JPH06126948A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH06126948A
JPH06126948A JP28010492A JP28010492A JPH06126948A JP H06126948 A JPH06126948 A JP H06126948A JP 28010492 A JP28010492 A JP 28010492A JP 28010492 A JP28010492 A JP 28010492A JP H06126948 A JPH06126948 A JP H06126948A
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wiping
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suction
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喜一郎 高橋
Naoji Otsuka
尚次 大塚
Atsushi Arai
篤 新井
Kentaro Yano
健太郎 矢野
Osamu Iwasaki
督 岩崎
Hitoshi Nishigori
均 錦織
Daigoro Kanematsu
大五郎 兼松
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで小型化を維持し、高耐久性を実現
できる拭き部材のクリーニング機構の制御を提供する。 【構成】 記録ヘッドと表面のインクを掻き取る拭き手
段と、記録ヘッドの吸収回復手段と、拭き手段において
インク飛散の方向制御する手段と、インク飛散受け部材
を有するインクジェット記録装置であって、拭き手段を
複数回行うことをシーケンス制御する。 【効果】 吸収体等を用いないクリーニング機構で拭き
部材の清浄化を図り、高度な拭き性能を常時維持でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録ヘッドからインクを
吐出させて記録を行うインクジェット記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記
録装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板
等の被記録材上にドットパターンからなる画像を記録し
ていくように構成されている。
【0003】前記記録装置は、記録方式により、インク
ジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービ
ーム式等に分けることができ、そのうちのインクジェッ
ト式(インクジェット記録装置)は、記録ヘッドの吐出
口からインク(記録液)滴を吐出飛翔させ、これを被記
録材に付着させて記録するうように構成されている。
【0004】近年、数多くの記録装置が使用されるよう
になり、これらの記録装置に対して、高速記録、高解像
度、高画像品質、低騒音などが要求されている。このよ
うな要求に応える記録装置として、前記インクジェット
記録装置を挙げることができる。このインクジェット記
録装置では、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を
行うため、上記要求を満たすのにインク吐出の安定化、
インク吐出量の安定化が要求される。
【0005】このようなインクジェット記録ヘッドを具
備するインクジェット記録装置には、以下のような手段
でインク吐出の安定化が図られている。
【0006】記録ヘッドの吐出口からインクを吸引して
吐出不良を解消する吸引回復動作を行う際に使用するた
めや、吐出口に於けるインクの乾燥防止を図るために、
吐出口のキャッピングを行うキャップを設けている。ま
た、吐出するにしたがって、吐出口近傍に記録媒体から
跳ね返ってきたインクや吐出時に発生するミスト等が蓄
積してしまい、この蓄積したインクが吐出口につながっ
て不吐出やヨレ等の吐出不良を引き起こす場合がある。
これを防ぐために記録ヘッドの表面(フェイス面)をウ
レタンゴム等の拭き部材でワイピングすることにより、
表面のインクを掻き取っている。拭き部材の拭き性能は
材質や機械的な設定条件によるが、その性能を常時維持
するためには、拭き部材そのものの表面を清浄にしてお
く必要がある。その手段としては、拭き部材を吸収体等
に押し当ててワイピングで掻き取ったインクを吸収させ
るクリーニング機構が設けられていることが多い。しか
し、吸収体が容量以上のインクで満たされてしまうと、
クリーニングすることはできず、かえって拭き部材を汚
してしまい、正常な拭き性能を得ることはできず、ワイ
ピングで吐出不良を引き起こすことがある。そのため
に、吸収体の容量は本体の耐久性に応じて設定されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、本
体の高耐久化を考えた場合、前記のようなクリーニング
機構では吸収体を大容量化しなければならず、これはコ
ストアップ、装置の大型化になってしまう。よって、低
コストで小型化を維持でき、且つ高耐久性を実現できる
拭き部材のクリーニング機構の制御が必要になってく
る。
【0008】
【課題を解決する為の手段】前記課題を解決する為の手
段として、本発明では、インクジェット記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの表面のインクを掻き取る拭き手段と、
前記記録ヘッドからインクを強制的に排出させる吸引回
復手段とを有し、前記拭き手段により発生するインクの
飛散を所定のインク飛散受け部材内に収めるインクジェ
