JPH06126875A - 包装用シート - Google Patents

包装用シート

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JPH06126875A
JPH06126875A JP27577492A JP27577492A JPH06126875A JP H06126875 A JPH06126875 A JP H06126875A JP 27577492 A JP27577492 A JP 27577492A JP 27577492 A JP27577492 A JP 27577492A JP H06126875 A JPH06126875 A JP H06126875A
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JP
Japan
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oxygen
layer
atm
permeation rate
packaging sheet
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JP27577492A
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Isamu Sakuma
勇 佐久間
Yoriko Fujimura
從子 藤村
Takao Aoki
孝夫 青木
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】食品保存剤を容器内容物から確実に遮蔽しつつ
食品保存剤の機能を発現させるのに最適な食品保存剤の
包装用シートを提供する。 【構成】食品保存剤を包装する包装用シートであって、
少なくとも表面に緻密層が形成された非対称型多孔質層
を有する平膜状複合膜であることを特徴とする包装用シ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品保存剤を包装する
包装用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食品保存剤の包装用シートは、不
織布、多孔質フィルムなどの細孔を有するものが用いら
れており、また、細孔からの水や油の侵入を阻止するた
めに、表面に撥水撥油性を有する材料を付与したものが
ある。しかし、水、油ないしはアルコール類などを含有
する内容物と長期間接触させた場合には、包装用シート
の内部に水などが浸透し、包装用シートの通気性が阻害
されたり、食品保存剤に水などが浸透しその食品保存剤
の能力を低下させたり、浸透した水により、食品保存剤
が包装用シート外部に溶出したりすることがあった。
【0003】このような問題点を解決するために、特開
昭56−2164号公報では、不織布層および酸素ガス
透過性でかつ水不透過性を有する層の2層を有する複合
包材を酸素吸収材の包装用シートとして用いた酸素吸収
体、特開平1−167079号公報では、ポリ4−メチ
ルペンテンの外層とヒートシールが容易で、かつ、酸素
透過性を有する樹脂材料から構成された内層よりなる積
層体間に酸素吸収材を収容してなる酸素吸収包装体、特
開昭62−122569号公報では、選択性酸素透過膜
により仕切られた限定空間内に酸素吸収剤を配置した酸
素吸収体などが考案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
56−2164号公報および特開平1−167079号
公報に記載された酸素吸収体では、不織布ないしはヒー
トシールが容易で酸素透過性を有する樹脂材料(不織
布)上に水不透過性の樹脂層を直接設けているために欠
陥の無い均質な樹脂層を形成することが困難であり、ま
た、欠陥の無い均質な樹脂層を形成するためには樹脂層
を厚くすることが必要であり、高い酸素吸収速度を有す
る酸素吸収体を得ることは不可能であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、下記の構成からなる。
【0006】「食品保存剤を包装する包装用シートであ
って、織布ないしは不織布からなる支持層と、厚み方向
の織布ないしは不織布と接しない表面に緻密層が形成さ
れた非対称型多孔質層、さらに非対称型多孔質層上の緻
密層側にさらに高分子均質層を有する平膜状複合膜が水
不透過性でかつ、 a)平膜状複合膜のエチレンガス透過速度が0.01〜
50〔m3 /m2 ・hr・atm 〕であり、 b)平膜状複合膜のエチルアルコールガス透過速度が
1.0〜5000〔m3/m2 ・hr・atm 〕であり、ま
たは、 c)平膜状複合膜の酸素透過速度QO2が0.01〜50
〔m3 /m2 ・hr・atm 〕であることを特徴とする包装
用シート。」本発明で用いられる平膜状複合膜は表面に
緻密層が形成された非対称型多孔質層を有する。
【0007】非対称型多孔質層は膜厚方向に非対称構造
を有するもので、その表面の緻密層の孔の大きさは0.
