JPH06128193A - 分岐脂肪酸類の製造法 - Google Patents

分岐脂肪酸類の製造法

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JPH06128193A
JPH06128193A JP28005192A JP28005192A JPH06128193A JP H06128193 A JPH06128193 A JP H06128193A JP 28005192 A JP28005192 A JP 28005192A JP 28005192 A JP28005192 A JP 28005192A JP H06128193 A JPH06128193 A JP H06128193A
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JP
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methyl
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acid
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fatty acid
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JP28005192A
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English (en)
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Toshiya Ono
敏也 小野
Koji Yoshino
浩二 吉野
Akira Kawamata
章 川俣
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記反応に従う分岐脂肪酸類(1)、(2)
及び(3)の製造法。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基又はアルケニ
ル基を、R2は飽和又は不飽和の炭化水素基をR3及びR
4はそれぞれメチル基又はエチル基を、Xはハロゲン原
子を、mは5〜16、nは0又は1を示す) 【効果】 入手容易な原料から、高純度の分岐脂肪酸類
を高収率で得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分岐脂肪酸類の製造法
に関し、さらに詳しくは、毛髪化粧料の配合成分、抗菌
剤、治療薬等として有用な分岐脂肪酸類を高純度でかつ
高選択的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分岐鎖を有する脂肪酸は、天然にはきわ
めて少量しか存在していないため、近年に至るまでその
性質についてはあまり注目されてきていない。ところ
が、最近、分岐鎖脂肪酸がある種の病気治療に有効であ
る(特開昭60−161946号公報)こと、抗菌作用
を有する(特開昭63−88123号公報)こと、さら
には炭素数21個のアンテイソ酸が、人や他の哺乳動物
の頭髪中に多く含まれ、特有の機能を有すると考えられ
る〔Lipids,23(9),759−761(19
88);Comp.Biochem.Physio
l.,92B(4),759−761(1989)等〕
ことなどが次々に報告されたことから、それらを大量に
得るための製造法の開発が試みられるようになった。
【0003】その方法としては、例えば(イ)ジハロア
ルカンとハロアルキルマグネシウムとをリチウムテトラ
クロロキュープレイトの存在下に反応させ、次いで末端
をカルボキシル化する方法(特開昭60−161946
号公報)、(ロ)ジオールから得られるホスホニウム塩
とアルデヒドとを反応させ、次いで還元し、さらに末端
をカルボキシル化する方法〔J.Org.Chem.,
51,2751−2756(1986)〕、(ハ)ジカ
ルボン酸のモノエステルと有機カドミウム化合物とを反
応させ、得られたケト酸を還元する方法〔Bioche
mistry,26,4036−4044(198
7)〕等が挙げられる。さらに、本発明者らは、さき
に、(ニ)分岐アルキルホスホニウム塩とアルデヒドと
をウィティヒ反応処理し、次いで還元する方法を提案し
ている(特開平3−285074号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法(イ)、(ロ)及び(ハ)は、ともに二つある同一の
官能基の一方のみを選択的に変換する工程を含むもので
あるため、その収率はかなり低いものとなってしまう。
一方、方法(ニ)は、上記工程を含まずに良好な収率を
示すが、生成物中に分離困難な副生成物を含むことがそ
の後明らかとなった。
【0005】そこで、さらに高純度の分岐脂肪酸類を高
収率で得ることが可能な製造法の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、α位の官能基とω位のそれ
とが異なるω−ホスホニウム脂肪酸にいわゆるウィティ
ヒ反応を施すことにより、分岐脂肪酸類を高収率で、し
