JPH06128530A - 耐熱絶縁電線 - Google Patents

耐熱絶縁電線

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Publication number
JPH06128530A
JPH06128530A JP4304752A JP30475292A JPH06128530A JP H06128530 A JPH06128530 A JP H06128530A JP 4304752 A JP4304752 A JP 4304752A JP 30475292 A JP30475292 A JP 30475292A JP H06128530 A JPH06128530 A JP H06128530A
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JP
Japan
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group
polysilazane
heat
insulated wire
formula
Prior art date
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Pending
Application number
JP4304752A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Hirai
宏樹 平井
Koichi Iwata
幸一 岩田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリシラザンを絶縁皮膜の材料として使用
し、耐熱性と可撓性を有すると共に、可撓性の経時変化
の少ない絶縁皮膜を有する耐熱絶縁電線を提供するこ
と。 【構成】 導体上に、下層部として、一般式〔A〕 【化1】 (式中、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アルキルアミノ基、アリール
基、またはアルキルシリル基である。)で表される繰り
返し単位を有するポリシラザンの塗布焼成層と、上層部
として、前記一般式〔A〕で表される繰り返し単位95
〜5モル%と、一般式〔B〕 【化2】 (式中、R2及びR3は、アルキル基、アルケニル基、シ
クロアルキル基、アルキルアミノ基、アリール基、また
はアルキルシリル基であり、それぞれ同一または相異な
っていてもよい。)で表される繰り返し単位5〜95モ
ル%を含有する共重合ポリシラザンの塗布焼成層の少な
くとも2層からなる絶縁皮膜を設けた耐熱絶縁電線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温下に曝される機器
の配線、巻線等に使用できる耐熱絶縁電線に関し、さら
に詳しくは、ポリシラザンの塗布焼成層を有し、かつ、
可撓性の良好な耐熱絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特殊な化学プラントや加熱設備な
どの高温下に曝された場合であっても安全性の要求され
る設備、あるいは高温下の環境に曝される自動車用電装
部品等に使用される絶縁電線には、高度の耐熱性が要求
されている。このような耐熱絶縁電線の絶縁皮膜には、
ポリイミド樹脂、アミドイミド樹脂、フッ素系樹脂等の
耐熱性樹脂が使用されている。
【0003】しかしながら、より高い耐熱性が要求され
る用途や高温下でのより高い信頼性が必要な用途におい
ては、耐熱性樹脂皮膜のような有機絶縁皮膜では不十分
である。そこで、近年、シリコーン樹脂や焼成によりセ
ラミック化するポリカルボシラン、ポリシラスチレン、
ポリチタノカルボシラン等のプレセラミックポリマーを
用いて無機絶縁皮膜を設けることが検討されている。
【0004】ところが、シリコーン樹脂や従来公知のプ
リセラミックポリマーの多くは、熱分解(焼成)時の收
率が50%以下と低いため、生成するセラミック皮膜に
クラック等の欠陥を生じ易く、皮膜強度も小さい等の問
題があった。
【0005】最近、無機ポリシラザンの合成法として、
ジハロシラン(H2SiX2:X=ハロゲン)とピリジン
などの塩基とを反応させてジハロシランと塩基のアダク
ツを形成させた後、アンモニアと反応させることによ
り、化学式〔I〕
【0006】
【化3】 で表される繰り返し単位を有する直鎖状構造を包含する
ポリシラザン(即ち、ペルヒドロポリシラザン)を合成
する方法が提案されている(特公昭63−16325
号)。この方法によれば、固体状で安定に反応溶媒中に
存在し得るジハロシランのアダクツとアンモニアを反応
させるため、ジハロシランの飛散や反応装置の閉塞等の
不都合がなく、しかも低分子量から高分子量までの無機
ポリシラザンを容易に合成することができ、さらに、得
られた無機ポリシラザンは、溶媒に可溶でかつ溶媒の除
