JPH06129362A - 流体供給システムのバンプレス制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体供給システムの制御条件切換えの場合
に，負荷や機器類に悪影響をおよぼさないように供給流
量や圧力の急変を除くことができる流体供給システムの
バンプレス制御方法を提供する。 【構成】 少なくとも２以上の自動制御手段を備えた流
体供給システムにおいて，この流体供給システムの負荷
状況等に対応して必要となる上記自動制御手段切換え必
要時に，検出負荷状況等に対応して予め設定したデータ
処理機能または／およびシーケンス条件に従って自動制
御手段の自動切換作業を実行し，各自動制御手段が予め
設定したランプ関数に従って作用するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は少なくとも２以上の自
動制御手段を備えた流体供給システムの制御方法に係
り，特に，負荷条件等に対応する自動制御手段切換時等
に，流量の異常変動や負荷または配管等にサージ圧発生
等の悪影響を与える恐れのない流体供給システムのバン
プレス制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】高所等に上水道を供給するには加圧ポン
プによる流体供給システムが設備されている。このよう
な上水道設備の加圧ポンプ所においては季節，気象，時
刻等によって水の需要量変動があり，その需要量等の負
荷状況に対応してポンプの制御手段を切換え，また，稼
働ポンプ数を変更している。流体を適切な流量や圧力で
供給する制御システムにはこのような制御手段や稼働ポ
ンプ数を切換えるために例えば上水道の加圧ポンプ所に
は図２に示すような制御システムが設けられている。図
２において，１は水源を示していて，水源１の水は複数
のポンプ２ａ，２ｉないし２ｎによって加圧され配管３
を経由して負荷４に供給されている。また，１０はこの
流体供給システムの一例である上水道加圧ポンプシステ
ムの制御装置の全体制御装置であって，全体制御装置１
０はポンプ所出力圧制御装置１１，流量制御装置１２，
負荷供給圧制御装置１３のうちいずれか一つの制御装置
を負荷の必要条件に対応して切換えて稼働させている。
出力圧制御装置１１は配管３への出力部に装着した第１
の圧力センサー１１ａの検出値をフィードバックし，所
定の設定値に追従して出力圧を制御する比例・積分機能
等を備えたサーボ増幅機能である。流量制御装置１２は
配管３に装着した流量センサー１２ａの検出値をフィー
ドバックし，所定の設定値に追従して流量を制御する比
例・積分機能等を備えたサーボ増幅機能である。負荷供
給圧制御装置１３は配管３の負荷側に装着した第２の圧
力センサー１３ａの検出値をフィードバックし，所定の
設定値に追従して負荷供給圧を制御する比例・積分機能
等を備えたサーボ増幅機能である。１４はポンプ制御機
能であって，負荷条件に対応して上記３種のうちいずれ
か一つの制御装置から出力される操作信号に従い，予め
設定された条件に従って負荷の必要条件に対応して複数
のポンプ２ａないし２ｎのうちのいずれか又はその稼働
組み合わせを指令し，また，ポンプ回転の制御をしてい
る。上述の構成によって負荷の水タンクに急速に給水す
る，負荷に一定の圧力で給水する等の必要性に対応する
操作員の操作によって上記３種類の制御機能のいずれか
が選択され，必要供給流量に対応し，予め設定された条
件に従って２ａないし２ｎのうちから稼働ポンプが選択
されて水源１の水が負荷４に供給される。上述の回路で
は主要機能以外の要素機能と信号回路，電源回路等の詳
細は省略して示している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで，上述したよ
うな流体供給システムの制御方法によると，上述の例で
は３種類の制御装置の切換えやポンプ稼働の切換時等に
供給流量や負荷圧が急変し，また配管にサージ圧が発生
して負荷や機器類に悪影響を及ぼすというような問題が
あった。本発明は上述の問題点を対策して，この流体供
給システムの制御条件変更の場合にも負荷や機器類に悪
影響をおよぼさないように供給流量や圧力の急変を除く
ことができる流体供給システムのバンプレス制御方法を
提供することを目的（課題）としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に基づく流体供給システムのバンプレス制御方
法においては，少なくとも２以上の自動制御手段を備え
た流体供給システムにおいて，この流体供給システムの
負荷状況等に対応して必要となる上記自動制御手段切換
え必要時に，検出負荷状況等に対応して予め設定した状
況データ処理手段または／およびシーケンス条件に従っ
て自動制御手段の自動切換作業を実行し，各自動制御手
段が予め設定したランプ関数に従って作用するようにし
た。上述の制御方法において，稼働中以外の制御手段出
力値を稼働中制御手段の出力値に一致させるのが望まし
い。

