JPH0612288U - 自転車前フォークの防振装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自転車の前フォークに緩衝装置を設けること
を目的とする。 【構成】 前フォーク１の管軸１１内の環状突起１２か
ら下部空間に受座２、緩衝部材３及び止栓４が挿入され
ており、上部空間に上側からハンドル管軸５が受座２内
まで挿入され、ハンドル管軸５の上端から挿入された引
上棒５１と受座２内の引上ナット５２とを螺合させるこ
とによりハンドル管軸５と受座２とを固定し、受座２と
前フォーク１とは受座２の角柱体２１と止栓４の角形貫
通孔４２とで回転方向が固定され、上下方向は摺動保持
されて、前フォーク１の振動又は衝撃は緩衝部材３が吸
収するように構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自転車の部品に関し、特に前フォークの防振装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自転車の前フォークは主として前フォークの管軸をフレームの軸管に下 側から挿入し、この前フォークの管軸にハンドル管軸を上側から挿入し、ハンド ル管軸を上側から貫通している長ネジにより前フォークとハンドル管軸とを固定 しているものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述のように、前フォークはハンドル管軸に直接固定されているので、緩衝作 用はなく、走行中の路面の凹凸は直接手に伝わり、使用感覚が悪い。

【０００４】 本考案は上述の問題を解決して、緩衝装置のある前フォークを提供することを 課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の課題を解決するために、自転車の前フォークにおいて、前フォーク１の 軸管１１の内部の中間に設けられた環状突起１２で軸管１１内が上下空間に分割 され、下部空間には下端の内周にメネジ１４が螺刻されて、この下端から順に受 座２、緩衝部材３及び止栓４が挿入されており、上部空間の上端から引上棒５１ が挿入されているハンドル管軸５が挿入されており、受座２は上側が開口端の有 底円筒体で、底の下側には中心線に沿って角柱体２１を構成し、円筒内には固定 された引上ナット５２を具備し、止栓４には中心線に穿設され角柱体２１が挿入 される角形貫通孔３１と外周に螺刻されたオネジ４１を具備し、引上ナット５２ の上面と前記ハンドル管軸５の下端とは斜めの平面で当接し、引上棒５１の下端 のオネジと引上ナット５２とが螺合してハンドル管軸５を受座２に上下方向及び 回転方向共に固定するように構成したものである。

【０００６】 緩衝部材３は中心に貫通孔３１が穿設されているゴムブロックであるもの、又 は蔓巻バネの何れでも良い。

【０００７】 上空間にはハンドル軸管５が挿入されるスリーブ６が挿入されているものもあ る。

【０００８】

【作用】

上述のように、前フォーク１の止栓４とハンドル管軸５に固定されている受座 ２の間に挿入されている緩衝部材３が上下方向の振動や衝撃を吸収してハンドル にこれらの振動や衝撃が殆ど伝わらない。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案の自転車前フォークの防振装置の分解斜視図、図２は組み立て状 態の断面図である。前フォーク１の軸管１１の内部は中間に環状突起１２が設け られて上部空間及び下部空間に区分されている。

【００１０】 上部空間は上端の外側にオネジ１３が螺刻してあり、内部はスリーブ６が挿入 してある。

【００１１】 下部空間は下端の内側にメネジ１４が螺刻してあり、この下部空間に下側から 受座２、緩衝部材３が挿入され、受座２の上端が環状突起１２の下端に接触する 位置まで止栓４がメネジ１４と螺合して保持し、ネジ１５１がメネジ１４の中間 に横から穿設されているネジ孔１５に螺合して止栓４を固定してある。

【００１２】 なお、受座２は上端開口の有底円筒体で、底から下側に中心線に沿って角柱体 ２１が延伸しており、円筒体の内部には上面が傾斜面の引上ナット５２が固定さ れている。