ット記録装置に於いて、前記吸引回復手段でインクを強
制的に排出させた後、前記拭き手段を複数回繰り返すイ
ンクジェット記録装置を提供する。これによって、従来
のような吸収体を有するクリーニング機構を用いらず
に、本発明の目的である低コスト、小型化を維持し、且
つ高耐久性のクリーニング機構の制御を行えるインクジ
ェット記録装置の提供を実現している。
【0009】
【実施例】以下、本発明のインクジェット記録装置に係
わる実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】図8乃至図12は、本発明が実施もしくは
適用される好適なインクジェットユニットIJU,イン
クジェットヘッドIJH,インクタンクIT,インクジ
ェットカートリッジIJC,インクジェット記録装置本
体IJRA,キャリッジHCの夫々及び夫々の関係を説
明するための説明図である。以下これらの図面を用いて
各部構成の説明を行う。
【0011】(i)装置本体の概略説明 図8は、本発明に適用されるインクジェット記録装置I
JRAの概観図の一例である。図において、駆動モータ
5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア501
1,5009を介して回転するリードスクリュー500
5の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCは
ピン(不図示)を有し、矢印a,b方向に往復移動され
る。このキャリッジHCには、インクジェットカートリ
ッジIJCが搭載されている。5002は紙押え板であ
り、キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテン500
0に対して押圧する。5007,5008はフォトカプ
ラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を
確認して、モータ5013の回転方向切換等を行うため
のホームポジション検知手段である。5016は記録ヘ
ッドの前面をキャップするキャップ部材5022を支持
する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引
手段でキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸
引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5
019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材
であり、本体支持板5018にこれらは支持されてい
る。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブ
レードが本例に適用できることはいうまでもない。50
24は温度又は湿度センサーであり、インクジェット記
録装置のおかれている温湿度を検出することができる。
また、インク記録ヘッドの温度を予測することも可能と
なる。これはインクジェットカートリッジIJCに取り
付けられていても良く、直接インクジェットユニットI
JUに取り付けて検知しても良い。
【0012】又、5021は、吸引回復の吸引を開始す
るためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020
の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラ
ッチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0013】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。
【0014】本例でのインクジェットカートリッジIJ
Cは、図10の斜視図でわかるように、インクの収納割
合が大きくなっているもので、インクタンクITの前方
面よりもわずかにインクジェットユニットIJUの先端
部が突出した形状である。このインクジェットカートリ
ッジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRAに
載置されているキャリッジHCの後述する位置決め手
段、及び電気的接点とによって固定支持されると共に、
該キャリッジHCに対して着脱可能なタイプである。
【0015】(ii)インクジェットユニットIJU構
成説明 インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜
沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギー
を生成する電気熱変換体を用いて記録を行う方式のユニ
ットである。
【0016】図9において、100はSi基板上に複数
の列状に配された電気熱変換体(吐出ヒータ)と、これ
に電力を供給するアルミ等の電気配線とが成膜技術によ
り形成されて成るヒータボードである。200はヒータ
ボード100に対する配線基板であり、ヒータボード1
00の配線に対応する配線(例えばワイヤボンディング
により接続される)と、この配線の端部に位置し本体装
置からの電気信号を受けるパッド201とを有してい
る。
【0017】1300は複数のインク流路を夫々区分す
るための隔壁や共通液室等を設けた溝付天板で、インク
タンクから供給されるインクを受けて共通液室へ導入す
るインク受け口1500と、吐出口を複数有するオリフ
ィスプレート400を一体成型したものである。これら
の一体成型材料としてはポリサルフォンが好ましいが、
他の成型用樹脂材料でも良い。
【0018】300は配線基板200の裏面を平面で支
