JPH06131629A - 磁気ヘッド用加工装置および磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッド用加工装置および磁気ヘッドの製造方法

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JPH06131629A
JPH06131629A JP28170492A JP28170492A JPH06131629A JP H06131629 A JPH06131629 A JP H06131629A JP 28170492 A JP28170492 A JP 28170492A JP 28170492 A JP28170492 A JP 28170492A JP H06131629 A JPH06131629 A JP H06131629A
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JP
Japan
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magnetic head
magnetic
diamond wheel
manufacturing
motor
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JP28170492A
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勝 ▲稜▼野
Masaru Kadono
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、磁気ヘッドの生産性を向上させる
ことができるように改良された磁気ヘッド用加工装置を
得ることを最も主要な特徴とする。 【構成】 当該磁気ヘッド用加工装置は、磁気ヘッドを
製造する工程において使用するダイヤモンドホイール
と、ダイヤモンドホイールを回転させるモータ51と、
を備える。上記モータ51には、該モータ51の負荷電
流をモニタする手段53が接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般に、磁気ヘッド
用加工装置に関するものであり、より特定的には、生産
性を向上させることができるように改良された磁気ヘッ
ド用加工装置に関する。この発明は、さらに、生産性を
向上させることができるように改良された、磁気ヘッド
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドの製造プロセスにおいては、
切断、溝入れ加工という加工工程がある。このような加
工は、従来より、ダイヤモンドホイールを用いて行なわ
れている。ダイヤモンドホイールを使用する切断工具と
してはき、ダイシングマシンやスライサ等が知られてい
る。
【0003】これらの切断工具に使用されているダイヤ
モンドホイールには、半導体製造の分野から出発したも
のが多く、樹脂でダイヤモンドを固めたものや、Cuや
Niのような金属材をボンド材に使ったものが、数多く
使われていた。また、装置自体も、半導体製造の装置が
母体となっているものが、数多く使われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、半導体の製造
において単に切断する目的で用いられている装置を、磁
気ヘッドの製造工程において使用すると、次のような問
題点があった。
【0005】まず、第1に、選ばれたダイヤモンドホイ
ールが適切なものであるか否か、磁気ヘッドの特性に悪
影響を及ぼさないかどうか、セラミック基板などの難加
工性材料を切断、加工などをしたときに目詰り、目潰れ
を起こし、切れなくなるが、その寿命の判断をどう行な
うか、真に適切な加工条件で使用されているか、否か等
の判断は、試行錯誤の末の経験に頼らざるを得なかっ
た。
【0006】また、ダイヤモンドホイールの周速は、一
般に4000m/min以上にされていたが、この周速
が適切であるか否かについても、明確ではなかった。
