JPH06128250A - 新規スピロ化合物 - Google Patents

新規スピロ化合物

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JPH06128250A
JPH06128250A JP27450292A JP27450292A JPH06128250A JP H06128250 A JPH06128250 A JP H06128250A JP 27450292 A JP27450292 A JP 27450292A JP 27450292 A JP27450292 A JP 27450292A JP H06128250 A JPH06128250 A JP H06128250A
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敬二 兼田
Yuji Yamauchi
雄治 山内
Taisuke Inagaki
泰介 稲垣
Shinichi Sakami
晋一 酒見
Nakao Kojima
仲夫 小嶋
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 未同定のカビN983−46(FERM B
P−3993)の培養物から単離し、あるいは該単離物
を合成修飾して得られる次の一般式で表される化合物お
よびそれらの薬学的に許容される塩、ならびに当該化合
物を含有する抗菌剤および抗腫瘍剤。 または 〔式中、R1 は水素、水酸基、または炭素数が1ないし
6のアルコキシもしくはアシルオキシ基を表し;R2
よびR3 は各々独立に、水素、または炭素数が1ないし
6のアルキルもしくはアシル基を表す〕。 【効果】 上記スピロ化合物は、バクテリア由来トポイ
ソメラーゼII(ジャイレース)阻害作用に基づく抗菌活
性と抗腫瘍活性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規スピロ化合物、その
生産菌、ならびにその製造方法および用途に関する。ま
た、前記のスピロ化合物から化学的に合成される新規ス
ピロ化合物の製造方法および用途に関する。特に本発明
は、微工研条寄第3993号(FERM BP−399
3)として寄託されている未同定のカビN983−46
を栄養培地中で培養することにより生産される新規スピ
ロ化合物およびそれらから化学的手法により合成された
新規スピロ化合物に関する。本発明は、この新規なスピ
ロ化合物を有効成分とする抗菌剤および/または抗腫瘍
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バクテリア由来トポイソメラーゼ
II(ジャイレース)阻害物質が抗菌剤のターゲットとし
て注目されている。これは、現在広く使用されているキ
ノロン系合成抗菌剤の作用メカニズムが、主にジャイレ
ース活性の阻害によるものとされていることに基づいて
いる。キノロン系合成抗菌剤は広範囲な抗菌活性を示す
が、他の抗菌剤と同様、次第に耐性菌の出現が問題とな
っている。微生物の生産するジャイレース阻害物質とし
ては、ノボビオシン、クママイシンA1等が知られてい
るが、これらの抗菌スペクトルは狭く、抗生剤としてキ
ノロン系合成抗菌剤に及ばないという問題がある。その
ため、さらに別のタイプのジャイレース阻害物質の開発
が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐性
菌の出現しにくい優れた抗菌活性ならびに抗腫瘍活性を
有する一群のスピロ化合物を提供することを目的とす
る。さらに本発明は、スピロ化合物を生産する能力を有
するカビ、特に微工研条寄第3993号(FERMBP
−3993)として寄託されている未同定のカビN98
3−46の培養物から新規スピロ化合物を回収し、純粋
な形で単離、精製する方法を提供することも本発明の目
的である。本発明はさらに、これらスピロ化合物を有効
成分として含有する抗菌剤および/または抗腫瘍剤を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規なジ
ャイレース阻害物質を発見する目的で多数の微生物を検
索した結果、フィリピン国ルソン島(Luzon Island)で
採取した葉試料から分離された菌N983−46が、抗
ジャイレース活性を有する新規スピロ化合物を生産する
ことを見い出した。本発明に関連するいくつかのスピロ
化合物は以下の刊行物に記載されている。それらは、a)
MK3018: 大岸、千葉、三川、公開特許公報平1−29
4686、b) Preussomerin A: H. A. Weber, N. C. B
aenzigerand J. B. Gloer, J. Am. Chem. Soc., 112, 6
718 (1990), c) Preussomerins A-F: H. A. Weber an
d J. B. Gloer, J. Org. Chem., 56, 4355 (1991), d)
Bipendensin: J. D. Connolly, in "Studies in Natura
l Products Chemistry"(Atta-ur-Rahman ed.), vol. 9,
p. 249, Elsevier Science Publishers B. V.,Amsterd
am (1991) である。しかし、このようなスピロ化合物が
ジャイレース阻害作用を有するという報告はない。
【0005】本発明によれば、N983−46の培養物
から少なくとも2つのスピロ化合物が生産され、これら
はジャイレース阻害活性を有する。またこの新規なスピ
ロ化合物は、単離してそのまま抗菌剤および/または抗
腫瘍剤として使用してもよく、あるいはジャイレース阻
害活性を失うことなくさらに化学的な手法を用いて誘導
体に導くこともできる。
【0006】すなわち本発明は、下記の式で示されるよ
うな、新規なスピロ化合物を提供する。
【0007】 〔式中、R1 は水素、水酸基、炭素数が1ないし6のア
ルコキシ、またはアシルオキシ基; R2 およびR3
各々独立に、水素、炭素数が1ないし6のアルキル基、
またはアシル基を表す〕。
【0008】なお上記一般式中および本明細書中におい
て、「アルキル基」とは、一価の直鎖状炭化水素、また
は分枝鎖状炭化水素のラジカルを意味するもので、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0009】「アルコキシ基」は−OR(Rはアルキル
基)を表す用語として用いられており、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イ
ソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ等を包含する
が、これらに限定されるものではない。
【0010】「アシル基」は−COR’(R’はアルキ
ル基、アリール基)を表す用語として用いられており、
アセチル、プロピオニル、置換されてもよいベンゾイル
等を包含するが、これらに限定されるものではない。置
換基としてはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、モノお
よびジアルキルアミノ等を包含するが、これらに限定さ
れるものではない。
【0011】「アリール基」は、置換されてもよい芳香
族基、たとえば、フェニル、ナフチル、ピリジル、キノ
リル、チエニル、フリル、オキサゾリル、テトラゾリ
ル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル等を表す
が、これらに限定されるものではない。アリール上の置
換基としては、アルキル、アルコキシ、フェノキシ、ハ
ロゲン、シアノ、ニトロ、モノアルキルアミノ、ジアル
キルアミノ等を包含するが、これらに限定されるもので
はない。
【0012】本発明のスピロ化合物を生産する菌(N9
83−46)は、本出願と同日出願「発明の名称:新規
スピロ化合物生産菌」の発明者バリー・カッツ博士によ
り発見され、本発明者らに譲与された。N983−46
の菌学的性質は次の通りである。
【0013】N983−46をバレイショ・ブドウ糖寒
天斜面培養から同定用寒天平板培地上に接種し、25℃で
1ないし5週間培養した。色はRobert RidgwayのColor
Standards and Color Nomenclature (1912) のカラーチ
ップと比較することにより判定した。菌株の同定に用い
た培地は次の通りである。
【0014】1. コーンミール寒天(CM):J. W. Carm
ichael, Mycologia, 49, 820-830, 1957。 2. ツァペック・ショ糖寒天(CZ):K. B. Raper and
D. I. Fennell, The Genus Aspergillus, p. 36, 1965
。 3. 麦芽エキス寒天(MEA ):同上、p. 38 。 4. ツァペック・酵母寒天(CYA ):J. I. Pitt, Peni
cillium and Its Teleomorphic States Eupenicillium
and Talaromyces, p. 18, 1979。 5. 25% グリセリン・硝酸塩寒天(G25N):同上。 6. オートミール寒天(OA):ISP 培地 No. 3, ディフ
コ。 7. バレイショ・ブドウ糖寒天(PDA ):ATCC培地 No.