持する例えば金属製の支持体で、インクジェットユニッ
トの底板となる。500は押えばねであり、M字形状で
そのM字の中央で共通液室を押圧すると共に前だれ部5
01で液路の一部を線圧で押圧する。ヒータボード10
0および天板1300を押えばねの足部が支持体300
の穴3121を通って支持体300の裏面側に係合する
ことで、これらを挟み込んだ状態で両者を係合させるこ
とにより、押えばね500とその前だれ部501の付勢
力によってヒータボード100と天板1300とを圧着
固定する。又、支持体300は、インクタンクITの2
つの位置決め凸起1012及び位置決め且つ熱融着保持
用凸起1800,1801に係合する位置決め用穴31
2,1900,2000を有する他、装置本体IJRA
のキャリッジHCに対する位置決め用の突起2500,
2600を裏面側に有している。加えて支持体300は
インクタンクからのインク供給を可能とするインク供給
管2200(後述)を貫通可能にする穴320をも有し
ている。支持体300に対する配線基板200の取付け
は、接着剤等で貼付して行われる。尚、支持体300の
凹部2400,2401は、それぞれ位置決め用突起2
500,2600の近傍に設けられており、組立てられ
たインクジェットカートリッジIJC(図10)におい
て、その周囲の3辺を平行溝3000,3001の複数
で形成されたヘッド先端域の延長点にあって、ゴミやイ
ンク等の不要物が突起2500,2600に至ることが
ないように位置している。この平行溝3000が形成さ
れている。蓋部材800は、図10でわかるように、イ
ンクジェットカートリッジIJCの外壁を形成すると共
に、インクジェットユニットIJUを収納する空間部を
形成している。又、この平行溝3001が形成されてい
るインク供給部材600は、前述したインク供給管22
00に連続するインク導管1600を供給管2200側
が固定の片持ちばりとして形成し、インク導管の固定側
とインク供給管2200との毛管現象を確保するための
封止ピン602が挿入されている。尚、601はインク
タンクITと供給管2200との結合シールを行うパッ
キン、700は供給管のタンク側端部に設けられたフィ
ルターである。
【0019】このインク供給部材600は、モールド成
型されているので、安価で位置精度が高く形成製造上の
精度低下を無くしているだけでなく、片持ちばりの導管
1600によって大量生産時においても導管1600の
上述インク受け口1500に対する圧接状態が安定化で
きる。本例では、この圧接状態下で封止用接着剤をイン
ク供給部材側から流し込むだけで、完全な連通状態を確
実に得ることができている。尚、インク供給部材600
の支持体300に対する固定は、支持体300の穴19
01,1902に対するインク供給部材600の裏面側
ピン(不図示)を支持体300の穴1901,1902
を介して貫通突出せしめ、支持体300の裏面側に突出
した部分を熱融着することで簡単に行われる。尚、この
熱融着された裏面部のわずかな突出領域は、インクタン
クITのインクジェットユニットIJU取付面側壁面の
くぼみ(不図示)内に収められるのでユニットIJUの
位置決め面は正確に得られる。
【0020】(iii)インクタンクIT構成説明 インクタンクは、カートリッジ本体1000と、インク
吸収体900とインク吸収体900をカートリッジ本体
1000の上記ユニットIJU取付面とは反対側の側面
から挿入した後、これを封止する蓋部材1100とで構
成されている。900はインクを含浸させるための吸収
体であり、カートリッジ本体1000内に配置される。
1200は上記各部100〜600からなるユニットI
JUに対してインクを供給するための供給口であると共
に、当該ユニットをカートリッジ本体1000の部分1
010に配置する前の工程で供給口1200よりインク
を注入することにより吸収体900のインク含浸を行う
ための注入口でもある。
【0021】この本例では、インクを供給可能な部分
は、大気連通口とこの供給口とになるが、インク吸収体
からのインク供給性を良好に行うための本体1000内
リブ2300と蓋部材1100の部分リブ2301,2
302とによって形成されたタンク内空気存在領域を、
大気連通口1401側から連続させてインク供給口12
00から最も遠い角部域にわたって形成している構成を
とっているので、相対的に良好かつ均一な吸収体へのイ
ンク供給は、この供給口1200側から行われることが
重要である。この方法は実用上極めて有効である。この
リブ2300は、インクタンクの本体1000の後方面
において、キャリッジ移動方向に平行なリブを複数本有
し、吸収体が後方面に密着することを防止している。
又、部分リブ2301,2302は、同様にリブ230
0に対して対応する延長上にある蓋部材1100の内面
に設けられているが、リブ2300とは異なり分割され
た状態となっていて空気の存在空間を前者より増加させ
ている。尚、部分リブ2301,2302は蓋部材11
00の全面積の半分以下の面に分散された形となってい
る。これらのリブによってインク吸収体のタンク供給口
1200から最も遠い角部の領域のインクをより安定さ
せつつも確実に供給口1200側へ毛管力で導くことが
できた。1401はカートリッジ内部を大気に連通する
ために蓋部材に設けた大気連通口である。1400は大
気連通口1401の内方に配置される撥液材であり、こ
れにより大気連通口1401からのインク漏洩が防止さ
れる。
【0022】前述したインクタンクITのインク収容空
間は長方体形状であり、その長辺を側面にもつ場合であ
るので上述したリブの配置構成は特に有効であるが、キ
ャリッジの移動方向に長辺を持つ場合又は立方体の場合
は、蓋部材1100の全体にリブを設けるようにするこ
