JPH06128863A - 燃焼安全性に優れたタイルカーペット - Google Patents

燃焼安全性に優れたタイルカーペット

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JPH06128863A
JPH06128863A JP34605692A JP34605692A JPH06128863A JP H06128863 A JPH06128863 A JP H06128863A JP 34605692 A JP34605692 A JP 34605692A JP 34605692 A JP34605692 A JP 34605692A JP H06128863 A JPH06128863 A JP H06128863A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 無バインダーのポリエステルスパンボンド基
布(2)にポリエステルフィラメントからなるパイル糸
(3)が植設されたカーペット基材(1)の裏面側に、
非晶性オレフィン重合体組成物からなる目止め層(4)
及び裏打ち層(5)が設けられてなる燃焼安全性に優れ
たタイルカーペット(1)。 【効果】 燃焼時の有毒ガスの発生が極力抑制され、し
かも防汚性に優れ、良好な寸法安定性及び形状安定性を
示す、タイルカーペットが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、店舗、事務所、住宅
等の床敷き材として好適な、燃焼安全性に優れたタイル
カーペットに関する。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に、タイルカーペットは、
溶融紡糸した合成樹脂フィラメントにオイリングを施
し、延伸、捲縮、巻取りを行ってパイル糸とし、これを
タフティングマシン(植毛機)によりタフト刺基布に植
え込んでカーペット基材とし、必要に応じてフッ素系や
シリコーン系等の撥水剤の被着処理を行った上で、この
基材に樹脂層の裏打ちを施して熱処理し、所要の大きさ
に裁断して製造される。
【0003】上記タフト刺基布としては、通常アクリル
系、ポリ塩化ビニル系、その他のバインダーによる繊維
間の固着を行ったポリエステルスパンボンド基布が使用
されるとともに、パイル糸としてはナイロン製のもの、
裏打ち層としてはポリ塩化ビニル系樹脂が使用されてい
る。
【0004】この種のカーペットでは、火災を想定した
防災上の見地、ならびに廃棄カーペットの焼却処理にお
ける環境汚染や焼却炉への影響等の見地から、有毒ガス
に起因する重大な課題を抱えている。
【0005】すなわち、カーペット等の燃焼により発生
する恐れのある有毒ガスとしては、シアン化水素(HC
N)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、硫
黄酸化物(SOx)、塩化水素(HCl)、フッ化水素
(HF)等が主に挙げられる。これらの有毒ガスのう
ち、シアン化水素(HCN)、窒素酸化物(NOx)、
硫黄酸化物(SOx)および塩化水素(HCl)は、特
に毒性が高く、許容濃度は数 ppmに過ぎず、数百 ppmで
致死量に達することになる。このため燃焼時に、これら
の有毒ガスの発生を極力抑制することは必要不可欠なこ
とであるといえる。
【0006】しかしながら、上述のカーペットでは、ナ
イロン製のパイル糸が使用されているため、その燃焼時
にシアン化水素(HCN)、窒素酸化物(NOx)等の
有毒ガスが発生するとともに、裏打ち層およびタフト刺
基布のポリ塩化ビニル系樹脂の燃焼により、塩化水素
(HCl)等の有毒ガス、アクリル系のバインダーの燃
焼により、シアン化水素(HCN)等の有毒ガスが発生
する。
【0007】このように従来のカーペットでは、毒性の
高い有毒ガスが発生するので、燃焼安全性に問題を有し
ており、燃焼時の有毒ガスの発生を極力低減できるタイ
ルカーペットを実現することが課題となっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、上述の
事情に鑑み、有毒ガスの発生が少ないカーペットを提供
すべく検討を行った結果、従来のタイルカーペットでは
タフト刺基布のバインダー、タフト基布に植設されるパ
イル糸、さらに裏打ち層としてのポリ塩化ビニル系樹脂
が燃焼時における有毒ガスの発生要因となっており、加
えて上述のオイリングに用いられてパイル糸に含有する