336, ATCC Media Handbook, p. 17, 1984。 8. V-8 ジュース寒天(V−8A):ATCC培地 No. 34
3, 同上。 9. ファイトン酵母エキス寒天(Phytone YEA ):BBL
。 10. 酵母エキス・可溶性デンプン寒天(YPSS):R. Eme
rson, Mycologia, 50, 589-621, 1958。
【0015】1. 各培地における生育状態CMでは 14日間で直径3.8 cmに達する;白色ないし灰白
色(white to off-white, IV)であるが、中心部は灰赤
褐色(burnt umber, XXVIII);薄く発育する、平滑、
疎らに羊毛状;裏面は中心部は灰赤褐色(burnt umber,
XXVIII)であるが、周縁部は無色;可溶性色素は産生
しないか明黄色(maize yellow, IV)。
【0016】CZでは14日間で直径6.9 cmに達する;白
色ないし灰白色(white to off-white, IV)、隆起は低
いないし中程度、平滑、羊毛状;裏面は無色ないし明黄
色(colorless to baryta yellow, IV);可溶性色素は
明灰黄色(sulphur yellow, V)。
【0017】MEAでは24日間で直径2.5cmに達する;黄
灰色、明黄灰色ないし明黄褐色(drab-gray, light dra
b to drab, XLVI)、隆起は中程度、平滑だが周縁部で
はしわを形成、羊毛状ないしなわ状;裏面は灰赤褐色
(burnt umber, XXVIII)ないし黒色;可溶性色素は灰
赤橙色(vinaceous-pink, XXVIII)。
【0018】OAでは14日間で直径4.3 cmに達する;白
色、隆起、平滑、羊毛状ないしなわ状、透明な分泌液を
生ずる;裏面は深オリーブ色ないし暗オリーブ色(deep
oliveto dark olive, XL);可溶性色素は深いピンク
色(geranium pink, I)ないし深い黄ピンク色(jasper
pink, XIII)。
【0019】V-8Aでは14日間で直径7.2 cmに達する;
白色、明黄色ないし明灰黄色(white,baryta yellow to
martius yellow, IV)、隆起は薄いないし中程度、平
滑、緻密に羊毛状ないしなわ状、透明な分泌液を生ず
る;裏面は橙黄色(antimony yellow, XV);可溶性色
素は産生しない。
【0020】Phytone YEAでは24日間で直径5.0 cmに
達する;白色、淡黄ピンク色(seashell pink, XIV)、
淡黄色(maize yellow, IV)、明黄褐色(avellaneous
to woodbrown, XL)、隆起、平滑、緻密に羊毛状、明黄
褐色の菌糸が同心円をなす;裏面は灰赤褐色(burnt um
ber, XXVIII)ないし黒色;可溶性色素は褐橙色(tawn
y, XV)。
【0021】PDAでは14日間で直径4.2 cmに達する;
白色、淡黄味を帯びる、隆起は高い、平滑、羊毛状ない
しなわ状、透明な分泌液を生ずる;裏面は褐色(mars b
rown,XV)、暗赤褐色から赤褐色(carob brown to ches
tnut-brown, XIV)ないし褐黒色;可溶性色素は濃黄色
(apricot yellow, IV)ないし暗橙黄色(raw sienna,I
II)。
【0022】2. 形態学的特性 形態学的特性は2、3週間および5週間培養後に観察し
た。菌糸は透明、褐色、暗褐色ないし黒色;分枝する、
隔壁あり、直径1.5 - 5.0 μm;供試した培地では5週
間培養後でも有性胞子または分生子を形成しなかった。
PDAとMEA培地上で栄養菌糸の中間、まれに先端または側
部に厚膜胞子を形成する、暗褐色、球形ないし亞球形、
楕円形ないし細長く、直径2 - 8 μmまたは2 - 7 x 3 -
5μm、通常1個のみを生ずるが、しばしば隣接、集合
し束状または不規則な塊状となる。
【0023】3. 生育温度 15℃で中程度の生育;20℃で良好ないし旺盛な生育;28
℃で良好な生育;37℃、45℃及び50℃で生育しない。
【0024】以上菌学的性質を要約すると、N983-46は
白色、淡黄色ないし明黄褐色のコロニー表面;黄色、褐
色、暗褐色ないしは黒色のコロニー裏面;ピンク、黄
色、黄褐色ないし褐色の可溶性色素を特徴とするカビで
ある。PDAとMEA培地上で暗褐色の種々の形状をした厚膜
胞子を形成する。菌糸は隔壁を有し分枝する、成熟する
と暗褐色になる。有性胞子または分生子は供試した培地
では形成しなかった。
【0025】以上の諸性状からN983-46は特徴的な生殖
器官が認められないためカビの特定の属に同定できず、
したがって未同定のカビとみなされる。これは工業技術
院微生物工業技術研究所に未同定のカビN983-46(unide
ntified fungus N983-46)の表示で微工研条寄第399
3号(FERM BP−3993)として、平成4年8月31
日にブタペスト条約の条件下に寄託されている。
【0026】〔菌の培養〕本発明における菌株の培養は
次の様に行うのが好ましい。小規模の培養を行うには、
まず適当量の栄養培地をフラスコの中に入れ、既知の方
法で滅菌した後、このフラスコにN983−46の胞子
または栄養生育細胞を植菌し、約26℃の一定の室温でロ
ータリーシェーカー上約2ないし10日間培養を行う。大
規模の培養には、撹拌機、通気装置および滅菌装置を備
えた適当な大きさのタンク中で行うのが望ましい。栄養
培地をタンク中で調製、滅菌し、N983−46の胞子
または栄養生育細胞を植菌する。培地の pH は 5から
9、好ましくは6 から8 が望ましい。培養は、約20ない
し35℃の範囲の温度で、栄養培地を撹拌および/または
通気しながら約2ないし10日間行う。通気の程度はいく
つかの因子(たとえば培養器の大きさ、撹拌速度等)に
応じて変える必要がある。一般的に撹拌は0 ないし2,00
0 rpm 、好ましくは100 から360 rpm で、また通気は培
地容量の0 ないし500%、好ましくは80から120%の空気を
毎分送りこむことによって行うのが望ましい。
【0027】〔生産物の回収〕次の式に示す本発明のス
ピロ化合物、(4S)−1,2,3,4 −テトラヒドロ−4,5−
ジヒドロキシスピロ〔ナフタレン−1,2’−ナフト
〔1,8−de][1,3]ジオキシン〕(CJ-12,371)および
(4S)−1,2,3,4 −テトラヒドロ−4,,8−トリヒドロキ
シスピロ〔ナフタレン−1,2’−ナフト〔1,8−de]
[1,3]ジオキシン〕(CJ-12,372)は、全培養液から得ら
れ、溶媒抽出および各種のクロマトグラフィー技術を用
いて分離することができる。
【0028】 その存在は以下に述べる如く各種のクロマトグラフィー
画分の抗菌活性および抗ジャイレース活性を測定するこ
とによって決定することができる。
【0029】〔合成による修飾〕 培養物から単離した化合物を修飾して、上記一般式の別
の化合物を得るためには、以下に示す当業者に良く知ら
れた標準的な方法が使用出来る。
【0030】たとえば、後記実施例1のようにして単離
されるCJ-12,371または CJ-12,372に、適当な溶媒中で
室温から還流温度にてアシル化剤を作用させる。所望に
より適当な塩基を反応に加えることが出来る。好ましい
溶媒としては、たとえば、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、塩化メチレン、トルエン等が挙げられる。液状の
塩基であるピリジン、ルチジン、トリエチルアミンなど
もまた溶媒として用いられる。好ましい塩基としては、
上記液状の塩基の他、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。好