【００１３】 緩衝部材３はウレタンゴムブロックの場合は、中心線に沿って受座２の角柱体 ２１が挿入される角形貫通孔３１が穿設されている。又、蔓巻バネでも良い。

【００１４】 止栓４は中心線に沿って角柱体２１が挿入される角形貫通孔４２が穿設されて おり、外周は軸管１１のメネジ１４に螺合するオネジ４１が螺刻してあり、下端 には一字溝又は十字溝４３が開設されている。

【００１５】 上部空間には上端からハンドル管軸５が挿入されており、その下端は受座２の 円筒内の引上ナット５２の上面の傾斜面に全面的に当接するように傾斜面となっ ている。このハンドル管軸５を貫通して上側から引上ナット５２に螺合するよう に先端にオネジが螺刻されている引上棒５１が挿入されている。

【００１６】 この状態で引上棒５１でハンドル管軸５の下端の傾斜面と引上ナット５２の傾 斜面とを圧接することにより、ハンドル管軸５と受座２とは中心軸方向及び回転 方向とも固定された状態となる。

【００１７】 なお、上部空間には上端から環状突起迄の間にスリーブ６を挿入しても良く、 又、上部空間自体が環状突起１２の内径と同じ内径としても良い。

【００１８】 次に、本考案の前フォークの動作について説明する。ハンドル管軸５と受座２ とは引上ナット５２を介して固定されており、受座２と止栓４は角柱体２１と角 形貫通孔４２とにより回転方向は固定されているので、前フォークの基本的動作 であるハンドルによる回転方向の伝達は完全に確保されている。

【００１９】 一方、軸方向（上下方向）は角柱体２１と角形貫通孔４２は摺動状態で固定さ れておらず、止栓４と受座２との間に挿入されている緩衝部材３により、フォー ク側からの上下方向の振動や衝撃を吸収し、ハンドル側には伝達されない。

【００２０】 その他の車体とフォークの回転保持機構は従来例と同じであるので、特に説明 を要しない。

【００２１】

【考案の効果】

上述のように本考案によれば、前フォーク１の止栓４とハンドル管軸５に固定 されている受座２の間に挿入されている緩衝部材３が上下方向の振動や衝撃を吸 収してハンドルにこれらの振動や衝撃が殆ど伝わらないため、使用感覚が良いも のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の自転車前フォークの防振装置の分解斜
視図である。

【図２】組み立て状態の断面図である。

【符号の説明】

１ 前フォーク １１ 軸管 １２ 環状突起 ２ 受座 ２１ 角柱体 ３ 緩衝部材 ４ 止栓 ４２ 角形貫通孔 ５ ハンドル管軸 ５１ 引上棒 ５２ 引上ナット

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車の前フォークにおいて、前フォー
   クの軸管の内部の中間に設けられた環状突起で前記軸管
   内が上下空間に分割され、下部空間には下端の内周にメ
   ネジが螺刻されて、この下端から順に受座、緩衝部材及
   び止栓が挿入されており、前記上部空間の上端から引上
   棒が挿入されているハンドル管軸が挿入されており、前
   記受座は上側が開口端の有底円筒体で、底の下側には中
   心線に沿って角柱体を構成し、円筒内には固定された引
   上ナットを具備し、止栓には中心線に穿設され前記角柱
   体が挿入される角形貫通孔と外周に螺刻されたオネジを
   具備し、前記引上ナットの上面と前記ハンドル管軸の下
   端とは斜めの平面で当接し、前記引上棒の下端のオネジ
   と前記引上ナットとが螺合して前記ハンドル管軸を前記
   受座に上下方向及び回転方向共に固定するように構成し
   たことを特徴とする自転車前フォークの防振装置。
2. 【請求項２】 前記緩衝部材は中心に貫通孔が穿設され
   ているゴムブロックであることを特徴とする請求項１の
   自転車前フォークの防振装置。
3. 【請求項３】 前記緩衝部材は蔓巻バネであることを特
   徴とする請求項１の自転車前フォークの防振装置。
4. 【請求項４】 前記上空間に前記ハンドル軸管が挿入さ
   れるスリーブが挿入されていることを特徴とする請求項
   １の自転車前フォークの防振装置。