去後に固化するため、容易に賦型化でき、賦型化したも
のを加熱処理すれば、賦型化窒化珪素を得ることができ
る。
【0007】また、ジハロシランとしてRHSiX
2(R=炭化水素基)を用い、上記と同様に反応させる
ことにより、例えば、化学式〔II〕
【0008】
【化4】 で表される繰り返し単位を有するポリシラザン(即ち、
メチルヒドロポリシラザン)を合成する方法も提案され
ている(特公昭61−89230号)。
【0009】これらのポリシラザンは、熱分解収率が低
いため、プレセラミックポリマーとして、絶縁電線の耐
熱絶縁皮膜としての用途が期待される。しかしながら、
これらのポリシラザンを用いて、従来の有機絶縁皮膜と
同様の柔軟性に優れた絶縁皮膜を得るには、完全に燒結
していない状態で使用しなければならないが、このよう
な状態のポリシラザン皮膜は、空気中に放置しておくと
変質して徐々に可撓性を失うという問題がある。その理
由は、完全に燒結していないポリシラザン中には、多数
のSi−H結合が残存しており、これが空気中の水分と
反応してSi−O−Si結合を生成し、皮膜の可撓性が
損なわれるためであると推定される。
【0010】したがって、従来、ポリシラザンを柔軟性
が要求される電線の被覆に使用することは困難であり、
その改善が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
シラザンを絶縁皮膜の材料として使用し、耐熱性と可撓
性を有すると共に、可撓性の経時変化の少ない絶縁皮膜
を有する耐熱絶縁電線を提供することにある。
【0012】本発明者らは、上記課題を解決するために
鋭意研究した結果、絶縁皮膜を少なくとも2層とし、下
層部には、熱分解收率の高いSi−H結合を持つポリシ
ラザンを用い、上層部には、熱分解収率は相対的に高い
ものの、Si−H結合を持たず安定性に優れる共重合ポ
リシラザンを用いることにより、耐熱性に優れ、クラッ
ク等の欠陥のない皮膜を有し、かつ、安定性が良好で、
可撓性の経時変化の少ない耐熱絶縁電線の得られること
を見いだし、その知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0013】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、導体上に、下層部として、一般式〔A〕
【0014】
【化5】 (式中、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アルキルアミノ基、アリール
基、またはアルキルシリル基である。)で表される繰り
返し単位を有するポリシラザンの塗布焼成層と、上層部
として、前記一般式〔A〕で表される繰り返し単位95
〜5モル%と、一般式〔B〕
【0015】
【化6】 (式中、R2及びR3は、アルキル基、アルケニル基、シ
クロアルキル基、アルキルアミノ基、アリール基、また
はアルキルシリル基であり、それぞれ同一または相異な
っていてもよい。)で表される繰り返し単位5〜95モ
ル%を含有する共重合ポリシラザンの塗布焼成層の少な
くとも2層からなる絶縁皮膜を設けたことを特徴とする
耐熱絶縁電線が提供される。
【0016】以下、本発明について詳述する。本発明で
使用するポリシラザンは、前記一般式〔A〕で表される
繰り返し単位を有するポリマーであって、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した
数平均分子量(ポリスチレン換算)が100〜50,0
00の範囲にあり、主として直鎖状構造を有するポリマ
ーである。数平均分子量は、好ましくは300〜20,
000、より好ましくは500〜5,000である。
【0017】繰り返し単位〔A〕中、R1は、水素原
子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
ルキルアミノ基、アリール基またはアルキルシリル基で
ある。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル等
が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル、アリ
ル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブチニル、オ
クテル、デセニル等が挙げられる。アリール基として
は、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル等が挙げら
れる。
【0018】本発明で使用する一般式〔A〕で表される
ポリシラザンは、例えば、特公昭63−16325号及
び特公昭61−89230号に開示されている方法によ
り合成することができる。このポリシラザンは、焼成に
よりセラミック化し、耐熱性に優れた皮膜を形成する。
