JPH06122611A - 化粧品用配合剤 - Google Patents

化粧品用配合剤

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JPH06122611A
JPH06122611A JP30047792A JP30047792A JPH06122611A JP H06122611 A JPH06122611 A JP H06122611A JP 30047792 A JP30047792 A JP 30047792A JP 30047792 A JP30047792 A JP 30047792A JP H06122611 A JPH06122611 A JP H06122611A
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JP
Japan
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rice bran
hair
acid
bran protein
salt
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Application number
JP30047792A
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English (en)
Inventor
Masato Yoshioka
正人 吉岡
Takashi Adachi
敬 安達
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Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚や粘膜への刺激が少なく穏やかに作用す
る界面活性能を有し、毛髪の保護と損傷した毛髪の再生
作用を有し、かつ皮膚に対して親和性を有し、皮膚に潤
いを与え、皮膚を保護する化粧品用配合剤を提供する。 【構成】 米糠タンパク誘導ペプチドと高級脂肪酸とを
縮合させて得られる一般式(I): 【化1】 〔式中、R1 は炭素8〜20のアルキル基またはアルケ
ニル基、R2 は米糠タンパク誘導ペプチドを構成する種
々のアミノ酸の側鎖、nは2〜20、Mはアルカリ金
属、アンモニウム、または有機アルカノールアミンのオ
ニウムである〕で示される米糠タンパク誘導ペプチドの
アシル化物の塩で化粧品用配合剤を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米糠タンパク誘導ペプ
チドのアシル化物の塩からなる化粧品用配合剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コラーゲンやケラチンなどの動物性のタ
ンパク(蛋白)の加水分解物(ペプチド)が毛髪化粧品
に有用であることは、たとえば特公昭55−38358
号公報などにおいても報告されている。これは、それら
の動物タンパクの加水分解物が毛髪や皮膚と同様の化学
構造を有し、そのアミノ基やカルボキシル基によって、
あるいは構成アミノ酸の側鎖の作用によって毛髪に吸着
し、毛髪を保護、再生する作用を有することによるもの
であると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記コ
ラーゲン、ケラチンなどの動物タンパクは、生体である
動物を出発原料とする関係上、その供給に限度があるた
め、上記コラーゲン、ケラチンなどの動物タンパク以外
で、それに代えて使用できるタンパク源を見出しておか
ねばならない。
【0004】また、それら動物タンパクの加水分解物
は、前述のように毛髪の保護、再生に有用であるが、動
物タンパク以外のタンパクの誘導体においても、そのよ
うな動物タンパク加水分解物と同様の毛髪への有用性を
持ち、しかも動物タンパクの加水分解物では持ち得ない
特性を付与した新規化合物を開発することが必要であ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、米糠タンパク
を加水分解することによって得られる米糠タンパク誘導
ペプチドを高級脂肪酸でアシル化して、米糠タンパク誘
導ペプチドの特性を生かしながら、米糠タンパク誘導ペ
プチドにはない界面活性能を付与し、毛髪化粧品や皮膚
化粧品の配合剤として有用な新規化合物を提供したもの
である。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(I):
【0007】
【化1】
【0008】〔式中、R1 は炭素数8〜20のアルキル
基、または炭素数8〜20のアルケニル基であり、R2
は米糠タンパク誘導ペプチドを構成する種々のアミノ酸
の側鎖である。nは2〜20であり、Mはナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属、アンモニウムまたはモノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパン
ジオールなどの有機アルカノールアミンのオニウムであ
る〕で示される米糠タンパク誘導ペプチドのアシル化物
の塩からなる化粧品用配合剤に関する。
【0009】上記一般式(I)において、その側鎖がR
2 で示されるアミノ酸としては、アラニン、グリシン、
バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニル
アラニン、チロシン、セリン、トレオニン、メチオニ
ン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン
酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、シスチ
ン、トリプトファンなどがあげられる。そして、これら
のアミノ酸の組成比の分析例を示すと表1のとおりであ
る。
【0010】ただし、通常、タンパク質のアミノ酸分析
にあたっては、アミノ酸分析を行う前に6N塩酸で試料
の完全加水分解を行なうので、その完全加水分解によっ
てアスパラギンとグルタミンのアミド結合は加水分解さ
れてそれぞれアスパラギン酸とグルタミン酸になる。そ
のため、表1ではアスパラギンとグルタミンはそれぞれ
アスパラギン酸とグルタミン酸に加算されて表示されて
おり、また、トリプトファンは加水分解によって分解し
消失するため、定量することができず、したがって表1
には表示されていない。そして、シスチンはアミノ基と
カルボキシル基をそれぞれ2個ずつ有するので、表1に
おいて組成比を示すにあたってはハーフシスチンとして
表示されている。
【0011】
【表1】
【0012】このような一般式(I)で示される米糠タ
ンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩は、ペプチド末端
のアミノ基のアシル化に基づく優れた界面活性能を有
し、一般の界面活性剤が使用される用途に対していずれ
も使用可能であるが、通常の合成界面活性剤とは異な
り、天然の米糠タンパクから誘導して得られるものであ
るため、皮膚や粘膜への刺激がきわめて少なく、作用が
非常に穏やかである。また、皮膚や毛髪と同じペプチド
成分を含むため、皮膚や毛髪に対しても穏やかに作用
し、皮膚や毛髪に損傷を与えることなく優れた洗浄効果
を発揮する。
【0013】さらに、上記一般式(I)で示される米糠
タンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩は、米糠タンパ
クから誘導されるペプチド成分と油脂成分から構成され
ており、その米糠タンパクから誘導されるペプチド成分
中のアミノ基やカルボキシル基、さらには各種アミノ酸
の側鎖の作用によって毛髪に吸着するので、毛髪に必要
なペプチド成分と油脂成分とを同時に供給することがで
きる。
【0014】上記のように、この一般式(I)で示され
る米糠タンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩は、優れ
た界面活性能を有する上に、ペプチド成分に由来する皮
膚や毛髪の保護と損傷した毛髪を再生する作用を有し、
かつ油脂成分に由来する艶や光沢の付与、毛髪の櫛通り
性の改善などに対して優れた効果を発揮するので、たと
