JPH06128040A - 窒化珪素焼結体及びその製造方法 - Google Patents

窒化珪素焼結体及びその製造方法

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JPH06128040A
JPH06128040A JP4306430A JP30643092A JPH06128040A JP H06128040 A JPH06128040 A JP H06128040A JP 4306430 A JP4306430 A JP 4306430A JP 30643092 A JP30643092 A JP 30643092A JP H06128040 A JPH06128040 A JP H06128040A
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JP
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silicon nitride
sintered body
powder
ceramic
nitride sintered
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JP4306430A
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Yoshikatsu Higuchi
義勝 樋口
Masanori Okabe
昌規 岡部
Yasunobu Kawakami
泰伸 川上
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Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温における機械的強度が高い窒化珪素焼結
体を製造する方法を提供する。 【構成】 (a) 窒化珪素粉末と、(b) Y2 3 、又はY
2 3 と、Al2 3 、Yb2 3 、HfO2 、Er2 3 及び
Cr2 3 からなる群から選ばれた1種又は2種以上とか
らなる焼結助剤粉末と、(c) 非酸化物系プレセラミック
ポリマーを熱分解してなるセラミックファイバー又はセ
ラミック粉末とから成形体を作製し、窒素含有雰囲気
下、前記成形体を1850℃以上で焼成する方法であ
る。好ましくは、セラミックファイバー又はセラミック
粉末の組成を、Si:45〜60重量%、N:5〜30重
量%、C:5〜20重量%、O:1〜30重量%とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化珪素焼結体及びその
製造方法に関し、特に、高温における機械的強度が高い
窒化珪素焼結体、及びそのような窒化珪素焼結体を製造
できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】窒化珪
素焼結体は、高強度、高耐熱性、高耐熱衝撃性、高耐摩
耗性、耐酸化性などの点から、ガスタービン部材等の苛
酷な条件下で用いられる構造用セラミックスとしての利
用が期待されている。
【0003】ところで、窒化珪素はそれ自身では焼結し
にくい材料であることから、通常、各種の焼結助剤を添
加して1700〜2000℃程度の高温で焼結する。しかしなが
ら、このような高温で焼結を行うと一般に焼結体中の組
織が粗大化しやすく、得られる焼結体の高温強度は室温
における強度に比べて大きく低下する。
【0004】一方、組織の粗大化を抑制するために1500
〜1700℃程度の低温で焼結すると、高温においてのみな
らず室温でも低強度の焼結体となってしまう。
【0005】従って本発明の目的は、高温でも高強度を
有する窒化珪素焼結体及びそのような窒化珪素焼結体を
製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の目的に鑑み鋭意研
究の結果、本発明者等は、焼結体中の針状の窒化珪素粒
子として、長径が50μmを超すか、又は短径が10μ
mを超すような大型の結晶粒を含まない微小な針状組織
からなる焼結体は、大きな高温強度を有することを発見
