JP2006218789A - 液体噴射装置および液体噴射装置のクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターゲット29に対して液体を噴射する液体噴射ヘッド30と、液体噴射ヘッド30のノズル開口31から液体を排出して液体噴射ヘッド30をクリーニングするクリーニング手段と、クリーニングの後に、ノズル開口31が設けられたノズル開口形成面30aを払拭するワイピング部材と、ワイピング部材23がノズル開口形成面30aを払拭するときの、ノズル開口形成面30aに対して垂直方向の干渉量G1を調整する干渉量調整手段32と、を有する液体噴射装置10であって、ノズル開口形成面30aとワイピング部材23との干渉量G1を、前記クリーニングの都度変更する干渉量変更手段と、を有する。
【選択図】図4
Description
このインクジェット式記録装置は例えば、記録動作時において、記録ヘッドが記録媒体と近接するために、インク滴が記録媒体と衝突した際に発生するインクの飛び散りが記録ヘッドのノズルプレート面に跳ね返りノズルプレート面を汚染し、ノズルの目詰まりを生じることがある。
また、記録ヘッド中のインク粘度が増加することによって、ノズルの目詰まりが生じる場合もある。
この吸引動作の後にノズルプレート面にインクが残留することがある。このようなノズルプレート面のインクの残留は、記録媒体の繊維や塵埃の付着を招き、ノズルの目詰まりの原因となったり、インクの吐出不良や吐出時のインク滴の飛行曲がり等の悪影響を及ぼすことがあった。
このため、吸引動作終了後に、ノズルプレート面のインクをワイパーによって拭き取って除去する(払拭する)ワイピングが行われる。
これに対して、クリーニング時に、上述の干渉量が適切な状態であるか否かを判断し、適切な状態でない場合には、干渉量を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
同様に、ワイピング時の、ノズルプレート面とワイパーとの相対速度(以下、拭き取り速度と呼ぶ)についても、適切な拭き取り速度を一様に決めると、異なる拭き取り速度による異なる効果を享受することができない場合があるという問題がある。
そこで本発明は上記問題を解消し、ワイピングにおける複数の種類の干渉量及び複数の種類の拭き取り速度の少なくとも一方について、それぞれの効果を享受することができる液体噴射装置および液体噴射装置のクリーニング方法を提供することを目的としている。
この点、前記液体噴射装置は、前記干渉量変更手段によって、前記干渉量を、前記クリーニングの都度変更することができるから、ワイピングにおける複数の種類の干渉量について、それぞれの効果を享受することができる。
この点、前記液体噴射装置は、前記相対速度変更手段によって、前記前記ノズル開口形成面と前記ワイピング部材との相対速度を、前記クリーニングの都度変更することができるから、ワイピングにおける複数の種類の拭き取り速度について、それぞれの効果を享受することができる。
図1は、本発明の液体噴射装置の実施形態であるインクジェット式記録装置10を示す概略図である。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、インクジェットプリンタとも呼んでいる。インクジェット式記録装置10は、本体部1を有している。この本体部1は、ガイドレール17、プラテン12、キャリッジ14、インク吸引装置20、記録ヘッド30を備えている。記録ヘッド30は、液体を噴射する液体噴射ヘッドの一例であり、印刷ヘッドとも言う。プラテン12は、ターゲットの一例である用紙29を案内する案内部材の一例である。
吸引ポンプ19は、インク吸引装置20を構成する一構成要素である。
この他に、インク吸引装置20の横には、ワイパー23が設けられている。このワイパー23はワイピング部材の一例であり、上述のクリーニングの後に必要に応じて記録ヘッド30のノズルプレート面30aのインクを払拭する。なお、ワイパー23によるノズルプレート面30aの払拭をワイピングとも呼ぶ。
なお、本実施の形態とは異なり、記録ヘッド30から印字動作とは関係なくインクを吐出するフラッシング動作を実施し、その後、ワイパー23によってノズルプレート面30aを払拭するようにしてもよい。この場合、記録ヘッド30がクリーニング手段の一例である。