ましいアシル化剤としては、酸クロリド(たとえば、塩
化アセチル、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、塩化p
−メトキシベンゾイル、塩化p−N,N−ジメチルアミ
ノベンゾイル)、酸無水物(たとえば、無水酢酸、無水
酪酸、無水安息香酸)、活性カルボン酸誘導体(たとえ
ば、チオールエステル、N−ヒドロキシスクシミド、活
性イミダゾール)、混合酸無水物(たとえば、アルキル
−CO2SO2CF3, アルキル-CO2PO(OH)2)などが挙げられ
る。
【0031】その他、スピロ化合物は、CJ-12,371また
は CJ-12,372に適当な溶媒中で室温から還流温度にてア
ルキル化剤を作用させても得ることが出来る。所望によ
り適当な塩基を反応に加えることが出来る。アルキル化
剤としては、ハロゲン化アルキル(たとえば、ヨウ化メ
チル、ヨウ化エチル)、アルキル硫酸(たとえば、ジメ
チル硫酸、ジエチル硫酸)、ジアゾメタンなどが挙げら
れる。所望により適当な塩基を反応に加えることが出来
る。
【0032】更に、アルキル化された化合物は、CJ-12,
371または CJ-12,372にアルコールを作用させても得ら
れる。所望により適当な塩基を反応に加えることが出来
る。
【0033】本発明の新規スピロ化合物の薬学的に許容
される塩は、前記化合物を化学量論量の金属水酸化物、
アルコキシドまたはアミンと水溶液中または適当な有機
溶媒中で接触させることによって容易に得られる。それ
らの塩は、その後沈殿させることによってあるいは、溶
媒を蒸発することによって得られる。所望により適当な
塩基を反応に加えることが出来る。
【0034】一方、5,8 −ジヒドロスピロ化合物は酸化
剤(例えば、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベン
ゾキノン (DDQ))により対応するキノン化合物に誘導で
きる。
【0035】本発明のスピロ化合物は全て少なくとも1
個の不斉中心を持っているため、種々の光学異性体また
は配置のものが存在し得る。したがって、本発明の化合
物は、(+)および(−)の別々の光学活性体として、
およびラセミ体または(±)混合物として存在し得る。
また、不斉中心を2個以上持つ化合物の場合には、さら
にそれぞれの光学異性によるジアステレオマーも存在し
得る。本発明はこれらすべての型をその範囲に包含する
ものである。たとえば、ジアステレオマーは当業者によ
く知られた方法、たとえば分別結晶法等によって分離す
ることができ、また、光学活性体はこの目的のためによ
く知られた有機化学的手法によって得ることができる。
【0036】〔活性の測定〕本発明のスピロ化合物のジ
ャイレース阻害活性の測定は、大腸菌由来ジャイレース
を用いた公知の方法 (K. Mizuuchi, M. H. O'dea and
M. Gellert, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75, 5960-5
963, 1978) に従って行った。真核細胞由来トポイソメ
ラーゼIIに対する阻害活性の測定は、市販のショウジョ
ウバエ由来トポイソメラーゼIIを用いて製造会社 (US B
iochemical Corporation) の指示する方法に従って行っ
た。当該新規スピロ化合物(CJ-12,371 およびCJ-12,37
2)のジャイレースとトポイソメラーゼIIに対する阻害
活性(IC50 値) を表1に示す。これらの生物活性は、ス
ピロ化合物が抗菌剤のみならず抗腫瘍剤としても有用性
をもっていることを示唆するものである。これは、現在
広く使用されている一部の抗腫瘍剤の作用メカニズムが
トポイソメラーゼII活性の阻害によることに基づいてい
る( 文献: H. D. Znang, P. D'Arpa and L. F. Liu, C
ancer Cells, 2, 23-26, 1990)。
【0037】当該新規スピロ化合物の抗菌活性測定は、
標準法 (H. M. Ericsson and J. C.Scherris, Acta Pat
hol. Microbiol. Scand., Suppl. 217B, 64-68, 1971)
に従って、BHI 培地 (pH 7.4) を用いた寒天平板希釈法
で行った。各試験菌に対する実施例1で得た新規スピロ
化合物の最小発育阻止濃度を表2に示す。
【0038】
【表1】---------------------------------------------------------------------- 阻害活性(IC50, μg/ml) 化合物 ジャイレース ショウジョウバエ由来トポイソメラーゼII CJ-12,371 100 144 CJ-12,372 6.25 25 ----------------------------------------------------------------------
【表2】---------------------------------------------------------------------- 最小発育阻止濃度 (μg/ml) 試験菌 CJ-12,371 CJ-12,372 スタフィロコッカス アウレウス 01A005 25 100 (Staphylococcus aureus) スタフィロコッカス アウレウス 01A063 25 100 (Staphylococcus aureus) # スタフィロコッカス エピデルミデス 01B087 50 >100 (Staphylococcus epidermidis) エンテロコッカス フェカリス 02A006 50 >100 (Enterococcus faecalis) ストレプトコッカス パイオゲネス 02C054 25 100 (Streptococcus pyogenes) ストレプトコッカス アガラクチエ 02B006 25 50 (Streptococcus agalactiae) エシェリヒア コリ 51A266 >100 >100 (Escherichia coli) シュウドモナス エルギノーサ 52A104 >100 >100 (Pseudomonas aeruginosa) クレブジエラ ニュウモニエ 53A009 >100 >100 (Klebsiella pneumoniae) クレブジエラ オキシトカ 53D024 >100 >100 (Klebsiella oxytoca) パスツレラ マルトシダ 59A001 100 >100 (Pasturella multocida) セラチア マルセッセンス 63A017 >100 >100 (Serratia marcescens) エンテロバクター エロゲネス 67A040 >100 >100 (Enterobacter aerogenes) エンテロバクター クロアカエ 67B009 >100 >100 (Enterobacter cloacae) プロビデンシア スツアーチ 77A013 >100 >100 (Providencia stuartii) プロビデンシア レトゲリ 77C025 >100 >100 (Providencia rettgeri) モルガネラ モルガニ 97A001 >100 >100 (Morganella morganii) ---------------------------------------------------------------------- # シプロフロキサシン耐性菌 新規スピロ化合物は、表2に示す菌を含む広範囲の病原
菌に起因するヒトおよび他の動物の病気を予防もしくは
治療するため、経口、非経口、局所その他の適当な経路
で投与することができる。一般にこれらの化合物の最も
