JPH06129327A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

燃料噴射ポンプ

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Publication number
JPH06129327A
JPH06129327A JP4306289A JP30628992A JPH06129327A JP H06129327 A JPH06129327 A JP H06129327A JP 4306289 A JP4306289 A JP 4306289A JP 30628992 A JP30628992 A JP 30628992A JP H06129327 A JPH06129327 A JP H06129327A
Authority
JP
Japan
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fuel
plunger
pilot
injection
control
Prior art date
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Pending
Application number
JP4306289A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ishiwatari
宏 石渡
Takeshi Unoki
健 鵜木
Kotaro Ryusaki
浩太郎 龍崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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Publication of JPH06129327A publication Critical patent/JPH06129327A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成ないしは加工処理により高精度
のパイロット噴射量ないしはパイロットストロークを得
ることができ、安価で高精度のパイロット噴射機構を備
えた燃料噴射ポンプを提供すること。 【構成】 プランジャ41におけるパイロットスピル
用スリット43の形成部位に着目し、パイロットスピル
用スリット43を制御スリーブ42が閉鎖したときから
燃料のパイロット噴射を開始するとともにプリストロー
クを調節するようにした燃料噴射ポンプであって、プラ
ンジャ41の燃料吸排孔26および制御用傾斜溝28の
少なくともいずれか一方に連通するパイロットスピル用
スリット43を、燃料吸排孔26および制御用傾斜溝2
8のいずれよりも下方の位置においてプランジャ41の
外周面に所定長さにわたって環状に形成したことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼル機関などの内
燃機関に用いられる燃料噴射ポンプにかかるもので、と
くにプリストローク可変型であるとともにパイロット噴
射を行うようにした燃料噴射ポンプに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より燃料噴射ポンプには、そのプリ
ストロークを可変とするためのプリストローク可変機構
を設けたものがあり、一般的には上下往復動するプラン
ジャとこのプランジャに外嵌している制御スリーブとの
相対位置関係を調節することによりプリストロークを可
変としている。
【0003】こうしたプリストローク可変機構としては
実開昭61−118936号などにその開示がある。
【0004】さらにまた一般に、ディーゼル機関におい
ては着火遅れを減じ、窒素酸化物の発生を防止するとと
もに、燃焼騒音の低減を図るために、パイロット噴射
(初期噴射)およびこれに続くメイン噴射(主噴射)を
行うようにしたものがある。
【0005】たとえば、実開平3−68560号、ある
いは実願平3−41185号などがある。
【0006】しかしながら、従来の燃料噴射ポンプにお
けるパイロット噴射を行う構成の難点として、パイロッ
ト噴射量を決定するための各種溝その他の加工寸法が多
岐にわたるため、加工工程が複雑になりやすいとともに
加工精度も維持しがたいという点があり、結果としてエ
ンジンの各気筒間のバラツキが大きくなるという問題が
ある。
【0007】また、パイロット噴射のための燃料圧送時