えばシャンプー、ヘアーリンス、スタイリングフォー
ム、ヘアーコンディショナー、ヘアーパック、ヘアーリ
キッド、ヘアートニック、パーマネントウェーブ用剤な
どの各種毛髪化粧品に、毛髪の保護、コンディショニン
グ、栄養補給の目的で配合され、その優れた効果を発揮
することができる。
【0015】また、皮膚や粘膜への刺激が少なく、かつ
米糠タンパクが皮膚に対して良好な親和性を有すること
から、皮膚に対する油脂分の親和性も良くなり、作用の
強い界面活性剤などによる皮膚の油脂分のとれすぎを防
ぎ、皮膚に潤いを与え、皮膚を保護し、乾燥を防ぐの
で、たとえばクレンジングローション、シェービングロ
ーション、ボディーシャンプー、シェービングクリーム
などの皮膚化粧品に配合され、優れた効果を発揮する。
【0016】さらに、上記一般式(I)で示される米糠
タンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩の原料である米
糠タンパクは、表1に示すように、その構成アミノ酸中
のグルタミン酸量やアスパラギン酸量が多いので、上記
一般式(I)で示される米糠タンパク誘導ペプチドのア
シル化物の塩は、コラーゲンなどの動物性のタンパク誘
導ペプチドのアシル化物の塩より、むしろ強い洗浄力や
乳化力を発揮する。また、保湿力なども、動物性タンパ
ク誘導ペプチドのアシル化物の塩より優れていて、皮膚
の感触を良好にする作用が優れている。
【0017】上記一般式(I)で示される米糠タンパク
誘導ペプチドのアシル化物の塩は、米糠タンパク誘導ペ
プチドを高級脂肪酸などでアシル化することによって得
られるものであるが、その米糠タンパク誘導ペプチド
は、米糠タンパクを酸、アルカリ、あるいはタンパク分
解酵素などで加水分解することによって得られる。そし
て加水分解に際して、添加する酸、アルカリ、あるいは
酵素の量、反応温度、反応時間などを適宜選択すること
によって、得られる米糠タンパク誘導ペプチドのnの値
を2〜20、すなわち分子量を約200〜2,000の
好ましいものにすることができる。
【0018】この米糠タンパク誘導ペプチドの毛髪への
吸着や皮膚に対する親和性はその分子量による影響が大
きく、平均分子量200より小さい場合は毛髪への吸着
性や皮膚に対する親和性が小さく、平均分子量200〜
1,000のものが毛髪に吸着しやすく、皮膚に対する
親和性も優れており、かつ水に溶けやすくて取り扱いが
容易であり、平均分子量が2,000を超えると毛髪へ
の吸着性や皮膚に対する親和性が小さくなり、かつ水に
溶けにくくなって取り扱いにくくなる。
【0019】米糠より米糠タンパク誘導ペプチドを得る
には、たとえば次の方法によって行われる。
【0020】(1)前処理 原料の米糠としては、広く市販されている乾燥脱脂米糠
を用いるのが適している。もちろん、未脱脂のものを用
いてもよいが、その際には脱脂操作を行なう必要があ
り、操作の容易さや資源の高度利用の面からみても、脱
脂されたものを用いるのが好ましい。
【0021】まず、脱脂米糠は3〜7%(重量%、濃度
に関しては以下においても同様である)の塩酸水溶液に
懸濁させ、30〜75℃で1〜4時間攪拌してフィチン
および可溶性糖質を抽出する。
【0022】ここで用いる塩酸の濃度は、上記の範囲外
でも目的はある程度達し得るが、3%より低い場合は可
溶性糖質の除去が充分でなく、最終段階にまで残って、
褐変化の原因となり、7%より高くなると可溶性糖質の
除去効果は上がるが、同時にタンパクも分解抽出される
ため、得られるペプチドの収率が悪くなる。
【0023】(2)酵素加水分解 前処理した米糠は、水中に懸濁し、タンパク分解酵素を
用いて加水分解する。酵素としては、たとえば、ペプシ
ン、プロクターゼA、プロクターゼBなどの酸性タンパ
ク分解酵素、パパイン、ブロメライン、サーモライシ
ン、トリプシン、プロナーゼ、キモトリプシンなどの中
性ないしアルカリ性タンパク分解酵素が使用される。ま
たスブチリシン、スラフィロコッカスプロテアーゼなど
の菌産性の中性ないしアルカリ性タンパク分解酵素も使
用できる。
【0024】加水分解時のpHは、ペプシンなどの酸性
タンパク分解酵素の場合にはpH1〜4の範囲、パパイ
ンその他の中性ないしアルカリ性タンパク分解酵素の場
合には4〜10の範囲に調整するのが好ましい。pHは
一般に酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液、リン酸緩衝液など
の緩衝液により、あるいは酸、アルカリなどの添加によ
って適切に調整するのが好ましい。加水分解時の反応温
度は30〜60℃が好ましく、反応時間としては一般に
3〜24時間が採用される。
【0025】酵素の使用量、反応温度、反応時間などに
より加水分解物の分子量を200〜4,000にコント
ロールできるが、目的とする分子量の米糠タンパク誘導
ペプチドを得るためには、酵素使用量、反応温度、反応
時間などの各条件について、得られた加水分解物の分子
量分布をゲル濾過法により調べ、最適条件を決定するの
が好ましい。
【0026】そして、酵素加水分解後は、70〜80℃
で30分〜1時間攪拌を続け、酵素を失活させるのが好
ましい。
【0027】(3)追分解 酵素失活後、加水分解液を濾過により分離し、アルカリ
または酸で追分解する。これは、一時的に溶解している
高分子成分が、長期保存中に会合して不溶化するのを防
ぐためでもあり、また、酵素加水分解液に少糖類が残存
している場合には、これが分解されて単糖類となるた
め、次の透析による精製工程で、糖類を完全に除去でき
る効果も有する。
【0028】アルカリによる分解では、原料米糠に対し
10〜25%となるようにアルカリ剤を加え、1〜2時
間、60〜70℃で加熱分解する。アルカリ剤として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウムなどが用いられる。
【0029】また、酸分解の場合は、酵素加水分解液を
塩酸または硫酸で5〜15%の溶液とし、60〜70℃
で1〜2時間加熱分解する。
【0030】いずれの加熱分解においても、酸、アルカ
リ溶液の濃度や分解時間を変えることによって、酵素加
水分解で得られたペプチドの分子量をさらに200〜
2,000の任意の値にすることができる。
【0031】(4)精製 追分解液は濾過により不溶物を除去し、さらにpHを4
付近にして残存しているフィチンなどを不溶化して濾過
により除く。この溶液をアルカリ剤で中和し、ゲル濾
過、イオン交換樹脂、限外濾過、透析、電気透析などに
より精製を行なう。
【0032】一方、米糠タンパク誘導ペプチドをアシル
化するための高級脂肪酸側成分としては、炭素数8〜2
0のアルキル基または炭素数8〜20のアルケニル基
(上記アルキル基やアルケニル基は鎖状のものでもよい
し、また分岐状のものでもよい)を有する高級脂肪酸が
用いられるが、これらの具体例を挙げると、たとえばカ
プリリール酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、イソパ
ルミチン酸、イソミリスチン酸、イソステアリン酸、ウ
ンデシレン酸、オレイン酸、ミリストレイン酸、エライ
ジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ヤシ
油脂肪酸、牛脂脂肪酸などである。
【0033】そして、米糠タンパク誘導ペプチドをアシ
ル化させる方法としては、最も一般的な方法として、シ
ョッテン−バウマン反応(Schotten−Baum
ann反応)を挙げることができる。
【0034】この反応は米糠タンパク誘導ペプチドの水
溶液に、縮合させる高級脂肪酸の酸クロライド誘導体を
pH8〜10のアルカリ条件下に攪拌しながら加える反
応であり、この反応によれば次式に示すように、
【0035】
【化2】
【0036】塩酸が生成し、pHが低下するので、酸ク
ロライドを加えながら、水酸化ナトリウムや水酸化カリ
ウムなどのアルカリを加えてpH8〜10に維持するこ
とが必要である。反応時間は1〜6時間、反応温度は0
〜60℃、好ましくは20〜50℃が採用される。
【0037】高級脂肪酸側成分としては、上記の酸クロ
ライド以外にも、臭素(Br)、沃素(I)などの高級
脂肪酸の酸ハライドが使用できる。ただし、酸クロライ
ドが最も一般的である。