【0007】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、使用するダイヤモンドホイー
ルを適切に選択でき、さらに、その寿命を数値で管理で
きるようにされた磁気ヘッド用加工装置を提供すること
を目的とする。
【0008】この発明は、さらに、そのような磁気ヘッ
ド用加工装置を用いて、磁気ヘッドを製造する方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に従う磁気ヘッド用加工装置は、磁気ヘッ
ドを製造する工程において使用するダイヤモンドホイー
ルと、上記ダイヤモンドホイールを回転させるモータ
と、上記モータに接続され、該モータの負荷電流をモニ
タする手段と、を備える。
【0010】この発明の他の局面に従う磁気ヘッドの製
造方法は、磁気回路を構成する軟磁性薄膜または軟磁性
薄膜と絶縁性薄膜の積層体と、上記軟磁性薄膜または上
記積層体を支持する非磁性セラミック基板からなる磁気
ヘッドを製造する方法に係るものである。ダイヤモンド
ホイールを使用する工程において、上記ダイヤモンドホ
イールの周速を500m/min〜4000m/min
にすることを特徴とする。
【0011】この発明のさらに他の局面に従う磁気ヘッ
ドの製造方法においては、まず、 (1) セラミック基板の表面に略V字状の複数の溝を
形成する。
【0012】(2) 上記溝の一方の溝壁面に磁気コア
となる軟磁性薄膜を形成する。 (3) 上記各溝に低融点ガラスを充填する。
【0013】(4) 上記セラミック基板を前記溝と直
角方向に所定のピッチで切断し、さらに上記低融点ガラ
スの充填部の表面を平面状に研摩してコアピースを作製
する。
【0014】(5) 上記コアピースにコイル巻線用窓
を形成するための加工を施す工程。 (6) 上記コアピースにギャップ面を形成するための
加工を施す。
【0015】(7) 2個のコアピースの各低融点ガラ
スの充填面をギャップ対向面にし、露出したコアが互い
に相対するようにこれらを位置合わせし、その後、これ
らを加圧密着させ、それによって2個のコアピースを接
合する。
【0016】(8) 上記磁気ヘッドコアブロックから
磁気ヘッドチップを切出す。 (9) 上記磁気ヘッドチップをベース板に固定する。
【0017】(10) 上記磁気ヘッドチップにコイル
を巻く。 (11) 上記磁気ヘッドチップの磁気テープとの摺接
面を研摩テープで仕上げる。
【0018】この発明の特徴は、ダイヤモンドホイール
を使用する加工法が可能な上記工程(1)、(4)、
(5)および(8)のうち、少なくとも1つの工程にお
いて、上記ダイヤモンドホイールを回転させるモータの
負荷電流をモニタできる磁気ヘッド加工装置を用いて加
工することにある。
【0019】この発明のさらに他の局面に従う磁気ヘッ
ドの製造方法においては、まず、 (1) セラミック基板の表面に略V字状の複数の溝を
形成する。
【0020】(2) 上記溝の一方の溝壁面に磁気コア
となる軟磁性薄膜を形成する。 (3) 上記各溝に低融点ガラスを充填する。
【0021】(4) 上記セラミック基板を上記溝と直
角方向に所定のピッチで切断し、さらに上記低融点ガラ
スの充填部の表面を平面状に研摩してコアピースを作製
する。
【0022】(5) 上記コアピースにコイル巻線用窓
を形成するための加工を施す。 (6) 上記コアピースにギャップ面を形成するための
加工を施す。
【0023】(7) 2個のコアピースの各低融点ガラ
スの充填面をギャップ対向面にし、露出した磁気コアが
互いに相対するようにこれらを位置合わせし、その後、
これらを加圧密着させ、それによって2個のコアピース
を接合し、磁気ヘッドコアブロックを作製する。
【0024】(8) 上記磁気ヘッドコアブロックから
磁気ヘッドチップを切出す。 (9) 上記磁気ヘッドチップをベース板に固定する。
【0025】(10) 上記磁気ヘッドチップにコイル
を巻く。 (11) 上記磁気ヘッドチップの磁気テープとの摺接
面を研摩テープで仕上げる。
【0026】この発明の特徴は、ダイヤモンドホイール
を使用する加工法が可能な上記工程(1)、(4)、
(5)および(8)のうち、少なくとも1つの工程にお
