JPH06122666A - 2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの製造法 - Google Patents

2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの製造法

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JPH06122666A
JPH06122666A JP27429192A JP27429192A JPH06122666A JP H06122666 A JPH06122666 A JP H06122666A JP 27429192 A JP27429192 A JP 27429192A JP 27429192 A JP27429192 A JP 27429192A JP H06122666 A JPH06122666 A JP H06122666A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 シクロドデカトリエンと塩化ニトロシルを付
加反応させ、2−クロロシクロドデカジエノンオキシム
を製造する方法において、シクロドデカトリエンを溶媒
として使用し、これと塩化ニトロシルを塩化水素の存在
下に付加反応させ、生成した2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシムを反応混合液より固体状で分離させ、さ
らに分離後の母液を塩化ニトロシルとの付加反応に循環
使用する。 【効果】 原料のシクロドデカトリエンのみを溶媒とし
て使用することにより、生成した2−クロロシクロドデ
カジエノンオキシムを減圧下晶析することにより容易に
反応混合液より固体状で分離・精製出来、かつ分離後の
母液は、特別の処理をすることなく循環し再使用出来
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シクロドデカトリエン
と塩化ニトロシルとから塩化水素存在下の付加反応によ
る2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの製造する
方法に関する。本発明によって得られる2−クロロシク
ロドデカジエノンオキシムは、水素による還元反応によ
り有用な工業用樹脂であるナイロン−12の中間体であ
るシクロドデカノンオキシムを製造することができる原
料とし、また、各種香料の原料中間体としても有用であ
る。
【0002】
【従来技術の説明】シクロドデカトリエンに塩化ニトロ
シルを作用させて、2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムを製造する方法は、公知の文献及び公報として、
例えば、(文献1)Bull.Chem.Soc.Jp
n.,39,1119(1966)、(文献2)Che
m.Ind.,49,494(1967)、(公報1)
米国特許3751468号公報、(公報2)米国特許3
752852号公報、(公報3)ベルギ−国特許622
059号公報などで開示されているが、これらはいずれ
も、ハロゲン化炭化水素あるいは酢酸等の溶媒を使用し
て行っている。文献1.ではトリクロロエチレン、文献
2.ではクロロホルム、公報1,2では酢酸、公報3で
は四塩化炭素等を使用することを開示している。
【0003】上記した公知の文献及び公報により開示さ
れている溶媒では、ハロゲン化炭化水素については生物
に対する有害性(特に発ガン性等)が有り、環境衛生上
近年その使用が制限されてきており、工業的な大量スケ
ールの反応でのハロゲン化炭化水素の使用は困難になり
つつある。また、有機溶媒を使用すること自体、溶媒自
身の費用に加え、再利用するために溶媒回収などの操作
が必要になるため装置が複雑となり装置費が高価にな
り、さらに反応液から分離するエネルギ−等が必要とな
り、相応の製造費用が必要になるなど製造コストが高く
なる。
【0004】また、前記の溶媒を使用した場合、目的物
を単離、精製するためには、複雑な装置及び多くの工数
の操作が必要である。前記した文献2.では溶媒を減圧
下留去したのち、得られた結晶を石油エーテルで洗浄し
ているし、公報3では反応後、同じく溶媒を減圧下留去
したのち、酢酸エチルあるいはエタノール等の溶媒で再
結晶操作を行い目的物を得ている。また、この2−クロ
ロシクロドデカジエノンオキシムは加熱に対して不安定
であり、これら精製、単離法は必ずしも工業的には好適
な方法とはいえず、簡便で、効率的な精製、単離法が望
まれていた。
【0005】