001〜0.5μm、好ましくは0.005〜0.1μ
mである。この値は、従来の非対称構造をとらない多孔
質フィルムに比べ、極めて小さく、液体の阻止能力に優
れている。多孔質層の膜厚は、実用的な機械的強度を有
しかつ十分な気体透過速度を得るために、通常1〜30
0μmであり、好ましくは10〜100μmである。非
対称型多孔質層は公知の方法、例えば湿式法、乾湿式
法、溶融法、延伸法等により製膜したものが適宜用いら
れる。多孔質層を形成する素材としては、芳香族ポリス
ルホン、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリフェニレン
スルフィドスルホンなどの芳香族ポリスルホン系素材、
酢酸セルロース、エチルセルロース、セルロースなどの
セルロース系素材、ポリアクリロニトリル、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系素材、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどの
含フッ素高分子系素材、ポリアミド系素材ないしはポリ
イミド系素材などを用いることができるが、この中で
も、気体透過性が十分であること、孔径の制御が容易で
あることから芳香族ポリスルホン系素材が好ましく用い
られる。また、基材上に設けた多孔質層の気体透過性
は、空気透過速度で10〜10000〔m3 /m2 ・hr
・atm 〕程度が好ましい。
【0008】平膜状複合膜は非対称型多孔質層の片面に
織布ないしは不織布を有する。この基材として用いられ
る織布ないしは不織布は、その上に形成される非対称多
孔質層を支持する部分であり、十分な通気性を有し、か
つ、機械的強度が良好なものであり、また食品保存剤を
包装する作業の効率を高めるためヒートシールが可能な
ものが好適である。
【0009】このような特性を有するものとしては、ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ナ
イロンなどのポリアミド類などからなる公知の織布ある
いは不織布が挙げられる。これらの例としては、ポリエ
チレン(融点107〜140℃)、ポリプロピレン(融
点167〜170℃)、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(融点103〜108℃)などの単一成分繊維を含む織
布ないしは不織布や、ポリプロピレン/ポリエチレン、
ポリエステル/コポリエステル、ポリエステル/ポリエ
チレンなどの並列または鞘芯構造を有する熱融着繊維を
含む織布ないしは不織布があげられるが、特にこれらに
限定されるものではない。
【0010】さらにアルコールなどの表面張力の小さな
液体の保存や加圧下で完全な液体の阻止をおこなうため
に本発明では、平膜状複合膜は非対称型多孔質層の片面
に高分子均質薄膜層を有する。高分子均質薄膜層は、
水、油などの液体の透過を防ぎ、酸素、エチレン、アル
コールや水蒸気などの気体を透過する層であり、この層
を構成する高分子としては、例えば透過性を示す尺度と
して酸素透過係数PO2を用いた場合、PO2が、1×10
-10 〔cm3 ・cm/cm2 ・sec ・cmHg〕以上のものが好ま
しく、更には1×10-9〔cm3 ・cm/cm2 ・sec ・cmH
g〕以上のものがより好ましい。酸素透過係数が前記範
囲を満たす高分子としては、例えば、ポリジメチルシロ
キサン、ポリメチルフェニルシロキサンなどのポリオル
ガノシロキサン類、架橋ポリオルガノシロキサン類、ポ
リオルガノシロキサン/ポリスチレン共重合体、ポリオ
ルガノシロキサン/ポリカーボネート共重合体、ポリオ
ルガノシロキサン/ポリスルホン共重合体などのポリオ
ルガノシロキサン共重合体類、ポリ(4−メチルペンテ
ン−1)、ポリ(ジ−tert−ブチルフマレート)などの