した。また、そのような窒化珪素焼結体は、窒化珪素粉
末と特定の酸化物からなる焼結助剤と非酸化物系プレセ
ラミックポリマーを熱分解してなるセラミックファイバ
ー又はセラミック粉末とからなる成形体を、窒素含有雰
囲気下、1850℃以上で焼成すれば得られることを発
見し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、窒化珪素と焼結助剤とを含有す
る成形体を焼結して得られる本発明の窒化珪素質焼結体
は、長径が50μm以下であるとともに短径が10μm
以下の針状の窒化珪素粒子からなる組織を有することを
特徴とする。
【0008】また本発明の窒化珪素質焼結体の製造方法
は、(a) 窒化珪素粉末と、(b) Y23 、又はY2 3
と、Al2 3 、Yb2 3 、HfO2 、Er2 3 及びCr2
3 からなる群から選ばれた1種又は2種以上とからなる
焼結助剤粉末と、(c) 非酸化物系プレセラミックポリマ
ーを熱分解してなるセラミックファイバー又はセラミッ
ク粉末とから成形体を作製し、窒素含有雰囲気下、前記
成形体を1850℃以上で焼成することを特徴とする。
【0009】本発明を以下詳細に説明する。本発明の窒
化珪素焼結体は、長径が50μm以下で、かつ短径が1
0μm以下である針状の窒化珪素粒子からなる組織を有
する。換言すれば、長径が50μmを超すか、又は短径
が10μmを超すような大型の針状結晶粒を含まない窒
化珪素焼結体である。長径が50μmを超すか又は短径
が10μmを超すような大型の針状結晶粒が焼結体内に
存在すると、高温強度が大きく低下する。好ましくは、
針状の窒化珪素粒子の最大長径は30μmで、最大短径
は5μmである。なお、本発明における焼結体中の粒子
の大きさは、焼結体断面を走査型電子顕微鏡(SEM)
により観察して計測されたものである。
【0010】焼結体内の窒化珪素の針状結晶粒の平均長
径は15〜30μm程度であるのが好ましく、また、平
均短径は3〜5μm程度であるのが好ましい。
【0011】以上の組織を有する窒化珪素焼結体の製造
方法について説明する。まず、成形体の原料について説
明する。
【0012】(a) 窒化珪素粉末 窒化珪素粉末としては、平均粒径が0.1〜1μm程度
のものを用いるのが好ましい。平均粒径が0.1 μm未満
の窒化珪素粉末を用いると、パッキング性が悪く、成形
が困難となる。一方、1μmを超す窒化珪素粉末を用い
ると焼結性が劣り、緻密な焼結体を得るのが難しい。ま
た、窒化珪素粉末の比表面積は8m2 /g以上であるの
が好ましい。窒化珪素粉末の比表面積が8m2 /g未満
であると、焼結性が劣り、緻密な焼結体とすることがで
きない。より好ましくは、窒化珪素粉末の比表面積を9
〜12m2 /gとする。また、窒化珪素粉末に含まれる
金属不純物の総量は200ppm 以下とするのが好まし
い。金属不純物の総量がこれを超えると、粒界に不純物
相が生成して高温強度が低下する。なお、通常窒化珪素
粉末に含まれる金属不純物としては、Fe、Ca、Al等が挙
げられる。
【0013】(b) 焼結助剤 本発明では、焼結助剤としてY2 3 単独、又はY2
3 にさらに、Al2 3、Yb2 3 、HfO2 、Er2 3
びCr2 3 からなる群から選ばれた1種又は2種以上の
酸化物を併用するのが好ましい。Y2 3 及びAl
2 3 、Yb2 3 、HfO2 、Er2 3 及びCr2 3 は粉
末の形態で用いる。焼結助剤粉末の平均粒径は0.1〜
2.0μmであるのが好ましい。また、最大粒径は5μ
m以下であるのが好ましい。
【0014】(c) セラミックファイバー又はセラミック
粉末 本発明で用いるセラミックファイバー又はセラミック粉
末は、非酸化物系プレセラミックポリマーを熱分解して
得られたものであり、Si、N、C、Oを主成分とする。
セラミックファイバー又はセラミック粉末は、好ましく
はSi:45〜60重量%、N:5〜30重量%、C:5
〜20重量%、O:1〜30重量%の組成を有する。
【0015】セラミックファイバー又はセラミック粉末
の製造に用いる非酸化物系プレセラミックポリマーとし
ては、ポリシラザンが好ましい。ポリシラザンは(R2