望ましい投与量は、1日あたり約300 mgから約 3000 mg
の間であるが、患者の体重および症状や個々の投与経路
によって当然変動する。しかし、体重1kgにつき1日に
約 5mgから約50mgの投与量が最も望ましい。また動物に
投与する場合、治療する動物の種類およびその動物の前
記薬物に対する感受性の差異、さらに薬剤の処方の仕
方、投与期間および投与間隔によっても投与量に変動が
生じてくる。場合によっては前記範囲の下限より低い投
与量が適当なこともあるし、前記範囲より投与量を多く
してもそれを1日に何回にも分けて少量ずつ投与すれば
有害な副作用を生じない場合もある。
【0039】本発明を抗腫瘍剤として用いる場合も、上
記と同様の投与経路、投与量が適用できる。
【0040】本発明スピロ化合物は、前記3つの投与経
路のいずれをとっても単独または薬剤学的に許容される
担体または希釈剤と共に投与することができ、またその
投与は1回または数回に分けて行うことができる。より
具体的に述べると、本発明の新規な治療剤は様々な種類
の投与形態で投与することができ、たとえば各種の薬剤
学的に許容される不活性担体と併用して錠剤、カプセ
ル、薬用ドロップ、トローチ、硬質キャンディ、粉末
剤、噴霧剤、クリーム、膏薬、座薬、ゼリー、ジェル、
ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁液、注射液、エ
リキシル、シロップ等の形態とすることができる。これ
らの担体には、固体希釈剤または賦形剤、無菌水性媒
体、各種の非毒性有機溶媒等が含まれる。
【0041】また経口投与用の薬剤の場合、適宜に甘味
付けおよび/または香味付けを行っても良い。一般に本
発明の治療上有効な化合物は、上記のような形態で約5
重量%から70重量%の濃度範囲で投与される。経口投
与の場合、微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭
酸カルシウム、燐酸ジカリウム、グリシンのような種々
の賦形剤を、澱粉、好適にはとうもろこし、じゃがいも
またはタピオカの澱粉、およびアルギン酸やある種のケ
イ酸複塩のような種々の崩壊剤、およびポリビニルピロ
リドン、蔗糖、ゼラチン、アラビアゴムのような顆粒形
成結合剤と共に使用することができる。また、ステアリ
ン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク等
の滑沢剤も錠剤形成に非常に有効であることが多い。同
種の固体組成物をゼラチンカプセルに充填して使用する
こともできる。これに関連して好適な物質としてラクト
ースまたは乳糖の他、高分子量のポリエチレングリコー
ルを挙げることができる。経口投与用として水性懸濁液
および/またはエリキシルにしたい場合、活性成分を各
種の甘味料または香味料、着色料または染料と併用する
他、必要であれば乳化剤および/または懸濁化剤も併用
し、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリ
ン等、およびそれらを組み合わせた希釈剤と共に使用す
ることができる。
【0042】非経口投与の場合、本発明のスピロ化合物
をゴマ油または落花生油のいずれかに溶解するか、ある
いはプロピレングリコール水溶液に溶解した溶液を使用
することができる。水溶液は必要に応じて適宜に緩衝し
(好適にはpH8以上)、液体希釈剤をまず等張にする
必要がある。このような水溶液は静脈内注射に適し、油
性溶液は関節内注射、筋肉注射および皮下注射に適す
る。これらすべての溶液を無菌状態で製造するには、当
業者に周知の標準的な製薬技術で容易に達成することが
できる。さらに、本発明の化合物は皮膚など局所的に投
与することも可能である。この場合は標準的な医薬慣行
によりクリーム、ゼリー、ペースト、軟膏の形で局所投
与するのが望ましい。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれらの実施例において細部にわたって特定さ
れた事項に限定されるものではない。実施例で用いられ
る融点はヤナコ製ミクロ融点測定器(未補正)、旋光度
は日本分光製 DIP-370デジタル旋光度計、紫外線吸収ス
ペクトルはメタノール溶液中、日本分光製分光光度計
(Ubest-30)により、赤外吸収スペクトルは島津製赤外
分光光度計( IR-470)で測定した。また、1Hおよび 13
C核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、特に指示がない
かぎり重クロロホルム(CDCl3 )の溶液で、日本電子製
核磁気共鳴装置(JNM −GX270 、 270 MHz)により測定
されたものである。また、ピーク位置はテトラメチルシ
ランからダウンフィールドへ100万分の1単位(ppm
)で表現する。ピーク形状は次のように表す。s:シ
ングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、m:
マルチプレット、br:ブロード。低分解能EIマスス
ペクトル(EI-MS)は日本電子製質量分析器(オートマ
ス 120)により、高分解能EIマススペクトル(HR
EI-MS)は日立製質量分析器(モデルM-80)により測定
した。
【0044】実施例1 培地1( グルコース 2% 、ポリペプトン0.5%、酵母エキ
ス 0.5% 、小麦胚芽 0.5%、肉エキス 0.3%、ブラッドミ
ール 0.3%、CaCO3 0.3%、 pH 7.0 ) を100 ml含む 500
ml 容三角フラスコに、N983−46を植菌する。こ
のフラスコを直径7cmの円回転(220 rpm )のロータリ
ーシェーカー上で26℃、4 日間培養し、第一の種培養液
とした。
【0045】培地1を150 ml含む5 個の500 ml容三角フ
ラスコに第一の種培養液を7.5 mlずつ植菌する。このフ
ラスコを直径7cmの円回転(220 rpm )のロータリーシ
ェーカー上で26℃、4 日間培養し、第二の種培養液とし
た。
【0046】培地2 (グルコース 2%、デキストリン3
%、ポリペプトン0.5%、ポリペプトンーS1%、コーンス
ティープリカー1%、NaCl 0.3%、CaCO3 0.4 %、CoCl2
・ 6H2O 0.0001% 、pH 6.5) を3 L 入れた5 個の 6 L容
ガラス製のファーメンターに第二の種培養液を150 mlず
つ加える。このファーメンターを通気量毎分3 L 、回転
速度1,700 rpm、26℃にて72時間撹拌する。
【0047】培養終了後15Lの全培養液を凍結乾燥
し、得られた乾燥ブロスを5Lの70% アセトン水で抽出す
る。減圧下アセトンを除去後、2Lの酢酸エチルで2回抽
出して得られた酢酸エチル抽出液を無水硫酸ナトリウム
で脱水し、濃縮乾固した。11 gの当該新規スピロ化合物
を含む油状残渣を得る。この油状物質を175 g のシリカ
ゲルを詰めたカラム(メルク・キーゼルゲル 60, 70-230
メッシュ, 4.5 x 22cm)でクロマトグラフィーを行う。
カラムを各1Lのn−ヘキサン/酢酸エチル/メタノー
ルで順次溶出する。n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1
溶出画分を集めて濃縮し( 1.8 g )、メタノールで詰め
たセファデックス LH-20 カラムクロマトグラフィー
(4.2 x 90 cm)に供する。ジャイレース阻害活性のあ
る画分を集めて濃縮乾固し、949 mgの粗粉末を得る。こ
のうち、600 mgを逆相カラムクロマトグラフィー(草野
C.I.G. カラム C-18, 20μ; MeOH:H2O = 7:1) で精
製しCJ-12,371 (363 mg)、CJ-12,372 (196 mg)を得た。