にプランジャと制御スリーブとの間からもれる燃料のも
れ量を制御することが困難であるという問題もある。
【0008】以下、図4および図5にもとづき説明す
る。図4は、プリストローク可変機構付きの上記燃料噴
射ポンプ1の縦断面図であって、そのポンプハウジング
2にはエンジンの気筒数に対応した数の縦孔3を形成
し、この縦孔3内で下部プランジャバレル4をポンプハ
ウジング2に挿入固定し、該下部プランジャバレル4に
プランジャ5を回動かつ上下往復動自在に挿入してあ
る。
【0009】このプランジャ5の上端は、下部プランジ
ャバレル4を介してポンプハウジング2に固定した上部
プランジャバレル6にこれを挿入する。この上部プラン
ジャバレル6内にはデリバリバルブ7を設けて、このデ
リバリバルブ7とプランジャ5との間に燃料圧室8を構
成し、さらにデリバリバルブ7の上方には燃料出口9を
形成してある。
【0010】またプランジャ5の下端は、カムシャフト
10に設けたカム11に、タペット12を介してこれを
当接している。このカムシャフト10はエンジンにこれ
を連結してあり、同エンジンによって回転駆動され、ス
プリング13と協動してカム11の周縁に沿ってプラン
ジャ5を当接させ、これを図中上下方向に往復動させる
ようになっている。
【0011】さらにこのプランジャ5には、ドライビン
グフェース14を形成し、このドライビングフェース1
4を噴射量調節用スリーブ15に係合させてある。ま
た、噴射量調節用スリーブ15には突起16を係合さ
せ、この突起16に係合した噴射量調節用ロッド17を
アクセルペダル(図示せず)の踏込み量に応じて紙面直
角方向に駆動することにより、この噴射量調節用スリー
ブ15がプランジャ5を回動させることができるように
なっている。すなわち、燃料噴射のための圧送の有効ス
トロークは、上記噴射量調節用ロッド17によってプラ
ンジャ5を回動することによりこれを調節することがで
きる。
【0012】さらに、プランジャ5の上方部には、制御
スリーブ18を摺動自在に外嵌してある。この制御スリ
ーブ18にはその図中左方に縦方向の案内溝19を、図
中右方には横方向の係合溝20をそれぞれ形成する。こ
の案内溝19には、下部プランジャバレル4に設けた案
内ピン21を係合し、係合溝20にはタイミングコント
ロールロッド22の係合部23を挿入してある。
【0013】このタイミングコントロールロッド22
は、ポンプハウジング2に形成した横孔24にこれを挿
入してあり、軸受け(図示せず)を介してポンプハウジ
ング2に回動自在にこれを支持する。また電子制御シス
テムの場合には、このタイミングコントロールロッド2
2をステップモータ等のアクチュエータ(図示せず)に
連結し、このアクチュエータによりこれを回動駆動する
ものである。
【0014】なお、プリストロークは、このようなタイ
ミングコントロールロッド22の回動によって制御スリ
ーブ18を上下に移動させることによりこれを調節する
ことができるものである。
【0015】すなわち、タイミングコントロールロッド
22を図中時計方向あるいは反時計方向に正逆回動させ
ると、このタイミングコントロールロッド22とともに
タイミングコントロールロッド22の係合部23が一体
に回動し、このタイミングコントロールロッド22の係
合部23の回動によって制御スリーブ18が上下動し、
プランジャ5と制御スリーブ18との上下方向の相対的
な位置が変化することとなる。
【0016】したがって、制御スリーブ18とプランジ
ャ5の下死点における燃料吸排孔26(後述)の位置と
の間の寸法として定義されるプランジャ5のプリストロ
ークを調節することができる。
【0017】つまり、プランジャ5の下死点から燃料吸
排孔26が閉じられるまでの寸法がプランジャ5のプリ
ストロークであり、燃料吸排孔26が閉じられるときが
燃料の噴射始めとなる。
【0018】具体的には、タイミングコントロールロッ
ド22を時計方向に回動して制御スリーブ18を上方に
移動させると、プリストロークは大きくなり、噴射開始
時期は遅くなって(遅角)、エンジン回転数の少ない低
速回転域に適合した高い噴射率(前記カムシャフト10
の単位回転角度に対する燃料噴射量の割合、つまり噴射
量の時間的変化割合)を得ることができる。
【0019】逆に、タイミングコントロールロッド22
を反時計方向に回動して制御スリーブ18を下方に移動
させると、プリストロークは小さくなり、噴射時期は早
くなって(進角)、高速回転域に適合したより低い噴射
率を得ることができる。ただし、噴射の絶対量は増加す
る。