記録ヘッド30は例えば、インク吸引装置20によるクリーニングの後に、矢印T2方向に移動することによって、ワイパー23と相対的な移動を行うことができる。この際に、ワイパー23の先端部23aは、ノズル開口31が設けられたノズルプレート面30aに残存しているインクを払拭することができる。
なお、矢印T2方向は、図1の矢印T1と反対方向である。
記録ヘッド昇降装置32によって、プラテン12と記録ヘッド30との距離を調整することによって、用紙29が厚みが異なる別の用紙に切り替えられた場合でも、その切り替え後の用紙の表面と記録ヘッド30のノズルプレート面30aとの距離を例えば、2ミリメートル(mm)という、適切な距離にすることができる。
インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド昇降装置32を、以下に説明するように、ワイパー23と記録ヘッド30との距離を調整し、ワイパー23のノズルプレート面30aに対する垂直方向の干渉量を調整するためにも使用する。すなわち、記録ヘッド昇降装置32は、干渉量調整手段の一例である。
図3(a)は、ワイパー23が、ノズルプレート面30aを払拭していない状態を示す図である。このとき、ワイパー23の高さはD1である。
ここで、高さD1とD2との差分G1(図3(a)参照)を、ワイパー23のノズルプレート面30aに対する干渉量G1と呼ぶ。なお、差分G1を単に、干渉量G1とも呼ぶ。干渉量G1は、ワイパー23がノズルプレート面30aを払拭するときの、ノズルプレート面30aに対する垂直方向の干渉量の一例である。
インクジェット式記録装置10の制御装置7は、ローカルプリンタケーブルまたは通信ネットワークを介してホストコンピュータ80のプリンタドライバ81に接続されている。プリンタドライバ81は、インクジェット式記録装置10に対して印刷やクリーニング動作あるいはインク吸引動作を実行させるためのコマンドを送るソフトウェアを搭載している。
インクジェット式記録装置10はまた、記録ヘッド昇降装置32を含んでいる。
記憶部72は、また、ワイピングの回数に対応する拭き取り速度Vを変更するための拭き取り速度カウンタYを記憶している。拭き取り速度カウンタYは、上述のワイピングカウンタWと同様に、1から始まり、3までいくと、再び1に戻る。
記憶部72は、それぞれのワイパカウンタW、拭き取り速度カウンタYに対応して、予め規定された干渉量G1及び拭き取り速度Vを記憶している。
図5に示すように、干渉量G1の大は、干渉量G1が例えば、1.5ミリメートル(mm)であることを意味する。そして、干渉量G1の中は、干渉量G1が例えば、1.0ミリメートル(mm)であることを意味する。干渉量G1の小は、干渉量G1が例えば、0.5ミリメートル(mm)であることを意味する。上述の、干渉量G1の大、中、小の各値は、干渉量G1についての、予め設定した設定値の一例である。
また、拭き取り速度Vの速は例えば、毎秒120ミリメートル(mm/s)であることを意味する。そして、拭き取り速度Vの中は例えば、毎秒100ミリメートル(mm/s)であることを意味する。そして、拭き取り速度Vの遅は例えば、毎秒80ミリメートル(mm/s)であることを意味する。上述の、拭き取り速度Vの速、中、遅の各値は、拭き取り速度についての、予め設定した設定値の一例である。
上述の、干渉量G1及び拭き取り速度Vをワイピングパラメータと呼ぶ。
ワイピングパラメータは、記録ヘッド30のノズルメニスカスを破壊せず、印字不良を生じさせることのない範囲において設定されている。
次に、干渉量G1が大であって拭き取り速度Vが遅の組合せによるワイピングによれば、長期放置等でノズル開口31から滲み出たインクを確実に引き伸ばして除去することができる。この組合せは、長期放置後のクリーニングに使用する。なお、この組み合わせによっても、ノズルメニスカスを整えることができるが、上述の干渉量G1が大であって、拭き取り速度Vの場合に比較すると、その効果が小さい。
なお、長期放置後とは、例えば、前回のクリーニングから3か月間経過した後を意味する。