【解決すべき問題点】本発明の目的は、シクロドデカト
リエンと塩化ニトロシルから塩化水素存在下の付加反応
において使用する溶媒の選定、生成物の分別の手段及び
2−クロロシクロドデカジエノンオキシム生成物の精製
の問題を解決する2−クロロシクロドデカジエノンオキ
シムの製造法を確立することである。
【0006】本発明者らは、従来技術の問題点を解決す
べく鋭意検討を重ねた結果、反応時、他の溶媒を使用せ
ず原料のみで付加反応を行い、高い収率で2−クロロシ
クロドデカジエノンオキシムを生成し、かつ、反応混合
液より2−クロロシクロドデカジエノンオキシムを容易
に固体として分離する方法を見出すに至った。さらに詳
細には本発明はこの付加反応の原料であるシクロドデカ
トリエンのみを溶媒として用いることにより、他の有機
溶媒を全く使用せずに収率よく2−クロロシクロドデカ
ジエノンオキシムを製造し、また、本付加反応の後に生
成する2−クロロシクロドデカジエノンオキシムを固体
として反応混合液から容易に分離することができ、か
つ、2−クロロシクロドデカジエノンオキシム分離後の
母液を特別な処理をすることなく上記付加反応に循環し
再使用することにより製造する2−クロロシクロドデカ
ジエノンオキシムの製造法に関する。
【0007】すなわち、本発明は、シクロドデカトリエ
ンと塩化ニトロシルを付加反応させ、2−クロロシクロ
ドデカジエノンオキシムを製造する方法において、原料
のシクロドデカトリエンを溶媒として使用し、シクロド
デカトリエンと塩化ニトロシルを塩化水素の存在下に、
付加反応を行い2−クロロシクロドデカジエノンオキシ
ムを生成させ、反応混合液より生成した2−クロロシク
ロドデカジエノンオキシムを固体状で晶析分離し、さら
に分離した後の母液を塩化ニトロシルとの付加反応に再
使用することを特徴とする2−クロロシクロドデカジエ
ノンオキシムの製造法である。
【0008】本発明では、従来用いられていた有機溶媒
の替りに原料であるシクロドデカトリエン自身を溶媒と
して用いることにより高収率で2−クロロシクロドデカ
ジエノンオキシムを製造でき、かつ、均一な反応混合液
を減圧下などの条件で晶析することで反応液中の2−ク
ロロシクロドデカジエノンオキシムを晶析させて分離す
ることが可能になったのである。更に、2−クロロシク
ロドデカジエノンオキシムを晶析した後の母液に付加反
応で消費された量のシクロドデカトリエンを新たに加え
再度付加反応を行った場合でも、一度目と同様の高収率
で2−クロロシクロドデカジエノンオキシムが得られ、
更に同様の単離操作が可能となることも見いだしたので
ある。
【0009】これらの1)反応時にシクロドデカトリエ
ン以外の溶媒の不使用、2)分別のために減圧下などの
条件で晶析することことにより2−クロロシクロドデカ
ジエノンオキシムの高収率分離、3)晶析によって得た
2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの高純度品の
取得4)更に晶析後母液の循環再使用という製造方法の
確立は、シクロドデカトリエンと塩化ニトロシル及び塩
化水素存在下での付加反応による2−クロロシクロドデ
カジエノンオキシムの製造法として工業的には非常に大
きな利用価値を有するものである。
【0010】
【問題点を解決する手段】本発明で使用される塩化ニト
ロシルは、参考例1に示す如く、亜硝酸ナトリウムと塩
酸とを反応させてガス状の塩化ニトロシルを得ることに
よって合成したものであればよい。塩化ニトロシルは、
単離精製の後使用してもよいし、別反応容器内で発生さ
せつつ付加反応系に導入してもよい。また、反応に用い
る際、塩化ニトロシルは、ガスとして供給してもよい
し、冷却して液状化した液体として導入してもよい。
【0011】シクロドデカトリエンと塩化ニトロシルの
付加反応は、原料であると同時に溶媒でもあるシクロド
デカトリエンに対し塩化水素ガスと共に、塩化ニトロシ
ルを導入して反応を行うことが好ましい。塩化ニトロシ
ルの反応系への導入は、シクロドデカトリエンに対し
0.002当量/分ないし0.02当量/分の範囲で行
われるが、大量に導入すると本反応は発熱反応であるた
め温度制御が困難になるので、0.003当量/分ない
し0.007当量/分の範囲が好適である。
【0012】塩化ニトロシルと同時に導入する塩化水素
ガス量は塩化ニトロシルの1.0倍ないし30倍量であ
り特に2.0倍ないし10倍の導入量が好ましい。反応
温度は、シクロドデカトリエンの融点以上で液状を保持
する−18℃より35℃までの範囲が望ましく、特に−
10℃ないし5℃の範囲が好適である。また、シクロド
デカトリエンの転化率は、0%ないし100%の範囲で
