JPH0613102Y2 - 位置合わせチューブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は蓋の位置をチューブ本体に自動的に合致させ、
かつ栓戻りによる蓋の抜けを防止することが出来る位置
合わせチューブに関するものである。

〈従来の技術〉 この種の蓋と身とを位置合わせする容器としては、例え
ば本件出願人の出願に係る実開昭５９−１２６８５２号
公報等が公知である。

この技術は先端が下壁面に連設されたカギ状突片と、こ
のカギ状突片と係止し得る係止片とを組み合わせたもの
である。

〈考案が解決しようとする課題〉 然るに従来のこの種の容器に於いては、前述のカギ状突
片を含めて位置規制用の突片が弾力性を有しない為に、
蓋を数回開閉しただけで、この突片がつぶれて変形した
り或いは強制すると破損したりして、正確な位置合わせ
や、或いは栓戻りを確実に防止することが出来ない等の
問題点があった。

また、前記公知技術とは別に、実開昭５５−９０５４８
号公報に示す如く、容器本体の口頸部外周面に爪突起を
突設し、かつ蓋の内周面下部にストップ段部と屈曲突片
とを対峙して突設し、該蓋を口頸部の周りに螺合した際
に、これ等の対峙されたストップ段部と屈曲突片とによ
って口頸部の爪突起を左右から挟持することによって位
置合わせと栓戻り防止をする技術も開発されている。

処で、後者の場合には、対峙された一対のストップ段部
と屈曲突片とで爪突起を挟持して位置合わせと蓋の戻り
防止をしているが、このように２個一対のストップ段部
と屈曲突片とを夫々正確な位置に精度良く設けることは
困難であり、不良品が発生する問題があった。更に蓋に
設けられた屈曲突片は、蓋を閉じたり、或いは開いたり
する都度，容器本体の爪突起と強く接触するので、蓋を
何回か開閉するとこの屈曲突片が破損したり、或いは弾
力性が無くなり、この為に位置合わせと蓋の戻り防止と
の機能を達成することが出来なくなる問題があった。

本考案に係る位置合わせチューブは、前述の従来の問題
点に鑑み開発した新しい技術であって、特にチューブ本
体の開口首部に一辺の先端が切除されて入口部を形成し
たコ字状突片を突設し、かつこの入口部よりコ字状突片
内に出し入れし得る係止棒を蓋の内筒下面に吊り下げ、
この係止棒をコ字状突片内に出し入れすることによっ
て、チューブ本体と蓋との位置合わせと、蓋戻りの防止
とを可能とした全く新しい技術を提供するものである。

〈課題を解決するための手段〉 本考案に係る位置合わせチューブは、前述の従来の問題
点を根本的に改善した技術であって、その考案の要旨
は、開口首部２にネジ３を有するチューブ本体１と該開
口首部２のネジ３に螺合し得るネジ６を内周面に有する
蓋５とよりなるチューブに於いて、該チューブ本体１の
開口首部２の外周下部にほぼコ字形のコ字状突片１０を
突設すると共に、該コ字状突片１０の一辺１０ａの先端
を所定巾で切除して開口首部２の外周面との間に入口部
ａを形成し、かつ該入口部ａの周りの一辺１０ａの先端
を押圧変形させてコ字状突片１０内に出し入れし得る係
止棒１１を前記蓋５の内筒７の下面に吊り下げて構成し
たことを特徴とした位置合わせチューブである。

〈作用〉 本考案に係る位置合わせチューブは、一辺１０ａの先端
が切除されたコ字状突片１０をチューブ本体１０の開口
首部２の外周下部に突設し、切除された一辺１０ａと開
口首部１０の外周面との間に入口部ａを設け、かつこの
入口部ａの周りの一辺１０ａの先端を内側から押圧変形
させてコ字状突片１０に出し入れし得る係止棒１１を蓋
５の内筒７の下面に吊り下げて構成したので、蓋５を回
動してその下面に吊り下げられた係止棒１１を入口部ａ
よりコ字状突片１０内に挿入することによって、蓋５の
回動を停止させて蓋５とチューブ本体１との位置合わせ
を行うことが出来る。

また、入口部ａの周りの一辺１０ａの先端を内側から押
圧変形させてコ字状突片１０に挿入された係止棒１１
は、元の位置に戻った一辺１０ａの先端によって係合さ
れるので、これによって一旦閉じられた蓋５が栓戻りす
ることを防止出来る。