油剤も有毒ガス発生要因となっており、これらの要因を
できる限り取り除くことにより、有毒ガスの発生を極力
低減できるという、知見を得た。
【0009】そして、この知見に基づいて更に綿密な研
究を重ねた結果、各構成要素に特定の材料を用いること
により、燃焼時の有毒ガスの発生を極力低減でき、加え
てパイル糸の油分率を特定値以下に抑制すれば、有毒ガ
スの発生を一層低減でき、しかも防汚性、寸法安定性、
敷設安定性等にも優れたタイルカーペットが得られるこ
とを見い出し、この発明をなすに至った。
【0010】すなわち、この発明の請求項1に係る燃焼
安全性に優れたタイルカーペットは、無バインダーのポ
リエステルスパンボンド基布(2)にポリエステルフィ
ラメントからなるパイル糸(3)が植設されたカーペッ
ト基材(1)の裏面側に、非晶性オレフィン重合体組成
物からなる目止め層(4)及び裏打ち層(5)が設けら
れてなることを要旨としている。
【0011】また、この発明の請求項2に係る燃焼安全
性に優れたタイルカーペットは、上記請求項1のタイル
カーペットにおけるパイル糸(3)の油分率が0.40
重量%以下に設定されてなることを要旨としている。
【0012】さらに、この発明の請求項3に係る燃焼安
全性に優れたタイルカーペットは、上記請求項1または
2のカーペットにおける裏打ち層(5)中に中間基布と
して、ポリビニルアルコール系又はエチレン−酢酸ビニ
ル系のバインダーを用いたガラス繊維布(6)(7)が
介在されてなることを要旨としている。
【0013】
【発明の細部構成と作用】この発明のタイルカーペット
は、カーペット基材(1)のパイル糸(3)及びポリエ
ステルスパンボンド基布(2)の素材であるポリエステ
ル、ならびに目止め層(4)及び裏打ち層(5)の非晶
性オレフィン重合体が、いずれも燃焼時に有毒ガスを生
じる成分の含有量が少ない材料である。しかも本発明の
ポリエステルスパンボンド基布(2)は、有毒ガスを生
じる成分となるバインダーを有しないから、全体として
有毒ガスの発生が極力低減して安全性に優れたものとな
る。
【0014】また、目止め層(4)及び裏打ち層(5)
を構成する非晶性オレフィン重合体組成物が耐熱性や低
温特性に優れ、カーペットの寸法安定性や形状安定性を
良好とし、また目止め層(4)によるパイル糸(3)の
固着力が高く、更に目止め層(4)と裏打ち層(5)と
が同様の成分であるため、両層の親和性が高く層間剥離
を生じにくいという利点がある。
【0015】カーペット基材(1)のタフト刺基布とす
る無バインダーのポリエステルスパンボンド基布(2)
は、通常の基布のようにバインダーにて繊維間の固着を
行う代わりに、溶融フィラメント自身の接着力で圧着
し、シート状にし冷却することによって得られる。しか
して、このような無バインダーのポリエステルスパンボ
ンド基布(2)としては、厚さ0.1〜1.5mm程
度、目付50〜150g/m程度のものが好適であ
る。
【0016】目止め層(4)及び裏打ち層(5)を構成
する重合体組成物の非晶性オレフィン重合体としては、
非晶性エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、エチ
レン−プロピレン、エチレン−ブテン、エチレン−ヘキ
セン、プロピレン−ブテン、プロピレン−ヘキセン、エ
チレン−プロピレン−ブテン、エチレン−プロピレン−
ヘキセン、プロピレン−ブテン−ヘキセン等が挙げら
れ、これらは2種以上を併用してもよい。
【0017】また重合体組成物中には、主ポリマーであ
る上記の非晶性オレフィン重合体と共に、副ポリマーと
しての結晶性ポリプロピレンの如きハロゲン元素を含ま
ない他の樹脂成分、脂肪族系石油樹脂の如き粘着付与
剤、ワックスの如き溶融粘度低下剤、炭酸カルシウムや
水酸化マグネシウムの如き充填剤、ほう酸亜鉛や酸化ア
ンチモンの如き難燃剤等、各種添加剤を必要に応じて配
合できる。なお、目止め層(4)の粘着付与剤の配合量
は、主ポリマーの非晶性オレフィン重合体100重量部
に対して10〜50重量部程度、充填剤の配合量は同じ
く50〜300重量部程度とするのがよい。また、裏打
ち層は、粘着付与剤10〜50重量部、充填剤100〜
500重量部とするのがよい。この場合、目止め層
(4)は目付300〜1000g/m程度、裏打ち層
(5)は厚さ2.0〜3.5mm程度とするのがよい。
【0018】また、この発明のタイルカーペットにおい
ては、有毒ガスの発生を一層抑制するために、カーペッ
ト基材(1)のパイル糸(3)は、その油分率を0.4