とでインク吸収体900からのインク供給を安定化でき
る。
【0023】又、インクタンクITの上記ユニットIJ
Uの取付面の構成は図11によって示されている。オリ
フィスプレート400の突出口のほぼ中心を通って、タ
ンクITの底面もしくはキャリッジの表面の載置基準面
に平行な直線をL1とすると、支持体300の穴312
に係合する2つの位置決め凸起1012はこの直線L1
上にある。この凸起1012の高さは支持体300の厚
みよりわずかに低く、支持体300の位置決めを行う。
この図面上で直線L1の延長上には、キャリッジの位置
決め用フック4001の90°角の係合面4002が係
合する爪2100が位置しており、キャリッジに対する
位置決めの作用力がこの直線L1を含む上記基準面に平
行な面領域で作用するように構成されている。図12で
後述するが、これらの関係は、インクタンクのみの位置
決めの精度がヘッドの吐出口の位置決め精度と同等とな
るので有効な構成となる。
【0024】又、支持体300のインクタンク側面への
固定用穴1900,2000に夫々対応するインクタン
クの突起1800,1801は前述の凸起1012より
も長く、支持体300を貫通して突出した部分を熱融着
して支持体300をその側面に固定するためのものであ
る。上述の線L1に垂直でこの突起1800を通る直線
をL3、突起1801を通る直線をL2としたとき、直
線L3上には上記供給口1200のほぼ中心が位置する
ので、供給部の口1200と供給管2200との結合状
態を安定化する作用をし、落下や衝撃によってもこれら
の結合状態への負荷を軽減できるので好ましい構成であ
る。又、直線L2,L3は一致していず、ヘッドIJH
の吐出口側の凸起1012周辺に突起1800、180
1が存在しているので、さらにヘッドIJHのタンクに
対する位置決めの補強効果を生んでいる。尚、L4で示
される曲線は、インク供給部材600の装着時の外壁位
置である。突起1800,1801はその曲線L4に沿
っているので、ヘッドIJHの先端側構成の重量に対し
ても充分な強度と位置精度を与えている。尚、2700
はインクタンクITの先端ツバで、キャリッジの前板4
000の穴に挿入されて、インクタンクの変位が極端に
悪くなるような異変時に対して設けられている。210
1は、キャリッジHCとのさらなる位置決め部との係合
部である。
【0025】インクタンクITは、ユニットIJUを装
着された後に蓋800で覆うことで、ユニットIJUを
下方開口を除いて包囲する形状となるが、インクジェッ
トカートリッジIJCとしては、キャリッジHCに載置
するための下方開口はキャリッジHCと近接するため、
実質的な4方包囲空間を形成してしまう。従って、この
包囲空間内にあるヘッドIJHからの発熱はこの空間内
の保温空間として有効となるものの長期連続使用として
は、わずかな昇温となる。このため本例では、支持体の
自然放熱を助けるためにカートリッジIJCの上方面
に、この空間よりは小さい幅のスリット1700を設け
て、昇温を防止しつつもユニットIJU全体の温度分布
の均一化を環境に左右されないようにすることができ
た。
【0026】インクジェットカートリッジIJCとして
組立てられると、インクはカートリッジ内部より供給口
1200、支持体300に設けた穴320および供給タ
ンク600の中裏面側に設けた導入口を介して供給タン
ク600内に供給され、その内部を通った後、導出口よ
り適宜の供給管および天板400のインク導入口150
0を介して共通液室内へと流入する。以上におけるイン
ク連通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチルゴ
ム等のパッキンが配設され、これによって封止が行われ
てインク供給路が確保される。
【0027】尚、本実施例においては天板1300は耐
インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレンなど
の樹脂を用い、オリフィスプレート部400と共に金型
内で一体に同時成型してある。
【0028】上述のように一体成型部品は、インク供給
部材600、天板・オリフィスプレート一体、インクタ
ンク本体1000としたので組立て精度が高水準になる
ばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効であ
る。又部品点数の個数は従来に比較して減少できている
ので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
【0029】(iv)キャリッジHCに対するインクジ
ェットカートリッジIJCの取付説明 図12において、5000はプラテンローラで、記録媒
体Pを紙面下方から上方へ案内する。キャリッジHC
は、プラテンローラ3000に沿って移動するもので、
キャリッジの前方プラテン側にインクジェットカートリ
ッジIJCの前面側に位置する前板4000(厚さ2m
m)と、カートリッジIJCの配線基板200のパッド
201に対応するパッド2011を具備したフレキシブ
ルシート4005、及びこれを裏面側から各パッド20
11に対して押圧する弾性力を発生するためのゴムパッ
ド4006を保持する電気接続部用支持板4003と、
インクジェットカートリッジIJCを記録位置へ固定す
るための位置決め用フック4001とが設けられてい
る。前板4000は位置決め用突出面410をカートリ
ッジの支持体300の前述した位置決め突起2500,
2600に夫々対応して2個有し、カートリッジの装着
後はこの突出面4010に向う垂直な力を受ける。この
ため、補強用のリブが前板のプラテンローラ側に、その
垂直な力の方向に向っているリブ(不図示)を複数有し