本考案に於いては、蓋５の位置合わせと、栓戻り防止と
をコ字状突片１０と係止棒１１とのみの組み合わせで実
施することが出来、構造が簡単で作動が確実である。

〈実施例〉 図により、本考案に係る位置合わせチューブの一実施例
を具体的に説明すると、第１図は本考案に係る位置合わ
せチューブの要部の構成を示す説明図，第２図はチュー
ブ本体に蓋を嵌合した状態の断面説明図，第３図乃至第
５図は夫々コ字状突片に係止棒が係合される状態を示す
要部の説明図である。

第１図乃至第５図に於いて、１はチューブ本体であっ
て、そのチューブ本体１の開口首部２の外周面にはネジ
３が突設されている。また、この開口首部２の外周下部
には、全体がほぼコ字形をしたコ字状突片１０が突設さ
れている。このコ字状突片１０の一辺１０ａの先端は所
定巾で切除されており、一辺１０ａと開口首部２の外周
面との間には、入口部ａが形成されている。

５は前記チューブ本体１の開口首部２に被蓋し得る蓋で
あって、その内筒７には前記開口首部２のネジ３に螺合
し得るネジ６が設けられている。

また、内筒７の下面には、前記チューブ本体１の開口首
部２の外周面とコ字状突片１０の一辺１０ａの先端との
間に設けられた入口部ａに出し入れし得る係止棒１１が
吊り下げられている。

この係止棒１１と前記入口部ａとの位置関係は次の関係
を保っている。即ち、図３乃至図５に示す如く、係止棒
１１がコ字状突片１０内に挿入される場合には、入口部
ａの周りの一辺１０ａの先端を押圧変形させながら、係
止棒１１がコ字状突片１０内に強制的に挿入され、係止
棒１１がコ字状突片１０の内壁に突き当たった際に蓋５
の回動を停止させて位置合わせをし得るように構成され
ている。

かつ、コ字状突片１０内に挿入された係止棒１１は、一
辺１０ａの先端によって係止され、蓋５が不用意に回動
して戻ることを防止している。更に蓋５を開口首部２よ
り抜き取る場合には、蓋５を強く逆回転することによっ
て、係止棒１１が一辺１０ａの先端の係止を乗り越える
ので、そのまま逆回転させて蓋５を除去することが出来
るように構成されている。

〈考案の効果〉 本考案に係る位置合わせチューブは、上述の如き構造と
作用とを有するので、次のような効果を有している。

（１）蓋の位置合わせと蓋の戻り防止とを、一辺の一部
が切除されたコ字状突片と係止棒との組み合わせで構成
出来るので、構造を極めて簡単にすることが出来る。
（２）精度の良いものを確実に構成することが出来、こ
れによって不良品の発生を防止することが出来る。
（３）コ字状突片と係止棒とは、夫々係止棒がコ字状突
片の一辺の先端を押圧変形させながらコ字状突片内に強
制的に挿入されるので、一旦挿入された係止棒はコ字状
突片によって自動的に係止され、これによって蓋が戻る
ことを確実に防止出来る。（４）コ字状突片と係止棒と
は夫々弾性を有するので、何回使用しても変形したり、
破損することがなく、半永久的に使用することが出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る位置合わせチューブの要部の構成
を示す説明図，第２図はチューブ本体に蓋を嵌合した状
態の断面説明図，第３図乃至第５図は夫々コ字状突片に
係止棒が係合される状態を示す要部の説明図である。 １はチューブ本体、２は開口首部、３，６はネジ、５は
蓋、７は内筒、１０はコ字状突片、１０ａは一辺、１１
は係止棒、ａは入口部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開口首部２にネジ３を有するチューブ本体
   １と該開口首部２のネジ３に螺合し得るネジ６を内周面
   に有する蓋５とよりなるチューブに於いて、該チューブ
   本体１の開口首部２の外周下部にほぼコ字形のコ字状突
   片１０を突設すると共に、該コ字状突片１０の一辺１０
   ａの先端を所定巾で切除して開口首部２の外周面との間
   に入口部ａを形成し、かつ該入口部ａの周りの一辺１０
   ａの先端を押圧変形させてコ字状突片１０内に出し入れ
   し得る係止棒１１を前記蓋５の内筒７の下面に吊り下げ
   て構成したことを特徴とした位置合わせチューブ。