0重量%以下、好ましくは0.25重量%以下に抑えて
おくのが好ましい。ここで油分率とは繊維重量に対する
油分付着量の百分率を言う。このように有毒ガスを生じ
る成分となるパイル糸(3)の油分率を低く設定してお
くと、有毒ガスの発生を一層抑制することができる。さ
らに油剤によるカーペット製品の再汚染を招くことがな
く、撥水剤の被着処理を行った際、油剤によって撥水剤
の被膜形成が阻害されることもないから、該撥水剤の機
能が充分に発揮され、非常に優れた防汚性を示す。
【0019】さらにこの発明のタイルカーペットにおい
ては、寸法安定性を向上させるために裏打ち層(5)中
に中間基布としてガラス繊維布(6)(7)を介在させ
ることが推奨される。このガラス繊維布(6)(7)と
しては、目付30〜50g/m程度の不織布(7)、
ならびに目付25〜45g/m程度の織布及び組布
(6)が好適であり、裏打ち層(5)中に複数枚介在さ
せてもよい。しかして、通常、上記の不織布(7)には
20重量%程度、織布及び組布(6)には15重量%程
度のバインダーがそれぞれ用いられているが、この発明
で中間基布とするガラス繊維布(6)(7)は、ポリビ
ニルアルコール系又はエチレン−酢酸ビニル系のバイン
ダーを用いたものがよい。すなわち、これらバインダー
はハロゲン元素を含まないものであるため、燃焼時有毒
ガスの発生を抑制することができる。
【0020】この発明の燃焼安全性に優れたタイルカー
ペットを製造するには、常法に準じ、ポリエステルチッ
プを用いて溶融紡糸したポリエステルフィラメントにオ
イリングを施して0.7〜1.5重量%程度の油剤を被
着させ、延伸、捲縮、巻取りを行ってパイル糸(3)と
し、これをタフティングマシンにより前記した無バイン
ダーのポリエステルスパンボンド基布(2)に植え込ん
でカーペット基材(1)とし、必要によりフッ素系やシ
リコーン系等の撥水剤の被着処理を施し、この基材に前
記の非晶性オレフィン重合体組成物の溶融塗工による目
止め層及び裏打ち層を行って冷却し、所要の大きさに裁
断すればよい。
【0021】この場合、既述したようにパイル糸(3)
の油分率を0.40重量%以下にするには、タフティン
グ後の後処理によって油剤を除去するのがよい。すなわ
ち、通常ポリエステルフィラメントの紡糸時には、油分
率を1%前後にしないと、製糸性が悪化し、紡糸後にお
いても延伸、捲縮、巻取り、タフティング等の加工性が
悪化することになる。したがって、これらの加工は、上
記したように0.7〜1.5重量%程度の油剤を被着さ
せた状態で行い、タフティング後の後処理によって油分
率が0.40重量%以下になるまで油剤を除去するのが
よい。
【0022】後処理によって油剤を除去する手段として
は、油剤成分に例えばポリエーテル等の熱昇華ないし熱
分解しやすいものを用い、タフティング後に熱処理を行
って油剤を揮散させる方法、紡糸後親水性の油剤を付与
し、タフティング後、温湯(40〜60℃)で浸漬、脱
水(含水率25%)、乾燥する方法がある。さらに、こ
れらを組合わせた方法等が挙げられる。
【0023】図1はこの発明に係る低発煙性タイルカー
ペットの構成例を示す。図において、(1)はカーペッ
ト基材であり、無バインダーのポリエステルスパンボン
ド基布(2)に、ポリエステルフィラメントからなるパ
イル糸(3)がループ形に植設されており、該パイル糸
(3)の油分率が0.40重量%以下に設定されてい
る。(4)はカーペット基材(1)の裏面に被着した非
晶性オレフィン重合体組成物からなる目止め層、(5)
は該目止め層(4)の外側に設けた同様の重合体組成物
からなる裏打ち層であり、この裏打ち層(5)中には、
エチレン−酢酸ビニル系のバインダーを用いたガラス組
布(6)と、ポリビニルアルコール系のバインダーを用
いたガラス不織布(7)とからなる2枚の中間基布が介
在されている。
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例を比較例と対比して
具体的に説明する。なお、以下の説明において部、%と
あるのは、重量部、重量%をそれぞれ意味する。
【0025】実施例1 下表1のカーペット基材(A)に示すように、ポリエス
テル素材のフィラメント(糸番手3000デニール/1
p、パイル密度1/10,55st)にオイリングを施
し、タフティングマシンにより、厚さ3.0mm、目付
100g/mで無バインダーのポリエステルスパンボ
ンド基布(同表中「バインダー無」と示す、下記実施例