ている。このリブは、カートリッジIJC装着時の前面
位置L5よりもわずかに(約0.1mm程度)プラテン
ローラ側に突出しているヘッド保護用突出部をも形成し
ている。電気接続部用支持板4003は、補強用リブ4
004を前記リブの方向ではなく垂直方向に複数有し、
プラテン側からフック4001側に向って側方への突出
割合が減じられている。これは、カートリッジ装着時の
位置を図のように傾斜させるための機能も果している。
又、支持板4003は電気的接触状態を安定化するた
め、プラテン側の位置決め面4008とフック側の位置
決め面4007を有し、これらの間にパッドコンタクト
域を形成すると共にパッド2011対応のボッチ付ゴム
シート4006の変形量を一義的に規定する。これらの
位置決め面は、カートリッジIJCが記録可能な位置に
固定されると、配線基板300の表面に当接した状態と
なる。本例では、さらに配線基板300のパッド201
を前述した線L1に関して対称となるように分布させて
いるので、ゴムシート4006の各ボッチの変形量を均
一化してパッド2011,201の当接圧をより安定化
している。本例のパッド201の分布は、上方,下方2
列、縦2列である。
【0030】フック4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0に沿って左方側へ移動することでキャリッジHCに対
するインクジェットカートリッジIJCの位置決めを行
う。このフック4001の移動はどのようなものでも良
いが、レバー等で行える構成が好ましい。いずれにして
もこのフック4001の回動時にカートリッジIJCは
プラテンローラ側へ移動しつつ位置決め突起2500,
2600が前板の位置決め面4010に当接可能な位置
へ移動し、フック4001の左方側移動によって90°
のフック面4002がカートリッジIJCの爪2100
の90°面に密着しつつカートリッジIJCを位置決め
面2500,4010同志の接触域を中心に水平面内で
旋回して最終的にパッド201,2011同志の接触が
始まる。そしてフック4001が所定位置、即ち固定位
置に保持されると、パッド201,2011同志の完全
接触状態と、位置決め面2500,4010同志の完全
面接触と、90度面4002と爪の90度面の2面接触
と、配線基板300と位置決め面4007,4008と
の面接触とが同時に形成されてキャリッジに対するカー
トリッジIJCの保持が完了する。
【0031】このような装置を用いて以下に本発明での
具体的な実施例を示す。
【0032】(実施例1)次に本発明が実施される具体
的な実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0033】図1は本発明を最も良く表しているワイピ
ング制御シーケンスを示している。装置の電源ON時、
印字開始時等のタイミングで吸引チェックを行う。前回
吸引回復時から72時間(3日)以上経過している場合
に記録ヘッドの吸引回復を行い、記録ヘッド内に蓄積し
ている気泡や記録ヘッド表面、特に吐出ノズル近傍に堆
積している増粘インク、異物等を取り除く。次に空吸引
を行い、記録ヘッド表面に残っているインク滴及びキャ
ップ内吸収体中のインクを除去する。ここでタイマーを
リセットして次回吸引に備える。次にワイピングを行
い、記録ヘッド表面のインク滴を掻き取る。通常の表面
状態であれば、1度のワイピングで充分な拭き性能を得
て、且つ後述するが一連のワイピング動作によって拭き
部材上のインク滴を飛散させるクリーニング効果もあ
る。しかしながら、吸引回復を行った直後は記録ヘッド
表面のインク滴の量が多く、拭き部材の先端でインクの
すり抜けやノズルからの引き出しを引き起こしてしま
い、このような状態で印字を行えば印字不良の原因とな
ってしまう場合がある。更に拭き部材上のインク滴も充
分に飛散させることができずに残ってしまい、次回ワイ
ピングの拭き性能を低下させてしまう。これを防止する
ためにワイピング後にワイパークリーニングを行ってい
る。ワイパークリーニングの動作は通常のワイピング動
作と全く同様である。拭き部材の残りインク滴の除去を
目的として行っているが、記録ヘッド表面のインク滴の
除去性能も持ち合わせている。1度目のワイピングで記
録ヘッド表面のインク滴の除去を行い、ワイパークリー
ニングと称している2回目以降のワイピング動作で初回
のワイピングでは不十分であったインク滴の除去を再度
行うと共に拭き部材のインク滴の除去も行う。拭き部材
のインク滴の除去は初回のワイピングでも行っている
が、ワイパークリーニングでより確実に拭き部材の清浄
性を向上させている。
【0034】本実施例は吸引チェック時の吸引回復につ
いて記述しているが、ユーザーによるマニュアル吸引が
行われた場合も全く同じ制御を行っている。吸引回復が
行われて記録ヘッド表面のインク滴が多いと想定される
場合にこの複数ワイピングシーケンスが行われる。その
他の場合は通常のワイピング1回のみである。これは単
にワイピング時に常時ワイパークリーニングを行ってし
まうと、ワイパークリーニングを含めたワイピング回数
が2倍になってしまい、拭き部材の耐久性を維持するこ
とが困難になってくる。本実施例では吸引回復後のみに
ワイパークリーニングを行っており、拭き部材の耐久性
を維持しつつ、拭き部材の清浄性も維持している。
【0035】次に図2にブレード(拭き部材)3、イン
ク飛散受け部材1等から成るワイピング手段の構成図を
示す。記録ヘッド10の表面(フェイス面)をウレタン
ゴム等のブレード3でワイピングして、表面のインクを
掻き取り、記録ヘッドから離れる際のブレードの弾性力
で、ブレード上のインク滴をインク飛散受け部材1に目
掛けて飛ばしている。インク飛散受け部材1はインク飛