【0038】また、炭素数8〜20の汎用されている脂
肪酸では、上記酸ハライドによる方法以外に、150〜
200℃の高温、高圧下、米糠タンパク誘導ペプチドと
高級脂肪酸またはそのメチルエステル、エチルエステル
などの低級アルコールエステルとを処理し、脱水縮合ま
たは脱アルコール縮合させる方法も採用できる。ただ
し、この方法は高温処理を要するため、生成物が着色し
必ずしも好ましいとはいえない。
【0039】さらに、ペプチド合成に使用されている試
薬を用い、高級脂肪酸をたとえばN−オキシコハク酸イ
ミドエステル、N−フタルイミドエステルなどのカルボ
キシル基活性誘導体とした上で米糠タンパク誘導ペプチ
ドと反応させる方法も採用できるが、コスト高になる上
に、酸ハライドによる反応ほど反応性は高くない。
【0040】いずれにせよ、得られたアシル化物は、好
ましくは塩酸、硫酸などの強酸の水溶液中に放出して遊
離物を浮遊沈殿として採取し、これを水洗して精製した
後、中和して塩の形にして、水またはアルコール、プロ
ピレングリコールなどの溶剤に溶かして好ましい濃度
(10〜60%、特に20〜40%)の溶液状にする
か、あるいは乾燥して粉末状にして使用に供される。
【0041】上記一般式(I)で示される米糠タンパク
誘導ペプチドのアシル化物の塩は、従来の化粧品用配合
剤に代えて、あるいは従来の化粧品配合剤と併用して、
各種化粧品に配合される。
【0042】この一般式(I)で示される米糠タンパク
誘導ペプチドのアシル化物の塩が配合される化粧品とし
ては、たとえば、シャンプー、ヘアーリンス、枝毛コー
ト、パーマネントウェーブ用第1剤、パーマネントウェ
ーブ用第2剤、ヘアークリーム、エアゾール型フォー
ム、ヘアーコンディショナー、セットローション、ヘア
ーカラー、ヘアーブリーチ、ヘアートリートメント、ヘ
アートリートメントリンス、液体整髪料(ローショ
ン)、ヘアーパック、ヘアートニック、養毛・育毛剤な
どの毛髪化粧品、化粧水、アフターシェーブローショ
ン、シェービングフォーム、バニシングクリーム、クレ
ンジングクリーム、エモリエントクリーム、コールドク
リーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、洗顔
クリームなどの各種クリーム、脱毛剤、フェイスパッ
ク、乳液、ボディーシャンプー、各種石鹸、メーキャッ
プ用品、日焼け止め用品などの各種化粧品をあげること
ができる。
【0043】そして、一般式(I)で示される米糠タン
パク誘導ペプチドのアシル化物の塩を配合して化粧品を
調整するには、該一般式(I)で示される米糠タンパク
誘導ペプチドのアシル化物の塩を固形分で、たとえばシ
ャンプーやボディーシャンプーの場合は0.1〜30%
程度、その他の毛髪化粧品、皮膚化粧品には0.1〜2
0%程度配合するのが好ましい。
【0044】また上記化粧品に、一般式(I)で示され
る米糠タンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩と併用し
て配合できる成分としては、たとえば、ラウリル硫酸ア
ンモニウム、ラウリル硫酸エタノールアミン、ラウリル
硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンな
どのアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(2EO)ラ
ウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(なお、EO
はエチレンオキサイドで、EOの前の数値はエチレンオ
キサイドの付加モル数を示す)、ポリオキシエ
【0045】チレン(3EO)アルキル(炭素数11〜
15のいずれかまたは2種以上の混合物)エーテル硫酸
ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸塩、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウ
リルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなどのア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン(3
EO)トリデシルエーテル酢酸ナトリウムなどのポリオ
キシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ヤシ油脂肪酸サ
ルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシントリ
【0046】エタノールアミン、ラウロイルメチル−β
−アラニンナトリウム、ラウロイル−L−グルタミン酸
ナトリウム、ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノ
ールアミン、ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸ナトリウ
ム、ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸トリエタノールア
ミン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロ
イルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルアミノ
酸塩、エーテル硫酸アルカンスルホン酸ナトリウム、硬
化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、ウン
【0047】デシノイルアミドエチルスルホコハク酸二
ナトリウム、オクチルフェノキシジエトキシエチルスル
ホン酸ナトリウム、オレイン酸アミドスルホコハクサン
二ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、
スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキル(炭素数12〜15)エーテルリン酸(8
〜10EO)、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリ
ン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリ
ン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハ
【0048】ク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ラウリルス
ルホ酢酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウ
ムなどのアニオン性界面活性剤、塩化ジステアリルジメ
チルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレンオレイル
メチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジル
アンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモ
ニウム、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチル
【0049】アンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベ
ンジルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニ
ウムなどのカチオン性界面活性剤、2−アルキル−N−
カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニ
ウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリ
ニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキ
シエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタ
イン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステア
リルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキ
【0050】ルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピル
ベタイン、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N
−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウ
ム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエトキシエチル−
N−カルボキシエチルイミダゾリニウムナトリウムヒド
ロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエ
チル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリ
ウムラウリル硫酸、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アル
ギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩な
【0051】どの両性界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキル(炭素数12〜14)エーテル(7EO)、ポ
リオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イン酸グリセリン、ポリオキシエチレンステアリルエー
テル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシ
エチレンセチルステアリルジエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビトール・ラノリン(40EO)、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
【0052】チレンポリオキシプロピレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテ
トラデシルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポ
リオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロ
ピレンステアリルエーテルなどのノニオン性界面活性
剤、カチオン化セルロース、カチオン化ヒドロキシエチ
ルセルロース、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウ
ム)ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミンなどのカ
チオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリ
【0053】マーなどの合成ポリマー、イソステアリン
酸ジエタノールアミド、ウンデシレン酸モノエタノール
アミド、オレイン酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸モ
ノエタノールアミド、硬化牛脂脂肪酸ジエタノールアミ
ド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジ
エチルアミノエチルアミド、ステアリン酸モノエタノー
ルアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂
肪酸エタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミ
ド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリ
【0054】ン酸エタノールアミド、ラウリン酸ジエタ
ノールアミド、ラノリン脂肪酸ジエタノールアミドなど
の増粘剤、ワックス、パラフィン、脂肪酸エステル、グ
リセライド、動植物油などの油脂類、動植物抽出物、ポ
リサッカライドまたはその誘導体、鎖状または環状メチ
ルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジ
メチルポリシロキサンポリエチレングリコール共重合
体、ジメチルポリシロキサンポリプロピレン共重合体、
アミノ変性シリコンオイル、第4級アンモニウム変
【0055】性シリコンオイルなどのシリコンオイル、
プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコ
ールなどの湿潤剤、エタノール、メタノール、プロピル
アルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコ
ール類、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナト
リウム、DL−アラニン、L−アルギニン、グリシン、
L−グルタミン酸、L−システイン、L−スレオニンな
どのアミノ酸などを挙げることができる。
【0056】
【実施例】つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、実施例に先立ち、米糠タ
ンパク誘導ペプチドの製造例を参考例として示す。
【0057】参考例1 3.5%塩酸水溶液6リットルに脱脂米糠1kgを加え
て懸濁させ、65℃の湯浴上で3時間攪拌を続けて、可
溶性糖質やフィチンを抽出した後、テトロン(登録商
標)布で濾過し、残渣を50℃のイオン交換水3リット
ルで洗浄し、再度テトロン(登録商標)布で濾過した。
【0058】上記のようにして、脱脂米糠中より可溶性
糖質やフィチンを除去した後、不溶部分、つまり上記濾
過後の残渣を5リットルのイオン交換水に加えて懸濁さ
せ、攪拌しながら20%水酸化ナトリウム水溶液でpH
8.5にし、この懸濁液にビオプラーゼ原末〔長瀬産業
(株)製のタンパク分解酵素、46万単位〕1.4gを
加え、45℃で湯浴上で3時間攪拌を続けて加水分解を
行なった。加水分解後、湯浴温度を85℃にして30分
間攪拌を続けて、ビオブラーゼを失活させた。
【0059】加水分解液をNo.2濾紙〔東洋濾紙
(株)製の濾紙No.2〕で濾過し、残渣を40℃のイ
オン交換水溶液2リットルで洗浄し、濾液と洗浄液を合
一した後、水酸化ナトリウム120gを加え、65℃の
湯浴上で3時間攪拌して加熱分解した。
【0060】放冷後、濃度35%の過酸化水素水40m
lを加え、12時間放置して脱色した。分解されなかっ
た不溶物はNo.2濾紙で濾過して除去し、濾液を6N
塩酸によりpH4にして不溶物を沈殿させた。この不溶
物もNo.2濾紙で濾過して除去し、濾液を20%水酸
化ナトリウム水溶液でpH7に中和した後、下記に示す
電気透析設備によって電気透析を行った。
【0061】 型式:DO−cb型〔帝人エンジニアリング(株)製〕 膜名称:セレミオンCMVおよびセレジオンAMV〔い
ずれも旭硝子(株)製の電気透析膜の商品名〕 膜寸法:18×12cm 組入膜数:10対 電圧:30V 陽・陰極液:5%硫酸ナトリウム水溶液2リットル
【0062】膜間被濃縮循環液としては、初期濃度3%
の食塩水2リットルを用い、電気透析開始後2時間で電
気伝導度を測定し、3ms/cm以下になったことを確
認して電気透析を終了し、濾液を回収した。
【0063】濾液を減圧濃縮して濃度約25%の溶液に
し、20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6.5に調
整後、No.5濾紙〔東洋濾紙(株)製〕で濾過し、さ
らに膜孔0.45μmのメンブランフィルターを用いて
除菌濾過し、米糠タンパク誘導ペプチドの25%水溶液
を700g得た。
【0064】この米糠タンパク誘導ペプチド水溶液を全
窒素アナラアイザーで分析したところ、窒素量は2.6
03%であった。用いた原料の脱脂米糠の窒素量は4.
268%であったので、全窒素量より求めた収率は4
2.69%であった。また、この米糠タンパク誘導ペプ
チド水溶液を下記の条件でゲル濾過分析したところ、得