ポリシラザンは、1種または2種以上を組み合わせて使
用することができる。
【0019】本発明で使用する共重合ポリシラザンは、
前記繰り返し単位〔A〕を95〜5モル%、繰り返し単
位〔B〕を5〜95モル%含有するポリマーである。こ
こで、各繰り返し単位のモル%は、前記繰り返し単位
〔A〕及び〔B〕を1基本モルとして算出した値であ
る。
【0020】繰り返し単位〔A〕は、Si−H結合を有
しているため、熱分解(焼成)時のセラミック収率が高
く、欠陥の少ない皮膜を生成するのに寄与し、繰り返し
単位〔B〕は、空気中の水分と反応し難いため、未焼成
ポリシラザンや完全焼成していないポリシラザン皮膜の
安定性に寄与する。これらの繰り返し単位の好ましい割
合は、繰り返し単位〔A〕が90〜40モル%で、繰り
返し単位〔B〕が10〜60モル%である。
【0021】本発明で使用する共重合ポリシラザンは、
GPCにより測定した数平均分子量(ポリスチレン換
算)が通常300〜50,000の範囲にあり、主とし
て直鎖状構造を有するポリマーである。数平均分子量
は、好ましくは400〜20,000、より好ましくは
500〜5,000である。
【0022】繰り返し単位〔A〕中、R1は、水素原
子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ア
ルキルアミノ基、アリール基またはアルキルシリル基で
あり、繰り返し単位〔B〕中、R2及びR3は、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキルアミノ
基、アリール基またはアルキルシリル基であり、それぞ
れ同一または相異なっていてもよい。アルキル基、アル
ケニル基、アリール基等の具体例としては、前記R1
同じである。繰り返し単位〔B〕中のR2及びR3をフェ
ニル基とすることが、被覆電線の可撓性を安定的に保持
する上で好ましい。
【0023】本発明で使用する共重合ポリシラザンは、
一般式R1HSiX2(R1は、前記と同じであり、X
は、ハロゲン原子である。)で表されるジハロシラン
(a)と、一般式R23SiX2(R2及びR3は、前記
と同じであり、それぞれ同一または相異なっていてもよ
く、Xは、ハロゲン原子である。)で表されるジハロシ
ラン(b)との混合物に、塩基を反応させてアダクツを
形成させた後、アンモニアを反応させることにより合成
することができる。
【0024】ジハロシラン(a)及び(b)中、ハロゲ
ン(X)原子は、塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素で
あり、これらの中でも、反応性や原料価格等の観点か
ら、塩素が好ましい。ジハロシラン(a)及び(b)
は、それぞれ1種または2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。また、ジハロシラン(a)及び(b)
の使用割合は、繰り返し単位〔A〕及び〔B〕の所望の
モル比に応じて適宜定めることができる。
【0025】塩基としては、ジハロシランとアダクツを
形成する以外の反応をしないものであって、アンモニア
より塩基性の小さい塩基であれば、特に限定されない
が、具体例としては、ピリジン、ピコリン、トリメチル
フォスフィン、ジメチルエチルフォスフィン、メチルジ
エチルフォスフィン、トリエチルフォスフィン等が挙げ
られる。使用する塩基の量は、通常、ジハロシランに対
して化学量論的量より過剰な量とする。ジハロシラン
は、酸性であるため、塩基とのアダクツは、溶媒の存在
下または非存在下に両者を混合することにより容易に生
成する。
【0026】ジハロシランのアダクツは、非反応性溶媒
中でアンモニアと反応させて重合させる。反応溶媒とし
ては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水
素等の炭化水素溶媒;ハロゲン化メタン、ハロゲン化エ
タン、ハロゲン化ベンゼン等のハロゲン化炭化水素;脂
肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類;が使用
できる。溶媒の好ましい具体例としては、例えば、塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、
塩化エチレン、塩化エチリデン、トリクロロエタン、テ
トラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;エチルエー
テル、イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、
ブチルエーテル、1,2−ジオキシエタン、ジオキサ
ン、ジメチルジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン等のエーテル類;ペンタン、ヘキサン、イ