いて、ダイヤモンドホイールの周速を500m/min
〜4000m/minにして加工することにある。
【0027】
【作用】この発明の第1の局面に従う磁気ヘッド用加工
装置によれば、モータの負荷電流をモニタする手段を備
えているので、加工条件が適切であるか、ダイヤモンド
ホイールの寿命がきているか等の、従来経験でしか得ら
れなかった判断が、数値によって行なうことができるよ
うになる。
【0028】この発明の第2の局面に従う磁気ヘッドの
製造方法によれば、ダイヤモンドホイールの周速を50
0m/min〜4000m/minにするので、セラミ
ック基板の加工性が向上し、かつ生産性が向上し、さら
に磁気ヘッドの効率の向上につながる。
【0029】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。
【0030】なお、以下に述べる実施例においては、磁
気回路を構成する軟磁性薄膜と絶縁性薄膜との積層体に
FeAlSi合金薄膜とSiO2 薄膜との積層体を、非
磁性基板にTiO2 ・CaO・NiO系セラミック基板
を用いた場合を例示するが、軟磁性薄膜としては、たと
えば、NiFe系合金、FeSiGa系合金、CoNb
Cr系合金、Fe−C系合金、Fe−N系合金、Fe−
Co−Si系合金を用いてもよく、また、セラミック基
板も上述のものに限定されるものでなく、軟磁性薄膜と
の熱膨張の整合と磨耗特性によって、適宜選択される。
【0031】図1は、本発明の磁気ヘッド用加工装置の
構成図である。図1を参照して、モータ駆動部51は、
図示しないが、ダイヤモンドホイールに連絡されてい
る。モータ駆動部51は、モータ制御部52を介して、
加工装置システムコントロール56に連絡される。モー
タ駆動部51には、モータの負荷電流モニタ53が接続
される。モータ負荷電流モニタ53には、演算部55と
記憶部54が接続されている。記憶部54は、演算部5
5を介して、加工装置システムコントロール56に接続
されている。
【0032】図2は、本発明の磁気ヘッドの製造方法で
得られる磁気ヘッドの斜視図である。図2に示す磁気ヘ
ッド1においては、厚さ方向とギャップ2の近傍が、拡
大して示されている。
【0033】図2を参照して、軟磁性合金膜3は、セラ
ミック基板4およびセラミック基板4と同等の摩耗性を
有する低融点ガラス5で挾み込まれている。後述するV
字形溝の形状やピッチによっては、軟磁性合金薄膜3の
形成面6(図5参照)と、磁気ヘッドの上端部の稜線7
との成す角度は、変化する。ギャップ2は、低融点ガラ
ス5で溶着保持される。なお、磁気ヘッド1に巻かれる
コイル線、ギャップスペーサの図示は、省略されてい
る。
【0034】図3〜図8は、図2に示す磁気ヘッドの製
造方法の工程を示した図である。これらの図を用いて、
本発明に係る、磁気ヘッドの製造方法を説明する。
【0035】図3を参照して、セラミック基板4の表面
に、最終的な磁気ヘッドの厚さ、分断する際の切り代を
考慮したピッチ寸法Aで、平行なV字形溝8を形成す
る。磁気コアとなる軟磁性合金薄膜(後に、符号3で示
されるもの)を形成するV字形溝8の側壁6とセラミッ
ク基板4の初期表面の法線との成す角φと、ピッチ寸法
Aは、最終的な磁気ヘッド1で必要な磁気コアの幅とア
ジマスにより定められる。
【0036】V字形溝8の形成法および側壁6の面粗度
を良くする加工法は、種々考えられる。しかし、ここで
は、本発明に係る、ダイヤモンドホイールと、ダイヤモ
ンドホイールを回転させるモータと、該モータに接続さ
れ、該モータの負荷電流をモニタする手段と、を備える
磁気ヘッド用加工装置を用いた、加工方法について述べ
る。
【0037】先端が尖ったダイヤモンドホイールを用い
て加工する場合に、まず、最初に行なうのは、ダイヤモ
ンドホイールの選択である。
【0038】上述の構成を備える磁気ヘッド用加工装置
を用いると、図9に示すように、モータの負荷電流をモ
ニタしておき、横軸にダイヤモンドホイールによる単位
時間当りの除去量をとり、縦軸に負荷電流の変化量をと
ると、ダイヤモンドホイールの種類の差が、数値として
