前記弁
装置120とホールドバルブ105とを接続する管路、
及びアキュムレータ109に連通している。弁装置12
0は通常状態の時は、図示の如くマスタシリンダとホー
ルドバルブ105とを連通しており、アンチロック制御
時、液圧ポンプの吐出圧が所定値以上になるとマスタシ
リンダとホールドバルブとの連通を断つ機能を有してい
る。
【0004】上記構成のアンチロック制御装置におい
て、今、仮に自動車が等速状態にあり、運転者がブレー
キペダル102を踏み込み始めたとする。このブレーキ
開始時点において車輪速度検出器111の検出信号に基
づいて、コントロール・ユニット110が、車輪103
の速度が所定の減速度及びスリップ率に達していないこ
とを判断すると、Lowレベル制御信号S1 ,S2 を出
力する。これによって、ホールドバルブ105、ディケ
イバルブ106は励磁されず(図示状態)、ホールドバ
ルブ105及びディケイバルブ106は管路141、1
44と145とを連通の状態におく。このためマスタシ
リンダ101からのブレーキ液は圧液供給管路141、
弁装置120、管路143、ホールドバルブ105、管
路144、ディケイバルブ106、管路145、146
を通って、ホイールシリンダ104に達し、車輪103
に対しブレーキがかけられる。
【0005】ブレーキのかけ始めにおいては、弁装置1
20は図示の状態にあり、マスタシリンダ101からの
ブレーキ液は弁装置120の入力口121、開かれてい
る弁124、出力口126を通ってホールドバルブ10
5に供給される。しかしながら、マスタシリンダ101
の液圧発生室の圧力、即ち入力口121での圧力が、所
定の圧力、例えば10kg/cm2 になると段付ピスト
ン122はばね123に抗して図において右方へと移動
し、このため球弁124はばね130の付勢力により弁
座125に着座しようとする。しかしブレーキをかけて
いるときには、球弁124はマスタシリンダ101で発
生しているブレーキ液圧により図において左方へとばね
130に抗して押し進められ、着座することが無いた
め、通路を保持しブレーキ液は入力口121から出力口
126へと流れる。
【0006】一方、マスタシリンダで発生するブレーキ
液圧が前述の如く所定の圧力以上になっていると、その
ブレーキ液圧によって段付ピストン122がばね123
に抗して図において右方へと移動しているので、ブレー
キ液が出力口126から入力口121の方へ流れようと
しても、球弁124は弁座125に着座して、その流れ
は阻止される。即ち、弁装置120は入力口121のブ
レーキ液圧が所定の圧力以下であり、ピストン122が
図示した状態の時、若しくはピストン122が球弁12
4を弁座105に着座させるほど右方に移動していない
状態の時には、ブレーキ液を入力口121側から出力口
126側へも、また出力口126側から入力口121側
へも通すが、入力口121のブレーキ液圧が所定の圧力
以上になると、弁装置120は逆止弁として働く。つま
り弁装置120は入力口121側から出力口126側へ
は球弁124を左方へ押してブレーキ液を通すが、出力
口126側から入力口121側へは球弁124が弁座1
24に着座するためブレーキ液を通さない。他方、管路
中の逆止弁112はホイールシリンダ104からマスタ
シリンダ101への方向を順方向としているので、ブレ
ーキをかけているときには管路142にはブレーキ液は
流れない。ブレーキを開放すると、マスタシリンダの液
圧が無くなるため弁装置は図示状態を保持し、ホイール
シリンダからのブレーキ液は弁装置120を介してマス
タシリンダに還流する。
【0007】ブレーキ液圧の上昇により、車輪103が
所定の減速度又はスリップ率に達し、これを越えようと
すると、制御信号S1 ,S2 は共にHighレベルにな
り、ホールドバルブ105、ディケイバルブ106は励
磁され、ホールドバルブ105及びディケイバルブ10
6により、管路141,145とは遮断の状態におか
れ、ディケイバルブ106により、管路145,148
とは連通される。これにより、ホイールシリンダ104
のブレーキ液は管路146,145,148を通って、
リザーバ107内に流入する。液圧ポンプ108は最初