かも分離が困難な副生成物を含むことなく製造し得るこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記一般式(4)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基
又はアルケニル基を示し、R2は飽和又は不飽和の炭化
水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは5〜16
の数を示す)で表わされる化合物と下記一般式(5)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R3及びR4はそれぞれメチル基又
はエチル基を示し、nは0又は1の数を示す)で表わさ
れる化合物とを反応させることを特徴とする下記一般式
(1)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R1、R3、R4、m及びnはそれ
ぞれ前記と同義である)で表わされる分岐不飽和脂肪酸
類の製造法を提供するものである。
【0014】本発明は、また、上記製造法により得られ
る化合物(1)を還元処理することを特徴とする下記一
般式(2)
【0015】
【化9】
【0016】(式中、R1、R3、R4、m及びnはそれ
ぞれ前記と同義である)で表わされる分岐飽和脂肪酸類
の製造法を提供するものである。
【0017】本発明は、さらに、上記製造法により得ら
れる化合物(2)を加水分解処理することを特徴とする
下記一般式(3)
【0018】
【化10】
【0019】(式中、R1、R3、R4、m及びnはそれ
ぞれ前記と同義である)で表わされる分岐飽和脂肪酸の
製造法を提供するものである。
【0020】本発明の製造法において原料として使用す
るホスホニウム塩(4)は、入手容易なラクトン類、ω
−ヒドロキシ脂肪酸類、ω−1−不飽和脂肪酸類又はω
−ハロ脂肪酸類等より得ることができる。以下にその反
応例を示す。
【0021】
【化11】
【0022】(式中、R1、R2、X及びmはそれぞれ前
記と同義である。)まず、ラクトン類(6)を塩基性下
にアルコール(R1OH)と加熱、反応させてω−ヒド
ロキシ脂肪酸類(7)を得る。次いで、例えば臭化水素
酸−濃硫酸、CBr4−PPh3、PBr3等との反応に
より(7)の水酸基をハロゲンに変換するか又は(7)
をピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下に塩化p
−トルエンスルホン酸、塩化メタンスルホン酸等と反応
させた後、アセトン、DMF等の極性溶媒中でNaI、
NaBr等との反応により(7)の水酸基をハロゲンに
変換し、ω−ハロ脂肪酸類(9)を得る。
【0023】また、別法として、末端オレフィン脂肪酸
類(8)にHBr、HCl等を反応させることにより、
ω−ハロ脂肪酸類(9)を得ることもできる。
【0024】さらに、(9)とホスフィン化合物(PR
2 3、例えばトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフ
ィン等)とを、ベンゼン、トルエン等の溶媒中で加熱、
反応させることによりホスホニウム塩(4)を得る。
【0025】かくして得られるホスホニウム塩(4)
を、ナトリウムメチラート等の塩基存在下に、分岐アル
デヒド(5)と反応(いわゆるウィティヒ反応)させる
ことにより、分岐不飽和脂肪酸類(1)を製造すること
ができる。
【0026】分岐不飽和脂肪酸類(1)から分岐飽和脂
肪酸類(2)を製造するには、接触還元触媒を用い、例
えばジオキサン、酢酸、エタノール等の溶媒中で室温〜
100℃、水素圧1〜100気圧下に1〜10時間、
(1)を還元処理する。
【0027】接触還元触媒としては、例えばパラジウム
ブラック、パラジウムカーボン、白金ブラック、白金カ
ーボン、酸化白金、ラネーニッケル等が挙げられるが、
これらのうち酸化白金が好ましい。
【0028】さらに、分岐飽和脂肪酸類(2)からの分
岐飽和脂肪酸(3)の製造は、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基性触媒の存在下に加水分解
処理、すなわち加熱し酸で中和することによりなされ
る。
【0029】
【発明の効果】本発明の製造法により、毛髪化粧料配合
成分、抗菌剤、治療薬等として有用な分岐脂肪酸類を、
入手容易な原料から高収率で、しかも分離困難な副生成
物を生成することなく得ることができる。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】実施例1(18−メチル−16−イコセン
酸メチルの製造) (イ)16−ヒドロキシヘキサデカン酸メチルの製造 16−ヘキサデカノリド76.3g及び28%ナトリウ
ムメトキシド溶液0.29gをメタノール250gに溶
解し、60℃で60時間加熱撹拌し、反応液を冷却して
結晶を析出させた。結晶を濾過洗浄し乾燥して、16−
ヒドロキシヘキサデカン酸メチル77.5gを得た(収
率90.2%)。
【0032】物性値を以下に示す。 m.p.;54.2℃ IR(KBr)ν;3370cm-1(OH),1744cm-1(C=O)1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ;1.26(22H,brs),1.64(4H,m),2.