表わせる。図9を参照して、タイプcのダイヤモンドホ
イールが、一番加工性に優れること、またタイプaに比
べ数倍加工能力があることがわかる。このような処理
を、装置自身に記憶および演算部を持たせることによっ
て、行なってもよいが、最も簡単な構成では、モータの
負荷電流をモニタする手段を備えていればよい。なお、
モニタは、メータ等による目視だけでなく、後に残るタ
イプのモニタ(たとえば、レコーダ出力)が望ましい。
【0039】また、一般にセラミック基板4は難加工性
材料であるために、加工速度を生産の場合、重んじるの
で、たとえば、ダイヤモンドの平均粒径が10〜15μ
m程度のもの(イ)と、1〜3μm程度のもの(ロ)と
2種類のダイヤモンドホイールを使用し、それによっ
て、V字形溝8を形成し、側壁6の面粗度を良くする。
ところで、このような2種類のブレードの形状を厳密に
合わせていくことは難しい。したがって、(イ)のダイ
ヤモンドホイールで前加工した後、(ロ)のダイヤモン
ドホイールを用い、側壁6の面粗度を仕上げたつもり
が、たとえば、(イ)の先端の曲率が、(ロ)の先端の
曲率より大きい場合には、切込み深さを適切に選ばない
と、大部分空振りをしてしまう。このような場合、モー
タの負荷電流をモニタしておくと、2種類のブレードの
形状を厳密に合せていくことが容易となる。図10は、
(イ)のダイヤモンドホイールで形成したV字溝8の深
さから、20μmステップで、(ロ)のダイヤモンドホ
イールでV字溝8を深くしていった場合のモータの負荷
電流のモニタ結果を示す。
【0040】図10を参照して、本実施例では、7本ず
つ溝を入れている。領域Iでは、完全に空振りをしてい
て、領域II,IIIで形状の差が吸収できているのが
わかる。したがって、図10を参照して、この場合に、
(イ)、(ロ)のダイヤモンドホイールを使用する場
合、モニタ結果より、(イ)のダイヤモンドホイールに
よって形成したV字溝の深さより40μm程度深く、
(ロ)のダイヤモンドホイールで溝を形成すれば、ダイ
ヤモンド1〜3μm径で仕上げられた面が、側面6に形
成できることがわかる。
【0041】なお、図10を参照して、領域IIでも、
形状の差は吸収できているが、もし、この領域IIが過
渡的なものであれば、領域IIの負荷電流は、領域II
Iの負荷電流よりもわずかに小さくなり、経験的なもの
や、目視だけではわかりにくい差も、数字として、正確
に表わすことが可能となる。
【0042】次に、ダイヤモンドホイールを使用する場
合にもう1つの問題となるのは、目潰れ、目詰りによる
寿命である。ダイヤモンドホイールの寿命については、
従来は、経験的判断により、使用回数を決めていたが、
実施例に係る装置を用いて、モータの負荷電流をモニタ
していれば、徐々に使用回数が増すにつれて、目潰れ、
目詰りがあれば、負荷電流が増加するので、リミット電
流を指定しておけば、経験ではなく、数値として決定で
きるし、またダイヤモンドホイールの個別のばらつきな
ども考慮できる。
【0043】ダイヤモンドホイールの選択の次に問題に
なるのは、加工条件の決定である。一例として、図3に
示す工程、すなわち、V字形溝の側面6の仕上げ工程に
ついて、詳細に説明する。セラミック基板は、焼成され
たもので、その平均粒径が5μm以下のものを使用し
た。セラミック基板4は、延性が全くないといってよい
ほどであるため、加工条件が適切でない場合、破壊して
しまうか、粒が脱落してしまう。脱落する粒の大きさ
は、粒子粒径で数μm程度になるため、その上に、軟磁
性の無機薄膜を成膜するには、問題がある。従来のダイ
ヤモンドホイールを使用した装置は、半導体の製造にお
いて使用していたものを発展させたものであるため、た
とえば、2インチ径のダイヤモンドブレードを3000
0rpmで使用すると、その周速は約4800m/mi
nであった。ところが、モータの負荷電流と仕上げられ
た側面6の様子の相関を詳しく調べてみると、ダイヤモ
ンドホイールの周速を500〜4000m/minの間
にする方が、良いことが判明した。
【0044】図11に、上述の(ロ)の、すなわちダイ
ヤモンドの平均粒径が1〜3μmのダイヤモンドホイー