に制御信号S1 ,S2 の何れかがHighレベルになっ
た時点で作動し始めるように構成されており、リザーバ
107内のブレーキ液を加圧して、管路149を通っ
て、圧液供給管路141及びアキュムレータ109へと
送り込む。
【0008】しかるに、上記装置においては上述のよう
な弁装置120が設けられているため、アンチロック制
御時に液圧ポンプから吐出されるブレーキ液はマスタシ
リンダ11の方へは流れず、アキュムレータ109内に
蓄圧されることになる。従って、ブレーキペダル102
には液圧ポンプから吐出される液の脈動、即ちキックバ
ック(けり返し)作用が働かないことになる。上記従来
例によるコントロール・ユニット110によれば、上述
のホールドバルブ105,ディケイバルブ106の働き
により、車輪103の減速度が所定の減速度に回復し、
これより小さくなろうとしたときには、制御信号S1
Highレベルのままであるが、制御信号S2 はLow
レベルになる。従ってホールドバルブ105は励磁され
たままであるが、ディケイバルブ106は非励磁の状態
になり、管路141と144とは遮断され、かつ管路1
45と148も遮断される。これによって、ホイールシ
リンダ104のブレーキ液圧は一定に保持される。な
お、このとき液圧ポンプ108はリザーバ107内のブ
レーキ液を加圧して管路141へ送り込んでいるが、上
述のようにブレーキペダル102へのキックバック作用
はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のキックバック防止機構付きアンチロック制御装
置では、液圧ポンプから吐出された液圧を蓄圧する高圧
のアキュムレータが必要となるため、装置の重量が増す
と共に大きさも大きくなり、小型軽量化の点で不利であ
る。また上記装置中で使用しているポンプ圧をカットす
るための弁装置は、大気側とシールで隔てた段付の摺動
ピストンを使用しており、摺動シールが損傷してここか
ら液圧が漏れるような事態になるとブレーキが作用しな
くなるという問題も生じる。更に通常の液圧通路中に配
置された上記弁装置では、ブレーキ液圧が段付ピストン
に作用すると段付ピストンが移動し、これによって液量
消費も大きくなってしまうという問題がある。そこで本
発明は、低圧リザーバと、大気室のないゲートバルブ
と、パイロットバルブとの組み合わせることにより、キ
ックバックの少ないアンチロック制御装置を提案し、上
記諸問題を解決することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため本発明の技術解
決手段は、ホイールシリンダから液圧制御弁を介して排
出したブレーキ液を液圧ポンプで加圧し、マスタシリン
ダの液圧供給管路に還流する形式のアンチロック制御装
置において、マスタシリンダと液圧ポンプの吐出口とを
連通する管路内にキックバックを防止するゲートバルブ
を設け、該ゲートバルブとマスタシリンダとを連通する
管路と該ゲートバルブと液圧ポンプの吐出口とを連通す
る管路を連通する管路内に液圧ポンプからの吐出圧を調
圧するパイロットバルブを設け、前記液圧ポンプの吐出
圧が所定圧より高くなった時には、液圧ポンプからの吐
出液を前記パイロットバルブを介してリザーバに還流す
るように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】上記構成のアンチロック制御装置において、ブ
レーキ作用中に電子制御装置からブレーキ保持の信号が
出力されるとホールドバルブが閉じてマスターシリンダ
とホイールシリンダとの油路は遮断されホイールシリン
ダのブレーキ液圧は保持される。また電子制御装置から
ブレーキ緩め信号が出力されるとホールドバルブが閉
じ、同時にディケイバルブが開いてホイールシリンダと
第1リザーバとの油路を連通し、ホイールシリンダのブ
レーキ液を第1リザーバに排出させる。第1リザーバに
排出されたブレーキ液は、液圧制御が開始されると同時
に作動する液圧ポンプにより汲み上げられ、管路内に吐
出される。吐出されたブレーキ液圧はパイロットバルブ
内の液室に作用し、これによってパイロットバルブ内の
摺動ピストンは移動しようとする。その時の作用力が、