ポリオレフィン類、ポリ(2,6−ジメチル−1,4,
−フェニレンオキシド)などのポリフェニレンオキシド
類、ポリ(トリメチルシリルプロピン)、ポリ(tert−
ブチルアセチレン)などの置換アセチレンポリマー類、
エチルセルロースなどのセルロース類、ポリ(ビスエト
キシフォスファゼン)などのポリオルガノフォスファゼ
ン類などが挙げられるが、実質的に酸素透過係数が前記
範囲を満たすものであれば、これらに限らず用いること
が可能である。均質薄膜層を形成する高分子には薄膜層
の透過性を損なわない範囲で他のポリマーが添加されて
いても差支えなく、添加方法としては混合法、積層法な
どがある。また、均質薄膜層を形成する高分子は、架橋
構造を有していても差支えない。
【0011】高分子均質薄膜層の厚さは、膜厚が薄すぎ
ると薄膜層の機械的強度が低下し、反対にあまり厚すぎ
ると酸素透過速度が低下することから、一般に0.01
〜3μm、好ましくは0.05〜1μmであることが適
当である。
【0012】本発明に用いられる平膜状複合膜は、その
酸素透過速度QO2が0.01〜50〔m3 /m2 ・hr・
atm 〕である必要があり、好ましくは0.5〜15〔m
3 /m2 ・hr・atm 〕のものが用いられる。または、エ
チレンガス透過速度QCH2CH2が0.01〜50〔m3
2 ・hr・atm 〕である必要があり、好ましくは0.5
〜15〔m3 /m2 ・hr・atm 〕のものが用いられる。
または、エチルアルコールガス透過速度QEtOHが1.0
〜5000〔m3 /m2 ・hr・atm 〕である必要があ
り、好ましくは50〜1500〔m3 /m2 ・hr・atm
〕のものが用いられる。
【0013】酸素透過速度、エチレン透過速度またはア
ルコール透過速度が上記範囲より低い場合は、食品保存
剤に吸収される酸素やエチレンやエチルアルコールの吸
収速度が低下し、また食品保存剤からのアルコールの発
散速度が低下し好ましくなくまる。また、酸素透過速度
およびエチレン透過速度およびアルコール透過速度が上
記範囲を越える場合は、他の物質との接触などにより平
膜状複合膜が傷付き易くなり好ましくない。
【0014】また、平膜状複合膜に含まれる高分子均質
薄膜層は、ピンホールレスの均質な層であることが好ま
しく、その均質性は指標として酸素/窒素透過速度比α
(=QO2/QN2)を用いて表わすことができる。高分子
均質薄膜層を形成する素材の固有の酸素/窒素透過速度
比をα* とした場合、平膜状複合膜のαは、好ましくは
0.5α* 〜2.0α* であり、より好ましくは0.8
α* 〜1.5α* である。平膜状複合膜のαが上記範囲
より低い場合は、高分子均質薄膜層にピンホールが存在
し好ましくなく、また、αが上記範囲を越える場合は、
高分子均質薄膜層の多孔質層への含浸のため、平膜状複
合膜の酸素透過速度が低下し好ましくない。
【0015】食品保存剤としては公知のものをそのまま
使用できる。例えば、酸素吸収剤としては、アスコルビ
ン酸、アスコルビン酸塩、イソアスコルビン酸、イソア
スコルビン酸塩、没食子酸、没食子酸塩、トコフェロー
ル、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ジブチル
ヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、
ピロガロール、ロンガリット、ソルボース、グルコー
ス、リグニンなどの有機系酸素吸収剤、鉄粉、鉄塩、亜
硫酸塩、チオ硫酸塩、亜二チオン酸塩、亜硫酸水素塩な
どの無機系酸素吸収剤や酸化還元樹脂、高分子金属錯体
などの高分子系酸素吸収剤、ゼオライト、活性炭などの
酸素吸収剤から選ばれる一種あるいは二種以上の混合物
が使用条件に従い適宜用いられる。また、酸素吸収剤
は、その酸素吸収能を制御するために触媒や保水剤など
の他の物質を含んでいても差し支えない。 エチレン吸