そして、干渉量G1が小であって拭き取り速度Vが遅の組合せによるワイピングによれば、ノズルプレート面30aを均一に濡らすことができる。また、ノズルプレート面30aの固化物を溶解することができる。さらに、ワイパー23が払拭を終えて撓みが戻るときのインク飛散を抑止することができる。この組合せは、長期放置後のクリーニングに使用する。
干渉量G1の中、及び/又は、拭き取り速度Vの中を含む組み合わせは、上述の組み合わせの中間的な性質を有する。
なお、本実施の形態とは異なり、ワイパカウンタW、拭き取り速度カウンタYは、1及び2までカウントするものとし、例えば、ワイパカウンタW=2の次は、ワイパカウンタW=1に戻るようにしてもよい。この場合、干渉量G1は大及び小のみ、拭き取り速度Vは速及び遅のみとする。
まず、インクジェット式記録装置10がホストコンピュータ80(図4参照)からクリーニングの指示を受信すると、CL制御部74は、記憶部72のワイパカウンタWを確認する(図6のステップST101)。
また、ステップST101において、CL制御部74が、ワイパカウンタWが1であると判断すると、ワイパカウンタWを2に設定し(ステップST102A)、干渉量G1を大に設定する(ステップST103A)。
また、ステップST101において、CL制御部74が、ワイパカウンタWが2であると判断すると、ワイパカウンタWを3に設定し(ステップST102B)、干渉量G1を小に設定する(ステップST103B)。
上述のステップST103、ST103A及びST103Bは、干渉量変更ステップの一例である。
ステップST201において、CL制御部74が、拭き取り速度カウンタYが3であると判断すると、拭き取り速度カウンタYを1に設定し(ステップST202)、拭き取り速度Vを中に設定する(ステップST203)。
また、ステップST201において、CL制御部74が、拭き取り速度カウンタYが1であると判断すると、拭き取り速度カウンタYを2に設定し(ステップST202A)、拭き取り速度Vを速に設定する(ステップST203A)。
また、ステップST201において、CL制御部74が、拭き取り速度カウンタWが2であると判断すると、拭き取り速度カウンタWを3に設定し(ステップST202B)、拭き取り速度Vを遅に設定する(ステップST203B)。
上述のステップST203、ST203A及びST203Bは、相対速度変更ステップの一例である。
なお、本実施の形態とは異なり、干渉量G1の設定と拭き取り速度Vの設定は、いずれか一方が終了した後に、他方を実施するようにしてもよい。
また、本実施の形態では干渉量G1と拭き取り速度Vの両方の設定を変更したが、本実施の形態とは異なり、いずれか一方のみを変更するようにしてもよい。
まず、CL制御部74は、上述のステップST103、ST103A又はST103B(図6参照)において設定した干渉量G1に合致するように、記録ヘッド昇降装置32によって、記録ヘッド30の高さを変更する(図8のステップST301)。
続いて、CL制御部74は、キャップ本体21を閉鎖する(ステップST302)
続いて、CL制御部74は、負圧解除時間の経過を待つ(ステップST304)。キャップ本体21の内部は、インク吸引の影響で負圧になっており、すぐにキャップ本体21を開放すると、負圧変動によって、ノズル開口31のメニスカスが破壊される。このため、負圧が小さくなり、大気圧になるまで待機するのである。
続いて、CL制御部74は、上述のステップST203、ST203A又はST203B(図7参照)において設定した拭き取り速度Vにおいて、ワイピングを行う(ステップST307)。
上述のステップST301乃至ステップST306は、クリーニングステップの一例である。そして、ステップST307は、ワイピングステップの一例である。
なお、本実施の形態とは異なり、クリーニングの後のワイピングは、複数回実施してもよい。
以上のことは、拭き取り速度カウンタYについても同様である。
この点、インクジェット式記録装置10は、干渉量G1を、前回のクリーニングにおける干渉量G1を基準として、予め設定した設定値において変更することができるから、ワイピングにおける複数の種類の干渉量G1について、それぞれの効果を享受することができる。
ここで、記録ヘッド昇降装置32(図4参照)は、本来、様々な厚さの用紙29に対応するために、インクジェット式記録装置10に具備されている機構である。インクジェット式記録装置10は、記録ヘッド昇降装置32を制御することによって、干渉量G1を、変更することができる。