SiNR)3 等(ここでRはH又はアルキル基を示す)の
シクロシラザンとクロロシラン(Rn SiCl4-n 、ただし
n=0,1,2,3、RはH又はアルキル基)とから合
成することができる。この合成法について以下説明す
る。
【0016】まず、ヘキサメチルシクロトリシラザン
(Me2 SiNH)3 等のシクロシラザンと、トリクロロメチ
ルシラン等のクロロシランとを無水の不活性雰囲気下で
混合する。ヘキサメチルシクロトリシラザンとトリクロ
ロメチルシランとを用いる場合、混合比は、モル比でヘ
キサメチルシクロトリシラザン対トリクロロメチルシラ
ンが1:1〜1:5とするのが好ましい。より好ましく
は1:3程度とする。次に、この混合物を190 〜195 ℃
で加熱還流する。これによってヘキサメチルシクロトリ
シラザンが開環し、クロロシラザンオリゴマーが生成さ
れる。なお、ヘキサメチルシクロトリシラザンとトリク
ロロメチルシランとからクロロシラザンオリゴマーを製
造する工程は12時間程度で完了する。
【0017】クロロシラザンオリゴマーをシクロヘキサ
ン等の溶媒に溶解し、得られた溶液に対してアンモニア
ガスを吹き込みアンモノリシスを行う。吹き込むアンモ
ニアガスの量は70リットル/時程度とするのが好まし
く、またその時間は3〜4時間とするのが好ましい。ア
ンモノリシスにより、クロロシラザンオリゴマーはアミ
ノシラザンオリゴマーとなる。なお、この時副生する塩
化ナトリウムの沈殿は、吸引濾過等で除去する。
【0018】次に、このアミノシラザンオリゴマーを窒
素ガス等の不活性ガス中で、250 〜400 ℃程度に加熱し
ながら重縮合させて熱可塑性を示すポリシラザンを得
る。ポリシラザンの軟化点は加熱の条件により調整可能
であるが、ファイバー等の形態に成形する場合、50〜20
0 ℃程度が好ましい。
【0019】ポリシラザンのファイバーを得る場合に
は、ポリシラザンを軟化点以上の温度に保ってこれを溶
融し紡糸する。紡糸温度を軟化点とした場合の巻き取り
速度は25〜400 m/分程度が好ましい。これによって5
〜30μm径のファイバーが得られる。
【0020】得られたファイバーをArガス、N2 ガス等
の不活性ガス中又は真空中で、800〜1400℃で30分〜4
時間程度焼成することにより、セラミックファイバーを
得る。セラミックファイバーの平均直径は30μm以下、
特に3〜10μm、繊維長は10〜 600μm、特に50〜 300
μmであるのが好ましい。平均直径及びファイバー長が
大きくなりすぎると分散性が低下し、焼結後の成形品に
欠陥が生じるおそれが大きく、また焼結密度が低下す
る。
【0021】一方、セラミック粉末を製造する場合に
は、上記のセラミックファイバーの製造方法と同様にし
てポリシラザンを製造し、このポリシラザンをArガス、
2 ガス等の不活性雰囲気下で800 〜1400℃で噴霧しな
がら熱分解することで行うことができる。得られるセラ
ミック粉末の平均粒径は0.1 〜1μmとするのが好まし
い。
【0022】以上の方法により得られるファイバー又は
粉末は、Si:45〜60重量%、N:5〜30重量%、
C:5〜20重量%、O:1〜30重量%の組成を有す
る。このような組成を有するファイバー又は粉末を用い
ることで、緻密で微小な針状組織を得ることが可能とな
る。本発明者等の研究によれば、微小な針状組織を有す
る焼結体を得るためには、セラミックファイバー又は粉
末の組成中、特に炭素の含有量を規定するのが重要であ
る。より好ましくは炭素含有量を5〜10重量%とす
る。
【0023】なお、セラミックファイバー及びセラミッ
ク粉末は、熱処理条件によりアモルファス又は結晶質と
することができるが、焼結性を考えるとアモルファスと
するのがよい。アモルファスのセラミックファイバー又
はセラミック粉末をセラミック原料に添加して用いると
焼結性が向上し、焼結助剤の量を軽減することができ
る。
【0024】上記した(a) 窒化珪素粉末と、(b) 焼結助
剤成分と、(c) セラミックファイバー又はセラミック粉
末とから成形体を製造するが、成分(a) は88〜96.5重
量%、成分(b) は3〜8重量%、成分(c) は0.5 〜10