行うことが出来るが、転化率を大きくすると、生成する
2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの濃度が増大
することで溶液粘度が増大するため、シクロドデカトリ
エンの転化率は、30%ないし40%とすることが望ま
しい。
【0013】前記した如く、反応液中に生成する2−ク
ロロシクロドデカジエノンオキシムは、溶媒(シクロド
デカトリエン)の蒸発による濃縮をほとんど行うことな
く、反応系を減圧下の条件として反応液から微量の塩化
水素等を除去するだけでも、2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシムが結晶となり析出してくることは驚くべ
きことであり、このことを本発明は利用して付加反応の
生成物である2−クロロシクロドデカジエノンオキシム
を反応液から容易に単離することが出来るのである。本
付加反応停止後、反応混合液を減圧下で晶析させるため
に反応液を穏やかな攪拌で行うと2−クロロシクロドデ
カジエノンオキシムが白色固体として得られる。
【0014】減圧下の晶析条件は、減圧度が0.01t
orrないし300torrの範囲が好ましく、特に好
ましくは0.01torrないし100torrが好ま
しい。この時の攪拌速度は、1〜100rpmが好まし
く、特に好ましくは5〜30rpmが結晶成長を順調に
行わせるために良いのである。また、攪拌時の温度は、
シクロドデカトリエンの融点以上で液状を保持する−1
8℃より35℃が好ましく、保持する減圧度により好適
な温度を選定し、晶析する結晶が大きくなるように減圧
度及び攪拌時の温度を選定する。攪拌時間は30分ない
し3時間で好適な結晶形が得られる様に減圧下で晶析さ
せることが好ましい。
【0015】また、晶析の際に反応混合液を冷却するこ
とも効果的である。冷却温度としては−18℃ないし5
℃が好ましく、−5℃ないし2℃の範囲が特に好まし
い。この発明では、上記の晶析は、工業的には、減圧の
みによる晶析、濃縮による晶析及び冷却晶析にて行って
も良い。本操作方法は、工業的には回分操作でもよい
が、好適には連続操作が好ましい。前記した減圧下で晶
析生成した2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの
結晶は、濾過及び遠心分離等の操作により容易に母液よ
り分離できるのである。更に結晶の純度を上げるのに得
られた結晶に付着した母液を結晶から除去するために、
n−ヘキサン等の炭化水素溶媒を洗浄操作に用いても差
し支えなく、これら洗浄溶媒は母液より別工程の蒸留操
作等で容易に回収できる。
【0016】結晶分離後の母液は、通常の分離処理の蒸
留操作によりシクロドデカトリエンを分離精製し、付加
反応工程に循環再使用してもよいが、本発明では特別な
処理をせずに母液を循環再使用するために、母液を直接
に付加反応工程へ再使用を行うことが好適である。結晶
分離後の母液中には2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムが若干含有されているが、そのまま再使用するこ
とが有利なので直接に付加反応に循環することが好まし
い。分離後の母液は、前回の反応で消費された分のシク
ロドデカトリエンを適宜補充して調整した後、塩化ニト
ロシルの付加反応の原料及び溶媒として循環使用し、前
述と同様に付加反応を行うことができるのである。ま
た、この二度目の反応及び精製操作より得られる母液も
同様の操作により三度目の付加反応に使用することが出
来るのである。この母液の循環操作は、以上のように循
環再使用の一度目から三度目の反応においては、2−ク
ロロシクロドデカジエノンオキシムの収率がほとんど低
下しないのである。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1.還流冷却器を設置した容積300mlのガラ
ス製反応容器にシクロドデカトリエン108.14g
(0.666mol)を入れ、−4℃に冷却し、これを
攪拌下参考例1に示した方法で発生させた塩化ニトロシ
ルガスを1.31mmol/minの速度で176分間
液中に導入した。その際、反応時の温度は−4℃に保持
し、塩化水素ガスも同時に480ml/分で導入した。
塩化ニトロシルガスの吹き込み終了後もさらに1時間塩
化水素ガスを前記速度で吹き込んだ。この様にして得ら
れた反応後の混合液を高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)により分析したところ反応液125.69g中
に、2−クロロシクロドデカジエノンオキシムが47.