【０００５】

【作用】本発明は，上述のようにこの流体供給システム
の負荷状況に対応して複数の自動制御手段を切換へる時
に，予め設定したデータ処理手段または／およびシーケ
ンスに従って自動切換作業を実行し，各自動制御手段が
予め設定したランプ関数に従って作用するようにしたの
で，自動制御手段を切換える時には負荷状況に対応する
最適条件に従い，しかも供給流量や圧力が急変すること
がない。稼働中以外の制御手段出力値を稼働中制御手段
の出力値に一致させるようにすると，自動制御手段を切
換へる時の負荷への変動をより効果的に押さえることが
できる。

【０００６】

【実施例】次に，本発明に基づく流体供給システムのバ
ンプレス制御方法の実施例を図を参照して詳細に説明す
る。図１は流体供給システムの一例である上水道システ
ムにおける加圧ポンプによる流体供給システムを示して
いる。図１において，１は水源を示していて，水源１の
水は複数のポンプ２ａ，２ｉないし２ｎによって加圧さ
れ配管３を経由して負荷４に供給されている。また，１
０Ａは詳細を後述するこの流体供給システムの一例であ
る上水道加圧ポンプシステムの制御装置の全体制御装置
であって，全体制御装置１０Ａはポンプ所出力圧制御装
置１１，流量制御装置１２，負荷供給圧制御装置１３の
うちいずれか一つの制御装置を負荷の必要条件に対応し
て切り換えて稼働している。出力圧制御装置１１は配管
３への出力部に装着した第１の圧力センサー１１ａの検
出値をフィードバックし，所定の設定値に追従して出力
圧を制御する比例・積分機能等を備えたサーボ増幅機能
で形成した自動制御手段である。流量制御装置１２は配
管３に装着した流量センサー１２ａの検出値をフィード
バックし，所定の設定値に追従して出力流量を制御する
比例・積分機能等を備えたサーボ増幅機能で形成した自
動制御手段である。負荷供給圧制御装置１３は配管３の
負荷側に装着した第２の圧力センサー１３ａの検出値を
フィードバックし，所定の設定値に追従して負荷供給圧
を制御する比例・積分機能等を備えたサーボ増幅機能で
形成した自動制御手段である。１４はポンプ制御機能で
あって，負荷条件に対応して上記３種のうち選択された
いずれか一つの制御装置から出力される操作信号に従
い，また，詳細を後述する第５の制御装置指令信号作成
機能１４Ｂから入力される制御指令信号に従って，負荷
の必要条件に対応して複数のポンプ２ａないし２ｎのう
ちのいずれか又はそのいずれかの組合わせを稼働させ，
また，ポンプ回転の制御をしている。

【０００７】図１において１１Ａ，１２Ａ，１３Ａはそ
れぞれポンプ所出力圧制御装置１１，流量制御装置１
２，負荷供給圧制御装置１３の稼働が設定され作動を開
始する時に環境条件に対応して最適の制御ステップをと
るための制御機能変更シーケンスを自動設定する基礎条
件記録機能と演算機能等所定の入力する状況データの処
理機能及びシーケンス制御機能等を備えた第１ないし第
３のシーケンサで，１１Ｂ，１２Ｂ，１３Ｂはそれぞれ
上記３種のシーケンサ１１Ａ，１２Ａ，１３Ａのいずれ
かが作動した時にその出力する操作信号によってポンプ
出力が急変しないように予め設定したランプ関数を記録
したランプ関数テーブルと，シーケンサ１１Ａ，１２
Ａ，１３Ａそれぞれからの指令値によって上記ランプ関
数テーブルから読出し，対応する制御装置であるポンプ
所出力圧制御装置１１，流量制御装置１２または負荷供
給圧制御装置１３に対して，その制御指令信号を順次変
化しながら出力する機能を備えた第１ないし第３の制御
装置指令信号作成機能である。また，１１Ａ，１２Ａ，
１３Ａはそれぞれ対応するポンプ所出力圧制御装置１
１，流量制御装置１２，負荷供給圧制御装置１３が稼働
していない状況において，その出力信号が現在稼働中の
制御装置と同一の信号を出力するように機能し，稼働が
選択されると，それぞれランプ関数を記録した第１ない
し第３の制御装置指令信号作成機能との連携動作によっ
て，適切バンプレスに制御動作を引継ぐ。