重量%とするのが好ましい。成分(b) が3重量%未満で
は良好な焼結が行えない。一方、8重量%を超すと焼結
体の高温強度が低下する。また、成分(c) については、
0.5 重量%未満では、焼結体中に長径が50μmを超す
か又は短径が10μmを超すような大型の針状組織が形
成されやすい。一方、成分(c) を10重量%を超す量添
加すると室温での機械的強度が低下する。より好ましく
は、成分(a) を92〜96.4重量%、成分(b) を3〜5重
量%、成分(c) を0.6 〜3重量%とする。
【0025】成形体の製造には、上記成分の他に、所望
により少量のワックスもしくは樹脂等の有機バインダー
や有機物又は金属繊維等を添加することができる。
【0026】上記各成分(a) 〜(c) を水又は有機溶媒か
らなる分散媒に均一に分散させ、泥漿とする。この際、
全ての成分(原料)を同時に配合してもよいが、まず分
散性のよい窒化珪素粉末と焼結助剤粉末とを混合した後
で、セラミックファイバー又はセラミック粉末を添加
し、混合するのが好ましい。
【0027】分散媒として水を使用する場合、これにア
ンモニア水を加えるのが好ましい。NH4 OHは分散性が良
いため、高濃度、低粘度のセラミックスラリーを調製す
ることができ、乾燥後、高密度の成形体を得ることがで
きる。また、焼結後の成形品にナトリウム、カルシウム
等の不純物が残らず、高純度の焼結体を得ることがで
き、更には粒界のガラス相を減少でき、焼結体の高温強
度を高く保持することができる。また分散媒として、ホ
ルムアミドのような極性の高い有機溶媒を使用すること
もできる。このような溶媒を使用すると、焼成前の窒化
珪素の酸化を防止でき、焼結体の高温強度を高く保つこ
とができる。
【0028】本発明において、特に制限はないが、成形
性の観点から泥漿の濃度は40〜60体積%とするのが好ま
しい。
【0029】成形体を成形するには、射出成形、スリッ
プキャスト成形、ドクターブレードによる成形等が適用
されるが、特にスリップキャスト成形が好ましい。
【0030】スリップキャスト法の場合、この泥漿を石
膏のように吸水性、透水性を有する材質からなる型に鋳
込む。分散媒は型を通って分離されるので、泥漿は脱水
される。その後脱型して十分に乾燥する。一般に、脱水
乾燥工程において成形体には破損や亀裂の危険がある
が、均一に分散しセラミックファイバーにより補強され
ているか、又はセラミック粉末がバインダーとして良好
に働くので、破損や亀裂を十分に防止することができ
る。
【0031】次に、成形体を焼結する。焼結は窒素含有
雰囲気、好ましくは窒素ガス雰囲気下で行う。窒素ガス
中で焼結を行うことで窒化珪素の熱分解を効果的に防止
することができる。焼結における窒素ガス圧は1.0〜
2000kg/cm2 とするのが好ましい。
【0032】焼結温度は1850℃以上、好ましくは1
850〜1950℃とする。焼結温度が1850℃未満
であると焼結体の緻密化が十分に進行せず、焼結体の密
度が上がらない。なお、1950℃以上とすると、窒化
珪素の分解や異状粒の成長が起きたりしやすいので19
50℃以下とするのが好ましい。
【0033】この焼結工程において、成形体中のセラミ
ックファイバーは溶融流動化して繊維形状を失い、もっ
て均一なセラミックスが形成される。また、セラミック
ファイバーでなくセラミック粉末を用いた場合も、セラ
ミック粉末が溶融してセラミックマトリックス内に均一
に組み込まれることになる。これにより機械的特性及び
耐熱性に良好な焼結体が得られる。
【0034】
【作 用】本発明の窒化珪素焼結体は、窒化珪素粒子と
して、長径が50μmを超すか短径が10μmを超すよ
うな大型の針状組織を含まず、微小な針状組織からなる
ので、極めて大きな高温強度を有する。
【0035】本発明の方法では、窒化珪素粉末と焼結助
剤粉末の他に、Si−N−C−O成分を有するセラミック
ファイバーまたはセラミック粉末を加えるが、これによ
り緻密で微細な針状の窒化珪素粒子からなる組織を得る
ことができる。このような組織を有する窒化珪素焼結体
が得られる理由は必ずしも明らかではないが、添加した