摺動ピストンに作用するスプリングの付勢力とマスタシ
リンダで発生している液圧との合計よりも高くなると、
パイロットバルブ内の流路が連通され、液圧ポンプから
の液圧は第2リザーバに還流する。第2リザーバに還流
したブレーキ液は再び液圧ポンプで汲み上げられ管路に
吐出され循環される。こうして液圧ポンプから吐出され
た液圧は調圧されることとなる。
【0012】これと同時に、液圧ポンプで汲み上げられ
管路に吐出されたブレーキ液はゲートバルブの液室に作
用し、これによってゲートバルブ内の摺動ピストンはス
プリングの付勢力に抗して移動し、ゲートバルブ内の通
路を閉じる。これによりアンチロック制御時の液圧ポン
プからの液圧はマスタシリンダに還流することは無くな
り、キックバックの発生が防止される。またこの状態
で、液圧ポンプからの液圧が所定圧以上になるとゲート
バルブ内のチェック弁が開いて、液圧ポンプからの液圧
をホールドバルブに流す。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は、独立して各車輪を制御するアンチロック
制御装置において、ある一つの車輪に対する本発明の実
施例に係るアンチロック制御装置の油圧管路系統図を示
しており、他の車輪についても図示せぬが同様の構成の
油圧管路系が装備されている。図において、1はマスタ
シリンダ、2はブレーキぺダル2、4は後に詳細を説明
するゲートバルブ、5はホールドバルブ、6はホイール
シリンダ、7はディッケイバルブ、8は第1リザーバ
8、9は第2リザーバ、10は後に詳細を説明する液圧
ポンプ、11は後に詳細を説明するパイロットバルブで
あり、これらは図に示す如くそれぞれが管路3によって
接続されている。
【0014】ところで、前記マスタシリンダ1、ブレー
キぺダル2、ホールドバルブ5、ホイールシリンダ6、
ディッケイバルブ7、第1リザーバ8、第2リザーバ9
は従来のアンチロック装置に使用されているものと同様
の構成、機能を奏するものであるため、その詳細な説明
は省略する。また前記油圧管路系統中に設けられている
ホールドバルブ5、ディッケイバルブ7は図示しない公
知の電子制御装置によってコントロールされ、これによ
って車輪のロック状態が制御されるようになっている。
【0015】以下、本発明を構成するゲートバルブ4、
パイロットバルブ11、液圧ポンプ10についてその構
造を詳細に説明する。 〔ゲートバルブの構造〕上記油圧管路中に設けられてい
るゲートバルブ4は、通常ブレーキ時にはマスタシリン
ダ1で発生した液圧を管路3、ホールドバルブ5を介し
てホイールシリンダ6に供給すると共に、アンチロック
制御時にはキックバックを防止するために液圧ポンプ1
0からの吐出ブレーキ液をマスタシリンダ1に還流しな
いようにする機能を有しており、次のような構造からな
っている。
【0016】図2はゲートバルブを拡大した断面図であ
り、ゲートバルブ本体40のシリンダ内には摺動ピスト
ン41が設けられ、このピストン41によって同シリン
ダ内はA1 ,A2 ,A3 の三つの液室に区画されてい
る。前記液室A1 とA3 とは摺動ピストン41内に形成
された流路46、チェック弁B1 、チェック弁B2 を介
して連通されており、通常時は、図示の如く二つのチェ
ック弁B1 ,B2 によって該流路は閉じている。また前
記液室A2 とA3 とは摺動ピストン41の外周に形成さ
れた通路43を介して連通されている。前記通路43
は、摺動ピストンの中間部に形成された段部42が、ゲ
ートバルブ本体40に形成された弁座44に当接するこ
とによって閉じられるようになっている。つまり前記段
部42及び弁座44によってポペット弁を構成してい
る。また摺動ピストン41は、常時は前記通路内に配置
されたスプリング45によって図中左方に付勢されてお
り、このため前記ポペット弁は通常時には通路を開いて
いる状態となっている。
【0017】従って、このゲートバルブ4は以下のよう
に作動する。即ち、ブレーキぺダルが踏まれマスタシリ
ンダで液圧が発生すると、その液圧は管路3を介してゲ
ートバルブの液室A3 に流入し、通路43→開いている
段部42(ポペット弁)を通って管路3に流出する。ま
たアンチロック制御が開始され液圧ポンプからの液圧が