散方向(矢印A方向)に設置されており、インク飛散が
本体内部に広がらないようにしている。これは本体内部
の汚れを防止し、視覚的な清浄感を維持するのに有効で
あるばかりか、記録ヘッド交換時等にユーザーの手を汚
してしまう等の弊害を防止している。インク飛散受け部
材1内に着弾したインク滴は重力方向に流れ、排インク
スロープ2に沿って排インク収集部7へと流れ込む。ブ
レードユニットとインク飛散受け部材1の間に設けられ
たキャップ5及びシリンダポンプ6によって記録ヘッド
を吸引回復した際に生じた排インクもシリンダポンプ6
から重力方向に排出され、排インク収集部7へと流れ込
む。排インク収集部7はそれぞれ独自で保有するのでは
なく、排インク収集部の入り口を共通にして、吸収体へ
連結している構成を用いている。吸収体はインクジェッ
ト記録装置本体の底面等に配し、極力無駄な空間を無く
すようにする。排インク収集部を単一化することでコス
トアップを防ぎ、装置本体の底面等を利用して装置の大
型化を防いでいる。
【0036】図3にブレード3の弾性力でインク飛散の
方向(矢印A方向)を制御し、インク飛散受け部材1内
に飛ばしている状態を示す構成図を示す。本実施例では
記録ヘッド10への侵入量(当接面からの距離)を左右
で変えることで、インク飛散の方向性を制御している。
記録ヘッドへ当接している量が大きいほど、記録ヘッド
から離れる際のタイミングが遅くなり、離れる状態はブ
レードの片側、侵入量の大きい方だけが記録ヘッドに当
接している。このようなワイピングでは遅く離れた側に
インク飛散が飛ぶようになり、通常の左右同じ侵入量で
ワイピングした場合のインク飛散の広がりより、方向性
を持たせることができる。このようにして、インク飛散
を方向制御してインク飛散受け部材1内に収めている。
本実施例では記録ヘッド10への侵入量でインク飛散の
方向制御を行っているが、ブレードの左右で当接するタ
イミングをずらして方向制御することもできる。更に
は、ブレード材の性質を左右で変えて、例えば、左右で
厚みを変えたり、傾斜機能を持たせて左右で硬度を変え
たりすることでもインク飛散の方向制御は可能である。
以上のようなインク飛散の方向制御して所定の位置にイ
ンク飛散を集める方法は、静電的にインク滴、特にイン
クミストを集める方法に比べて、コスト的にかなり有利
であり、製品に於ける実施系に向いている。
【0037】ブレード3が記録ヘッド10に当接してい
る際の状態は図4の構成図が示している。記録ヘッド1
0に当接しているブレード3は図に示すように湾曲して
おり、このブレードのたわみによる弾性力でインク滴を
飛散させている。ブレードのたわみ量はブレード3の材
質、記録ヘッド10への侵入量、ブレードの自由長等で
決定される。また、記録ヘッドのフェイス面の拭き性は
ワイピング速度、当接角、当接圧の3要素に依存してい
る。本実施例ではワイピング速度は150mm/se
c、当接角は約30〜50°前後、当接圧は約8〜10
g/cm程度に設定している。ブレード3が記録ヘッド
10から離れる際は速度を1/5程度に減速してインク
滴が飛散し過ぎないようにし、インク飛散がインク飛散
受け部材1内に必ず入るようにしている。これにより充
分な拭き性能は得られるが、ブレード3の当接面が正常
でなかった場合、例えば、ゴミがあったり、極端な増粘
インクが付着してしまったり、また前回のワイピングの
際のインク飛散が充分でなく、インク滴が残ってしまっ
ていると拭き性能は低下してしまう。したがって、常時
安定した拭き性能を得るために、ワイピング時にはブレ
ード3の当接面は清浄な状態にしておく必要がある。そ
の手段として本実施例ではアルミベースプレート10b
にブレード3を擦り付けて、インクを充分に掻き取って
から記録ヘッド10のノズル部をワイピングする様にし
ている。図5にブレード3がアルミベースプレート10
bに当接している状態の構成図を示す。ブレード3上に
残っているインク滴12をアルミベースプレート10b
に擦り付け、特にエッジ部で掻き取るようにしている。
この掻き取り性能はアルミベースプレート10bの状態
により、インク滴12等が無いほど高い掻き取り性を得
ることができる。記録ヘッド10に注入されているイン
ク量により、印字できる枚数が決まるが、5%程度の印
字dutyならば、400〜500枚印字できる。よっ
て、ひとつの記録ヘッド10に於いてこの枚数を印字す
る間の掻き取り性を保持すれば良い。吐出するインクが
無くなると記録ヘッドは新しいものに交換され、アルミ
ベースプレートも新しいものになる。以上のようなブレ
ード3のクリーニングの構成を用いることで、本体の高
耐久性に応じたワイピング機構を実現している。
【0038】本実施例では従来のような吸収体等を用い
ずに、拭き部材のクリーニングをブレードの弾性力によ
るインク飛散受け部材への打ち込みと記録ヘッドのアル
ミベースプレートへの擦り付けで行っているため、吸引
回復時等の記録ヘッド表面の残りインクが多い場合にク
リーニング性能が低下してしまう。常時ブレードの清浄
性、記録ヘッド表面の拭き性を維持するためにワイパー
クリーニングを複数回行っている。
【0039】以上説明してきたように、ワイピングの際
のブレードの弾性力でインク飛散させるワイピング機構
に於いて、ワイパークリーニングをタイミング良く行う
ことで、高耐久性を実現できるブレードのクリーニング
機構を有し、高度な拭き性能を維持できるワイピングが
可能となる。
【0040】(実施例2)本実施例では1度目のワイピ
ングに於けるブレード3の記録ヘッド10への左右の侵
入量差と2度目以降のワイパークリーニングに於ける左
右の侵入量差とを異なるものとする場合について説明す
る。
【0041】吸引回復が行われた直後の記録ヘッド10
の表面は残りインクが多く、ワイピングでインク飛散さ