られた米糠タンパク誘導ペプチドの平均分子量は395
であった。
【0065】ゲル濾過分析条件 カラム : 直径×長さ=7.5mm×300mm 固定相 : TSKgel G3000Pw〔東ソー
(株)製〕 移動相 : 0.1%トリフルオロ酢酸含有45%アセ
トニトリル溶液 流量 : 0.3ml/分 検出器 : UV検出器 検出波長: 210nm
【0066】検量線用標準試料 アプロチニン : 分子量 6
500 α−MSH(黒色色素胞刺激ホルモン): 分子量 1
655 プラジキニン : 分子量 1
060 グルタチオン : 分子量
307
【0067】参考例2 4リットルの3%塩酸水溶液に脱脂米糠700gを加え
て懸濁させ、65℃の湯浴上で3時間攪拌を続けて、可
溶性糖質やフィチンを抽出した後、テトロン(登録商
標)布で濾過し、残渣を50℃のイオン交換水2リット
ルで洗浄し、再度、テトロン(登録商標)布で濾過し
た。濾過後の残渣を4リットルのイオン交換水に懸濁さ
せ、攪拌しながら20%水酸化ナトリウム水溶液を加え
てpH8.5にし、ビオプラーゼ原末〔長瀬産業(株)
製のタンパク分解酵素、46万単位〕700mgを加え
て、45℃の湯浴上で3時間攪拌を続けて加水分解を行
った。加水分解後、湯浴を85℃に昇温し、30分間攪
拌を続けて、酵素を失活させた。
【0068】加水分解液をNo.2濾紙(前出)で濾過
し、残渣を40℃のイオン交換水1.5リットルで洗浄
し、濾液と洗浄液を合一して5リットルにした。この加
水分解液に35%塩酸を溶液濃度が8%になるように加
え、65℃の湯浴上で1時間攪拌して加熱分解した。こ
の分解液をNo.2濾紙(前出)で濾過し、濾液に水酸
化ナトリウムをpHが10になるように加え、さらに濃
度35%の過酸化水素水10mlを添加し12時間放置
して溶液を脱色した。
【0069】上記水酸化ナトリウムの添加により生じた
不溶物をNo.2濾紙(前出)で濾過して除去し、濾液
を塩酸でpH7にした。この中和物を参考例1と同じ条
件で電気透析し、電気透析終了後、活性炭10gを加え
て脱臭した。濾過により活性炭を除去した後、濾液を減
圧濃縮し、0.45μmのメンブランフィルターを用い
て除菌濾過し、米糠タンパク誘導ペプチドの25%水溶
液530gを得た。
【0070】得られた米糠タンパク誘導ペプチドの窒素
分析値は2.698%で、全窒素量より求めた収率は4
8.08%であった。また、実施例1と同じ条件でゲル
濾過分析を行ったところ、得られた米糠タンパク誘導ペ
プチドの平均分子量は878であった。
【0071】実施例1 参考例1で得られた米糠タンパク誘導ペプチドの25%
水溶液200gに40℃恒温下攪拌しながらヤシ油脂肪
酸(炭素数8〜18の混合脂肪酸)クロライド25g
(米糠タンパク誘導ペプチドの1.2当量)を2時間か
けて滴下した。その間、20%水酸化ナトリウム水溶液
を適宜滴下して反応液のpHを9.0に維持した。40
℃で1時間攪拌した後、温度を50℃に上げ、1時間攪
拌して反応を終了した。
【0072】反応混合物を5%硫酸水溶液1リットル中
に放出し、生成したアシル化物を遊離の形(ペプチドの
カルボン酸が塩でない−COOHの形)で浮遊させて分
離し、水洗した後、20%水酸化カリウム水溶液を加え
て中和し、米糠タンパク誘導ペプチドとヤシ油脂肪酸と
の縮合物のカリウム塩の30%水溶液180gを得た。
収率は75.7%であった。
【0073】なお、得られた生成物の確認は以下のよう
にして行なった。
【0074】得られた生成物の30%水溶液について、
ファン・スレーク(Van Slake)法によりアミ
ノ態窒素量を測定したところ0.102mg/gであっ
た。原料として用いた米糠タンパク誘導ペプチドの25
%水溶液はアミノ態窒素が6.225mg/gであり、
生成物においてほとんどのアミノ基がアシル化されてい
ることが判明した。
【0075】ついで、生成物の少量を試験管にとり、こ
れに6N塩酸を加え、窒素ガスで置換後、試験管を封管
し、110℃で24時間加水分解を行なった。開封し、
減圧濃縮により塩酸を除去した後、水とエーテルを加え
分液ロートにて水層とエーテル層に分離し抽出を行なっ
た。
【0076】得られた水層を試料とし、これのアミノ酸
分析を行なったところ、原料として用いた米糠タンパク
誘導ペプチドとほぼ同じ組成を有していることが判明し
た。エーテル層は、常法に従ってN−メチル−N−ニト
ロソ−p−トルエンスルホンアミドを用いてメチルエス
テル化した後、ガスクロマトグラフィーを行なったとこ
ろ、同様に処理しメチルエステル化した原料のヤシ油脂
肪酸のメチルエステル化物と同じものであることが判明
した。
【0077】以上の結果から、生成物は原料として用い
た米糠タンパク誘導ペプチドのアミノ基におけるヤシ油
脂肪酸の縮合物のカリウム塩であることが確認された。
アミノ酸分析の結果を表2に、ガスクロマトグラフィー
の結果を図1に示す。
【0078】ガスクロマトグラフィーの温度と昇温速度
はチャートに記載の通りであり、ピークの数値は検出時
間(分)を示す。これは以後の図2〜図4においても同
様である。なお、ここで、本実施例1および後記実施例
2〜4のガスクロマトグラフィーの分析条件をまとめて
示すと次のとおりである。
【0079】カラム:DEGS(ジエチレングリコール
サクシネート)+H3 PO4 (10:1)、内径3mm
×長さ2m キャリアーガス:窒素(50ml/分) 検出法:水素炎イオン化検出法 カラム温度:各図に示す。
【0080】実施例2 参考例1で得られた米糠タンパク誘導ペプチドの25%
水溶液200gを45℃恒温下攪拌しながらイソステア
リン酸クロライド21.5g(米糠タンパク誘導ペプチ
ドの0.8当量)を2時間かけて滴下した。その間、2
0%水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて反応液のpH
を9に維持した。さらに45℃で1時間攪拌した後、温
度を50℃に上げ、1時間攪拌を続けて反応を終了し
た。
【0081】反応混合物を5%硫酸水溶液1リットル中
に放出し、生成したアシル化物を浮遊させて分離し、浮
遊物を水洗した後、2−アミノ−2−メチル−1,3−
プロパンジオールで中和し、エタノールを加えて、米糠
タンパク誘導ペプチドのイソステアリン酸縮合物の2−
アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩の2
5%エタノール水溶液190gを得た。エタノールの濃
度は50%であり、収率は69.6%であった。
【0082】なお、得られた生成物の確認は以下のよう
にして行なった。
【0083】得られた生成物の2−アミノ−2−メチル
−1,3−プロパンジオールにより中和する前の浮遊物
(乾燥残分48.2%)について、ファン・スレーク法
によりアミノ態窒素を求めたところ0.212mg/g
であった。なお、2−アミノ−2−メチル−1,3−プ
ロパンジオールによる中和前のものについてアミノ態窒
素の測定を行なったのは、中和後は2−アミノ−2−メ
チル−1,3−プロパンジオールのアミノ基を測定して
しまうため、アミノ態窒素の測定ができないからであ
る。
【0084】原料として用いた米糠タンパク誘導ペプチ
ドの25%水溶液のアミノ態窒素は6.225mg/g
であり、生成物においてほとんどのアミノ基がアシル化
されていることが判明した。
【0085】ついで、実施例1と同様に生成物の少量を
6N塩酸で加水分解し、水層とエーテル層に分離した。
水層のアミノ酸分析を行なったところ、原料として用い
た米糠タンパク誘導ペプチドとほぼ同じ組成を有してい
ることが判明した。また、エーテル層をメチルエステル
化したのち、ガスクロマトグラフィーを行なったとこ
ろ、同様に処理しメチルエステル化した原料のイソステ
アリン酸のメチルエステル化物と同じものであることが
判明した。
【0086】以上の結果から、生成物は原料として用い
た米糠タンパク誘導ペプチドのアミノ基におけるイソス
テアリン酸縮合物の2−アミノ−2−メチル−1,3−
プロパンジオール塩であることが確認された。アミノ酸
分析の結果を表2に、ガスクロマトグラフィーの結果を
図2に示す。
【0087】実施例3 参考例2で得られた米糠タンパク誘導ペプチドの25%
水溶液200gに45℃恒温下攪拌しながらミリスチン
酸クロライド11g(米糠タンパク誘導ペプチドの1.