セラミックファイバー又はセラミック粉末中に存在する
炭素の存在が、窒化珪素粒子の粒成長を抑制しているた
めであると思われる。
【0036】
【実施例】以下、具体的実施例により本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0037】実施例1、2、比較例1 窒化珪素粉末(宇部興産 (株) 製:平均粒径0.5 μm、
酸素含有量1.2重量%、金属不純物総量200ppm 、
BET比表面積10m2 /g)と、Y2 3 粉末(平均
粒径0.8 μm、日本イットリウム (株) 製)と、Al2
3 粉末(0.4 μm、住友化学 (株) 製)とを、表1に示
す配合量でポリエチレン製の500 mlポットミルに取り、
さらに上記成分の合計100 重量部に対して水42重量部
と、25%アンモニア水0.4 重量部とを加え、16時間
のボールミル混合を行った。このボールミル混合の直
後、さらに、Si:50重量%、N:17重量%、C:1
6重量%、O:17重量%の組成を有するセラミックフ
ァイバー(平均長さ400μm、直径18μm、以下こ
れをSiNファイバーと呼ぶ)を表1に示す量だけ添加
し、さらに2時間のボールミル混合を行った。
【0038】得られた混合物をロータリーエバポレータ
により乾燥し、金型プレスにより30mm×50mm×6mm
の大きさに成形した。
【0039】上記の成形体を、9気圧の窒素ガス雰囲気
下、以下の焼成温度条件で焼結して焼結体を得た。 室温〜1200℃: 20℃/分の速度で昇温 1200〜1950℃: 6℃/分の速度で昇温 1950℃ : 4時間保持 1950℃から炉冷
【0040】得られた焼結体を3×4×40mmに切り出
し、テストピースとした。このテストピースについて、
JIS R1601に準拠して室温及び1300℃における3点曲げ
試験を行った。1300℃における3点曲げ強度と室温にお
ける3点曲げ強度との比(σ1300/σRT)を表1に示
す。
【0041】また、実施例1及び比較例1のテストピー
スのそれぞれの破断面を研磨し、SEMにて組織を観察
した。実施例1のテストピースにおける電子顕微鏡写真
を図1(a) に、比較例1のテストピースにおける電子顕
微鏡写真を図1(b) に示す。図1からわかるように、実
施例1のテストピースでは緻密で微小な針状結晶のみが
みられ、長径が50μmを超すか、または短径が10μ
mを超すような大型の針状結晶粒を含まない。一方、比
較例1のテストピースでは長径が50μmを超すような
大きな針状結晶粒が見られる。
【0042】実施例3、4 実施例1で用いた窒化珪素粉末、Y2 3 粉末、及びSi
Nファイバーと、最大粒径1μmのHfO2 粉末(添川化
学(株)製)とを用い、表1に示す配合比で、実施例1
と同様の方法で混合し、やはり実施例1と同様にして成
形体を作製した。
【0043】上記の各成形体を、9気圧の窒素ガス雰囲
気下で、以下の焼成条件で焼結体を得た。 室温〜1200℃: 20℃/分の速度で昇温 1200〜1900℃: 6℃/分の速度で昇温 1900℃ : 4時間保持 1900℃から炉冷
【0044】この焼結体を実施例1と同様にして切り出
しテストピースとし、JIS R1601に準拠して、室温及び
1300℃における3点曲げ試験を行った。1300℃における
3点曲げ強度と室温における3点曲げ強度との比(σ
1300/σRT)を表1に示す。
【0045】 表1(1) SiN 例No. 窒化珪素 2 3 Al2 3 HfO2 ファイバー σ1300/σRT 実施例1 95.88 2.5 1.0 − 0.62 0.62 実施例2 93.4 2.5 1.0 − 3.1 0.789 実施例3 95.38 1.5 − 2.5 0.62 0.965 実施例4 92.9 1.5 − 2.5 3.1 0.811 比較例1 96.5 2.5 1.0 − − 0.58 表1注(1) :各成分の欄の数字は重量部である。
【0046】表1からわかるように、各実施例における
σ1300/σRTは、比較例1のそれよりも大きい値を示
す。すなわち、各実施例のテストピースは、比較例1の
テストピースに比べて高温での強度低下の割合が少な
