JPH06131034A - ディジタル制御回路 - Google Patents

ディジタル制御回路

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JPH06131034A
JPH06131034A JP28288992A JP28288992A JPH06131034A JP H06131034 A JPH06131034 A JP H06131034A JP 28288992 A JP28288992 A JP 28288992A JP 28288992 A JP28288992 A JP 28288992A JP H06131034 A JPH06131034 A JP H06131034A
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JP28288992A
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Inventor
Makoto Mizukami
誠 水上
Kikuji Kato
喜久次 加藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 DSPを用いてアクチュエータ制御などのデ
ィジタル制御を行う場合に、ダイナミックレンジを拡大
し、高分解能化を可能とするディジタル制御回路を提供
する。 【構成】 A−D変換部において、差信号検出回路は、
1サンプリング周期毎の入力と前周期における入力との
差分を検出し、A−D変換器は、差信号検出回路の出力
を量子化する。DSPは、入力の差分について信号処理
を行い、出力の差分を算出する。D−A変換部におい
て、D−A変換器は、DSPの出力をD−A変換し、加
算回路は、前周期における出力信号の値を保持するとと
もに、D−A変換器の出力と保持していた出力信号を加
算して現サンプリング周期における出力信号を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクチュエータ制御等
に適するディジタル制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ロボットを始めとして、磁気ディ
スク装置や光ディスク装置等にもディジタル信号処理を
応用した高精度の位置決め制御が施されるようになって
きた。ディジタル信号処理を応用した制御は、古くから
研究されてきたが、LSI技術が発展し高速のディジタ
ル信号処理プロセッサ(DSP)が開発されてから実用
に供されるようになった。DSPの開発により、ディジ
タル信号処理の高速化と高精度化が進み、現在ではディ
ジタル信号処理の基本となる積和演算が数10n秒で実
行され、演算精度についても32ビットの浮動小数点が
扱えるまでになっている。
【0003】DSPの開発に併せて信号を取り込むため
のA−D変換器やD−A変換器についても高速高精度化
が進められているが、それらは、DSPに比べると極め
て単機能であり、かつ、応用分野も限られ、DSPの高
速高精度化には追従できていないのが実情である。
【0004】例えば、DSPについては浮動小数点演算
形のものを容易に選択でき、分解能に関して32ビット
程度のものまで選択できる。しかし、高速形のA−D変
換器やD−A変換器において、浮動小数点演算形のもの
はまれにしかなく、あってもその分解能は12ビット以
下である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、DSPそのも
のは高度の演算をすることができるにもかかわらず、A
−D変換器やD−A変換器の分解能が十分でないため、
DSPを用いても高精度の制御ができない場合が多かっ
た。特に、アクチュエータ制御の場合にあっては、高分
解能が要求されるアクチュエータの位置追従制御と、高
帯域処理すなわち高速処理が要求されるアクチュエータ
の移動制御とが混在するが、両者の要求を同時に満たす
ようなA−D変換器やD−A変換器を選択することが困
難であり、十分な制御性能を確保できない場合が多かっ
た。
【0006】よって、本発明は、DSPを用いてアクチ
ュエータ制御などのディジタル制御を行う場合に、ダイ
ナミックレンジを拡大し、高分解能化を可能とするディ
ジタル制御回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るディジタル制御回路は、入力信号について量子化を行
うA−D変換部と、このA−D変換部の出力信号に対し
てディジタル信号処理を行うDSPと、このDSPの処