それぞれの化合物は n−ヘキサン/酢酸エチルから再結
晶し、白色板状晶を得た。
【0048】CJ-12,371の物理化学的性質 分子式 : C20H16O4 HREI-MS [m/z, M+]: 320.1053 ( 計算値: 320.1049)融点 [℃] : >265(分解)比旋光度 : [α]D(24 ℃) -46.8°(c=0.23, MeOH)紫外部吸収スペクトル(ε): 227.2 (63,700), 288.6 (1
1,800), 301.0 (11,500), 314.2 (8,600), 328.4 (6,10
0) nmTLC (Rf) : 0.28 (CHCl3:酢酸エチル=10:1, メルク・キ
ーゼルゲル 60 F254);0.41 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1,
メルク・キーゼルゲル60 F-254); 0.53 (MeOH/H2O, 1
0:1, メルク HPTLC RP-18 F-254S)IR (KBr): 3440, 3145, 3110, 3060, 1633, 1607, 158
6, 1504, 1474, 1462,1442, 1411, 1378, 1348, 1325,
1271, 1208, 1180, 1156, 1115, 1064, 1042,1023, 101
2, 955, 923, 885, 846, 821, 803, 793, 755, 663, 64
5, 627, 600,568, 547, 535, 509 cm-1 EI-MS[m/z] : 320 (M+, 10.5 rel. int.), 302 (43.3),
285 (6.6), 284 (5.7), 273 (1.5), 255 (2.7), 189
(1.9), 160 (8.0), 159 (7.3), 144 (7.7), 131(57.0),
115 (100.0), 114 (40.4), 113 (26.3), 103 (39.1),
102 (29.3), 89(22.2), 77 (51.8) , 55 (56.4) 1H NMR (DMSO-d6): 9.72 (1H, s), 7.55 (2H, br d, J=
8.4 Hz), 7.48(1H, t, J=7.4 Hz), 7.45(1H, t, J=7.4
Hz), 7.25 (1H, t, J=7.9 Hz), 7.18 (1H, dd, J=7.9,
1.5 Hz), 6.99 (1H, dd, J=7.4, 1.0 Hz), 6.95 (1H, d
d, J=7.4, 1.5Hz), 6.92 (1H, dd, J=7.4, 1.0 Hz), 5.
17 (1H, d, J=4.9 Hz), 5.01 (1H, dd, J=8.5, 4.0 H
z), 2.26 (1H, m), 1.99 (2H, m), 1.83 (1H, m) 13C NMR (DMSO-d6): 155.4 (s), 147.8 (s), 147.5
(s), 135.5 (s), 133.7 (s), 128.5 (d), 127.6 (d), 1
27.6 (d), 126.4 (s), 120.2 (d), 120.2 (d), 117.5
(d), 116.1 (d), 113.0 (s), 109.1 (d), 109.1 (d), 1
00.0 (s), 61.0 (d), 27.7 (t), 25.4 (t)。
【0049】CJ-12,372の物理化学的性質 分子式: C20H16O5 HREI-MS [m/z, M+]: 336.1001 (計算値: 336.0998)融点 [℃] : >238(分解)比旋光度 : [α]D(24 ℃) -82.0°(c=0.22, MeOH)紫外部吸収スペクトル(ε): 227.0 (65,400), 288 (s
h), 300.8 (20,400), 312.6 (17,200), 327.2 (7,600)
nmTLC (Rf) : 0.17 (CHCl3:酢酸エチル=10:1, メルク・キ
ーゼルゲル 60 F254 );0.31 (ヘキサン: 酢酸エチル=1:
1, メルク・キーゼルゲル60 F-254 ); 0.70 (MeOH/H2O,
10:1, メルク HPTLC RP-18 F-254S)IR (KBr) : 3455, 3205 (sh), 1634, 1608, 1585, 1471,
1442, 1412, 1380, 1345, 1302, 1266, 1221, 1177, 1
121, 1098, 1053, 1023, 999, 955, 915, 891,867, 82
1, 793, 767, 754, 737, 649, 624, 565, 549 cm-1 EI-MS[m/z] : 36(M+, 16.8 rel. int.), 318 (48.9), 30
1 (4.2), 300 (5.1),289 (1.7), 273 (3.2), 271 (2.
4), 189 (2.6), 175 (9.8), 160 (35.2), 159 (13.6),
147 (17.0), 144 (15.8), 131 (58.2), 115 (100), 114
(46.0), 113 (28.1), 103 (45.6), 102 (31.1), 91 (3
7.7), 89 (24.9), 77 (60.4), 65 (32.7), 58 (34.6),
55 (48.3) 1H NMR (DMSO-d6) : 9.01 (1H, s), 8.37 (1H, s), 7.52
(2H, br d, J=7.4 Hz), 7.47 (1H, t, J=7.4 Hz), 7.4
5 (1H, t, J=7.4 Hz), 6.93 (1H, dd, J=7.4,1.0 Hz),
6.89 (1H, d, J=7.4, 1.0 Hz), 6.83 (1H, dd, J=8.4 H
z), 6.74 (1H,d, J=8.4 Hz), 5.11 (1H, d, J=4.9), 4.
97 (1H, d, J=8.4, 4.0 Hz), 2.30 (1H, m), 2.01 (1H,
m), 1.90 (1H, m), 1.79 (1H, m) 13C NMR (DMSO-d6): 149.2 (s), 147.9 (s), 147.7
(s), 147.7 (s), 133.8 (s), 127.6 (d), 127.6 (d), 1
27.3 (s), 120.4 (s), 119.7 (d), 119.7 (d), 117.4
(d), 116.8 (d), 112.7 (s), 108.9 (d), 108.8 (d), 1
01.0 (s), 61.5 (d), 27.6 (t), 26.9 (t)。
【0050】実施例2 実施例1で得られた第一の種培養液を実施例1の培地2
(100 ml)を含む 500ml 容三角フラスコに5mlを植菌
する。このフラスコを直径7cmの円回転(220rpm )の
ロータリーシェーカー上で26℃、3日間培養する。得ら
れた 100 ml の培養液は当該新規スピロ化合物を含んで
おり、抗ジャイレース活性がある。当該物質は実施例1
と同様の方法で単離することができる。
【0051】実施例3 4,5−ジ−O−アセチル−CJ-12,
371の製造 CJ-12,371(1.4 mg)をピリジン(0.3 ml)中、室温、終
夜、無水酢酸 (0.3 ml)で処理する。溶媒を除去し、4,5
−ジ−O−アセチル−CJ-12,371を白色粉末として得た
(1.8 mg) 。
【0052】EI-MS[m/z]: 404 (M+, 15.3 rel. %), 344
(29.3), 302 (100.0), 285 (6.5),273 (4.3), 255 (5.