2においても同じ。)に植設してパイル目付680g/
のループパイル型タイルカーペット基材(A)を作
製した。
【0026】
【表1】 カーペット基材(A)の裏面側に、下記の目止め用樹脂
組成物(P1)の170〜200℃の溶融物を目付40
0g/mの割合で塗工して目止めを施し、この目止め
層上に下記の裏打ち用樹脂組成物(Q1)の170〜2
00℃の溶融物を3段階に分け、1段目と2段目との間
にガラス組布(目付35g/m)を、2段目と3段目
との間にガラス不織布(目付40g/m)を、それぞ
れ介在させて塗工することにより全体の厚さ3.0mm
の裏打ち層を形成し、冷却後、所定の大きさに裁断して
タイルカーペットを作製した。
【0027】 〔目止め用樹脂組成物(P1)〕 非晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体 (宇部レキセン社製RT2215) … 100部 結晶性ポリプロピレン(宇部興産社製J130G) … 5部 脂肪族系石油樹脂(三井石油化学工業社製T−300X)… 25部 炭酸カルシウム(平均粒子径30μm) … 100部 水酸化マグネシウム(平均粒子径10μm) … 30部 〔裏打ち用樹脂組成物(Q1)〕 非晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体 (宇部レキセン社製RT2215) … 100部 結晶性ポリプロピレン(宇部興産社製J130G) … 8部 脂肪族系石油樹脂(三井石油化学工業社製T−300X)… 20部 炭酸カルシウム(平均粒子径60μm) … 280部 水酸化マグネシウム(平均粒子径10μm) … 20部 比較例1 上表1に示す構成要素からなるカーペット基材(B)
を、実施例1と同様に作製した。この場合、パイル素材
としては、ナイロンBCFをそれぞれ使用し、タフト刺
基布としては、ポリ塩化ビニル(PVC)系バインダー
が含有されたポリエステルスパンボンド基布(厚さ0.
3mmg/m、目付100g/m)を使用している。
【0028】こうして得られたカーペット基材(B)の
裏面側に、上記目止め用樹脂組成物(P1)および裏打
ち用樹脂組成物(Q1)を、実施例1と同様に形成して
タイルカーペットをそれぞれ作製し、比較例1とした。
【0029】比較例2 エンドレスベルト上に下記裏打ち用樹脂組成物(Q2)
を1.5mmの厚さで塗工しその上からエステルクロス
(目付20g/m)、ガラス不織布(目付量40g/
)を含浸させ、さらに下記裏打ち用樹脂組成物(Q
3)を1.5mmの厚さで塗工した後、上記カーペット基
材(A)を積層しエンドレスベルト側より180℃×5
分間加熱後、冷却し所定の大きさに裁断してタイルカー
ペットを作製した。
【0030】 〔裏打ち用樹脂組成物(Q2)〕 ポリ塩化ビニルペーストレジン(三菱化成ビニル社製P410) … 100部 ジオクチルフタレート(DOP) … 100部 炭酸カルシウム(平均粒子径30μm) … 300部 〔裏打ち用樹脂組成物(Q3)〕 ポリ塩化ビニルペーストレジン(三菱化成ビニル社製P410) … 100部 ジオクチルフタレート(DOP) … 100部 炭酸カルシウム(平均粒子径50μm) … 400部 比較例3 カーペット基材(A)に代えて、カーペット基材(B)
を使用した以外は、比較例2と同様にして、タイルカー
ペットを作製し、それぞれ比較例3とした。
【0031】実施例2 ポリエステルチップ(ポリエチレンテレフタレート)よ
り溶融紡糸したポリエステルフィラメント(3000
(15.6デニール×192本)デニール)にキスロー
ルを用いてポリエーテル系油剤エマルジョン(平均分子
量1.500、エチレンオキサイド40モル%、プロピ
レンオキサイド60モル%)を固形分換算で、1.0%
の割合で被着させてオイリングを施し、常法に従って延
伸、捲縮、巻取りを行ってこれを1/10インチゲージ
のタフティングマシンにより無バインダーのポリエステ
ルスパンボンド基布(厚さ0.3mm、目付100g/
)に植設してパイル長3.0mmのループパイル型
タイルカーペット基材を作製した。そして、このカーペ
ット基材を熱風乾燥機により200℃にて10分間熱処
理して油剤を揮散させ、パイル糸の油分率を0.34%
まで抑え、室温まで冷却後にフッ素樹脂系撥水剤(旭硝
子(株)社製AG730)の10%溶液を対パイル繊維
重量比30%でスプレー塗布して乾燥させた。
【0032】次に、このカーペット基材の裏面に、上記