理結果をアナログ化して出力するD−A変換部とを備え
たものであって、A−D変換部は、1サンプリング周期
毎の入力と前周期における入力との差分を検出する差信
号検出回路と、この差信号検出回路の出力を量子化する
A−D変換器とを有し、D−A変換部は、DSPの出力
をD−A変換するD−A変換器と、前周期における出力
信号の値を保持するとともに、D−A変換器の出力と保
持していた出力信号を加算して現サンプリング周期にお
ける出力信号を得る加算回路を有する構成のものであ
る。
【0008】また、請求項2記載の発明に係るディジタ
ル制御回路は、請求項1記載の発明に係るものにおい
て、DSPが、A−D変換部が出力した各入力の差分を
加算して入力信号を復元する加算処理部と、この加算処
理部の出力に対して実行されたディジタル信号処理の処
理結果から1サンプリング周期毎の差分出力を算出する
差分算出処理部とを備えた構成のものである。
【0009】そして、請求項3記載の発明に係るディジ
タル制御回路は、請求項2記載の発明に係るものにおい
て、A−D変換部は、入力の振幅がA−D変換器のダイ
ナミックレンジ内に入っている場合に、その入力をその
ままA−D変換してDSPに供給する入力切替手段を有
し、DSPは、出力の振幅がD−A変換器のダイナミッ
クレンジ内に入っている場合に、その出力をそのままD
−A変換部に出力するとともにその旨を通知し、D−A
変換部は、DSPからその出力がそのサンプリング周期
における出力信号そのものであることを通知されると、
その出力をそのままD−A変換して出力する出力切替手
段を有する構成のものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明におけるA−D変換部は、
1サンプリング周期毎の入力の差分のみをディジタル化
してDSPに供給するので、A−D変換器の所要ビット
数は低減される。また、DSPは、ビット数の少ない差
分を対象として信号処理を行うことが可能になる。そし
て、D−A変換部も、差分出力を対象にアナログ化を行
うので、D−A変換器の所要ビット数も低減される。
【0011】また、請求項2記載の発明におけるDSP
は、差分ではなく入力信号そのものおよび出力信号その
ものを対象に信号処理を行うが、A−D変換部およびD
−A変換部は、差分をDSPに入出力する。よって、A
−D変換部は、差分入力のダイナミックレンジに見合っ
たビット数を有し、D−A変換部は、差分出力のダイナ
ミックレンジに見合ったビット数を有する。
【0012】そして、請求項3記載の発明におけるA−
D変換部は、入力信号の振幅がそのA−D変換器のダイ
ナミックレンジ内の値であれば、差分ではなくディジタ
ル化された入力信号そのものをDSPに転送する。ま
た、DSPは、信号処理の結果得られた出力信号の振幅
がD−A変換部のD−A変換器のダイナミックレンジ内
の値であれば、差分ではなくディジタル化された出力信
号そのものをD−A変換部に転送する。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の一実施例によるディジタル
制御回路を示すブロック図である。図において、1は入
力Xn に関するA−D変換を行うA−D変換部、2はA
−D変換部の出力についてディジタル信号処理を行うD
SP、3はDSP2の出力に関するD−A変換を行い出
力Ynを出力するD−A変換部である。
【0014】A−D変換部1は、差信号検出回路11と
A−D変換器とで構成される。そして、DSP2から制
御信号としてA−D変換命令を受けると、それに従っ
て、差信号検出回路11は、入力Xn から1サンプリン
グ周期毎の差分入力ΔXn を検出し、A−D変換器12
は、差分入力ΔXn をA−D変換してDSP2に転送す
る。DSP2は、転送された差分入力ΔXn に対して、
アクチュエータ制御に必要なディジタル信号処理を施し
差分入力ΔXn に対応した差分出力ΔYnを算出する。
【0015】D−A変換部3は、D−A変換器31と加
算回路32とで構成される。そして、DSP2から制御
信号としてD−A変換命令を受けると、それに従って、
D−A変換器31は、差分出力ΔYnをD−A変換し、
加算回路32は、保持していた1サンプリング周期前の
出力Yn-1 と差分出力ΔYnとを加算し、アクチュエー
タ制御用の出力Ynを出力する。
【0016】このように、本実施例によれば、入力Xn
および出力Ynの差分のみが、DSP2にまたはDSP
2から転送されるので、A−D変換器12とD−A変換
器31のビット数は低くてもよい。また、ダイナミック