い。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化珪素
焼結体は微小な針状組織(針状の結晶粒)を有する窒化
珪素粒子からなり、良好な高温強度を有する。
【0048】また、本発明の方法によれば、容易に微小
な針状組織を有する窒化珪素焼結体を製造することがで
きる。したがって、本発明の方法によれば、従来の窒化
珪素焼結体より高温強度に優れた焼結体とすることがで
き、窒化珪素焼結体の利用範囲を拡張することが可能と
なる。本発明の方法による窒化珪素焼結体は、高温高強
度用エンジニアリングセラミック部材として使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 、(b) ともに窒化珪素焼結体の粒子構造を
示す電子顕微鏡写真であり、(a) は実施例1におけるテ
ストピースの粒子構造を示しており、(b) は比較例1に
おけるテストピースの粒子構造を示している。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素と焼結助剤とを含有する成形体
    を焼結して得られる窒化珪素焼結体において、長径が5
    0μm以下であるとともに短径が10μm以下の針状の
    窒化珪素粒子からなる組織を有することを特徴とする窒
    化珪素焼結体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の窒化珪素焼結体におい
    て、前記焼結助剤がY2 3 、又はY2 3 と、Al2
    3 、Yb2 3 、HfO2 、Er2 3 及びCr2 3 からなる
    群から選ばれた1種又は2種以上とからなることを特徴
    とする窒化珪素焼結体。
  3. 【請求項3】 (a) 窒化珪素粉末と、(b) Y2 3 、又
    はY2 3 と、Al23 、Yb2 3 、HfO2 、Er2 3
    及びCr2 3 からなる群から選ばれた1種又は2種以上
    とからなる焼結助剤粉末と、(c) 非酸化物系プレセラミ
    ックポリマーを熱分解してなるセラミックファイバー又
    はセラミック粉末とから成形体を作製し、窒素含有雰囲
    気下、前記成形体を1850℃以上で焼成することを特
    徴とする窒化珪素焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の窒化珪素焼結体の製造
    方法において、前記セラミックファイバー又はセラミッ
    ク粉末の組成が、Si:45〜60重量%、N:5〜30
    重量%、C:5〜20重量%、O:1〜30重量%であ
    ることを特徴とする窒化珪素焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の窒化珪素焼結体の製造
    方法において、成分(a) 、(b) 及び(c) の合計100重
    量%に対して、(c) セラミックファイバー又はセラミッ
    ク粉末を0.5〜10重量%とすることを特徴とする窒
    化珪素焼結体の製造方法。
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JP4306430A Pending JPH06128040A (ja) 1992-10-20 1992-10-20 窒化珪素焼結体及びその製造方法

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JP (1) JPH06128040A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8131194B2 (en) 2008-03-21 2012-03-06 Fuji Xerox Co., Ltd. Image formation apparatus having a detected part in a recess in the belt

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