液室A1 に作用すると、摺動ピストン41がスプリング
45の付勢力に抗して図中右方に移動し、段部42が弁
座44に当接して通路45を閉じる。こうしてアンチロ
ック制御時の液圧ポンプからの液圧はマスタシリンダに
還流することは無くなる。
【0018】なお、前記チェック弁B1 は液圧ポンプか
らの液圧が所定圧以上になると開いて、液圧ポンプから
の液圧をチェック弁B1 →液室A2 →管路3→ホールド
バルブを介してホイールシリンダに流すが、この時の液
圧ポンプからの液圧(所定圧)は後述するパイロットバ
ルブ11によって調圧された圧力となっている。またア
ンチロック制御時に余ったブレーキ液は前記チェック弁
2 を介してマスタシリンダに還流される。
【0019】〔パイロットバルブの構造〕パイロットバ
ルブ11は、マスタシリンダからの液圧によって開弁圧
を変化させ、液圧ポンプから吐出される液圧を調圧する
機能を有している。つまりアンチロック制御中に液圧ポ
ンプから吐出された液圧が所定圧(マスタシリンダから
の液圧によって決められる)以上になると開いて、その
液を第2リザーバ9に還流する機能(即ち、液圧ポンプ
から吐出される液圧を調圧する機能)を有しており、次
のような構造と機能からなっている。
【0020】図2にパイロットバルブを拡大した断面図
を示す。パイロットバルブ本体50のシリンダ内には摺
動ピストン51が設けられ、このピストン51によって
同シリンダ内はC1 ,C2 ,C3 の三つの液室に区画さ
れている。前記液室C1 は前記ゲートバルブ4と液圧ポ
ンプ10とを連通する管路3に連通しており、液圧室C
2 は第2リザーバ9に連通しており、更に液圧室C3
マスタシリンダと連通している。また前記液圧室C2
3 とは摺動ピストン51内に形成された管路52、チ
ェック弁B3 を介して連通されており、通常時は、図示
の如くこの管路52はチェック弁B3 によって閉じてい
る。また摺動ピストン51は、常時は前記液圧室C3
に配置されたスプリング53によって図中左方に付勢さ
れており、これによって前記摺動ピストン51はパイロ
ットバルブ本体に当接し、液圧室C1 とC2 との連通を
断っている。
【0021】従ってこのパイロットバルブ11は以下の
ようにして調圧機能を達成する。即ち、通常時は摺動ピ
ストン51はスプリング53によって液圧室C1 とC2
との連通を断っており、またブレーキぺダルが踏まれマ
スタシリンダで液圧が発生した時にも、摺動ピストン5
1はスプリング53及びマスタシリンダからの液圧によ
って液圧室C1 とC2 との連通を断っている。アンチロ
ック制御が開始されると液圧ポンプからの液圧が液室C
1 を介して摺動ピストン51に作用し摺動ピストンを図
中右方に移動させようとする。その時に摺動ピストン5
1に作用する力が、摺動ピストン51を左方に移動させ
ようとする力(即ち、スプリング53の付勢力及びマス
タシリンダからの液圧によって摺動ピストン51を左方
に移動させようとする力の合計)よりも高くなると、摺
動ピストン51は図中右方に移動し、液圧室C1 とC2
とを連通し、液圧ポンプからの液圧は第2リザーバ9に
還流する。このようにこのパイロットバルブでは、液圧
ポンプから吐出される液圧をマスタシリンダからの液圧
によって調圧していることとなる。
【0022】〔液圧ポンプの構造〕図1に液圧ポンプの
断面図を示す。液圧ポンプ10は液圧制御が開始される
と同時に作動し第1リザーバ8からブレーキ液圧を汲み
上げ、管路3内に吐出する機能を有している。液圧ポン
プ10は、ハウジング15とこのハウジング15の中に
嵌合固定されるシリンダ部材16とこのシリンダ部材1
6に形成されたシリンダ内に摺動自在に収納されたプラ
ンジャー17とを有しており、前述のプランジャー17
とシリンダ部材16とはブレーキ液を給排する油室18
を形成している。シリンダ部材16には第1リザーバ8
及び第2リザーバ9と連通する通路19、20と、ゲー
トバルブ4およびパイロットバルブ11と連通する通路
3が形成されており、通路19と前述の油室18とは、
油路19から油室18側へのみブレーキ液を流すことが
できるボール弁21で接続されている。
【0023】また通路20と前述の油室18とは、通路