ソヘキサン、メチルペンタン、ヘプタン、イソヘプタ
ン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチル
シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等
の炭化水素;が挙げられる。
【0027】共重合ポリシラザンの合成における反応温
度は、−78℃〜100℃、好ましくは−40℃〜80
℃であり、反応圧力及び反応時間は特に限定されない。
共重合ポリシラザンの重合反応は、窒素ガスやアルゴン
等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0028】重合反応終了後、共重合ポリシラザンは、
溶媒中に溶解した状態で得られ、副生したアンモニウム
塩を濾過等により分離し、次いで溶媒を除去すると、透
明な液状から固体状に至る共重合ポリシラザンが得られ
る。
【0029】この共重合ポリシラザンは、耐熱性がやや
劣るものの、未焼成物あるいは不完全焼成物の安定性に
優れている。繰り返し単位〔B〕中のR2及びR3がフェ
ニル基であるものは、特に、安定性に優れている。共重
合ポリシラザンは、1種または2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0030】ポリシラザン及び共重合ポリシラザンを用
いて導体上に皮膜を形成するには、脂肪族炭化水素、脂
環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロ
ゲン化炭化水素、脂肪族エーテルや脂環エーテル等のエ
ーテル類等の溶媒中に溶解させ、得られた塗料を導体上
に塗布すればよい。溶媒の具体例としては、前記の非反
応性溶媒を挙げることができるが、これらの中でも、キ
シレン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、ペンタ
ン、ヘキサン、メチルペンタン、ジメチルブタン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等の炭化水
素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩
化エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素;等が好ましい。
【0031】塗料の濃度は、90重量%以下、好ましく
は10〜50重量%の範囲である。また、所望により、
無機充填剤やレベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外
線吸収剤、可塑剤、分散剤、表面改質剤、pH調整剤、
乾燥促進剤等の汎用の添加剤を加えてもよい。
【0032】ポリシラザンまたは共重合ポリシラザンを
含有する塗料は、常法に従って電線にコーティングし、
乾燥した後、加熱して焼成する。焼成温度は、通常10
0〜1100℃、好ましくは200〜500℃である。
焼成時間は、所望の可撓性が得られる時間とする。ま
た、焼成は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うこ
とが好ましい。焼成により、ポリシラザン及び共重合ポ
リシラザンは、架橋、縮合して硬化し、強靭な皮膜を形
成する。
【0033】絶縁電線の導体は、銅線、ニッケルメッキ
銅線、アルミニウム線、金線、金メッキ銅線等である。
絶縁皮膜の合計厚みは、通常の絶縁電線の絶縁皮膜の厚
みと同等でよく、上層と下層の厚みの比については、適
宜定めることができるが、通常、10:90〜90:1
0、好ましくは30:70〜70:30、より好ましく
は40:60〜60:40である。
【0034】
【実施例】以下、本発明について、合成例、実施例及び
比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。
【0035】[合成例1]反応容器を乾燥窒素ガスで置
換した後、蒸留ジクロロメタン800gを入れて0℃以
下に氷冷し、メチルジクロロシラザン(CH3HSiC
2)80gとジフェニルジクロロシラン(ph2SiC
2:ph=フェニル基)20gを添加した。30分撹
拌をした後、NH3を200ml/分で3時間投入し、
アンモノリシスさせた。NH4Clの析出で、溶液は白
ペースト状となった。反応後、濾過を行い、濾液を真空
乾燥して高粘性液体を得た。得られたメチルヒドロジフ
ェニル共重合ポリシラザンについて、GPCにより分子
量(ポリスチレン換算)を測定した結果、数平均分子量
は約1,300であった。
【0036】[合成例2]ジハロシランとして、メチル
ジクロロシラン80gとジメチルジクロロシラン10g
を用いたこと以外は、合成例1と同様な方法で共重合ポ
リシラザンを合成した。得られたメチルヒドロジメチル
共重合ポリシラザンのGPCにより測定し数平均分子量