30(2H,t,J=7.5Hz),3.64(2H,t,J=6.6Hz),3.66(3H,s)
【0033】(ロ)p−トルエンスルホン酸−15−メ
トキシカルボニルペンタデシルの製造 (イ)で得られた16−ヒドロキシヘキサデカン酸メチ
ル200g及びピリジン87.8gをジクロロメタン5
00mlに溶解させ、これに予めジクロロメタン350ml
に溶解したp−トルエンスルホン酸クロリドを氷冷しな
がら、滴下して加えた後、室温で3時間撹拌した。反応
液に水300mlを加えて水層を除き、さらに10%塩酸
を300ml加え、水層を除いた。次いで、飽和重曹水3
00mlを加えて水層を除き、さらに、飽和食塩水300
mlを加えて水層を除いた。有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、溶媒を留去し、得られた粗生成物をフ
ラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘ
キサン=2:1)にかけ精製してp−トルエンスルホン
酸15−メトキシカルボニルペンタデシル302.8g
を得た(収率90%)。
【0034】物性値を以下に示す。 m.p.;56.9-57.2℃1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ;1.08-1.47(22H,m),1.49-1.75
(4H,m),2.30(2H,t,J=7.5),2.45(3H,s),3.66(3H,s),4.02
(2H,t,J=6.5),7.34(2H,d,J=8.2),7.79(2H,d,J=8.2)
【0035】(ハ)16−ヨードヘキサデカン酸メチル
の製造 (ロ)で得られたp−トルエンスルホン酸15−メトキ
シカルボニルペンタデシル58g及びヨウ化ナトリウム
30gをアセトン530mlに溶解し、2時間還流して溶
媒を留去し、水200mlを加え、クロロホルム300ml
で抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液50ml
で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶
媒を除去した。得られた粗生成物をフラッシュカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=2:1)
にかけて精製し、16−ヨードヘキサデカン酸メチル5
1.6gを得た(収率99%)。
【0036】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ;1.12-1.53(22H,m),1.55-1.72
(2H,m),1.75-1.90(2H,m),2.30(2H,t,J=7.5),3.19(2H,t,
J=7.0),3.57(3H,s)
【0037】(ニ)一般式(4)において、R1がメチ
ル基、R2がフェニル基、Xが沃素原子、かつmが16
である化合物(4−a)の製造 (ハ)で得られた16−ヨードヘキサデカン酸メチル1
21g及びトリフェニルホスフィン83.8gをトルエ
ン1.5リットルに溶解し、48時間還流した。溶媒を
留去し、ジエチルエーテルで数回洗浄して白色結晶を析
出させた。白色結晶を濾過し、ジエチルエーテルで洗
浄、乾燥して(4−a)を54g得た(収率64%)。
【0038】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ;1.10-1.40(22H,m),1.45-1.82
(4H,m),2.30(2H,t,J=7.5),3.57-3.78(2H,m),3.66(3H,
s),7.62-7.85(15H,m)
【0039】(ホ)18−メチル−16−イコセン酸メ
チルの製造 (ニ)で得られた(4−a)33gをN,N−ジメチル
ホルムアミド100ml中に溶解させ、これに、ナトリウ
ムメトキシド(28%メタノール溶液)9.65gを加
え、室温にて30分撹拌した。その後、予めN,N−ジ
メチルホルムアミド100mlに溶解した2−メチルブチ
ルアルデヒド11mlを滴下し、室温で2時間撹拌した。
反応液に水50ml及びジエチルエーテル200mlを加え
て水層を除き、さらに飽和塩化アンモニウム水溶液50
mlを加えて水層を除いた後有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。得られた粗生成物をフラッシュカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:2)
にかけ18−メチル−16−イコセン酸メチル14.2
gを得た(収率84%)。
【0040】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ;0.84(3H,t,J=7.3),0.92(3H,d,
J=6.7),1.10-1.88(26H,m),1.92-2.10(2H,m),2.23-2.42
(1H,m),2.30((2H,t,J=7.5),3.66(3H,s),5.09(1H,dd,J=
9.6,11.0),5.31(1H,dt,J=7.0,11.0)
【0041】実施例2(19−メチル−16−イコセン
酸の製造) 実施例1で得られた(4−a)30gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド90ml中に溶解させ、これに、ナトリウ
ムメトキシド(28%メタノール溶液)8.7gを加
え、室温にて30分撹拌した。その後、予めN,N−ジ
メチルホルムアミド90mlに溶解した3−メチルブチル
アルデヒド11mlを滴下して加え、室温で2時間撹拌し
た。反応液に水50ml及びジエチルエーテル200mlを
加えて水層を除き、さらに飽和塩化アンモニウム水溶液
50mlを加えて水層を除き、有機層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。得られた粗生成物をフラッシュカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:
2)にかけ、19−メチル−16−イコセン酸メチル1
2.2gを得た(収率80%)。
【0042】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ;0.94(6H,d,J=6.7),1.12-1.45
(23H,m),1.52-1.73(2H,m),1.85-2.09(4H,m),2.32(2H,t,
J=7.0),3.70(3H,s),5.28-5.50(2H,m)
【0043】実施例3(17−メチル−15−ノナデセ
ン酸の製造) 実施例1(ニ)と同様の操作により、一般式(4)にお
いてR1がメチル、R2がフェニル基、Xが沃素原子、か
つmが15である化合物(4−b)を製造した。得られ
た(4−b)20gをN,N−ジメチルホルムアミド1
10ml中に溶解させ、これにナトリウムメトキシド1.