収剤としては、公知のものをそのまま使用できる。例え
ば、活性炭を主体とした吸着剤、過マンガン酸カリを主
体とした吸着剤、活性炭などに過マンガン酸カリを吸着
させた吸着剤、粒状活性炭を臭素酸カリウムと希酸で反
応処理後乾燥した吸着剤から選ばれる一種あるいは二種
以上の混合物が使用条件に従い適宜用いられる。とくに
吸着タイプものは、水分等があると、いったん吸着した
エチレンを放出する欠点を有するためこれらの包装用シ
ートとして本発明の包装用シートは好ましい。
【0016】アルコール発生剤としては、粉末アルコー
ル製剤やエタノール発生タイプの脱酸素剤などが使用条
件に従い適宜用いられる。その他にも抗菌・静菌剤、脱
二酸化炭素剤、ガス発生剤などの食品保存剤に本発明は
適用できる。これらの食品保存剤は単独で用いる他に、
ハンドリングや形態化のために樹脂で包埋するなど、他
の物質と混合してもよい。
【0017】本発明の包装用シートは平膜状複合膜であ
り食品保存剤を包装するものであるが、食品保存剤その
ものを包装する場合、食品保存剤を外部に露出させない
ために平膜状複合膜を袋状にシールすることが必要であ
る。シールの方法としては、ヒートシールや接着剤によ
る方法、シール部を他の材料により封止する方法などが
ある。このうちヒートシールによる方法が製造上簡便で
特に望ましい。また、食品保存剤を包装する場合、食品
保存剤そのもの、あるいはその包装体の全周囲を全て平
膜状複合膜で包装する方法の他に、一部のみを平膜状複
合膜で、その他の部分は他の素材(例えば金属、樹脂成
型品、ポリマーフィルムなど)で包装する方法がある。
さらに、食品保存剤を平膜状複合膜に直接接触させる方
法、食品保存剤と平膜状複合膜との間にシート状のスペ
ーサーを設ける方法、平膜状複合膜に含まれる織布ない
しは不織布からなる基材および/または多孔質層に食品
保存剤を一部含浸する方法など種々の方法を用いること
が可能である。
【0018】本発明の包装用シートは、飲料や高水分食
品、水滴を含んだ食品類などに用いる食品保存剤を包装
するのに有効である。例えば、飲料では、酒類、ジュー
ス、牛乳など、高水分食品では、佃煮、味噌、ケチャッ
プ、生めん、魚卵など、水滴を含んだ食品類では、生ワ
カメ、魚貝類などの水産物、食肉、スープ、調理用ソー
ス、茶漬け、漬物、しるこ、きのこ加工品、ジャムなど
の加工食品など、特に液状食品や含水食品の食品保存剤
の包装に好適であり、水分や水滴が食品保存剤に接触す
ることを防ぐことにより食品保存剤の性能の低下や食品
保存剤の溶出を防ぐことが可能である。その他、青果
物、カット野菜、生花、チーズ、バター、アイスクリー
ムなどの乳製品、発酵食品、蜂蜜などに好適である。該
包装用シートを用いた食品保存剤を、これらの食品に直
接接触させ、あるいはこれらと一定の距離をおいて配置
することにより、食品中の酸素ないしは食品周辺の雰囲
気中の酸素や、食品から出るエチレンなどを吸収し、劣
化を防ぎ品質を保持する。また食品保存剤から発生する
アルコールにより食品の劣化を防ぎ品質を保持すること
が可能である。
【0019】
【実施例】以下の実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、これにより限定されるものではない。
【0020】平膜状複合膜の各ガス透過速度(酸素、エ
チレンガス、エチルアルコールガス)は、複合膜を隔て
て、一次側の圧力を2atm 、二次側の圧力を1atm に
し、気体透過速度を精密膜流量計SF−101または気
体流量計(エステック社製)で測定した。酸素透過速度
O2は、単位として〔m3 /m2 ・hr・atm 〕を用いて
算出し、平膜状複合膜の気体透過性の指標とした。ま
た、平膜状複合膜の酸素/窒素透過速度比αはQO2/Q
N2により算出して、複合膜中に含まれる高分子薄膜層の
均質性の評価基準とした。