【0020】さらに、下部プランジャバレル4に摺動自
在に挿入したプランジャ5が前記カムシャフト10およ
びカム11を介してエンジン(図示せず)の回転駆動力
を受けることにより、下部プランジャバレル4および上
部プランジャバレル6内を往復動し、燃料溜まり室25
内の燃料を燃料圧室8内に吸入するとともに、さらにこ
の燃料圧室8内の燃料を燃料出口9から噴射管(図示せ
ず)を介して圧送して噴射ノズル(図示せず)から噴射
するようになっている。
【0021】すなわちこのプランジャ5は、上記燃料溜
まり室25に開口する燃料吸入ポートである直径方向の
燃料吸排孔26と、この燃料吸排孔26および燃料圧室
8を連通するようにその中心軸方向に形成した中心連通
孔27と、その外表面に形成した制御用傾斜溝28と、
この制御用傾斜溝28および燃料吸排孔26の開口部を
連通する連通用縦溝29とを有している。
【0022】さらに、このプランジャ5に摺動自在に外
嵌した前記制御スリーブ18には、その半径方向にメイ
ン噴射用カットオフポート30を貫通形成してある。こ
のメイン噴射用カットオフポート30は、プランジャ5
の上下方向の動きに応じて制御用傾斜溝28と連通可能
な上下位置関係にあるようにこれを配置するものとす
る。
【0023】なお燃料溜まり室25は、ポンプハウジン
グ2に形成した前記横孔24を介して燃料入口31に通
じている。
【0024】さらに、上述のプランジャ5の制御用傾斜
溝28および制御スリーブ18のメイン噴射用カットオ
フポート30に加えて、図5に要部を拡大して示すよう
に、パイロット噴射用として、プランジャ5にはパイロ
ットスピル用スリット32を形成するとともに、制御ス
リーブ18にはパイロット噴射用カットオフポート33
を形成してある。
【0025】パイロットスピル用スリット32は、プラ
ンジャ5の燃料吸排孔26に連通するように、この燃料
吸排孔26ないしは連通用縦溝29に対して制御用傾斜
溝28とは反対側の外表面に水平方向に所定の周長さに
わたってこれを形成する。
【0026】パイロット噴射用カットオフポート33
は、このパイロットスピル用スリット32にプランジャ
5の軸方向において相対する位置の制御スリーブ18に
これを形成するものである。
【0027】ただし、このパイロット噴射用カットオフ
ポート33は、大径部33Aと小径部33Bとからこれ
を形成するとともに、メイン噴射用カットオフポート3
0よりも制御スリーブ18の下端部側にこれを形成す
る。
【0028】以上のような構成の燃料噴射ポンプ1の作
用を概説する。まず、プランジャ5が下死点から上昇す
る当初にあっては、燃料吸排孔26が燃料溜まり室25
に開口し、この燃料溜まり室25と燃料圧室8とが燃料
吸排孔26および中心連通孔27を介して連通している
ので、燃料圧室8内の燃料の圧力は上昇せず、デリバリ
バルブ7は閉じたままとなる。
【0029】実際の燃料の送出については、図5がパイ
ロット噴射開始の状態を示す。すなわち、プランジャ5
が上昇してその燃料吸排孔26が制御スリーブ18の下
端部によって閉じられることにより燃料圧室8内の燃料
の圧力が上昇して噴射圧力がデリバリバルブ開弁圧をこ
えるとデリバリバルブ7を開いて燃料出口9から燃料を
送出し(燃料の圧送)、パイロット噴射が開始される。
【0030】ついで、プランジャ5のパイロットスピル
用スリット32と、制御スリーブ18のパイロット噴射
用カットオフポート33の小径部33Bとが連通するこ
とにより、燃料圧室8内の燃料が燃料溜まり室25内に
スピルすることによってパイロット噴射が終了する。
【0031】さらにプランジャ5が上昇すると、パイロ
ットスピル用スリット32と、パイロット噴射用カット
オフポート33の小径部33Bとの連通が遮断されるこ
とにより燃料圧室8は再度閉鎖された状態となってメイ
ン噴射が開始する。
【0032】そして、制御用傾斜溝28がメイン噴射用
カットオフポート30と係合することによりメイン噴射
が終了する。つまり、さらにプランジャ5が上昇して、
燃料吸排孔26と連通した制御用傾斜溝28が制御スリ
ーブ18のメイン噴射用カットオフポート30に連通す
ると、メイン噴射用カットオフポート30、制御用傾斜
溝28、連通用縦溝29、燃料吸排孔26、および中心
連通孔27を介してメイン噴射用カットオフポート30
と燃料圧室8とが連通することにより、燃料圧室8内の
燃料が燃料溜まり室25に逃げ、燃料圧室8内の燃料の
圧力が下降し、デリバリバルブ7が閉じられ、噴射(燃
料の圧送)が終了するものである。