1当量)を1時間かけて滴下した。その間20%水酸化
ナトリウム水溶液を適宜加えて反応液のpHを9に維持
した。さらに45℃で1時間攪拌したのち、温度を50
℃に上げ、1時間攪拌を続けて反応を終了した。
【0088】反応混合物を5%硫酸水溶液1リットル中
に放出し、生成したアシル化物を浮遊させて分離し、浮
遊物を水洗した後、20%水酸化ナトリウム水溶液を加
えて中和し、米糠タンパク誘導ペプチドのミリスチン酸
縮合物のナトリウム塩の30%水溶液155gを得た。
収率は78.3%であった。
【0089】なお、得られた生成物の確認は以下のよう
にして行なった。
【0090】得られた生成物の30%水溶液について、
ファン・スレーク法によりアミノ態窒素を求めたところ
0.133mg/gであった。原料として用いた米糠タ
ンパク誘導ペプチドの25%水溶液はアミノ態窒素が
2.823mg/gであり、生成物において約95%の
アミノ基がアシル化されていることが判明した。
【0091】ついで、実施例1と同様に生成物の少量を
6N塩酸で加水分解し、水層とエーテル層に分離し抽出
を行なった。水層のアミノ酸分析を行なったところ、原
料として用いた米糠タンパク誘導ペプチドとほぼ同じ組
成を有していることが判明した。また、エーテル層をメ
チルエステル化した後、ガスクロマトグラフィーを行な
ったところ、同様に処理しメチルエステル化した原料の
ミリスチン酸のメチルエステル化物と同じものであるこ
とが判明した。
【0092】以上の結果から、生成物は原料として用い
た米糠タンパク誘導ペプチドのアミノ基におけるミリス
チン酸縮合物のナトリウム塩であることが確認された。
アミノ酸分析の結果を表3に、ガスクロマトグラフィー
の結果を図3に示す。
【0093】実施例4 実施例3におけるミリスチン酸クロライドに代えてウン
デシレン酸クロライド9g(米糠タンパク誘導ペプチド
の1.1当量)を用い、20%水酸化ナトリウムに代え
てトリエタノールアミンを用いたほかは実施例3と同様
にして、米糠タンパク誘導ペプチドのウンデシレン酸縮
合物のトリエタノールアミン塩の30%水溶液132g
を得た。収率は68.7%であった。
【0094】なお、得られた生成物の確認は以下のよう
にして行なった。
【0095】得られた生成物のトリエタノールアミンに
より中和する前の浮遊物(乾燥残分37.3%)につい
て、ファン・スレーク法によりアミノ態窒素を求めたと
ころ0.628mg/gであった。原料として用いた米
糠タンパク誘導ペプチドの25%水溶液はアミノ態窒素
が2.823mg/gであり、生成物において約85%
のアミノ基がアシル化されていることが判明した。
【0096】なお、トリエタノールアミンにより中和す
る前のものについてアミノ態窒素の測定を行ったのは、
中和後はトリエタノールアミンのアミノ基を測定してし
まうためである。
【0097】ついで、実施例1と同様に生成物の少量を
6N塩酸で加水分解し、水層とエーテル層に分離し抽出
を行なった。水層のアミノ酸分析を行なったところ、原
料として用いた米糠タンパク誘導ペプチドとほぼ同じ組
成を有していることが判明した。また、エーテル層をメ
チルエステル化した後、ガスクロマトグラフィーを行な
ったところ、同様に処理しメチルエステル化した原料の
ウンデシレン酸のメチルエステル化物と同じものである
ことが判明した。
【0098】以上の結果から、生成物は原料として用い
た米糠タンパク誘導ペプチドのアミノ基におけるウンデ
シレン酸縮合物のトリエタノールアミン塩であることが
確認された。アミノ酸分析の結果を表3に、ガスクロマ
トグラフィーの結果を図4に示す。
【0099】前記したように、表2に実施例1の米糠タ
ンパク誘導ペプチドのヤシ油脂肪酸縮合物のカリウム塩
のアミノ酸分析の結果、実施例2の米糠タンパク誘導ペ
プチドのイソステアリン酸縮合物の2−アミノ−2−メ
チル−1,3−プロパンジオール塩のアミノ酸分析の結
果およびそれらの原料として用いた参考例1の米糠タン
パク誘導ペプチドのアミノ酸分析の結果を示す。
【0100】また、表3に実施例3の米糠タンパク誘導
ペプチドのミリスチン酸縮合物のナトリウム塩のアミノ
酸分析の結果、実施例4の米糠タンパク誘導ペプチドの
ウンデシレン酸縮合物のトリエタノールアミン塩のアミ
ノ酸分析の結果およびそれらの原料として用いた参考例
2の米糠タンパク誘導ペプチドのアミノ酸分析の結果を
示す。
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】つぎに、本発明の応用例について説明す
る。
【0104】応用例1 実施例1で得られた米糠タンパク誘導ペプチドのヤシ油
脂肪酸縮合物のカリウム塩を用いて表4に示すボディー
シャンプー(実施品1)を調製した。また、比較対照の
ため、該実施例1の米糠タンパク誘導ペプチドのヤシ油
脂肪酸縮合物のカリウム塩の代わりにコラーゲン誘導ペ
プチドのヤシ油脂肪酸のカリウム塩〔成和化成社製のプ
ロモイスECP(商品名)〕を含むボディーシャンプー
(比較品1)およびラウリル硫酸ナトリウムを含むボデ
ィーシャンプー(比較品2)を調製し、それぞれのシャ
ンプーを用いた場合の、洗浄時の泡立ちやすさ、泡のき
め細かさ、泡のやわらかさ、洗浄力、すすぎ時の泡切れ
の良さ、および洗浄後の皮膚の感触の良さについて調べ
た。
【0105】なお、各物質名の後にカッコ(括弧)内に
成分濃度を付記していないものは、純分換算した配合量
である。また、各成分の配合量はいずれも重量%による
ものである。そして、これらは以下の応用例においても
同様である。
【0106】
【表4】
【0107】上記実施品1および比較品1〜2のボディ
ーシャンプーをそれぞれ10人のパネラー(男性5人、
女性5人)に使用させ、上記項目について評価させた。
評価基準は、最も良いもの〔2点〕、次に良いもの〔1
点〕、悪いもの〔0点〕で、結果を表5に10人の平均
値で示す。
【0108】
【表5】
【0109】表5に示すように、実施品1のボディーシ
ャンプーは、泡立ちの点では比較品1〜2のボディーシ
ャンプーより少し劣っていたが、泡のきめ細かさや泡の
なめらかさ、泡切れの良さ、洗浄後の肌の感触に関して
は、比較品1〜2のボディーシャンプーより優れてい
た。特に、使用後の肌の感触に関しては、パネラー全員
が、実施品1のボディーシャンプーは肌になめらかな感
触が残るという評価であり、コラーゲン誘導ペプチドの
アシル化物のカリウム塩を用いた比較品1のボディーシ
ャンプーよりも、皮膚に対する収着性がよく、優れた感
触を与えるという評価であった。
【0110】応用例2 実施例2で得られた米糠タンパク誘導ペプチドのイソス
テアリン酸縮合物の2−アミノ−2−メチル−1,3−
プロパンジオール塩を配合した下記組成のヘアーリンス
(実施品2)を調製した。また、比較対照のため、該実
施例2の米糠タンパク誘導ペプチドのイソステアリン酸
縮合物の2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジ
オール塩を含まず、他は実施品2と同じ組成のヘアーリ
ンス(比較品3)を調製した。