20から油室18側へのみブレーキ液を流すことができ
るボール弁22で接続されている。このボール弁21,
22はボウル弁の間に介装されたバネで弁座へ押圧され
ている。また油室18と通路3とは油室18から通路3
へのみ油を流すことのできるボール弁23で接続されて
おり、このボール弁23は、板バネで油室18側へ押圧
されている。プランジャー17は電子制御装置からの信
号によって駆動されるカムシャフト24にバネにより当
接しており、カムシャフト24の回転によりプランジャ
ー17はシリンダ部材16内を往復動可能に構成されて
いる。従って電子制御装置からの信号によって図示せぬ
モータが駆動し、カムシャフト24が回転して、プラン
ジャー17が往復動すると、ブレーキ液はボール弁2
1,22を介して油室18へ流入し、次いで油室18へ
流入したブレーキ液はボール弁23を介して通路3へ還
流される。
【0024】上記構成に係わるアンチロック制御装置の
作動を説明する。 〔通常ブレーキ時〕先ずはじめに通常ブレーキの作動を
説明すると、ブレーキぺダルを踏み込むことによってマ
スタシリンダに発生した液圧は管路3→ゲートバルブの
液室A3 →ゲートバルブ4の通路43→開いている段部
42(ポペット弁)→管路3→ホールドバルブ5→ホイ
ールシリンダ6に送られブレーキが作動する。またブレ
ーキペダルの踏み込みを開放すると、ホイールシリンダ
内の液圧は前記とは逆の経路でマスタシリンダに還流さ
れる。なおこの時、マスタシリンダで発生したブレーキ
液圧はゲートバルブの液室A3 、パイロットバルブの液
室C3 に作用するが、弁の開閉状態には特に影響を与え
ない。
【0025】〔アンチロック制御時〕次にアンチロック
制御時の作動を説明すると、車両にブレーキをかけるた
めにブレーキペダルを踏むとマスターシリンダで液圧が
発生する。この液圧は通常ブレーキの作動時と同様に、
管路3→ゲートバルブの液室A3 →ゲートバルブ4の通
路43→開いている段部42(ポペット弁)→管路3→
ホールドバルブ5→ホイールシリンダ6に送られ車輪に
制動力を与える。車輪の状態は図示しない車輪速度セン
サで検知され公知の電子制御装置に入力され、電子制御
装置はこの入力に基づいて車輪速度、スリップ率、減速
度などを演算する。この演算結果により車輪のスキッド
状態を評価し、ホールドバルブ5とディケイバルブ7と
液圧ポンプ10とを制御する。
【0026】今、電子制御装置からブレーキ保持の信号
が出力されるとホールドバルブ5が閉じてマスターシリ
ンダとホイールシリンダとの油路は遮断されホイールシ
リンダのブレーキ液圧は保持される。また図示しない電
子制御装置からブレーキ緩め信号が出力されるとホール
ドバルブ5が閉じてマスターシリンダとホイールシリン
ダとの油路を遮断すると同時にディケイバルブ7が開い
てホイールシリンダと第1リザーバ8との油路を連通
し、ホイールシリンダのブレーキ液をリザーバ9に排出
させブレーキは緩められる。そして第1リザーバ8に排
出されたブレーキ液は、液圧制御が開始されると同時に
作動する液圧ポンプ10により汲み上げられ、管路3内
に吐出される。
【0027】吐出されたブレーキ液圧はパイロットバル
ブ11内の液室C1 に作用し、これによって摺動ピスト
ン51を図中右方に移動させようとする。一方、この時
にはパイロットバルブ11内の液室C3 にはマスタシリ
ンダからの液圧も作用している。この結果、摺動ピスト
ン51に作用する力が、摺動ピストン51を図中左方に
移動させようとする力(即ち、スプリング53の付勢力
及びマスタシリンダからの液圧によって摺動ピストン5
1を左方に移動させようとする力の合計)よりも高くな
ると、摺動ピストン51は図中右方に移動し、液圧室C
1 とC2 とが連通され、液圧ポンプからの液圧は第2リ
ザーバ9に還流する。第2リザーバ9に還流したブレー
キ液は再び液圧ポンプ10で汲み上げられ管路3に吐出
され循環される。
【0028】これと同時に液圧ポンプ10で汲み上げら
れ管路3に吐出されたブレーキ液はゲートバルブ4の液
室A1 に作用する。一方、この時にはゲートバルブ4内
の液室A3 にはマスタシリンダからの液圧も作用してい
る。この結果、ゲートバルブ4内の摺動ピストン41に