7gを加え、室温にて30分撹拌した。その後、2−メ
チルブチルアルデヒド5.5mlをゆっくり加え、室温で
3時間撹拌した。この反応溶液に塩化アンモニウム水溶
液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和
食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下で溶媒を除去した。得られた粗生成物をフラッシ
ュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン
=1:2)にかけて精製し、17−メチル−15−ノナ
デセン酸7.6gを得た(収率75%)。
【0044】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3)δ;0.84(3H,t,J=7.3),0.92(3H,d,
J=6.6),1.23-1.48(22H,m),1.55-1.73(2H,m),1.92-2.12
(2H,m),2.30(2H,t,J=7.5),3.66(3H,s),5.09(1H,dd,J=
9.6,10.9),5.31(1H,dt,J=7.1,10.9)
【0045】実施例4(13−メチル−11−ペンタデ
セン酸メチルの製造) (イ)11−ヨードウンデカン酸の製造 11−ブロモウンデカン酸50g及びヨウ化ナトリウム
40gをアセトン540mlに溶解させ、室温で3時間撹
拌した。溶媒を減圧下除去し、水を加えてジエチルエー
テルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液、
次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、さらに減圧下で溶媒を除去して、11−ヨー
ドウンデカン酸57.9gを得た(収率98%)。これ
は、これ以上精製せずに次の反応に供した。
【0046】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3,δ);1.15-1.53(12H,m),1.54-1.74
(2H,m),1.74-1.92(2H,m),2.35(2H,t,J=7.3),3.19(2H,t,
J=7.0)
【0047】(ロ)11−ヨードウンデカン酸メチルの
製造 (イ)で得られた11−ヨードウンデカン酸50gをメ
タノール450mlに溶解させ、これに濃硫酸0.5mlを
加え、5時間還流させた。溶媒を減圧下除去し、水を加
えてジエチルエーテルで抽出した。有機層を炭酸水素ナ
トリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去した。
得られた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム:ヘキサン=1:2)にかけて精製
し、11−ヨードウンデカン酸メチル51.7gを得た
(収率99%)。
【0048】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3,δ);1.15-1.51(12H,m),1.52-1.74
(2H,m),1.73-1.91(2H,m),2.30(2H,t,J=7.4),3.19(2H,t,
J=7.0),3.67(3H,s)
【0049】(ハ)一般式(4)においてR1がメチ
ル、R2がフェニル基、Xが沃素原子及びmが11であ
る化合物(4−c)の製造 (ロ)で得られた11−ヨードウンデカン酸メチル50
g及びトリフェニルホスフィン44gをベンゼン438
mlに溶解し、48時間還流した。溶媒を留去し、ジエチ
ルエーテルで数回洗浄して白色結晶を析出させた。得ら
れた白色結晶を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄、乾燥
して(4−c)74gを得た(収率82%)。
【0050】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3,δ);1.08-1.49(12H,m),1.43-1.82
(4H,m),2.28(2H,t,J=7.45),3.53-3.80(2H,m),3.65(3H,
s),7.61-7.90(15H,m)
【0051】(ニ)13−メチル−11−ペンタデセン
酸メチルの製造 (ハ)で得られた(4−c)200gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド113mlに溶解させ、これにナトリウム
メトキシド(28%メタノール溶液)6.6gを加え、
室温にて20分撹拌した。その後、2−メチルブチルア
ルデヒド5.46mlを滴下し、室温で3時間撹拌した。
反応液に、水を加え、エーテルで抽出した。有機層を塩
化アンモニウム水溶液次いで飽和食塩水で洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去し
て13−メチル−11−ウンデカン酸メチル8.5gを
得た(収率93%)。
【0052】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3,δ);0.84(3H,t,J=7.5),0.92(3H,
d,J=6.6),1.11-1.46(14H,m),1.54-1.77(2H,m),1.86-2.1
2(2H,m),2.21-2.47(1H,m),2.30(2H,t,J=7.4),3.66(3H,
s),5.14(1H,dd,J=9.6,10.8),5.30(1H,dt,J=7.0,10.8)
【0053】実施例5(18−メチルイコサン酸メチル
の製造) 実施例1で得られた18−メチル−16−イコセン酸メ
チル28.5gを二酸化白金957mg存在下、メタノー
ル84ml中、50℃、50kg/cm2で、3時間撹拌して
水素添加を行った。この溶液中の触媒を濾過し、溶媒を
減圧下で除去し、18−メチルイコサン酸メチル28.