せる場合には左右の侵入量差による方向制御が必須であ
り、大量のインク滴をインク飛散受け部材1内に飛ばし
ている。記録ヘッド10の表面の大きなインク滴及びブ
レード3上にインク滴を取り除くことを主な目的として
行う。侵入量は左右で0.4mm程度異なるようにし
て、全体的に浅い侵入量(本実施例では0.7〜0.3
mm)とし、ブレード3の当接角度が高角になることか
らノズルからの引き出しが考えられるが、表面の大きな
インク滴の除去を重視し、微小のインク滴は残っても良
いとする。
【0042】2度目以降のワイパークリーニングに於い
ては記録ヘッド10の表面の清浄性を重視して、ノズル
部全領域で拭き性が充分に良くなる様な侵入量設定とし
た。本実施例では侵入量:1.0mm程度としている。
1度目のワイピングで拭き切れなかったインク滴を完全
に拭き取り、記録ヘッド10の表面の清浄化を図る。図
6に侵入量を変化させる状態の構成図を示す。ブレード
3を保持しているブレードホルダー4を支持している部
分を回転中心として、ブレードホルダー4を上下させ
て、侵入量を変化させている。侵入量は記録ヘッド10
の基準面に突起部(突き当て部11)を突き当てること
により精度を確保しているが、突き出し量を管理するこ
とで、ブレード3の記録ヘッド10への位置精度をだし
ている。従って、突き出し量を制御することで、侵入量
を確実に精度良く設定することができる。
【0043】本実施例は記録ヘッド10の表面及びブレ
ード3上のインク滴が充分に少ない状態で初めて左右侵
入量差無しで拭き性重視のワイパークリーニングが行え
る。それまでは方向制御してインク飛散受け部材にイン
ク飛散させながら、インク滴の絶対量を減らし、インク
飛散受け部材へのインク飛散を考慮しなくても良い状態
になるまで行う。侵入量を切り換えるタイミングは予め
本体で設定してもよいが、環境温度や使用状況に応じて
タイミングを変化させても良い。
【0044】以上説明してきたように記録ヘッド10へ
のブレード3の侵入量を適時変化させ、左右の侵入量差
を制御し、インク飛散性重視とインク滴拭き性重視のワ
イピングまたはワイパークリーニングを行うことが可能
となる。
【0045】(実施例3)本実施例ではワイパークリー
ニング回数を環境温度で制御した場合について説明す
る。
【0046】本実施例は図1に於けるワイパークリーニ
ング回数を固定設定とするのではなく、環境温度により
変化させる。高温環境ではインクは同じ吸引回復動作に
対して移動量が大きく、その分だけ吸引回復後の記録ヘ
ッド10の表面にインク滴が残る確率が高くなる。よっ
てワイパークリーニング回数を多くする必要がある。ま
た、逆に低温環境ではインクは動き難くなるので残って
いるインク滴量は少なく、ワイパークリーニング回数を
少なくすることができる。更に低温ではブレード3の硬
度が増すので、同じ侵入量でも弾性力が上昇し、飛散す
るインク量も多くなるので、より少ない回数でワイパー
クリーニングを行える。表1に具体的な環境温度に応じ
たワイパークリーニング回数の一例を示す。15℃以下
の低温では1回だけワイパークリーニングを行い、常温
(23℃)付近では2回行い、温度が上がって行くに従
って回数を増やしている。しかしながら、ブレードの耐
久性を維持するため極端に回数を増やすことはできない
ので、最高でも4回としている。以上説明してきたよう
に、環境温度に最適なワイパークリーニング回数を設定
することが可能となり、より確実なワイパークリーニン
グ制御を行うことができる。本実施例は装置本体に設置
されている温度サーミスタで検知している。
【0047】
【表1】
【0048】(実施例4)本実施例では吸引回復時以外
にワイパークリーニングを行う場合について説明する。
【0049】標準的な使用を行っていれば吸引回復時以
上に記録ヘッド表面にインク滴が蓄積することはない
が、高温環境下で極端に高dutyの印字が行われた場
合には吸引回復時以上に表面にインク滴が付着してしま
うことが想定される。本実施例は環境温度及び印字ドッ
ト数に応じてワイピング動作時後にワイパークリーニン
グを行う。環境温度は本体に設置されている温度サーミ
スタで検知して、印字ドット数は前回ワイピング終了時
から本体のRAM等に随時書き込みながら印字を行い、
ワイピングが行われた場合にリセットして再度カウント
するようにしている。表2に環境温度及び印字duty
のカウント数に応じたワイパークリーニング回数の一例
を示す。ワイピングが行われた場合に、このテーブルを
みて、ワイパークリーニングを行うか、また行うなら何
回かを設定する。この制御を行うことにより、濡れイン
クによる印字不良の発生率を低減することができる。ま
た、高duty印字時、特にベタ印字の印字不良を低減
させるのに有効である。
【0050】以上説明してきたように本実施例では吸引
回復時以外の記録ヘッド表面の残りインク量が多いと想
定される場合に、ワイパークリーニングを最適なタイミ
ング及び最適回数で行うことを可能としている。
【0051】
【表2】
【0052】(実施例5)本実施例ではブレード3に増
粘インクが付着してしまった場合に行うワイパークリー
ニングについて説明する。
【0053】ブレード3は常時清浄性が保持されていな
ければ、高度な拭き性を維持することはできない。しか
し、インク滴がブレード3に付着してしまったまま、長
期放置や極めて低湿環境下での放置が行われてしまった
場合に、インク滴はブレード3上で増粘または固着して
しまう。この状態のままでワイピングを行ってしまうと
ワイピングに起因する印字不良を引き起こしてしまう。
これを防止するために本実施例は加熱ワイパークリーニ
ングを行う。上記の放置が行われた場合を想定し、着荷
時またはユーザー判断で行う。加熱は記録ヘッド10の