【0111】 米糠タンパク誘導ペプチドのイソステアリン酸縮合 1.5 物の2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジ オール塩(25%エタノール水溶液) 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(73%) 0.6 環状シリコーン〔デカメチルシクロペンタンシロキ 1.0 サン、トーレシリコーン社製のSH245(商品名 )〕 ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド 3.0 エチレングリコールジステアレート 4.0 ジグリセリンモノステアレート 1.5 ポリオキシエチレン(120EO)メチルグルコー 1.5 スジオレート〔アマコール社製のDOE−120( 商品名)〕 セタノール 7.0 1,3−ブチレングリコール 3.0 パラヒドロキシ安息香酸エステル・フェノキシエタ 0.5 ノール混合物〔成和化成社製のセイセプト(商品名 )〕 クエン酸 pH5.0にする 香料 適 量 滅菌イオン交換水 計100.0にする
【0112】上記実施品2および比較品3のヘアーリン
スを5倍に希釈して、それぞれ市販のシャンプーで洗浄
後の毛髪に使用し、使用後の毛髪の艶、しなやかさ、櫛
通り性について、10人の女性パネラーに比較させた。
その結果を表6に示す。なお、結果は、実施品2の方が
良いと答えた人数、比較品3の方が良いと答えた人数、
どちらとも言えないと答えた人数で示す。
【0113】
【表6】
【0114】表6に示すように、実施品2のヘアーリン
スは、使用後の毛髪の艶、しなやかさ、櫛通り性のいず
れにおいても、比較品3のヘアーリンスより優れてい
た。
【0115】応用例3 実施例3で得られた米糠タンパク誘導ペプチドのミリス
チン酸縮合物のナトリウム塩を配合した表7のシャンプ
ー(実施品3)を調製した。また、比較対照のため、該
実施例3の米糠タンパク誘導ペプチドのミリスチン酸縮
合物のナトリウム塩の代わりにコラーゲン誘導ペプチド
のミリスチン酸縮合物のナトリウム塩を含むシャンプー
(比較品4)およびラウルリエーテル硫酸ナトリウムを
含むシャンプー(比較品5)を調製し、洗髪時の泡立ち
やすさ、泡のきめ細かさ、櫛通りの軽さ、および洗髪後
の毛髪のまとまりやすさ、潤い、艶、櫛通り性について
調べた。
【0116】
【表7】
【0117】上記実施品3および比較品4〜5のシャン
プーをそれぞれ2gずつ用い、重さ1gで長さ15cm
の毛束を洗浄した。この洗浄を10回繰り返し、前記各
項目について、10人の女性パネラーに応用例1と同様
の評価基準で評価させた。その結果を表8に示す。
【0118】
【表8】
【0119】表8に示すように、実施品3のシャンプー
は、洗髪時の泡立ちやすさに関しては比較品4〜5のシ
ャンプーに比べて少し劣っていたが、泡のきめ細かさ、
櫛通りの軽さとも比較品4〜5のシャンプーより良好で
あり、また、10回の洗髪を繰り返した後も、毛髪がま
とまりやすく、毛髪に潤い、艶を与え、櫛通り性も良好
であった。上記のように、実施品3のシャンプーは、コ
ラーゲン誘導ペプチドのアシル化物の塩を用いた比較品
4のシャンプーより洗髪後の毛髪に潤い、艶を付与する
性質が優れており、米糠タンパク誘導ペプチドのアシル
化物の塩が毛髪への収着性が良好であることを示してい
た。
【0120】応用例4 実施例4で得られた米糠タンパク誘導ペプチドのウンデ
シレン酸縮合物のトリエタノールアミン塩を配合した下
記組成のパーマネントウェーブ第1剤(実施品4)を調
製した。また、比較対照のため、該実施例4の米糠タン
パク誘導ペプチドのウンデシレン酸縮合物のトリエタノ
ールアミン塩を含まず、他は実施品4と同組成のパーマ
ネントウェーブ第1剤(比較品6)を調製した。
【0121】 米糠タンパク誘導ペプチドのウンデシレン酸縮合物 4.0 のトリエタノールアミン塩(30%) 塩化ベンザルコニウム溶液(50%) 1.0 チオグリコール酸アンモニウム(50%) 12.0 モノエタノールアミン 0.7 ポリオキシエチレンラウリルエーテル混合物〔10 1.0 モル25%、15モル50%、25モル25%〕〔 成和化成社製のアヤコールPL−50(商品名)〕 アンモニア水(25%) 0.7 EDTA・2Na 0.1 香料 適 量 滅菌イオン交換水 計100.0とする
【0122】つぎに、試験用の毛束として重さ1gで長
さ15cmの毛束を用い、第2剤には6%臭素酸ナトリ
ウム水溶液を用いて、上記毛束に実施品4および比較品
6のパーマネントウエーブ用第1剤によりそれぞれパー
マネントウェーブ処理を3回施した。処理後の毛髪につ
いて、10人の女性パネラーに、毛髪のしなやかさ、
艶、セット力、セット持続性について下記の基準で5段
階評価させた。
【0123】評価基準 非常に良い 5 良い 4 ふつう 3 悪い 2 非常に悪い 1
【0124】また、パーマネントウエーブ処理後の毛髪
を加水分解した後、アミノ酸分析を行ない、パーマネン
トウェーブ処理によって生じたシステイン酸量を定量し
た。システイン酸の生成量は、毛髪の損傷度を示すもの
であり、その生成量が多いほど毛髪の損傷が大きいとさ
れる。それらの結果(平均値)を表9に示す。
【0125】
【表9】
【0126】表9に示すように、実施品4のパーマネン
トウェーブ用第1剤によりパーマネントウェーブ処理し
た場合は、比較品6のパーマネントウェーブ用第1剤に
よりパーマネントウェーブ処理した場合に比べて、いず
れの評価値も高く、かつシステイン酸量も少なく、米糠
タンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩は、パーマネン
トウェーブ処理による毛髪の損傷を押さえ、毛髪に良好
な特性を付与することが明らかであった。
【0127】応用例5 実施例1で得られた米糠タンパク誘導ペプチドのヤシ油
脂肪酸縮合物のカリウム塩を配合した下記組成の染毛剤
(実施品5)を調製した。また、比較対照のため、該実
施例1の米糠タンパク誘導ペプチドのヤシ油脂肪酸縮合
物のカリウム塩を含まず、他は実施品5と同じ組成の染
毛剤(比較品7)を調製した。
【0128】 〔第1剤〕 米糠タンパク誘導ペプチドのヤシ油脂肪酸縮合 2.0 物のカリウム塩(30%) p−フェニレンジアミン 0.8 p−アミノフェノール 0.2 o−アミノフェノール 1.0 レゾルシン 1.6 イソプロパノール 10.0 プロピレングリコール 12.0 オレイン酸 20.0 ビス−2−ヒドロキシエチルソルビタンアミン 9.0 ヒドロキシエチルステアリルアミド 6.0 アンモニア水(28%) 10.0 亜硫酸ナトリウム 0.5 EDTA・2Na 0.5 滅菌イオン交換水 計100.0とする
【0129】 〔第2剤〕 ステアリン酸 1.0 モノステアリン酸グリセリン 1.5 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.0 過酸化水素水(35%) 15.5 滅菌イオン交換水 計100.0とする
【0130】上記実施品5および比較品7の染毛剤を用
い、それぞれ重さ1gで長さ15cmの毛束を染毛し
た。染毛処理は、第1剤と第2剤とを同量ずつ混合し、
その混合物を毛束に塗布した後、30分間放置し、その
後、湯ですすぎ、ついで2%ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル水溶液で洗浄することによって行なっ
た。染毛処理後、ドライヤーで毛束を乾燥した後、毛髪
の均染性、潤い、艶および櫛通り性を10人のパネラー
(男性4人、女性6人)に応用例4と同じ基準で5段階