3g(0.208mol)生成していることが確認され
た。
【0018】反応液をガスクロマトグラフィー(GC)
で分析し、シクロドデカトリエンが71.12g(0.
438mol)残存していることを確認した。(シクロ
ドデカトリエン転化率34.2%),(消費シクロドデ
カトリエン基準での2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムの収率は、91.3%であった。)また、こうし
て得られた反応混合液を5torrに減圧し30分室温
で攪拌することにより白色結晶が晶析した。この結晶を
濾別したところ42.83g(0.183)の結晶が得
られた。結晶により得られた2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシムの純度は、97.4%であった。分離さ
れた2−クロロシクロドデカジエノンオキシムは、反応
液中に生成した2−クロロシクロドデカジエノンオキシ
ムに対して88.2%(結晶化率)であった。結果を表
1に示した。
【0019】参考例1.塩化ニトロシルの合成 亜硝酸ナトリウム(NaNO2 )51.7g(0.73
8mol)と水(74ml)を入れた滴下ロ−トを備え
た500ml3ツ口フラスコに塩酸(36wt%)31
2ml(3.08mol)を入れ容器内をアルゴンで置
換した。室温にて攪拌下、亜硝酸ナトリウム水溶液を滴
下して加え、塩化ニトロシルをガスとして発生させた。
塩化ニトロシルガスは、塩化カルシウム等の乾燥管を通
して、直接ガスとして反応液中に導入しても、また、−
6℃以下に冷却した容器に捕集したのち、−6℃以下に
冷却したまま液体として反応液に滴下して加えても、ま
た、再び気化させたガスとして反応液中に導入してもよ
い。
【0020】実施例2.実施例1で2−クロロシクロド
デカジエノンオキシムを晶析分離した後の母液は、7
8.36gであり、HPLC及びGCで定量分析したと
ころシクロドデカトリエン(CDT)69.25g
(0.426mol),2−クロロシクロドデカジエノ
ンオキシム(CDOX)6.83g(0.030mo
l)であった。その母液に実施例1で消費された分のシ
クロドデカトリエン(CDT)37.02g(0.22
8mol)を加えた調製液を原料として用いる他は実施
例1と同様に反応を行った。調製液を−4℃に冷却し、
これに塩化ニトロシルガスを1.71mmol/min
の速度で135分間液中に導入した。その際、反応時の
温度は−3℃に保持し、塩化水素ガスも同時に480m
l/分で導入した。塩化ニトロシルガスの吹き込み終了
後もさらに1時間塩化水素ガスを前記速度で吹き込ん
だ。この様にして得られた反応後の混合液をHPLCに
より分析したところ反応液147.19g中に、2−ク
ロロシクロドデカジエノンオキシムが58.9g(0.