【0033】ついで、プランジャ5が下降するときに、
燃料溜まり室25から燃料圧室8内に燃料の負圧により
燃料吸排孔26を通して燃料が吸入されることとなる。
【0034】さらに、タイミングコントロールロッド2
2を回動させることにより制御スリーブ18を上下に移
動させプリストロークすなわち燃料噴射のタイミングを
制御することができる。
【0035】つぎに図5を参照して、パイロットストロ
ークの加工寸法、ならびにパイロットスピル用スリット
32およびパイロット噴射用カットオフポート33の精
度について述べる。
【0036】まず、パイロット噴射量ないしはパイロッ
トストロークを決定する因子は、プランジャ5の燃料吸
排孔26の下端からパイロットスピル用スリット32の
上端までの距離L1と、制御スリーブ18の下端部から
パイロット噴射用カットオフポート33の小径部33B
の下端までの距離L2とであって、パイロットストロー
クは(L2−L1)で表される。
【0037】上記距離L2は比較的精度よく加工が可能
であるが、距離L1が燃料吸排孔26とパイロットスピ
ル用スリット32との相対位置関係に影響されるため、
パイロットストロークの加工精度を向上させることには
限界があり、この距離L1をエンジンの各気筒間で精度
よく、かつ精度のバラツキを少なく加工することは比較
的困難であるという問題がある。
【0038】さらに、プランジャ5の上昇にともなう燃
料の圧送時に、多少の燃料がプランジャ5と制御スリー
ブ18との間のごくわずかな隙間からもれることになる
が、このもれ量を選定ないし制御することができないた
め、エンジンの各気筒間でのもれ量のバラツキを回避す
ることが困難であるという問題もある。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、簡単な構成ないしは
加工処理により高精度のパイロット噴射量ないしはパイ
ロットストロークを得ることができ、安価で高精度のパ
イロット噴射機構を備えた燃料噴射ポンプを提供するこ
とを課題とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、プラ
ンジャにおけるパイロットスピル用スリットの形成部位
に着目し、このパイロットスピル用スリットを制御スリ
ーブが閉鎖したときから燃料のパイロット噴射を開始す
るようにしたものであって、燃料圧室を有するプランジ
ャバレルと、このプランジャバレル内を上下往復動して
燃料溜まり室から燃料吸排孔を介して上記燃料圧室に燃
料を吸い込みこの燃料を圧送するプランジャと、このプ
ランジャに摺動自在に外嵌した制御スリーブとを有する
とともに、この制御スリーブと上記プランジャとの軸方
向の相対位置を変えてプリストロークを調節するように
した燃料噴射ポンプであって、上記プランジャの上記燃
料吸排孔に連通する制御用傾斜溝をこのプランジャの外
表面に形成するとともに、この制御用傾斜溝に軸方向に
おいて相対する位置の上記制御スリーブにメイン噴射用
カットオフポートを形成し、かつ上記プランジャの上記
燃料吸排孔および上記制御用傾斜溝の少なくともいずれ
か一方に連通するパイロットスピル用スリットを、該燃
料吸排孔および該制御用傾斜溝のいずれよりも下方の位
置において上記プランジャの外周面に所定長さにわたっ
て環状に形成するとともに、このパイロットスピル用ス
リットに軸方向において相対する位置の上記制御スリー
ブにパイロット噴射用カットオフポートを上記メイン噴
射用カットオフポートとは別に形成したことを特徴とす
る燃料噴射ポンプである。
【0041】
【作用】本発明による燃料噴射ポンプにおいては、プラ
ンジャの燃料吸排孔および制御用傾斜溝のいずれからも
より下方に位置するようにパイロットスピル用スリット
を形成することによって、プランジャの上昇にともなっ
て従来のように制御スリーブの下端部が燃料吸排孔を閉
鎖したときではなく、このパイロットスピル用スリット
の下端自体を制御スリーブの下端部が閉鎖したときに、
パイロット噴射における燃料の圧送を開始するようにし
た。
【0042】したがって、パイロットストロークを決定
する因子が、このパイロットスピル用スリットの幅、お
よびパイロットスピル用スリットの下端からパイロット
噴射用カットオフポートの下端までの距離となり、パイ
ロットスピル用スリットの幅は加工時のカッターの歯幅
で決定されるため、エンジンの各気筒間のプランジャに
より精度のバラツキが生じることなく、高精度の加工が
安価に可能となる。
【0043】しかも、パイロット噴射の圧送開始のタイ