3), 160 (9.4), 159 (10.4), 144 (5.5), 131 (17.1),
115(24.0), 103 (5.2) , 43 (47.4) 1H NMR : 7.81 (1H, dd, J = 8.1, 1.4 Hz), 7.52 (1H,
t, J = 8.1 Hz), 7.50(2H, br.d, J = 8.4 Hz), 7.43
(1H, dd, J = 8.4, 7.3 Hz), 7.41 (1H, dd, J= 8.4,
7.3 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 8.1, 1.4 Hz), 6.95 (1H,
dd, J = 7.3,1.1 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 7.3, 0.7 H
z), 6.23 (1H, br.t, J = 3.3 Hz), 2.28 (3H, s), 2.2
5 (3H, m), 2.02 (3H, s), 1.95 (1H, m)。
【0053】実施例4 4−O−メチル−CJ-12,371 の製
4,5−ジ−O−アセチル−CJ-12,371 (0.5 mg)をメタノー
ル(0.25 ml)中、0 ℃、炭酸カリウム(5 mg)で1時間処
理する。溶媒を窒素ガスで除去し、得られた残渣を短い
シリカゲルカラム(1 x 2 cm;酢酸エチル) で精製して4
−O−メチル−CJ-12,371 を白色粉末として得た (0.3 m
g) 。
【0054】EI-MS[m/z]: 334 (M+, 18.8 rel. %), 302
(100.0), 285 (7.1), 284 (5.2)。
【0055】 1H NMR: 8.24 (1H, s), 7.48 (2H, dd, J
= 8.4, 0.7 Hz), 7.45-7.36 (3H, m), 7.34 (1H, dd, J
= 8.1, 7.7 Hz), 6.98 (1H, dd, J = 8.1, 1.4 Hz),
6.91(1H, dd, J = 7.4 1.1 Hz), 6.90 (1H, dd, J = 7.
3, 1.1 Hz), 4.91 (1H, dd,J = 8.1, 6.2 Hz), 3.49 (3
H, s), 2.41 (1H, m), 2.19 (2H, m), 1.90 (1H, m)。
【0056】実施例 5 4−O−メチル−d3−CJ-12,371
の製造 CJ-12,371 (89 mg)を、0.6 mlのCDCl3:CD3OD= 1:1溶液
中、室温で、終夜撹拌した。溶媒を除去し4−O−メチル
−d3−CJ-12371をほぼ定量的に得た。n−ヘキサン/酢
酸エチルより再結晶し、68 mg の白色結晶を得た。
【0057】mp >250 ℃ (分解)比旋光度 : [α]D +7.6°(c = 0.38, CHCl3)EI-MS[m/z] : 337 (M+, 35.1 rel. %), 302 (100.0), 28
5 (12.6), 284 (7.7)紫外吸収スペクトル(ε): 227 (65,700), 289 (13,10
0), 301 (12,300), 314(9,400), 328 (6,700) nmIR (KBr) : 3250, 3060, 2960, 2860, 2220, 2065, 163
0, 1607, 1588, 1495,1457, 1410, 1379, 1357, 1327,
1273, 1247, 1215, 1179, 1157, 1110, 1087,1071, 103
6, 1024, 1005, 943, 923, 896, 876, 842, 820, 800,
793, 753, 726, 680, 651, 634, 625, 539 cm-1 1H NMR (CDCl3:CD3OD = 1:1) : 7.40 (2H, br.d, J = 7.
9 Hz), 7.33 (1H, dd,J = 7.9, 7.3 Hz), 7.31 (1H, d
d, J = 7.9, 7.3 Hz), 7.29 (1H, dd, J = 8.7, 1.3 H
z), 7.22 (1H, dd, J = 8.7, 7.9 Hz), 6.90 (1H, dd,
J = 7.9, 1.3 Hz), 6.85 (1H, dd, J = 7.3, 1.1 Hz),
6.79 (1H, dd, J = 7.3, 0.9 Hz), 4.70(1H, br.t, J =
3.6 Hz), 2.20 (1H, m), 2.05 (1H, m), 1.98 (2H, m) 13C NMR (CDCl3:CD3OD = 1:1): 156.2 (s), 148.8 (s),
148.5 (s), 137.2 (s), 134.8 (s), 130.1 (d), 127.9
(d), 127.9 (d), 124.0 (s), 120.9 (d), 120.9 (d),
118.9 (d), 116.9 (d), 114.1 (s), 109.7 (d), 109.7
(d), 100.7 (s), 71.9 (d), 55.7 (hept), 26.2 (t), 2
3.6 (t) 。
【0058】実施例 6 4−O−エチル−CJ-12,371 の製
CJ-12,371 (28.4 mg) を、10 mlのエタノール中、室温
で3時間放置した。反応生成物は、TLC (メルク・キー
セルゲル 60 F-254, 1 mm 厚, 20 x 20 cm, CHCl3: EtO
Ac = 20:1)で処理し4−O−エチル−CJ-12,371を白色粉
末として単離した(6.0 mg)。 1H NMR : 8.49 (1H, s), 7.48 (2H, dd, J = 8.1, 1.0
Hz), 7.42 (1H, dd, J= 8.1, 7.3 Hz), 7.41 (1H, dd,
J = 8.1, 7.3 Hz), 7.40 (1H, dd, J = 7.8,1.5 Hz),
7.33 (1H, t, J = 7.8 Hz), 6.97 (1H, dd, J = 7.8,
1.5 Hz), 6.92(1H, dd, J = 7.3, 1.0 Hz), 6.90 (1H,
dd, J = 7.3, 1.0 Hz), 4.98 (1H, dd,J = 8.6, 6.6 H
z), 3.78 (1H, dq, J = 9.0, 7.1 Hz), 3.63 (1H, dq,
J = 9.0, 7.1 Hz), 2.41 (1H, m), 2.18 (2H, m), 1.89
(1H, m), 1.32 (3H, t, J = 7.1 Hz) 。
【0059】実施例 7 5−O−メチル−CJ-12,371 の製
CJ-12,371 (0.8 mg)を0.3 mlのテトラヒドロフラン中、
炭酸カリウム (5 mg)存在下、CH3I (0.1 ml) 60 ℃で
3時間処理した。過剰のCH3Iとテトラヒドロフランを窒
素ガスで除去し、得られた残渣を短いシリカゲルカラム
(1 x 2 cm;CHCl3 3ml) で精製して5−O−メチル−CJ-
12,371 を白色粉末として得た。
【0060】EI-MS[m/z]: 334 (M+, 24.0 rel. %), 316
(100.0), 301 (19.2), 284 (4.5), 273 (4.9) 1H NMR : 7.53 - 7.36 (6H, m), 6.99 (1H, dd, J = 8.
1, 1.1 Hz), 6.93 (1H,dd, J = 7.3, 1.1 Hz), 6.87 (1
H, dd, J = 7.3, 1.1 Hz), 5.15 (1H, br.q, J= 2.2 H
z), 3.94 (3H, s), 3.02 (1H, br.s), 2.40 - 1.90 (4
H, m)。
【0061】実施例 8 5−O−アセチル−4−O−メチル
−d3−CJ-12,371の製造 4-O-メチル-d3-CJ-12371 (8.0 mg) をピリジン(0.3 ml)
中、 55℃、終夜、無水酢酸 (0.3 ml)で処理した。反応
生成物は、2段階のTLC (メルク・キーセルゲル 60 F-2
54, 0.5 mm 厚, 20 x 20 cm; 第1段階、ヘキサン:酢
酸エチル=1:1, 第2段階、CHCl3)で精製し、5−O−
アセチル−4−O−メチル−d3−CJ-12,371を白色粉末と
して得た (4.1 mg)。
【0062】EI-MS[m/z]: 379 (M+, 19.7, rel. %), 34
4 (47.2), 302 (100.0), 285 (10.1), 273 (5.9), 255
(7.7), 160 (7.7), 159 (13.5), 144 (7.0), 131 (25.