レンジの小さな差分入力ΔXn に対して信号処理を施す
ためDSP2における所要データ語長が短くなり、固定
小数点形の低ビット数のDSPが使用可能である。この
結果、ディジタル制御回路のスペースファクタは小さく
抑えられるとともに、低価格化が実現される。
【0017】ディジタル信号処理の代表例としてディジ
タルフィルタがある。ディジタルフィルタには、FIR
(Finite Inpulse Response )とIIR(Infinite Inp
ulseResponse )との2つの構造がある。このうちFI
Rフィルタは、IIRフィルタとは異なり、フィードフ
ォワードループのみで構成される。従って、通常の入力
Xn と出力Ynとの関係から算出されるフィルタ設計を
そのまま差分入力ΔXn に適用することによって、差分
入力ΔXn から直ちに差分出力ΔYnを算出することが
できる。
【0018】以下、図2に示す遅延要素25、乗算要素
26,27および加算要素28で構成されたFIRフィ
ルタを例としてDSP2の動作について説明する。図2
に示す構成において、1サンプリング周期毎の入力Xn
を0,X1 ,X2 ,・・・,Xi とすると、このときの
出力Ynは、0,X1 ・k0 ,(X2 ・k0 +X1 ・k
1 ),(X3 ・k0 +X2 ・k1 ),・・・,(Xi
0 +Xi-1 ・k1 )となる。
【0019】一方、差分入力ΔXn は、 ΔX1 =X1 −0 ΔX2 =X2 −X1 ΔX3 =X3 −X2 ・ ・ ・ ΔXi =Xi −Xi-1 となる。
【0020】差分出力ΔYnは、 ΔY1 =X1 ・k0 −0=ΔX1 ・k0 ΔY2 =(X2 ・k0 +X1 ・k1 )−X1 ・k0=Δ
2 ・k0 +ΔX1 ・k1 ΔY3 =(X3 ・k0 +X2 ・k1 )−(X2 ・k0
1 ・k1 )=ΔX3 ・k0 +ΔX2 ・k1 ・ ・ ・ ΔYi =(Xi ・k0 +Xi-1 ・k1 )−(Xi-1 ・k
0 +Xi-2 ・k1 )=ΔXi ・k0 +ΔXi-1 ・k1 となる。
【0021】以上の入出力関係から明らかなように、F
IRフィルタのようなフィードフォワード形のフィルタ
では、フィルタの演算過程の全てにおいて、入出力信号
間に比例関係が成り立つ。よって、入力Xn に対する出
力Ynは、各差分出力(ΔY 1 〜ΔYn)の累算によっ
て求められる。
【0022】なお、FIRフィルタはフィードフォワー
ドループのみで構成されるので、IIRフィルタと比較
すると、同等のフィルタ特性を実現する場合に、次数が
高くなりプログラムのステップ数が多くなる。しかし、
一般に機械制御系のフィルタの次数は高々10次程度で
あり、かつ、あまり急峻なフィルタ特性は要求されな
い。よって、ステップ数はそれほど増えず、差分演算に
よる所要ビット数の低減によるDSPの高速化、小型化
および低価格化の効果は大きい。
【0023】図3は、A−D変換部1の構成例を示した
ものである。図において、111は入力Xn をサンプル
ホールドするサンプルホールド回路、113は入力Xn
とサンプルホールド回路111の出力との間の減算を行
う減算回路、115はサンプルホールド回路111およ
びA−D変換器12の動作タイミングを設定するタイミ
ング制御回路である。
【0024】サンプルホールド回路111は、1サンプ
リング周期前の入力信号の振幅を記憶している。また、
減算回路113は、現時点の入力信号とサンプルホール
ド回路322の出力信号との差分をとり、その差分を出
力している。タイミング制御回路115は、DSP2か
ら制御信号としてA−D変換開始命令を受けると、ま
ず、A−D変換器12に動作指令を与えてA−D変換を
行わせる。この結果、差分信号が量子化されたものがD
SP2に供給される(図3において、Aパルスのタイミ
ング)。
【0025】次に(図3において、Bパルスのタイミン
グ)、タイミング制御回路115は、サンプルホールド
回路111にホールド信号を与える。サンプルホールド
回路111は、それに応じて、次のタイミングにおける
差分処理のために現時点の入力信号をサンプルホールド
する。
【0026】図4は、D−A変換部2の構成例を示した
ものである。図において、321は1サンプリング周期
前の出力YnとD−A変換器31の出力とを加算する加
算回路、324は、D−A変換器31およびサンプルホ
ールド回路322の動作タイミングを設定するタイミン
グ制御回路である。
【0027】サンプルホールド回路322は、1サンプ
リング周期前の出力信号を記憶している。また、加算回
路321は、サンプルホールド回路322が出力してい