吐出ヒータによる短パルス加熱またはサブヒータによる
加熱で行い、図1のシーケンスに於いて、ワイピングが
行われた時点から加熱を始め、ワイパークリーニングが
行われる前に図7に示すようにブレード3をアルミベー
スプレート10bに接触させて充分に熱を増粘及び固着
インクに伝導させてからワイパークリーニングを行う。
これによりブレード3に付着した増粘及び固着インクを
確実に取り除くことができる。このモードは加熱に要す
る電力及び時間が大きいので、着荷時またはユーザー判
断に限定して行う。
【0054】また、このモードが行われた場合にはノズ
ル内に増粘インクを塗り込んでしまう場合があるので通
常のワイピング後の予備吐出より多くする必要がある。
通常50発程度であるが、本モード時には200発程度
を要する。
【0055】更にノズル内に増粘インクを引き込まない
ようにするために本モード時には予備吐出を行いながら
ワイピングを行うことも有利であり、より確実に行うた
めに低周波数で駆動することが好ましい。
【0056】以上してきたように吐出ヒータまたはサブ
ヒータでアルミベースプレート10bを加熱してブレー
ド3に熱伝導させて増粘及び固着インクを取り除き易い
状態にしておいてワイパークリーニングを行うことで、
ブレード3の清浄性を保持し、高度な拭き性を維持する
ことが可能となる。
【0057】
【発明の効果】本発明は、吸引回復後等の記録ヘッド表
面にインク滴が多く残っている場合に行われるワイピン
グに於いて、ワイピング直後にワイパークリーニングを
行うことにより、吸収体等を用いないクリーニング機構
で拭き部材の清浄化を図り、耐久性に優れたクリーニン
グ機構を有した、高度な拭き性能のワイピングを常時維
持することを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本概念を説明するインクジェット記
録装置における吸引回復動作時のワイピング及びクリー
ニングの制御シーケンスを示している。
【図2】本発明に於けるインクジェット記録装置のワイ
ピングの構成図である。
【図3】インク飛散を方向制御してインク飛散受け部材
内にインク飛散を着弾させるワイピングの構成図であ
る。
【図4】ブレードが記録ヘッドに当接している状態を表
す構成図である。
【図5】ブレードが記録ヘッドのアルミベースプレート
に当接している状態を表す構成図である。
【図6】記録ヘッドへの侵入量を変化させることのでき
るブレードの構成図である。
【図7】記録ヘッドを用いてアルミベースプレートを介
してブレードを加熱することができるワイピングの構成
図である。
【図8】本発明が適用されるインクジェット記録装置本
体を示す説明図である。
【図9】インクジェットカートリッジを示す分解斜視図
である。
【図10】インクジェットカートリッジを示す斜視図で
ある。
【図11】インクジェットカートリッジ一部を詳細に説
明する図である。
【図12】インクジェットカートリッジの取付を説明す
る図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/185 8306−2C B41J 3/04 102 R (72)発明者 矢野 健太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 岩崎 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 錦織 均 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 兼松 大五郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッドと、前記記録
    ヘッドの表面のインクを掻き取る拭き手段と、前記記録
    ヘッドからインクを強制的に排出させる吸引回復手段と
    を有し、前記拭き手段により発生するインクの飛散を所
    定のインク飛散受け部材内に収めるインクジェット記録
    装置に於いて、 前記吸引回復手段でインクを強制的に排出させた後、 前記拭き手段を複数回繰り返すことを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記拭き手段は、前記記録ヘッドへの侵
    入量を変化させることを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 環境温度を検知する手段を有し、前記拭
    き手段回数を環境温度に応じて制御することを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記拭き手段に用いる拭き部材を加熱す
    る手段を有し、拭き部材を加熱することを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 インクジェット記録ヘッドと、前記記録
    ヘッドの表面のインクを掻き取る拭き手段と、環境温度
    を検知する手段と、印字ドット数をカウントする手段と
    を有し、前記拭き手段により発生するインクの飛散を所
    定のインク飛散受け部材内に収めるインクジェット記録
    装置に於いて、 前記拭き手段を行う回数を環境温度及び印字ドット数に
    応じて制御することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記拭き手段に用いる拭き部材を加熱す
    る手段を有し、拭き部材を加熱することを特徴とする請
    求項5に記載のインクジェット記録装置。
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