作用する力がスプリング45の付勢力及びマスタシリン
ダからの液圧によって摺動ピストン41を左方に移動さ
せようとする力の合計より大きくなると摺動ピストン4
1は図中右方に移動し、段部42が弁座44に当接して
通路45を閉じる。こうしてアンチロック制御時にはマ
スタシリンダ1とホールドバルブとの流路は閉じられる
と共に液圧ポンプからの液圧はマスタシリンダに還流す
ることは無くなり、キックバックの発生が防止される。
またこの状態で、液圧ポンプからの液圧が所定圧以上に
なるとチェック弁B1 が開いて、液圧ポンプからの液圧
をチェック弁B1 →液室A2 →管路3→ホールドバルブ
に流す。更にアンチロック制御時に余ったブレーキ液は
前記チェック弁B2 を介してマスタシリンダに還流す
る。
【0029】
【発明の効果】以上詳細に述べた如く本発明によれば、
従来のキックバック防止機構付きアンチロック制御装置
で必要としていた高圧のアキュムレータが不要となるた
め、装置の軽量小型化を進めることができる。また従来
装置中で使用しているポンプ圧をカットするための弁装
置は、大気側とシールで隔てた摺動ピストンを使用して
いるため、摺動シールが損傷した場合にはここから液圧
が漏れるような事態が生じるが、本発明では大気側と隔
てた摺動ピストンを使用していないため、摺動シールが
損傷するようなことはない。またこのピストンによる液
量消費も小さくできるという優れた作用効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例としてのアンチロック制御
装置の油圧管路系図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】従来の車両用液圧ブレーキ装置の油圧回路図で
ある。
【符号の説明】
3 管路 4 ゲートバルブ 5 ホールドバルブ 6 ホイールシリンダ 7 ディケイバルブ 8 第1リザーバ 9 第2リザーバ 10 液圧ポンプ 11 パイロットバルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールシリンダ6から液圧制御弁7を
    介して排出したブレーキ液を液圧ポンプで加圧し、マス
    タシリンダ1の液圧供給管路3に還流する形式のアンチ
    ロック制御装置において、マスタシリンダ1と液圧ポン
    プ10の吐出口とを連通する管路内にキックバックを防
    止するゲートバルブ4を設け、該ゲートバルブ4とマス
    タシリンダ1とを連通する管路と該ゲートバルブと液圧
    ポンプの吐出口とを連通する管路を連通する管路内に液
    圧ポンプ10からの吐出圧を調圧するパイロットバルブ
    11を設け、前記液圧ポンプの吐出圧が所定圧より高く
    なった時には、液圧ポンプ10からの吐出液を前記パイ
    ロットバルブ11を介してリザーバ9に還流するように
    構成したことを特徴とするアンチロック制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ゲートバルブ4は、シリンダ本体4
    0と、該シリンダ本体内に摺動自在に配置された摺動ピ
    ストン41とを備え、前記摺動ピストン41は液圧ポン
    プ10から吐出された液圧が所定値以上になった時にマ
    スタシリンダとホイールシリンダとを連通する管路を閉
    じるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアン
    チロック装置。
  3. 【請求項3】 前記パイロットバルブ11は、シリンダ
    本体50と、該シリンダ本体内に摺動自在に配置された
    摺動ピストン51とを備え、前記摺動ピストン51は液
    圧ポンプ10から吐出されてた液圧が所定値以上になっ
    た時にリザーバ9と液圧ポンプ10とを連通する管路を
    開くようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアン
    チロック装置。
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