は約1,200であった。
【0037】[実施例1]メチルヒドロポリシラザン
(GPC測定による数平均分子量が約2,500)の2
0重量%キシレン溶液を、直径1.0mmの銅線に塗布
し、250℃の恒温槽中で3分間焼成して、厚み5μm
の皮膜を形成した。次に、合成例2で得たメチルヒドロ
ジメチル共重合ポリシラザンの20重量%キシレン溶液
を塗布し、250℃の恒温槽中で5分間焼成して、厚み
5μmの皮膜を形成した。皮膜の安定性は、絶縁電線を
60℃95%RHに3時間放置し、特性(可撓性)の変
化を測定(JIS C−3003のエナメル線試験方
法)することにより評価した。耐熱性は、絶縁電線を電
気炉中に400℃で6時間放置したときの皮膜の状態を
観察して評価した。その結果、絶縁電線の初期可撓性3
dは、高温高湿試験後も変化せず、安定性に優れてい
た。耐熱性試験後、皮膜には、僅かに欠陥が見られた
が、導体からの脱落は無かった。
【0038】[比較例1]メチルヒドロポリシラザンの
20重量%キシレン溶液を銅線に塗布し、250℃の恒
温槽中で3分間焼成して、厚み10μmの1層の皮膜を
形成した。実施例1と同様に評価したところ、耐熱性に
ついては、皮膜には僅かに欠陥が見られたものの、導体
からの脱落はなかった。しかし、安定性については、初
期可撓性3dは、高温高湿試験後には10dと変化して
いた。
【0039】[比較例2]メチルヒドロジフェニル共重
合ポリシラザンの20重量%キシレン溶液を、銅線に塗
布し、250℃の恒温槽中で3分間焼成して、厚み10
μmの1層の皮膜を形成した。実施例1と同様に評価し
たところ、安定性については、初期可撓性3dは試験後
に変化していなかったが、耐熱性については、試験後、
皮膜が導体から脱落した。
【0040】[実施例2]ペルヒドロポリシラザン(数
平均分子量約2,200)の20重量%キシレン溶液
を、直径1.0mmの銅線に塗布し、250℃の恒温槽
中で3分間焼成して、厚み5μmの皮膜を形成した。次
に、メチルヒドロジメチル共重合ポリシラザンの20重
量%キシレン溶液を塗布し、250℃の恒温槽中で5分
間焼成して、厚み5μmの皮膜を形成した。実施例1と
同様に評価したところ、安定性について、初期可撓性3
dは、高温高湿試験後も変化しなかった。耐熱性につい
ては、試験後、皮膜には僅かに欠陥はあったが、導体か
らの脱落はなかった。
【0041】[実施例3]メチルヒドロポリシラザンの
20重量%キシレン溶液を、直径1.0mmの銅線に塗
布し、250℃の恒温槽中で3分間焼成して、厚み5μ
mの皮膜を形成した。次に、合成例1で得たメチルヒド
ロジフェニル共重合ポリシラザンの20重量%キシレン
溶液を塗布し、250℃の恒温槽中で5分間焼成して、
厚み5μmの皮膜を形成した。実施例1と同様に評価し
たところ、安定性について、初期可撓性3dは、3時間
の高温高湿試験後も変化しなかった。さらに、6時間と
試験時間を延ばしても絶縁電線の可撓性に変化はなかっ
た。耐熱性については、試験後、皮膜には僅かに欠陥は
あったが、導体からの脱落はなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、ポリシラザンを用いた
絶縁皮膜を少なくとも特定の2層とすることにより、高
温下での耐熱性と安定性に優れた耐熱絶縁電線が提供さ
れる。本発明の耐熱絶縁電線は、高温下に曝される機器
の配線、巻線等に好適に使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に、下層部として、一般式〔A〕 【化1】 (式中、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル
    基、シクロアルキル基、アルキルアミノ基、アリール
    基、またはアルキルシリル基である。)で表される繰り
    返し単位を有するポリシラザンの塗布焼成層と、上層部
    として、前記一般式〔A〕で表される繰り返し単位95
    〜5モル%と、一般式〔B〕 【化2】 (式中、R2及びR3は、アルキル基、アルケニル基、シ
    クロアルキル基、アルキルアミノ基、アリール基、また
    はアルキルシリル基であり、それぞれ同一または相異な
    っていてもよい。)で表される繰り返し単位5〜95モ
    ル%を含有する共重合ポリシラザンの塗布焼成層の少な
    くとも2層からなる絶縁皮膜を設けたことを特徴とする
    耐熱絶縁電線。
  2. 【請求項2】共重合ポリシラザンを構成する繰り返し単
    位〔B〕中、R2及びR3がフェニル基である請求項1記
    載の耐熱絶縁電線。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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