る1サンプリング周期前の出力信号とD−A変換器31
が出力した差分出力との和をとって、その時点の出力信
号を作成している。タイミング制御回路324は、DS
P2から制御信号としてD−A変換開始命令を受ける
と、まず、D−A変換器31に動作指令を与えてD−A
変換を行わせる。この結果、差分出力がD−A変換され
る(図4において、Aパルスのタイミング)。
【0028】次に(図4において、Bパルスのタイミン
グ)、タイミング制御回路324は、サンプルホールド
回路322にホールド信号を与える。サンプルホールド
回路322は、それに応じて、加算回路321の出力を
サンプルホールドし、アナログ信号の出力Ynを出力す
るとともに、次のタイミングにおける加算処理のために
それを記憶する。
【0029】図5は、本発明の他の実施例によるディジ
タル制御回路を示すブロック図である。図において、2
1はDSP2において加算処理を行う加算処理部であ
り、22は差分算出処理を行う差分算出処理部である
(実際には、ともにプログラムである。)。この場合に
は、加算処理部22は、A−D変換部10から出力され
た差分入力ΔXn を1サンプリング周期毎に順次加算し
入力Xn を復元する。DSP2は、入力Xn についてフ
ィルタ処理等を行い出力Ynを求める。そして、差分算
出処理部22は、1サンプリング周期毎の差分出力ΔY
nを算出しそれをD−A変換部30に出力する。
【0030】このような構成によっても、A−D変換器
およびD−A変換器の所要ビット数は低減される。ただ
し、DSP2は入力Xn についてフィルタ処理等を行う
のでビット数は低減されず、DSPを小型化するという
利点は薄れる。しかし、DSP2内部で入力Xn を復元
してからフィルタ処理等を行うため、例えば、入力Xn
がA−D変換器12のダイナミックレンジ内の値である
場合に、入力Xn を直接A−D変換させたものを取り込
み、それを加算処理部22が復元した入力Xnに代えて
使用することにより、オフセットを補正できる効果があ
る。
【0031】図6は、A−D変換部10の構成例を示し
たものである。この場合には、入力Xn を所定のレベル
と比較する比較器114およびサンプルホールド回路1
11の出力と接地レベルとのいずれかを選択するスイッ
チ112が設けられ、タイミング制御回路116は、サ
ンプルホールド回路111、スイッチ112およびA−
D変換器12の動作タイミングを設定する。なお、特許
請求の範囲に記載された入力切替手段は、スイッチ11
2、比較器114およびタイミング制御回路116で実
現されている。
【0032】図3に示したものと同様に、減算回路11
3は、現時点の入力信号とサンプルホールド回路111
の出力信号との差分をとり、その差分を出力している。
タイミング制御回路116は、DSP2から制御信号と
してA−D変換開始命令を受けると、まず、A−D変換
器12に動作指令を与えてA−D変換を行わせる。この
結果、差分信号が量子化されたものがDSP2に供給さ
れる。
【0033】次に、タイミング制御回路116は、サン
プルホールド回路111にホールド信号を与える。サン
プルホールド回路111は、それに応じて、次のタイミ
ングにおける差分処理のために現時点の入力信号をサン
プルホールドする。
【0034】比較器114は、入力信号の振幅がA−D
変換器12のダイナミックレンジ内にあるかどうか判断
するためのものである。A−D変換器12のビット数が
少なくても入力信号の振幅がそのレンジ内にあれば、入
力信号をそのままA−D変換できる。そこで、比較器8
が入力信号の振幅はそのレンジ内にあると判断した場合
に、タイミング制御回路116は、スイッチ112を接
地側に切替え、減算回路113の一方の入力を、サンプ
ルホールド回路111の出力から接地レベルに変更す
る。よって、減算回路113からは、差分信号ではなく
てその時点の入力Xn そのものが出力される。
【0035】この操作により、1サンプリング周期毎の
差分信号の加減算によって実際の入力Xn と差分の累積
との間で誤差が生じていたとしても、その誤差はリセッ
トされる。そして、タイミング制御回路116は、制御
線ABSを介してDSP2に対して、DSP2に供給さ
れる信号が差分信号ではないことを知らせる。DSP2
は、それを知らされると、1サンプリング周期毎の加算
演算を省略する。
【0036】図7は、D−A変換部30の構成例を示し
たものである。この場合には、加算回路321に与えら
れる一入力をサンプルホールド回路322の出力とする
か接地レベルとするか定めるスイッチ323が設けら
れ、タイミング制御回路325は、D−A変換器31、