2),115 (31.4), 103 (8.5), 43 (51.6) 1H NMR : 7.76 (1H, dd, J = 8.1, 1.1 Hz), 7.48 (2H,
dd, J = 8.4, 1.1 Hz), 7.47 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.
42 (1H, dd, J = 8.4, 7.3 Hz), 7.40 (1H, dd, J = 8.
4, 7.3 Hz), 7.21 (1H, dd, J = 8.1, 1.1 Hz), 6.92
(1H, dd, J = 7.3, 1.1 Hz), 6.86 (1H, dd, J = 7.3,
1.1 Hz), 4.49 (1H, br.t, J = 3.1 Hz),2.40-1.90(4H,
m), 2.35 (3H, s) 。
【0063】実施例 9 4,5−ジ−O−p−メトキシベン
ゾイル−CJ-12,371 の製造 CJ-12,371 (5.5 mg)を 0.5 mlのピリジン中、 80℃、2
1時間p-メトキシベンゾイルクロリド (9.1 mg) で処理
した。溶媒を減圧留去後、TLC (メルク・キーセルゲル
60 F-254, 1 mm 厚, 10 x 20 cm, CHCl3:アセトン = 2
0:1)で精製し、4,5−ジ−O−p−メトキシベンゾイル−C
J-12,371 を白色粉末として得た ( 7.3mg)。
【0064】比旋光度 : [α]D -32.9°(c = 0.21, CHC
l3) 1H NMR : 7.88 (1H, dd, J = 8.1, 1.1 Hz), 7.82 (2H,
d, J = 9.2 Hz), 7.74(2H, d, J = 8.8 Hz), 7.60 (1H,
t, J = 8.1 Hz), 7.50 (2H, dd, J = 8.4, 1.1 Hz),
7.43 (1H, dd, J = 8.4, 7.3 Hz), 7.42 (1H, dd, J =
8.4, 7.3 Hz),7.35 (1H, dd, J = 8.1, 1.1 Hz), 6.98
(1H, dd, J = 7.3, 1.1 Hz), 6.91 (1H, dd, J = 7.3,
1.1 Hz), 6.78 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.75 (2H, d, J
= 9.2 Hz), 6.42 (1H, dd, J = 3.7, 3.0 Hz), 3.83 (3
H, s), 3.82 (3H, s), 2.45 - 2.23 (3H, m), 2.14 (1
H, m)。
【0065】実施例10 4,5−ジ−O−p−N,N−ジメチ
ルアミノベンゾイル−CJ-12,371 の製造 CJ-12,371 (5.1 mg)を 0.5 mlのピリジン中、 80℃、2
1時間p-N,N-ジメチルアミノベンゾイルクロリド (7.5
mg) で処理した。溶媒を減圧留去後、TLC ( メルクキー
セルゲル 60 F-254, 1 mm 厚, 10 x 20 cm, CHCl3:アセ
トン = 20:1)で精製し、4,5−ジ−O−p−N,N−ジメチル
アミノベンゾイル−CJ-12,371 を白色粉末として得た
(7.4 mg)。
【0066】比旋光度 : [α]D +74.8°(c = 0.21, CHC
l3) 1H NMR: 7.84 (1H, dd, J = 7.7, 1.1 Hz), 7.77 (2H,
d, J = 9.2 Hz), 7.72(2H, d, J = 9.2 Hz), 7.57 (1H,
dd, J = 8.1, 7.7 Hz), 7.49 (2H, dd, J =8.4, 1.1 H
z), 7.42 (1H, dd, J = 8.4, 7.3 Hz), 7.41 (1H, dd,
J = 8.4, 7.3Hz), 7.37 (1H, dd, J = 8.1, 1.1 Hz),
6.98 (1H, dd, J = 7.3, 1.1 Hz), 6.90 (1H, dd, J =
7.3, 1.1 Hz), 6.54 (2H, d, J = 9.2 Hz), 6.49 (2H,
d, J =9.2 Hz), 6.40 (1H, br.t, J = 3.3 Hz), 3.01
(6H, s), 2.99 (6H, s), 2.43- 2.21 (3H, m), 2.14 (1
H, m)。
【0067】実施例11 4−O−メチル−d3−CJ-12,37
2 の製造 CJ-12,372 (39 mg) を、0.6 mlのCDCl3:CD3OD = 5:1溶
液中、室温で、終夜撹拌した。反応混合物は、逆相クロ
マトグラフィー(草野 C.I.G. カラム C-18, 22x 300 m
m, 20μ; MeOH:H2O = 5:1) で精製し、4−O−メチル−d
3−CJ-12,372を白色アモルファスとして得た(29 mg)。
【0068】EI-MS[m/z]: 353 (M+, 12.2 rel. %), 318
(100.0), 300 (4.4), 273 (6.0)紫外吸収スペクトル(ε): 226 (69,100), 301 (15,90
0), 313 (14,000), 327(6,500) nmIR (KBr) : 3445, 3360, 3060, 2965, 2215, 2070, 163
7, 1609, 1588, 1473,1449, 1411, 1379, 1349, 1308,
1287, 1266, 1239, 1216, 1180, 1156, 1101,1065, 102
7, 981, 971, 929, 906, 878, 851, 819, 792, 767, 75
4 cm-1 1H NMR : 7.58 (1H, s), 7.33 (1H, s), 7.32 (1H, dd,
J = 8.3, 0.7 Hz), 7.30 (1H, dd, J = 8.3, 0.7 Hz),
7.14 (1H, dd, J = 8.3, 7.6 Hz), 7.12 (1H dd, J =
8.3, 7.6 Hz) 7.11 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.04 (1H,
d, J = 8.8 Hz),6.78 (1H, dd, J = 7.6, 0.7 Hz), 6.7
7 (1H, dd, J = 7.6, 0.7 Hz), 4.36 (1H, dd, J = 8.
3, 5.4 Hz), 2.10 (1H, m), 1.74 (1H, m), 1.51 (2H,
m)。
【0069】実施例12 4,5,8−トリ−O−アセチル−
CJ-12,372 の製造 CJ-12,372 (0.6 mg)をピリジン (0.2 ml)中、室温、5
時間、無水酢酸 (0.2ml)で処理した。溶媒を留去し、
4,5,8−トリ−O−アセチル−CJ-12,372 (0.8 mg)を白色
粉末として得た (4.1 mg) 。
【0070】EI-MS[m/z]: 462 (M+, 20.9, rel. %), 40
2 (5.7), 360 (28.3), 318 (100.0) 1H NMR : 7.50 (1H, dd, J = 8.4, 1.1 Hz), 7.49 (1H,
dd, J = 8.4, 1.1 Hz), 7.42 (2H, dd, J = 8.4, 7.3 H
z), 7.25 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.19 (1H, d,J = 8.8
Hz), 6.92 (1H, dd, J = 7.3, 1.1 Hz), 6.91 (1H, dd,
J = 7.3, 1.1Hz), 6.17 (1H, dd, J = 3.3, 2.6 Hz),
2.35 - 2.17 (2H, m), 2.27 (3H, s),2.14 (1H, m), 2.