3g(収率99%)得た。
【0054】物性値を以下に示す。1 H-NMR(200MHz,CDCl3,δ);0.78-0.92(6H,m),1.19-1.72
(33H,m),2.30(2H,t,J=7.5),3.66(3H,s)
【0055】実施例6(18−メチルイコサン酸の製
造) 実施例5で得られた18−メチルイコサン酸メチル4
2.2g及び水酸化ナトリウム7.4gをエタノール溶
液(9:1=エタノール:水)400mlに溶解し、3時
間還流した。希硫酸を加えて酸性とし、放冷して白色結
晶を析出させた。得られた白色結晶を濾過し、水で数回
洗浄して18−メチルイコサン酸30gを得た(収率7
0%)。
【0056】物性値を以下に示す。 m.p.;57.3-57.41 H-NMR(200MHz,CDCl3,δ);0.80-0.92(6H,m),1.05-1.73
(33H,m),2.35(2H,t,J=7.4),〜10.00(1H,brs)
【0057】比較例(18−メチルイコサン酸の製造) (イ)2−メチルブロモブタンの製造 2−メチルブタノール65gに濃硫酸52g及び48%
臭化水素酸161gを加え、72時間穏やかに還流させ
た。反応溶液を水蒸気蒸留した。留出した2−メチルブ
ロモブタンは2層になるので水層を分離し、油層を冷濃
硫酸7.8gで洗浄した。次に10%炭酸ナトリウム溶
液10g、さらに水10gで洗浄した。塩化カルシウム
で一昼夜乾燥した後蒸留して2−メチルブロモブタン8
0.8gを得た(収率72%)。
【0058】(ロ)2−メチルブチルトリフェニルホス
ホニウムブロマイドの製造 2−メチルブロモブタン30.9g及びトリフェニルホ
スフィン53.7gをベンゼン50mlに溶解し88時間
還流した。析出した結晶を濾過し、ベンゼンで洗浄、乾
燥して2−メチルブチルトリフェニルホスホニウムブロ
マイド15.7gを得た(収率42%)。この化合物は
これ以上精製せずに次の工程に供した。
【0059】(ハ)16−ヒドロキシヘキサデカン酸メ
チルの製造 16−ヘキサデカノリド76.3g及び28%ナトリウ
ムメトキシド溶液0.29gをメタノール250gに溶
解し、60℃で60時間加熱撹拌した。反応液を冷却
し、結晶を析出させた。結晶を濾過洗浄し、乾燥させて
16−ヒドロキシヘキサデカン酸メチル77.5gを得
た(収率90.2%)。
【0060】(ニ)15−ホルミルペンタデカン酸メチ
ルの製造 クロロクロム酸ピリジニウム65.6gを塩化メチレン
400mlに溶解させ、これに予め塩化メチレン40mlに
溶解した16−ヒドロキシヘキサデカン酸メチル55g
を加えた。室温で2時間撹拌後、無水ジエチルエーテル
400mlを加えた。上澄を除いて不溶物を無水ジエチル
エーテル100mlにより3回洗浄した。上澄液と洗液と
を40gのシリカゲルカラムに通し、溶離液を減圧濃縮
した。得られた粗結晶をフラッシュカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:ヘキサン=4:1)にかけ精製
して15−ホルミルペンタデカン酸メチル43.6gを
得た(収率80g)。
【0061】(ホ)18−メチル16−イコセン酸メチ
ルの製造 (ロ)で得た2−メチルブチルトリフェニルホスホニウ
ムブロマイド13gを細かく粉砕し無水テトラヒドロフ
ラン130mlに分散させた。窒素気流下、1.5Mブチ
ルリチウム−ヘキサン溶液を23.7ml添加し30分間
撹拌した後、これに予め無水テトラヒドロフラン130
mlに溶解した15−ホルミルペンタデカン酸メチル8.