ルに、軟らか目のメタルボンド材を用いた場合の、図1
0に示す領域IIIでの負荷電流と、周速との相関を示
す。図11から明らかなように、周速を下げると負荷電
流は下がっているが、2500m/minあたりにプラ
トーが存在する。周速を下げると加工性が向上すること
は、上記(イ)の平均粒径の大きいダイヤモンドホイー
ルを用いて、V字形溝8を連続して形成したときのV字
形溝の頂点9の欠けが少なくることより確認している
が、このプラトーの発生は、周速を下げすぎたとき、加
工性を向上させようとする効果にダイヤモンドホイール
自体の加工能力が追いつかないために起こると考えられ
る。なぜなら、後述するように、加工性能力があるダイ
ヤモンドホイールを使用するとプラトーは現われない
し、プラトーが発生する周速以下にした場合、たとえ
ば、周速を約1900m/minにした場合、V字形溝
8の側壁6の仕上げ面は、セラミック基板4の粒の脱落
が増加し、加工能力が追いついていない様相を呈してい
るからである。
【0045】また、上述のものより加工能力の高い硬め
のメタルボンド材を用いた場合の負荷電流と、周速の相
関では、図示しないが、図11に示すようなプラトーは
見られない。したがって、条件的には、周速をできるだ
け小さくする方が加工性が良くなるが、たとえば、約7
00m/minで加工すれば、V字形溝8の側面6にお
いて、面粗度が、平均1000Å以下のものが得られ
る。また、このような加工性の良いブレードを用いた場
合、たとえば、周速を1400m/minで加工すれ
ば、セラミック基板4の粒の脱落が見られ、周速が大き
いほど、この脱落は多かった。これは、一度仕上げた面
を必要以上に、ダイヤモンドホイールによりこするため
であると考えられる。したがって、ダイヤモンドホイー
ルの種類によっては、周速は違うものの、500〜40
00m/minの遅い方にもっていくのがよいことがわ
かった。
【0046】図5に戻って、V字形溝8の側壁6にスパ
ッタ法、蒸着法等で、磁気ヘッドのトラック幅を得るの
に要する厚みの、FeAlSi系合金薄膜3を形成す
る。このとき、蒸着法などの指向性の強い成膜法を用い
れば、成膜に寄与する蒸着粒子の飛来方向が一定である
ので(図4参照)、この飛来方向を適当に設定すれば、
隣接するV字形溝の頂点9による陰影効果で、V字形溝
の側壁6の底に近い部分で、薄膜を途切れさせることが
できる。なお、軟磁性合金薄膜3は、磁気ヘッド1の動
作する周波数領域を考慮して、SiO2 等の絶縁膜を挟
み込んで、積層構造とするのが一般的である(図示せ
ず)。
【0047】次に、図5と図6を参照して、軟磁性合金
薄膜3が成膜された部材10の表面に、SiO2 等の保
護膜と、ガラスに対する濡れをよくするための金属薄膜
(Cr等)を形成して(図示せず)から、V字形溝を低
融点ガラス5で充填して、コアブロック11を得る。
【0048】図6を参照して、コアブロック11を、面
12(基板下面とV字形溝の方向の両者に直交する面)
で切断して、コアピース13を得る。なお、図6中、簡
単化のために、1つのコアブロック11を4分割する場
合を描写したが、実際には、さらに、多数に分割するの
が通常である。
【0049】なお、この分割にダイヤモンドホイールを
使用する場合には、V字形溝を形成する場合に用いた、
実施例に係る磁気ヘッド用加工装置が好ましく用いられ
る。
【0050】次に、上述の工程で得られたコアピース1
3に対して、公知のVTR用フェライトヘッドの加工と
同様な工程、すなわちコイル巻線用窓となる溝の形成、
ギャップ対向面の精密研摩、ギャップスペーサの形成を
行なう。この際のギャップ対向面となる面は、図6で、
参照番号14で示された面である。この一連の工程の中
で、コイル巻線用窓の溝形成に、実施例に係る、モータ
の負荷電流をモニタする手段を備えた磁気ヘッド加工装
置を用いるのが好ましい。
【0051】図7を参照して、軟磁性合金薄膜3の、ギ
ャップ対向面14に露出した、部分が、互いに対向する
ように位置合せ、加圧固定し、低融点ガラス8が接着力
を持つような温度にまで昇温してガラス溶着を行ない、
それによって磁気ヘッドコアブロック15を形成する。