【0021】また、高分子均質薄膜層を形成する素材の
固有の酸素/窒素透過速度比α* (=PO2/PN2)およ
び酸素透過係数PO2は、柳本製作所製ガス透過率測定装
置により素材高分子のデンスフィルムを用いて25℃に
おいて減圧法により測定した。
【0022】参考例 ポリスルホン(ユニオン・カーバイト社製のUdel−
P3500)の15重量%ジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を50μmの厚みで室温にてポリエステル繊維
からなる不織布(日本バイリーン株式会社製MF−11
0、厚さ120μm、重量100g /m2 )上にキャス
トし、水を満たした凝固槽中に浸漬することによりポリ
スルホンを凝固させ、厚さ160μmのポリスルホン多
孔質層/ポリエステル不織布からなる平膜状複合膜
(A)を得た。
【0023】両末端がシラノール基であるポリジメチル
シロキサン(数平均分子量約5万)2.0g 、テトラキ
ス(2-プロパノンオキシム)シラン0.4g 、ジブチル
錫ジアセテ−ト0.1g をトリクロロトリフルオロエタ
ンに溶解し、固形分0.5重量%の溶液を調製する。こ
の稀薄溶液の一部を表面のみ水きりした膜(A)上にコ
ーティングし、130℃で1分間加熱乾燥した後、室温
で1時間乾燥して架橋シロキサン均質薄膜層(厚さ約
0.1μm)/ポリスルホン多孔質層/ポリエステル不
織布からなる平膜状複合膜(B)を得た。この平膜状複
合膜の酸素透過速度QO2は6〔m3 /m2 ・hr・atm 〕
であり、酸素/窒素透過速度比α(=QO2/QN2)は
2.0であった.薄膜層を形成する架橋シロキサンの固
有の酸素/窒素透過速度比α* は2.0であり(酸素透
過係数PO2は5×10-8〔cm3 ・cm/cm2 ・sec ・cmH
g〕)、欠陥の無い均質な薄膜層が形成されていること
を確認した。
【0024】またこの膜のエチレン透過速度は5〔m3
/m2 ・hr・atm 〕であり、エチルアルコールガス透過
速度は60〔m3 /m2 ・hr・atm 〕であった。
【0025】実施例1 エチレン吸収剤として、活性炭を臭素酸カリ処理、さら
に濃硫酸処理して得られた吸収剤6g を平膜状複合膜
(B)で包装した有効面積60cm2 のエチレン吸収体を
作成した。厚さ0.07mmのポリエチレン袋(200
mm×200mm)にカットキャベツ40g 詰め、さら
にエチレン吸収体を入れてヒートシールにより密封し
た。この袋内のエチレン濃度をガスクロにより測定した
ところエチレンは10日間検出されなかった。これに対
しエチレン吸収体を入れなかったものでは、3日後に2
ppmのエチレンが検出された。
【0026】前記エチレン吸収体を、水に60日間浸漬
した後、水のエチレン吸収体内への浸透状態と、水への
溶出物を分析した。水はエチレン吸収体内に浸透しない
こと、水中に溶出物が検出されないことからエチレン吸
収剤の溶出がないことを確認した。 実施例2 無水キシレン250g に窒素雰囲気下にてポリ(4−メ
チルペンテン)(三井石油化学工業株式会社製TPXR
MX−001)25g を加熱溶解したこの溶液にトリメ
トキシビニルシラン50g を添加し、さらに過酸化ベン
ゾイル1.25g を加えた後、110℃にて約4時間反
応を行なった。得られたポリマーをメタノールから再沈
澱を2度繰り返すことにより精製した後、真空乾燥を行
ないメトキシシラングラフトポリ(4−メチルペンテ
ン)を得た。このグラフトポリマーのケイ素含有量は、
0.13%であった。
【0027】合成したメトキシシラングラフトポリ(4
−メチルペンテン)1g とジラウリン酸ジ -n-ブチルス
ズ10mgとを200g のシクロヘキサンに溶解した。こ
の溶液を平膜状複合膜(A)上にコーティングし、14
0℃で5分間加熱乾燥した後、室温で1時間乾燥して架
橋ポリ(4−メチルペンテン)均質薄膜層(厚さ約0.