評価させた。また、上記染毛処理後の毛髪を加水分解し
た後、アミノ酸分析を行ない、染毛処理によって生じた
システイン酸を定量した。それらの結果(平均値)を表
10に示す。
【0131】
【表10】
【0132】表10に示すように、実施品5の染毛剤
は、染毛後の毛髪の状態がいずれの項目においても比較
品7の染毛剤より評価値が高く、また毛髪中のシステイ
ン酸量は、比較品7の染毛剤を用いた場合の約1/3で
あり、米糠タンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩が毛
髪の損傷防止に有効であることを示していた。
【0133】応用例6 実施例3で得られた米糠タンパク誘導ペプチドのミリス
チン酸縮合物のナトリウム塩を配合した下記組成の洗顔
クリーム(実施品6)を調製した。また、比較対照のた
め、該実施例3の米糠タンパク誘導ペプチドのミリスチ
ン酸縮合物のナトリウム塩を含まず、他は実施品6と同
じ組成の洗顔クリーム(比較品8)を調製した。
【0134】 米糠タンパク誘導ペプチドのミリスチン酸縮合 12.0 物のナトリウム塩(30%) ミリスチン酸 20.0 ラウリン酸 8.0 セタノール 4.0 カゼイン誘導ペプチド〔成和化成社製のプロモ 5.0 イスミルク(商品名)、30%〕 ポリエチレングリコール−4000 4.0 モノステアリン酸ポリエチレングリコール 3.0 (140EO) グリセリン 5.0 水酸化ナトリウム 0.7 水酸化カリウム 4.7 EDTA・2Na 0.1 パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 滅菌イオン交換水 計100.0とする
【0135】上記実施品6および比較品8の洗顔クリー
ムを10人の女性パネラーにそれぞれ使用させ、洗顔時
の泡立ちの良さ、泡のきめ細かさ、泡のやわらかさ、す
すぎ時の泡切れの良さ、洗顔後の肌の感触について比較
評価させた。その結果を表11に示す。なお、結果は、
実施品6の方が良いと答えた人数、比較品8の方が良い
と答えた人数、どちらとも言えないと答えた人数で示
す。
【0136】
【表11】
【0137】表11に示すように、実施品6の洗顔クリ
ームは、泡立ちに関しては比較品8の洗顔クリームに比
べて少し劣っていたが、その他の項目については、比較
品8の洗顔クリームより優れており、特に洗顔後の肌の
感触に関しては、10人中9人が、肌にしっとりとした
感じが残り、非常に良好であるという評価であった。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の一般式
(I)で示される米糠タンパク誘導ペプチドのアシル化
物の塩は、ペプチド末端のアミノ基のアシル化に基づく
優れた界面活性能を有し、しかも天然の米糠タンパクか
ら誘導されたものであるため、合成界面活性剤に比べて
皮膚や毛髪への刺激が少なく、また、皮膚や毛髪と同じ
ペプチド成分を含むため、皮膚や毛髪に対して穏やかに
作用し、皮膚や毛髪に損傷を与えることなく優れた洗浄
効果を発揮する。
【0139】また、上記一般式(I)で示される米糠タ
ンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩は、米糠タンパク
から誘導されるペプチド成分と油脂成分から構成されて
おり、その米糠タンパクから誘導されるペプチド成分中
のアミノ基やカルボキシル基、さらには各種アミノ酸の
作用によって毛髪に吸着するので、毛髪に必要なペプチ
ド成分と油脂成分を同時に供給することができる。
【0140】したがって、この一般式(I)で示される
米糠タンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩は、前述し
たような優れた界面活性能を有する上に、米糠タンパク
から誘導されるペプチド成分に由来する毛髪の保護と損
傷した毛髪を再生する作用を有し、かつ油脂成分に由来
する艶や光沢の付与、くし通り性の改善などに関して優
れた効果を発揮するので、各種毛髪化粧品に毛髪の保
護、コンディショニング、栄養補給の目的で配合され、
優れた効果を発揮する配合剤となる。
【0141】さらに、上記一般式(I)で示される米糠
タンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩は、皮膚や粘膜
への刺激が少なく、かつ米糠タンパク誘導ペプチドが皮
膚に対して良好な親和性を有することから、皮膚に対す
る油脂分の親和性も良くなり、作用の強い界面活性剤な
どによる皮膚の油脂分の取れすぎを防ぎ、皮膚に潤いを
与え、皮膚を保護し、乾燥を防ぐので、皮膚化粧品に対
する優れた配合剤となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の米糠タンパク誘導ペプチドのヤシ油
脂肪酸縮合物のカリウム塩のヤシ油脂肪酸部分のメチル
エステル化物と原料として用いたヤシ油脂肪酸のメチル
エステル化物のガスクロマトグラフィーの結果を示す図
である。
【図2】実施例2の米糠タンパク誘導ペプチドのイソス
テアリン酸縮合物の2−アミノ−2−メチル−1,3−
プロパンジオール塩のイソステアリン酸部分のメチルエ
ステル化物と原料として用いたイソステアリン酸のメチ
ルエステル化物のガスクロマトグラフィーの結果を示す
図である。
【図3】実施例3の米糠タンパク誘導ペプチドのミリス
チン酸縮合物のナトリウム塩のミリスチン酸部分のメチ
ルエステル化物と原料として用いたミリスチン酸のメチ
ルエステル化物のガスクロマトグラフィーの結果を示す
図である。
【図4】実施例4の米糠タンパク誘導ペプチドのウンデ
シレン酸縮合物のトリエタノールアミン塩のウンデシレ
ン酸部分のメチルエステル化物と原料として用いたウン
デシレン酸のメチルエステル化物のガスクロマトグラフ
ィーの結果を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 〔式中、R1 は炭素数8〜20のアルキル基、または炭
    素数8〜20のアルケニル基であり、R2 は米糠タンパ
    ク誘導ペプチドを構成する種々のアミノ酸の側鎖であ
    る。nは2〜20であり、Mはナトリウム、カリウムな
    どのアルカリ金属、アンモニウム、またはモノエタノー
    ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
    ン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオー
    ルなどの有機アルカノールアミンのオニウムである〕で
    示される米糠タンパク誘導ペプチドのアシル化物の塩か
    らなる化粧品用配合剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR3114027A1 (fr) * 2020-09-11 2022-03-18 Societe Industrielle Limousine D'application Biologique Principe actif cosmétique comprenant un extrait de son et de germe d’Oryza sativa.

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