【0052】磁気ヘッドコアブロック15は磁気ヘッド
チップ16が多数連結された状態であるため、次の工程
で、個々の磁気ヘッドチップ16に分断される。すなわ
ち、図8を参照して、ハッチングされた部分を切り代と
して分断され、磁気ヘッドチップ16が得られる。
【0053】なお、V字形溝8の形状およびピッチによ
っては、図2に示すように、軟磁性合金薄膜3とハッチ
ング部分が平行にならないこともある。このチップ分断
において、ダイヤモンドホイールを使用する場合には、
本発明に係る、モータの負荷電流をモニタする手段を備
える磁気ヘッド用加工装置が好ましく用いられる。
【0054】上述のようにして形成された磁気ヘッドチ
ップ16を、従来の磁気ヘッドと同様に、ベース板への
接着固定、コイル巻、テープ研摩を施して、磁気ヘッド
1を完成させる(図1参照)。
【0055】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明に従う磁
気ヘッド用加工装置によれば、モータの負荷電流をモニ
タする手段を備えているので、加工条件が適切である
か、ダイヤモンドホイールの寿命が来ているか等の従来
経験でしか得られなかった判断が、数値によって管理す
ることができるようになる。ひいては、磁気ヘッドの生
産性向上につながるという効果を奏する。
【0056】また、この発明に従う磁気ヘッドの製造方
法によれば、ダイヤモンドホイールの周速を500m/
min〜4000m/minにするので、セラミックの
加工性が向上し、かつ生産性が向上し、さらに磁気ヘッ
ドの効率の向上につながるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る磁気ヘッド用加工装置
の構成図である。
【図2】本発明に係る、磁気ヘッドの製造方法によって
得られた、磁気ヘッドの斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る、磁気ヘッドの製造方法
の第1の工程を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る磁気ヘッドの製造方法
の第2の工程を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る磁気ヘッドの製造方法
の第3の工程を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係る磁気ヘッドの製造方法
の第4の工程を示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係る磁気ヘッドの製造方法
の第5の工程を示す図である。
【図8】本発明の一実施例に係る磁気ヘッドの製造方法
の第6の工程を示す図である。
【図9】本発明の一実施例に係る磁気ヘッドの製造方法
において、ダイヤモンドホイールを選択する場合の、モ
ータの負荷電流の変化量と、単位時間当りの除去量の関
係図である。
【図10】本発明の一実施例に係る磁気ヘッドの製造方
法において、V字形溝形成時のモータの負荷電流の経時
変化を示す図である。
【図11】本発明の一実施例に係る磁気ヘッドの製造方
法において、V字形溝の形成時のモータの負荷電流とダ
イヤモンドホイールの周速の関係図である。
【符号の説明】
51 モータ駆動部 53 モータ負荷電流モニタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドを製造する工程において使用
    するダイヤモンドホイールと、 前記ダイヤモンドホイールを回転させるモータと、 前記モータに接続され、該モータの負荷電流をモニタす
    る手段と、を備えた磁気ヘッド用加工装置。
  2. 【請求項2】 磁気回路を構成する軟磁性薄膜、または
    軟磁性薄膜と絶縁性薄膜の積層体と、前記軟磁性薄膜ま
    たは前記積層体を支持する非磁性セラミック基板とから
    なる磁気ヘッドを製造する方法において、 ダイヤモンドホイールを使用する工程において、前記ダ
    イヤモンドホイールの周速を500m/min〜400