4gを徐々に添加し3時間撹拌した。次いで溶媒を留去
し、ジエチルエーテルで可溶部を抽出した。洗液を集
め、溶媒を留去して得られた粗生成物をフラッシュカラ
ムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:
1)にかけ18−メチル16−イコセン酸メチル5.3
gを得た(収率51%)。この化合物はこれ以上精製せ
ずに、次の工程に供した。
【0062】(ヘ)18−メチルイコサン酸の製造 18−メチル16−イコセン酸メチル5.3g、酸化白
金0.3g、酢酸30mlをオートクレーブに仕込み、水
素圧100気圧、100℃で5時間還元処理した。反応
終了後触媒を濾過し、溶媒を留去して18−メチルイコ
サン酸メチル3gを得た。これをフラッシュカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム)にかけ精製した。次い
でこの18−メチルイコサン酸メチルを5%水酸化ナト
リウム−エタノール溶液150mlに溶かし、室温下8時
間撹拌した。次いで2N硫酸95mlを加えて固体を析出
させた。これを濾過し、水で洗浄して18−メチルイコ
サン酸3.1gを得た(収率59%)。
【0063】次に、上記実施例6で得られた18−メチ
ルイコサン酸及び比較例で得られた18−メチルイコサ
ン酸について、それぞれの純度をキャピラリーガスクロ
マトグラフィーを用いる下記測定方法により決定した。
【0064】(測定方法)サンプル30mgに対し三フッ
化ホウ素−メタノール錯体のメタノール溶液(三フッ化
ホウ素−メタノール錯体とメタノールとの1:1混合溶
液)5mlを加えて2分間還流させた後、ヘキサン5mlを
加え、さらに1分間還流する。冷却後、飽和食塩水5ml
を加えてよく振とうし、上層のヘキサン層をとり、硫酸
マグネシウムにより脱水する。これを濾過し、硫酸マグ
ネシウムを除いてヘキサンを留去し、クロロホルム1ml
を加えてサンプルを調整する。それぞれ調整したサンプ
ル1μlを採取し、クロマトグラム中に注入し、測定す
る。
【0065】測定結果を図1(実施例6で得られた18
−メチルイコサン酸)及び図2(比較例で得られた18
−メチルイコサン酸)に示す。図1及び図2に示される
ように、本発明の製造法により得られたものには副生成
物(ピーク位置;28.550、29.925等)が痕
跡程度にしか含まれていないのに対し、比較例の製造法
により得られたものにはかなりの量の副生成物(ピーク
位置;31.527、32.970等)が含まれている
ことがわかる。しかも、これら比較例の製造法により得
られたものに含まれる副生成物は、通常の手段では分離
困難なものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6で得られた18−メチルイコサン酸の
キャピラリーガスクロマトグラフィーチャートを示す図
面である。
【図2】比較例で得られた18−メチルイコサン酸のキ
ャピラリーガスクロマトグラフィーチャートを示す図面
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(4) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基又はアルケニ
    ル基を示し、R2は飽和又は不飽和の炭化水素基を示
    し、Xはハロゲン原子を示し、mは5〜16の数を示
    す)で表わされる化合物と下記一般式(5) 【化2】 (式中、R3及びR4はそれぞれメチル基又はエチル基を
    示し、nは0又は1の数を示す)で表わされる化合物と
    を反応させることを特徴とする下記一般式(1) 【化3】 (式中、R1、R3、R4、m及びnはそれぞれ前記と同
    義である)で表わされる分岐不飽和脂肪酸類の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により得られる一般
    式(1)で表わされる化合物を還元処理することを特徴
    とする下記一般式(2) 【化4】 (式中、R1、R3、R4、m及びnはそれぞれ前記と同
    義である)で表わされる分岐飽和脂肪酸類の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法により得られる一般
    式(2)で表わされる化合物を加水分解処理することを
    特徴とする下記一般式(3) 【化5】 (式中、R3、R4、m及びnはそれぞれ前記と同義であ
    る)で表わされる分岐飽和脂肪酸の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6183759B1 (en) 1997-04-28 2001-02-06 Nippon Fine Chemical Co., Ltd. Cosmetic composition
US7256162B2 (en) 2003-09-26 2007-08-14 Arizona Chemical Company Fatty acid esters and uses thereof
US8283482B2 (en) 2007-04-04 2012-10-09 Kao Corporation Method for producing cross-coupling compound

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