ミングを、パイロットスピル用スリットの下端を閉鎖す
るタイミングとしたタイプとすることにより、パイロッ
トストローク中での燃料のもれ量を所定範囲に変化させ
ることができる。
【0044】
【実施例】つぎに、本発明の一実施例による燃料噴射ポ
ンプ40を図1ないし図3にもとづき説明する。
【0045】図1は、この燃料噴射ポンプ40のプラン
ジャ41の斜視図、図2は制御スリーブ42の斜視図、
図3は燃料噴射ポンプ40の要部拡大縦断面図であっ
て、この燃料噴射ポンプ40が基本的に従来の燃料噴射
ポンプ1との相違する構造は、プランジャ41にある。
【0046】すなわち、とくに図1および図3に示すよ
うに、プランジャ41のパイロットスピル用スリット4
3を燃料吸排孔26、中心連通孔27、制御用傾斜溝2
8および連通用縦溝29のいずれよりも下方位置に、か
ついずれかに連通可能に形成してある。
【0047】パイロットスピル用スリット43は、プラ
ンジャ41の外周面に所定の長さ、たとえば全周、ある
いはプランジャ41の回動範囲内の所定長さにわたっ
て、かつプランジャ41の軸方向とは垂直の平面内(水
平面内)において、環状にこれを形成するものとする。
【0048】なお、中心連通孔27と連通用縦溝29と
を直接連通するように連通用補助孔44を形成すること
により、燃料の給排を効率よく行うようにしてある。
【0049】こうした構成の燃料噴射ポンプ40におい
て、プランジャ41の上昇にともない、パイロットスピ
ル用スリット43の下端が制御スリーブ42の下端部に
より閉鎖されたときにパイロット噴射が開始される。
【0050】さらにプランジャ41が上昇するにともな
ってパイロットスピル用スリット43の上端が小径部3
3Bの下端と係合したときにパイロット噴射が終了す
る。
【0051】この後のメイン噴射の開始・終了、および
プランジャ41の下降にともなう燃料吸い込み等は従来
の燃料噴射ポンプ1と同様である。
【0052】とくに図3に示すように、パイロットスト
ロークを決定する因子としては、パイロットスピル用ス
リット43の幅L3と、制御スリーブ42の下端部から
パイロット噴射用カットオフポート33の小径部33B
の下端までの距離L4とであって、パイロットストロー
クは(L4−L3)で表される。
【0053】上記距離L4は、前記制御スリーブ18の
下端部からパイロット噴射用カットオフポート33の小
径部33Bの下端までの距離L2と同様であるが、幅L
3に応じて選定するものとする。
【0054】パイロットスピル用スリット43の幅L3
は、加工時のカッターの歯幅のみで決定され、従来のよ
うに燃料吸排孔26との相対位置に影響されないため、
エンジンの各気筒間のプランジャによりバラツキが生じ
ることなく、高精度の加工を行うことができ、しかも安
価な加工が可能となる。
【0055】さらに、パイロットストローク中の燃料の
もれ量について述べると、パイロットスピル用スリット
43をプランジャ41の全周に巡らすなど、これを長く
することにより、パイロットスピル用スリット43部分
の容積に応じて当該もれ量は大きくなり、結果として、
同一パイロットストロークに対して得られるパイロット
噴射量が少なくなる。
【0056】逆に言えば、同一のパイロット噴射量を得
るために、大きなパイロットストロークを適用可能とな
り、かくしてパイロットストローク量を大きくすること
ができれば、その分だけ各気筒間でのバラツキを相対的
に少なくすることができる効果をもたらす。
【0057】たとえば、パイロット噴射量5mm3/ス
トロークをストローク0.05mmで行う場合(イ)
と、同じくパイロット噴射量5mm3/ストロークをス
トローク0.15mmで行う場合(ロ)とでは、パイロ
ットストロークの加工公差が±0.02mmであるとす
れば、前者の場合(イ)における精度のバラツキは、 ±0.02/0.05×100=±40% であり、後者の場合(ロ)における精度のバラツキは、 ±0.02/0.15×100=±13.3% となり、パイロットストロークを大きくすることによ
り、同一パイロット噴射量を得るために精度のバラツキ
を少なくすることができる。
【0058】なお本発明においては、パイロットスピル
用スリット43を所定長さに形成することにより低負荷
域および高負荷域いずれのプリストローク値においても
パイロット噴射を行うことが可能であるが、プランジャ
5の回転によりパイロットスピル用スリット43の円周
方向のスリット切り終わり位置が変化することを利用し