    0m/minにすることを特徴とする、磁気ヘッドの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 磁気ヘッドの製造方法であって、 (1) セラミック基板の表面に略V字状の複数の溝を
    形成する工程と、 (2) 前記溝の一方の溝壁面に磁気コアとなる軟磁性
    薄膜を形成する工程と、 (3) 前記各溝に低融点ガラスを充填する工程と、 (4) 前記セラミック基板を前記溝と直角方向に所定
    のピッチで切断し、さらに前記低融点ガラスの充填部の
    表面を平面状に研摩してコアピースを作製する工程と、 (5) 前記コアピースにコイル巻線用窓を形成するた
    めの加工を施す工程と、 (6) 前記コアピースにギャップ面を形成するための
    加工を施す工程と、 (7) 2個の前記コアピースの各低融点ガラスの充填
    面をギャップ対向面にし、露出した磁気コアが互いに相
    対するようにこれらを位置合わせし、その後、これらを
    加圧密着させ、それによって2個のコアピースを接合
    し、磁気ヘッドコアブロックを作製する工程と、 (8) 前記磁気ヘッドコアブロックから磁気ヘッドチ
    ップを切出す工程と、 (9) 前記磁気ヘッドチップをベース板に固定する工
    程と、 (10) 前記磁気ヘッドチップにコイルを巻く工程
    と、 (11) 前記磁気ヘッドチップの磁気テープとの摺接
    面を研摩テープで仕上げる工程と、を備える、磁気ヘッ
    ドの製造方法において、 ダイヤモンドホイールを使用する加工法が可能な前記工
    程(1)、(4)、(5)および(8)のうち、少なく
    とも1つの工程において、前記ダイヤモンドホイールを
    回転させるモータの負荷電流をモニタできる磁気ヘッド
    加工装置を用いて加工することを特徴とする、磁気ヘッ
    ドの製造方法。
  4. 【請求項4】 磁気ヘッドの製造方法において、 (1) セラミック基板の表面に略V字状の複数の溝を
    形成する工程と、 (2) 前記溝の一方の溝壁面に磁気コアとなる軟磁性
    薄膜を形成する工程と、 (3) 前記各溝に低融点ガラスを充填する工程と、 (4) 前記セラミック基板を前記溝と直角方向に所定
    のピッチで切断し、さらに前記低融点ガラスの充填部の
    表面を平面状に研摩してコアピースを作製する工程と、 (5) 前記コアピースにコイル巻線用窓を形成するた
    めの加工を施す工程と、 (6) 前記コアピースにギャップ面を形成するための
    加工を施す工程と、 (7) 2個の前記コアピースの各低融点ガラスの充填
    面をギャップ対向面にし、露出した磁気コアが互いに相
    対するようにこれらを位置合わせし、その後これらを加
    圧密着させ、それによって2個のコアピースを接合し、
    磁気ヘッドコアブロックを作製する工程と、 (8) 背前記磁気ヘッドコアブロックから磁気ヘッド
    チップを切出す工程と、 (9) 前記磁気ヘッドチップをベース板に固定する工
    程と、 (10) 前記磁気ヘッドチップにコイルを巻く工程
    と、 (11) 前記磁気ヘッドチップの磁気テープとの摺接
    面を研摩テープで仕上げる工程と、を備える、磁気ヘッ
    ドの製造方法において、 ダイヤモンドホイールを使用する加工法が可能な前記工
    程(1)、(4)、(5)および(8)のうち、少なく
    とも1つの工程において、 前記ダイヤモンドホイールの周速を500m/min〜
    4000m/minにして加工することを特徴とする、
    磁気ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004124765A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Toshiba Corp 回転機の寿命予測方法及び回転機を有する製造装置

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