スイッチ323およびサンプルホールド回路322の動
作タイミングを設定する。なお、特許請求の範囲に記載
された出力切替手段は、スイッチ323およびタイミン
グ制御回路325で実現されている。
【0037】図3に示したものと同様に、加算回路32
1は、サンプルホールド回路322が出力している1サ
ンプリング周期前の出力信号とD−A変換器31が出力
した差分出力との和をとって、その時点の出力信号を作
成している。タイミング制御回路325は、DSP2か
ら制御信号としてD−A変換開始命令を受けると、ま
ず、D−A変換器31に動作指令を与えてD−A変換を
行わせる。この結果、差分出力がD−A変換される。
【0038】次に、タイミング制御回路325は、サン
プルホールド回路322にホールド信号を与える。サン
プルホールド回路322は、それに応じて、加算回路3
21の出力をサンプルホールドし、アナログ信号の出力
Ynを出力するとともに、次のタイミングにおける加算
処理のためにそれを記憶する。
【0039】この場合には、DSP2内で扱われている
出力Ynの振幅がD−A変換器31のダイナミックレン
ジ内にあれば、D−A変換器31のビット数が少なくて
も出力YnをそのままD−A変換できる。そのような場
合、DSP2は、制御線ABSでタイミング制御回路3
25にその旨を知らせ、かつ、差分出力ではなく出力Y
nそのものをD−A変換器31に出力する。すると、タ
イミング制御回路325は、スイッチ323を接地側に
切替え、加算回路321の一入力を、サンプルホールド
回路322の出力から接地レベルに変更する。よって、
加算回路321の出力は、出力Ynそのものである。こ
の操作により、A−D変換部1における場合と同様に、
1サンプリング周期毎の差分信号の加減算によって正規
の出力Ynとサンプルホールド回路322から出力され
る出力Ynとの間で誤差が生じていたとしても、その誤
差はリセットされる。
【0040】なお、上記各実施例では、アクチュエータ
制御のようにディジタル信号処理回路におけるサンプリ
ングレートが信号の帯域よりも十分に高く、1サンプリ
ング周期毎の差分信号がA−D変換器やD−A変換器の
ダイナミックレンジを越えない場合を想定している。し
かし、一般の信号処理においては、入力信号や出力信号
が急峻に変化し、差分信号のレベルがA−D変換器やD
−A変換器のダイナミックレンジを越えてしまう場合も
生じうる。
【0041】そのような場合には、A−D変換器やD−
A変換器におけるサンプリングレートを高く設定して差
分信号のダイナミックレンジを小さく抑える必要があ
る。その際、信号処理のための演算量で決まるDSPの
信号処理レートと信号のダイナミックレンジで決まるA
−D変換器やD−A変換器におけるサンプリングレート
との間に不整合が生ずる可能性がある。
【0042】そのような場合には、図8に示すように、
A−D変換部において、A−D変換器12の後段にメモ
リ13を置いて対処することが考えられる。メモリ13
は、A−D変換器12が高いレートでA−D変換したデ
ータを一時格納する。そして、DSP2が、メモリ13
に格納されたデータを全て加算処理する。このような構
成によれば、信号処理レートとサンプリングレートとの
差を吸収できる。
【0043】一方、D−A変換器の場合には、A−D変
換器のように先行してデータを取り扱うということはで
きず、DSPが1つの差分出力を複数の差信号に分割
し、それらをD−A変換器に転送することになる。つま
り、1サンプリング周期内に差信号を分散するため、最
悪1サンプリング周期分の遅延が発生し制御上好ましく
ない。
【0044】よって、このような場合には、D−A変換
器のビット数を増やしてダイナミックレンジを拡張する
ことが望ましい。例えば、図9に示すように、ダイナミ
ックレンジの異なる2つのD−A変換器31A,31B
を設け、それらが差分出力の上位の各ビットと下位の各
ビットとをそれぞれ独立にD−A変換し、2つのアナロ
グ信号を加算回路321が加算すればよい。このような
方法によれば、アクチュエータ制御のみならず、差分信
号のダイナミックレンジの大きな一般の信号処理にも適
用できるものが得られる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ディジタル制御回路がA−D変換部およびD−A変換部
とDSPとの間で信号の差分のみを転送する構成となっ
ているので、A−D変換器、DSPおよびD−A変換器
の所要ビット数が低減され、回路を安価に提供できると
ともに、スペースファクタを向上させるものを提供でき
る効果がある。