1μm)/ポリスルホン多孔質層/ポリエステル不織布
からなる平膜状複合膜(C)を得た。この平膜状複合膜
の酸素透過速度QO2は0.2〔m3 /m2 ・hr・atm 〕
であり、酸素/窒素透過速度比α(=QO2/QN2)は
3.8であった。薄膜層を形成する架橋ポリ(4−メチ
ルペンテン)の固有の酸素/窒素透過速度比α* は、
4.2であり(酸素透過係数PO2は1.5×10-9〔cm
3 ・cm/cm2 ・sec ・cmHg〕)、欠陥の少ない均質な薄
膜層が形成されていることを確認した。
【0028】酸素吸収剤として有機系の酸素吸収剤(三
菱瓦斯化学株式会社製エージレスRGタイプ内包物2.
5g )を用い、これを平膜状複合膜(C)で包装した有
効面積36cm2 の酸素吸収体(b)を作成した。水10
0mlと空気200mlを含む密閉セル内に、酸素吸収体を
水と接触する状態で封入し、セル内の酸素を吸収させ
た。
【0029】酸素濃度計によりセル内の酸素濃度を測定
し、酸素吸収速度を算出したところ120ml/day であ
った。
【0030】また、水100mlと空気200mlを含む密
閉セル内に酸素吸収体を水と接触する状態で100日間
封入し、水の酸素吸収剤内への浸透状態とセル内の水へ
の酸素吸収剤の溶出量を分析した。水は酸素吸収剤内に
浸透しないこと、水中にFe、Si、Clについて、プ
ラズマ発行分析法(ICAP法)で分析した結果、検出
されないことから酸素吸収剤の溶出がないことを確認し
た。
【0031】
【発明の効果】本発明のは、高水分食品、水滴を含んだ
食品類などに用いる食品保存剤の包装材料として下記の
ような効果を発揮する。特に水、油、アルコールのよう
な液体を含む系や長期保存が必要な場合はその効果が著
しい。
【0032】(1) 気体透過速度の速い平膜状複合膜であ
るため、食品中や食品周辺の酸素、エチレンなどを素早
く透過し食品保存剤により高い鮮度保持が可能である。
【0033】(2) 水不透過性であるため液体などの食品
保存剤への浸透が無く、高水分食品、水滴を含んだ食品
に適用する場合でも長期間の使用が可能である。
【0034】(3) 液体などの食品保存剤への浸透が無
く、包装用シートの通気性が低下しない。(4) 液体など
の食品保存剤への浸透が無く、食品保存剤の溶出が起こ
らない。
【0035】(5) 液体などの食品保存剤への浸透が無
く、食品保存剤と液体との反応により異臭発生などの現
象が起こらない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品保存剤を包装する包装用シートであ
    って、織布ないしは不織布からなる支持層と、厚み方向
    の織布ないしは不織布と接しない表面に緻密層が形成さ
    れた非対称型多孔質層、さらに非対称型多孔質層上の緻
    密層側にさらに高分子均質層を有する平膜状複合膜が水
    不透過性でかつ、 a)平膜状複合膜のエチレンガス透過速度が0.01〜
    50〔m3 /m2 ・hr・atm 〕であるか、 b)平膜状複合膜のエチルアルコールガス透過速度が
    1.0〜5000〔m3/m2 ・hr・atm 〕であるか、
    または、 c)平膜状複合膜の酸素透過速度QO2が0.01〜50
    〔m3 /m2 ・hr・atm 〕であることを特徴とする包装
    用シート。
  2. 【請求項2】 食品保存剤が酸素吸収剤、アルコール発
    生剤、またはエチレン吸収剤であることを特徴とする請
    求項1に記載の包装用シート。
JP27577492A 1992-10-14 1992-10-14 包装用シート Pending JPH06126875A (ja)

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