目止め用樹脂組成物(P1)の170〜200℃の溶融
物を目付400g/mの割合で塗工して目止めを施
し、この目止め層上に裏打ち用樹脂組成物(Q1)の1
70〜200℃の溶融物を3段階に分け、1段目と2段
目との間にエチレン−酢酸ビニル系のバインダーを用い
たガラス組布(目付35g/m)を、2段目と3段目
との間にポリビニルアルコール系のバインダーを用いた
ガラス不織布(目付40g/m)を、それぞれ介在さ
せて塗工することにより全体の厚さ3.0mmの裏打ち
層を形成し、冷却後、所定の大きさに裁断してタイルカ
ーペットを作製した。
【0033】実施例3 油剤として親水性油剤であるオレイルオレエートを用い
てカーペット基材を作製し、油剤除去法としてタフティ
ング後に循環する50℃の温水槽に通し、脱水後120
℃の熱風で乾燥させて、パイル糸の油分率を0.20%
に設定した以外は、実施例2と同様にしてタイルカーペ
ットを作製した。
【0034】以上の実施例及び比較例の各タイルカーペ
ットについて、発煙性、有毒ガス(HCN、CO、NO
x、SOx、HCl、HF)分析値、防汚性を下記の測
定法によりそれぞれ測定した。その結果をパイル糸の油
分率とともに後記表2に示す。
【0035】〔発煙性〕NBSスモークデンシティチャ
ンバー法にて測定したDS最大値で示す。 〔燃焼ガス分析値〕NBSチャンバー法のガス検知管方
式ASTM E662にて測定した。 〔防汚性〕製品加工直後にテーバー摩耗試験(荷重50
0g、50回)を行ったのち、撥水性を測定した。
【0036】
【表2】 上表2より、比較例1〜3のタイルカーペットでは、有
毒ガスの発生を十分に抑制できないのに対し、この発明
に係るタイルカーペット(実施例1〜3)は、有毒ガス
の発生を十分に抑制でき、特に油分率が低い実施例2、
3では、有毒ガスの発生が著しく低減され、しかも防汚
性にも優れた性能を示していることが判る。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、有毒ガスの発
生を十分に抑制でき、且つしかも良好な寸法安定性及び
形状安定性を示すタイルカーペットが提供されるという
第1の効果が得られる。
【0038】請求項2の発明によれば、上記第1の効果
に加えて、一層有毒ガスの発生を抑制でき、しかも防汚
性に優れたタイルカーペットが提供されるという第2の
効果が得られる。
【0039】請求3の発明によれば、上記第1または第
2の効果に加えて、寸法安定性及び形状安定性により優
れたタイルカーペットが提供されるという第3の効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る低発煙性タイルカーペットの構
成例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…カーペット基材 2…ポリエステルスパンボンド基布 3…パイル糸 4…目止め層 5…裏打ち層 6…ガラス繊維布(ガラス組布) 7…ガラス繊維布(ガラス不織布)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無バインダーのポリエステルスパンボン
    ド基布(2)にポリエステルフィラメントからなるパイ
    ル糸(3)が植設されたカーペット基材(1)の裏面側
    に、非晶性オレフィン重合体組成物からなる目止め層
    (4)及び裏打ち層(5)が設けられてなる燃焼安全性
    に優れたタイルカーペット。
  2. 【請求項2】 前記パイル糸(3)は、油分率が0.4
    0重量%以下に設定されてなる請求項1記載の燃焼安全
    性に優れたタイルカーペット。
  3. 【請求項3】 前記裏打ち層(5)中に中間基布とし
    て、ポリビニルアルコール系又はエチレン−酢酸ビニル
    系のバインダーを用いたガラス繊維布(6)(7)が介
    在されてなる請求項1または2記載の燃焼安全性に優れ
    たタイルカーペット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100944396B1 (ko) * 2009-09-22 2010-02-26 주식회사 성남화학 쿠션 카페트와 그 제조장치 및 제조방법
CN104146576A (zh) * 2014-08-29 2014-11-19 安徽锦绣经纬编有限公司 一种地毯

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