なお、本実施の形態とは異なり、ワイパー23を昇降可能にするなどの手段を用いてもよい。
この点、インクジェット式記録装置10は、拭き取り速度Vを、前回のクリーニングにおける拭き取り速度Vを基準として、予め設定した設定値において変更することができるから、ワイピングにおける複数の種類の拭き取り速度Vについて、それぞれの効果を享受することができる。
Claims (6)
- ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドのノズル開口から前記液体を排出して前記液体噴射ヘッドをクリーニングするクリーニング手段と、
前記クリーニングの後に、前記ノズル開口が設けられたノズル開口形成面を払拭するワイピング部材と、
前記ワイピング部材が前記ノズル開口形成面を払拭するときの、前記ノズル開口形成面に対して垂直方向の干渉量を調整する干渉量調整手段と、
を有する液体噴射装置であって、
前記ノズル開口形成面と前記ワイピング部材との干渉量を、前記クリーニングの都度変更する干渉量変更手段と、
を有することを特徴とする液体噴射装置。 - 前記干渉量変更手段は、前記干渉量を、前回の前記クリーニングにおける前記干渉量を基準として、予め設定した設定値において変更する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドのノズル開口から前記液体を排出して前記液体噴射ヘッドをクリーニングするクリーニング手段と、
前記クリーニングの後に、前記ノズル開口が設けられたノズル開口形成面を払拭するワイピング部材と、
を有する液体噴射装置であって、
前記ノズル開口形成面と前記ワイピング部材との相対速度を、前記クリーニングの都度変更する相対速度変更手段と、
を有することを特徴とする液体噴射装置。 - 前記相対速度変更手段は、前記相対速度を、前回の前記クリーニングにおける前記相対速度を基準として、予め設定した設定値において変更する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
- ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドのノズル開口から前記液体を排出して前記液体噴射ヘッドをクリーニングするクリーニング手段と、 前記クリーニングの後に、前記ノズル開口が設けられたノズル開口形成面を払拭するワイピング部材と、前記ワイピング部材が前記ノズル開口形成面を払拭するときの、前記ノズル開口形成面に対して垂直方向の干渉量を調整する干渉量調整手段と、を有する液体噴射装置が、前記ノズル開口形成面と前記ワイピング部材との干渉量を、前回の前記クリーニングにおける前記干渉量を基準として、予め設定した設定値において変更する干渉量変更ステップと、
前記液体噴射装置が、前記干渉量変更ステップにおいて変更された前記干渉量によって、前記ワイピング部材による前記ノズル開口形成面の払拭を行うワイピングステップと、
を有することを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法。 - ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドのノズル開口から前記液体を排出して前記液体噴射ヘッドをクリーニングするクリーニング手段と、 前記クリーニングの後に、前記ノズル開口が設けられたノズル開口形成面を払拭するワイピング部材と、を有する液体噴射装置が、前記ノズル開口形成面と前記ワイピング部材との相対速度を、前回の前記クリーニングにおける前記相対速度を基準として、予め設定した設定値において変更する相対速度変更ステップと、
前記液体噴射装置が、前記相対速度変更ステップにおいて変更された前記相対速度によって、前記ワイピング部材による前記ノズル開口形成面の払拭を行うワイピングステップと、
を有することを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法。
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