て、パイロットスピル用スリット43の円周方向の位置
を限定することにより、パイロット噴射の発生する負荷
域を限定することも可能である。つまり、低負荷時にパ
イロット噴射を行わないこととするか、あるいは逆に高
負荷時にパイロット噴射を行わないことも可能である。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、プ
リストロークを可変とする機構を有する燃料噴射ポンプ
において、プランジャに形成するパイロットスピル用ス
リットを最下方位置に形成したので、パイロットストロ
ークに関して容易に高い加工精度を得ることができる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるプリストローク可変機
構付き燃料噴射ポンプ40のプランジャ41の斜視図で
ある。
【図2】同、制御スリーブ42の斜視図である。
【図3】同、パイロット噴射開始の状態を示す要部拡大
縦断面図である。
【図4】従来からのプリストローク可変機構付き燃料噴
射ポンプ1の縦断面図である。
【図5】同、パイロット噴射開始の状態を示す要部拡大
縦断面図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 2 ポンプハウジング 3 縦孔 4 下部プランジャバレル 5 プランジャ 6 上部プランジャバレル 7 デリバリバルブ 8 燃料圧室 9 燃料出口 10 カムシャフト 11 カム 12 タペット 13 スプリング 14 ドライビングフェース 15 噴射量調節用スリーブ 16 突起 17 噴射量調節用ロッド 18 制御スリーブ 19 案内溝 20 係合溝 21 案内ピン 22 タイミングコントロールロッド 23 タイミングコントロールロッド22の係合部 24 横孔 25 燃料溜まり室 26 燃料吸排孔 27 中心連通孔 28 制御用傾斜溝 29 連通用縦溝 30 メイン噴射用カットオフポート 31 燃料入口 32 パイロットスピル用スリット 33 パイロット噴射用カットオフポート 33A パイロット噴射用カットオフポート33の大径
部 33B パイロット噴射用カットオフポート33の小径
部 40 燃料噴射ポンプ 41 プランジャ 42 制御スリーブ 43 パイロットスピル用スリット 44 連通用補助孔 L1 プランジャ5の燃料吸排孔26の下端から、パイ
ロットスピル用スリット32の上端までの距離 L2 制御スリーブ18の下端部から、パイロット噴射
用カットオフポート33の小径部33Bの下端までの距
離 L3 パイロットスピル用スリット43の幅 L4 制御スリーブ42の下端部から、パイロット噴射
用カットオフポート33の小径部33Bの下端までの距

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料圧室を有するプランジャバレル
    と、 このプランジャバレル内を上下往復動して燃料溜まり室
    から燃料吸排孔を介して前記燃料圧室に燃料を吸い込み
    この燃料を圧送するプランジャと、 このプランジャに摺動自在に外嵌した制御スリーブとを
    有するとともに、 この制御スリーブと前記プランジャとの軸方向の相対位
    置を変えてプリストロークを調節するようにした燃料噴
    射ポンプであって、 前記プランジャの前記燃料吸排孔に連通する制御用傾斜
    溝をこのプランジャの外表面に形成するとともに、この
    制御用傾斜溝に軸方向において相対する位置の前記制御
    スリーブにメイン噴射用カットオフポートを形成し、か
    つ前記プランジャの前記燃料吸排孔および前記制御用傾
    斜溝の少なくともいずれか一方に連通するパイロットス
    ピル用スリットを、該燃料吸排孔および該制御用傾斜溝
    のいずれよりも下方の位置において前記プランジャの外
    周面に所定長さにわたって環状に形成するとともに、こ
    のパイロットスピル用スリットに軸方向において相対す
    る位置の前記制御スリーブにパイロット噴射用カットオ
    フポートを前記メイン噴射用カットオフポートとは別に
    形成したことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
JP4306289A 1992-10-20 1992-10-20 燃料噴射ポンプ Pending JPH06129327A (ja)

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