【０００８】前記全体制御装置１０Ａは負荷状況に対応
してポンプ所出力圧制御装置１１，流量制御装置１２，
負荷供給圧制御装置１３のいずれかを選択稼働させる時
に環境条件に対応して最適制御ステップによって切換操
作を実行するための制御機能変更シーケンスを自動設定
する基礎条件記録機能と演算機能等所定のデータ処理機
能およびシーケンス制御機能等を備えている（以下第４
のシーケンサ１０Ａと記す）。１０Ｂは上記ポンプ所出
力圧制御装置１１，流量制御装置１２，負荷供給圧制御
装置１３のいずれかを選択して切換えるために第４のシ
ーケンサ１０Ａから操作信号が出力された時に操作対象
の上記３種の制御装置が急作動してポンプ出力が急変し
ないように予め設定したランプ関数を記録したランプ関
数テーブルと，第４のシーケンサ１０Ａからの操作信号
によって上記ランプ関数テーブルから読出し，対応する
制御装置であるポンプ所出力圧制御装置１１，流量制御
装置１２または負荷供給圧制御装置１３に対して，その
制御指令信号を順次変更して出力する機能を備えた第４
の制御装置指令信号作成機能である。

【０００９】また，図１において１４Ａは負荷条件に対
応して複数のポンプ２ａないし２ｎのうちの稼働台数と
稼働号機を自動設定するために，予め作動条件を記録し
た記録機能を備え，この記録内容に従って所定のポンプ
の起動シーケンスを自動設定してそれぞれ対象ポンプ駆
動用モータの操作信号を出力する第５のシーケンサで，
１４Ｂは複数のポンプ２ａないし２ｎのうち，上記第５
のシーケンサによって選択設定されて操作信号が出力さ
れた対象ポンプに対して，その対象ポンプが急作動して
ポンプ出力が急変しないように予め設定したランプ関数
を記録したランプ関数テーブルと，第５のシーケンサ１
４Ａからの操作信号によって上記ランプ関数テーブルか
ら読出し，対応するポンプ駆動用モータ（図示せず）に
対してその制御指令信号を順次変化させながら出力する
機能を備えた第５の制御装置指令信号作成機能である。
上述の回路では主要機能以外の要素機能と信号回路，電
源回路等の詳細は省略して示している。

【００１０】上述の構成によって負荷の水タンクに急速
に給水する，負荷に一定の圧力で給水する等の必要性に
対応する操作員の操作，または第４のシーケンサ１０Ａ
の記録機能に記録された日程スケジュール等予め設定さ
れ記録した条件に従って，上記３種類の制御機能のいず
れかが選択される。また，負荷の必要供給流量に対応し
予め設定された条件に従って稼働ポンプが選択されて水
源１の水が負荷４に供給される。即ち，例えば，稼働中
のポンプ所出力圧制御装置１１から流量制御装置１２を
稼働すべき状況になると，第４のシーケンサ１０Ａはそ
の内部に設定記録した，ポンプ所出力圧制御装置１１か
ら流量制御装置１２にその稼働を切り換えるために必要
なシーケンス操作条件に従って操作信号を出力し，この
操作信号を入力した第４の制御装置指令信号作成機能１
０Ｂはその内部に設定記録したランプ関数を参照してポ
ンプ所出力圧制御装置１１および流量制御装置１２に対
する制御指令信号を順次変化させながら出力する。第１
のシーケンサ１１Ａはその内部に設定記録した，ポンプ
所出力圧制御装置１１から流量制御装置１２にその稼働
を切換えるためにポンプ所出力圧制御装置１１を停止す
るに必要なシーケンス操作条件に従って操作信号を出力
し，この操作信号を入力した第１の制御装置指令信号作
成機能１１Ｂはその内部に設定記録したランプ関数を参
照してポンプ所出力圧制御装置１１に対する制御指令信
号を順次変化させながら出力する。第２のシーケンサ１
２Ａはその内部に設定記録した，ポンプ所出力圧制御装
置１１から流量制御装置１２にその稼働を切り換え起動
するために必要なシーケンス操作条件に従って操作信号
を出力し，この操作信号を入力した第２の制御装置指令
信号作成機能１２Ｂはその内部に設定記録したランプ関
数を参照して流量制御装置１２に対する制御指令信号を
順次変化させながら出力する。第５のシーケンサ１４Ａ
は設定された負荷条件に対応し，必要な場合は，予め設
定された条件に従って稼働すべきポンプを設定し変更す
るための操作信号を所定のシーケンス条件に従って順次
出力する。第５の制御装置指令信号作成機能１４Ｂは，
新たに運転が設定され，または，運転を停止される対象
ポンプに対して，対象ポンプ出力流量が急変しないよう
に，第５のシーケンサ１４Ａからの操作信号によって前
述したその内部に設定記録したランプ関数テーブルから
読出し，ポンプ制御機能１４に制御指令信号を順次変化
させながら出力する。ポンプ制御機能１４はこの制御指
令信号に従って，対象とするポンプの制御を実行する。
上述の働きによって配管３にサージ圧が発生したり流量
が急変して負荷４や配管３に悪影響を及ぼすことなくバ
ンプレスの切換え動作が実行される。