259mol)生成していることが確認された。(前記
仕込み液中に存在していたCDOXを差し引くと生成し
たCDOXは、52.07g(0.229mol)であ
った。
【0021】反応液をガスクロマトグラフィー(GC)
で分析しシクロドデカトリエンが67.2g(0.41
4mol)残存していることを定量した。(シクロドデ
カトリエン転化率36.8%),(消費シクロドデカト
リエン基準での2−クロロシクロドデカジエノンオキシ
ムの収率は、95.0%であった。)また、こうして得
られた反応混合液を5torrに減圧し30分室温で攪
拌することにより白色結晶が晶析した。この結晶を濾別
したところ50.81g(0.217mol)の結晶が
得られた。結晶により得られた2−クロロシクロドデカ
ジエノンオキシムの純度は、97.2%であり、分離さ
れた2−クロロシクロドデカジエノンオキシムは、反応
液中に生成した2−クロロシクロドデカジエノンオキシ
ムに対して83.9%(結晶化率)であった。結果は、
表1に示した。
【0022】実施例3.実施例2で2−クロロシクロド
デカジエノンオキシムを分離した後の母液をHPLC,
GCで組成を分析し、CDT66.09g/0.407
mol,CDOX8.73g/0.038molであっ
た。その母液に実施例2で消費された分のシクロドデカ
トリエン39.11g(0.241mol)を加えたも
のを原料として用いる他は実施例1と同様に反応を行っ
た。調製液を−3℃に冷却し、これに塩化ニトロシルガ
スを2.01mmol/minの速度で115分間液中
に導入した。その際、反応時の温度は−3℃に保持し、
塩化水素ガスも同時に480ml/分で導入した。塩化
ニトロシルガスの吹き込み終了後もさらに1時間塩化水
素ガスを前記速度で吹き込んだ。この様にして得られた
反応後の混合液をHPLCにより分析したところ反応液
135.39g中に、2−クロロシクロドデカジエノン
オキシムが49.7g(0.218mol)生成してい
ることが確認された。(仕込み液中に存在していたCD
OXを差し引くと生成したCDOXは、40.97g
(0.180mol)であった。
【0023】反応液をガスクロマトグラフィー(GC)
で分析しシクロドデカトリエンが72.6g(0.44
7mol)残存していることを定量した。(シクロドデ
カトリエン転化率31.0%),(消費シクロドデカト
リエン基準での2−クロロシクロドデカジエノンオキシ
ムの収率は、90.5%であった。)また、こうして得
られた反応混合液を5torrに減圧し30分室温で攪
拌することにより白色結晶が晶析した。この結晶を濾別
したところ41.60g(0.179mol)の結晶が
得られた。結晶により得られた2−クロロシクロドデカ
ジエノンオキシムの純度は、97.7%であり、分離さ
れた2−クロロシクロドデカジエノンオキシムは、反応
液中に生成した2−クロロシクロドデカジエノンオキシ
ムに対して82.0%(結晶化率)であった。結果は、
表1に示した。
【0024】シクロドデカトリエン(CDT)の転化
率、CDT基準の2−クロロシクロドデカジエノンオキ
シム(CDOX)収率及びCDOX結晶化率は下記の計
算式で行った。
【0025】
【数1】
【0026】
【数2】
【0027】
【数3】
【0028】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 整 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 梅津 隆 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロドデカトリエンと塩化ニトロシル
    を付加反応させ、2−クロロシクロドデカジエノンオキ
    シムを製造する方法において、原料のシクロドデカトリ
    エンを溶媒として使用し、シクロドデカトリエンと塩化
    ニトロシルを塩化水素の存在下に、付加反応を行い2−
    クロロシクロドデカジエノンオキシムを生成させ、反応
    混合液より生成した2−クロロシクロドデカジエノンオ
    キシムを固体状で晶析分離し、さらに分離した後の母液
    を前記塩化ニトロシルとの付加反応に循環使用すること
    を特徴とする2−クロロシクロドデカジエノンオキシム
    の製造法
JP4274291A 1992-10-13 1992-10-13 2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの製造法 Expired - Fee Related JP3036661B2 (ja)

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