03 (3H, s), 1.88 (1H, m), 1.76 (3H, s)。
【0071】実施例13 4,5,8−トリ−O−p−メトキ
シベンゾイル−CJ-12,372 の製造 CJ-12,372 (5.7 mg)を 0.5 mlのピリジン中、 80℃、18
時間 p-メトキシベンゾイルクロリド (12.4 mg)で処理
した。溶媒を減圧留去後、TLC (メルク・キーセルゲル
60 F-254, 0.5 mm 厚, 20 x 20 cm, n−ヘキサン:CHC
l3: 酢酸エチル= 3:2:1) で精製し、4,5,8−トリ−O−p
−メトキシベンゾイル−CJ-12,372を白色粉末として得
た (10.1 mg)。
【0072】比旋光度 : [α]D -102.4°(c = 0.50, CH
Cl3) 1H NMR : 7.84 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.48 (2H, d, J =
8.8 Hz), 7.66 (2H,d, J = 8.8 Hz), 7.47 (1H, d, J
= 8.8 Hz), 7.43 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.36(1H, t, J
= 6.2 Hz), 7.34 (1H, dd, J = 6.2, 2.2 Hz), 7.29
(1H, dd, J =8.4, 0.7 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 8.4,
7.7 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 6.2, 2.2Hz), 6.82 (2H,
d, J = 8.8 Hz), 6.77 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.65 (1
H, dd,J = 7.7, 0.7 Hz), 6.39 (1H, br.t, J = 2.9 H
z), 6.31 (2H, d, J = 8.8 Hz),3.83 (6H, s), 3.64 (3
H, s), 2.30 (3H, m), 2.14 (1H, m)。
【0073】実施例14 4,5,8−トリ−O−p−N,N−ジ
メチルアミノベンゾイル−CJ-12, 372 の製造 CJ-12,372 (5.5 mg)を 0.5 mlのピリジン中、 80℃、18
時間p-N,N-ジメチルアミノベンゾイルクロリド (11.9 m
g)で処理した。溶媒を減圧濃縮後、TLC (メルクキーセ
ルゲル 60 F-254, 0.5 mm 厚, 20 x 20 cm, n−ヘキサ
ン:CHCl3: 酢酸エチル = 3:2:1) で精製し、4,5,8−ト
リ−O−p−N,N−ジメチルアミノベンゾイル−CJ-12,372
を白色粉末として得た (11.2 mg)。
【0074】比旋光度 : [α]D -62.6°(c = 0.50, CHC
l3) 1H NMR : 7.79 (2H, d, J = 9.2 Hz), 7.78 (2H, d, J =
9.2 Hz), 7.57 (2H,d, J = 8.8 Hz), 7.43 (2H, s),
7.34 (2H, br.d, J = 4.5 Hz), 7.25 (1H, br.d, J =
8.1 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 8.1, 7.7 Hz), 6.88 (1H,
br.t, J = 4.5Hz), 6.64 (1H, dd, J = 7.7, 1.1 Hz),
6.58 (2H, d, J = 9.2 Hz), 6.49 (2H,d, J = 9.2 H
z), 6.36 (1H, br.s), 6.03 (2H, d, J = 8.8 Hz), 3.0
1 (12H, s), 2.83 (6H, s), 2.30 (3H, m), 2.15 (1H,
m)。
【0075】実施例15 (4S)−1,2,3,4−テトラヒド
ロ−4−ヒドロキシスピロ[ナフタレン−(5H,8H)−1,2'
−ナフト[1,8-de][1,3]ジオキシン]−5,8−ジオンの製
CJ-12,372 (5.8 mg)を1 mlの CHCl3中、室温、1時間、
DDQ (5.8 mg)で処理する。溶媒を窒素気流下で濃縮
後、TLC (メルク・キーセルゲル 60 F-254, 0.5mm 厚,
20 x 20 cm, CHCl3: 酢酸エチル = 10:1)で精製し、(4
S)−1,2,3,4−テトラヒドロ−4−ヒドロキシスピロ[ナ
フタレン−(5H,8H)−1,2'−ナフト[1,8-de][1,3]ジオキ
シン]−5,8−ジオンを赤茶色アモルファスとして得た
(5.1 mg)。
【0076】比旋光度 : [α]D +188.2°(c = 0.17, CH
Cl3) 1H NMR : 7.47 (2H, dd, J = 8.4, 1.1 Hz), 7.40 (1H,
dd, J = 8.4, 7.3 Hz), 7.39 (1H, dd, J = 8.4, 7.3 H
z), 6.88 (1H, dd, J = 7.3, 1.1 Hz), 6.84 (1H, dd,
J = 7.3, 1.1 Hz), 6.83 (1H, d, J = 9.9 Hz), 6.78
(1H, d, J = 9.9Hz), 4.88 (1H, t, J = 5.0 Hz), 3.10
(1H, br), 2.30 (1H, m), 2.20 - 1.85 (3H, m) 。
【0077】
【発明の効果】本発明により、ジャイレース阻害作用に
基づく広い抗菌スペクトルと、抗腫瘍活性を有する新規
スピロ化合物が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645) 7804−4B (72)発明者 小嶋 仲夫 愛知県名古屋市名東区社台3−153−1− 501

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の化学式の化合物およびそれらの薬学
    的に許容される塩: 〔式中、R1 は水素、水酸基、または炭素数が1ないし
    6のアルコキシもしくはアシルオキシ基を表し;R2
    よびR3 は各々独立に、水素、または炭素数が1ないし
    6のアルキルもしくはアシル基を表す〕。
  2. 【請求項2】下記の化学式の化合物およびそれらの薬学
    的に許容される塩: 〔式中、R1 は水素、水酸基、または炭素数が1ないし
    6のアルコキシもしくはアシルオキシ基を表し;R2
    よびR3 は各々独立に、水素、または炭素数が1ないし
    6のアルキルもしくはアシル基を表す〕。
  3. 【請求項3】下記の化学式の化合物およびそれらの薬学
    的に許容される塩。 〔式中、R1 は水素、水酸基、または炭素数が1ないし
    6のアルコキシもしくはアシルオキシ基を表し;R2
    よびR3 は各々独立に、水素、または炭素数が1ないし
    6のアルキルもしくはアシル基を表す〕。
  4. 【請求項4】R1 が水素または水酸基であり、R2 およ
    びR3 が共に水素である請求項2記載の化合物およびそ
    れらの薬学的に許容される塩。
  5. 【請求項5】R3 が水素である請求項3記載の化合物お
    よびそれらの薬学的に許容される塩。
  6. 【請求項6】微工研条寄第3993号(FERM BP
    −3993)として寄託されている未同定のカビN98
    3−46を培養し、該培養液から請求項4記載の新規ス
    ピロ化合物を回収することを特徴とする新規スピロ化合
    物の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1の化合物の治療有効量および薬学
    的に許容される担体とを含有してなる抗菌剤。
  8. 【請求項8】請求項1の化合物の治療有効量および薬学
    的に許容される担体とを含有してなる抗腫瘍剤。
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