【００１１】上述の説明は本発明の基本事項を説明した
ものであって，例えば，２ａないし２ｎ，ｎ台のポンプ
によって構成されている実施例について説明したが，ポ
ンプは１台の場合であっても良い。その場合は，第５の
シーケンサ１４Ａ，第５の制御装置指令信号作成機能１
４Ｂは必要なく，ポンプ制御機能１４においても複数の
ポンプ制御機能等が不要になる。また，例えば，第１の
シーケンサ１１Ａないし第５のシーケンサ１４Ａ，ま
た，第１の制御装置指令信号作成機能１１Ｂないし第５
の制御装置指令信号作成機能１４Ｂ等コンピュータのソ
フト処理によって実行可能な機能は同一のコンピュータ
に形成させても良く，また個別に形成させても良い。ま
たポンプ所出力圧制御装置１１，流量制御装置１２，負
荷供給圧制御装置１３を，それぞれに形成したサーボ増
幅機能１１ないし１３を含めて同一のコンピュータに記
録したソフト処理によって実行できるようにし，各サー
ボ増幅機能に設定する積分特性や利得を上述した第１の
シーケンサ１１Ａないし第４のシーケンサ１０Ａ，第１
の制御装置指令信号作成機能１１Ｂないし第４の制御装
置指令信号作成機能１０Ｂの機能を活かして順次変換す
るようにしても良い。即ち，本発明に基づいて設定され
る各要素機能は本来備えている要素機能とともに同一の
コンピュータによって実行させるようにしても良く，ま
た，適宜組み合わせたり或いは個別に構成しても良い。
上述の説明では，自動制御手段をサーボ増幅機能として
３種類の自動制御手段を備えた上水道の加圧ポンプシス
テムについて説明したが，その他の自動制御手段であっ
ても，また，自動制御手段数がその他の場合にも同様に
実行できる。上述の説明における第１のシーケンサない
し第５のシーケンサに設ける演算機能等のデータ処理機
能，シーケンスプログラム，シーケンス動作のための設
定条件，第１の制御装置指令信号作成機能ないし第５の
制御装置指令信号作成機能に設けるランプ関数テーブル
とその他の制御装置指令信号作成のために必要な設定条
件等は適用流体供給システムの必要性に対応して適切に
設定すれば良い。

【００１２】

【発明の効果】本発明は上述したような方法にしたの
で，負荷の条件に対応して複数の自動制御手段のうちの
最適制御手段をバンプレスに選択切換えることができ
る。従って，負荷供給の流量が異常変動したり負荷や配
管にサージ圧が発生して悪影響を及ぼす恐れがなくなる
という優れた効果が得られた。さらに，稼働中以外の制
御手段出力値を稼働中制御手段の出力値に一致させるよ
うにすると，自動制御手段を切換へる時の負荷への変動
をより効果的に押さえることができるという優れた効果
が得られた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した流体供給システムの実施例を
説明するブロック図である。

【図２】従来の流体供給システムを説明するブロック図
である。

【符号の説明】

１：水源 ２ａ，２ｉ，２ｎ：ポンプ ３：配管 ４：負荷 １０Ａ：全体制御装置（演算等のデータ処理機能・シー
ケンサ機能を含む） １１Ａ，１２Ａ，１３Ａ，１４Ａ：シーケンサ（演算等
のデータ処理機能を含む） １０Ｂ，１１Ｂ，１２Ｂ，１３Ｂ，１４Ｂ：制御装置指
令信号作成機能（ランプ関数記録機能を含む） １１，１２，１３，：サーボ増幅機能（自動制御手段）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも２以上の自動制御手段を備え
   た流体供給システムにおいて，当該流体供給システムの
   負荷状況等に対応して必要となる上記自動制御手段切換
   時に，検出負荷状況等に対応して予め設定した状況デー
   タ処理機能または／およびシーケンス条件に従って該自
   動制御手段の自動切換作業を実行し，該切換自動制御手
   段が予め設定したランプ関数に従って作用するようにし
   たことを特徴とする流体供給システムのバンプレス制御
   方法。
2. 【請求項２】 請求項１記載の制御方法において，稼働
   中以外の制御手段出力値を稼働中の制御手段出力値に一
   致させた流体供給システムのバンプレス制御方法。