【0046】また、入力信号の振幅がA−D変換器のダ
イナミックレンジ内にあれば入力信号をそのままA−D
変換し、出力信号の振幅がD−A変換器のダイナミック
レンジ内にあれば出力信号をそのままD−A変換する場
合には、信号処理中に誤差が発生したとしても、それを
リセットできるものを提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるディジタル制御回
路を示すブロック図である。
【図2】FIRフィルタの一例を示すブロック図であ
る。
【図3】第1の実施例におけるA−D変換部の構成例を
示すブロック図である。
【図4】第1の実施例におけるD−A変換部の構成例を
示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるディジタル制御回
路を示すブロック図である。
【図6】第2の実施例におけるA−D変換部の構成例を
示すブロック図である。
【図7】第2の実施例におけるD−A変換部の構成例を
示すブロック図である。
【図8】A−D変換部の他の構成例を示すブロック図で
ある。
【図9】D−A変換部の他の構成例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1,10 A−D変換部 2 DSP 3,30 D−A変換部 11 差信号検出回路 12 A−D変換器 13 メモリ 31,31A,31B D−A変換器 32 加算回路 111 サンプルホールド回路 112 スイッチ 113 減算回路 114 比較器 115,116 タイミング制御回路 321 加算回路 322 サンプルホールド回路 323 スイッチ 324,325 タイミング制御回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号について量子化を行うA−D変
    換部と、 このA−D変換部の出力信号に対してディジタル信号処
    理を行うディジタル信号処理プロセッサと、 このディジタル信号処理プロセッサの処理結果をアナロ
    グ化して出力するD−A変換部とを備えたディジタル制
    御回路において、 前記A−D変換部は、1サンプリング周期毎の入力と前
    周期における入力との差分を検出する差信号検出回路
    と、 この差信号検出回路の出力を量子化するA−D変換器と
    を有し、 前記D−A変換部は、前記ディジタル信号処理プロセッ
    サが出力した差分をD−A変換するD−A変換器と、 前周期における出力信号の値を保持するとともに、前記
    D−A変換器の出力と保持していた出力信号を加算して
    現サンプリング周期における出力信号を得る加算回路を
    有することを特徴とするディジタル制御回路。
  2. 【請求項2】 ディジタル信号処理プロセッサは、A−
    D変換部が出力した各入力の差分を加算して入力信号を
    復元する加算処理部と、 この加算処理部の出力に対して実行されたディジタル信
    号処理の処理結果から1サンプリング周期毎の差分出力
    を算出する差分算出処理部とを備えた請求項1記載のデ
    ィジタル制御回路。
  3. 【請求項3】 A−D変換部は、入力の振幅がA−D変
    換器のダイナミックレンジ内にある場合に、その入力を
    そのままA−D変換してディジタル信号処理プロセッサ
    に供給する入力切替手段を有し、 D−A変換部は、ディジタル信号処理プロセッサからそ
    の出力がそのサンプリング周期における出力信号そのも
    のであることを通知されると、その出力をそのままD−
    A変換して出力する出力切替手段を有し、 ディジタル信号処理プロセッサは、出力の振幅がD−A
    変換器のダイナミックレンジ内にある場合に、その出力
    をそのままD−A変換部に出力するとともにその旨を通
    知する請求項2記載のディジタル制御回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007274511A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Japan Radio Co Ltd 増幅器の前置歪補償回路
JP2011124847A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Nippon Ceramic Co Ltd 抵抗型赤外線センサ出力の増幅装置

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